JP2002103143A - 放電加工用電極の製造方法 - Google Patents

放電加工用電極の製造方法

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JP2002103143A
JP2002103143A JP2000297222A JP2000297222A JP2002103143A JP 2002103143 A JP2002103143 A JP 2002103143A JP 2000297222 A JP2000297222 A JP 2000297222A JP 2000297222 A JP2000297222 A JP 2000297222A JP 2002103143 A JP2002103143 A JP 2002103143A
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conductor
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discharge machining
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Hiroshi Matsuzawa
宏 松澤
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Abstract

(57)【要約】 【課題】電極本体部と導電体部との位置精度が高く、位
置ずれを修正するための補修工程を省略できる程度に仕
上り品質が良好であり、また接合時における電極本体部
の割れや歪みの発生が少なく製造歩留りを高めることが
可能な放電加工用電極の製造方法を提供する。 【解決手段】環状に形成した電極本体部2と、この電極
本体部2の内側に略同心状に嵌挿した環状の導電体部3
とを接合した放電加工用電極1の製造方法において、上
記電極本体部2と導電体部3との間隙に銅箔6を介装し
て電極本体部2および導電体部3の相互位置を固定し、
しかる後に上記銅箔6および導電体部3の成分が溶融ま
たは拡散する温度まで加熱処理することにより上記電極
本体部2と導電体部3とを一体に接合することを特徴と
する放電加工用電極の製造方法である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放電加工用電極の製
造方法に係り、特に、電極本体部と導電体部との位置精
度が高く、位置ずれを修正するための補修工程を省略で
きる程度に仕上り品質が良好であり、また接合時におけ
る電極本体部の割れの発生が少なく製造歩留りを高める
ことが可能な放電加工用電極の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電気エネルギを使用して複雑で微細な金
属加工を行う放電加工機が、金型やダイヤモンド砥石等
の微細加工に使用されている。この放電加工機の要部と
なる放電加工用電極としては、電極消耗量が少ないこ
と、加工速度が大きく、さらに加工精度が高いことなど
が要求される。
【0003】公知の放電加工用電極としては、例えば黄
銅,銅,グラファイト,Ag−W材,Cu−W材などか
ら成る電極が知られている。これらのうちで、Ag−W
材やCu−W材から成る電極では加工速度がやや遅い欠
点を有するが、電極の消耗が極めて少なく加工精度が高
いという優れた利点を有している。
【0004】特に金型の放電加工や半導体用ウェハー切
断用砥石などの冶工具などの製造に際しては、精密加工
を必須とする加工部が多いため、Ag−W材やCu−W
材やMo材などから成る放電加工用電極が多用化されて
いる。
【0005】しかしながら、上記のAg−W材,Cu−
W材,Mo材のようにWまたはMoを主成分とする放電
加工用電極においては、W,Moなどの高融点金属の原
料コストが極めて高く、電極の製造コストが高騰してし
まうため、コスト面においてその使用用途が狭い範囲に
限定されてしまう欠点を有していた。
【0006】その解決策として例えば特開昭49−11
2295号公報に示すように、電極の要部となる部分の
みに高価な高融点材料を適用するとともに、直接放電加
工に関与しない部分にはFeなどの安価材を使用して放
電加工用電極を形成してコスト低減を図る工夫もなされ
ている。
【0007】図4および図5は上記のように構成した放
電加工用電極の形状例を示す斜視図である。図4に示す
放電加工用電極1aにおいては、W,Moを主成分とし
て形成された環状の電極本体部2aの内側に、FeやF
e合金などの導電体から成る環状の導電体部3aが嵌挿
されており、上記電極本体部2aと導電体部3aとの間
隙には、溶浸材であるCuと導電体部3aの成分である
Feとの拡散接合により接合層4aが形成され、この接
合層4aを介して電極本体部2aと導電体部3aとを一
