JP2002103335A - マイクロ構造体アレイ用金型、マイクロ構造体アレイ、及びその作製方法 - Google Patents

マイクロ構造体アレイ用金型、マイクロ構造体アレイ、及びその作製方法

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Abstract

(57)【要約】 【課題】容易で、制御性が高く、マイクロ構造体アレイ
の面内分布を小さくでき、マイクロ構造体の曲率半径を
小さくできる、高精度な位置合わせ用のアライメントマ
ーカーを具備したマイクロレンズアレイなどのマイクロ
構造体アレイの作製方法を実現する。 【解決手段】導電性部2を有する基板1を用い、基板1
上に第1のマスク層3を形成し、第1のマスク層3に適当
な間隔で複数のマイクロ構造体用開口部4を形成すると
共にアライメントマーカー用開口部5を同一プロセスに
て形成し、導電性部2を陰極として電気メッキないし電
着により開口部4、5を通じて開口部及び第1のマスク
層3上に第1のメッキ層6ないし電着層を形成する。開
口部5と最近のマイクロ構造体用開口部4との間隔は、
開口部4の1ピッチ分以上開き、且つ開口部5の周囲に
存在する開口部4に囲まれた領域の面積中に占めるアラ
イメントマーカー用開口部5の面積の割合が1/2より
小さい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光エレクトロニク
ス分野等で使用されるマイクロレンズアレイなどのマイ
クロ構造体アレイを作製するための金型(本明細書で
は、特に区別する場合を除いて、金型と言う場合は金型
及び金型マスターを含めた意味で使用する)、マイクロ
レンズアレイなどのマイクロ構造体アレイ、及びその作
製方法等に関するものである。
【0002】
【従来の技術】マイクロレンズアレイは、直径数μmか
ら数100μmの微小な略半球状のレンズを複数配置し
たものであり、液晶表示装置、受光装置、光通信システ
ムにおけるファイバー間接続等の様々な用途に使用され
るようになってきた。
【0003】一方、発光素子間隔を狭くできアレイ化が
容易な面発光レーザー等の開発が進み、レンズアレイの
間隔を狭くでき開口数(NA)の大きなマイクロレンズ
の要求が高まっている。
【0004】受光素子においても同様に、半導体プロセ
ス技術の発達に伴い、素子間隔が狭まり、CCD等に見
られるように、ますます受光素子の小型化がなされてい
る。この結果、ここでも、レンズ間隔の狭い、開口数の
大きなマイクロレンズアレイが必要となっている。この
様なマイクロレンズでは、レンズ面に入射する光の利用
効率が高い高集光率のマイクロレンズが望まれている。
【0005】さらに、今後期待される光情報処理分野で
ある光並列処理・演算、光インターコネクション等にお
いても、同様の要望がある。
【0006】また、エレクトロルミネッセンス(EL)
等の自発光型のディスプレイ装置の研究開発もさかんに
行われ、高精細且つ高輝度のディスプレイの提案がなさ
れている。この様なディスプレイにおいては、小型且つ
開口数の大きなマイクロレンズアレイに加えて、低コス
トで大面積のマイクロレンズアレイの要求がある。
【0007】また更に、液晶プロジェクタ等に搭載する
マイクロレンズアレイにあっては、マイクロレンズと画
素部との間のずれによる集光率の低下を解消し、より明
るい画像を得るために、駆動基板との高精度な位置合わ
せを実現するアライメントマーカーを具備する必要があ
る。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】以上の様な状況におい
て、従来、イオン交換法(M. Oikawa, et al., Jpn. J.
Appl. Phys. 20(1) L51-54, 1981)を用いて多成分ガ
ラスからなる基板上の複数の箇所を高屈折率化して、複
数のレンズを形成する様にしたマイクロレンズアレイの
製造方法が知られている。しかしながら、この方法で
は、レンズ同士の間隔に比べてレンズの開口径を大きく
とれず、開口数の大きなレンズの設計が困難であった。
また、大面積のマイクロレンズアレイを作製するにはイ
オン拡散装置等の大規模な製造装置が必要とされ、製造
が容易でないという問題もあった。また、金型を用いた
モールディングに比べてガラス毎にイオン交換工程を施
す必要があり、製造装置の作製条件管理を十分に行わな
いと、レンズの品質、例えば焦点距離のばらつきがロッ
ト間で大きくなるという問題があった。また、この方法
は、金型を用いた方法に比べて、割高になる。
【0009】さらに、イオン交換法では、ガラス基板中
に被イオン交換用のアルカリイオンが必須となり、基板
材料がアルカリガラスに限定されアルカリイオンフリー
を前提とする半導体をベースとする素子との適合性が悪
い。さらに、ガラス基板そのものの熱膨張係数が受光装
置や発光装置の基板の熱膨張係数と大きく異なる為に、
素子の集積密度が増加するに伴い、熱膨張係数の不整合
によるミスアライメントが発生する。また、元来、ガラ
ス表面のイオン交換法は、表面に圧縮歪みを残すことが
知られており、どうしてもガラス表面の残留応力と反り
変形のトレードオフの課題が生じ、マイクロレンズアレ
イが大判化するに従い受光装置や発光装置の基板との接
着・接合が困難となってくる。
【0010】他の方法としては、レジストリフロー法
(D. Daly, et al., Proc. MicrolensArrays Teddingto
n., p23-34, 1991)がある。この方法では、基板上に形
成した樹脂をフォトリソグラフィプロセスを利用して円
筒状にパターニングし、加熱しリフローさせてマイクロ
レンズアレイを作製する。この方法により、様々な形状
のレンズを低コストで作製することが可能である。ま
た、イオン交換法に比べて熱膨張係数や反り等の問題が
ない。しかしながら、この方法は、マイクロレンズの形
状が樹脂の厚み、基板と樹脂との濡れ性状態、及び加熱
温度に強く依存しており、単一基板面内の作製再現性は
高いが、ロット毎のばらつきが発生しやすい。
【0011】他の方法としては、マイクロレンズアレイ
の原版を作製し、原版にレンズ材料を塗布し、塗布した
レンズ材料を剥離して作製する方法である。原版となる
金型の作製に当たっては、電子ビームを用いて描画する
方法(特開平1−261601号公報)、金属板の一部
をエッチングし形成する方法(特開平5−303009
号公報)がある。これらの方法は、モールディングにて
マイクロレンズを複製することができ、ロット毎のばら
つきが発生しにくく、また低コストにて作製することが
可能である。また、イオン交換法に比べて熱膨張係数差
に伴うアライメント誤差の発生や反り等の問題を回避で
きる。しかしながら、電子ビームを用いる方法では、電
子ビーム描画装置が高価であり多額の設備投資が必要と
なること、描画面積が制限されているために、10cm
角以上の大面積の原版を作製するのが困難であること等
の問題がある。
【0012】更に他の方法としては、母材上に1次元又
は2次元配列された開口部パターンを有するマスク層を
形成し、開口部からエッチングを行なう方法(特開平0
8−136704号公報)がある。しかしながら、この
方法では、レジストの開口部からエッチングするため、
掘り込み部の底辺は平らになって光を該開口部の径以下
に集光させることが困難である。また、エッチングする
方法では、主として化学反応を利用した等方性エッチン
グを用いるため、母材の組成や結晶構造が僅かでも変化
すると所望の形状にエッチングできなくなるという問題
がある。
【0013】上記問題点を解決する方法としては、電気
メッキにより半球状構造体アレイを作製し、これを原版
としてマイクロレンズ用金型を作製し、さらにこの金型
よりマイクロレンズアレイを作製する方法が考案されて
いる(特公昭64−10169号公報)。この方法によ
ると、大判化が容易で、作製プロセスが容易で、制御性
が高く、且つ安価なマイクロレンズ用金型が作製でき
る。さらに、電気メッキを用いて行なう方法で、曲率半
径の小さなマイクロレンズを作製することが可能にな
る。
【0014】アライメントマーカーを形成する方法とし
ては、レジストパターン形成時にレンズ用のパターンと
アライメントマーカー用のパターンを同一プロセスにて
