JP2002100143A - 磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置 - Google Patents

磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置

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JP2002100143A
JP2002100143A JP2000290859A JP2000290859A JP2002100143A JP 2002100143 A JP2002100143 A JP 2002100143A JP 2000290859 A JP2000290859 A JP 2000290859A JP 2000290859 A JP2000290859 A JP 2000290859A JP 2002100143 A JP2002100143 A JP 2002100143A
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magnetic
magnetic disk
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Katsuhide Tanaka
克英 田中
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気ディスク媒体に塗布された潤滑剤の減少
を防止すると共に、磁気ヘッドスライダ及び磁気ディス
ク媒体の摩耗を大幅に低減させること。 【解決手段】 接触許容型の磁気ディスク装置の磁気ヘ
ッドスライダに於いて、磁気記録再生素子部を含むセン
ターパッドの接触領域の摩耗を防ぐため、センターパッ
ドを取り囲む壁9を設ける。センターパッド流出側に生
じる負圧発生部13で集まる潤滑剤を囲い壁で塞き止
め、センターパッドと囲い壁で形成された溝を通して、
センターパッドの流入側に積極的に移動させる。前記潤
滑剤を大量に蓄積しておくための領域14を設け、空気
流に沿って接触領域12へ積極的に供給する構造となっ
ている。センターパッド上の接触領域には、常に潤滑剤
が枯れることなく供給され、接触により生ずる摩耗を長
期間に渡って防止できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、回転駆動する磁気
ディスク媒体と磁気ディスク媒体に情報を記録、あるい
は再生を行う磁気ヘッドを有する磁気ディスク装置に於
いて、特に磁気ディスク媒体に対して近接浮上状態又は
接触許容状態で情報を記録あるいは再生する磁気抵抗効
果型ヘッド(MRヘッド)を有する磁気ディスク装置に
関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、磁気ディスク装置における情報
の記録及び再生は、回転駆動される磁気ディスク媒体に
対して浮上する磁気ヘッドスライダを、微小の隙間で浮
上させて情報を記録及び再生する。磁気ディスク装置の
高記録密度化に向けて、磁気ヘッドスライダの浮上量を
できるだけ狭小化させることが重要な課題となってきて
いる。近年では、浮上スライダからニアコンタクト型あ
るいはコンタクト型、すなわち、接触を考慮したいわゆ
る接触浮上型、あるいは接触型のスライダの必要性が叫
ばれている。
【0003】しかしながら、磁気ヘッドスライダと磁気
ディスク媒体との間で接触が生ずると、両者に摩耗が発
生する。特に、磁気ヘッドスライダの磁気ヘッド素子を
覆うために設けてあるABS(Air Bearing
Surface:浮上面)保護膜が摩耗すると、磁気
ヘッドスライダ材質が露出することで磁気ディスク媒体
の損傷が加速される。また、ABS保護膜の摩耗により
磁気ヘッド素子の一部であるMR素子が露出すると、M
R素子の腐食率が大幅に増加し、再生エラーを引き起こ
す。更に、磁気ディスク媒体の保護膜も摩耗すれば、つ
いには磁性膜の破壊につながる。
【0004】この様に接触を考慮した磁気ディスク装置
