JP2002100146A - 磁気ディスクカートリッジ - Google Patents

磁気ディスクカートリッジ

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JP2002100146A
JP2002100146A JP2000290143A JP2000290143A JP2002100146A JP 2002100146 A JP2002100146 A JP 2002100146A JP 2000290143 A JP2000290143 A JP 2000290143A JP 2000290143 A JP2000290143 A JP 2000290143A JP 2002100146 A JP2002100146 A JP 2002100146A
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JP
Japan
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liner
shell
recording medium
case
adhesive
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JP2000290143A
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English (en)
Inventor
Yasushi Endo
靖 遠藤
Morio Fujiwara
盛男 藤原
Tsuneo Inui
恒雄 乾
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ディスクカートリッジにおいて、ライナ
ーをシェルに貼着する接着剤の浸みだしが原因となるエ
ラーを低減する。 【解決手段】 多数の長短の繊維54が接着剤52によ
って一側を固定されると共にシェル2に接着されてい
る。接着剤52としては、ホットメルト接着剤(感熱
性)、UV(紫外線)硬化接着剤、熱硬化接着剤等が好
適である。この接着剤52はシェル2に塗工するか、或
いはライナー50の下側に全面塗工してライナー50
を、シェル2に接着する。塗工する際の接着剤52の厚
みは、ライナー50の厚みの1/2乃至1/5であるこ
とが望ましい。また、繊維54の層即ちライナー50の
厚さは50乃至300μmが好適である。従って、接着
剤52の厚みは、10〜150μmの範囲にあることが
望ましい。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、円盤状の磁気記録
媒体(以下、単に記録媒体という)を回転可能に収納し
たケースと、このケースの内面に貼付されて記録媒体を
クリーニングするライナーとを有する磁気ディスクカー
トリッジ(以下、単にカートリッジという)に関し、主
として大記憶容量のカートリッジに関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、パーソナルコンピュータ等には、
安価で取扱いが手軽なことから、データの記録及び読取
用に、3.5インチサイズのカートリッジ(ZIP、フ
ロッピー(登録商標)ディスク等)が一般的に使用され
ている。このタイプの3.5インチのカートリッジは、
アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)共
重合体等の合成樹脂で成形された上下1対の硬質のシェ
ルからなるケース内に、円盤状の記録媒体が回転可能に
収納されてなるものである。このケースの内面には、記
録媒体の表面に付着した塵埃をクリーニング(払拭)す
るためのライナーが貼付されているのが一般的である。
ライナーはレーヨン繊維等により構成され、表面即ち記
録媒体に接触する側が起毛された不織布が一般的に用い
られている。
【0003】ライナーは、通常、超音波溶着によりシェ
ルに溶着されるか接着剤でシェルに接着される。
【0004】ライナーとシェルとの間にはリフターと称
される、弾性片からなる押圧部材が配置され、このリフ
ターがライナーを記録媒体に押圧し、強制的にライナー
を記録媒体に接触させて除塵効果を高めている。しか
し、ライナーを強制的に記録媒体に接触させると、記録
媒体の回転時の接触抵抗が大きくなるので大きな回転ト
ルクを必要とする。
【0005】ところで、この3.5インチのカートリッ
ジは、ノートブック型の小型のパーソナルコンピュータ
