JP2002098793A - β−アルミナを用いたNa・Na化合物の電解方法 - Google Patents
β−アルミナを用いたNa・Na化合物の電解方法Info
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- JP2002098793A JP2002098793A JP2000287873A JP2000287873A JP2002098793A JP 2002098793 A JP2002098793 A JP 2002098793A JP 2000287873 A JP2000287873 A JP 2000287873A JP 2000287873 A JP2000287873 A JP 2000287873A JP 2002098793 A JP2002098793 A JP 2002098793A
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 長期間にわたり安定した電解を継続すること
ができるβ−アルミナを用いたNa・Na化合物の電解
方法を提供する。 【解決手段】第1の発明では、不純物を含むNa・Na
化合物の電解を行うためのβ−アルミナ質の隔膜2の陽
極側に金網8を配置し、酸化物やクラッド等の固形分を
これらの金網により除去する。第2の発明では、通常運
転時とは電流の極性を反転させた逆方向通電を定期的に
あるいは随時行うことにより、隔膜2の表面に付着した
酸化物やクラッド等の固形分を剥離させる。両発明を組
み合わせてもよく、その場合には金網8を隔膜2の両側
に配置してもよい。
ができるβ−アルミナを用いたNa・Na化合物の電解
方法を提供する。 【解決手段】第1の発明では、不純物を含むNa・Na
化合物の電解を行うためのβ−アルミナ質の隔膜2の陽
極側に金網8を配置し、酸化物やクラッド等の固形分を
これらの金網により除去する。第2の発明では、通常運
転時とは電流の極性を反転させた逆方向通電を定期的に
あるいは随時行うことにより、隔膜2の表面に付着した
酸化物やクラッド等の固形分を剥離させる。両発明を組
み合わせてもよく、その場合には金網8を隔膜2の両側
に配置してもよい。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、Na化合物を主成
分とする放射性廃液(不純物として微量のクラッドや有
機溶媒を含む)の処理や、高速増殖炉から発生する汚染
放射性Na(不純物としてO、H、クラッド等を含む)
の精製等の技術分野で用いられる、β−アルミナを用い
たNa・Na化合物の電解方法に関するものである。
分とする放射性廃液(不純物として微量のクラッドや有
機溶媒を含む)の処理や、高速増殖炉から発生する汚染
放射性Na(不純物としてO、H、クラッド等を含む)
の精製等の技術分野で用いられる、β−アルミナを用い
たNa・Na化合物の電解方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】原子力施設等から発生したNa化合物を
主成分とする放射性廃液は、従来はそのまま保管容器で
保管されていたのであるが、放射性核種を含まないNa
のみを取り出すことができれば、Na原料として再利用
したり、Naを安定な形態として海洋に放出することが
可能となるとともに、放射性核種を含む廃液の大幅な減
容が可能となる。
主成分とする放射性廃液は、従来はそのまま保管容器で
保管されていたのであるが、放射性核種を含まないNa
のみを取り出すことができれば、Na原料として再利用
したり、Naを安定な形態として海洋に放出することが
可能となるとともに、放射性核種を含む廃液の大幅な減
容が可能となる。
【0003】そこで本発明者等は、Naイオンのみを通
過させる固体電解質であるβ−アルミナを隔膜として電
