JP2002105667A - プレス成形性に優れた表面処理鋼板 - Google Patents

プレス成形性に優れた表面処理鋼板

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JP2002105667A
JP2002105667A JP2000299363A JP2000299363A JP2002105667A JP 2002105667 A JP2002105667 A JP 2002105667A JP 2000299363 A JP2000299363 A JP 2000299363A JP 2000299363 A JP2000299363 A JP 2000299363A JP 2002105667 A JP2002105667 A JP 2002105667A
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steel sheet
treated steel
press formability
press
sliding
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JP2000299363A
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Tomokatsu Katagiri
知克 片桐
Yoichi Tobiyama
洋一 飛山
Kazuhide Ishii
和秀 石井
Chiaki Kato
千昭 加藤
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JFE Steel Corp
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Kawasaki Steel Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 摺動距離が長くなるプレス成形においても低
い摺動抵抗が安定して維持される、プレス成形性に優れ
た溶融亜鉛めっき鋼板を低コストで提供する。 【解決手段】 溶融亜鉛めっき鋼板の表面に無機系皮膜
を形成した表面処理鋼板において、該無機系皮膜は、み
かけの面積の1.5 倍以上の表面積を有するものとする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、プレス成形性に
優れた表面処理鋼板に関するものである。
【0002】
【従来の技術】亜鉛系めっき鋼板は、優れた耐食性を有
することから、自動車用鋼板を典型例として、様々な分
野において適用されている。ここに、亜鉛系めっき鋼板
を自動車用鋼板として用いる場合、亜鉛系めっき鋼板に
プレス成形を施すことが必須であるが、亜鉛系めっき鋼
板のプレス成形性は、例えば冷延鋼板と比較して劣るこ
とは周知である。そこで、亜鉛系めっき鋼板におけるプ
レス成形性を向上させるために、種々の表面処理法が提
案されている。
【0003】すなわち、特開昭62−185883号公報には、
上層に鉄系めっきを施して表面の硬度を上昇することに
より、めっきとダイスのかじりを防止する方法が提案さ
れている。また、特開平4−176878号公報には、Pまた
はBの酸素酸塩と金属酸化物による皮膜を形成して、金
型との摺動性を改善する方法が開示されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記の
従来技術は、特に自動車用鋼板として用いる場合に、以
下の点において不利を有するものであった。まず、上層
めっきを施す技術は、その上層めっきを施すために、溶
融亜鉛めっきラインに専用の後処理設備を新たに設置す
る必要があり、さらには鋼板の製造コストが高くなると
いう問題点があった。
【0005】一方、無機系酸化物皮膜を形成する方法
は、該皮膜によってプレス成形時の金型との摺動抵抗を
低減することが可能であるが、プレス加工時に材料流入
が多くなる成形形状の場合は、金型との摺動距離が長く
なる結果、材料の流入途中において、皮膜の損傷あるい
は油膜切れに起因して、摺動抵抗の急激な増加が発生す
るという問題を抱えていた。
【0006】従って、この発明は、かかる問題点に鑑
み、摺動距離が長くなるプレス成形においても低い摺動
抵抗が安定して維持される、プレス成形性に優れた溶融
亜鉛めっき鋼板を低コストで提供する方途を与えようと
するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】この発明の要旨構成は、
次のとおりである。 (1) 溶融亜鉛めっき鋼板の表面に無機系皮膜を形成した
表面処理鋼板において、該無機系皮膜は、みかけの面積
