JP2002100848A - 端子付きセラミックス回路基板 - Google Patents

端子付きセラミックス回路基板

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JP2002100848A
JP2002100848A JP2000289365A JP2000289365A JP2002100848A JP 2002100848 A JP2002100848 A JP 2002100848A JP 2000289365 A JP2000289365 A JP 2000289365A JP 2000289365 A JP2000289365 A JP 2000289365A JP 2002100848 A JP2002100848 A JP 2002100848A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】セラミックス回路基板と端子との接合強度を向
上させて、かつ、優れた耐熱サイクル特性を有し、大電
流に対応可能な端子付きセラミックス回路基板を得る。 【解決手段】セラミックス基板2と、このセラミックス
基板2上に接合した金属回路板3とを備え、金属回路板
3上に融点が500〜780℃であるろう材から成るろ
う材層4を介して金属端子5を一体に接合したことを特
徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、大電流が要求され
る電気自動車,車輌およびその他の車載用半導体素子に
搭載される端子付きセラミックス回路基板に関する。
【0002】
【従来の技術】半導体装置は、セラミックス回路基板上
に半田等のろう材により半導体素子を接合して形成され
る。
【0003】上記セラミックス回路基板は、通常、セラ
ミックス基板の表裏面にCu板およびAl板の少なくと
も1種の金属薄板を接合して一体に形成され、例えば、
直接接合法により作製されたDBC接合回路基板、活性
金属を含有したろう材を接合材として作製された活性金
属接合回路基板、Al等のろう材により接合されたろう
材接合回路基板などが存在する。
【0004】近年、半導体装置の大容量化に伴い、回路
に大電流を流した場合にも対応し得るセラミックス回路
基板が要求されている。しかし、前述のセラミックス回
路基板では、金属薄板をセラミックス基板上に配置した
ため、大電流を流した場合に金属板が薄すぎるため、発
熱のためろう材が軟化して端子の接合強度が低下するな
どの現象が生じる問題点があり、従来の回路基板では半
導体装置の大容量化に十分対応できない現状であった。
【0005】上記問題を解決するため、例えば、セラミ
ックス回路基板上に断面積が大きい金属端子を直接接合
して、金属薄板と金属端子との接合面積を増大させた端
子付きセラミックス回路基板が開発実用化されている。
なお、金属端子の接合方法は、従来、超音波溶着法およ
び半田接合法などが用いられていた。
【0006】しかし、セラミックス回路基板上に断面積
が大きな金属端子を配置した形態とすると、大電流を流
すことが可能であるが、接合面積が過大になるため、セ
ラミックス回路基板と金属端子との十分な接合強度を得
ることができなかった。
【0007】また、半田接合法により半田付けを行う
と、半田材の融点が250〜350℃程度であり、16
0℃のような高温度での耐熱サイクル性を要求される厳
しい使用条件下にある電気自動車または電車などの分野
で半田が溶融して流れてしまうという問題が発生し、優
れた耐熱サイクル特性を発揮することができなかった。
【0008】本発明は、上記問題を解決するためになさ
れたものであり、セラミックス回路基板と端子との接合
強度を向上させて、かつ、優れた耐熱サイクル特性を有
し、大電流に対応可能な端子付きセラミックス回路基板
を得ることを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、上記目的
を達成すべく鋭意研究を行った結果、金属回路板と金属
端子とを接合するろう材の融点を500〜780℃の範
囲とすることで、金属回路板と端子との接合強度を向上
させるとともに、優れた耐熱サイクル特性を得られ、大
電流に対応可能な端子付きセラミックス回路基板を得ら
れることを見い出し、この知見に基づいて本発明を完成
するに至ったものである。
【0010】すなわち、本発明に係るセラミックス回路
基板は、セラミックス基板と、このセラミックス基板上
