JP2002103669A - 画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置

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JP2002103669A
JP2002103669A JP2000298929A JP2000298929A JP2002103669A JP 2002103669 A JP2002103669 A JP 2002103669A JP 2000298929 A JP2000298929 A JP 2000298929A JP 2000298929 A JP2000298929 A JP 2000298929A JP 2002103669 A JP2002103669 A JP 2002103669A
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electrode
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JP2000298929A
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Yoshiro Koga
古賀欣郎
Shinichi Kamoshita
鴨志田伸一
Kaneo Yoda
依田兼雄
Nobumasa Abe
阿部信正
Yujiro Nomura
野村雄二郎
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Seiko Epson Corp
Original Assignee
Seiko Epson Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】画像形成装置のより一層小型化を図り、また部
品点数をより一層削減してより一層シンプルで安価な構
成にしかつ静電潜像の書込をより安定して行う。 【解決手段】書込装置3の書込電極3bおよび潜像担持
体一様電荷制御装置7の一様電荷制御電極7eが、柔ら
かい弾性を有する可撓性の基材3aに支持されている。
そして、一様電荷制御電極7eによって一様電荷状態に
された潜像担持体2上に書込電極3bによる帯電または
除電により潜像担持体2に静電潜像が書き込まれる。こ
の静電潜像は現像装置4で現像されてその現像剤像が転
写装置6によって紙等の転写材5に転写される。書込電
極3bおよび一様電荷制御電極7eを可撓性の基材3a
に一体的に設けているので、装置が小型にシンプルにな
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、書込装置の書込部
材により潜像担持体上に静電潜像を形成することで画像
を形成する画像形成装置の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】従来、静電複写機やプリンタ等の画像形
成装置においては、一般的に帯電装置により感光体の表
面を一様帯電し、この一様帯電された感光体の表面にレ
ーザ光あるいはLEDランプ光等の露光装置の光を露光
することにより、感光体の表面に静電潜像を書き込むよ
うになっている。そして、感光体の表面の静電潜像を現
像装置で現像して感光体の表面に現像剤像を形成し、こ
の現像剤像を転写装置によって紙等の転写材に転写し
て、画像を形成している。このような従来の一般的な画
像形成装置では、静電潜像の書込装置である露光装置が
レーザ光発生装置あるいはLEDランプ光発生装置等に
よって構成されているため、画像形成装置が大型でかつ
複雑な構成となっている。
【0003】そこで、静電潜像の書込装置として、レー
ザ光やLEDランプ光を用いずに電極により潜像担持体
の表面に静電潜像を書き込む画像形成装置が特公昭63
−45014号公報において提案されている。この公告
公報に開示されている画像形成装置は多数の針電極を有
するマルチスタイラスを備えており、潜像担持体の表面
の無機ガラス層にマルチスタイラスの針電極を単に接触
させている。そして、画像情報の入力信号によりマルチ
スタイラスの対応する針電極に電圧が加えられると、こ
の針電極によって潜像担持体に静電潜像が形成されるよ
うになっている。この公告公報の画像形成装置によれ
ば、書込装置として従来のような露光装置を用いていな
いので、その分、画像形成装置が小型でかつ比較的シン
プルな構成となっている。
【0004】また、コロナ放電器により発生させたイオ
ンを、絶縁性基板の先端部に設け潜像担持体に非接触の
イオン制御電極により制御することにより、潜像担持体
に静電潜像を書き込む画像形成装置が特開平06−16
6206号公報において提案されている。この公開公報
の画像形成装置によっても、書込装置として露光装置を
用いないので、画像形成装置が小型でかつ比較的シンプ
ルな構成となる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、前述の
公告公報の画像形成装置においては、マルチスタイラス
の多数の針電極を潜像担持体の表面の無機ガラス層に単
に接触させているだけであるので、多数の針電極を潜像
担持体の表面の無機ガラス層に安定して接触させること
が難しい。このため、潜像担持体の表面を安定して帯電
させることは難しく、良好な画像を得ることが難しいと
いう問題がある。
【0006】また、多数の針電極の接触による潜像担持
体の表面の損傷を防止するために無機ガラス層を潜像担
持体の表面に設けることが余儀なくされ、潜像担持体の
構成がその分複雑になる。しかも、無機ガラス層は物理
吸着水特性がきわめてよいことから、無機ガラスの表面
に水分がよく吸着し、この吸着した水分によりガラス表
面の電気伝導率が高められて潜像担持体の帯電電荷が漏
洩してしまうため、水分が吸着した潜像担持体の表面を
乾燥させて物理吸着水の影響を防止する手段を設ける必
要がある。このため、装置が更に大型になるばかりでな
く、部品点数が増えて構成が更に複雑になりかつコスト
が高いものとなってしまうという問題がある。
【0007】更に、多数の針電極から放電されるため、
オゾン(O3)が発生する可能性が大きいという問題も
ある。このオゾンにより、装置内の部品に錆を発生させ
るばかりでなく、NOxと反応して発生する硝酸(HN
3)により樹脂部品を溶融させるおそれが考えられ
る。しかも、オゾンによって異臭が発生するおそれがあ
る。このため、オゾンを装置内から排出させなければな
らないが、そのためにダクトおよびオゾンフィルタを設
けて排気系を十分にする必要があり、装置が大型になる
ばかりでなく、部品点数が増えて構成がより複雑になり