(ノートPC)に組み込まれて使用されることが一般的
に行われている。そのため、スペース及び使用電力を低
減するために大トルクのモータを使用することができな
い等の制約があり、小型モータを使用し低トルクで記録
媒体を回転駆動できることが望まれている。その結果、
ライナーをリフターによって強制的に記録媒体に接触さ
せることを避けて、記録媒体とライナーとの接触圧を軽
減して、回転トルクを低減する傾向にある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ライナーをシェルに貼
付する方法としては、前述の如く超音波溶着する場合
と、接着剤による接着の場合がある。超音波溶着の場合
は、超音波発振によりライナーを構成している繊維から
繊維屑が発生し、塵埃となって記録媒体に付着し、これ
が原因となってエラーが生じることがある。また、接着
剤の接着による場合は、接着工程が多少煩雑であるもの
の、超音波発振による発塵の虞はない。しかし、接着剤
等の接着成分が硬化が完了する前にライナーの表面にし
み出してくることがある。この場合、接着剤が固まると
ライナーの起毛繊維の柔軟性が低下して払拭性能を阻害
する。更に、固化した接着剤と記録媒体とが接触して記
録媒体に損傷を及ぼし、データの読込み/読出しができ
なくなる虞がある。また、記録媒体と接触した接着剤も
削れて塵埃となり、これが原因となってデータの読込み
/読出しがエラーとなる等の悪影響がでる虞がある。
【0007】記録媒体上の塵埃は前述の起毛されたライ
ナーにより除塵されるが、起毛の状態により除塵性能に
違いが生じる。起毛は一般的には、例えば、歯ブラシの
如く、短毛の一端が上を向いて整列した状態になってい
る。この場合、記録媒体の回転により起毛した繊維は一
方向即ち記録媒体の回転方向に容易になびいてしまい、
払拭性能(クリーニング性能)が低下するという問題が
ある。この払拭性能を補うためにリフターを用いている
場合は、強制的にライナーを記録媒体に押しつけている
ので、記録媒体に部分的な負荷がかかり、カートリッジ
の保存状態(例えば高温、高湿等の悪条件下)によって
は、記録媒体が変形する等の問題が生じることがある。
【0008】本発明は以上の点に鑑みてなされたもので
あり、超音波溶着の場合に見られる繊維の脱落による塵
埃の発生を防止すると共に、接着剤を用いた場合に見ら
れるライナー表面への接着成分の浸み出しによる払拭性
能の低下及び記録媒体への悪影響を防止したカートリッ
ジを提供することを目的とするものである。
【0009】また、本発明は、超音波溶着の場合に見ら
れる繊維の脱落による塵埃の発生を防止すると共に、接
着によるものより効率的且つ高精度にライナーをシェル
に貼付することができるカートリッジを提供することを
目的とするものである。
【0010】更に、本発明は、除塵性能が優れ、記録媒
体の変形を生じることもないカートリッジを提供するこ
とを目的とするものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明のカートリッジ
は、偏平なケース内に回転可能に収納された円盤状の磁
気記録媒体と、このケース内面に貼付されて磁気記録媒
体をクリーニングするライナーとを備えており、このラ
イナーが、塗布直後にライナーの厚みの1/2乃至1/
5の厚さを有する接着剤を介してケースに貼付されてい
ることを特徴とするものである。接着剤はシェル、ライ
ナーのどちらに塗布しても良い。
【0012】ライナーの厚さ(起毛部分を含む)は50
〜300μmであることが望ましく、250μm以下で
あることが更に望ましい。
【0013】また、本発明のカートリッジは、一対のシ
ェルから構成される偏平なケース内に回転可能に収納さ
れた円盤状の磁気記録媒体と、このシェル内面に貼付さ
れて磁気記録媒体をクリーニングするライナーとを備え
ており、シェルが、シェルを射出成形する金型の、シェ
ルの内面側となるコアの表面にライナーを予め載置した
状態で、金型内に樹脂を射出することによりライナーと
一体にインサート成形されてなるものであることを特徴
とする。
【0014】コアはライナーを保持する吸着手段及びラ
イナーの位置ずれ防止手段の両方或いはそのいずれか一
方を備えることができる。
【0015】シェルを成形する為の金型のゲートは、ラ
イナーの中心部に位置することが好ましい。
【0016】ライナーはインサート成形後に起毛されて
いることが好ましい。
【0017】本発明のカートリッジは、偏平なケース内
