JP2002104673A - 紙葉類繰出装置 - Google Patents

紙葉類繰出装置

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JP2002104673A
JP2002104673A JP2000297330A JP2000297330A JP2002104673A JP 2002104673 A JP2002104673 A JP 2002104673A JP 2000297330 A JP2000297330 A JP 2000297330A JP 2000297330 A JP2000297330 A JP 2000297330A JP 2002104673 A JP2002104673 A JP 2002104673A
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roller
bill
feed roller
pickup
feed
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JP2000297330A
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Nobuaki Komata
順昭 小俣
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Omron Corp
Original Assignee
Omron Corp
Omron Tateisi Electronics Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】信頼性を低下させることなく、紙葉類の繰出速
度を向上させた紙葉類繰出装置を提供する。 【解決手段】集積部2に集積されている紙幣10を繰り
出すピックアップローラ3および、ピックアップローラ
3により繰り出された紙幣10を送出するフィードロー
ラ4は偏心ローラである。ピックアップローラ3およ
び、フィードローラ4を連続回転させたとき、紙幣10
に対して断続的に繰出・送出方向の力を作用させること
ができる。したがって、モータの起動加速度や、ブレー
キやクラッチの応答性能を考慮することなく、ピックア
ップローラ3および、フィードローラ4の回転速度を上
げるだけで、集積部2に集積されている紙幣10の繰出
速度を高速化することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、集積部に積み重
ねられている紙葉類を繰り出す紙葉類繰出装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】従来より、銀行等の金融機関では入出金
業務を省力化する装置として周知の自動預金支払い機
(以下、ATMと言う。)が利用されている。また、現
金(紙幣)の計数、損券分離等の処理を行う整理機、ソ
ータ等の装置も利用されている。これらの装置には、集
積部に積み重ねられた紙幣を1枚ずつ繰り出す繰出装置
が適用されている。
【0003】図6は、従来の繰出装置の構成を示す概略
図である。従来の繰出装置は、紙幣30を積み重ねて集
積する集積部31と、集積部31に集積されている最下
面の紙幣30に当接するピックアップローラ32と、こ
のピックアップローラ32の前方に対向配置されたフィ
ードローラ33およびゲートローラ34とを備えてい
る。ピックアップローラ32およびフィードローラ33
は、図示していないモータにより回転され、ローラの中
心と回転軸とを一致させた正円ローラである。ゲートロ
ーラ34は、回転が規制されている。また、ピックアッ
プローラ32は紙幣30との当接面において該紙幣30
を押圧するように配置されている。
【0004】上記従来の繰出装置では、ピックアップロ
ーラ32およびフィードローラ33を回転させたとき、
ピックアップローラ32が集積部31に集積されている
紙幣30を繰り出し、フィードローラ33がピックアッ
プローラ32により繰り出された紙幣30を送出する。
【0005】ところで、ピックアップローラ32が集積
部31に集積されている最下面の紙幣30(以下、1枚