かつコストが高いものとなってしまう。
【0008】また、前述の公開公報の画像形成装置にお
いては、イオン制御電極がコロナ放電器で発生したイオ
ンを制御するものであって、潜像担持体に直接電荷を注
入させるものではないので、画像形成装置が大型になら
ざるを得ないばかりでなく、構成がきわめて複雑になる
という問題がある。しかも、イオンによる帯電のため、
潜像担持体により安定して静電潜像を書き込むことは難
しい。更に、イオンを発生させるため、基本的にオゾン
が発生するため、前述の公告公報の画像形成装置と同じ
ような問題が生じる。
【0009】本発明は、このような問題に鑑みてなされ
たものであって、その目的は、より一層小型化を図ると
ともに、部品点数をより一層削減してより一層シンプル
で安価な構成にしながら、しかも静電潜像の書込をより
安定して行うことのできる画像形成装置を提供すること
である。本発明の他の目的は、オゾンの発生をより一層
抑制することのできる画像形成装置を提供することであ
る。
【0010】
【課題を解決するための手段】この課題を解決するため
に、請求項1の発明は、静電潜像が形成される潜像担持
体と、前記潜像担持体2上を一様電荷状態にする潜像担
持体一様電荷制御装置と、一様電荷状態にされた前記潜
像担持体上に前記静電潜像を書き込む書込装置と、前記
潜像担持体上の前記静電潜像を現像する現像装置と少な
くとも備え、前記書込装置によって前記潜像担持体に書
き込まれた前記静電潜像を前記現像装置で現像すること
により画像を形成する画像形成装置において、前記書込
装置が前記潜像担持体に前記静電潜像を書き込む書込部
材とこの書込部材を支持する可撓性の基材とを有してお
り、前記基材に前記潜像担持体一様電荷制御装置が設け
られていることを特徴としている。
【0011】また、請求項2の発明は、前記書込部材が
書込電極により構成されているとともに、前記潜像担持
体一様電荷制御装置が一様電荷制御電極により構成され
ていることを特徴としている。更に、請求項3の発明
は、少なくとも前記書込部材が前記基材の弾性力で前記
潜像担持体に小さな押圧力で接触されていることを特徴
としている。更に、請求項4の発明は、前記基材に絶縁
層が設けられており、少なくとも前記書込部材が、前記
絶縁層が前記基材の弾性力で前記潜像担持体に小さな押
圧力で接触されることで前記潜像担持体に近接されてい
ることを特徴としている。更に、請求項5の発明は、前
記潜像担持体、、前記現像装置、および前記潜像担持体
一様電荷制御装置を、黒、イエロー、マゼンタおよびシ
アンの各色毎に設けることでこれらの各色毎の画像形成
装置がタンデムに配設されていることを特徴としてい
る。更に、請求項6の発明は、前記各色毎の画像形成装
置により各色毎の現像剤像が中間転写される中間転写装
置が設けられていることを特徴としている。
【0012】
【作用】このように構成された本発明の画像形成装置に
おいては、書込部材と潜像担持体一様電荷制御装置とが
書込装置の可撓性の基材に一体的に設けられるようにな
る。これにより、部品点数が低減し、画像形成装置がよ
り一層小型にかつシンプルに構成されるようになる。ま
た、書込部材が可撓性の基材に支持されているので、書
込部材の潜像担持体に対する位置が柔軟に設定されるよ
うになる。したがって、書込部材による潜像担持体への
静電潜像の書込がより安定して行われるので、良好な画
像が確実にかつ高精度に得られるようになる。
【0013】また、可撓性の基材により、書込電極が小
さい押圧力で潜像担持体に接触可能となるかあるいは潜
像担持体により確実に近接可能となるので、書込電極と
潜像担持体との間の空間的なギャップがきわめて小さく
なる。これにより、この空間的なギャップの空気が不要
にイオン化される機会が減少するので、オゾンの発生が
より一層抑制されるようになるとともに、低電位で静電
潜像が形成可能となる。
【0014】特に、請求項2の発明においては、書込部
材として書込電極が用いられているだけであり、従来の
ような大型のレーザ光発生装置やLEDランプ光発生装
置等が不要となる。したがって、装置がより一層小型化
になるとともに、部品点数がより一層削減されて一層シ
ンプルで安価な画像形成装置が得られる。また、請求項
3の発明においては、書込部材が小さな押圧力で潜像担
持体に接触しているだけであるので、書込電極による潜
像担持体の損傷が防止され、潜像担持体の耐久性が向上
する。
【0015】更に、請求項4の発明においては、基材に
設けられた絶縁層を潜像担持体に接触させることによ
り、書込部材が潜像担持体に対して所定のギャップをお
いて安定して近接される。したがって、書込部材による
静電潜像の書込が安定して高精度に行われるようにな
る。更に、書込部材が潜像担持体に近接しているだけで
あるので、書込部材による潜像担持体の損傷が防止さ
れ、潜像担持体の耐久性が向上する。また、絶縁層が潜
像担持体に接触されても、この絶縁層が可撓性の基材に
設けられているので、絶縁層が潜像担持体を押圧する押
圧力をきわめて小さく設定可能となり、可撓絶縁層によ
る潜像担持体の損傷が抑制される。
【0016】
【発明の実施の形態】以下、図面を用いて、本発明の実
施の形態について説明する。図1は、本発明に係る画像
形成装置の実施の形態の基本構成を模式的に示す図であ
る。図1に示すように、本発明に係る画像形成装置1
は、静電潜像が形成される潜像担持体2と、潜像担持体
2に接触してこの潜像担持体2に静電潜像を書き込む書
込装置3と、潜像担持体2上の静電潜像を現像剤担持体
4aに担持・搬送された現像剤で現像する現像装置4
と、この現像装置4で現像された潜像担持体2上の現像
剤像を紙等の転写材5に転写する転写装置6と、転写後
の潜像担持体2上に残っている電荷を除電するかまたは
転写後の潜像担持体2を帯電するかして潜像担持体2上
を一様電荷状態にする潜像担持体一様電荷制御装置7と
を少なくとも備えている。以下の説明においては、潜像
担持体2はすべて接地されているものとして説明する
が、これは説明の便宜上であって、本発明は潜像担持体
2が接地されることに限定されるものではない。
【0017】図2に示すように、書込装置3は、FPC
(Flexible Print Circuit の略、以下FPCと称す)
あるいはPET(ポリエチレンテレフタレートの略、以
下PETと称す)等の絶縁性が高くかつ比較的柔らかく
弾性のある可撓性の基材3aと、基材3aに支持されか
つこの基材3aの撓みによる弱い弾性復元力で潜像担持
体2上に軽く押圧されて接触して静電潜像を書き込む書
込電極(本発明の書込部材に相当する)3bとを備えて
いる。また、基材3aの先端部3a1には、潜像担持体
一様電荷制御装置7である一様電荷制御電極7eが設け
