JP2002105052A - 化合物の光学分割法およびこれを含む光学活性化合物の製造法 - Google Patents

化合物の光学分割法およびこれを含む光学活性化合物の製造法

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JP2002105052A JP2000298513A JP2000298513A JP2002105052A JP 2002105052 A JP2002105052 A JP 2002105052A JP 2000298513 A JP2000298513 A JP 2000298513A JP 2000298513 A JP2000298513 A JP 2000298513A JP 2002105052 A JP2002105052 A JP 2002105052A
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Yoichi Iimura
洋一 飯村
Takashi Ozasa
貴史 小笹
Naoko Suzuki
直子 鈴木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】アセチルコリンエステラーゼ阻害化合物の光学
活性体の製造。 【解決手段】式 【化1】 〔式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。〕で
表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物
を、キラルカラムを装着した高速液体クロマトグラフィ
ー(以下、「HPLC」という)装置を用いて光学分割
することを含む、式 【化2】 〔式中、Xは前記定義に同意義を示す;記号*は、当該
記号を付した炭素原子が光学活性を有することを示
す。〕で表わされる光学活性化合物もしくはその塩また
はそれらの水和物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ラセミ混合物を光
学分割することを特徴とする光学活性化合物もしくはそ
の塩またはそれらの水和物の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】光学活性化合物の生理活性は、異性体間
で相違する場合が多い。医薬の分野等では、薬理活性や
安全性等が著しく優れた医薬が、化合物の光学活性化に
よって見出される場合がある。光学活性化合物の製造方
法には、従来から、(1)光学活性原料や光学活性試薬
(触媒を含む)を用いて、必要とする方の光学活性化合
物を優先的に製造する方法と、(2)ラセミ化合物また
は光学異性体混合物を製造した後これを光学分割する方
法とがあり、また、前記(1)と(2)を組合せた方
法、即ち、(2)の方法で光学活性な製造中間体を製造
し、当該中間体を使用して(1)の方法により目的とす
る光学活性化合物を製造する方法もある。従来、(1)
の方法は、糖、アミノ酸、等の天然物由来の光学活性原
料や、その他特定の原料を使用する場合に制限されてい
た。しかし、近年、キラルな補助物質やキラルな触媒を
用いる不斉合成反応の研究が目覚しい進歩を遂げたこと
から、経済的・労力的問題等は残るものの、必要とする
方の光学活性化合物を優先的に製造する本製法は工業上
重要な選択肢になりつつある。(2)の方法としては、
(2−a)溶媒等の適当な媒体中において、光学分割に
供する化合物と光学分割剤とを反応させてジアステレオ
マーを形成させ、溶解度差を利用して一方の難溶性塩を
単離する方法や(2−b)酵素の基質特異性を利用して
目的とする光学活性化合物を優先的に単離する方法等が
ある。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】特願2000−410
05号およびWO00/51985に記載されている式
【化6】 〔式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。〕で
表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物
は、in vitro で優れたアセチルコリンエステラーゼ阻
害作用を示し、当該化合物を含んでなる医薬は各種老人
性痴呆症(アルツハイマー型老年痴呆等)、脳血管性痴
呆および注意欠陥多動障害に対する新しい治療・予防剤
として期待されている。当該化合物のインダノン環2位
の炭素原子は、不斉炭素原子であり、2つの光学異性体
が存在する。医薬としての有用性を高めるうえで、光学
活性化合物に関する薬理活性、体内動態、安全性、等の
検討は重要であり、そのためには、光学活性化合物を製
造する簡便な方法を開発する必要がある。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記事情