に接合した金属回路板とを備え、前記金属回路板上に融
点が500〜780℃であるろう材から成るろう材層を
介して金属端子を一体に接合したことを特徴とする。
【0011】また、上記端子付きセラミックス回路基板
において、セラミックス基板と金属回路板とが、直接接
合法,活性金属接合法およびろう付け法のいずれかの方
法を用いて接合されていることが好ましい。
【0012】さらに、上記端子付きセラミックス回路基
板において、金属端子と金属回路板との接合面積が、2
5mm以上であることが望ましい。
【0013】また、上記端子付きセラミックス回路基板
において、ろう材層の成分が、セラミックス基板と金属
回路板とを接合するろう材成分の主成分と同一であるこ
とが好ましく、本ろう材層は、AgおよびAlの少なく
とも1種の金属を主成分として構成すると良い。
【0014】上記端子付きセラミックス回路基板におい
て、ろう材層の厚さが10〜100μmであることが好
ましい。
【0015】また、上記端子付きセラミックス回路基板
において、セラミックス基板は窒化けい素焼結体および
窒化アルミニウム焼結体のいずれかの非酸化物系セラミ
ックス焼結体から成ることが好ましい。
【0016】さらに、上記端子付きセラミックス回路基
板において、金属端子はCuおよびAlの少なくとも1
種の金属材料から成ることが好ましい。
【0017】以下、本発明の端子付きセラミックス回路
基板について説明する。
【0018】本発明における端子付きセラミックス回路
基板は、セラミックス基板上に金属回路板を接合した
後、金属回路板上に金属端子を融点が500〜780℃
であるろう材を介して金属回路板に接合して、端子を備
えたセラミックス回路基板としたものである。
【0019】まず、セラミックス基板と金属回路板との
接合法および金属回路板と金属端子との接合法に関して
は、十分な接合強度が得られる限り特に限定されない
が、以下に示す直接接合法(DBC、DBA)、Ti,
Hf,Zr等の活性金属を含有したろう材層を用いた活
性金属接合法またはAl,Ag系などのろう材を用いた
ろう付け法が適用可能である。
【0020】直接接合法は、金属回路板とセラミックス
基板とを接触させて、加熱によりろう材層を使用せずに
接合する方法である。例えば、金属回路板として銅板を
用いる場合、酸素を100〜1000ppm程度含有し
た銅板を用い1050〜1080℃程度で加熱すると、
酸素とセラミックスとが共晶反応を起こし直接接合が可
能となる。なお、セラミックス基板が酸化物系であれば
容易に接合しやすく、非酸化物系の場合には表面に酸化
膜等を設けることにより接合可能である。また、金属回
路板としてAl板やAl−Si合金板なども加熱により
直接接合可能である。
【0021】活性金属接合法は、Ti,Hf,Zr等の
活性金属を所定量含有させたろう材を塗布した後、78
0〜850℃の温度でろう付け接合するものである。ろ
う材は、前述した活性金属が含有されていれば特に限定
されるものではないが、Ag,Ag−Cu,Ag−I
n,Ag−Cu−In,Ag−Cu−SnおよびCu系
ろう材に活性金属を含有したものを用いると良い。な
お、ろう材中の活性金属の含有量は10wt%以下とす
ることが好ましい。
【0022】さらに、ろう付け法は、AlまたはAg系
ろう材を用いて、必要に応じてSi,In,Sn等の添
加物を30wt%以下含有させたろう材を使用して78
0〜850℃の温度で金属回路板等をろう付けする方法
である。Al,Ag系ろう材は、AlおよびAgの少な
くとも一種の金属を主成分とし、その他の成分として、
Sn,In等を含有させるとさらに接合強度を向上させ
ることが可能である。
【0023】上記方法の中でも、特に、耐熱サイクル特
性に優れる活性金属接合法またはろう付け法を用いるこ
とが好ましい。なお、活性金属接合法およびろう付け法
に用いるろう材は、750℃を超える融点を有するもの
であれば特に問題はないが、780〜850℃の範囲の
ろう材を使用することがさらに好ましい。
【0024】一方、セラミックス基板の材質は特に限定
されるものではなく、酸化アルミニウム(Al
焼結体、窒化アルミニウム(AlN)焼結体、窒化ケイ
素(Si)焼結体、炭化けい素(SiC)焼結体
などの各種セラミックスを適用することが可能である。
本発明のように、金属回路板上に金属端子を接合する構
造では、熱膨張時にセラミックス基板に応力が作用し易
い。このため、強度が低い酸化アルミニウム焼結体を基