られており、この一様電荷制御電極7eも基材3aの弱
い弾性復元力で潜像担持体2上に軽く押圧されて接触さ
れている。したがって、書込電極3bと潜像担持体一様
電荷制御装置7は、潜像担持体一様電荷制御装置7が潜
像担持体2の回転上流側に位置しかつ書込電極3bと潜
像担持体一様電荷制御装置7との間に所定のギャップを
有するようにして基材3aに一体的に設けられるように
なる。
【0018】このように構成された画像形成装置1にお
いては、潜像担持体一様電荷制御装置7で潜像担持体2
上を一様電荷状態にした後、潜像担持体2に接触してい
る書込装置3により、静電潜像が一様電荷状態の潜像担
持体2上に書き込まれる。そして、潜像担持体2上の静
電潜像が現像装置4の現像剤で現像され、その現像剤像
が転写装置6で転写材5に転写される。なお、本発明に
おいては、潜像担持体2上の電荷を除電して潜像担持体
2上に(+)および(−)のいずれの電荷も一様にない
状態も一様電荷状態であるとする。
【0019】図3は、書込装置3の書込電極3bの帯電
または除電による静電潜像の書込の原理を説明し、
(a)は書込電極3bと潜像担持体2との接触部の拡大
図、(b)はこの接触部の電気的等価回路図、(c)な
いし(f)は各パラメータと潜像担持体2の表面電位と
の関係を示す図である。図3(a)に示すように潜像担
持体2は、アルミニウム等の導電性材料からなり、接地
されている基材2cと、この基材2cの外周に形成され
た絶縁性を有する帯電体層2dとからなっている。書込
装置3のFPC等からなる基材3aに支持されている書
込電極3bが前述のように帯電体層2dに所定の小さな
押圧力で接触しているとともに、潜像担持体2が所定の
速度vで移動(回転)している。書込電極3bには、所
定の高電圧V0または所定の低電圧V1が基材3aを介し
て選択的に切り替えられて印加されるようになっている
(前述のように±の電荷があるため、高電圧は絶対値が
高い電圧をいい、また、低電圧は高電圧と同じ極性とし
て絶対値が低い電圧または0Vをいう。本明細書におけ
る本発明の説明では、この低電圧はすべて接地電圧であ
るとしているので、以下の説明では、高電圧V0を所定
電圧V0といい、低電圧V1を接地電圧V1という。接地
電圧V1は0Vであることは言うまでもない。)。
【0020】すなわち、書込電極3bと潜像担持体2と
の接触部(ニップ部)において、図3(b)に示す電気
的な等価回路が構成されている。図3(b)において、
Rは書込電極3bの抵抗を示し、Cは潜像担持体2の容
量を示している。書込電極3bの抵抗Rは、A側の
(−)の所定電圧V0またはB側の接地電圧V1に選択的
に切換接続されるようになっている。
【0021】等価回路において、書込電極3bをA側に
接続してこの書込電極3bに(−)の所定電圧V0を印
加したときの書込電極3bの抵抗Rと潜像担持体2の表
面電位との関係は、図3(c)に実線で示すように書込
電極3bの抵抗Rが小さい領域では潜像担持体2の表面
電位が一定の所定電圧V0となり、書込電極3bの抵抗
Rが所定値より大きい領域であると、潜像担持体2の表
面電位の絶対値が低下する。一方、書込電極3bをB側
に接続してこの書込電極3bを接地したときの書込電極
3bの抵抗Rと潜像担持体2の表面電位との関係は、図
3(c)に点線で示すように書込電極3bの抵抗Rが小
さい領域では潜像担持体2の表面電位が一定のほぼ接地
電圧V1となり、書込電極3bの抵抗Rが所定値より大
きい領域であると、潜像担持体2の表面電位の絶対値が
上昇する。
【0022】そして、書込電極3bの抵抗Rが小さく潜
像担持体2の表面電位が一定の所定電圧V0または一定
の接地電圧V1である領域では、図4(a)に示すよう
に潜像担持体2に接触する書込電極3bと潜像担持体2
の帯電体層2dとの間で、電圧の低い方から高い方へ直
接(−)の電荷の電荷注入が行われる。すなわち、電荷
注入により潜像担持体2が帯電または除電される。ま
た、書込電極3bの抵抗Rが大きく潜像担持体2の表面
電位が変化し始める領域では、電荷注入による潜像担持
体2の帯電または除電が次第に小さくなってくるととも
に、書込電極3bの抵抗Rが大きくなることで図4
(b)に示すように基材3aと潜像担持体2との間で放
電が生じてくるようになる。
【0023】この基材3aと潜像担持体2との間で生じ
る放電は基材3aと潜像担持体2との間の電圧(所定電
圧V0)の絶対値が放電開始電圧Vthより大きくなった
ときに生じるが、基材3aおよび潜像担持体2間のギャ
ップとこの放電開始電圧Vthとの関係はパッシェンの法
則により図4(c)に示すようになる。すなわち、ギャ
ップが約30μm位であるとき放電開始電圧Vthが最も
小さく、ギャップが約30μmより小さくても大きくて
も放電開始電圧Vthが大きくなり、放電が発生し難くな
る。この放電によっても潜像担持体2の表面が帯電また
は除電されるようになる。しかし、書込電極3の抵抗R
がこの領域であるときには、電荷注入による潜像担持体
2の帯電または除電が大きいとともに放電による潜像担
持体2の帯電または除電が小さく、潜像担持体2の帯電
または除電は電荷注入による帯電または除電が支配的と
なっている。この電荷注入による帯電または除電では、
潜像担持体2の表面電位は、書込電極3bに印加される
所定電圧V0または接地電圧V1となる。電荷注入による
帯電の場合、書込電極3bに供給される所定電圧V0
書込電極3bと潜像担持体2との間で放電が発生する放
電開始電圧Vth以下に設定するのが望ましい。
【0024】書込電極3bの抵抗Rが更に大きい領域で
あると、電荷注入による潜像担持体2の帯電または除電
が小さく、放電による潜像担持体2の帯電または除電が
電荷注入による帯電または除電より大きくなり、潜像担
持体2の帯電または除電は次第に放電による帯電または
除電が支配的となってくる。すなわち、書込電極3bの
抵抗Rが大きくなると、潜像担持体2の表面は主に放電
によって帯電または除電され、電荷注入による潜像担持
体2はほとんど帯電または除電されなくなる。この放電
による帯電または除電では、潜像担持体2の表面電位
は、書込電極3bに印加される所定電圧V0または接地
電圧V1から放電開始電圧Vthを差し引いた電圧とな
る。なお、所定電圧V0が(+)の電圧でも同じであ
る。
【0025】したがって、電極の3bの抵抗Rを、潜像
担持体2の表面電位が一定の所定電圧|V0|(±の電
圧があるため、絶対値で表す)あるいは一定の接地電圧
1となる小さい領域に設定するとともに、書込電極3
bに印加する電圧を所定電圧V 0と接地電圧V1との間で
スイッチング制御することにより、電荷注入による潜像
担持体2の帯電または除電を行うことができるようにな