目の紙幣30と言う。)を押圧する押圧力(以下、繰出
押圧と言う。)は、該1枚目の紙幣30の上に積み重な
っている2枚目や3枚目の紙幣30にも作用する。した
がって、ピックアップローラ32を回転させたとき、1
枚目の紙幣30と2枚目の紙幣30との間、すなわち紙
幣30間、において摩擦力が生じ、2枚目の紙幣30に
も繰出方向の力が作用する。このため、ピックアップロ
ーラ32により繰り出された1枚目の紙幣30に2枚目
の紙幣30が重なった状態で繰り出されることがあっ
た。なお、3枚目以降の紙幣30についても、1枚目の
紙幣30の繰出時に繰出方向の力が作用するが、このと
き作用する力が比較的小さく、ほとんどの場合3枚以上
の紙幣30が重なった状態で繰り出されることはない。
【0006】ピックアップローラ32によって繰り出さ
れた紙幣30は、その前方に配置されているフィードロ
ーラ33とゲートローラ34との間に突入する。ピック
アップローラ32により繰り出された1枚目の紙幣30
の下面がフィードローラ33に当接する。フィードロー
ラ33は上述のように、紙幣30を送り出す方向に回転
している。したがって、フィードローラ33に当接した
1枚目の紙幣30に送出方向(図6における左方向)の
力が作用するため、1枚目の紙幣30は送出される。
【0007】一方、1枚目の紙幣30に2枚目の紙幣3
0が重なっていた場合、2枚目の紙幣30は回転が規制
されているゲートローラ34に当接する。2枚目の紙幣
30は、ゲートローラ34との当接面において生じる摩
擦力により送出方向への移動が停止され。したがって、
2枚目の紙幣30は送出されない。
【0008】このように、ピックアップローラ32によ
り複数枚の紙幣30が重なった状態で繰り出された場
合、ピックアップローラ32の前方に配置したフィード
ローラ33およびゲートローラ34でこれらの紙幣30
を分離し、1枚目の紙幣30のみ送出していた。
【0009】なお、上記繰出方向とはピックアップロー
ラ32が紙幣30を繰り出す方向であり、上記送出方向
とはフィードローラ33が紙幣30を送出する方向であ
る。繰出方向と送出方向とは同じ方向である。
【0010】通常、上記フィードローラ33およびゲー
トローラ34の紙幣30に対する摩擦係数μf、μgは
紙幣30同士の摩擦係数μbを基準にして、 μb×Ng+μb×Np<μg×Ng<μp×Np+μ
f×Ng が成立するように調整されている(図7参照)。Ngは
フィードローラ33とゲートローラ34との間に突入し
た紙幣30に作用する押圧力(以下、分離押圧と言
う。)、Npはピックアップローラ32が紙幣30を押
圧する繰出押圧、μpは紙幣30とピックアップローラ
32との摩擦係数である。
【0011】ところで、上記繰出押圧Npを小さくすれ
ば、2枚目の紙幣30に作用する押圧力が小さくなるの
で、1枚目の紙幣30の繰出時に2枚目の紙幣30に作
用する繰出方向の力が小さくなる。したがって、上記ピ
ックアップローラ32による束出しの発生を抑えること
ができる。しかし、繰出押圧Npはピックアップローラ
32に当接している1枚目の紙幣30を繰り出せる大き
さ、すなわち空出しが発生しない大きさ、にしなければ
ならない。ピックアップローラ32と紙幣30との摩擦
係数μpは紙幣の種類(紙質や印刷の違い)や紙幣の状
態(折り目がないきれいなピン札、使い古されたよれよ
れのヨレ札)等で異なる。このため、処理する紙幣30
の種類や状態が一定でないATM等の装置では、繰出押
圧Npを、束出しおよび空出しが確実に防止できる大き
さに調整することは殆ど不可能であった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】最近、上記繰出装置が
適用されるATM等の装置について、処理速度の高速化
の要求がある。この要求を実現するには繰出装置におけ
る紙幣30の繰出速度(送出速度)をより高速にしなけ
ればならない。
【0013】しかしながら、ピックアップローラ32を
連続回転させ、集積部31に集積されている紙幣30に
対して繰出方向の力を連続的に作用させると、集積部3
1から繰り出された紙幣30の状態が、一部が重なり、
つながった状態になる。集積部31に集積されている紙
幣30を1枚ずつ、適当な間隔を開けて繰り出すには、