を実現するためには、磁気ヘッドスライダと磁気ディス
ク媒体との間の摩擦力を減少させ、両者が摩耗しない様
な構造を実現する必要性がある。
【0005】接触による摩耗を長期に渡って抑制するた
めには、潤滑性を利用して固体接触を防ぎ、寿命を大幅
に延命化することが効果的である。すなわち、磁気ディ
スク媒体に塗布されている潤滑剤や、磁気ディスク装置
内部に設けたその他の潤滑効果を有する物質を、可能な
限り磁気ヘッドスライダと磁気ディスク媒体間インター
フェースに供給および保持し続ける工夫が重要な課題と
考えられる。
【0006】従来技術としては、磁気ヘッドスライダ面
の接触領域の摩耗を低減する目的として、特開平08−
249638号公報では、磁気ディスク媒体と接触する
基板主面のABS保護膜に1個または複数の穴を設け、
前記ABS保護膜よりも表面エネルギーの大きい面を露
出させた穴を設けた構造により潤滑剤を濡れ易くし、穴
に潤滑剤を捕集して安定に保持するとともに、穴で保持
した潤滑剤を、接触領域と磁気ディスク媒体の接触界面
に長期間、安定に供給して潤滑性能を維持する技術が開
示されている。
【0007】また、特開平09−204625号公報に
記載の様に、接触によって削り取られた円板潤滑剤は、
負圧発生部の空気流の流出側に集積するという性質を利
用して、磁気ディスク媒体と接触する基板主面のABS
保護膜に、負圧を発生させる凹部を複数形成したテクス
チャー面の構造をとることで、円板潤滑剤を保持し、そ
の一部を磁気ディスク媒体との接触により媒体側に流動
させ、脱離した部分に修復できる構造にし、磁気ヘッド
スライダ面の摩耗を低減する技術が開示されている。
【0008】しかしながら、高速に磁気ヘッドスライダ
と磁気ディスク媒体とが接触し続ける系において、接触
する磁気ヘッドスライダ基板主面の穴で捕集できる潤滑
剤では、接触領域に供給する量としては極めて僅かであ
る。
【0009】また、特開平10−255243号公報で
は、磁気記録再生素子部及びその近傍部分を除く周辺部
に、耐摩耗性に優れたダイアモンドライクカーボン薄膜
を僅かに突出し配置することで実質的に磁気記録再生素
子の摩耗を防止する技術が開示されている。
【0010】また、特開平11−16314号公報で
は、磁気記録再生素子の空気流入側に、磁気ディスク媒
体側に突出した高さ5nm以上30nm以下のパッドを
設け、前記突出したパッドの中心に施した凹部に潤滑剤
を保持して、スライダ面の摩耗や摩擦力の低減する技術
が開示されている。
【0011】しかしながら、上述した二例では、磁気記
録再生素子と磁気ディスク媒体との距離は、突出したダ
イアモンドライクカーボン薄膜や突出したパッドの高さ
分だけ離れてしまう。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、高記
録密度化に向けて、磁気ヘッドスライダに搭載されてい
る磁気記録再生素子を限りなく磁気ディスク媒体に近付
けた磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク装置を提供す
ることにある。このためには、磁気記録再生素子を含む
磁気ヘッドスライダ基板主面を磁気ディスク媒体へ接触
させることが必要となる。そこで、高速に回転駆動する
磁気ディスク媒体と磁気ヘッドスライダの磁気記録再生
素子を含む接触面で生じる摩耗を低減するために、磁気
記録再生素子を含む接触面に、如何に工夫して効率よく
長期間に渡って潤滑剤を供給することが課題となる。
【0013】一般に、磁気ヘッドスライダと磁気ディス
ク媒体との間で発生する接触で削り取られた潤滑剤は、
一部は飛散するが、大部分は接触領域の流出端側にある
負圧発生部で捕集され、空気流により接触面と直交する
磁気ヘッドスライダの端面側に移動してしまう。そこ
で、磁気記録再生素子の空気流入側に潤滑剤を捕集、及
び保持する構造を設けただけでは、磁気ヘッドスライダ
の接触領域に供給する量も不足し、接触領域への潤滑剤
供給が途切れる可能性が考えられる。更に長期的には円