の1.5 倍以上の表面積を有することを特徴とするプレス
成形性に優れた表面処理鋼板。
【0008】(2) 上記(1) において、無機系皮膜はりん
酸塩を主成分体とするものであることを特徴とするプレ
ス成形性に優れた表面処理鋼板。
【0009】(3) 上記(1) または(2) において、無機系
皮膜の付着量が0.05g/m2以上2.0g/m2以下であるこ
とを特徴とするプレス成形性に優れた表面処理鋼板。
【0010】なお、上記(1) における、みかけの面積と
は、無機系皮膜の平面視における面積を意味する。
【0011】
【発明の実施の形態】さて、亜鉛系めっき鋼板をプレス
加工すると、表面の亜鉛が軟質であるために金型との凝
着を起こしやすく、金型との摺動抵抗が高くなる結果、
プレス加工条件によっては、型かじりを起こすことが知
られている。通常、プレス油を使用することにより、プ
レス成形性は相当程度改善されるが、大型部品の成形や
難成形部品を加工する場合には、部分的な油膜切れが発
生し、いわゆるプレス割れを起こす場合がある。これに
対して、りん酸亜鉛などの無機系の固形潤滑皮膜を形成
した鋼板は、これら油膜切れなどによる部分的な摺動抵
抗の増加を抑制するのに有効であり、適切なプレス油と
組み合わせて使用することにより、プレス成形性の改善
が可能である。
【0012】しかしながら、プレス加工品の成形形状に
よっては、成形時の材料の流入量が多いために、金型と
の摺動距離が長くなる結果、材料の流入途中において、
皮膜の損傷あるいは油膜切れに起因して、摺動抵抗が急
激に増加することになる。ここに、りん酸亜鉛系の無機
系皮膜によってプレス成形性が向上するのは、特開平4
−176877号公報に記載されているように、該無機系皮膜
の一部が破壊されて得られる転がり潤滑により、摺動抵
抗が減少されるからである。従って、摺動距維が長い場
合は、無機系皮膜が損傷または破壊した部分に金型との
摺動が繰り返されるわけであり、当該部分での摺動抵抗
は増加することになる。
【0013】ところが、プレス成形時の摺動距維が長
く、かつ無機系皮膜が損傷した場合においても、油分の
供給が滞らずに油膜による潤滑が維持されると、上記の
如き摺動抵抗の急激な上昇は抑制されることが新たに判
明した。さらに、油膜による潤滑が持続される場合は、
皮膜の損傷自体も軽微に抑制されて、無機系皮膜の潤滑
効果が持続し得ることも、新たに確認された。ここに、
無機系皮膜を形成した表面処理鋼板の表面における、油
分保持能力を高めることにより、摺動距離が長い場合の
摺動抵抗の上昇が抑制されることが新たに判明したので
ある。
【0014】そこで、表面処理鋼板の表面における油分
保持能力を高める手段について、鋭意究明した。すなわ
ち、表面処理鋼板表面の無機系皮膜の比表面積に着目
し、皮膜の付着量を同一にした種々のサンプルについ
て、その表面積と、繰り返し摺動時の型かじり発生まで
の摺動距離との関係を調査した。ここで、表面積は、み
かけの面積1.0cm2に対する比として示した。なお、繰り
返し摺動時の型かじり発生までの摺動距離の測定は、試
験片摺動部に型かじりによる傷が発生するのを目視によ
り確認し、この傷が確認されるまでの摺動回数に、1回
あたりの摺動長さをかけて算出した。ここで、型かじり
とは、金型へのめっき層等の凝着をともなった、損傷の
ことを指し、試験片の摺動面には、線条痕が生じる。
【0015】その調査結果を図1に示すように、無機系
皮膜の表面積がみかけの面積の1.5倍以上であると、繰
り返し摺動時の型かじり発生までの摺動距離が、無処理
(皮膜形成しない)合金化溶融亜鉛めっき鋼板に比べて
20%以上改善されることがわかる。従って、この発明で
は、無機系皮膜の表面積をみかけの面積の1.5 倍以上と
した。なお、ホパイトやフォスフォライトを主体とする
りん酸塩系の皮膜の場合、表面積が20倍を超すためには
皮膜を構成する粒子を極度に微細化する必要が生じる
上、20倍をこえると表面積による効果は飽和するため、
表面積比は20倍以下がコスト上好ましい。
【0016】ここで、無機糸皮膜の形成方法としては、
例えば反応型のりん酸亜鉛系化成処理をあげることがで
きる。すなわち、薬液組成は特別なものである必要はな
く、例えば、Zn: 0.5〜1.5 g/l、Mn: 0.1〜1.0 g
/l、Ni: 0.1〜1.0 g/l、P2O5:5〜30g/lおよ
びF - :0.1 〜0.5 g/lなる組成の酸性液に、NO3 -
NO2 - またはClO3 - などの反応促進剤を添加した浴を用
いることができる。この無機系皮膜としては、上記した
りん酸亜鉛系の潤滑皮膜の他、りん酸−マンガン系、り
ん酸−Ni系などの他のりん酸塩系や、りん酸−金属酸