に回転可能に収納された円盤状の磁気記録媒体と、この
ケース内面に貼付されて磁気記録媒体をクリーニングす
るライナーとを備えおり、ライナーがループ状に起毛さ
れてなることを特徴とする。これらのループ状の繊維の
起毛範囲は、ライナーの起毛表面の50%以上とするこ
とができ、ライナーの起毛範囲の70%以上であること
が一層好ましく、90%以上であることが最も好まし
い。
【0018】ループ状に起毛させる起毛処理が施されて
いることが好ましい。
【0019】ここで、「ループ状に起毛され」とは繊維
の固定部と固定部の間が連続し且つ浮き上がるよう、実
質的にループ状の起毛のみを目指す処理がなされること
をいう。
【0020】
【発明の効果】本発明のカートリッジは、ライナーが、
塗布直後にライナーの厚みの1/2乃至1/5の厚さを
有する接着剤を介してケースに貼付されているので、超
音波溶着の場合に見られる繊維の脱落による塵埃の発生
を防止すると共に、過度に多量の接着剤を用いた場合に
見られるライナー表面への接着成分の浸み出しがない。
それにより、ライナーの起毛繊維は柔軟性を失うことが
ないので払拭性能の低下を防止できる。さらに、固化し
た接着剤で記録媒体を損傷したり、接着剤の塵埃を発生
してエラーの原因となることを防止することができる。
【0021】また、本発明のカートリッジは、シェル
が、シェルを射出成形する金型の、シェルの内面側とな
るコアの表面にライナーを予め載置した状態で、金型内
に樹脂を射出することによりライナーと一体にインサー
ト成形されているので、超音波溶着の場合に見られる繊
維の脱落による塵埃の発生を防止すると共に、接着によ
るものより効率的且つ高精度にライナーをシェルに貼付
することができる。
【0022】更に、本発明のカートリッジは、偏平なケ
ース内に回転可能に収納された円盤状の磁気記録媒体
と、このケース内面に貼付されて磁気記録媒体をクリー
ニングするライナーとを備えおり、ライナーがループ状
に起毛されているので、記録媒体との接触面積が大きく
除塵性能が優れている。ループ状に起毛された範囲が起
毛表面の50%以上である場合は、除塵性能が一層優れ
たものとなる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明のカートリッジの好
ましい実施の形態について図面を参照して説明する。な
お、説明に際して使用される、左右、上下等の方向を示
す用語は、そこで参照している図面における方向を示す
ものである。
【0024】図1は、本発明の実施形態となるカートリ
ッジ1の分解斜視図である。以下、図1を参照して詳細
に説明する。このカートリッジ1は、矩形の上シェル2
a及び下シェル2bからなる扁平なケース10を有す
る。ケース10はアクリル・ニトリル・ブタジエン・ス
チレン(ABS)共重合体等の合成樹脂から成形され、
ケース10の内部には、円盤状の記録媒体9が回転可能
に収納されている。この記録媒体9は、ポリエチレンテ
レフタレート(PET)フィルム等の可撓性の支持体上
に磁性体層が形成されており、中心部には、中心孔12
を有する金属製のセンターコア部材8が配置されてい
る。
【0025】下シェル2bの中心にはハブ孔6が設けら
れており、センターコア部材8はこのハブ孔6に臨ん
で、ケース10から露出するようになっている。センタ
ーコア部材8は、記録媒体9を回転駆動するドライブ装
置(図示せず)に磁気的に装着(チャッキング)される
ようになっている。また、チャッキングの際、センター
コア部材8の中心孔12には、図示しないドライブ装置
のスピンドル(軸)が挿入され、この軸によって位置決
めがされるように構成されている。ケース10には、カ
ートリッジ1の前縁部14即ちカートリッジ1のドライ
ブ装置への挿入方向の先端部からハブ孔6に向かって矩
形状に延びる、磁気ヘッド挿入用のヘッドウインドウ即
ち開口16、16が上シェル2a及び下シェル2bに夫
々設けられている。この開口16、16には、磁気的な
記録、読出しの際に磁気ヘッドが記録媒体9近傍まで挿
入される。ケース10の前部には、開口16、16を開
閉するために図示しない金属製のシャッター部材が図中
左右方向に摺動自在に組み付けられている。
【0026】上シェル2a及び下シェル2bの外周に
は、夫々側壁を形成する外周リブ12a、12bが設け
られている。上シェル2a及び下シェル2bの隅角部に
は、夫々隣接する外周リブ12a、12bに向かって略
斜めに内側リブ14a、14bが設けられている。下シ
ェル2bのハブ孔6に対応して、上シェル2aには環状