板潤滑剤の量は減少してしまう。
【0014】本発明の目的は、磁気ディスク媒体に塗布
された潤滑剤の減少を防止すると共に、磁気ヘッドスラ
イダの接触領域の流出端側にある負圧発生部で捕集され
た円板潤滑剤あるいはその他の潤滑効果を有する物質を
できるだけ多く再利用し、磁気ヘッドスライダと磁気デ
ィスク媒体間インターフェースの接触領域へ途切れるこ
となく循環供給し、磁気ヘッドスライダ及び磁気ディス
ク媒体の摩耗を大幅に低減させる磁気ヘッドスライダ及
び磁気ディスク装置を提供することである。
【0015】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明は主として次のような構成を採用する。
【0016】潤滑剤を塗布した磁気ディスク媒体表面に
対して接触することを許容する接触許容面を有する磁気
ヘッドスライダにおいて、前記接触許容面の周辺に付着
した前記潤滑剤を、溝又は縁に沿って前記接触許容面の
空気流入端側へ移動させる磁気ヘッドスライダ。
【0017】また、潤滑剤を塗布した磁気ディスク媒体
表面に対して接触することを許容する接触許容面を一部
に有する空気流出端側のパッドを備えた磁気ヘッドスラ
イダにおいて、前記パッドにおける接触許容面は磁気デ
ィスク媒体の磁気記録情報を記録再生する磁気記録再生
素子を搭載し、前記パッドはその周囲を取り囲む囲い壁
で囲われ、前記接触許容面の空気流入端側のパッドは、
その空気流入端から接触許容面に向けて凹部又は溝を形
成し、前記囲い壁と前記磁気記録再生素子側の接触許容
面との間に形成される流出端側部分で前記潤滑剤を捕集
し、前記囲い壁と前記パッドとの間に形成される側方部
分及び流入端側部分、並びに前記凹部又は溝を通して前
記捕集した潤滑剤を前記接触許容面の空気流入端側に送
給する磁気ヘッドスライダ。
【0018】
【発明の実施の形態】本発明の実施形態に係る磁気ヘッ
ドスライダについて図面を用いて以下説明する。図1
は、本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドスライダの
磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図並びに
浮上面の空気流出端側における断面図である。図1に於
いて、1は磁気ヘッドスライダ本体、2は磁気記録再生
素子部8を有する薄膜部2である。磁気ヘッドスライダ
本体1の空気流入端10側には、浮上姿勢を維持する一
対の流入端浮上パッド5が形成されている。
【0019】また、磁気ディスク媒体が回転駆動する際
に、空気が流入端浮上パッド5に流入し易い様に、流入
端浮上パッドの周囲には浅溝4aが形成されている。こ
の時、前記流入端浮上パッド5に磁気ディスク媒体との
間で正圧が生じ、前記流入端浮上パッド5を通過する空
気が、磁気ヘッドスライダ本体1の中央部に設けられて
いる深溝3に移動すると負圧が発生し、正圧と負圧のバ
ランスを維持して磁気ディスク媒体上を浮上する。
【0020】図1のセンターパッド7は磁気記録再生素
子部8を含む構成となっていて、更に、センターパッド
7の空気流出端寄りの部分は磁気ディスク媒体と接触す
る可能性のある領域であるので接触領域12と表示して
いる。流入端浮上パッドに加えてセンターパッドにも磁
気ディスク媒体との間で正圧が生じるが、磁気記録再生
素子部が磁気ディスク媒体に接触するまで近寄るか否か
は、主としてセンターパッドにおける正圧の大きさに左
右される。そして、センターパッドに生じる正圧は、セ
ンターパッドの形状並びに寸法等によって調整可能であ
る。従って、前記センターパッド7に生じる正圧の量を
上述のように調整することで、磁気ディスク媒体に対し
て接触領域を持つ接触浮上型ヘッドとなる。
【0021】また、前記センターパッド7の空気流入端
側には空気がセンターパッド7に流入し易い様に浅溝4
bが形成されている。そして、浅溝4bとセンターパッ
ド7の周囲を全て取り囲む囲い壁9aが設けてある。そ
して、深溝3、浅溝4b、センターパッド浮上面並びに
囲い壁9aの断面形状は図1の(2)に示すとおりであ