形成する方法(特開平09−189901号公報)が提
案されている。
【0015】しかし、この方法に特公昭64−1016
9号公報の方法を適用し、レジストパターン形成時にレ
ンズ用のパターンとアライメントマーカー用のパターン
を同一プロセスにて形成後、電気メッキを行なうと、ア
ライメントマーカー用のパターン形状により電流密度に
分布が発生し、レンズ用アレイパターンの周辺部で電界
が集中してメッキ成長が促進され、半球の大きさに面内
分布が生ずる。さらに、アライメントマーカー用パター
ン周囲に電流密度分布が生じてしまい、所望のマイクロ
レンズアレイ領域に成長するメッキ層の大きさに分布が
生じてしまう。
【0016】本発明は、上記従来技術の有する問題点に
鑑みなされたものであり、その目的は、(1)作製プロ
セスが容易、かつ制御性が高く、(2)マイクロ構造体
アレイの面内分布を小さくでき、(3)マイクロ構造体
の曲率半径を小さくでき、(4)十字形アライメントマ
ーカーにも対応可能な、(5)高精度な位置合わせを実
現するためのアライメントマーカーを具備できる、マイ
クロレンズアレイなどのマイクロ構造体アレイ用の金
型、マイクロレンズアレイなどのマイクロ構造体アレ
イ、及びその作製方法等を提供することにある。
【0017】
【課題を解決するための手段及び作用】上記目的を達成
する本発明のマイクロレンズアレイ用金型等のマイクロ
構造体アレイの作製方法は、導電性部を有する基板を用
い、(1)前記導電性部上に絶縁性の第1のマスク層を
形成する工程、(2)第1のマスク層に所望のマイクロ
構造体アレイ配列に対応した間隔で複数のマイクロ構造
体用開口部を形成すると共にアライメントマーカー用開
口部を同一プロセスにて形成する工程、(3)前記導電
性部を陰極として電気メッキないし電着により前記開口
部を通じて前記開口部及び前記第1のマスク層上に第1
のメッキ層ないし電着層を形成する工程、を有するマイ
クロ構造体アレイの作製方法であって、工程(2)にお
けるアライメントマーカー用開口部は、最近のマイクロ
構造体用開口部から該開口部の最大のピッチ(該開口部
が等間隔で配列されていれば、そのピッチであり、間隔
が変化する場合は、そのうちの最大のピッチである)の
1ピッチ分以上の間隔が開き、且つアライメントマーカ
ー用開口部の周囲に存在するマイクロ構造体用開口部に
囲まれた領域の面積中に占めるアライメントマーカー用
開口部の面積の割合が1/2より小さいことを特徴とす
る。こうした条件を満たせば、メッキないし電着の際に
電流密度分布が抑制される傾向にあり、メッキ層ないし
電着層のサイズ(高さ、径、幅など)の面内分布が抑制
されて、全体的に所望のマイクロ構造体アレイやアライ
メントマーカーが形成されることになる。
【0018】上記の基本構成に基づいて、以下の如き、
より具体的な態様が可能である。更に、(4)前記第1
のマスク層を除去する工程が行われうる。可能であれ
ば、前記工程(3)の段階で得られる構造をそのまま用
いてもよいが(第1のマスク層が、導電性部に対する密
着性が良いPSGなどの場合は可能である。この場合、
複数の第1のメッキ層ないし電着層は分離していてもよ
いし、連続的になるまで形成されてもよい)、第1のマ
スク層を除去して得られる構造を用いてもよい。
【0019】更に、(5)前記基板及び第1のメッキ層
ないし電着層の所望のマイクロ構造体アレイ領域上及び
アライメントマーカー領域上に第2のマスク層を形成す
る工程、(6)前記第2のマスク層の形成されていない
領域の第1のメッキ層ないし電着層をエッチングによっ
て除去する工程、(7)第2のマスク層を除去する工程
が行われうる。これにより、得られるマイクロ構造体ア
レイの面内分布をより小さくできる。可能であれば、前
記工程(7)の段階で得られる構造をそのまま用いても
よい。
【0020】更に、前記工程(3)、(4)または
(7)の後に、(8)第1のメッキ層ないし電着層から
導電性部または第1のマスク層にわたり第2のメッキ層
ないし電着層を形成する工程が行われうる。これによ
り、マイクロ構造体アレイの面内分布をより小さくで
き、さらに第1のメッキ層ないし電着層が導電性部また
は第1のマスク層に強固に固定されて構造がより強固に
なる。
【0021】前記工程(2)において、アライメントマ
ーカー用開口部の径または幅(短辺側)が円形、スリッ
ト状などのマイクロ構造体用開口部の径ないし幅と等し
いかそれ以下であると、より好適である。円形、スリッ
ト状などのマイクロ構造体用開口部で、ほぼ半球状、半
円筒状などのマイクロ構造体アレイ(半球状マイクロレ
ンズアレイやレンチキュラーレンズ用の金型などにでき
る)を形成できる。前記工程(2)において、アライメ
ントマーカー用開口部は正方形のものを含んだり、長方
形のものを含んだり、多角形のものを含んだり、リング
状のものを含んだりする。これは、用途に応じて決めれ
ばよい。
【0022】前記工程(6)において、第1のメッキ層
は電解エッチングなどによって除去されうる。また、前
記工程(8)において、第2のメッキ層は無電解メッキ
などによって形成されうる。
【0023】上記マイクロ構造体アレイは、典型的に
は、マイクロ構造体アレイ用金型ないしマイクロレンズ
アレイ用金型として作製される。
【0024】更に、上記目的を達成する本発明のマイク
ロレンズアレイ用金型等のマイクロ構造体アレイは、上
記のマイクロ構造体アレイの作製方法で作製されるマイ
クロ構造体アレイであって、マイクロ構造体アレイのマ
イクロ構造体群外にある第1のメッキ層ないし電着層、
または第1のメッキ層ないし電着層および第1のメッキ層
ないし電着層と導電性部または第1のマスク層上に形成
された第2のメッキ層ないし電着層からなるアライメン
トマーカー用構造において、隣接する第1のメッキ層な
いし電着層または第2のメッキ層ないし電着層の最近接
間に平面部が無いことを特徴とする。これにより、高精
度な位置合わせを実現できる十字形等のアライメントマ
ーカー用構造を具備し、マイクロ構造体アレイのサイズ
の面内分布の小さいマイクロレンズアレイ用の金型等の
マイクロ構造体アレイを実現できる。
【0025】前記アライメントマーカー用構造は、棒状
の第1のメッキ層ないし電着層または第1および第2の
メッキ層ないし電着層からなる単体またはその集合体を
含んだり、リング状の第1のメッキ層ないし電着層また
は第1および第2のメッキ層ないし電着層からなる単体
またはその集合体を含んだりする。
【0026】この構造においては、前記マイクロ構造体
(例えば、導電性基板又は電極層を有する基板上に形成
され、マイクロレンズアレイのレンズ群に対応する円柱
状の軸を有する半球状の第1のメッキ層、および第1の
メッキ層ならびに該電極層上に形成された第2のメッキ
層からなるマイクロ構造体)と前記アライメントマーカ
ー用構造(例えば、マイクロレンズアレイのレンズ群外
の第1のメッキ層、および第1のメッキ層ならびに該電極
層上に形成された第2のメッキ層からなるアライメント
マーカー用構造)の高さを容易にほぼ等しくでき、また
該高さの分布を容易に5%以内にできる。
【0027】また、メッキないし電着で形成される前記
アライメントマーカー用構造の断面形状の全て或いは一
部は、湾曲形状ないし半円形状をとりうる。
【0028】勿論、上記マイクロ構造体アレイは、典型
的には、マイクロ構造体アレイ用金型ないしマイクロレ
ンズアレイ用金型である。
【0029】更に、上記目的を達成する本発明の撮像装
置または表示装置は、本発明のマイクロレンズアレイと
して構成されたマイクロ構造体アレイ、或いは本発明の
マイクロレンズアレイ用金型で作製されたマイクロレン
ズアレイを、前記アライメントマーカーを用いて各マイ
クロレンズを各受光部或いは各画素部にアライメントし
た状態で搭載したことを特徴とする。
【0030】以上が本発明の基本的及びより具体的な構
成要素であり、その詳細及び作用について典型的な例に
沿って以下に更に説明する。
【0031】まず、半球状等のマイクロ構造体の形成原
理について述べる。導電性基板又は電極層を有する基板
(導電性部を有する基板)上に形成された絶縁層の微小
ないし微細な開口部に電気メッキないし電着(以下の説
明ではメッキで説明を行う)を行うと、まず開口部内に
メッキ層が析出し、さらに電気メッキを行うと開口部及
びマスク層上に第1のメッキ層が成長し始める。電気メ