板として適用した場合、金属回路板と金属端子との接合
部に亀裂が発生し易い。従って、セラミックス基板とし
ては、窒化アルミニウム基板や窒化アルミニウム基板と
比較して強度がより高い窒化けい素基板を用いることに
より、TCT特性をより改善できる。特に、強度が60
0MPa以上であり、熱伝導率が60W/m・k以上で
ある窒化けい素基板を適用することにより、強度および
放熱性を向上させることができる。
【0025】上記方法によりセラミックス回路基板を形
成した後、金属回路板上に融点が500〜780℃であ
るろう材により金属端子をろう付け接合して本発明に係
る端子付きセラミックス回路基板が形成される。
【0026】このときろう材として融点が500〜78
0℃のものを用いる。融点が500℃未満であると、例
えば160℃程度の高い温度での耐熱サイクル特性(T
CT特性)を要求される回路基板ではろう材の一部が溶
け出すような現象が発生するため、接合強度が低下する
とともに耐熱サイクル特性も劣化してしまう。逆に、7
80℃を超える融点を有するろう材は金属回路板とセラ
ミックス基板とを接合するろう材と融点が近似するため
ろう材に悪影響を与えてしまうためである。
【0027】なお、融点が500〜780℃の範囲にあ
るろう材か否かの見分け方は、公知の融点測定方法であ
ってもよいし、簡易的には融点よりも100〜150℃
高い温度まで加熱して、ろう材が溶け出す温度で判別可
能である。
【0028】また、ろう付けする金属端子の材質は高い
導電性を有する限り、特に限定されるものではないが、
例えば、Cu,Alなどの電気導電率が高い材料が好ま
しく、金属回路板と同様の材質とすることにより、回路
基板の耐熱サイクル特性の向上を図ることができる。
【0029】さらに、金属端子と金属回路板との接合面
積は25mm以上、さらには30mm以上が好まし
い。接合面積が25mm未満であると、通電容量が低
くなることから大電流を流しにくく金属端子をろう付け
する効果が得られなくなってしまうためである。
【0030】融点が500〜780℃のろう材自体は融
点が500〜780℃の範囲であれば特に限定されるも
のではないが、好ましくは上記範囲の温度で共晶現象を
起こすろう材であることが望ましい。ろう材は、Agま
たはAlを主成分としたものが採用でき、例えば、Ag
−Cu系,Al−Si系,Al−In系,Ag−Sn系
のろう材があり、さらに、Ti等の活性金属を10wt
%以下含有させたろう材も効果的である。
【0031】一方、端子を接合する際のろう材は、セラ
ミックス基板と金属回路板とを接合する際に用いたろう
材と一致させると良い。本発明の端子付きセラミックス
回路基板は大容量化された半導体装置に使用されるた
め、特に温度昇降の激しい過酷な耐熱サイクル特性条件
下で使用される。このとき、セラミックス基板と金属回
路板とを接合するろう材と、金属端子と金属回路板とを
接合するろう材とを同一の材質にすることにより、TC
T試験における各材質の熱膨張の差が減少するためTC
T特性が向上する。この観点からすると、前述のように
各ろう材の主成分を同様の材質とすること、さらには金
属回路板および金属端子の材質の成分を同様とすること
により、各構成材の熱膨張の差を実質的に解消すること
が可能であり、さらにTCT特性の向上を図ることがで
きる。
【0032】ろう材層の厚さは特に限定されるものでは
ないが、所定の接合強度を得るために10〜100μm
の範囲、好ましくは50〜80μmの範囲に設定するこ
とが肝要である。ろう材層の厚さが10μm未満である
と接合強度が不十分である一方、逆に100μmを超え
るとろう材層の厚さが過大になるため、セラミックス回
路基板としての熱抵抗を増大してしまうためである。ま
た、100μmを超えるとろう材層自体の熱膨張が大き
くなり金属回路板に不要な応力を与えてしまうことから
セラミックス基板へのクラック発生と言った問題も生じ
てしまう。
【0033】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態につい
て、図1および表1〜表6を用いて説明する。
【0034】第1実施形態(図1、表1〜表2) 本実施形態では、直接接合(DBC)法により接合され
たセラミックス回路基板上に、金属端子を形成して端子
付きセラミックス回路基板とした。
【0035】実施例(試料No.1〜試料No.5) まず、セラミックス基板として、表1に示すように、厚