解を行うことにより、放射性廃液中のNaのみを陰極側
に移動させ、高純度の金属Naまたはカセイソーダとし
て取り出す方法を発明し、すでに特願平7−28517
7号として提案した。この方法では陽極室に処理対象物
である放射性廃液の乾燥物の溶融塩を充填して電解を行
うが、放射性廃液中の酸化物やクラッド等の固形分はβ
−アルミナ質の隔膜を通過できないために、放射性核種
とともに陽極室で濃縮されることとなる。また、この方
法は高速増殖炉から発生した汚染Naの精製にも用いる
ことができる。
過させる固体電解質であるβ−アルミナを隔膜として電
解を行うことにより、放射性廃液中のNaのみを陰極側
に移動させ、高純度の金属Naまたはカセイソーダとし
て取り出す方法を発明し、すでに特願平7−28517
7号として提案した。この方法では陽極室に処理対象物
である放射性廃液の乾燥物の溶融塩を充填して電解を行
うが、放射性廃液中の酸化物やクラッド等の固形分はβ
−アルミナ質の隔膜を通過できないために、放射性核種
とともに陽極室で濃縮されることとなる。また、この方
法は高速増殖炉から発生した汚染Naの精製にも用いる
ことができる。
【0004】ところが、上記のようなβ−アルミナ質の
隔膜を用いた電解を行うと、陽極室内の放射性廃液や汚
染Naに含まれるクラッドや有機溶媒の乾燥物・酸化物
等の固形分(不純物)がNaイオンとともに移動して隔
膜の表面に付着・蓄積・成長し、電解を阻害することが
判明した。その結果、処理量が低下したり圧力損失(電
解電圧)が高くなり、場合によっては電解ができなくな
ることも考えられる。このため長期間にわたり安定した
電解を継続することは容易ではなかった。また、処理量
が低下したときにβ−アルミナ質の隔膜を交換すること
も考えられるが、放射性核種が付着しているために交換
作業も容易ではないうえ、隔膜自体が放射性二次廃棄物
となるという問題があった。
隔膜を用いた電解を行うと、陽極室内の放射性廃液や汚
染Naに含まれるクラッドや有機溶媒の乾燥物・酸化物
等の固形分(不純物)がNaイオンとともに移動して隔
膜の表面に付着・蓄積・成長し、電解を阻害することが
判明した。その結果、処理量が低下したり圧力損失(電
解電圧)が高くなり、場合によっては電解ができなくな
ることも考えられる。このため長期間にわたり安定した
電解を継続することは容易ではなかった。また、処理量
が低下したときにβ−アルミナ質の隔膜を交換すること
も考えられるが、放射性核種が付着しているために交換
作業も容易ではないうえ、隔膜自体が放射性二次廃棄物
となるという問題があった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記した従来
の問題点を解決し、隔膜を交換することなく、長期間に
わたり安定した電解を継続することができるβ−アルミ
ナを用いたNa・Na化合物の電解方法を提供するため
になされたものである。
の問題点を解決し、隔膜を交換することなく、長期間に
わたり安定した電解を継続することができるβ−アルミ
ナを用いたNa・Na化合物の電解方法を提供するため
になされたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記の課題を解決するた
めになされた第1の発明は、β−アルミナ質の隔膜を用
いて不純物を含むNa・Na化合物の電解を行うに際
し、β−アルミナ質の隔膜の陽極側に金網を配置し、酸
化物やクラッド等の固形分をこれらの金網により除去す
ることを特徴とするものである。また同一の課題を解決
するためになされた第2の発明は、β−アルミナ質の隔
膜を用いて不純物を含むNa・Na化合物の電解を行う
に際し、通常運転時とは電流の極性を反転させた逆方向
通電を定期的にあるいは随時行うことにより、β−アル
ミナ質の隔膜の表面に付着した酸化物やクラッド等の固
形分を剥離させることを特徴とするものである。また第