ッキの陽極に比べて開口部の寸法(径ないし幅)が十分
に小さいと、第1のメッキ層は径ないし幅の中心に対し
て等方的に成長し、半球状等の第1のメッキ層が開口部
及びマスク層上に形成される。開口部形状を円形にする
ことにより、第1のメッキ層はマスク層上に径の中心に
対して等方的に成長できる。エッチングにより原版を形
成する方法に比べて、所望の形状が得られた時点で陽極
と陰極との間に流れる電流を停止すればメッキの析出を
停止できるために、水洗までの時間でエッチングされて
しまうような不測の形状誤差を回避でき、作製の制御性
が良い。
【0032】次に、典型的にはマイクロレンズアレイで
あるマイクロ構造体アレイ用の金型の作製方法の典型例
を示す。ここで、マイクロレンズないしマイクロレンズ
アレイと言う場合はマイクロ構造体を代表して指すもの
とする。当然、ここで述べることは他のマイクロ構造体
アレイ用金型の作製方法にも適用できる。まず、導電性
基板又は電極層を有する基板上に第1のマスク層を形成
する。メッキ用基板材料としては、金属、半導体、絶縁
体の何れの材料でも良く、平坦性の良好な金属板、ガラ
ス基板、シリコンウエハ等を使用することが可能であ
る。メッキ用基板として金属材料を使用するのであれ
ば、電極層を形成する必要はない。また、半導体を用い
る場合、電気メッキが可能な程度の電導性を有するので
あれば、必ずしも電極層を形成する必要はない。電極層
としては、メッキ液にさらされる為に、使用するメッキ
液に腐蝕されない材料より選択される。但し、後の工程
で、この電極層の上に形成された第1のメッキ層の一部
をエッチングし除去するので第1のメッキ層と合金層を
形成しない材料が好ましい。また、電極層は前記メッキ
液中でもエッチングされない材料が好ましい。第1のマ
スク層は絶縁性を有する材料であれば良く、無機絶縁
体、有機絶縁体のいずれも使用することができる。電極
層及び第1のマスク層の形成方法としては、真空蒸着
法、スピンコート法、ディップ法、化学堆積法(CV
D)等の薄膜形成方法が用いられる。
【0033】次に、第1のマスク層に、マイクロレンズ
アレイのピッチに対応したピッチで複数のマイクロレン
ズ用開口部を所定のマイクロレンズアレイ群領域(すな
わち、使用領域)よりも広い領域に形成する。開口部形
状は円形などが望ましい。開口部形成に当たっては、微
小ないし微細な開口を形成することが可能な半導体フォ
トリソグラフィプロセスとエッチングにより開口部を形
成する。第1のマスク層として、フォトレジストを用い
るとエッチングの工程を省略できる(すなわち、露光と
現像で済む)。
【0034】この時、アライメントマーカーに対応する
位置にもアライメントマーカー用開口部を同一プロセス
にて形成する。これによって、高精度な位置合わせを実
現するためのアライメントマーカーを形成することが可
能になる。なお、アライメントマーカーに対応する位置
の開口部としては、円形、正方形、長方形、リング状等
の何れの形状でもよい。ここで、開口部の配置により十
字形のマーカーに対応するアライメントマーカーも形成
することができる。また、開口部をリング状に形成する
ことによって、駆動基板のような貼り合わせ基板側の大
きな丸形状のアライメントマーカーにも対応可能なアラ
イメントマーカーを形成することができ、位置合わせ精
度の向上が図られる。アライメントマーカーとなる開口
部の径または幅(短辺側)は、マイクロレンズアレイに
対応した円形開口部の径と等しいかそれ以下であること
が好ましい。これは、電流密度分布を和らげるためであ
る。
【0035】アライメントマーカー用開口部は、最も近
いマイクロレンズ用開口部からの間隔が該開口部ピッチ
の1ピッチ分以上開き、且つアライメントマーカー用開
口部の周囲に存在するマイクロレンズ用開口部に囲まれ
た領域の面積中に占めるアライメントマーカー用開口部
の面積の割合が1/2より小さいことが好ましい。アラ
イメントマーカー用開口部は、マイクロレンズ用開口部
からの間隔が該開口部の1ピッチ分より小さい場合、電
流密度分布の影響で、マイクロレンズアレイ領域に位置
する第1のメッキ層やアライメントマーカー用開口部か
ら成長するメッキ層の大きさに好ましくない程度の分布
が生じてしまう。逆に間隔が大きくなる方に関しては、
電流密度分布の影響は小さくなる傾向になる。
【0036】また、アライメントマーカー用開口部の周
囲に存在するマイクロレンズ用開口部に囲まれた領域の
面積中に占めるアライメントマーカー用開口部の面積の
割合に関しても、1/2以上になると、電流密度分布の
影響でマイクロレンズアレイ領域に位置する第1のメッ
キ層やアライメントマーカー用開口部から成長するメッ
キ層の大きさに好ましくない程度の分布が生じてしま
う。よって、該面積割合が1/2より小さいのがよく、
小さくなるに連れて、電流密度分布の影響は小さくなる
傾向になる。
【0037】以上のことによって、電気メッキの工程の
際、アライメントマーカー用開口部の存在に起因する電
流密度分布による影響で、所望のマイクロレンズアレイ
領域の電流密度分布が生じてしまうことが抑制できて、
マイクロレンズアレイ領域に位置する第1のメッキ層の
半球等の大きさのばらつきを抑制できる。その結果、マ
イクロレンズアレイ領域の第1のメッキ層とアライメン
トマーカーとしての第1のメッキ層の高さはほぼ均一に
なる。これは、マイクロレンズとアライメントマーカー
の頂点が同一平面にあることにつながり、正確なアライ
メントを可能にする。
【0038】電気メッキは次の方法で行なう。メッキ用
基板をワークとして、金属イオンを含むメッキ液に漬
け、メッキ用基板と陽極板との間に外部電源を繋げて電
流を流し、開口部に第1のメッキ層を形成する。開口部
にメッキが形成され、さらにメッキを続けることで第1
のマスク層上にも第1のメッキ層が広がり、半球状等の
構造体が形成される。作製するマイクロレンズアレイ用
金型で形成されるレンズの径としては数μmから数10
0μmの範囲であり、この為、開口部の大きさは所望の
マイクロレンズの径よりも小さくする必要がある。メッ
キ成長が等方的となる為には開口部の寸法は半球状等の
構造体の直径ないし幅に比して小さいのが良く、小さい
程、半球状等の構造体の断面形状は真円に近づいて曲率
半径が小さく出来る。
【0039】マイクロ構造体はメッキ浴中の金属イオン
が電気化学反応により析出することにより形成される。
電気メッキでは、メッキ時間、メッキ温度を制御して第
1のメッキ層の厚さを容易に制御することが可能であ
る。主なメッキの金属としては、単金属では、Ni、A
u、Pt、Cr、Cu、Ag、Zn等があり、合金で
は、Cu−Zn、Sn−Co、Ni−Fe、Zn−Ni
等がある。他の電気メッキ可能な材料も用いることは可
能であるが、前記電極層と合金層を形成しない材料が好
ましい。上記のことは電着についても同様である。電着
液には、電着性有機化合物(アニオン型電着のアクリル
系樹脂、カチオン型電着のエポキシ系樹脂等)の電着液
がある。
【0040】ここで形成される第1のメッキ層はアレイ
周辺部が中心部分よりも大きく成長する。それは、電流
分布が均一でなく電極の端の部分で電流が集中するから
である。そこで、マイクロレンズ用開口部群領域を所望
のマイクロレンズアレイ領域(すなわち、使用領域)よ
り広く形成しておくことによって、中心部のものより過
度に大きく成長する第1のメッキ層の領域は所望のマイ
クロレンズアレイ領域の外に来ることになる。
【0041】続いて、以下に示すような方法で、中心部
よりも過度に大きく成長したアレイ周辺部の第1のメッ
キ層を選択的なエッチングによって取り除くことによっ
て、ほぼ均一な高さの第1のメッキ層のアレイを得るこ
とができる。
【0042】その典型的な方法では、まず第1のマスク
層を除去する。次に、ほぼ均一な大きさに成長した第1
のメッキ層を含む所望のマイクロレンズアレイ領域およ
びアライメントマーカー領域上に第2のマスク層を形成
する。第2のマスク層は無機材料、有機材料のいずれも
使用できるが、後工程のエッチング溶液に対して耐性の
あるものを用いる。第2のマスク層の形成方法として
は、真空蒸着法、スピンコート法、ディップ法等の薄膜
形成方法を用いる。選択された領域のみに第2のマスク
層を形成するに当たっては、半導体フォトリソグラフィ
ープロセスとエッチングを用いる。ここで、第2のマス