る。
【0022】次に、本発明による磁気ヘッドスライダと
磁気ディスク媒体との間で接触して生ずる摩耗を低減す
るメカニズムを従来と比較して説明する。図10は、従
来の磁気ヘッドスライダ形状の一例を磁気ディスク媒体
側から見た磁気ヘッドスライダの浮上面の平面図であ
る。図1に示す囲い壁9a以外は図1に示す構造と同様
である。磁気ディスク媒体上を浮上する磁気ヘッドスラ
イダ1の浮上量を限りなく低くすると、ついには磁気デ
ィスク媒体と磁気ヘッドスライダ1の一部が接触する系
となる。特に、磁気記録再生素子部8を含むセンターパ
ッド7の空気流出側に接触領域12が発生する。前記接
触領域12が、磁気ディスク媒体上を接触走行すると、
初めは磁気ディスク媒体上にある潤滑剤の効果により摩
耗せずに接触走行する。
【0023】時間の経過と共に、接触領域12で削り取
られた潤滑剤の一部は飛散するが、大部分は磁気記録再
生素子部8を含む接触領域12の空気流出側に発生する
センターパッド負圧発生部13で捕集される。センター
パッド負圧発生部13に捕集された潤滑剤は、空気流に
よりセンターパッド7の面と直交する空気流出端11の
端面に移動し、濡れ広がってしまう。このような現象が
継続すると、磁気ディスク媒体上の潤滑剤量は減少し磁
気記録再生素子部8を含む接触領域12では、センター
パッド7を覆っているABS保護膜や磁気ヘッドスライ
ダ本体(前記保護膜がなくなると)までも摩耗する。ま
た、磁気ディスク媒体の保護膜や磁性膜までも摩耗す
る。
【0024】本発明の第1実施形態は、センターパッド
負圧発生部13で捕集した磁気ディスク媒体上の潤滑剤
を、空気流出端11に逃がすことなく再利用するため
に、磁気記録再生素子部8を含むセンターパッド7及び
浅溝4bを全て取り囲む囲い壁9aを設けた構造を採用
する。
【0025】潤滑剤をセンターパッド負圧発生部13で
積極的に捕集するためには囲い壁9の高さは高い方が良
いが、他方、磁気記録再生素子部8を含むセンターパッ
ド7の接触領域12の面より磁気ディスク媒体側に突き
出すと、この突き出した囲い壁がディスク媒体と接触し
てしまって磁気変換素子部がディスク媒体と接触し得な
い状況となるので、囲い壁9の高さは接触領域の面より
突き出ない高さが好ましい。
【0026】また、磁気ヘッドスライダの加工工程を低
減するために、囲い壁9の高さは浅溝4bと同一高さで
あることが好ましい(浅溝の高さ形成の工程と囲い壁の
高さ形成の工程を同時に行うことができ、それぞれを単
独の工程で行うのと比べて加工工程が低減できる)。
【0027】まず、センターパッド負圧発生部13で捕
集された磁気ディスク媒体上の潤滑剤を、センターパッ
ド7の流出側に設けた囲い壁9aの一辺で塞き止める。
前記塞き止められた潤滑剤は、ある程度蓄積されると、
毛細管現象によりセンターパッド7と囲い壁9aで形成
される溝に沿って、空気流に逆らってセンターパッド7
及び浅溝4bの空気流入側に向かって移動する。空気流
に逆らって潤滑剤を積極的に移動させるためには、特
に、囲い壁9aと前記磁気記録再生素子部8を含むセン
ターパッド7及び浅溝4bの溝の間隔は50μm以下が
好ましく、前記溝の間隔は、空気流入側に向かって狭く
なる構造をとることが好ましい。
【0028】ここで、潤滑剤の移動態様について説明す
ると、センターパッドと囲い壁で形成される溝に沿って
潤滑剤は移動するが、潤滑剤の量の少ない場合には囲い
壁又はセンターパッドの垂直面(浮上面と直交する面)
や溝底面に沿って移動することもある。
【0029】移動した前記潤滑剤は、浅溝4bと囲い壁
9aで仕切られた領域、すなわち潤滑剤保持部14の一
面に濡れ広がる。上述した現象が連続的に行われ、つい
には潤滑剤保持部14に蓄積、保持されていた潤滑剤の
一部は、空気流によってセンターパッド7の空気流入側
にある浅溝4bを乗り越え、センターパッド7の接触領
域12の一面に濡れ広がる。
【0030】そして、再びセンターパッド負圧発生部1
3で集められ、同時に接触領域12で新たに微量に削り
取られる磁気ディスク媒体上の潤滑剤と共にセンターパ