リブ18が形成されている。この環状リブ18は、上シ
ェル2aと下シェル2bが組み付けられたケース10内
に記録媒体9が収納されると、記録媒体9のセンターコ
ア部材8が、ハブ孔6に位置すると、上シェル2aの環
状リブ18がセンターコア部材8の内周20に嵌入して
記録媒体9の半径方向への移動が規制される。
【0027】各シェル2a、2bの内面13a、13b
には、外周リブ12a、12b及び内側リブ14a、1
4bに沿って、八角形の上ライナー50a及び下ライナ
ー50bが夫々上シェル2a、下シェル2bに貼着(貼
付)されている。これらのライナー50a、50bの起
毛先端部が記録媒体9の回転駆動時に記録媒体9の表面
に接触してその表面がクリーニングされる。
【0028】上ライナー50a及び下ライナー50bは
略同一形状をしており、開口16に重なる部分は切除さ
れており、中心部についてもハブ孔6の外形より若干大
きい円形の開口20a、20bが夫々形成されている。
ライナー50a、50bは、レーヨン繊維とポリエステ
ル繊維等で構成されてなる不織布であり、レーヨン繊維
とポリエステル繊維の構成比率については、適切に設定
される。これらのライナー50a、50bは同様な形
状、組成を有するので、以下、上下を区別する必要のな
い場合は、単にライナー50として説明する。またシェ
ル2a、2bについても同様に、上下の区別をする必要
がない場合は、単にシェル2という。
【0029】図2にシェル2に貼付されたライナー50
の部分断面図を示す。この図2には、多数の長短の繊維
54が、図2において点で示される接着剤52によって
一側を固定されると共にシェル2に接着されている状態
が示されている。接着剤52としては、ホットメルト
(感熱性)、UV(紫外線)硬化接着剤、熱硬化接着剤
等が考えられる。また、アクリル素材系の接着剤を使用
した場合は、防かび効果があるので好ましい。この接着
剤52が、例えば、ホットメルト接着剤である場合、接
着剤52はシェル2に塗工され、その後ライナー50が
その上に載置されてライナー50がシェル2に接着剤5
2により接着される。或いは、ライナー50の下側即ち
シェル2に接着される側に全面塗工(所謂裏打ち処理)
してライナーを接着剤52で裏打ちした後、シェル2に
配置されてこの全面塗工された接着剤52により接着さ
れる。塗工する際の接着剤52の厚みは、塗布直後にラ
イナー50の厚みの1/2乃至1/5であることが望ま
しい。また、繊維54の層即ちライナー50の厚さは5
0乃至300μmが好適である。また、250μm以下
が一層好ましい。従って、接着剤52の厚みは、10〜
150μmの範囲にあることが望ましい。接着剤52の
厚さがこの数値より厚くなると、繊維54の上側、即ち
ライナー50の表面側に浸み出し払拭性能を阻害し、エ
ラーの原因となるので好ましくない。
【0030】接着剤52として、ライナー50への塗工
によるものの他に、両面テープ(図示せず)による接着
でも良い。この場合、両面テープの一側の接着剤(ライ
ナー50の厚みの1/2乃至1/5の厚さを有する)に
ライナー50が接着されて、ライナー50を裏打ちした
後、他側の接着剤でライナー50がシェル2に接着され
る。両面テープを、先にシェル2に貼着した後、ライナ
ー50をシェルに貼付けてもよい。
【0031】接着剤52がUV硬化接着剤である場合
は、前述の如くライナー50或いはシェル2のいずれか
に先に接着剤52を塗工した後、ライナー50をシェル
2に接着し、その後紫外線(UV)を照射して接着剤5
2を固化することによりライナー50がシェル2に接着
される。
【0032】また、接着剤52が熱硬化接着剤である場
合は、ライナー50を接着剤52でシェル2に接着した
後、アイロン等によりライナー50の上から熱をかけて
硬化させることにより接着がなされる。
【0033】これらの種々の接着剤52を使用する場合
も前述の厚さの条件が適用される。このようにライナー
50を厚さの薄い所定の厚さの接着剤52によってシェ
ル2に固定するので、接着成分がライナーの表面まで浸
み出すことがなく、クリーニング性能を低下させたり、
記録媒体9を損傷させたりする虞がない。
【0034】また、繊維54の片面側が固着され、繊維
が脱落して塵埃となることが防止されるので、脱落した
繊維の塵埃が原因となるエラーが防止される。接着剤5
2は、製品即ちカートリッジ1が完成した後も硬化が完
了するまでその粘性をある程度維持し続けるので、ライ
ナー50が集塵したダスト(塵埃)を接着剤52が補足