体に接合して電極を形成している。電極1aの中心部に
は放電加工機のスピンドルに挿通するための中空部5a
が形成される。なお、上記導電体部3aは、電極本体部
を同心的に保持できる機械的強度を有するとともに、電
極本体部に電気エネルギを伝達できる導電材料から成
り、かつ放電加工機のアタッチメントに磁気力で固定さ
れる部位となるため、Feなどの磁性材料で構成され
る。
【0008】一方、図5に示す放電加工用電極1bにお
いては、W,Moを主成分として形成された四角筒状の
電極本体部2bの内側に、FeやFe合金などの導電体
から成る四角筒状の導電体部3bが嵌挿されており、上
記電極本体部2bと導電体部3bとの間隙には、溶浸材
であるCuと導電体部3bの成分であるFeとの拡散接
合により接合層4bが形成され、この接合層4bを介し
て電極本体部2bと導電体部3bとを一体に接合して電
極を形成している。電極1bの中心部には放電加工機の
スピンドルに挿通するための中空部5bが形成される。
【0009】上記図4および図5に示す従来の放電加工
用電極1a,1bにおいては、WやMoなどの高価な高
融点金属材は、電極要部となる電極本体部2a,2bに
限定して使用している一方、導電体部3a,3bは安価
なFeなどの導電材料で形成し、さらに拡散接合により
導電体部3a,3bと電極本体部2a,2bとを一体に
接合して電極1a,1bの製造コストを低減している。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の放電加工用電極の製造方法においては、導電体部と
電極本体部とを接合する際に、電極本体部と導電体部と
の相対位置のずれが大きくなり、両部材間の間隙が大き
く変動するため、電極の仕上り形状や寸法精度が低下し
たり、電極本体部に割れを生じ易く、電極の製造歩留り
が低下するとともに、電極を使用した放電加工特性が悪
化してしまう問題点があった。すなわち、両部材間の間
隙が過小であると、加熱処理時に発生する熱応力によっ
て電極本体部に歪みや割れを生じて製造歩留りが低下し
たり、電極本体部と導電体部との接合部に段差を生じ、
平面性が阻害されたままで、両部材が固定される問題点
があった。そして、この形状不良を是正するためには、
高硬度の電極本体部を切削加工するなど、その補修加工
に多大な工数を要する問題点もあった。
【0011】一方、上記両部材間の間隙が過大である場
合には、接合部に空隙(巣)が発生し易くなり、放電加
工性が低下する欠点もあった。特に、この空隙が大きく
生じると導電体部から電極本体部へ流れる電気エネルギ
の分布が不均一となり、放電加工時に放電アークが不安
定になり、加工精度が低下してしまう問題点があった。
【0012】上記拡散接合時に接合層に形成された空隙
の問題を解消するためには、空隙の有無を確認する検査
工程がさらに必要になり、空隙を有する電極について
は、さらにCuよりも融点が低いAg系ろう材を使用し
て空隙の穴埋め処理などの補修工程が必須となる。その
結果、電極の製造工数が大幅に増加するとともに電極製
品の歩留りが低下し易くなるなどの問題点が提起されて
いた。
【0013】本発明は、上記課題を解決するためになさ
れたものであり、特に、電極本体部と導電体部との位置
精度が高く、位置ずれを修正するための補修工程を省略
できる程度に仕上り品質が良好であり、また接合時にお
ける電極本体部の割れや歪みの発生が少なく製造歩留り
を高めることが可能な放電加工用電極の製造方法を提供
することを目的とする。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者は上記目的を達
成するため、電極本体部と導電体部との接合方法を種々
検討して、各接合方法が両部材の位置決め精度、割れの
発生頻度および電極特性に及ぼす影響を比較検討した。
その結果、電極本体部と導電体部との間に形成される間
隙の周方向に所定間隔をおいて銅(Cu)箔を介装して
両部材の位置決めを行った後に上記間隙を埋める加熱処
理を実施したときに、電極本体部に割れや形状不良が発
生せず、また接合部に空隙を生ぜず、仕上りが良好であ
り補修工程が不要となり、安定した放電特性を有する電
極が高い製造歩留りで得られるという知見を得た。本発
明は、これらの知見に基づいて完成されたものである。
【0015】すなわち、本発明に係る放電加工用電極の
製造方法は、環状に形成した電極本体部と、この電極本
体部の内側に略同心状に嵌挿した環状の導電体部とを接
合した放電加工用電極の製造方法において、上記電極本
体部と導電体部との間隙に銅箔を介装して電極本体部お
よび導電体部の相互位置を固定し、しかる後に上記銅箔
および導電体部の成分が溶融または拡散する温度まで加
熱処理することにより上記電極本体部と導電体部とを一
体に接合することを特徴とする。
【0016】また、上記放電加工用電極の製造方法にお
いて、前記電極本体部と導電体部との間隙の幅に対する