ッド7の空気流出側に設けた囲い壁9aの一辺で塞き止
められる。このメカニズムが繰り返され、潤滑剤は途切
れることなく長期間に渡ってセンターパッド7上の接触
領域12に供給されつづける。また、接触領域12で削
り取られた磁気ディスク媒体の潤滑剤は、前記空気流出
端11の面(浮上面と直交する端面)に移動することな
く潤滑剤保持部14に移動し再度、接触領域12供給さ
れる。いわゆる循環供給である。接触領域12で削り取
る潤滑剤の量は低減し、磁気ディスク媒体の潤滑剤の減
少を防止することが可能となる。
【0031】従って、磁気ヘッドスライダ及び磁気ディ
スク媒体の摩耗を低減し、寿命を大幅に延ばすことが出
来る。また、予めセンターパッド7と囲い壁9aの間の
溝に潤滑剤を塗布しておいても、接触領域12への供給
が向上することは言うまでもない。
【0032】以上の説明では、磁気ヘッドスライダ本体
の空気流出端側のパッドはセンターパッドである構成例
を挙げたが、センターパッドに限らずその側方に設けら
れたパッドにも本実施形態は適用できるものである。更
に、磁気ディスク媒体上に塗布された潤滑剤が利用され
た実施形態であるが、潤滑効果を有する物質を磁気ディ
スク媒体上に供給してこの供給された潤滑物質を利用す
る構成例も本発明の実施形態となり得る。
【0033】図2は、本発明の第2実施形態に係る磁気
ヘッドスライダの磁気ディスク媒体側からみた浮上面を
示す平面図である。図2において、第1実施形態に示し
た構成要素と均等なものには、同一符号を付し、その説
明は重複を避けるため割愛する(尚、これは以下の各実
施形態においても同様である)。
【0034】第2実施形態が第1実施形態と相違するの
は、センターパッド7を取り囲む囲い壁9aの空気流入
端側に、一部開口部を設けた囲い壁9bにした点にあ
る。本実施形態に於いて、潤滑剤保持領域14に開口部
が設けられているため、保持される潤滑剤は一部開口部
を通して深溝3に拡散してしまうが、前記第1実施形態
よりも多少その効果は劣るも、保持された潤滑剤は枯れ
ることなく長期間に渡って接触領域12に循環供給し続
けることが可能となる。第2実施形態ではセンターパッ
ドの空気流入端側に配された囲い壁に開口部を設けてい
るために、センターパッドの浮上特性において囲い壁に
起因する浮上特性の影響をそれ程受けにくくしているの
で、センターパッドの浮上特性の設計上で囲い壁の影響
を考慮する必要が少なくなるという利点がある。
【0035】図3は、本発明の第3実施形態に係る磁気
ヘッドスライダの磁気ディスク媒体側からみた浮上面を
示す平面図である。本実施形態が、第1実施形態と相違
するのは、センターパッド7を取り囲む囲い壁9aの空
気流入側の一辺の形状を、空気流入側に三角形状又は凸
状の囲い壁9cで構成した点である。これは、空気流入
側の壁の面が、空気流入方向と直交しないため、ガスや
塵埃の堆積を防止する効果がある。
【0036】図4は、本発明の第4実施形態に係る磁気
ヘッドスライダの磁気ディスク媒体側からみた浮上面を
示す平面図である。本実施形態が第1実施形態と相違す
るのは、センターパッド7を取り囲む、側面側と流入端
側の囲い壁9aの形状を図示のように曲線状の囲い壁9
dで構成した点である。第3実施形態と同様に囲い壁へ
のガスや塵埃の堆積防止に効果がある。
【0037】図5は、本発明の第5実施形態に係る磁気
ヘッドスライダの磁気ディスク媒体側からみた浮上面を
示す平面図およびセンターパッド周囲の側面図である。
本実施形態が第1実施形態と相違するのは、センターパ
ッド7を取り囲む囲い壁9aに少なくとも一つ以上の段
差を設けた点で、特に一つの段差6を施した場合を示し
てある。
【0038】接触領域12近くの囲い壁9eは、磁気デ
ィスク媒体から見てセンターパッド7の面よりも離れた
距離に設定され、接触領域12よりも流入側に位置する
囲い壁9fの高さはセンターパッド7の面と同一面に位
置する。囲い壁9eで、磁気記録再生素子部8と磁気デ
ィスク媒体の距離を最小に保ちつつ、センターパッド負
圧発生部13で捕集した潤滑剤を、囲い壁9fで、第1