し、再度記録媒体9に戻って付着するといったことが防
止できる。また、接着剤52により、ライナー50の剛
性が向上し、シェル2に平坦に貼付できるので、記録媒
体9への接触も均一になされる。またライナー50が平
坦に貼付されることにより、記録媒体9の回転時にライ
ナー50と記録媒体9との間に生じる空気流の乱れも生
じにくいため、空気流の乱れによる記録媒体9の面ぶれ
を生じる可能性を低減でき、それによるエラーの可能性
も低減できる。
【0035】次に図3乃至図6を参照して、本発明のカ
ートリッジの他の実施形態を説明する。図3は他の実施
形態のカートリッジの上シェル102を内側から見た平
面図である。下シェルについては、中央に図1で示した
ハブ孔6と同様なハブ孔(図示せず)を有している他は
上シェル102と同様な構造を有するので図および説明
は省略する。図4は、この上シェル102を成形する金
型およびこの金型内にある上シェル102の断面図であ
る。図5は、上シェル102を除いた図4と同様な金型
の断面図である。図6は、図5の円で囲んだ部分を拡大
して示す金型の部分拡大断面図であり、(A)はその一
実施形態を示し、(B)は別の実施形態を示す。
【0036】図3に示す上シェル(以下、単にシェルと
いう)102は、図1に示す上シェル2aと同様のもの
であるので詳細な説明は省略し、同じ部分については同
じ名称を使用して説明する。このシェル102と図1に
示すシェル2aとの最大の相違点、即ち本発明の特徴は
ライナー150が、シェル102を成形する金型の中に
組み込まれてインサート成形によりシェル102の内面
に一体に成形される点である。図3に示すシェル102
はインサート成形によりライナー150と一体に成形さ
れている。ライナー150の輪郭152は、シェルを射
出成形する際に多少その位置が変位するので、その輪郭
の概略位置を鎖線で示す。なお、図中160で示す部分
は、金型200で成形後、製品(シェル102)を排出
するために突き出しピン(図示せず)が当接する位置を
示す。
【0037】シェル102を成形する金型200は、図
4に示すように本体202と、その中に配置されたコア
204と、コア204に対向するキャビティ206とか
ら構成される。コア204の上面208とキャビティ2
06の下面209とでシェル102の形状を有する空間
が形成され、この中に合成樹脂が注入されることにより
シェル102が成形されるようになっている。例えばコ
ア204には図1の環状リブ18と同様な環状リブに対
応する環状の溝218が形成されている。図4では、イ
ンサート成形されたシェル102と、このシェル102
にインサートされたライナー150が示されている。
【0038】このライナー150をインサートして、シ
ェル102をインサート成形する手順について以下に説
明する。
【0039】1)所定の形状にカットしたライナー15
0をシェル102の射出成形前に金型200のコア20
4の上面208に載置する。
【0040】2)その後、樹脂を射出してシェル102
を成形し、ライナー150と共にインサート成形する。
【0041】ライナー150は、図1に示す開口20
a、20bと同様の開口が予め形成されている。ライナ
ー150をコア204に張り付ける際に、ライナー15
0が移動しないようにコア204の上面208には、ラ
イナー150の移動を阻止する吸着手段および/または
位置ずれ防止手段が形成されている。
【0042】吸着手段は、コア204をポーラス(多孔
性)金属で構成し、この図示しない孔を介してライナー
150を低圧で吸着するものである。即ちコア204の
図示しない下部側に空気を吸引するポンプ等の吸引手段
を配し、コア204の上面208に載置したライナー1
50を、コア204に形成された多数の孔を介して吸引
することによってライナー150がコア204の上面2
08の所定の位置に保持されるものである。この孔の直
径は約0.02mm〜0.5mmである。孔の代わりに
幅約0.02mm〜0.5mmのスリットを加工して形
成してもよい。これらの孔あるいはスリットは、微細で
あるため樹脂成分が流入して目詰まりを起こすことはな
い。
【0043】吸着手段によりライナー150をコア20
4の上面208に保持した後、シェル102を成形する
樹脂が注入されるが、ライナー150の材質によって
は、この樹脂の流動により実用上支障がでるほど移動し
たり、皺が寄ったりする場合がある。そこでライナー1
50を更に確実に固定する為に位置ずれ防止手段が設け
られている。
【0044】位置ずれ防止手段として、コア204の上