紙幣30に対して繰出方向の力を断続的に作用させなけ
ればならない。そこで、従来の繰出装置ではピックアッ
プローラ32を間欠駆動していた。
【0014】ピックアップローラ32を間欠駆動する構
成としては、パルスモータを用いた構成や、ブレーキま
たはクラッチを用いた構成があった。しかし、これらの
構成では、以下に示す理由から繰出速度の高速化が困難
であった。
【0015】パルスモータを用いた構成の繰出装置で
は、繰出速度をより高速にするにはモータの起動加速度
を上げなければならない。しかし、モータの起動加速度
が現状の繰出速度ですでに限界近くまで達しており、こ
れ以上起動加速度を上げると脱調するという問題があ
る。
【0016】ブレーキまたはクラッチを用いた構成の
繰出装置では、ブレーキやクラッチの応答性能を向上さ
せて、該ブレーキまたはクラッチの応答のバラツキを抑
えなければピックアップローラ32を適正に間欠駆動す
ることができない。したがって、紙幣30の繰り出しが
適正に行われず、装置本体の信頼性を低下させてしまう
という問題がある。
【0017】この発明の目的は、信頼性を低下させるこ
となく、紙葉類の繰出速度を向上させた紙葉類繰出装置
を提供することにある。
【0018】
【課題を解決するための手段】この発明の紙葉類繰出装
置は、上記課題を解決するために以下の構成を備えてい
る。
【0019】(1)集積部に積み重ねられている紙葉類
の最上面または最下面に当接するピックアップローラを
備え、上記ピックアップローラを回転させて上記集積部
に積み重ねられている紙葉類を繰り出す紙葉類繰出装置
において、上記ピックアップローラは、偏心ローラであ
る。
【0020】(2)上記ピックアップローラは、外周部
の一部に高摩擦部材を配置したローラである。
【0021】(3)上記ピックアップローラの前方に配
置され、上記集積部から繰り出された紙葉類を送出する
フィードローラと、上記フィードローラに対向配置さ
れ、回転が規制されたゲートローラと、を備え、上記フ
ィードローラは、偏心ローラであり、該フィードローラ
の少なくとも一方の側面には、回転を規制したリングロ
ーラが配置されている。
【0022】(4)上記ピックアップローラの前方に配
置され、上記集積部から繰り出された紙葉類を送出する
フィードローラと、上記フィードローラに対向配置さ
れ、回転が規制されたゲートローラと、を備え、上記フ
ィードローラは、偏心ローラであり、該フィードローラ
の両側面には、回転を規制したリングローラが配置され
ているとともに、上記リングローラの外周部は、フィー
ドローラ側に傾斜した傾斜面が形成されている。
【0023】(5)上記ピックアップローラと上記フィ
ードローラとは、上記紙葉類の繰出方向に対し略同一線
上に配置されている。
【0024】上記構成では、集積部に集積されている紙
葉類に当接するピックアップローラを偏心ローラとした
ので、ピックアップローラを回転させたとき、集積部に
集積されている紙葉類に対して、1回転毎にピックアッ
プローラの外周部の一部が断続的に当接する。
【0025】偏心ローラとは、ローラの回転中心(回転
軸)とローラの中心とが一致していないローラである。
【0026】したがって、ピックアップローラの連続回
転により、集積部に集積されている紙葉類に対して繰出
方向の力を断続的に作用させることができる。このた
め、ピックアップローラを連続回転させ、その時の回転
速度を上げるだけで集積部に集積されている紙葉類の繰
出速度を上げることができる。したがって、モータの起
動加速度、ブレーキまたはクラッチの応答性能について
は考慮しなくてもよいので、信頼性を低下させることな
く、紙葉類の繰出速度を簡単に上げることができる。
【0027】また、ピックアップローラの回転時に該ピ
ックアップローラが紙葉類に当接する部分に、該紙葉類
との摩擦係数が比較的大きい高摩擦部材を配置すること
で、紙葉類に対して作用する繰出方向の力がより大きく
なる。これにより、紙葉類の空出しの発生が抑えられ
る。
【0028】また、ピックアップローラの前方に配置さ
れているフィードローラも偏心ローラとすることで、ピ
ックアップローラとフィードローラとを紙葉類の繰出方
向に対して同一線上に配置したときの両ローラ間のピッ