ク層としてフォトレジストを用いると、エッチングの工
程を省略できる。
【0043】第2のマスク層を形成する前に第1のマス
ク層を除去しなくても良いが、除去した方が第2のマス
ク層の基板への密着性は向上する。特に、第1のマスク
層、第2のマスク層の両者ともフォトレジストの場合
は、その密着性向上の効果は大きい。
【0044】次に、第2のマスク層から露出した第1の
メッキ層をエッチング除去する。エッチングの方法とし
てはドライエッチング、ウエットエッチングを用いる。
エッチングガス、エッチング液は第2のマスク層、電極
層、基板をエッチングせず、選択的に第2のマスク層か
ら露出した第1のメッキ層をエッチングするものを用い
る。
【0045】またここで、第1のメッキ層を形成した場
合と逆に陰極と陽極を繋ぎ、外部電源から電流を流すこ
とによる電解エッチングを用いても良い(これは電着層
の場合は使えない)。これによって、第2のマスク層か
ら露出した第1のメッキ層が選択的に電解エッチングで
除去される。ここで、電極層が前記メッキ液で電解され
ず且つ第1のメッキ層と合金層を形成しない材料であれ
ば、電解エッチング後、電極層の平らな面が得られる。
同様に第1のメッキ層も電極層と合金層を形成しない材
料であれば電極層の平らな面が得られる。ここで除去さ
れた第1のメッキ層の金属はメッキ液中或いは対極の金
属板に回収でき、高価な金属材料であっても無駄なく使
用できる。
【0046】残された第2のマスク層に覆われたマイク
ロレンズアレイ領域の第1のメッキ層は、ほぼ均一な大
きさであり、径ないし幅の面内分布が小さい半球状等の
構造体アレイとなる。また、アライメントマーカーとし
ての第1のメッキ層も、第2のマスク層で覆われていた
ので残すことができる。
【0047】さらにこの方法では、基板内に複数の第2
のマスク層を設けることにより、一枚の基板から、複数
個或いは複数種のアライメントマーカーを有し且つ第1
のメッキ層のサイズの面内分布が小さいマイクロレンズ
アレイ用金型を得ることも可能となる。これは、第1の
メッキ層を形成後、アレイパターンの周辺部を除いた第
1のメッキ層のサイズの面内分布の小さい領域とアライ
メントマーカーとしての第1のメッキ層の領域とに、選
択的に第2のマスク層を形成することができるからであ
る。
【0048】次に、第2のマスク層を除去し、第1のメッ
キ層から電極層にかけて第2のメッキ層ないし電着層を
形成する(ここでもメッキ層で代表する)。第2のメッ
キ層の形成方法としては電気メッキ、無電解メッキの何
れでも良いが、無電解メッキを用いることにより光沢度
の高いマイクロレンズアレイ用金型が得られる。さら
に、これは等方的なメッキ成長なため、マイクロレンズ
アレイ領域の各メッキ層の対角方向と水平方向での曲率
半径は等しくすることができ、マイクロレンズアレイ領
域のメッキ層の高さとアライメントマーカーのメッキ層
の高さをほぼ等しく形成できる。
【0049】これによって、第1のメッキ層は電極層上
に強固に固定され、その後の工程において第1のメッキ
層が脱落することが防止できてマイクロレンズアレイ用
金型の耐久性が良くなる。
【0050】これらによって得られたマイクロレンズア
レイ領域のメッキ層の高さとアライメントマーカーのメ
ッキ層の高さはほぼ等しくなる。よって、これから得ら
れるマイクロレンズアレイのレンズ頂点の高さとアライ
メントマーカーの頂点の高さはほぼ等しくなる。その結
果、駆動基板などとの貼り合わせの際、マイクロレンズ
アレイのレンズ頂点とアライメントマーカーの頂点はほ
ぼ等しい平面内にあって両方共にアライナー側のレンズ
系の焦点深度内に来るため、高精度な位置合わせを実現
できる。
【0051】マイクロレンズアレイ用金型は、上記マイ
クロレンズアレイ用金型マスター(原版)に金型材料を
形成した後、金型を剥離することで得られる(各部の材
料によっては、上記の構造をそのままマイクロレンズア
レイなどのマイクロ構造体アレイとして用いることもで
きる)。マイクロレンズアレイ用金型は、電気メッキに
て形成した原版から直接形成できるために、高価な設備
を必要とせず、低コストで作製できる。剥離の方法とし
ては、機械的に原版と基板を剥離すれば良い。しかしな
がら、大判化すると剥離時に変形する場合がある為、基
板、マスク層、第1のメッキ層等を順次裏面よりエッチ
ング除去する方法を取っても良い。
【0052】基板及び第2のメッキ層上に犠牲層を設け
た後に金型を形成する場合には、犠牲層を除去すること
により金型と基板を剥離することが可能である。この場
合、犠牲層をエッチングするエッチャントにより金型が
腐蝕されないような犠牲層の材料を選ぶ。犠牲層をエッ
チングするエッチャントにより第1、第2のメッキ層及
び基板も腐蝕されない場合、メッキ層を形成した基板を
原版として、複数回使用することが可能である。原版が
複数回の使用により傷、汚れ等により使用できなくなっ
た場合には、同様の方法により金型マスターを作製すれ
ばよい。
【0053】マイクロレンズ用金型の材料としては、メ
ッキ層を形成した基板上に形成でき且つ剥離できるもの
であれば、樹脂、金属、絶縁体等の何れの材料も用いる
ことができる。簡略な金型の形成方法としては、樹脂や
金属、ガラスの溶融または溶解した溶液をメッキ層が形
成された基板上に塗布して、これが硬化した後に、上述
した剥離の方法により剥離し形成する。この場合、金型
材料としては、基板やメッキ層が合金化しない材料を選
択する。他の方法としては、基板を陰極としてメッキ層
及び電極層上に金型を電気メッキして形成する。犠牲層
を用いるのであれば、犠牲層上に金型用電極層を形成し
該金型用電極層を陰極として電気メッキを行う。
【0054】さらに、上記マイクロレンズアレイ用金型
上にマイクロレンズとなる材料を形成した後、これを剥
離することにより、マイクロレンズアレイを形成するこ
とができる。これにより、低コストで且つ容易に、同一
の形状のマイクロレンズを作製することが可能となる。
マイクロレンズの材料としては、マイクロレンズ用金型
との剥離性が容易な材料が用いられる。マイクロレンズ
材料として樹脂を用いる場合は、光透過性の熱硬化樹
脂、紫外線硬化樹脂、電子線硬化樹脂等をマイクロレン
ズアレイ用金型上に塗布した後、紫外光照射、電子線照
射等により硬化させる。硬化時には、気泡が形成されな
いようにする。樹脂を塗布する場合には、脱気を行うと
良い。
【0055】硬化後に、樹脂は金型から剥離されマイク
ロレンズアレイが形成される。マイクロレンズアレイと
なる樹脂としては、マイクロレンズを用いる受光または
発光装置が利用する光の波長領域で光透過可能な材料を
用いる。上記方法でマイクロレンズを作製する場合に
は、アルカリガラスが必須とはならず、イオン交換法と
比べて、マイクロレンズ、支持基板の材料の制限を少な
くできる。樹脂の代わりに溶融したガラスを使用すれ
ば、ガラスのマイクロレンズアレイを作製できる。
【0056】勿論、本発明の金型は、適用可能であれ
ば、マイクロレンズアレイに限らず、どのような構造を
作製するのにも使用し得る。
【0057】
【発明の実施の態様】以下に、図面を参照しつつ発明の
実施の態様ないし実施例を詳細に説明する。
【0058】(第1実施例)図1から図7の作製工程図を
用いて第1実施例を説明する。本実施例では、酸化ガス
を用いて熱酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリコン膜
が形成された4インチφのシリコンウエハを、図1に示
す基板1として用いる。このウエハに、薄膜形成法の1
つである真空スパッタ法により、TiとPtを夫々50
Å、500Å連続して成膜し電極層2を形成する。その
上にポジ型フォトレジスト(Az1500:クライアン
ト社製)を塗布し、第1のマスク層3を形成する。
【0059】次に、フォトリソグラフィーによりフォト
レジストを露光、現像して、電極層2を所定のパターン
に従って露出させ、マイクロレンズアレイ用開口部4を
形成する。個々のマイクロレンズアレイ用開口部4は円
形をしており、シリコンウエハ面内の95mmφの領域
内にアレイ状(本実施例では、左右、上下に等間隔であ
る)に設ける。その直径は5μmであり、隣接するマイ
クロレンズアレイ用開口部4との間隔は18μmである
(図1(a)参照)。これと同時に、アライメントマー