さが0.65mmである窒化けい素(Si)基板
または窒化アルミニウム(AlN)基板を用い、Si
基板およびAlN基板を酸化雰囲気中で熱処理する
ことにより全表面に厚さ1μmの酸化物層(SiO
Al)を形成した。
【0036】次に、金属回路板として酸素を100〜1
000ppm含有したタフピッチ銅からなるCu板を準
備した。Cu板の厚さは、それぞれ0.3mm、0.2
5mmとした。
【0037】セラミックス基板の表面側に厚さ0.3m
mのCu板を接触配置する一方、背面側に厚さ0.25
mmのCu板を裏当て材として接触配置した後、107
0℃の温度で加熱してセラミックス基板の表裏面にCu
板を直接接合したセラミックス回路基板を得た。
【0038】上記セラミックス回路基板上に、融点が5
00〜780℃であるろう材を用いて高さが15mmで
ある銅製の金属端子を接合して端子付きセラミックス回
路基板を形成した。なお、セラミックス回路基板と金属
端子との接合面積は30mm (5mm×6mm)とし
た。これを図1に示す。
【0039】図1に示すように、端子付きセラミックス
回路基板1は、セラミックス基板2の表裏面に金属回路
板3を一体として接合されており、金属回路板3上にろ
う材層4を介して金属端子5が形成される。これを試料
No.1とした。
【0040】また、表1に示すように、試料No.2は
ろう材の種類を変え、試料No.3はろう材の融点を変
化させて試料No.1とほぼ同様に端子付きセラミック
ス回路基板を形成した。試料No.4および試料No.
5はセラミックス基板を窒化アルミニウム(AlN)基
板として、端子付きセラミックス回路基板を形成した。
【0041】
【表1】
【0042】比較例(試料No.6〜試料No.11) 本比較例では、試料No.6〜試料No.11を用い、
以下に示すものを本発明の範囲外とした。また、試料N
o.6はろう材の融点を183℃と低くし、試料No.
7は金属端子と金属回路板との接合面積を20mm
した。さらに、試料No.8として、融点が300℃の
ろう材により銅製の端子を接合し、試料No.9および
試料No.10はろう材の厚さをそれぞれ150μm、
8μmとした。また、No.11はセラミックス基板と
してAl基板を適用し、実施例と同様の方法を用
いて、端子付きセラミックス回路基板を形成して同様の
試験を行った。
【0043】上記実施例および比較例により得られた端
子付きセラミックス回路基板に対して、端子の接合強度
を測定するとともに、耐熱サイクル性を評価した。な
お、端子の接合強度は、端子を上方に向けて垂直に引っ
張った際の荷重を単位面積で割った値により評価したも
のである。また、耐熱サイクル性の評価としてはTCT
試験を行い、−55℃×30min→R.T.×10m
in→160℃×30min→R.T.×10minを
1サイクルとして、200サイクル実施後における端子
の剥離の有無を評価したものである。その結果を表2に
示す。
【0044】
【表2】
【0045】表2に示すように、本発明の範囲内とした
実施例では、比較例に比べて端子の接合強度が高く、ま
た、TCT試験後における端子の剥離が生じなかった
が、比較例では、接合強度が低下して金属端子の剥離が
生じた。なお、比較例9においては金属端子の剥離は生
じなかったが、セラミックス基板にはクラックが生じて
いた。これはろう材層が100μmを超えて厚いために
ろう材層の熱膨張が激しくなり金属回路板に不要な応力
を与えてしまったためであると考えられる。
【0046】第2実施形態(表3、表4) 本実施形態では、活性金属接合法を用いて接合されたセ
ラミックス回路基板上に、金属端子を形成して端子付き
セラミックス回路基板とした。
【0047】実施例(試料No.20〜試料No.3
1) まず、セラミックス基板として、表3に示すように、厚
さが0.635mmである窒化けい素(Si)基
板または窒化アルミニウム(AlN)基板を用いた。ま
た、金属回路板として酸素を10〜30ppmとごく少
量とした無酸素銅からなるCu板を準備した。
【0048】
【表3】
【0049】次に、Ag,CuおよびTiを主成分とし
た金属粉末に有機化合物等のバインダおよび溶媒を混合
したペーストをセラミックス基板の表裏面にパターン印
刷し、セラミックス基板上にCu板をパターンに沿って
配置して、不活性雰囲気または真空中、850℃の温度
で加熱接合してセラミックス回路基板を得た。なお、C
u板の表側の厚さを0.3mmとし、裏側の厚さを0.