チが短くなる。したがって、繰出方向の長さが比較的短
い小型紙幣の繰り出しも行える。
【0029】また、ピックアップローラとフィードロー
ラとを紙葉類の繰出方向に対して同一線上に配置するこ
とで、紙葉類に両ローラが当接しているとき、該紙葉類
において押圧力の作用する位置が繰出方向に対して同一
直線上にならぶ。これにより、紙葉類における皺の発生
が抑えられる。
【0030】また、少なくともフィードローラの一方の
側面に設けたリングローラとゲートローラとが、オーバ
ラップするように配置することで、ピックアップローラ
により複数枚の紙葉類が重なった状態で繰り出されて
も、フィードローラが当接した紙葉類のみ送出し、その
他の紙葉類が送出されるのを抑えることができる。した
がって、重送の発生が抑えられる。
【0031】
【発明の実施の形態】図1は、この発明の実施形態であ
る繰出装置の構成を示す概略図である。繰出装置1は、
積み重ねられた紙幣10が集積される集積部2と、集積
部2に集積されている紙幣10を繰り出すピックアップ
ローラ3と、ピックアップローラ3によって繰り出され
た紙幣10を送出するフィードローラ4と、紙幣10の
重送を規制するゲートローラ5およびリングローラ11
と、を備えている。
【0032】ピックアップローラ3は、図2(A)に示
す楕円形状であり、外周部の一部に紙幣10との摩擦係
数が比較的大きいゴム3aを取り付けている。なお、ゴ
ム3a以外の部分は、摩擦係数が比較的小さい金属であ
る。3bは回転軸が挿入される開口部であり、ローラの
中心とは一致しておらず、このピックアップローラ3は
偏心ローラである。ピックアップローラ3は、回転時に
ゴム3aが集積部2に集積されている紙幣10の最下面
に当接するように取り付けられている。
【0033】ピックアップローラ3に設けられているゴ
ム3aがこの発明で言う高摩擦部材に相当する。
【0034】フィードローラ4は、図2(B)に示すよ
うに上記ピックアップローラ3と略同じ楕円形状であ
り、外周部の一部に摩擦係数が大きいゴム4aが設けら
れている。ゴム4a以外の部分は紙幣10との摩擦係数
が比較的小さい金属で構成されている。4bは、回転軸
が挿入される開口部であり、ローラの中心とは一致して
おらず、フィードローラ4も偏心ローラである。フィー
ドローラ4は、回転時にゴム4aが上記ピックアップロ
ーラ3によって集積部2から繰り出された紙幣10の下
面に当接するように取り付けられている。
【0035】フィードローラ4の両側面には図3に示す
リングローラ11が配置されている。なお、図1ではフ
ィードローラ4の構成を図示するため、一方のリングロ
ーラ11を図示していない。図3(A)はフィードロー
ラ4のゴム4aが図における下側に位置した状態(ゲー
トローラ5の外周部から最も離れた状態)を示してお
り、図3(B)はフィードローラ4のゴム4aが図にお
ける上側に位置した状態(ゲートローラ5の外周部に最
も近づいた状態)を示している。このフィードローラ4
の両側面に設けられたリングローラ11の外周部には、
図示するようにフィードローラ4側(内側)に傾斜した
傾斜面が形成されている。このリングローラ11は、あ
る程度回転が規制されている。なお、リングローラ11
はフィードローラ4の回転を規制するものではない。
【0036】また、フィードローラ3の両側面に配置さ
れたリングローラ11間にゲートローラ5が挿入されて
いる。リングローラ11の外周部に形成した傾斜面でリ
ングローラ11間に挿入されたゲートローラ5を受けて
いる。ゲートローラ5は回転が規制されている。ゲート
ローラ5とリングローラ11とは図に示すδだけオーバ
ラップしている。フィードローラ4が図3(A)に示す
状態であるとき、フィードローラ4とゲートローラ5と
の間に比較的大きな隙間が生じるが、上述のようにゲー
トローラ5とリングローラ11とがオーバラップしてい
るので、紙幣10の送出を規制することができる。
【0037】また、この実施形態の繰出装置1は紙幣1
0をピックアップローラ3およびフィードローラ4側に
吸引するファン6および、紙幣10をゲートローラ5側
に吸引するファン7を備えている。ケース8には、ピッ
クアップローラ3およびフィードローラ4のゴム3a、