面208に凹凸面212が形成されている(図5に部分
的に示す)。この凹凸面212は、コア204の表面
(上面208)の表面粗さが粗くされたものであり、具
体的には、図6(A)に示す如く、波状の突起210が
連続的に形成されたもの、或いは図6(B)に示す如
く、柱状の突起214が多数形成されたものである。こ
れらの凹凸面212は、突起210、214のように規
則正しく連続する形状である必要はなく、ライナー15
0の位置ずれを阻止するものであればよい。例えば、針
状の突起、或いはリブ上の突起であっても良い。この位
置ずれ防止手段だけでもライナー150の位置ずれを阻
止することができる。
【0045】ライナー150の種類に応じて、金型の安
価な吸着手段、或いは、比較的高価ではあっても保持機
能の高い位置ずれ防止手段をのいずれかを採用すればよ
い。或いは両方の手段を併用してももちろん良い。これ
により、ライナーをコア上に確実に保持できるのでライ
ナーの位置精度を一層向上させることができる。
【0046】次に、合成樹脂が射出されるゲートについ
て説明する。シェル102を成形する場合、通常、ゲー
トはシェル102の周辺部の何カ所かに分散して設定さ
れる。しかし、インサート成形においてゲートをこの位
置にすると注入される樹脂の流動によりライナー150
が位置ずれしたり、皺が寄ったりする虞がある。そのた
めゲート214はライナー150の中心部C(図3)に
配置される。こうすると射出された樹脂はこの中心部C
から略放射状に周辺に流動するので、ライナー150に
樹脂の圧力が均等に加わることとなり、位置ずれしたり
皺が形成されたりすることが防止される。その結果、精
度の高い除塵性能の優れたライナーを有するカートリッ
ジが得られる。
【0047】成形時、ライナーは約300kg/cm
の高圧の樹脂により繊維が圧縮されているので、良好な
クリーニング性能を発揮するためには成形後、圧縮され
た繊維を起毛する。この起毛は、回転するブラシ状のロ
ーラをライナーに接触させる等の従来の手法によりなさ
れる。このようにしてライナー150がシェル102に
貼着される。これらのシェル102は間に記録媒体を配
置して上下重ね合わされてカートリッジが構成される。
このようにライナー150をインサートして成形するの
で、ライナー150を接着剤でシェルに接着する場合と
比べて、加工工程が少なく、生産性が良いという効果が
ある。ライナーがインサート成形後に起毛されている場
合は、更に除塵性能の優れたカートリッジを得ることが
できる。
【0048】次にライナーの起毛繊維について図7を参
照して説明する。図7は別の実施形態のライナーの部分
拡大断面図であり、図7(A)はライナー250が記録
媒体9と接していない状態を示し、図7(B)はライナ
ー250が記録媒体9と接触している状態を示す。図7
(C)は起毛繊維の別の実施形態を示す。
【0049】図7(A)に示すライナー250の起毛さ
れた繊維252は長繊維の両端或いは両端の間の複数箇
所が溶着および/または接着等により固定されて、その
間の部分が上方に起毛されたものである。起毛された先
端は隣接する固定部254、254の間で輪を形成して
いる、即ちループ状となっている。このライナー250
と記録媒体9が接触すると図7(B)に示すように、繊
維252の先端は潰れて記録媒体9と線状に接触する。
この状態で記録媒体9が回転すると繊維252との払拭
面積が大きくなり記録媒体9上の塵埃は容易に除去され
る。繊維252と記録媒体9との接触面積が大きくと
も、繊維252の柔軟性が大きいので記録媒体9を回転
させる回転トルクを増大することもない。
【0050】このループ状の繊維252を形成する方法
としては、ジェット水流を使用する方法、熱収縮の異な
る繊維を使用する方法等がある。前者の方法は、まず繊
維吐出により長繊維を形成する。この長繊維により縦糸
と横糸を延伸度(伸び易さ)の異なる繊維として形成
し、これらの縦糸と横糸を絡めずに夫々蛇行させて不織
布を形成する。この布にジェット水流を布面に直交する
ように流し伸びやすい方の縦糸或いは横糸のどちらかの
繊維を水圧で伸ばすとこの伸ばされた方の繊維がループ
状となった布が得られる。また、延伸度が同じ繊維を使
用する場合は、ジェット水流を通す孔を網目状に配置し
たガイド(図示せず)で布を覆い、これにジェット水流
をあてることにより網目に対応する繊維のみがループ状
に形成される。
【0051】熱収縮の異なる繊維を使用する方法にあっ
ては、熱収縮率の異なる2種のライナー繊維を混紡状態