3の発明は、β−アルミナ質の隔膜を用いて不純物を含
むNa・Na化合物の電解を行うに際し、β−アルミナ
質の隔膜の陽極側または両側に金網を配置し、酸化物や
クラッド等の固形分をこれらの金網により除去するとと
もに、通常運転時とは電流の極性を反転させた逆方向通
電を定期的にあるいは随時行うことにより、β−アルミ
ナ質の隔膜の表面に付着した酸化物やクラッド等の固形
分を剥離させることを特徴とするものである。
めになされた第1の発明は、β−アルミナ質の隔膜を用
いて不純物を含むNa・Na化合物の電解を行うに際
し、β−アルミナ質の隔膜の陽極側に金網を配置し、酸
化物やクラッド等の固形分をこれらの金網により除去す
ることを特徴とするものである。また同一の課題を解決
するためになされた第2の発明は、β−アルミナ質の隔
膜を用いて不純物を含むNa・Na化合物の電解を行う
に際し、通常運転時とは電流の極性を反転させた逆方向
通電を定期的にあるいは随時行うことにより、β−アル
ミナ質の隔膜の表面に付着した酸化物やクラッド等の固
形分を剥離させることを特徴とするものである。また第
3の発明は、β−アルミナ質の隔膜を用いて不純物を含
むNa・Na化合物の電解を行うに際し、β−アルミナ
質の隔膜の陽極側または両側に金網を配置し、酸化物や
クラッド等の固形分をこれらの金網により除去するとと
もに、通常運転時とは電流の極性を反転させた逆方向通
電を定期的にあるいは随時行うことにより、β−アルミ
ナ質の隔膜の表面に付着した酸化物やクラッド等の固形
分を剥離させることを特徴とするものである。
【0007】
【発明の実施の形態】以下に各発明の好ましい実施形態
を示す。図1は第1の発明の実施形態を示す図であり、
1は電解槽、2は電解槽1の内部に設置されたβ−アル
ミナ質の隔膜である。この隔膜2によって電解槽1の内
部は陽極側隔室3と陰極側隔室4とに区画されている。
5は陽極、6は陰極であり、いずれもニッケル合金から
なるものである。7は電解槽1内を所定温度に加熱する
ためのヒータであり、不純物を含むNa・Na化合物が
高温状態で電解される。
を示す。図1は第1の発明の実施形態を示す図であり、
1は電解槽、2は電解槽1の内部に設置されたβ−アル
ミナ質の隔膜である。この隔膜2によって電解槽1の内
部は陽極側隔室3と陰極側隔室4とに区画されている。
5は陽極、6は陰極であり、いずれもニッケル合金から
なるものである。7は電解槽1内を所定温度に加熱する
ためのヒータであり、不純物を含むNa・Na化合物が
高温状態で電解される。
【0008】β−アルミナ質の隔膜2の陽極側の近接位
置には、金網8が取り付けられている。金網8はステン
レス等の耐食性金属製とすることが好ましい。また金網
8はNa・Na化合物中の酸化物やクラッド等の固形分
を除去することができる程度の目開きを持たせておくも
のとする。
置には、金網8が取り付けられている。金網8はステン
レス等の耐食性金属製とすることが好ましい。また金網
8はNa・Na化合物中の酸化物やクラッド等の固形分
を除去することができる程度の目開きを持たせておくも
のとする。
【0009】この電解槽1の陽極側隔室3内に不純物を
含むNa・Na化合物を充填し、陽極5と陰極6間に直
流電流を通電して電解を行うと、Na・Na化合物中の
Naイオンのみがβ−アルミナ質の隔膜2を通過して陰
極側隔室4に移動し、例えばNaOHとして取り出され
る。このときNa・Na化合物中の酸化物やクラッド等
の固形分もNaイオンとともに隔膜2側に移動するが、
これらは金網8に捕捉されて隔膜2の表面に達するまで
に除去される。このため、固形分が隔膜2の表面に付着
・蓄積・成長し、電解を阻害することは防止される。
含むNa・Na化合物を充填し、陽極5と陰極6間に直
流電流を通電して電解を行うと、Na・Na化合物中の
Naイオンのみがβ−アルミナ質の隔膜2を通過して陰