カーに対応する位置に、短辺幅5μm、長さ37μmの
長方形のアライメントマーカー用開口部5を数カ所設け
る(図2参照)。
【0060】アライメントマーカー用開口部5がマイク
ロレンズ用開口部4と最も近接しているところの間隔は
20μmである。また、このとき、アライメントマーカ
ー用開口部5の周囲に存在するマイクロレンズ用開口部
4に囲まれた領域の面積中に占めるアライメントマーカ
ー用開口部5の面積の割合は1/10である。
【0061】続いて、基板1をワークとして用い、電極
層2を陰極として、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとほう
酸及び光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、無攪拌に
て浴温50℃、陰極電流密度40A/dm2でNiメッキ
を行なう。Niからなる第1のメッキ層6はまずマイク
ロレンズアレイ用開口部4から析出、成長し、さらに第
1のマスク層3上にも第1のメッキ層6が広がる。こう
して、アレイ中心部の第1のメッキ層6の半径が約10
μmの半球状構造体となるまで、第1のメッキ層6を成長
させる(図1(b)が断面図、図3が上面図)。アレイ
中心部において第1のメッキ層6の半径が約10μmのと
き、アレイ周辺部においては、半径が最大約15μmの
第1のメッキ層6が形成された。
【0062】次に、アセトンとN,N-ジメチルホルムア
ミドで第1のマスク層3を除去する。そして、ポジ型フ
ォトレジスト(AzP4620:クライアント社製)を
塗布、露光、現像し、アレイ周辺部を除いた1064×
808個の領域とアライメントマーカーに対応する位置
に成長した第1のメッキ層6上に、選択的に第2のマス
ク層7を設ける。これによってアレイ周辺部の第1のメ
ッキ層6は露出される(図1(c)が断面図、図4が上
面図)。ここで、アライメントマーカー用に設けた開口
部5による電流密度分布への影響は殆どなく、第2のマ
スク層7に覆われた領域の第1のメッキ層6の直径の面
内分布は5%以内であった。
【0063】続いて、基板1をワークとして用い、それ
を陽極として、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとほう酸及
び光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、浴温60℃、
陽極電流密度8A/dm2で、露出した第1のメッキ層
6の電解エッチングを行なう(図1(d)が断面図、図
5が上面図)。ここで、電極層2としてPtを用いてい
たことにより電極層は腐蝕されなかった。そして、電解
エッチングは、第2のマスク層7に覆われていない領域
に存在するNiからなる第1のメッキ層6が消費された
時点で停止した。
【0064】次に、アセトンとN,N-ジメチルホルムア
ミドで第2のマスク層7を除去することにより、106
4×808個の第1のメッキ層6のアレイとアライメン
トマーカー9を形成する(図1(e)が断面図、図6が上
面図)。このとき第1のメッキ層6の半径の面内分布は
5%以内であった。
【0065】次に、次亜リン酸塩の還元剤を含む無電解
Niメッキ液(アルニックCT、パックス社製)を用い
て、浴温90℃でNi無電解メッキを行なって第2のメ
ッキ層8を形成する(図1(d)が断面図、図7が上面
図)。これによって、第1のメッキ層6は電極層2上に
強固に固定され、第2のメッキ層形成に無電解メッキを
用いることにより光沢度の高いマイクロレンズアレイ用
金型が得られる。また、各メッキ層の対角方向と水平方
向での曲率半径はほぼ等しく平均曲率半径は20μmで
あり、曲率半径の分布は±1μm以下に収まり、均一な
形状を有する金型マスターを形成できた。さらに、マイ
クロレンズ群に相当するメッキ層とアライメントマーカ
ー9に相当するメッキ層の高さの面内分布も5%以内で
あった。
【0066】以上、本実施例により、各レンズの大きさ
の面内分布を容易に小さくでき、さらに高精度な位置合
わせを実現するアライメントマーカーを具備したマイク
ロレンズアレイ用金型の製造方法を実現することができ
た。
【0067】次に、上記構造を金型マスターとして用い
てマイクロレンズアレイ用金型を製造する方法を説明す
る。
【0068】金型マスター上に電鋳用離型剤を塗布す
る。この基板を陰極とし、スルファミン酸ニッケルと臭
化ニッケルとほう酸及び光沢剤からなるNiメッキ浴を
用いて、浴温50℃、陰極電流密度5A/dmでNi
電気メッキを行なって金型を形成する。その後、基板か
ら金型を離型してマイクロレンズアレイ用金型を形成す
る。
【0069】この金型を用いて凸型マイクロレンズアレ
イを製造する方法を説明する。このマイクロレンズアレ
イ用金型に紫外線硬化樹脂を塗布後、支持基板となるガ
ラス基板をその上に載せる。この樹脂を紫外線照射によ
り硬化させた後に剥離することにより、凸型マイクロレ
ンズアレイを作製する。この凸型マイクロレンズアレイ
は高精度な位置合わせを実現するアライメントマーカー
を具備しており、さらにレンズ直径の面内分布は5%以
内であった。
【0070】続いて、TFT液晶基板に形成されたマー
カーに上記凸型マイクロレンズアレイのマーカーを合わ
せて貼り付けることにより、各画素に対応した位置に正
確に各マイクロレンズを配置することができた。これら
を駆動回路に繋ぎ液晶プロジェクターとして駆動させた
ところ、入射光はマイクロレンズによって集光され明る
い表示画像を得ることができた。
【0071】(第2実施例)第2実施例でも、第1実施
例と同様に、酸化ガスを用いて熱酸化し、両面に1μm
厚の二酸化シリコン膜が形成された4インチφのシリコ
ンウエハを基板1として用いる。このウエハに薄膜形成
法の1つである真空スパッタ法によりTiとPtを夫々
50Å、500Å連続して成膜し、電極層2を形成す
る。その上にポジ型フォトレジスト(Az1500:ク
ライアント社製)を塗布して第1のマスク層3を形成す
る。次に、フォトリソグラフィーによりフォトレジスト
を露光、現像して電極層2を露出させ、マイクロレンズ
アレイ用開口部4を形成する。開口部は円形をしてお
り、シリコンウエハ面内の95mmφの領域内にアレイ
状に設ける。その直径は5μmであり、隣接する開口部
との間隔は18μmである。これと同時に、アライメン
トマーカーに対応する位置に、幅5μm、内径56μm
のリング状のアライメントマーカー用開口部5を数カ所
設ける(図8)。この点が本実施例の特徴である。
【0072】アライメントマーカー用開口部5がマイク
ロレンズ用開口部4と最も近接しているところの間隔は
30μmである。またこのとき、アライメントマーカー
用開口部5の周囲に存在するマイクロレンズ用開口部4
に囲まれた領域の面積中に占めるアライメントマーカー
用開口部5の面積の割合は3/40である。
【0073】次に、この基板1をワークとして用いて、
電極層2を陰極として硫酸ニッケルと塩化ニッケルとほ
う酸及び光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、無攪拌
にて浴温50℃、陰極電流密度40A/dm2でNiメッ
キを行なう。Niからなる第1のメッキ層6は、まずマ
イクロレンズアレイ用開口部4から析出、成長し、第1
のマスク層3上にも第1のメッキ層6が広がる。こうし
て、アレイ中心部の半径が約10μmの半球状構造体と
なるまで第1のメッキ層6を成長させる(図9)。アレイ
中心部において第1のメッキ層6の半径が約10μmの
とき、アレイ周辺部5においては半径が最大約15μm
の第1のメッキ層6が形成された。
【0074】次に、アセトンとN,N-ジメチルホルムア
ミドで第1のマスク層3を除去する。そして、ポジ型フ
ォトレジスト(AzP4620:クライアント社製)を
塗布、露光、現像して、アレイ周辺部を除いた1064
×808個の領域とアライメントマーカーに対応する位
置に成長した第1のメッキ層6上に選択的に第2のマス
ク層7を設ける。ここで、アライメントマーカー用に設
けた開口部5による電流密度分布への影響は殆どなく、
第2のマスク層7に覆われた領域の第1のメッキ層6の
直径の面内分布は5%以内であった。
【0075】続いて、基板1をワークとして用い、それ