る。
【0026】また、書込電極3bをA側に接続してこの
書込電極3bに(−)の所定電圧V 0を印加したときの
潜像担持体2の容量Cと潜像担持体2の表面電位との関
係は、図3(d)に実線で示すように誘電体2bの容量
Cが小さい領域では潜像担持体2の表面電位が一定の所
定電圧V0となり、誘電体2bの容量Cが所定値より大
きい領域では、潜像担持体2の表面電位の絶対値が低下
する。一方、書込電極3bをB側に接続してこの書込電
極3bを接地したときの潜像担持体2の容量Cと潜像担
持体2の表面電位との関係は、図3(d)に点線で示す
ように潜像担持体2の容量Cが小さい領域では潜像担持
体2の表面電位が一定のほぼ接地電圧V 1となり、潜像
担持体2の容量Cが所定値より大きい領域では、潜像担
持体2の表面電位の絶対値が上昇する。
【0027】そして、潜像担持体2の容量Cが小さく潜
像担持体2の表面電位が一定の所定電圧V0または一定
の接地電圧V1である領域では、潜像担持体2に接触す
る書込電極3bと潜像担持体2の帯電体層2dとの間で
直接(−)の電荷の電荷注入が行われる。すなわち、電
荷注入により潜像担持体2が帯電または除電される。ま
た、潜像担持体2の容量Cが大きく潜像担持体2の表面
電位が変化し始める領域では、電荷注入による潜像担持
体2の帯電または除電が次第に小さくなってくるととも
に、潜像担持体2の容量Cが大きくなることで図4
(b)に示すように基材3aと潜像担持体2との間で放
電が生じてくるようになる。この放電によっても潜像担
持体2の表面が帯電または除電されるようになる。しか
し、潜像担持体容量Cがこの領域であるときには、電荷
注入による潜像担持体2の帯電または除電が大きいとと
もに放電による潜像担持体2の帯電または除電が小さ
く、潜像担持体2の帯電または除電は電荷注入による帯
電または除電が支配的となっている。この電荷注入によ
る帯電または除電では、潜像担持体2の表面電位は、書
込電極3bに印加される所定電圧V0または接地電圧V1
となる。
【0028】潜像担持体2の容量Cが更に大きい領域で
あると、書込電極3bと潜像担持体2の帯電体層2dと
ので間でこの電荷注入はほとんど行われない。すなわ
ち、電荷注入によっては潜像担持体2は帯電または除電
されなくなる。なお、所定電圧V0が(+)の電圧の場
合でも同様である。
【0029】したがって、潜像担持体2の容量Cを、潜
像担持体2の表面電位が一定の所定電圧|V0|(±の
電圧があるため、絶対値で表す)あるいは一定の接地電
圧V1となる小さい領域に設定するとともに、書込電極
3bに印加する電圧を所定電圧V0と接地電圧V1との間
でスイッチング制御することにより、電荷注入による潜
像担持体2の帯電または除電を行うことができるように
なる。
【0030】更に、書込電極3bをA側に接続してこの
書込電極3bに(−)の所定電圧V 0を印加したときの
潜像担持体2の速度(周速度)vと潜像担持体2の表面
電位との関係は、図3(e)に実線で示すように潜像担
持体2の速度vが比較的小さい領域では、潜像担持体2
の表面電位は速度vが大きくなるにしたがって上昇し、
潜像担持体2の速度vが所定値より大きくなると、潜像
担持体2の表面電位の絶対値は一定の電圧となる。潜像
担持体2の表面電位が潜像担持体2の速度vの増大に応
じて大きくなるのは、書込電極3bと潜像担持体2との
間の摩擦による潜像担持体2への電荷注入の容易化によ
るものであると考えられる。この摩擦による電荷注入の
容易化は潜像担持体2の速度vがある程度大きくなると
変化しなく、ほぼ一定となる。一方、書込電極3bをB
側に接続してこの書込電極3bを接地したときの誘電体
2bの速度vと誘電体2bの表面電位との関係は、図3
(e)に点線で示すように誘電体2bの速度vに関係な
く一定の接地電圧V1となる。なお、所定電圧V0
(+)の電圧の場合でも同様である。
【0031】更に、書込電極3bをA側に接続してこの
書込電極3bに(−)の所定電圧V 0を印加したときの
書込電極3bの潜像担持体2への押圧力(以下、単に書
込電極3bの圧力という)と潜像担持体2の表面電位と
の関係は、図3(f)に実線で示すように書込電極3b
の圧力がきわめて小さい領域では、潜像担持体2の表面
電位は書込電極3bの圧力が大きくなるにしたがって比
較的急上昇し、書込電極3bの圧力が所定値より大きく
なると、潜像担持体2の表面電位の絶対値は一定の電圧
となる。潜像担持体2の表面電位が書込電極3bの圧力
の増大に応じて急上昇するのは、書込電極3bと潜像担
持体2との接触が書込電極3bの圧力の増大にしたがっ
てより確実になることによるものであると考えられる。
この書込電極3bと潜像担持体2との接触の確実性は、
書込電極3bの圧力がある程度大きくなると変化しな
く、ほぼ一定となる。一方、書込電極3bをB側に接続
してこの書込電極3bを接地したときの書込電極3bの
圧力と潜像担持体2の表面電位との関係は、図3(f)
に点線で示すように書込電極3bの圧力に関係なく一定
の接地電圧V1となる。なお、所定電圧V0が(+)の電
圧の場合でも同様である。
【0032】このようにして、書込電極3bの抵抗Rお
よび潜像担持体2の容量Cを潜像担持体2の表面電位が
一定の所定電圧となるように設定するとともに、潜像担
持体2の速度vおよび書込電極3bの圧力を潜像担持体
2の表面電位が一定の所定電圧となるように制御し、書
込電極3bに印加する電圧を所定電圧V0と接地電圧V1
との間でスイッチング制御することにより、電荷注入に
よる潜像担持体2の帯電または除電を確実にかつ簡単に
行うことができるようになる。
【0033】なお、前述の例では書込電極3bに印加す
る所定電圧V0が直流電圧であるが、直流電圧に交流電
圧を重畳することもできる。交流電圧を重畳する場合
は、直流成分を潜像担持体2に印加する電圧とし、ま
た、交流成分の振幅を放電開始電圧Vthの2倍以上に
設定するとともに、交流成分の周波数を潜像担持体2の
回転における周波数の500〜1000倍程度が好まし
い(例えば、潜像担持体2の径が30φでかつ潜像担持
体2の周速度が180mm/secであるとすると、潜
像担持体2の回転における周波数が2Hzであるから、
交流成分の周波数は1000〜2000Hzとなる)。
このように直流電圧に交流電圧を重畳させることによ
り、書込電極3bの放電による帯電または除電がより安
定するとともに、交流電圧により書込電極3bが振動す
ることで、書込電極3bに付着する異物を除去でき、こ
の書込電極3bの汚れが防止されるようになる。
【0034】次に、書込装置3の書込電極3bを支持す
る可撓性の基材3aについて説明する。前述のように、
基材3aはFPC等の比較的柔らかい弾性を有する可撓