25mmとした。
【0050】上記セラミックス回路基板の銅回路板上
に、融点が730℃のろう材を用いて高さ15mmの銅
製の金属端子を接合して端子付きセラミックス回路基板
を形成した。これを試料No.20とした。
【0051】また、表3に示すように、活性金属接合法
のろう材の種類およびその組成比、金属端子の接合ろう
材の種類、その組成、融点および厚さを種々変えて、試
料No.21〜試料No.31の端子付きセラミックス
回路基板を形成した。なお、試料No.22〜試料N
o.31は、Ag,CuおよびTiを主成分とし、これ
にIn,SnおよびCから選択される1種以上を添加し
たろう材を活性金属接合法のろう材として用いたもので
ある。
【0052】比較例(試料No.32〜試料No.3
5) 本比較例では、上述した実施例とほぼ同様の方法を用
い、試料No.32〜試料No.35の端子付きセラミ
ックス回路基板を形成した。表3に示すように、試料N
o.32は金属端子の接合ろう材の厚さを200μmと
し、試料No.33および試料No.34は金属端子の
接合ろう材の融点が各々300℃、900℃としたもの
を適用した。さらに、試料No.35は、金属回路板と
金属端子との接合面積を23mmとして端子付きセラ
ミックス回路基板を作製したものである。
【0053】上記実施例および比較例の金属端子を形成
したセラミックス回路基板に対して、端子の接合強度を
測定するとともに、耐熱サイクル性(TCT)試験を施
した。なお、試験条件は第1実施形態と同様とした。そ
の結果を表4に示す。
【0054】
【表4】
【0055】表4に示すように、本発明の範囲内の融点
とした金属端子の接合ろう材を適用した試料No.20
〜試料No.31は、いずれも金属端子の接合強度が4
0kgf/cm以上であり、TCT試験後の端子の剥
離が生じなかった。一方、比較例の試料No.33ない
し試料No.35は、端子の接合強度が低下してTCT
試験後の端子の剥離も生じた。
【0056】第3実施形態(表5、表6) 本実施形態では、セラミックス基板と金属回路板を接合
するろう材が、金属回路板と金属端子を接合するろう材
と同一の成分を有するものを用意した。
【0057】実施例(試料No.50〜試料No.5
2) まず、セラミックス基板として、表5に示すように厚さ
が0.635mmである窒化珪素基板または窒化アルミ
ニウム基板を用いた。金属回路板として無酸素銅からな
るCu板を準備した。
【0058】
【表5】
【0059】また、表5に示す成分組成を有するろう材
を用いた。
【0060】次に、セラミックス基板の表裏面にろう材
を塗布した後、Cu板を配置して加熱し、セラミックス
基板の表裏面にCu板を接合したセラミックス回路基板
を得た。
【0061】上記セラミックス回路基板上に金属回路板
を接合したろう材と同じものを用いて高さ15mmの銅
製の金属端子を接合して端子付きセラミックス回路基板
を形成した。
【0062】また、試料No.52はセラミックス基板
上にろう材層を塗布し金属回路板を配置し、さらにその
上にろう材層を塗布し金属端子を配置し、一度の熱処理
によりセラミックス基板と金属回路板、金属回路板と金
属端子を接合した。
【0063】このような各試料に対し、実施例23と同
様の条件で耐熱サイクル試験を200サイクルおよび4
00サイクル行った後における金属端子の剥離の有無を
検討した。
【0064】また、本実施形態との比較をする為に、第
2実施形態における実施例の試料No.23の端子付き
セラミックス回路基板についても同様の試験を行った。
その結果を表6に示す。
【0065】
【表6】
【0066】表6から分かる通り、200サイクルでは
金属端子の剥離は確認されなかったが、セラミックス基
板と金属回路板の接合ろう材と、金属回路板と金属端子
の接合ろう材の組成が異なる試料No.23は400サ
イクルでは剥離が起きてしまった。これはろう材組成が
異なることから、温度昇降がより激しい環境下において
は各ろう材層の組成が異なることによる熱膨張の差が影
響するものであると言える。