に鑑みて精力的に研究を重ねた。その結果、キラルカラ
ムを装着した高速液体クロマトグラフィー(以下、「H
PLC」という。)装置を用いる簡易な方法により、前
記式(I)で表わされる化合物を光学活性化して、目的
とする光学活性化合物を容易に製造できることを見出
し、本発明を完成した。
【0005】すなわち、本発明の特徴は、(1)式
【化7】 〔式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。〕で
表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物
を、キラルカラムを装着した高速液体クロマトグラフィ
ー(以下、「HPLC」という)装置を用いて光学分割
することを含む、式
【化8】 〔式中、Xは前記定義に同意義を示す;記号*は、当該
記号を付した炭素原子が光学活性を有することを示
す。〕で表わされる光学活性化合物もしくはその塩また
はそれらの水和物の製造方法にあり、さらに、(2)前
記(1)において、式(I)および(II)におけるXは
水素原子であってもよく、(3)前記(1)において、
式(I)および(II)におけるXはフッ素原子であって
もよく、(4)前記(1)における製造方法は、式
【化9】 で表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの水和
物を、キラルカラムを装着したHPLC装置を用いて光
学分割することを含む、式
【化10】 〔式中、記号*は前記定義に同意義を示す。〕で表わさ
れる光学活性化合物もしくはその塩またはそれらの水和
物の製造方法であってもよく、(5)前記(1)におい
て、キラルカラムは順相カラムまたは逆相カラムであっ
てもよく、(6)前記(1)において、移動相は(1)
5-8炭化水素溶媒とC1-8アルコールの混合溶媒または
(2)ハロゲン化炭化水素溶媒とC1-8アルコールの混
合溶媒であってもよく、(7)前記(1)において、移
動相はC5-8炭化水素溶媒とC1-8アルコールの混合溶媒
であってもよく、(8)前記(7)において、C5-8
化水素溶媒とC1-8アルコールの混合比は5:5ないし
9:1であってもよく、(9)前記(7)または(8)
において、C5-8炭化水素溶媒はn−ペンタンまたはn
−ヘキサンであってもよく、(10)前記(7)または
(8)において、C1-8アルコールはメタノール、エタ
ノール、n−プロパノールまたはi−プロパノールであ
ってもよく、(11)前記(7)または(8)におい
て、C5-8炭化水素溶媒はn−ヘキサンで、C1-8アルコ
ールはi−プロパノールであってもよく、(12)前記
(1)における製造法は、キラルカラムを装着したHP
LC装置と紫外可視分光検出器とを組み合わせて用いる
方法であってもよく、(13)前記(12)において、
紫外可視分光検出器の測定波長は250ないし275n
mであってもよい。また、本発明の第二の特徴は、(1
4)キラルカラムを装着したHPLC装置を用いること
を含む、式
【化11】 〔式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。〕で
表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物
の光学活性化法にある。
【0006】以下に、本願明細書において記載する記
号、用語等の意味を説明し、本発明を詳細に説明する。
【0007】本願明細書における式
【化12】 〔式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す;記号
*は、当該記号を付した炭素原子が光学活性を有するこ
とを示す。〕で表わされる化合物とは、式
【化13】 〔式中、Xは前記定義に同意義を示す。〕で表わされる
光学活性化合物を示す。
【0008】本発明にかかる光学活性化合物製造法は、
ラセミ化合物の「光学分割」操作を含む方法であり、当
該「光学分割」操作は、キラルカラムを装着したHPL
Cを使用するものである。前記「キラルカラム」とは、
キラル順相カラム、キラル逆相カラムまたはキラルイオ
ン交換カラムを示し、どのカラムを採用するかは、光学
分割操作に供する化合物の種類やその他の諸条件により
異なり、特に限定はされない
【0009】前記「光学分割」操作において使用する移
動相は、使用するHPLCの機種、使用するカラムの種
類、光学分割に供する化合物、流速等により異なり、特
に限定はされないが、好適な例としては、(1)C5-8
炭化水素溶媒とC1-8アルコールの混合溶媒または
(2)ハロゲン化炭化水素溶媒とC1-8アルコールの混
合溶媒があげられる。前記「C5-8炭化水素溶媒」と
は、炭素数5ないし8の炭化水素溶媒を示し、好適な例