を陽極とし、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとほう酸及び
光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、浴温60℃、陽
極電流密度8A/dm2で、露出した第1のメッキ層6
の電解エッチングを行なう。ここで、電極層2としてP
tを用いていたことにより電極層は腐蝕されなかった。
そして、電解エッチングは、第2のマスク層7に覆われ
ていない領域に存在するNiからなる第1のメッキ層が
消費された時点で停止した。
【0076】次に、アセトンとN,N-ジメチルホルムア
ミドで第2のマスク層7を除去することにより、106
4×808個の第1のメッキ層6のアレイとリング状の
アライメントマーカーを形成することができる。このと
き第1のメッキ層6の半径の面内分布は5%以内であっ
た。
【0077】次に、次亜リン酸塩の還元剤を含む無電解
Niメッキ液(アルニックCT、パックス社製)を用い
て、浴温90℃でNi無電解メッキを行ない、第2のメ
ッキ層8を形成する。これによって、第1のメッキ層6は
電極層上に強固に固定され、第2のメッキ層形成に無電
解メッキを用いることにより光沢度の高いマイクロレン
ズアレイ用金型が得られた。また、各メッキ層の対角方
向と水平方向での曲率半径は、ほぼ等しく平均曲率半径
は20μmであり、曲率半径の分布は±1μm以下に収
まり、均一な形状を有す金型マスターを形成できた。さ
らにマイクロレンズ群に相当するメッキ層とアライメン
トマーカーに相当するメッキ層の高さの面内分布も5%
以内であった。
【0078】以上、本実施例によっても、各レンズの大
きさの面内分布を容易に小さくでき、さらに高精度な位
置合わせを実現するリング状のアライメントマーカーを
具備したマイクロレンズアレイ用金型の製造方法を実現
することができた。
【0079】第1実施例のところで述べた様に、上記金
型をマスターとして用いてマイクロレンズアレイ用金型
を形成し、更に凸型マイクロレンズアレイ15を作製で
きる。この凸型マイクロレンズアレイは高精度な位置合
わせを実現するアライメントマーカーを具備しており、
さらにレンズ直径の面内分布は5%以内であった。
【0080】(第3実施例)第3実施例でも、第1実施
例と同様に、ガスを用いて熱酸化し、両面に1μm厚の
二酸化シリコン膜が形成された4インチφのシリコンウ
エハを基板1として用いる。このウエハに薄膜形成法の
1つである真空スパッタ法によりTiとPtを夫々50
Å、500Å連続して成膜し、電極層2を形成する。そ
の上に、ポジ型フォトレジスト(Az1500:Hoe
chst社製)を塗布し、第1のマスク層3を形成す
る。次に、フォトリソグラフィーによりフォトレジスト
を露光、現像して電極層2を露出させ、マイクロレンズ
アレイ用開口部4を形成する。開口部4は円形をしてお
り、シリコンウエハ面内の95mmφの領域内にアレイ
状に設ける。その直径は5μmであり、隣接する開口部
4との間隔は18μmである。これと同時に、アライメ
ントマーカーに対応する位置に、短辺幅5μm、長さ3
7μmの長方形の開口部と幅5μm、内径56μmのリ
ング状の開口部を数カ所に設ける(図10参照)。
【0081】アライメントマーカー用開口部5がマイク
ロレンズ用開口部4と最も近接しているところの間隔は
20μmである。またこのとき、アライメントマーカー
用開口部5の周囲に存在するマイクロレンズ用開口部4
に囲まれた領域の面積中に占めるアライメントマーカー
用開口部面積の割合は7/80である。
【0082】この基板1をワークとして用い、電極層2
を陰極とし、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとほう酸及び
光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、無攪拌にて浴温
50℃、陰極電流密度40A/dm2でNiメッキを行な
う。Niからなる第1のメッキ層6は、まずマイクロレ
ンズアレイ用開口部4から析出、成長し、第1のマスク
層3上にも第1のメッキ層6が広がる。こうして、アレ
イ中心部の半径が約10μmの半球状構造体となるまで
第1のメッキ層6を成長させる。アレイ中心部において
第1のメッキ層6の半径が約10μmのとき、アレイ周
辺部においては半径が最大約15μmの第1のメッキ層
6が形成された(図10)。
【0083】次に、アセトンとN,N-ジメチルホルムア
ミドで第1のマスク層6を除去する。そして、ポジ型フ
ォトレジスト(AzP4620:クライアント社製)を
塗布、露光、現像し、アレイ周辺部を除いた1064×
808個の領域とアライメントマーカーに対応する位置
に成長した第1のメッキ層6上に選択的に第2のマスク
層7を設ける。ここで、アライメントマーカー用に設け
た開口部5による電流密度分布への影響は殆どなく、第
2のマスク層7に覆われた領域の第1のメッキ層6の直
径の面内分布は5%以内であった。
【0084】続いて、この基板1をワークとして用い、
それを陽極とし、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとほう酸
及び光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、浴温60
℃、陽極電流密度8A/dm2で、露出した第1のメッ
キ層6の電解エッチングを行なう。ここで、電極層2と
してPtを用いたことにより電極層は腐蝕されなかっ
た。そして、電解エッチングは、第2のマスク層7に覆
われていない領域に存在するNiからなる第1のメッキ
層6が消費された時点で停止した。
【0085】次に、アセトンとN,N-ジメチルホルムア
ミドで第2のマスク層7を除去することにより、106
4×808個の第1のメッキ層6のアレイとリング状と
十字形に対応するアライメントマーカーを形成すること
ができた。このとき半球状構造体の半径の面内分布も5
%以内であった。
【0086】次に、次亜リン酸塩の還元剤を含む無電解
Niメッキ液(アルニックCT、パックス社製)を用い
て、浴温90℃でNi無電解メッキを行ない、第2のメ
ッキ層8を形成する。これによって、第1のメッキ層6は
電極層2上に強固に固定され、第2のメッキ層形成に無
電解メッキを用いることにより光沢度の高いマイクロレ
ンズアレイ用金型が得られた(図11)。また、各メッ
キ層の対角方向と水平方向での曲率半径はほぼ等しく平
均曲率半径は20μmであり、曲率半径の分布は±1μ
m以下に収まり、均一な形状を有する金型マスターを形
成できた。さらに、マイクロレンズ群に相当するメッキ
層とアライメントマーカーに相当するメッキ層の高さの
面内分布は5%以内であった。
【0087】以上、本実施例により、各レンズの大きさ
の面内分布を容易に小さくでき、さらに高精度な位置合
わせを実現するリング状と十字形に対応するアライメン
トマーカーを具備したマイクロレンズアレイ用金型の製
造方法を実現することができた。
【0088】第1実施例のところで述べた様に、上記金
型をマスターとして用いてマイクロレンズアレイ用金型
を形成し、更に凸型マイクロレンズアレイ15を作製で
きる。この凸型マイクロレンズアレイは高精度な位置合
わせを実現するアライメントマーカーを具備しており、
さらにレンズ直径の面内分布は5%以内であった。
【0089】(第4実施例)第4実施例においては、酸
化ガスを用いて熱酸化し、両面に1μm厚の二酸化シリ
コン膜が形成された5インチφのシリコンウエハを基板
として用いる。このウエハに薄膜形成法の1つである真
空スパッタ法によりTiとPtを夫々50Å、500Å
連続して成膜し、電極層2を形成する。その上にポジ型
フォトレジスト(Az1500:クライアント社製)を
塗布し、第1のマスク層3を形成する。次に、フォトリ
ソグラフィーによりフォトレジストを露光、現像し、電
極層2を露出させて、マイクロレンズアレイ用開口部4
を形成する。開口部4は円形をしており、シリコンウエ
ハ面内の120mmφの領域内にアレイ状に設ける。そ
の直径は5μmであり、隣接する開口部との間隔は18
μmである。これと同時に、アライメントマーカーに対
応する任意の位置に幅5μm、長さ37μmの長方形の
開口部5を数カ所、幅5μm、内径56μmのリング状