極側隔室4に移動し、例えばNaOHとして取り出され
る。このときNa・Na化合物中の酸化物やクラッド等
の固形分もNaイオンとともに隔膜2側に移動するが、
これらは金網8に捕捉されて隔膜2の表面に達するまで
に除去される。このため、固形分が隔膜2の表面に付着
・蓄積・成長し、電解を阻害することは防止される。
【0010】なお、β−アルミナ質の隔膜2は必ずしも
図1に示すような平板状のものに限定されず、図2に示
すような筒状とする場合もある。この場合にも隔膜2の
陽極側に金網8を配置することにより、固形分が隔膜2
の表面に付着・蓄積・成長し、電解を阻害することが防
止できる。なお、後述する第3の発明のようにNaの移
動方向を逆転させる場合には、図示のように隔膜2の両
側に金網8を配置することが好ましい。
図1に示すような平板状のものに限定されず、図2に示
すような筒状とする場合もある。この場合にも隔膜2の
陽極側に金網8を配置することにより、固形分が隔膜2
の表面に付着・蓄積・成長し、電解を阻害することが防
止できる。なお、後述する第3の発明のようにNaの移
動方向を逆転させる場合には、図示のように隔膜2の両
側に金網8を配置することが好ましい。
【0011】図3は第2の発明の実施形態を示す図であ
り、陽極5と陰極6に極性を反転できる直流電源装置9
を接続してある。通常運転の際には図3に示した通り第
1の実施形態と同じ方向に電流を流して不純物を含むN
a・Na化合物の電解を行うが、第2の発明では定期的
にあるいは随時、直流電源装置9の極性を反転させて逆
方向通電を行う。逆方向通電を行うとβ−アルミナ質の
隔膜2を通過するNaイオンの流動方向が逆転するた
め、通常運転中にβ−アルミナ質の隔膜2の表面に付着
した酸化物やクラッド等の固形分は逆転したNaイオン
の流動によって表面から剥離される。このため、固形分
が隔膜2の表面で蓄積・成長することが防止できる
り、陽極5と陰極6に極性を反転できる直流電源装置9
を接続してある。通常運転の際には図3に示した通り第
1の実施形態と同じ方向に電流を流して不純物を含むN
a・Na化合物の電解を行うが、第2の発明では定期的
にあるいは随時、直流電源装置9の極性を反転させて逆
方向通電を行う。逆方向通電を行うとβ−アルミナ質の
隔膜2を通過するNaイオンの流動方向が逆転するた
め、通常運転中にβ−アルミナ質の隔膜2の表面に付着
した酸化物やクラッド等の固形分は逆転したNaイオン
の流動によって表面から剥離される。このため、固形分
が隔膜2の表面で蓄積・成長することが防止できる
【0012】なお、第3の発明は上記した第1の発明と
第2の発明を組み合わせたものである。この場合には隔
膜2の陽極側または図4のように両側に金網8を取付
け、定期的にあるいは随時、直流電源装置9の極性を反
転させて逆方向通電を行えばよい。この第3の発明によ
れば、固形分による隔膜2の閉塞を最も効果的に防止す
ることができる。隔膜2の両側に金網8を取付ければ、
逆方向通電時にも固形分を除去することができる。以下
に本発明の実施例を示す。
第2の発明を組み合わせたものである。この場合には隔
膜2の陽極側または図4のように両側に金網8を取付
け、定期的にあるいは随時、直流電源装置9の極性を反
転させて逆方向通電を行えばよい。この第3の発明によ
れば、固形分による隔膜2の閉塞を最も効果的に防止す
ることができる。隔膜2の両側に金網8を取付ければ、
逆方向通電時にも固形分を除去することができる。以下
に本発明の実施例を示す。
【0013】
【実施例】〔実施例1〕図1に示した前記の装置を用い
て以下のように硝酸Naの電気分解を行い、電圧を調べ
た。この装置において、陽極側隔室3に不純物として微
量の有機溶媒(乾燥物)を含む硝酸Naを、陰極側隔室
4にNaOHを導入し、330℃の温度で溶解状態に保