としてはn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン、
n−オクタン等があげられる。前記「C1-8アルコー
ル」とは、炭素数1ないし8のアルコールを示し、好適
な例としてはメタノール、エタノール、n−プロパノー
ル、i−プロパノール、n−ブタノール、tert−ブ
タノール等があげられる。前記「ハロゲン化炭化水素溶
媒」における好適な例としては、ジクロロメタン、クロ
ロホルム、四塩化炭素等があげられる。移動相がC5-8
炭化水素溶媒とC1-8アルコールの混合溶媒の場合にお
いて、好適な例としては、n−ヘキサンとエタノールの
混合溶媒や、n−ヘキサンとi−プロパノールの混合溶
媒等があげられる。
【0010】また、移動相における溶媒の混合比は、使
用するカラム、光学分割に供する化合物、HPLCの移
動相の流量、等により異なることは言うまでもなく、特
に限定されないが、しいて好適な例をあげると、C5-8
炭化水素溶媒/C1-8アルコールが5/5ないし9/1
であり、より好適には6/4ないし8/2である。
【0011】本発明にかかる製造方法において、光学分
割に供される式
【化14】 〔式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。〕で
表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物
の具体的態様は、特に限定されない。即ち、Xが、水素
原子であっても、または、フッ素原子、塩素原子、臭素
原子、ヨウ素原子、等いかなるハロゲン原子であって
も、また、当該ハロゲン原子が、式(I)中、ベンゼン
環のどの部位(オルト位、メタ位またはパラ位)に結合
していても、目的とする光学活性化合物を優先的に製造
することができる。とりわけ好ましい態様としては、前
記式(I)で表される化合物が1−ベンジル−4−
[(5,6−ジメトキシ−2−フルオロ−1−インダノ
ン)−2−イル]メチルピペリジン、4−[(5,6−
ジメトキシ−2−フルオロ−1−インダノン)−2−イ
ル]メチル−1−(2−フルオロベンジル)ピペリジ
ン、4−[(5,6−ジメトキシ−2−フルオロ−1−
インダノン)−2−イル]メチル−1−(3−フルオロ
ベンジル)ピペリジンまたは4−[(5,6−ジメトキ
シ−2−フルオロ−1−インダノン)−2−イル]メチ
ル−1−(4−フルオロベンジル)ピペリジンの場合で
ある。
【0012】本発明における「塩」とは薬理学的に許容
される塩を示し、本発明にかかる化合物と付加塩を形成
したものであれば特に限定されないが、例えばフッ化水
素酸塩、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩などの
ハロゲン化水素酸塩;硫酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、リ
ン酸塩、炭酸塩、重炭酸塩などの無機酸塩;酢酸塩、シ
ュウ酸塩、マレイン酸塩、酒石酸塩、フマル酸塩などの
有機カルボン酸塩;メタンスルホン酸塩、トリフルオロ
メタンスルホン酸塩、エタンスルホン酸塩、ベンゼンス
ルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、カンファースルホ
ン酸塩などの有機スルホン酸塩;アスパラギン酸塩、グ
ルタミン酸塩などのアミノ酸塩;トリメチルアミン塩、
トリエチルアミン塩、プロカイン塩、ピリジン塩、フェ
ネチルベンジルアミン塩などのアミンとの塩;ナトリウ
ム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;マグネシウム
塩、カルシウム塩などのアルカリ土類金属塩等があげら
れ、好ましくは塩酸塩、シュウ酸塩である。
【0013】本発明にかかる製造方法において、光学分
割操作に供する前記式(I)で表される化合物もしくは
その塩またはそれらの水和物は、WO00/51985
に記載の製造方法またはこれに準じた方法や、特開平1
−79151号公報および特願2000−41005号
の記載に準じた方法により製造することができる。
【0014】本発明にかかる製造法により製造される、
前記式(II)で表わされる光学活性化合物もしくはその
塩またはそれらの水和物は、慣用される方法により製剤
化することが可能である。好適な剤形としては錠剤、散
剤、細粒剤、顆粒剤、被覆錠剤、カプセル剤、シロップ
剤、トローチ剤、吸入剤、坐剤、注射剤、軟膏剤、眼軟
膏剤、点眼剤、点鼻剤、点耳剤、パップ剤、ローション
剤等があげられる。製剤化には、通常用いられる賦形
剤、結合剤、滑沢剤、着色剤、矯味矯臭剤や、および必
要により安定化剤、乳化剤、吸収促進剤、界面活性剤、
pH調調整剤、防腐剤、抗酸化剤などを使用することが
でき、一般に医薬品製剤の原料として用いられる成分を
配合して常法により製剤化可能である。これらの成分と