上記銅箔の厚さの割合が10〜50%の範囲であること
が好ましい。上記銅箔の厚さの間隙の幅に対する割合が
10%未満と過小な場合には、この銅箔による電極本体
部と導電体部との位置決め効果が少なく、位置ずれが起
り易くなり、高い形状精度を有する放電加工用電極が得
られない。
【0017】一方、上記銅箔の厚さの割合が50%を超
える場合には、高温度で加熱処理した場合にFe等から
成る高熱膨張性を有する導電体部が膨張し、電極本体部
を内側から外側に押し広げることになる。その結果、銅
箔が溶融する前に環状の電極本体部に割れや変形を生じ
て電極の製造歩留りが低下してしまう。したがって、安
定した高い製造歩留りを得るために、上記間隙幅に対す
る銅箔の厚さの割合は10〜50%の範囲に規定される
が、20〜40%の範囲がより好ましい。
【0018】上記銅箔の配置形態については位置決め作
用が発揮される限り特に限定されず、電極本体部と導電
体部との間に形成される環状の間隙全周に介装すること
もできる。しかしながら、電極本体部と導電体部との間
に形成される間隙において、角度120度毎の周方向位
置に前記銅箔をそれぞれ配置した場合には、加熱処理時
の熱膨張を吸収し易くなるため、電極本体部の割れや変
形を、特に効果的に防止することができる。
【0019】一方、電極本体部および導電体部の中心を
通る直径方向に対向するように銅箔を配置した場合、す
なわち、角度90度毎の周方向位置に銅箔を配置した場
合には、その対向する方向(直径方向)の熱膨張が対向
する一対の銅箔によって拘束されるため、電極本体部は
熱膨張の影響を直接的に受けることにより、過大な応力
が作用して、電極本体部が割れ易くなる。したがって、
銅箔は約120度の角度毎の周方向位置に配置すること
が特に好ましい。
【0020】また、前記加熱処理時に、電極本体部に溶
浸材を溶浸させる手法を採用することもできる。さら
に、前記溶浸材が銅(Cu)から成ることが好ましい。
また、電極本体部は、タングステン(W)およびモリブ
デン(Mo)の少なくとも一方から成る多孔質焼結体に
銅(Cu)を溶浸した電極材から構成するとよい。さら
に、導電本体部は、鉄およびステンレス鋼のいずれかの
低炭素系鋼材から構成するとよい。
【0021】電極本体部2と導電体部3との間に形成さ
れる接合層は、電極本体部と導電体部とを強固に接合す
るために両部材間の間隙に予め銅箔を配設しておき、加
熱処理時に、その成分を電極本体部方向に拡散せしめる
と同時に間隙を埋めることによって形成する。特に溶浸
材として銅を用いて加熱処理を実施した場合には、予め
間隙部に配設した銅箔は電極本体部と導電体部との相対
位置を固定しながら一部が溶融し、拡散接合に寄与する
ことができる。
【0022】また、電極本体部として、高融点金属粉を
成形・焼結して環状の多孔質焼結体(スケルトン)を予
め調製しておき、この多孔質焼結体と導電体部との間隙
に銅箔を介装した状態で加熱処理を行い、多孔質焼結体
中にCuなどの溶浸材を溶浸することにより電極を形成
することも可能である。
【0023】電極本体部を構成する材料は、特に限定さ
れるものではないが、タングステン(W)およびモリブ
デン(Mo)の少なくとも一方から成る多孔質焼結体に
銅(Cu)を溶浸した電極材から構成することにより、
特に放電加工時における電極の消耗量が極めて少なく加
工精度が高くなり、長寿命の電極が得られるので好まし
い。なお、上記電極本体部の材料素地の強化あるいは電
極としての性能向上を図るためにジルコニア(Zr
)のような添加物を少量添加しても良い。
【0024】一方、導電体部はろう材成分より高い融点
を有し電極本体部を強固に保持できる機械的強度を有
し、かつ電極本体部に電気エネルギを伝達できる材料で
ある限り、何ら構成材料は限定されるものではないが、
特に、材料コストが安価な鉄,ステンレス鋼などの低炭
素系鋼材から構成することにより、電極全体の製造コス
トを低減することが可能である。なお、導電体部の材料
素地を強化するための添加物としてCu,Ni,Mo,
Wなどを数重量%程度含有する材料を使用してもよい。
【0025】また、導電体部をFeなどの磁性材料で形
成した場合には、放電加工機に電極を取り付ける方式が
磁気力を利用し固定するものであるときに、特に装着固
定特性が優れる。
【0026】そして、電極本体部と導電体部との間隙の
周方向に所定間隔をおいて銅箔を介装しておき、これを
溶浸材としてのCuに接触するように配置した状態で導
電体部の融点以下の温度条件で熱処理することにより、
溶浸材が間隙部および電極本体部に溶浸される。このと
き、間隙に介装した銅箔が溶融する直前まで電極本体部
と導電体部との相互の位置関係が所定位置に保持される
ため、位置ずれや変形などが効果的に抑制され、仕上り
寸法精度が高い放電加工用電極が得られる。
【0027】また間隙に介装された銅箔によって導電体