4aが紙幣10に当接するように開口部が形成されてい
る。ケース9には、ゲートローラ5を突出させるための
開口部が形成されている。
【0038】以下、この実施形態の繰出装置1の動作に
ついて詳細に説明する。集積部2には、積み重ねられた
紙幣10が集積されている。集積部2に集積されている
紙幣10の繰り出しは、ファン6および7を運転開始
後、ピックアップローラ3およびフィードローラ4の回
転を開始する。ピックアップローラ3およびフィードロ
ーラ4は、従来のように間欠駆動されるのではなく、連
続回転される。ファン6の運転により、集積部2に集積
されている最下面の紙幣10(以下、1枚目の紙幣10
と言う。)、がピックアップローラ3側に吸引される。
ピックアップローラ3は図1に矢示する方向に回転して
いる。
【0039】上述のように、ピックアップローラ3は偏
心ローラであるので、連続回転させたとき、ゴム3aが
集積部2に集積されている1枚目の紙幣10に断続的に
当接する。したがって、ピックアップローラ3を連続回
転させたときに、集積部2に集積されている紙幣10に
対して繰出方向の力を断続的に作用させることができ
る。
【0040】なお、繰出方向とはピックアップローラ3
が紙幣10を繰り出す方向であり、また後述する送出方
向とはフィードローラ4がピックアップローラ3により
繰り出された紙幣10を送出する方向である。この繰出
方向と送出方向とは同じ方向である。
【0041】ピックアップローラ3に設けられているゴ
ム3aの大きさは、該ピックアップローラ3を1回転さ
せたときに、紙幣10を1枚繰り出すのに適した大きさ
である。したがって、ピックアップローラ3の1回転毎
に集積部10に集積されている紙幣10が1枚繰り出さ
れる。ピックアップローラ3の単位時間(1sec)あ
たりの回転数が単位時間あたりの紙幣10の繰出枚数に
相当する。単位時間あたりの紙幣10の繰出枚数を増加
するには、すなわち紙幣10の繰出速度を高速化にする
には、ピックアップローラ3の回転速度を上げればよ
い。
【0042】また、ファン6の運転により1枚目の紙幣
10をピックアップローラ3側に吸引することで、ピッ
クアップローラ3に対する1枚目の紙幣10の押圧力
(以下、繰出押圧と言う。)を増加させている。回転し
ているピックアップローラ3(ゴム3a)が1枚目の紙
幣10に当接しているとき、該1枚目の紙幣10に作用
する繰出方向の力は繰出押圧の大きさに応じて変化す
る。したがって、ファン6の運転により生じる上記吸引
力の大きさを調整しておくことで、集積部2に集積され
ている紙幣10の量に影響されることなく、常に1枚目
の紙幣10に対して繰出方向に十分な大きさの力を作用
させ、該1枚目の紙幣10を安定して繰り出すことがで
きる。
【0043】さらに、集積部2に集積されている2枚目
以降の紙幣10はピックアップローラ3側にほとんど吸
引されない。このため、ピックアップローラ3により1
枚目の紙幣10が繰り出されるときに、該1枚目の紙幣
10と2枚目の紙幣10との間(紙幣間)に生じる繰出
方向の摩擦力を抑えることができる。したがって、繰り
出された1枚目の紙幣10が2枚目の紙幣10の連れ出
す、所謂連れ出しの発生が抑えられる。
【0044】このように、ピックアップローラ3による
紙幣10の繰出において、空出し、および連れ出しを十
分に抑えることができるので、装置本体の信頼性を低下
させることがない。
【0045】次に、ピックアップローラ3により集積部
2から繰り出された紙幣10に対する動作について説明
する。ピックアップローラ3により集積部2から繰り出
された紙幣10は、フィードローラ4とゲートローラ5
との間に突入する。両ローラ間に突入した紙幣10は、
ファン6の運転により生じている吸引力により下面がフ
ィードローラ4側に引かれ、ファン7の運転により生じ
ている吸引力により上面がゲートローラ5側に引かれ
る。ファン6の運転により生じる吸引力がファン7の運
転により生じる吸引力よりも大きくなるように調整され
ている。
【0046】上述のように、フィードローラ4もピック
アップローラ3と同様に偏心ローラであり、1回転毎に
ゴム4aがケース8の開口部を通して集積部2から繰り
出された紙幣10の下面に当接する。フィードローラ4