った後、陰極側隔室4にアルミナ管10を通じて水蒸気
を含んだ酸素ガスを供給しながら、陽極5と陰極6間に
50Aの一定電流となるように直流電流を流した。この
電気分解により、陰極側にはNaOHが生成し、H2 ガ
スの発生は認められなかった。陽極側には窒素酸化物ガ
スと酸素ガスの発生が認められた。
て以下のように硝酸Naの電気分解を行い、電圧を調べ
た。この装置において、陽極側隔室3に不純物として微
量の有機溶媒(乾燥物)を含む硝酸Naを、陰極側隔室
4にNaOHを導入し、330℃の温度で溶解状態に保
った後、陰極側隔室4にアルミナ管10を通じて水蒸気
を含んだ酸素ガスを供給しながら、陽極5と陰極6間に
50Aの一定電流となるように直流電流を流した。この
電気分解により、陰極側にはNaOHが生成し、H2 ガ
スの発生は認められなかった。陽極側には窒素酸化物ガ
スと酸素ガスの発生が認められた。
【0014】金網8を設けない場合には、電流を流した
当初は陽極5と陰極6間に約4Vの電圧が掛かり、その
後徐々に電圧は上昇し、通電時間200時間で5〜5.
5V程度まで上昇した。この電圧の上昇は、陽極側隔室
3の硝酸Naに不純物として含まれている微量の有機溶
媒(乾繰物)が、β−アルミナ質の隔膜2の表面に付着
・蓄積・成長して電解を阻害し、圧力損失(電解の場
合、電圧)が高くなった結果であると考えられる。
当初は陽極5と陰極6間に約4Vの電圧が掛かり、その
後徐々に電圧は上昇し、通電時間200時間で5〜5.
5V程度まで上昇した。この電圧の上昇は、陽極側隔室
3の硝酸Naに不純物として含まれている微量の有機溶
媒(乾繰物)が、β−アルミナ質の隔膜2の表面に付着
・蓄積・成長して電解を阻害し、圧力損失(電解の場
合、電圧)が高くなった結果であると考えられる。
【0015】しかし、隔膜2の陽極側に金網8として線
径約10μm のステンレス製ワイヤーメッシュを取付け
て上記と同じ電解を実施した所、電圧の上昇速度は小さ
くなり、通電時間200時間で4.5〜5V程度までの
上昇であった。この結果、固形物(不純物)によるβ−
アルミナ質の隔膜2の閉塞が金網8によって抑制できる
ことが確認された。
径約10μm のステンレス製ワイヤーメッシュを取付け
て上記と同じ電解を実施した所、電圧の上昇速度は小さ
くなり、通電時間200時間で4.5〜5V程度までの
上昇であった。この結果、固形物(不純物)によるβ−
アルミナ質の隔膜2の閉塞が金網8によって抑制できる
ことが確認された。
【0016】〔実施例2〕隔膜2の両側に線径約10μ
m のステンレス製ワイヤーメッシュを取付け、かつ、1
0時間に1回の割合で1分間電極の正負を逆転させ、上
記と同じ電解を実施した。電圧の上昇はさらに小さくな
り、通電時間200時間で4〜4.5V程度で安定運転
できた。
m のステンレス製ワイヤーメッシュを取付け、かつ、1
0時間に1回の割合で1分間電極の正負を逆転させ、上
記と同じ電解を実施した。電圧の上昇はさらに小さくな
り、通電時間200時間で4〜4.5V程度で安定運転
できた。
【0017】〔実施例3〕図5に示す装置を用いて以下
のように金属Naの電気分解を行い、電圧を調べた。図
中、20はNaの貯蔵タンク、21はタンクの蓋体、2
2は直流電源、23は初期Naの供給源であり、β−ア
ルミナ質の円筒状の隔膜2が貯蔵タンク20内のNaに
浸漬するようにタンクの蓋体21に装着されている。ま
た直流電源22の負極側が隔膜2内に挿入された電極2
6に、正極側が貯蔵タンク20に接続され、更にスター
トアップ用のNaの供給源23が供給口24に接続され
ている。隔膜2はフランジ25をもって蓋体21に取り
付けられている。貯蔵タンク20には、Naを所定温度
に加熱するためのヒータが取り付けられている。
のように金属Naの電気分解を行い、電圧を調べた。図
中、20はNaの貯蔵タンク、21はタンクの蓋体、2