実施形態と同量の潤滑剤を保持する容量をもつことがで
きる。
【0039】図6は、本発明の第6実施形態に係る磁気
ヘッドスライダの磁気ディスク媒体側からみたレール面
を示す平面図である。本実施形態における基本構成も図
1の第1実施形態と同様である。本実施形態が第1実施
形態と相違するのは、センターパッド7の空気流入側の
形状において、深溝相当の深さの空気流出端側に伸びた
複数の凹部15dを短冊状の形状のものにした点にあ
る。本実施形態によると、センターパッド7の流入側の
潤滑剤保持部14に保持された潤滑剤を、センターパッ
ド7の接触領域12へ効率よく供給することが可能とな
り、磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク媒体の摩耗を
低減して寿命を大幅に延ばすことが出来る。
【0040】図7は、本発明の第7実施形態に係る磁気
ヘッドスライダの磁気ディスク媒体側からみた浮上面を
示す平面図である。本実施形態における基本構成も図6
の第6実施形態と同様である。本実施形態が第6実施形
態と相違するのは、センターパッド7の空気流入側の形
状に於いて、深溝相当の深さの空気流出端側に伸びた複
数の凹部15cを、図示のように丸みを持った膨出部に
した点にある。本実施形態によると、センターパッド7
の空気流入側の潤滑剤保持部14で保持された潤滑剤
を、センターパッド7の接触領域12へ効率よく供給す
ることが可能となり、磁気ヘッドスライダ及び磁気ディ
スク媒体の摩耗を低減し、寿命を大幅に延ばすことが出
来る。また、潤滑剤保持部14から接触領域12への供
給を効率良く且つ円滑に促進するための丸みを持った膨
出部15cの形状は、第6実施形態の直角角部の形状よ
りも加工がし易いという利点がある。
【0041】図8は、本発明の第8実施形態に係る磁気
ヘッドスライダの磁気ディスク媒体側からみた浮上面を
示す平面図である。本実施形態における基本構成も図6
の第6実施形態と同様である。本実施形態が第6実施形
態と相違するのは、浅溝4bを含むセンターパッド7の
流入側の形状に、深溝相当の深さの空気流出端側に伸び
た複数の窪み溝部を形成し、その尖端側が空気流の流れ
方向に伸びた三角形の楔部15aを施した点にある。
【0042】上記のような楔部15aを設けることによ
って、磁気ディスク媒体の回転で生じる空気流により、
各楔部15aの稜線に沿って潤滑剤が流れやすくなり、
また、複数の楔部15aを設けることによって、接触領
域12に満遍なく潤滑剤を供給することが可能となり、
総じて、潤滑剤保持部14から接触領域12に供給され
る潤滑剤が保持部14及び楔部15aに滞留することな
く潤滑剤の流れを促進し(狭くなった楔部の尖端部分か
ら潤滑剤が離脱し易くなって離脱時間を短くする)する
ことができる。
【0043】よって、センターパッド7の流入側の潤滑
剤保持部14で保持された潤滑剤を、センターパッド7
の接触領域12へ効率よく供給することが可能となり、
磁気ヘッドスライダ及び磁気ディスク媒体の摩耗を低減
し、寿命を大幅に延ばすことが出来る。
【0044】図9は、本発明の第9実施形態に係る磁気
ヘッドスライダの磁気ディスク媒体側からみた浮上面を
示す平面図である。本実施形態における基本構成も図6
の第6実施形態と同様である。本実施形態が第6実施形
態と相違するのは、センターパッド7の空気流入側の形
状に於いて、深溝相当の深さの空気流出端側に伸びた複
数の凹部15bの先端角度が小さい尖鋭な形状のものと
した点にある。凹部の先端を角度小の先鋭形状としたこ
とにより、第6実施形態に比べて潤滑剤の流れを一層促
進することができる。
【0045】更に、第6〜第9実施形態は、浅溝4bと
それに繋がるセンターパッド7に対して深溝相当の深さ
で略凹部を形成する構造であるが、このように略凹部の
深さを同一とするのに代えて、図示しないが、略凹部の
深さをテーパー形状とすることで潤滑剤の接触領域への
流れを一層円滑に促進することができる。即ち、前記深
さのテーパー形状は、潤滑剤保持部14に接する箇所で