の回転は、ピックアップローラ3の回転に連動してお
り、ゴム4aがピックアップローラ3によって繰り出さ
れた紙幣10の先端に当接する。フィードローラ4に設
けたゴム4aの大きさは、該フィードローラ4を1回転
させたときに、集積部2から繰り出された紙幣10を1
枚送出するのに適した大きさである。したがって、フィ
ードローラ4が1回転する毎に集積部2から繰り出され
た紙幣10が1枚ずつ送出される。
【0047】フィードローラ4とゲートローラ5との間
に突入した紙幣10が1枚であった場合、すなわちピッ
クアップローラ3により繰り出された紙幣10が1枚で
あった場合、該紙幣10がフィードローラ4側に吸引さ
れる。ファン6の運転により集積部2から繰り出された
紙幣10をフィードローラ4側に吸引することで、フィ
ードローラ4に対する紙幣10の押圧力(以下、送出押
圧と言う。)を増加させている。フィードローラ4(ゴ
ム4a)が紙幣10に当接しているときに、該紙幣10
に作用する送出方向の力は、ファン6の運転により生じ
た吸引力の大きさに応じて変化する。したがって、ファ
ン6の運転により生じる上記吸引力の大きさを調整して
おくことで、集積部2から繰り出された1枚目の紙幣1
0に対して送出方向に十分な大きさの力を作用させ、集
積部2から繰り出された1枚目の紙幣10を確実に送出
することができる。
【0048】一方、フィードローラ4とゲートローラ5
との間に突入した紙幣10が2枚重なっていた場合、す
なわちピックアップローラ3により束出しが生じていた
場合、送出すべき1枚目の紙幣10はファン6の運転よ
り生じている吸引力によりフィードローラ4側に吸引さ
れ、送出すべきでない2枚目の紙幣10はゲートローラ
5側に吸引される。このように、フィードローラ4とゲ
ートローラ5との間に2枚の紙幣10が突入した場合、
これら2枚の紙幣10は相反する方向に吸引されて引き
離される。1枚目の紙幣10はフィードローラ4により
送出され、2枚目の紙幣10はゲートローラ5により送
出が規制される。
【0049】なお、フィードローラ4が偏心ローラであ
るため、フィードローラ4とゲートローラ5との間に比
較的大きな隙間が生じるときがある。しかし、上述のよ
うにフィードローラ4の両側面にリングローラ11を設
け、リングローラ11とゲートローラ5とをオーバラッ
プさせている。フィードローラ4とゲートローラ5との
間に比較的大きな隙間が生じたときも、ゲートローラ5
とリングローラ11とがオーバラップしているので、フ
ィードローラ4とゲートローラ5との間に生じた比較的
大きな隙間を通って複数枚の紙幣10が送出されること
もない。
【0050】上述のように、ピックアップローラ3によ
り集積部2から繰り出された紙幣10が1枚であれば、
この繰り出された紙幣10を確実に送出することができ
る。また、ピックアップローラ3により集積部2から繰
り出された紙幣10が複数枚であっても、該ピックアッ
プローラ3の前方に配置したフィードローラ4(リング
ローラ11を含む)およびゲートローラ5により、この
繰り出された複数枚の紙幣10を分離して1枚目の紙幣
10のみ送出することができる。したがって、複数枚の
紙幣10が重なった状態で送出する、重送を略確実に防
止することができる。
【0051】さらに、上述したようにピックアップロー
ラ3およびフィードローラ4を偏心ローラとし、これら
のローラの回転制御を連続回転としたので、モータの起
動加速度、ブレーキやクラッチの応答性能に影響されな
ることなく、紙幣10の繰出速度の高速化が実現でき
る。
【0052】ピックアップローラ3、フィードローラ4
およびゲートローラ5として使用するゴムは、一般に回
転速度を高速にするほど、負荷(ここでは紙幣10)に
対するすべり率が増加する。しかし、上記構成ではピッ
クアップローラ3による紙幣10の繰り出し時や、フィ
ードローラ4およびゲートローラ5による分離時に紙幣
10間に作用する摩擦力を、上記ファン6、7の吸引に
よって低減しているので、高速化にともなう滑り率の増
加も抑えることができる。したがって、各ローラの回転
速度の高速化にともなう信頼性の低下も抑えられる。
【0053】なお、フィードローラ4とゲートローラ5