【0067】それに対し、各ろう材層の組成を同一にし
た試料No.50〜試料No.52のものについては4
00サイクル後であっても金属端子の剥離は確認されな
かった。また、同一のろう材を使用することから試料N
o.52のように一度の熱処理によりセラミックス基板
と金属回路板および金属回路板と金属端子の接合を行う
ことも可能であり製造性も向上させることができる。
【0068】なお、各ろう材層の組成が同一か否かはろ
う材層全体を分析することが最も好ましいが、ろう材を
構成する成分が同じであるならばろう材層における任意
の3ヶ所の組成比率を分析してその平均値により実質的
に同一であるか否かを判定しても問題ない。
【0069】以上説明したように、本発明の実施形態に
よれば、500〜780℃の融点を有するろう材から成
るろう材層を介して金属端子を一体形成することで、金
属端子と金属回路板との接合強度および耐熱サイクル特
性の向上を図ることができるが、特に、セラミックス回
路基板の作製方法として、第2実施形態および第3実施
形態に示す耐熱サイクル特性に優れた活性金属接合法ま
たはろう付け法を用いることで、一層、接合強度および
耐熱サイクル特性の向上を図れる。
【0070】
【発明の効果】以上説明の通り、本発明によれば、セラ
ミックス回路基板と端子とを接合するろう材の改良によ
り、優れた接合強度および耐熱サイクル特性を得られ、
大電流に対応可能な端子付きセラミックス回路基板を得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態における、端子付きセラ
ミックス回路基板を示す断面図。
【符号の説明】
1 端子付きセラミックス回路基板 2 セラミックス基板 3 金属回路板 4 ろう材層 5 金属端子

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セラミックス基板と、このセラミックス
    基板上に接合した金属回路板とを備え、前記金属回路板
    上に融点が500〜780℃であるろう材から成るろう
    材層を介して金属端子を一体に接合したことを特徴とす
    る端子付きセラミックス回路基板。
  2. 【請求項2】 前記セラミックス基板と前記金属回路板
    とが、直接接合法,活性金属接合法およびろう付け法の
    いずれかの方法を用いて接合されていることを特徴とす
    る請求項1記載の端子付きセラミックス回路基板。
  3. 【請求項3】 前記金属端子と前記金属回路板との接合
    面積が、25mm以上であることを特徴とする請求項
    1または2記載の端子付きセラミックス回路基板。
  4. 【請求項4】 前記ろう材層の成分が、前記セラミック
    ス基板と前記金属回路板とを接合するろう材成分の主成
    分と同一であることを特徴とする請求項1ないし3のい
    ずれかに記載の端子付きセラミックス回路基板。
  5. 【請求項5】 前記ろう材層は、AgおよびAlの少な
    くとも1種の金属を主成分とすることを特徴とする請求
    項1ないし4のいずれかに記載の端子付きセラミックス
    回路基板。
  6. 【請求項6】 前記ろう材層の厚さが10〜100μm
    であることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいず
    れかに記載の端子付きセラミックス回路基板。
  7. 【請求項7】 前記セラミックス基板は窒化けい素焼結
    体および窒化アルミニウム焼結体のいずれかの非酸化物
    系セラミックス焼結体から成ることを特徴とする請求項
    1ないし6のいずれかに記載の端子付きセラミックス回
    路基板。
  8. 【請求項8】 前記金属端子はCuおよびAlの少なく
    とも1種の金属材料から成ることを特徴とする請求項1
    ないし7のいずれかに記載の端子付きセラミックス回路
    基板。
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