部の熱膨張がある程度、吸収緩和されるため、電極本体
部が割れることも少なく、電極の製造歩留りを大幅に高
めることが可能になる。そして、溶浸材を配置した状態
で加熱処理することにより、電極本体部に溶浸材等を含
浸あるいは拡散させると同時に上記電極本体部と導電体
部とが一体に接合される。
【0028】本発明に係る放電加工用電極の製造方法に
よれば、電極本体部と導電体部との間隙に銅箔を予め介
装した状態で加熱処理を実施しているため、電極本体部
と導電体部との相互の位置関係が所定位置に保持される
ため、位置ずれや変形などが効果的に抑制され、仕上り
寸法精度が高い放電加工用電極が得られる。また仕上が
り寸法精度が高いため、最終的な電極形状までに要する
補修加工時間も短くなり電極の製造工程を簡素化でき
る。
【0029】さらに、間隙に介装された銅箔の緩衝作用
によって、加熱処理時における導電体部の熱膨張が吸収
されるため、電極本体部の割れが効果的に防止でき、製
品の製造歩留りおよび製造効率を大幅に向上させること
ができる。
【0030】
【発明の実施の形態】次に本発明の実施形態について添
付図面を参照して説明する。
【0031】実施例1 平均粒径3μmのW粉末に電解銅粉と粘結剤としてのパ
ラフィンとを添加混合して原料混合体とした。得られた
原料混合体を金型に充填し200MPaの加圧力で加圧
成形して円筒状の電極本体部用成形体を調製した。この
成形体を黒鉛ボードに収容して連続水素炉内に挿入して
炉温を1100℃に保持しながら60分間焼結すること
により、多孔性焼結体としてのWスケルトンを調製し
た。
【0032】一方、Niを2重量%含有するFe基合金
素材を切削加工することにより、図1および図2に示す
ように、上記電極本体部2の内側中心部に嵌挿する導電
体部3を調製した。
【0033】そして図1に示すように電極本体部2とな
るWスケルトンと導電体部3とを同心状に組み合せ、両
者の間隙の周方向位置の3箇所に銅(Cu)箔6を介装
した。各銅箔6の周方向の配置間隔角度θは120度と
する一方、銅箔6の厚さの大小による影響を評価するた
めに、各電極本体部2と導電体部3との間隙幅Wに対す
る銅箔6の厚さの割合が10〜55%となるようにそれ
ぞれ変化させた。
【0034】次に図3に示すように、黒鉛から成る有底
容器7中に溶浸材8としてのCuペレットを配置し、こ
のCuペレットに接するように、上記銅箔6を介して固
定した電極本体部2としてのスケルトンと導電体部3と
の組立体を配置した状態で温度1270℃で60分間保
持する加熱処理を実施することにより、Wスケルトン内
にCuを溶浸するとともに、Cuおよび導電体部3のF
e成分を拡散せしめて、電極本体部2と導電体部3とを
拡散接合し、図1および図2に示すような構造を有する
実施例1に係る放電加工用電極1を得た。
【0035】実施例1に係る放電加工用電極1はCuを
溶浸したW製電極本体部2の内側に、Fe合金製の導電
体部3が同心状に配置され、その両者の間隙部に接合層
4が形成され、溶浸材としてのCu成分および導電体部
3のFe成分等の拡散接合によって両部材が強固に一体
に接合される。
【0036】上記実施例1に係る各放電加工用電極1に
おいては、各電極本体部2と導電体部3との間隙の周方
向位置(間隔角度120度)に所定厚さの銅箔6が介装
されているため、加熱処理時においても位置ずれが少な
く寸法精度が高い電極が得られた。また加熱処理時にお
ける導電体部3の熱膨張が銅箔6によって緩和されるた
め、電極本体部2の割れが少なく、電極1の製造歩留り
は、ほぼ100%であった。
【0037】実施例2 各銅箔6の配置間隔角度θを90度に設定し、環状の間
隙部の周方向の4箇所に銅箔6を介装した点以外は、実
施例1と同様に各電極本体部2と導電体部3とを組み立
てた後に加熱処理することにより、実施例1と同一寸法
構造を有する実施例2に係る放電加工用電極を調製し
た。
【0038】実施例2に係る電極においては、間隙幅W
に対する銅箔6の厚さの割合が10〜40%の範囲では
各構成材に位置ずれや変形は全く発生しなかった。しか
しながら、銅箔6の厚さの割合が40%を超えた場合に
電極本体部2に割れを発生する場合があった。したがっ
て、銅箔6の配置形態としては、実施例1のように配置
間隔角度θを120度に設定する方が、より好ましいこ
とが判明した。
【0039】比較例1 電極本体部と導電体部との間隔幅Wに対する銅箔の厚さ
の割合を5%と過小に設定した点以外は実施例1と同様
に各電極本体部2と導電体部3とを組み立てた後に加熱
処理することにより、実施例1と同一寸法構造を有する
比較例1に係る放電加工用電極を調製した。
【0040】しかしながら、上記比較例1に係る放電加
工用電極においては、間隙に介装する銅箔の厚さが不十
分であったため、加熱処理時における構成材の位置ずれ
抑制効果が表われず、電極本体部と導電体部との同心精