の開口部5を数カ所設ける。このとき、アライメントマ
ーカー用開口部5の周囲に存在するマイクロレンズ用開
口部4に囲まれた領域の面積中に占めるアライメントマ
ーカー用開口部面積の割合は21/80である。
【0090】この基板1をワークとして用い、電極層2
を陰極とし、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとほう酸及び
光沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、無攪拌にて浴温
50℃、陰極電流密度40A/dm2でNiメッキを行な
う。Niからなる第1のメッキ層6は、まずマイクロレ
ンズアレイ用開口部4から析出、成長し、第1のマスク
層3上にも第1のメッキ層6が広がる。こうして、アレ
イ中心部の半径が約10μmの半球状構造体となるまで
第1のメッキ層6を成長させる。アレイ中心部において
半球状構造体の半径が約10μmのとき、アレイ周辺部
においては半径が最大約15μmの半球状構造体が形成
された。
【0091】次に、アセトンとN,N-ジメチルホルムア
ミドで第1のマスク層を除去する。そして、ポジ型フォ
トレジスト(AzP4620:クライアント社製)を塗
布、露光、現像し、アレイ周辺部を除いた8箇所の10
64×808個の領域とそれぞれに対応する8組のアラ
イメントマーカーに対応する位置に成長した第1のメッ
キ層6上に、選択的に第2のマスク層7を設ける。ここ
で、アライメントマーカー用に設けた開口部5による電
流密度分布への影響は殆どなく、8箇所の1064×8
08個の領域の第2のマスク層7に覆われた領域の第1
のメッキ層6の直径の面内分布は5%以内であった。
【0092】この基板1をワークとして用い、それを陽
極とし、硫酸ニッケルと塩化ニッケルとほう酸及び光沢
剤からなるNiメッキ浴を用いて、浴温60℃、陽極電
流密度8A/dm2で、露出した第1のメッキ層6の電
解エッチングを行なう。ここで、電極層2としてPtを
用いたことにより電極層は腐蝕されなかった。そして、
電解エッチングは、第2のマスク層7に覆われていない
領域に存在するNiからなる第1のメッキ層6が消費さ
れた時点で停止した。
【0093】次に、アセトンとN,N-ジメチルホルムア
ミドで第2のマスク層7を除去することにより、8箇所
の1064×808個の第1のメッキ層6のアレイと、
8組のアライメントマーカーを形成することができた。
このとき、それぞれの個所の第1のメッキ層6の半径の
面内分布は5%以内であった。
【0094】このとき、それぞれのアライメントマーカ
ーは、第1実施例から第3実施例のそれぞれのマーカー
およびその組み合わせであるため、それぞれ異なるアラ
イメントマーカーとなっている。
【0095】次に、次亜リン酸塩の還元剤を含む無電解
Niメッキ液(アルニックCT、パックス社製)を用い
て、浴温90℃でNi無電解メッキを行ない、第2のメ
ッキ層8を形成する。これによって、第1のメッキ層6は
電極層2上に強固に固定され、第2のメッキ層形成に無
電解メッキを用いることにより光沢度の高いマイクロレ
ンズアレイ用金型が得られた。また、各メッキ層の対角
方向と水平方向での曲率半径はほぼ等しく平均曲率半径
は20μmであり、曲率半径の分布は±1μm以下に収
まり、均一な形状を有す金型を形成できた。さらに、マ
イクロレンズ群に相当するメッキ層とアライメントマー
カーに相当するメッキ層の高さの面内分布は5%以内で
あった。
【0096】以上、本実施例により、各レンズの大きさ
の面内分布を容易に小さくでき、さらに高精度な位置合
わせを実現するアライメントマーカーを具備したマイク
ロレンズアレイ用金型の製造方法を実現することができ
た。
【0097】次に、上記の方法で作製された金型マスタ
ー上に電鋳用離型剤を塗布する。この基板を陰極とし、
スルファミン酸ニッケルと臭化ニッケルとほう酸及び光
沢剤からなるNiメッキ浴を用いて、浴温50℃、陰極
電流密度5A/dmでNi電気メッキを行なって金型
を形成する。その後、基板から金型を離型してマイクロ
レンズアレイ用金型を形成する。
【0098】このマイクロレンズアレイ用金型に紫外線
硬化樹脂12を塗布後、支持基板13となるガラス基板
をその上に載せる。この樹脂を紫外線照射により硬化さ
せた後に剥離し切り取ることにより、一枚の金型から8
種類のアライメントマーカー9を具備した凸型マイクロ
レンズアレイ15を作製できる(図12)。マイロレン
ズアレイは高精度な位置合わせを実現するアライメント
マーカー9を具備しており、さらにレンズ直径の面内分
布は5%以内であった。
【0099】
【発明の効果】以上に説明したように、本発明により、
作製プロセスが容易であり、制御性が高く、曲率半径が
小さくかつアレイにおける面内分布の小さいマイクロ構
造体も実現でき、更に高精度な位置合わせを実現し、十
字形のアライメントマーカーにも対応できるアライメン
トマーカーを具備したマイクロ構造体アレイを作製可能
にしたマイクロ構造体アレイ用金型を実現することがで
きた。さらに、曲率半径が小さくかつアレイにおける面
内分布が小さく、高精度な位置合わせを実現し、十字形
のアライメントマーカーにも対応できるアライメントマ
ーカーを具備したマイクロレンズアレイなどのマイクロ
構造体アレイ、及びその作製方法を実現することができ
た。
【0100】さらに、一枚の基板面内に、レンズなどの
マイクロ構造体の大きさのばらつきの抑制されたマイク
ロレンズアレイなどのマイクロ構造体アレイ用の金型を
複数種形成することができた。これらのマイクロレンズ
アレイ用金型から得られたマイクロレンズアレイの頂点
の高さとアライメントマーカーの頂点の高さはほぼ等し
い平面内にあって両方共にアライナー側のレンズ系の焦
点深度内に来るため、高精度な位置合わせを実現でき
る。これによって、TFT基板などとの重ね合わせ精度
が向上し画素部などとマイクロレンズとの整合が向上
し、画素開口率およびマイクロレンズの集光率を向上さ
せる効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例によるマイクロレンズアレ
イ用金型の製造工程を示す断面図である。
【図2】図1の工程(a)の上面図である。
【図3】図1の工程(b)の上面図である。
【図4】図1の工程(c)の上面図である。
【図5】図1の工程(d)の上面図である。
【図6】図1の工程(e)の上面図である。
【図7】図1の工程(f)の上面図である。
【図8】本発明の第2実施例によるマイクロレンズアレ
イ用金型の製造工程の一部を示す上面図である。
【図9】本発明の第2実施例によるマイクロレンズアレ
イ用金型の製造工程の一部を示す上面図である。
【図10】本発明の第3実施例によるマイクロレンズアレ
イ用金型の製造工程の一部を示す上面図である。
【図11】本発明の第3実施例によるマイクロレンズアレ
イ用金型の製造工程の一部を示す上面図である。
【図12】本発明の第4実施例によるマイクロレンズアレ
イ用金型を示す上面図である。
【符号の説明】
1 基板 2 電極層 3 第1のマスク層 4 マイクロレンズアレイ用開口部 5 アライメントマーカー用開口部 6 第1のメッキ層 7 第2のマスク層 8 第2のメッキ層 9 アライメントマーカー

Claims (28)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】導電性部を有する基板を用い、 (1)前記導電性部上に絶縁性の第1のマスク層を形成
    する工程、 (2)第1のマスク層に所望のマイクロ構造体アレイ配
    列に対応した間隔で複数のマイクロ構造体用開口部を形
    成すると共にアライメントマーカー用開口部を同一プロ
    セスにて形成する工程、 (3)前記導電性部を陰極として電気メッキないし電着
    により前記開口部を通じて前記マイクロ構造体用開口部
    とアライメントマーカー用開口部及び前記第1のマスク
    層上に第1のメッキ層ないし電着層を形成する工程、 を有するマイクロ構造体アレイの作製方法であって、工
    程(2)におけるアライメントマーカー用開口部は、最
    近のマイクロ構造体用開口部からマイクロ構造体用開口
    部の最大のピッチの1ピッチ分以上の間隔が開き、且つ
    アライメントマーカー用開口部の周囲に存在するマイク