2は直流電源、23は初期Naの供給源であり、β−ア
ルミナ質の円筒状の隔膜2が貯蔵タンク20内のNaに
浸漬するようにタンクの蓋体21に装着されている。ま
た直流電源22の負極側が隔膜2内に挿入された電極2
6に、正極側が貯蔵タンク20に接続され、更にスター
トアップ用のNaの供給源23が供給口24に接続され
ている。隔膜2はフランジ25をもって蓋体21に取り
付けられている。貯蔵タンク20には、Naを所定温度
に加熱するためのヒータが取り付けられている。
【0018】この装置において、貯蔵タンク20内に不
純物として微量のクラッド(酸化物)を含む金属Na、
陰極側にスタートアップ用の金属Naを導入し、300
℃の温度で溶解状態に保った後、電極26と貯蔵タンク
20間に、80Aの一定電流となるように直流電流を流
した。この電気分解により、陰極側には金属Naの生成
が認られた。
純物として微量のクラッド(酸化物)を含む金属Na、
陰極側にスタートアップ用の金属Naを導入し、300
℃の温度で溶解状態に保った後、電極26と貯蔵タンク
20間に、80Aの一定電流となるように直流電流を流
した。この電気分解により、陰極側には金属Naの生成
が認られた。
【0019】金網8を設けない場合には、電流を流した
当初は両電極20、26間に約2Vの電圧が掛かり、そ
の後徐々に電圧は上昇し、通電時間100時間で2.5
V程度まで上昇した。この電圧の上昇は、金属Naに不
純物として含まれている微量のクラツド(酸化物)が、
隔膜2の表面に付着・蓄積・成長し、電解を阻害して圧
力損失(電解の場合、電圧)が高くなった結果と考えら
れる。
当初は両電極20、26間に約2Vの電圧が掛かり、そ
の後徐々に電圧は上昇し、通電時間100時間で2.5
V程度まで上昇した。この電圧の上昇は、金属Naに不
純物として含まれている微量のクラツド(酸化物)が、
隔膜2の表面に付着・蓄積・成長し、電解を阻害して圧
力損失(電解の場合、電圧)が高くなった結果と考えら
れる。
【0020】一方、隔膜2の両側に金網8として線径約
10μm のステンレス製ワイヤーメッシュを取付け、か
つ、5時間に1回の割合で1分間電極の正負を逆転さ
せ、上記と同じ電解を実施したところ電圧の上昇は小さ
くなり、通電時間100時間で2〜2.2V程度で安定
運転できた。
10μm のステンレス製ワイヤーメッシュを取付け、か
つ、5時間に1回の割合で1分間電極の正負を逆転さ
せ、上記と同じ電解を実施したところ電圧の上昇は小さ
くなり、通電時間100時間で2〜2.2V程度で安定
運転できた。
【0021】
【発明の効果】以上に説明したように、本願の各発明に
よれば、Na・Na化合物中の酸化物やクラッド等の固
形分を金網により除去したり、逆方向通電により酸化物
やクラッド等の固形分を剥離させることにより、β−ア
ルミナ質の隔膜を交換することなく、長期間にわたり安
定した電解を継続することができる利点がある。
よれば、Na・Na化合物中の酸化物やクラッド等の固
形分を金網により除去したり、逆方向通電により酸化物
やクラッド等の固形分を剥離させることにより、β−ア
ルミナ質の隔膜を交換することなく、長期間にわたり安
定した電解を継続することができる利点がある。
【図1】第1の発明の実施形態を示す断面図である。
【図2】筒状の隔膜を示す断面図である。
【図3】第2の発明の実施形態を示す断面図である。
【図4】第3の発明の実施形態を示す断面図である。
【図5】実施例3を示す断面図である。
1 電解槽、2 β−アルミナ質の隔膜、3 陽極側隔
室、4 陰極側隔室、5 陽極、6 陰極、7 ヒー
タ、8 金網、9 極性を反転できる直流電源装置、1
0 アルミナ管、20 Naの貯蔵タンク、21 タン
クの蓋体、22直流電源、23 初期Naの供給源、2
4 供給口、25 フランジ、26 電極
室、4 陰極側隔室、5 陽極、6 陰極、7 ヒー