度が低下し、長時間の補修研削工程が必要であった。
【0041】比較例2 電極本体部と導電体部との間隔幅Wに対する銅箔の厚さ
の割合を60%と過大に設定した点以外は実施例1と同
様に各伝導本体部2と導電体部3とを組み立てた後に加
熱処理することにより、実施例1と同一寸法構造を有す
る比較例2に係る放電加工用電極を調製した。
【0042】しかしながら、上記比較例2に係る放電加
工用電極においては、間隙に介装する銅箔の厚さが過大
であったため、加熱処理時における導電体部の熱膨張が
吸収されず、そのまま電極本体部に作用した結果、電極
本体部に割れが多発し、電極の製造歩留りが大幅に低下
することが判明した。
【0043】以上の各実施例においては、電極本体部と
導電体部とが共に環状である電極を例にとって説明した
が、本発明はこの形状に限定されるものではなく、例え
ば図5に示すように、四角筒状の電極本体部と導電体部
とを用いた場合においても、同様な作用効果が得られ
る。
【0044】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明に係る放電加工
用電極の製造方法によれば、電極本体部と導電体部との
間隙に銅箔を予め介装した状態で加熱処理を実施してい
るため、電極本体部と導電体部との相互の位置関係が所
定位置に保持されるため、位置ずれや変形などが効果的
に抑制され、仕上り寸法精度が高い放電加工用電極が得
られる。また仕上がり寸法精度が高いため、最終的な電
極形状までに要する補修加工時間も短くなり電極の製造
工程を簡素化できる。
【0045】さらに、間隙に介装された銅箔の緩衝作用
によって、加熱処理時における導電体部の熱膨張が吸収
されるため、電極本体部の割れが効果的に防止でき、製
品の製造歩留りおよび製造効率を大幅に向上させること
ができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る放電加工用電極の製造方法によっ
て製造された電極の一実施例を示す平面図。
【図2】図1に示す放電加工用電極の断面図。
【図3】電極本体部と導電体部との間隙にCu材を溶浸
する操作を示す断面図。
【図4】放電加工用電極の形状例を示す斜視図。
【図5】放電加工用電極の他の形状例を示す斜視図。
【符号の説明】
1,1a,1b 放電加工用電極 2,2a,2b 電極本体部 3,3a,3b 導電体部 4,4a,4b 接合層 5,5a,5b 中空部 6 銅箔 7 有底容器 8 溶浸材

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 環状に形成した電極本体部と、この電極
    本体部の内側に略同心状に嵌挿した環状の導電体部とを
    接合した放電加工用電極の製造方法において、上記電極
    本体部と導電体部との間隙に銅箔を介装して電極本体部
    および導電体部の相互位置を固定し、しかる後に上記銅
    箔および導電体部の成分が溶融または拡散する温度まで
    加熱処理することにより上記電極本体部と導電体部とを
    一体に接合することを特徴とする放電加工用電極の製造
    方法。
  2. 【請求項2】 前記電極本体部と導電体部との間隙の幅
    に対する上記銅箔の厚さの割合が10〜50%の範囲で
    あることを特徴とする請求項1記載の放電加工用電極の
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記電極本体部と導電体部との間に形成
    される間隙において、角度120度毎の周方向位置に前
    記銅箔をそれぞれ配置することを特徴とする請求項1記
    載の放電加工用電極の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記加熱処理時に、前記電極本体部に溶
    浸材を溶浸させることを特徴とする請求項1記載の放電
    加工用電極の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記溶浸材が銅(Cu)から成ることを
    特徴とする請求項4記載の放電加工用電極の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記電極本体部は、タングステン(W)
    およびモリブデン(Mo)の少なくとも一方から成る多
    孔質焼結体に銅(Cu)を溶浸した電極材から構成する
    ことを特徴とする請求項1記載の放電加工用電極の製造
    方法。
  7. 【請求項7】 前記導電体部は、鉄およびステンレス鋼
    のいずれかの低炭素系鋼材から構成することを特徴とす
    る請求項1記載の放電加工用電極の製造方法。
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