化物複合皮膜なども適用可能である。
【0017】かくして得られる皮膜の表面積は、反応液
中の各成分濃度、pH、反応温度や接触時間を変化させた
り、下地鋼板の前処理を変えることにより、上記した範
囲に制御することができる。
【0018】ちなみに、この発明に従って無機系皮膜を
形成する溶融亜鉛めっき鋼板としては、通常の合金化溶
融亜鉛めっき鋼板は勿論、非合金の溶融亜鉛めっき鋼板
も有利に適合する。
【0019】また、無機皮膜の付着量は、 0.05 g/m2
未満では、成形時の摺動性の改善効果が不十分になる、
おそれがあり、一方 2.0g/m2をこえると、摺動性の改
善効果は飽和し、むしろ自動車製造で必須である接着工
程における接着性を劣化するなどの性能低下が顕著とな
ることから、無機皮膜の付着量を 0.05 〜 2.0g/m2
範囲に規制することが好ましい。
【0020】
【実施例】板厚0.8 mmの普通鋼板を、Al:0. 1〜0.2mas
s %およびFe:8〜14mass%を含み残部がZnのめっき浴
に浸漬して得た、合金化溶融亜鉛めっき鋼板の表面に、
りん酸亜鉛系皮膜を種々の条件にて形成した。
【0021】かくして得られた表面処理鋼板について、
りん酸亜鉛系皮膜の付着量および表面積を測定するとと
もに、さらにプレス成形性を評価した。その結果を表1
に示す。
【0022】なお、皮膜の付着量は、クロム酸アンモニ
ウム溶解重量法によって測定し、表面積は原子間力顕微
鏡(AFM)により3次元の表面形状を測定し、コンピュー
タにより算出した。
【0023】また、プレス成形性は、表面処理鋼板表面
に、潤滑油としてプレトン303 P(スギムラ化学)を1.
0 g/m2 で塗布し、平面摺動試験(面圧:19.6MPa 、
摺動距離100mm 、引抜速度10mm/s)をくりかえし行っ
て、型かじり発生までの摺動可能回数を測定して評価し
た。なお、2回目以降の摺動時は試験片の新たな塗油は
せず、金型の清掃(ふき取り)のみ行った。この回数が
多いほど、プレス成形性に優れることを示している。ま
た金型材質はJIS SKD11 である。
【0024】
【表1】
【0025】
【発明の効果】この発明によれば、とりわけ摺動距離が
長いプレス成形においても摺動抵抗の小さい、プレス成
形性に優れる表面処理鋼板を、低コストで提供すること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 表面積比と摺動距離との関係を示す図であ
る。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石井 和秀 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 (72)発明者 加藤 千昭 千葉県千葉市中央区川崎町1番地 川崎製 鉄株式会社技術研究所内 Fターム(参考) 4K026 AA02 AA13 AA22 BA03 BA04 BA05 BB09 CA23 CA28 CA32 CA34 DA02 DA03 DA06 DA11 4K044 AA02 AB02 BA10 BA17 BB03 BC05 CA11 CA16 CA53 CA62

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融亜鉛めっき鋼板の表面に無機系皮膜
    を形成した表面処理鋼板において、該無機系皮膜は、み
    かけの面積の1.5 倍以上の表面積を有することを特徴と
    するプレス成形性に優れた表面処理鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1において、無機系皮膜はりん酸
    塩を主成分とするものであることを特徴とするプレス成
    形性に優れた表面処理鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2において、無機系皮膜
    の付着量が0.05g/m2以上2.0 g/m2以下であることを
    特徴とするプレス成形性に優れた表面処理鋼板。
JP2000299363A 2000-09-29 2000-09-29 プレス成形性に優れた表面処理鋼板 Pending JP2002105667A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017226917A (ja) * 2016-06-24 2017-12-28 ポスコPosco 亜鉛系めっき鋼板用リン酸塩溶液、それを用いた耐変色性及びフィルム接着性に優れたリン酸塩処理亜鉛系めっき鋼板、並びにその製造方法

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