しては例えば、大豆油、牛脂、合成グリセライド等の動
植物油;流動パラフィン、スクワラン、固形パラフィン
等の炭化水素;ミリスチン酸オクチルドデシル、ミリス
チン酸イソプロピル等のエステル油;セトステアリルア
ルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール;シ
リコン樹脂;シリコン油;ポリオキシエチレン脂肪酸エ
ステル、ソルビタン脂肪酸エステル、グリセリン脂肪酸
エステル、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステ
ル、ポリオキシエチレン硬化ひまし油、ポリオキシエチ
レンポリオキシプロピレンブロックコポリマー等の界面
活性剤;ヒドロキシエチルセルロース、ポリアクリル
酸、カルボキシビニルポリマー、ポリエチレングリコー
ル、ポリビニルピロリドン、メチルセルロースなどの水
溶性高分子;エタノール、イソプロパノールなどの低級
アルコール;グリセリン、プロピレングリコール、ジプ
ロピレングリコール、ソルビトールなどの多価アルコー
ル;グルコース、ショ糖などの糖;無水ケイ酸、ケイ酸
アルミニウムマグネシウム、ケイ酸アルミニウムなどの
無機粉体、精製水などがあげられる。賦形剤としては、
例えば乳糖、コーンスターチ、白糖、ブドウ糖、マンニ
トール、ソルビット、結晶セルロース、二酸化ケイ素な
どが、結合剤としては、例えばポリビニルアルコール、
ポリビニルエーテル、メチルセルロース、エチルセルロ
ース、アラビアゴム、トラガント、ゼラチン、シェラッ
ク、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシ
プロピルセルロース、ポリビニルピロリドン、ポリプロ
ピレングリコール・ポリオキシエチレン・ブロックポリ
マー、メグルミンなどが、崩壊剤としては、例えば澱
粉、寒天、ゼラチン末、結晶セルロース、炭酸カルシウ
ム、炭酸水素ナトリウム、クエン酸カルシウム、デキス
トリン、ペクチン、カルボキシメチルセルロース・カル
シウム等が、滑沢剤としては、例えばステアリン酸マグ
ネシウム、タルク、ポリエチレングリコール、シリカ、
硬化植物油等が、着色剤としては医薬品に添加すること
が許可されているものが、矯味矯臭剤としては、ココア
末、ハッカ脳、芳香散、ハッカ油、竜脳、桂皮末等が用
いられる。
【0015】例えば経口製剤は、前記式(II)で表わさ
れる光学活性化合物もしくはその塩またはこれらの水和
物と賦形剤、さらに必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢
剤、着色剤、矯味矯臭剤などを加えた後、常法により散
剤、細粒剤、顆粒剤、錠剤、被覆錠剤、カプセル剤等と
する。錠剤・顆粒剤の場合には、糖衣、その他必要によ
り適宜コーティングすることはもちろん差支えない。シ
ロップ剤や注射用製剤等の場合は、pH調整剤、溶解
剤、等張化剤等と、必要に応じて溶解補助剤、安定化剤
などを加えて、常法により製剤化する。また、外用剤の
場合は、特に製法が限定されず、常法により製造するこ
とができる。使用する基剤原料としては、医薬品、医薬
部外品、化粧品等に通常使用される各種原料を用いるこ
とが可能で、例えば動植物油、鉱物油、エステル油、ワ
ックス類、高級アルコール類、脂肪酸類、シリコン油、
界面活性剤、リン脂質類、アルコール類、多価アルコー
ル類、水溶性高分子類、粘土鉱物類、精製水などの原料
が挙げられ、必要に応じ、pH調整剤、抗酸化剤、キレ
ート剤、防腐防黴剤、着色料、香料などを添加すること
ができる。さらに、必要に応じて分化誘導作用を有する
成分、血流促進剤、殺菌剤、消炎剤、細胞賦活剤、ビタ
ミン類、アミノ酸、保湿剤、角質溶解剤等の成分を配合
することもできる。当該光学活性化合物を医薬として使
用する場合、その投与量は、症状の程度、年齢、性別、
体重、投与形態・塩の種類、疾患の具体的な種類等に応
じて異なるが、通常、成人の場合は1日あたり経口投与
で約30μgないし10g、好ましくは100μgない
し5g、さらに好ましくは100μgないし100mg
を、注射投与で約30μgないし1g、好ましくは10
0μgないし500mg、さらに好ましくは100μg
ないし30mgをそれぞれ1回または数回に分けて投与
する。
【0016】以下に示す参考例、実施例、試験例は例示
的なものであって、本発明にかかる化合物は如何なる場
合も以下の具体例に制限されるものではない。当業者
は、以下に示す実施例のみならず本願明細書にかかる特
許請求の範囲に様々な変更を加えて本発明を最大限に実
施することができ、かかる変更は本願明細書にかかる特
許請求の範囲に含まれるものである。
【0017】以下の参考例において、m−F−BnBr
とは3−フルオロベンジルブロミドを意味し、MeOH
とはメタノールを意味し、TEAとはトリエチルアミン