    ロ構造体用開口部に囲まれた領域の面積中に占めるアラ
    イメントマーカー用開口部の面積の割合が1/2より小
    さいことを特徴とするマイクロ構造体アレイの作製方
    法。
  2. 【請求項2】更に、(4)前記第1のマスク層を除去す
    る工程を有することを特徴とする請求項1に記載のマイ
    クロ構造体アレイの作製方法。
  3. 【請求項3】更に、(5)前記基板及び第1のメッキ層
    ないし電着層の所望のマイクロ構造体アレイ領域上及び
    アライメントマーカー領域上に第2のマスク層を形成す
    る工程、(6)前記第2のマスク層の形成されていない
    領域の第1のメッキ層ないし電着層をエッチングによっ
    て除去する工程、(7)第2のマスク層を除去する工程
    を有することを特徴とする請求項1または2に記載のマ
    イクロ構造体アレイの作製方法。
  4. 【請求項4】更に、(8)第1のメッキ層ないし電着層
    から導電性部または第1のマスク層にわたり第2のメッ
    キ層ないし電着層を形成する工程を有することを特徴と
    する請求項1、2または3に記載のマイクロ構造体アレ
    イの作製方法。
  5. 【請求項5】前記工程(2)において、アライメントマ
    ーカー用開口部の径または幅(短辺側)がマイクロ構造
    体用開口部の径ないし幅と等しいかそれ以下であること
    を特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のマイク
    ロ構造体アレイの作製方法。
  6. 【請求項6】前記工程(2)において、アライメントマ
    ーカー用開口部が正方形のものを含むことを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロ構造体アレ
    イの作製方法。
  7. 【請求項7】前記工程(2)において、アライメントマ
    ーカー用開口部が長方形のものを含むことを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロ構造体アレ
    イの作製方法。
  8. 【請求項8】前記工程(2)において、アライメントマ
    ーカー用開口部が多角形のものを含むことを特徴とする
    請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロ構造体アレ
    イの作製方法。
  9. 【請求項9】前記工程(2)において、アライメントマ
    ーカー用開口部がリング状のものを含むことを特徴とす
    る請求項1乃至5のいずれかに記載のマイクロ構造体ア
    レイの作製方法。
  10. 【請求項10】前記工程(2)において、マイクロ構造
    体用開口部が円形であることを特徴とする請求項1乃至
    9のいずれかに記載のマイクロ構造体アレイの作製方
    法。
  11. 【請求項11】前記工程(2)において、マイクロ構造
    体用開口部がスリット状であることを特徴とする請求項
    1乃至9のいずれかに記載のマイクロ構造体アレイの作
    製方法。
  12. 【請求項12】前記工程(2)において、マイクロ構造
    体用開口部が左右、上下に等間隔で配列されることを特
    徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載のマイクロ
    構造体アレイの作製方法。
  13. 【請求項13】前記工程(4)において、第2のマスク
    層で覆われる領域の第1のメッキ層ないし電着層の高さ
    がほぼ等しいことを特徴とする請求項3乃至12のいず
    れかに記載のマイクロ構造体アレイの作製方法。
  14. 【請求項14】前記工程(4)において、第2のマスク
    層で覆われる領域の第1のメッキ層ないし電着層の高さ
    の面内分布が5%以内であることを特徴とする請求項3
    乃至12のいずれかに記載のマイクロ構造体アレイの作
    製方法。
  15. 【請求項15】前記工程(6)において、第1のメッキ
    層を電解エッチングによって除去することを特徴とする
    請求項3乃至14のいずれかに記載のマイクロ構造体ア
    レイの作製方法。
  16. 【請求項16】前記工程(8)において、第2のメッキ
    層を無電解メッキによって形成することを特徴とする請
    求項4乃至15のいずれかに記載のマイクロ構造体アレ
    イの作製方法。
  17. 【請求項17】マイクロ構造体アレイはマイクロ構造体
    アレイ用金型であることを特徴とする請求項1乃至16
    のいずれかに記載のマイクロ構造体アレイの作製方法。
  18. 【請求項18】マイクロ構造体アレイ用金型はマイクロ
    レンズアレイ用金型であることを特徴とする請求項17
    に記載のマイクロ構造体アレイの作製方法。
  19. 【請求項19】請求項1乃至18のいずれかに記載のマ
    イクロ構造体アレイの作製方法で作製されるマイクロ構
    造体アレイであって、マイクロ構造体アレイのマイクロ
    構造体群外にある第1のメッキ層ないし電着層、または
    第1のメッキ層ないし電着層および第1のメッキ層ないし
    電着層と電極層または第1のマスク層上に形成された第
    2のメッキ層ないし電着層からなるアライメントマーカ
    ー用構造において、隣接する第1のメッキ層ないし電着
    層または第2のメッキ層ないし電着層の最近接間に平面
    部が無いことを特徴とするマイクロ構造体アレイ。
  20. 【請求項20】前記アライメントマーカー用構造が、棒
    状の第1のメッキ層ないし電着層または第1および第2
    のメッキ層ないし電着層からなる単体またはその集合体
    を含むことを特徴とする請求項19に記載のマイクロ構
    造体アレイ。
  21. 【請求項21】前記アライメントマーカー用構造が、リ
    ング状の第1のメッキ層ないし電着層または第1および
    第2のメッキ層ないし電着層からなる単体またはその集
    合体を含むことを特徴とする請求項19に記載のマイク
    ロ構造体アレイ。
  22. 【請求項22】前記マイクロ構造体と前記アライメント
    マーカー用構造の高さがほぼ等しいことを特徴とする請
    求項19、20または21に記載のマイクロ構造体アレ
    イ。
  23. 【請求項23】前記マイクロ構造体と前記アライメント
    マーカー用構造の高さの分布が5%以内であることを特
    徴とする請求項19、20または21に記載のマイクロ
    構造体アレイ。
  24. 【請求項24】前記アライメントマーカー用構造の断面
    形状の全て或いは一部が、湾曲形状ないし半円形状であ
    るであることを特徴とする請求項19乃至23のいずれ
    かに記載のマイクロ構造体アレイ。
  25. 【請求項25】マイクロ構造体アレイ用金型であること
    を特徴とする請求項19乃至24のいずれかに記載のマ
    イクロ構造体アレイ。
  26. 【請求項26】マイクロレンズアレイ用金型であること
    を特徴とする請求項25に記載のマイクロ構造体アレ
    イ。
  27. 【請求項27】請求項19乃至24の何れかに記載のマ
    イクロレンズアレイとして構成されたマイクロ構造体ア
    レイ、或いは請求項26に記載のマイクロレンズアレイ
    用金型で作製されたマイクロレンズアレイを、前記アラ
    イメントマーカーを用いて各マイクロレンズを各受光部
    にアライメントした状態で搭載したことを特徴とする撮
    像装置。
  28. 【請求項28】請求項19乃至24の何れかに記載のマ
    イクロレンズアレイとして構成されたマイクロ構造体ア
    レイ、或いは請求項26に記載のマイクロレンズアレイ
    用金型で作製されたマイクロレンズアレイを、前記アラ
    イメントマーカーを用いて各マイクロレンズを各画素部
    にアライメントした状態で搭載したことを特徴とする表
    示装置。
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