とをオーバラップさせているので、フィードローラ4と
ゲートローラ5との間に突入した紙幣10には分離押圧
が作用する。したがって、フィードローラ4とゲートロ
ーラ5との間に突入した紙幣10がよれよれの紙幣10
であっても、これらの紙幣10を確実に分離して重送を
防止することができる。
【0054】しかも、図4に示すようにピックアップロ
ーラ3とフィードローラ4とを紙幣10の繰出方向に対
して同一線上に配置したときの両ローラ間のピッチP0
を狭くすることができる。なお、ピックアップローラ3
とフィードローラ4との配置は回転時に干渉しない配置
である。このように、両ローラ間のピッチP0を狭くす
ることで送出方向の長さが短い小型の紙幣10の送出に
も対応できる。
【0055】また、両ローラを紙幣10の繰出・送出方
向に対して同一線上に配置すると、紙幣10における繰
出および送出方向の力の作用点が繰出・送出方向に対し
て同一線上に並ぶ。これにより、大型の紙幣10であっ
てもシワの発生する可能性が低減される。したがって、
送出された紙幣10の搬送においてジャム等の発生確率
が抑えられ、信頼性を一層向上することができる。
【0056】また、集積部2に集積されている紙幣10
にピックアップローラ3が押圧されていない期間が生じ
ることから、集積部2に集積されている紙幣10が滑っ
て繰り出される危険性があるが、集積部2に集積されて
いる紙幣10はピックアップローラ3に押圧されていな
いとき、集積部2の底面やガイド等に当接することにな
るので、図4に示すようにこの部分にゴム等の高摩擦部
材を配置しておけば、上記問題の発生が防止できる。
【0057】なお、上記リングローラ11はフィードロ
ーラ4の少なくとも一方の側面に設ければ、上記効果が
得られる。また、リングローラ11またはゲートローラ
5の一方において、紙幣10が当接する部位に高摩擦部
材であるゴムを配置しておけば、より確実に紙幣10の
重送を防止することができる。
【0058】さらに、ピックアップローラ3およびフィ
ードローラ4を偏心ローラとしたことで、繰出装置1か
ら繰り出された紙幣10の搬送速度の高速化も以下に示
すように容易に実現できる。
【0059】繰出装置1から繰り出された紙幣10の搬
送速度を繰出速度よりも高速にする構成としては、図5
(A)に示すように高速搬送ローラ21をフィードロー
ラ4およびゲートローラ5の前方に配置するとともに、
繰出速度と搬送速度との差を吸収するための搬送ピンチ
ローラ22をフィードローラ4に当接させる構成が知ら
れている。なお、この図5(A)は比較のためにピック
アップローラ3およびフィードローラ4が正円ローラで
あるときの構成を示しており、図5(B)がピックアッ
プローラ3およびフィードローラ4を偏心ローラとした
構成を示している。
【0060】図5に示すように、繰出装置1から繰り出
された紙幣10を高速搬送ローラ21で高速搬送が行え
るタイミングは、先端部が高速搬送ローラ21間に突入
し、且つ紙幣10がフィードローラ4と搬送ピンチロー
ラ22とによって保持されていない状態になったタイミ
ングである。
【0061】図5(A)に示すピックアップローラ3お
よびフィードローラ4が正円ローラである構成では、フ
ィードローラ4と搬送ピンチローラ22とは常に当接し
ているため、繰出装置1から繰り出された紙幣10の後
端がフィードローラ4と搬送ピンチローラ22との当接
位置を抜けたときが高速搬送ローラ21による高速搬送
が開始できるタイミングとなる。このタイミングは、搬
送ピンチローラ22によって、紙幣10が該紙幣10の
送出方向の長さL1搬送されたタイミングである。
【0062】一方、図5(B)に示すようにピックアッ
プローラ3およびフィードローラ4が偏心ローラである
構成では、フィードローラ4はゴム4aが搬送ピンチロ
ーラ22に当接し、その他の部分については搬送ピンチ
ローラ22に当接しないので、フィードローラ4のゴム
4aが搬送ピンチローラ22に当接していない状態に変
化したタイミングが高速搬送ローラ21による高速搬送
が開始できるタイミングとなる。このタイミングは、搬
送ピンチローラ22によって、紙幣10が該紙幣10の
送出方向の長さL1よりも短いL2搬送されたタイミン
グである。したがって、ピックアップローラ3およびフ