は深溝と同等の深さであって且つ接触領域側の先端箇所
ではセンターパッドの表面と同等とする、深さ方向にお
けるテーパー形状である。
【0046】そして、以上に述べた第1〜第5実施形態
の囲い壁の形状や第6〜第9実施形態の凹部又は窪み溝
の形状は、適宜に組み合わせて用いることも可能であ
る。
【0047】以上説明したように、本発明の実施形態に
よれば、回転駆動する磁気ディスク媒体に対して、近接
浮上型又は接触許容型の磁気ヘッドスライダに於いて、
センターパッド負圧発生部で捕集された磁気ディスク媒
体上の潤滑剤を、センターパッドの流出側に設けた囲い
壁の一辺で塞き止める。前記塞き止められた潤滑剤は、
毛細管現象によりセンターパッド7と囲い壁との間で形
成される溝に沿って、空気流に逆らってセンターパッド
及び流出端浅溝の流入側に向かって移動する。
【0048】移動した前記潤滑剤は、センターパッドの
流入側の浅溝と囲い壁で仕切られた領域、すなわち潤滑
剤保持部の一面に濡れ広がりながら、蓄積、保持され
る。ついには潤滑剤保持部で蓄積、保持されていた潤滑
剤の一部は、空気流によってセンターパッドの接触領域
一面に供給される。
【0049】そして、再びセンターパッド負圧発生部で
集められ、同時に接触領域で新たに微量に削り取られた
磁気ディスク媒体上の潤滑剤と共にセンターパッドの流
出側に設けた囲い壁の一辺で塞き止められる。このメカ
ニズムが繰り返され、潤滑剤は枯れることなく長期間に
渡ってセンターパッド上の接触領域に供給されつづけ
る。
【0050】また、浅溝を含むセンターパッドの流入側
の形状に、深溝相当の深さの空気流出端側に伸びた複数
の凹部を形成することで、磁気ディスク媒体の回転で生
じる空気流により、各凹部の稜線に沿って潤滑剤が流れ
やすくなり、接触領域に潤滑剤を効率良く供給すること
が可能となり、総じて、潤滑剤保持部から接触領域に供
給される潤滑剤が保持部及び凹部に滞留することなく潤
滑剤の流れを促進し(凹部の先端部分から潤滑剤が離脱
し易くなって離脱時間を短くする)することで、接触領
域で潤滑剤が枯れないようにすることができる。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、囲い壁によって捕集、
蓄積、保持された潤滑剤は枯れることなく長期間に渡っ
て接触領域に循環供給し続けることが可能となり、同時
に、接触によって削り取る潤滑剤の量も低減され、円板
潤滑剤の減少を防ぐことが可能となる。
【0052】従って、磁気ヘッドスライダおよび磁気デ
ィスク媒体の摩耗を低減し、寿命を大幅に延ばすことが
出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図並
びに浮上面の空気流出端側における断面図である。
【図2】本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図で
ある。
【図3】本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図で
ある。
【図4】本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図で
ある。
【図5】本発明の第1実施形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図並
びに浮上面の空気流出端側における断面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図で
ある。
【図7】本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図で
ある。
【図8】本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図で
ある。
【図9】本発明の第2実施形態に係る磁気ヘッドスライ
ダの磁気ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図で
ある。