性の材料から構成されており、図2に示すようにこの基
材3aの先端部3a1に書込電極3bが固定されてい
る。その場合、複数の書込電極3bが潜像担持体2の軸
方向(主走査方向)に配設される(図15に模式的に示
されている)。また、基材3aの先端部3a1の電極3
bより先端側に、一様電荷制御電極7eが固定されてい
る。この一様帯電電極7eは断面矩形状の薄い平板状に
形成され、潜像担持体2の帯電体層2dの軸方向長さと
同じ長さだけ潜像担持体2の軸方向に連続して延設され
ている。
【0035】基材3aは潜像担持体2の軸方向に潜像担
持体2の帯電体層2dの軸方向長さとほぼ同じ長さの矩
形の板状に形成されている。この基材3aの書込電極3
bと反対側の端部3a2が適宜の固定部材で固定されて
いる。基材3aは図2において右方から潜像担持体2の
回転方向(矢印で示す時計方向)に対向するように延び
て設けられている。なお、基材3aは図2において左方
から潜像担持体2の回転方向と同方向に延びるようにし
て設けることもできる。
【0036】この状態では、基材3aは弾性的に若干撓
んでいて弱い弾性復元力を発生しており、この弾性復元
力で書込電極3bおよび一様電荷制御電極7eがともに
潜像担持体2上に小さな押圧力で軽く押圧されて接触さ
れている。このように書込電極3bおよび一様電荷制御
電極7eの潜像担持体2への押圧力が小さいことから、
書込電極3bおよび一様電荷制御電極7eによる潜像担
持体2の帯電体層2dの摩耗が抑制されて耐久性が向上
するようになるとともに、基材3aの弾性力で書込電極
3bおよび一様電荷制御電極7eが帯電体層2dに接触
されていることから、書込電極3bおよび一様電荷制御
電極7eは帯電体層2dに安定して接触するようにな
る。なお、基材3aの端部3a2には、後述する書込電
極3bを作動制御するドライバ11が固定されている。
【0037】図5は、書込装置3の他の例の潜像担持体
2の軸方向から見た模式図である。前述の例では矩形の
板状の基材3aがその端部3a2を固定されることによ
り単純に弾性的に若干撓んだ状態にセットされている
が、この例の書込装置3では、図5に示すように前述の
例の基材3aと同じ材料からなる矩形の板状の基材3a
がその潜像担持体2の軸方向と直交する方向の中央部分
で潜像担持体2の軸方向の線に沿ってヘアピンカーブ状
に折り曲げられており、その両端部3a1,3a2が適宜
の固定部材で固定されている。その場合、基材3aの両
端部3a1,3a2の間には、図において上下に折り曲げ
られた基材3aの2つの部分の間のクロストークを防止
するための導電性の取付板(シールド)10が介在され
ている。
【0038】この例の基材3aの潜像担持体2の軸方向
長さも潜像担持体2の帯電体層2dの軸方向長さとほぼ
同じ長さに設定されているとともに、基材3aのヘアピ
ンカーブ状部分(折れ曲がり部分)3a3の所定位置
に、書込電極3bおよび一様電荷制御電極7eが潜像担
持体2の軸方向に固定されている。そして、図示のよう
に基材3aの両端部3a1,3a2が固定された状態で
は、基材3aのヘアピンカーブ状部分3a3が弾性的に
若干撓んでおり、この基材3aのヘアピンカーブ状部分
3a3の弱い弾性復元力で書込電極3bおよび一様電荷
制御電極7eがともに潜像担持体2上に軽く押圧されて
接触されている。この例の書込装置3では、基材3aが
両端部3a1,3a2で支持されているので、前述の例よ
り、書込電極3bはより確実にかつより安定して接触す
るようになる。
【0039】図6は、本発明の画像形成装置の更に他の
例を示す、図2と同様の図である。前述の各例では、書
込装置3と潜像担持体一様帯電装置7がともに潜像担持
体2に、基材3aの弾性力で小さな押圧力で接触されて
いるが、この例の画像形成装置1では、図6に示すよう
に書込装置3と潜像担持体一様帯電装置7がともに潜像
担持体2に近接されている。
【0040】すなわち、基材3aの潜像担持体2に対向
する面に絶縁層28が設けられており、この絶縁層28
は、後述するように基材3aに形成された導電パターン
9の上から、書込電極3bおよび一様電荷制御電極7e
がともに露出するようにして形成されている。この絶縁
層28の厚みが書込電極3bの厚みおよび一様電荷制御
電極7eの厚みより所定厚大きく設定されている。
【0041】そして、絶縁層28は、基材3aの撓みに
よる弱い弾性復元力で潜像担持体2上に軽く押圧されて
接触されている。絶縁層28と書込電極3bおよび一様
電荷制御電極7eとの間に厚みの差があるので、絶縁層
28が潜像担持体2に接触することにより、書込電極3
bおよび一様電荷制御電極7eがともに潜像担持体2に
対して所定のギャップ(近接距離)を置いて近接される
ようになる。この近接距離は、例えば30〜100μm
程度に設定されるが、絶縁層28の厚みで調整可能であ
る。この近接距離の調整は絶縁層28を形成する過程、
例えば絶縁層28を絶縁性フォトレジストで構成する場
合にこの絶縁性フォトレジストを基材3aに塗布する行
程で行うことができる。
【0042】図7は、書込電極3bに所定電圧V0およ
び接地電圧V1を切替接続するためのスイッチング回路
を示す図である。図7に示すように、例えば4列に配置
された書込電極3bは、それぞれ、対応する高電圧スイ
ッチ(High Voltage Switch;H.V.S.W.)15に接続さ
れており、これらの高電圧スイッチ15は、それぞれ、
対応する電極3bを所定電圧V0と接地電圧V1とに切
替接続するようになっている。各高電圧スイッチ15に
は、それぞれシフトレジスタ(S.R.)16からの画像
書込制御信号が入力され、またこのシフトレジスタ16
には、バッファ17に蓄えられている画像信号およびク
ロック18からのクロック信号がそれぞれ入力される。
そして、シフトレジスタ16からの画像書込制御信号は
アンド回路19によりエンコーダ20からの書込タイミ
ング信号に基づいて各高電圧スイッチ15に入力される
ようになる。各高電圧スイッチ15およびアンド回路1
9により各書込電極3bへの供給電圧を切替制御する前
述のドライバ11が構成されている。
【0043】図8は、各電極3bの各高電圧スイッチ1
5をそれぞれ所定電圧V0または接地電圧V1に選択的
に切替制御したときの状態を示し、(a)は各電極の電
圧状態を示す図、(b)は(a)の電圧状態で正規現像
したときの現像剤像を示す図、(c)は(a)の電圧状
態で反転現像したときの現像剤像を示す図である。図8
に示すように、例えばn−2番目、n−1番目、n番
目、n+1番目、n+2番目の各電極3bが、それぞれ
の高電圧スイッチ15が切替制御されて図8(a)に示
す電圧状態になっているとする。そこで、このような電