とした繊維層を形成する。次にこの繊維層をライナーの
ベース部に熱溶着する。この時の収縮率の差により一方
の繊維は大きく収縮し、他方の繊維はそれほど収縮せず
に、一方の繊維の収縮に伴ってループ状に起毛される。
【0052】或いは、熱収縮温度の異なる2種のライナ
ー繊維を混紡状態とした繊維層を形成し、次にこの繊維
層をライナーのベース部に熱溶着する。この時の溶着温
度を2種の繊維の熱収縮温度の中間程度の温度とするこ
とにより、いずれか一方の繊維は収縮し、他方の繊維は
収縮せずに一方の繊維の収縮に伴ってループ状に起毛さ
れることとなる。
【0053】また、図7(C)に示すライナー260で
は、繊維256をコイル状とし、その片側を固定して形
成してもよい。この場合も、図7(A)の場合と同様に
隣接する固定部258との間の繊維により記録媒体9の
塵埃がクリーニングされる。
【0054】これらのループ状の繊維により、繊維自体
が緩やかに湾曲してループを形成した状態でライナーが
形成されるので、ライナーの後加工の必要がなく、繊維
が破断することもない。従って、破断面で記録媒体を傷
つけたりすることもない。繊維自体が柔軟性を有し、繊
維の「腹」即ち記録媒体に面する湾曲部分で記録媒体に
ソフトに接触するため記録媒体にキズを負わせることも
ない。また、記録媒体と繊維が多少過度に接触してもル
ープが倒れるために記録媒体にダメージを与えることが
ないといった種々の特徴を有する。
【0055】これらのループ状の繊維252、256の
起毛範囲は、ライナー250の起毛範囲の50%以上で
あることが除塵性能を高める上で好ましい。さらに、7
0%以上であることが一層好ましく、90%以上である
ことが最も好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態となるカートリッジの分解斜
視図
【図2】図1に示されるライナーを部分的に断面して概
略を示すライナーの部分拡大断面図
【図3】本発明のカートリッジの上シェルを内側から見
た平面図
【図4】図3のシェルを成形する金型およびこの金型内
にあるシェルの断面図
【図5】シェルを除いた図4と同様な金型の断面図
【図6】図5の円で囲んだ部分を拡大して示す金型の部
分拡大断面図であり、(A)はその一実施形態を示し、
(B)は別の実施形態を示す。
【図7】別の実施形態のライナーの部分拡大断面図であ
り、(A)はライナーが記録媒体と接していない状態を
示し、(B)はライナーが記録媒体と接触している状態
を示す。(C)は起毛繊維の別の実施形態を示す。
【符号の説明】
1 磁気ディスクカートリッジ 9 磁気記録媒体 10 ケース 13a、13b 内面 50a、50b、150、250 ライナー 212 凹凸面(位置ずれ防止手段)

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偏平なケースと、該ケース内に回転可能
    に収納された円盤状の磁気記録媒体と、前記ケース内面
    に貼付されて前記磁気記録媒体をクリーニングするライ
    ナーとを備えてなる磁気ディスクカートリッジにおい
    て、 前記ライナーが、塗布直後に該ライナーの厚みの1/2
    乃至1/5の厚さを有する接着剤を介して前記ケースに
    貼付されていることを特徴とする磁気ディスクカートリ
    ッジ。
  2. 【請求項2】 一対のシェルから構成される偏平なケー
    スと、該ケース内に回転可能に収納された円盤状の磁気
    記録媒体と、前記シェル内面に貼付されて前記磁気記録
    媒体をクリーニングするライナーとを備えてなる磁気デ
    ィスクカートリッジにおいて、 前記シェルが、該シェルを射出成形する金型の、前記シ
    ェルの内面側となるコアの表面に前記ライナーを予め載
    置した状態で、前記金型内に樹脂を射出することにより
    前記ライナーと一体にインサート成形されてなるもので
    あることを特徴とする磁気ディスクカートリッジ。
  3. 【請求項3】 偏平なケースと、該ケース内に回転可能
    に収納された円盤状の磁気記録媒体と、前記ケース内面
    に貼付されて前記磁気記録媒体をクリーニングするライ
    ナーとを備えてなる磁気ディスクカートリッジにおい
    て、 前記ライナーが、ループ状に起毛されていることを特徴
    とする磁気ディスクカートリッジ。
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