を意味し、LHMDSとはリチウム ビス(トリメチル
シリル)アミドを意味する。
【0018】参考例14−[(5,6−ジメトキシ−2−フルオロ−1−イン
ダノン)−2−イル]メチル−1−(3−フルオロベン
ジル)ピペリジン
【化15】 特開平1−79151号公報および特願2000−41
005号の記載に準じた方法である、WO00/519
85に記載の製造方法に従って標題化合物を得た。即
ち、式
【化16】 で表わされる製造工程を経て淡黄色オイル状の標題化合
物を得た。標題化合物の塩酸塩の物理化学データは下記
の如くである。塩酸塩は、常法により塩酸塩とし、さら
にエタノールから再結晶したものである。 融点; 213−215℃.1 H-NMR (400Mz, CDCl3); δ(ppm) 1.76-1.82(1H, m)、
1.88-1.97(2H, m)、2.06-2.24(4H, m)、2.62-2.78(2H,
m)、3.19(1H, dd, J=9.2Hz, J=17.2Hz)、3.31(1H, dd,
J=17.2Hz, J=21.6Hz)、3.45(2H, dd, J=12.8Hz, J=18.8
Hz)、3.91(3H, s)、3.98(3H, s)、4.14(2H, d, J=4H
z)、6.75(1H, s)、7.12-7.20(1H, m)、7.14(1H, s)、7.
36-7.54(3H, m)、12.43(1H, bs). ESI-MS: m/z = 416(M+H+).
【0019】実施例1 参考例1で製造した4−[(5,6−ジメトキシ−2−
フルオロ−1−インダノン)−2−イル]メチル−1−
(3−フルオロベンジル)ピペリジン375mgを、H
PLCを用いて光学分割し、式
【化17】 〔式中、記号*は、当該記号を付した炭素原子が光学活
性を有することを示す。〕で表わされる光学活性化合物
を得た。即ち、当該光学分割条件下で、相対的に極性の
低い光学活性体(A)が138mg、相対的に極性の高
い光学活性体(B)が111mg得られた。HPLCに
よる光学分割条件は以下の如くである。
【0020】[光学分割条件] HPLC装置:Waters Alliance HP
LC System カラム :CHIRALPAK AD(2cmφ×
25cm;DAICEL) カラム温度 :室温 移動相 :n−ヘキサン/i−プロパノール(=7
/3) 流量 :10ml/min 紫外線可視分光器検出波長:271nm 注入量 :10ml(2.5mg/ml;EtOH
溶液)
【0021】光学活性体(A)および(B)を常法によ
り塩酸塩とし、さらにエタノールから再結晶して、かか
る塩酸塩の比旋光度([α]D)を計測した。それぞれ
の[α]D値は以下の如くであった。 (A):[α]D=+15.1°、 (B):[α]D=−15.2° また、光学純度は、 (A):100%e.e.、 (B):97.6%e.e. であった。
【0022】[光学活性化合物のin vitroアセチルコリ
ンエステラーゼ阻害作用]実施例1に記載した方法によ
り製造された光学活性化合物(A)および(B)それぞ
れのin vitroアセチルコリンエステラーゼ阻害作用を評
価した。 (1)試験方法: アセチルコリンエステラーゼ源とし
て、ラット脳ホモジネートを用いて、Ellmanらの
方法1)に準拠してエステラーゼ活性を測定した。マウス
脳ホモジネートに、基質としてアセチルチオコリン、被
検体及びDTNB[5,5〓−ジチオビス(2−ニトロ
安息香酸)]を添加し、インキュベーション後、産生し
たチオコリンがDTNBと反応し、生じる黄色産物を4
12nmにおける吸光度変化として測定し、アセチルコ
リンエステラーゼ活性を求めた。各被験化合物のアセチ
ルコリンエステラーゼ阻害活性を、50%阻害濃度(I
50)として求めた。なお、本試験には、光学活性化合
物(A)および(B)の塩酸塩を用いた。また、被験化
合物は、それぞれ生理食塩水に溶解して用いた。1) ; Ellman.G.L., Courtney, K.D., Andres, V.and Fea
therstone, R.M., (1961), Biochem.Pharmacol., 7, 88
〜95. (2)結果: 〔被験化合物〕 〔IC50(nM)〕 化合物I:AとBのラセミ混合物 0.32 (A) :less polar 0.20 (B) :more polar 12 本発明にかかる製造法により製造される前記式(II)で
表わされる光学活性化合物もしくはその塩またはそれら
の水和物は、優れたアセチルコリンエステラーゼ阻害作
用を有し、各種老人性痴呆症(アルツハイマー型老年痴
呆等)、脳血管性痴呆、注意欠陥多動障害に対する治療
・予防剤として有用であることが示された。
【0023】
【発明の効果】本発明により、アセチルコリンエステラ
ーゼ阻害作用を有する化合物の光学活性体の製造方法を