圧状態の各電極で潜像担持体2に静電潜像の書込を行う
とともに、正規現像によりこの静電潜像を現像すると、
現像剤8が潜像担持体2の所定電圧V0部上に付着し、
図8(b)にハッチング(斜線)で示すような現像剤像
が得られる。また、同様にして静電潜像の書込を行い、
反転現像によりこの静電潜像を現像すると、現像剤8が
潜像担持体2の接地電圧V1部上に付着し、図8(c)
にハッチングで示すような現像剤像が得られる。
【0044】このように構成された書込装置3を用いた
画像形成装置1によれば、書込電極3bおよび一様電荷
制御電極7eが書込装置3の可撓性の基材3bに一体的
に設けられているので、部品点数を低減でき、画像形成
装置をより一層小型にかつシンプルに構成できるように
なる。また、書込電極3bが可撓性の基材3aに支持さ
れているので、書込電極3bの潜像担持体2に対する位
置が柔軟に設定されるようになる。したがって、潜像担
持体2に対する書込電極3bの位置が安定し、書込電極
3bと潜像担持体2との間の電荷注入または放電を安定
かつ確実に行うことができる。これにより、潜像担持体
2に対する書込電極3bによる帯電または除電をより安
定して高精度に行うことができるので、静電潜像の書込
をより安定して行うことができ、良好な画像を確実にか
つ高精度に得ることができる。
【0045】また、可撓性の基材3aにより、書込電極
3bを小さい押圧力で潜像担持体2に接触可能となるか
あるいは潜像担持体2に近接可能となるので、書込電極
3bと潜像担持体2との間の空間的なギャップをきわめ
て小さくできる。これにより、この空間的なギャップの
空気が不要にイオン化される機会を減少できるので、オ
ゾンの発生をより一層抑制できるようになるとともに、
低電位で静電潜像が形成可能となる。
【0046】更に、書込電極3bおよび一様電荷制御電
極7eを小さな押圧力で潜像担持体2に接触させている
だけであるので、書込電極3bおよび一様電荷制御電極
7eによる潜像担持体2の損傷を防止でき、潜像担持体
2の耐久性を向上させることができる。更に、書込装置
3として書込電極3bを用いているだけであり、従来の
ような大型のレーザ光発生装置やLEDランプ光発生装
置等を設けないので、装置をより一層小型化することが
できるとともに、部品点数をより一層削減できて一層シ
ンプルで安価な画像形成装置を得ることができる。
【0047】更に、基材3aに設けられた絶縁層28を
潜像担持体2に接触させることにより、書込電極3bを
潜像担持2体に対して所定のギャップをおいて安定して
近接させることができる。したがって、書込電極3bに
よる静電潜像の書込を安定して高精度に行うことができ
る。更に、書込電極3bおよび一様電荷制御電極7eを
潜像担持体2に近接しているだけであるので、書込電極
3bおよび一様電荷制御電極7eによる潜像担持体2の
損傷が防止され、潜像担持体2の耐久性が向上する。ま
た、絶縁層28が潜像担持体2に接触されても、この絶
縁層28が可撓性の基材3aに設けられているので、絶
縁層28が潜像担持体2を押圧する押圧力をきわめて小
さく設定でき、絶縁層28による潜像担持体の損傷を抑
制できる。
【0048】次に、電極3bを潜像担持体2へ接触させ
て静電潜像を書き込む本発明の書込装置を用いた画像形
成装置の具体例を説明する。図9は、本発明の書込装置
を用いた画像形成装置の一例を模式的に示し、(a)は
クリーナを備えた画像形成装置を示す図、(b)はクリ
ーナを備えていないクリーナレスの画像形成装置を示す
図である。図9(a)に示す画像形成装置1はモノクロ
の画像形成装置であり、書込装置3の基材3aが潜像担
持体2の回転方向上流側から下流側に向かって延びてお
り、この基材3aの先端部に書込電極3bおよび一様電
荷制御電極7eが設けられている。その場合、この例で
は潜像担持体2の回転方向に対する基材3aの延設方向
が図1に示す例とは逆になっているため、書込電極3b
が一様電荷制御電極7eより先端側に設けられている。
つまり、一様電荷制御電極7eが書込電極3bより潜像
担持体2の回転上流側に設けられている。また、転写装
置6より潜像担持体2の回転方向下流側にクリーニング
装置21が設けられている。
【0049】このように構成されたモノクロの画像形成
装置1においては、前述と同様に一様電荷制御電極7e
により潜像担持体2の表面が一様電荷状態にされた後、
書込装置3の各書込電極3bが潜像担持体2を帯電また
は除電することで、潜像担持体2の表面に静電潜像が書
き込まれる。潜像担持体2上の静電潜像は、潜像担持体
2に非接触の現像装置4の現像ローラ4aによって現像
剤が付着されて現像された後、その潜像担持体2上の現
像剤像が転写装置6によって転写材5に転写される。転
写後に潜像担持体2上に残留する現像剤はクリーニング
装置21のクリーニングブレード21aによって除去さ
れ、クリーニングされた潜像担持体2の表面が再び一様
電荷制御電極7eにより一様電荷状態にされる。この例
の画像形成装置1は本発明の書込装置3を用いることに
より、より小型でよりシンプルな構成とすることができ
る。
【0050】図9(b)に示す画像形成装置1は、図9
(a)に示す画像形成装置1においてクリーニング装置
21を備えていないクリーナレスの画像形成装置であ
る。この例の画像形成装置1は、現像装置4の現像ロー
ラ4aが潜像担持体2に接触されていて、接触現像を行
うようになっている。
【0051】このように構成されたこの例の画像形成装
置1においては、一様電荷制御電極7eにより、潜像担
持体2および前回の転写後に潜像担持体2上に残留する
残留現像剤がともに一様電荷状態にされた後、書込装置
3の書込電極3bによって潜像担持体2の表面および残
留現像剤の表面が帯電または除電されて潜像担持体2上
および残留現像剤上に静電潜像が書き込まれる。そし
て、現像装置4によってこれらの静電潜像が現像され
る。このとき、書込電極3bの帯電列を現像剤8がもと
もと持つべき極性に帯電させるように選択することによ
り、潜像担持体2上の非画像部にある残留現像剤は書込
電極3bによってその極性に帯電されるので現像装置4
の方へ移動し、また、潜像担持体2上の画像部にある残
留現像剤はそのまま潜像担持体2に残って現像剤像とし
て用いられるようになる。このように非画像部にある残
留現像剤を現像装置4の方へ移動させることにより、ク
リーニング装置21を設けなくても潜像担持体2の表面
がクリーニングされるようになる。特に、図示しないが
転写装置6より潜像担持体2の回転方向下流側にブラシ
を設けて、このブラシにより潜像担持体2上の残留現像
剤を散らして均すことで、非画像部にある残留現像剤を
現像装置4の方へより効果的移動させて除去することが