ィードローラ4を偏心ローラで構成することで、高速搬
送が開始できるタイミングが早くなり、繰出装置1から
繰り出された紙幣10の搬送速度も向上でき、結果的に
紙幣10の計数、損券分離等の処理時間を短縮すること
ができる。
【0063】なお、フィードローラ4と搬送ピンチロー
ラ22とが周期的に当接を繰り返すため、これが振動騒
音の要因となるが、搬送ピンチローラ22のストローク
を適正に調整すれば、上記振動騒音も効果的に抑えるこ
とができる。
【0064】
【発明の効果】以上のように、この発明によれば、ピッ
クアップローラを偏心ローラとしたので、モータの起動
加速度、ブレーキやクラッチの応答性能を考慮すること
なく、単にピックアップローラの回転速度を上げるだけ
で集積部に集積されている紙葉類の繰出速度を向上させ
ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態である繰出装置の構成を示
す概略図である。
【図2】ピックアップローラおよびフィードローラの外
観を示す図である。
【図3】フィードローラとゲートローラとの位置関係を
示す図である。
【図4】ピックアップローラ、フィードローラおよびゲ
ートローラの位置関係を示す図である。
【図5】高速搬送処理を説明する図である。
【図6】従来の繰出装置の構成を示す概略図である。
【図7】フィードローラおよびゲートローラの紙幣に対
する摩擦係数μf、μgを説明する図である。
【符号の説明】
1−繰出装置 2−集積部 3−ピックアップローラ 4−フィードローラ 5−ゲートローラ 6、7−ファン 10−紙幣 11−リングローラ

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 集積部に積み重ねられている紙葉類の最
    上面または最下面に当接するピックアップローラを備
    え、 上記ピックアップローラを回転させて上記集積部に積み
    重ねられている紙葉類を繰り出す紙葉類繰出装置におい
    て、 上記ピックアップローラは、偏心ローラである紙葉類繰
    出装置。
  2. 【請求項2】 上記ピックアップローラは、外周部の一
    部に高摩擦部材を配置したローラである請求項1に記載
    の紙葉類繰出装置。
  3. 【請求項3】 上記ピックアップローラの前方に配置さ
    れ、上記集積部から繰り出された紙葉類を送出するフィ
    ードローラと、 上記フィードローラに対向配置され、回転が規制された
    ゲートローラと、を備え、 上記フィードローラは、偏心ローラであり、 該フィードローラの少なくとも一方の側面には、回転を
    規制したリングローラが配置されている請求項1または
    2に記載の紙葉類繰出装置。
  4. 【請求項4】 上記ピックアップローラの前方に配置さ
    れ、上記集積部から繰り出された紙葉類を送出するフィ
    ードローラと、 上記フィードローラに対向配置され、回転が規制された
    ゲートローラと、を備え、 上記フィードローラは、偏心ローラであり、 該フィードローラの両側面には、回転を規制したリング
    ローラが配置されているとともに、 上記リングローラの外周部は、フィードローラ側に傾斜
    した傾斜面が形成されている請求項1または2に記載の
    紙葉類繰出装置。
  5. 【請求項5】 上記ピックアップローラと上記フィード
    ローラとは、上記紙葉類の繰出方向に対し略同一線上に
    配置されている請求項3または4に記載の紙葉類繰出装
    置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
EP3587314B1 (en) * 2018-06-28 2020-08-05 Innovative Technology Limited A banknote acceptor feeder device
CN114852420A (zh) * 2022-05-18 2022-08-05 北京永创通达机械设备有限公司 一种自动上纸板和纸板分离装置及物料包装设备

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