提供することができた。また、同時に、本発明により、
アセチルコリンエステラーゼ阻害作用を有する光学活性
化合物の簡易な製造方法をも提供することができた。
【0024】
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1におけるHPLCチャートを示す図で
ある。9.301分のピークが光学活性体(A)のピー
クで、12.172分のピークが光学活性体(B)のピ
ークである。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】式 【化1】 〔式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。〕で
    表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物
    を、キラルカラムを装着した高速液体クロマトグラフィ
    ー(以下、「HPLC」という)装置を用いて光学分割
    することを含む、式 【化2】 〔式中、Xは前記定義に同意義を示す;記号*は、当該
    記号を付した炭素原子が光学活性を有することを示
    す。〕で表わされる光学活性化合物もしくはその塩また
    はそれらの水和物の製造方法。
  2. 【請求項2】式(I)および(II)におけるXが水素原
    子である請求項1記載の製造方法。
  3. 【請求項3】式(I)および(II)におけるXがフッ素
    原子である請求項1記載の製造方法。
  4. 【請求項4】式 【化3】 で表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの水和
    物を、キラルカラムを装着したHPLC装置を用いて光
    学分割することを含む、式 【化4】 〔式中、記号*は前記定義に同意義を示す。〕で表わさ
    れる光学活性化合物もしくはその塩またはそれらの水和
    物の製造方法。
  5. 【請求項5】キラルカラムが順相カラムまたは逆相カラ
    ムである請求項1記載の製造方法。
  6. 【請求項6】移動相が(1)C5-8炭化水素溶媒とC1-8
    アルコールの混合溶媒または(2)ハロゲン化炭化水素
    溶媒とC1-8アルコールの混合溶媒である請求項1記載
    の製造方法。
  7. 【請求項7】移動相がC5-8炭化水素溶媒とC1-8アルコ
    ールの混合溶媒である請求項1記載の製造方法。
  8. 【請求項8】C5-8炭化水素溶媒とC1-8アルコールの混
    合比が5:5ないし9:1である請求項7記載の製造方
    法。
  9. 【請求項9】C5-8炭化水素溶媒がn−ペンタンまたは
    n−ヘキサンである請求項7または8記載の製造方法。
  10. 【請求項10】C1-8アルコールがメタノール、エタノ
    ール、n−プロパノールまたはi−プロパノールである
    請求項7または8記載の製造方法。
  11. 【請求項11】C5-8炭化水素溶媒がn−ヘキサンであ
    り、C1-8アルコールがi−プロパノールである請求項
    7または8記載の製造方法。
  12. 【請求項12】キラルなカラムを装着したHPLC装置
    と紫外可視分光検出器とを組み合わせて用いることを特
    徴とする請求項1記載の製造方法。
  13. 【請求項13】紫外可視分光検出器の測定波長が250
    ないし275nmである請求項12記載の製造方法。
  14. 【請求項14】キラルカラムを装着したHPLC装置を
    用いることを含む、式 【化5】 〔式中、Xは水素原子またはハロゲン原子を示す。〕で
    表わされる化合物もしくはその塩またはそれらの水和物
    の光学分割法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2014196557A1 (ja) * 2013-06-04 2014-12-11 国立大学法人名古屋工業大学 光学活性2-[(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)メチル]-2-フルオロ-2,3-ジヒドロインデン-1-オンの製造方法

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WO2014196557A1 (ja) * 2013-06-04 2014-12-11 国立大学法人名古屋工業大学 光学活性2-[(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)メチル]-2-フルオロ-2,3-ジヒドロインデン-1-オンの製造方法

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