できる。
【0052】この例の画像形成装置1の他の画像形成動
作は、図9(a)に示す画像形成装置1と同じである。
この例の画像形成装置1も本発明の書込装置3を用いる
ことにより、より小型でよりシンプルな構成とすること
ができ、特に、クリーナ装置21を設けないクリーナレ
スにすることで、更にシンプルな構成とすることができ
る。
【0053】図10は、本発明の書込装置を用いた画像
形成装置の他の例を模式的に示す図である。図10に示
すように、この例の画像形成装置1は、各色毎の画像形
成装置1K,1C,1M,1Yが転写材5の移動方向の上流側
からこれらの順にタンデムに配設されている。各色の画
像形成装置1K,1C,1M,1Yの配設順は、どのような順
序にも設定することができる。各画像形成装置1K,1C,
M,1Yは、それぞれ、潜像担持体2K,2C,2M,2Y、書
込装置3K,3C,3M,3Y、現像装置4K,4C,4M,4Y、お
よび転写装置6K,6C,6M,6Yを備えている。各書込装
置3K,3C,3M,3Yの各基材3aK,3aC,3aM,3aY
は、前述と同様にして、書込電極3bK,3bC,3bM,3
Yおよび一様電荷制御電極7eK,7eC,7eM,7eY
設けられている。
【0054】このように構成されたこの例の画像形成装
置1においては、まずブラックKの画像形成装置1K
おいて、ブラックKの一様電荷制御電極7eKによって
潜像担持体2Kの表面が一様電荷状態にされた後、書込
装置3Kの書込電極3bKでブラックKの静電潜像が潜像
担持体2Kの表面に書き込まれるとともに、このブラッ
クKの静電潜像が現像装置4Kで現像されて潜像担持体
Kの表面にブラックKの現像剤像が形成される。この
潜像担持体2K上のブラックKの現像剤像が転写装置6K
で、供給されてきた転写材5に転写され、転写材5にブ
ラックKの現像剤像が形成される。次いで、シアンCの
画像形成装置1Cにおいて、シアンCの一様電荷制御電
極7eCによって潜像担持体2Cの表面が一様電荷状態に
された後、書込装置3Cの書込電極3bCでシアンCの静
電潜像が潜像担持体2Cの表面に書き込まれるととも
に、このシアンCの静電潜像が現像装置4Cで現像され
て潜像担持体2Cの表面にシアンCの現像剤像が形成さ
れる。この潜像担持体2C上のシアンCの現像剤像が転
写装置6Cで、供給されてきたブラックKの現像剤像が
形成された転写材5に重ねて転写され、転写材5にシア
ンCの現像剤像が形成される。同様にして、マゼンタM
の画像形成装置1Mにおいて、一様電荷制御電極7eM
よる潜像担持体2Mの一様電荷状態の設定、書込装置3M
の電極3bMによる潜像担持体2MへのマゼンタMの静電
潜像の書込、現像装置4Mの静電潜像の現像、および転
写装置6Mの転写材5へのマゼンタMの現像剤像の重ね
転写が行われた後に、イエローYの画像形成装置1Y
おいて、一様電荷制御電極7eYによる潜像担持体2Y
一様電荷状態の設定、書込装置3Yの電極3bYによる潜
像担持体2YへのイエローYの静電潜像の書込、現像装
置4Yの静電潜像の現像、および転写装置6Yの転写材5
へのイエローYの現像剤像の転写が行われて、転写材5
に各色の現像剤像が色合わせされたフルカラーの現像剤
像が形成される。このように各色の画像形成装置1K,1
C,1M,1Yがタンデムに配設されたフルカラーの画像形
成装置においても、本発明の書込装置3を用いること
で、より小型にかつよりシンプルな構成にすることがで
きる。
【0055】図11は、本発明の書込装置を用いた画像
形成装置の更に他の例を模式的に示す図である。図10
に示す例の各色の画像形成装置1K,1C,1M,1Yがタン
デムに配置された画像形成装置1では、各画像形成装置
K,1C,1M,1Yの潜像担持体2K,2C,2M,2Yに形成さ
れた各色の現像剤像が各画像形成装置1K,1C,1M,1Y
毎に転写材5に転写されるようになっているが、この例
の画像形成装置1では、図11に示すように各色の潜像
担持体2K,2C,2M,2Yに形成された各色の現像剤像が
一旦中間転写された後、転写材5に転写されるようにな
っている。すなわち、この例の画像形成装置1では、図
10に示す例の画像形成装置1に中間転写装置24が設
けられている。この中間転写装置24は無端ベルト状の
中間転写体25を備えており、この中間転写体25は2
つのローラ26,27間に張架されていて、一方のロー
ラの駆動で図において反時計方向に回転するようになっ
ている。そして、この中間転写体25の直線状部分に沿
って各画像形成装置1K,1C,1 M,1Yが配設されている
とともに、ローラ27の位置に1つの転写装置6が設け
られている。この例の画像形成装置1の他の構成は図1
0に示す例の画像形成装置1と同じである。
【0056】このように構成されたこの例の画像形成装
置1においては、図10に示す例の画像形成装置1と同
様に各色の潜像担持体2K,2C,2M,2Yに各色の現像剤
像がそれぞれ形成され、これらの各色の現像剤像が中間
転写体25に、図10に示す例の転写材5へ転写する場
合と同様にして各色の現像剤像が色合わせされて重ね転
写される。この中間転写体25に中間転写された各色の
現像剤像が転写装置6で転写材5に転写されて、転写材
5にフルカラーの現像剤像が形成される。この例の画像
形成装置1の他の画像形成動作は図10に示す例の画像
形成装置1と同じである。このように中間転写装置24
を備え、各色の画像形成装置1K,1C,1M,1Yがタンデ
ムに配設されたフルカラーの画像形成装置においても、
本発明の書込装置3を用いることで、より小型にかつよ
りシンプルな構成にすることができる。
【0057】
【発明の効果】以上の説明から明らかなように、本発明
の画像形成装置によれば、書込部材と潜像担持体一様電
荷制御装置とを書込装置の可撓性の基材に一体的に設け
ているので、部品点数を低減でき、画像形成装置をより
一層小型にかつシンプルに構成できるようになる。ま
た、書込部材を可撓性の基材に支持しているので、書込
部材の潜像担持体に対する位置を柔軟に設定できるよう
になる。したがって、書込部材による潜像担持体への静
電潜像の書込をより安定して行うことができるので、良
好な画像を確実にかつ高精度に得ることができる。
【0058】また、可撓性の基材により、書込電極を小
さい押圧力で潜像担持体に接触可能にするかあるいは潜
像担持体に近接可能にしているので、書込電極と潜像担
持体との間の空間的なギャップをきわめて小さくでき
る。これにより、この空間的なギャップの空気が不要に
イオン化される機会を減少できるので、オゾンの発生が
より一層抑制できるようになるとともに、低電位で静電
潜像が形成可能となる。
【0059】特に、請求項2の発明によれば、書込部材