タ、8 金網、9 極性を反転できる直流電源装置、1
0 アルミナ管、20 Naの貯蔵タンク、21 タン
クの蓋体、22直流電源、23 初期Naの供給源、2
4 供給口、25 フランジ、26 電極
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C25C 3/02 C25C 7/06 302 7/06 302 C25B 9/00 L (72)発明者 蔵島 吉彦 愛知県名古屋市瑞穂区須田町2番56号 日 本碍子株式会社内 Fターム(参考) 4K021 AB01 AB23 BA01 BC06 CA06 DB40 DB50 DC15 4K058 BA03 BB05 CB24 DD13 DD27 FA03
Claims (3)
- 【請求項1】 β−アルミナ質の隔膜を用いて不純物を
含むNa・Na化合物の電解を行うに際し、β−アルミ
ナ質の隔膜の陽極側に金網を配置し、酸化物やクラッド
等の固形分をこれらの金網により除去することを特徴と
するβ−アルミナを用いたNa・Na化合物の電解方
法。 - 【請求項2】 β−アルミナ質の隔膜を用いて不純物を
含むNa・Na化合物の電解を行うに際し、通常運転時
とは電流の極性を反転させた逆方向通電を定期的にある
いは随時行うことにより、β−アルミナ質の隔膜の表面
に付着した酸化物やクラッド等の固形分を剥離させるこ
とを特徴とするβ−アルミナを用いたNa・Na化合物
の電解方法。 - 【請求項3】 β−アルミナ質の隔膜を用いて不純物を
含むNa・Na化合物の電解を行うに際し、β−アルミ
ナ質の隔膜の陽極側または両側に金網を配置し、酸化物
やクラッド等の固形分をこれらの金網により除去すると
ともに、通常運転時とは電流の極性を反転させた逆方向
通電を定期的にあるいは随時行うことにより、β−アル
ミナ質の隔膜の表面に付着した酸化物やクラッド等の固
形分を剥離させることを特徴とするβ−アルミナを用い
たNa・Na化合物の電解方法。
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JP2000287873A JP2002098793A (ja) | 2000-09-22 | 2000-09-22 | β−アルミナを用いたNa・Na化合物の電解方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2012107290A (ja) * | 2010-11-17 | 2012-06-07 | Hokkaido Univ | ナトリウム精製用電解槽 |
JP2012525502A (ja) * | 2009-04-30 | 2012-10-22 | メタル オキシジェン セパレーション テクノロジーズ インコーポレイテッド | 元素材料の一次的な製造 |
-
2000
- 2000-09-22 JP JP2000287873A patent/JP2002098793A/ja not_active Withdrawn
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2012525502A (ja) * | 2009-04-30 | 2012-10-22 | メタル オキシジェン セパレーション テクノロジーズ インコーポレイテッド | 元素材料の一次的な製造 |
US8795506B2 (en) | 2009-04-30 | 2014-08-05 | Infinium, Inc. | Primary production of elements |
JP2012107290A (ja) * | 2010-11-17 | 2012-06-07 | Hokkaido Univ | ナトリウム精製用電解槽 |
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