【図10】従来技術における磁気ヘッドスライダの磁気
ディスク媒体側から見た浮上面を示す平面図である。
【符号の説明】
1 磁気ヘッドスライダ本体 2 薄膜部 3 深溝 4a,4b 浅溝 5 流入端浮上パッド 6 囲い壁段差 7 センターパッド 8 磁気記録再生素子部 9a,9b,9c,9d,9e,9f 囲い壁 10 空気流入端 11 空気流出端 12 接触領域 13 センターパッド負圧発生部 14 潤滑剤保持部 15a,15b,15c,15d 凹部又は窪み溝

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 潤滑剤を塗布した磁気ディスク媒体表面
    に対して接触することを許容する接触許容面を有する磁
    気ヘッドスライダにおいて、 前記接触許容面の周辺に付着した前記潤滑剤を、溝又は
    縁に沿って前記接触許容面の空気流入端側へ移動させる
    ことを特徴とする磁気ヘッドスライダ。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の磁気ヘッドスライダに
    おいて、 前記接触許容面は、磁気ディスク媒体の磁気記録情報を
    記録再生する磁気記録再生素子を搭載するとともに、そ
    の周囲を取り囲む囲い壁で囲われていることを特徴とす
    る磁気ヘッドスライダ。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の磁気ヘッドスライダに
    おいて、 前記囲い壁は空気流入端側に開口部を設けたことを特徴
    とする磁気ヘッドスライダ。
  4. 【請求項4】 請求項2又は3に記載の磁気ヘッドスラ
    イダにおいて、 前記囲い壁の高さは、前記接触許容面より磁気ディスク
    媒体側に突き出ない高さであることを特徴とする磁気ヘ
    ッドスライダ。
  5. 【請求項5】 潤滑剤を塗布した磁気ディスク媒体表面
    に対して接触することを許容する接触許容面を一部に有
    する空気流出端側のパッドを備えた磁気ヘッドスライダ
    において、 前記パッドにおける接触許容面は磁気ディスク媒体の磁
    気記録情報を記録再生する磁気記録再生素子を搭載し、 前記パッドはその周囲を取り囲む囲い壁で囲われ、 前記接触許容面の空気流入端側のパッドは、その空気流
    入端から接触許容面に向けて凹部又は溝を形成し、 前記囲い壁と前記磁気記録再生素子側の接触許容面との
    間に形成される流出端側部分で前記潤滑剤を捕集し、前
    記囲い壁と前記パッドとの間に形成される側方部分及び
    流入端側部分、並びに前記凹部又は溝を通して前記捕集
    した潤滑剤を前記接触許容面の空気流入端側に送給する
    ことを特徴とする磁気ヘッドスライダ。
  6. 【請求項6】 請求項1、2、3、4、5のいずれか1
    つの請求項に記載の磁気ヘッドスライダを有することを
    特徴とする磁気ディスク装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US7961432B2 (en) 2008-12-12 2011-06-14 Kabushiki Kaisha Toshiba Head, head suspension assembly, and disk drive provided with the same
US8427784B2 (en) 2011-04-28 2013-04-23 Kabushiki Kaisha Toshiba Head slider having trailing end configuration of a groove formed at a boundary between a trailing step and a trailing pad for adaptation with a gimbal assembly and disk drive

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