として書込電極を用いているだけであるので、従来のよ
うな大型のレーザ光発生装置やLEDランプ光発生装置
等を不要にできる。したがって、装置をより一層小型化
にできるとともに、部品点数をより一層削減できて一層
シンプルで安価な画像形成装置を得ることができる。ま
た、請求項3の発明によれば、書込部材を小さな押圧力
で潜像担持体に接触しているだけであるので、書込電極
による潜像担持体の損傷を防止でき、潜像担持体の耐久
性を向上できる。
【0060】更に、請求項4の発明によれば、基材に設
けられた絶縁層を潜像担持体に接触させているので、書
込部材を潜像担持体に対して所定のギャップをおいて安
定して近接させることができる。したがって、書込部材
による静電潜像の書込を安定して高精度に行うことがで
きるる。更に、書込部材を潜像担持体に近接させている
だけであるので、書込部材による潜像担持体の損傷を防
止できれ、潜像担持体の耐久性を向上させることができ
る。また、絶縁層を潜像担持体に接触させても、この絶
縁層を可撓性の基材に設けているので、絶縁層が潜像担
持体を押圧する押圧力をきわめて小さく設定でき、可撓
絶縁層による潜像担持体の損傷を抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る画像形成装置の実施の形態の基
本構成を模式的に示す図である。
【図2】 図1に示す書込装置の一例の潜像担持体の軸
方向から見た模式図である。
【図3】 書込装置の書込電極の帯電または除電による
静電潜像の書込の原理を説明し、(a)は書込電極と潜
像担持体との接触部の拡大図、(b)はこの接触部の電
気的等価回路図、(c)ないし(f)は各パラメータと
潜像担持体の表面電位との関係を示す図である。
【図4】 潜像担持体に対する帯電または除電を説明
し、(a)は電荷注入による潜像担持体に対する帯電ま
たは除電の説明図、(b)は放電による潜像担持体に対
する帯電または除電の説明図、(c)はパッシェンの法
則を説明する図である。
【図5】 書込装置の他の例の潜像担持体の軸方向から
見た模式図である。
【図6】 本発明の画像形成装置の他の例を示す、図5
と同様の図である。
【図7】書込電極に所定電圧V0および接地電圧V1を切
替接続するためのスイッチング回路を示す図である。
【図8】各電極の各高電圧スイッチをそれぞれ所定電圧
V0または接地電圧V1に選択的に切替制御したときの
状態を示し、(a)は各電極の電圧状態を示す図、
(b)は(a)の電圧状態で正規現像したときの現像剤
像を示す図、(c)は(a)の電圧状態で反転現像した
ときの現像剤像を示す図である。
【図9】本発明の書込装置を用いた画像形成装置の一例
を模式的に示し、(a)はクリーナを備えた画像形成装
置を示す図、(b)はクリーナを備えていないクリーナ
レスの画像形成装置を示す図である。
【図10】本発明の書込装置を用いた画像形成装置の他
の例を模式的に示す図である。
【図11】本発明の書込装置を用いた画像形成装置の更
に他の例を模式的に示す図である。
【符号の説明】
1…画像形成装置、2…潜像担持体、3…書込装置、3
a…基材、3b…書込電極、4…現像装置、5…転写
材、6…転写装置、7…潜像担持体一様電荷制御装置、
7e…一様電荷制御電極、8…現像剤、28…絶縁層
フロントページの続き (72)発明者 依田兼雄 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ −エプソン株式会社内 (72)発明者 阿部信正 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ −エプソン株式会社内 (72)発明者 野村雄二郎 長野県諏訪市大和3丁目3番5号 セイコ −エプソン株式会社内 Fターム(参考) 2C162 AE12 AE21 AE31 AE44 AE47 EA17 2H029 AA06 AB04 AB07 AC01 AD06 AD07 2H030 AA06 AB02 AC02 AD02 BB42

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 静電潜像が形成される潜像担持体と、前
    記潜像担持体2上を一様電荷状態にする潜像担持体一様
    電荷制御装置と、一様電荷状態にされた前記潜像担持体
    上に前記静電潜像を書き込む書込装置と、前記潜像担持
    体上の前記静電潜像を現像する現像装置と少なくとも備
    え、前記書込装置によって前記潜像担持体に書き込まれ
    た前記静電潜像を前記現像装置で現像することにより画
    像を形成する画像形成装置において、 前記書込装置は前記潜像担持体に前記静電潜像を書き込
    む書込部材とこの書込部材を支持する可撓性の基材とを
    有しており、 前記基材に前記潜像担持体一様電荷制御装置が設けられ
    ていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 前記書込部材は書込電極により構成され
    ているとともに、前記潜像担持体一様電荷制御装置が一
    様電荷制御電極により構成されていることを特徴とする
    請求項1記載の画像形成装置。
  3. 【請求項3】 少なくとも前記書込部材は前記基材の弾
    性力で前記潜像担持体に小さな押圧力で接触されている
    ことを特徴とする請求項1または2記載の画像形成装
    置。
  4. 【請求項4】 前記基材に絶縁層が設けられており、少
    なくとも前記書込部材は、前記絶縁層が前記基材の弾性
    力で前記潜像担持体に小さな押圧力で接触されることで
    前記潜像担持体に近接されていることを特徴とする請求
    項1または2記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 前記潜像担持体、、前記現像装置、およ
    び前記潜像担持体一様電荷制御装置を、黒、イエロー、
    マゼンタおよびシアンの各色毎に設けることでこれらの
    各色毎の画像形成装置がタンデムに配設されていること
    を特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の画像
    形成装置。
  6. 【請求項6】 前記各色毎の画像形成装置により各色毎
    の現像剤像が中間転写される中間転写装置が設けられて
    いることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。
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