JP2002097036A - 短波長紫外線用石英ガラス、それを使用した放電灯、その収納容器および紫外線照射装置 - Google Patents

短波長紫外線用石英ガラス、それを使用した放電灯、その収納容器および紫外線照射装置

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JP2002097036A
JP2002097036A JP2000287260A JP2000287260A JP2002097036A JP 2002097036 A JP2002097036 A JP 2002097036A JP 2000287260 A JP2000287260 A JP 2000287260A JP 2000287260 A JP2000287260 A JP 2000287260A JP 2002097036 A JP2002097036 A JP 2002097036A
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ultraviolet ray
quartz glass
ultraviolet
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浩二 中野
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Photoscience Japan Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 短波長域の紫外線透過率の経時劣化を改善し
た石英ガラスを提供すること。紫外線強度維持率を大幅
に改善した、低コストで省エネルギー型の放電灯及び照
射装置を提供すること。 【解決手段】 200nm以下の波長域の紫外線に晒さ
れて使用される石英ガラスにおいて、天然の水晶もしく
は珪砂を出発原料とし、ナトリウム、カリウム、チタニ
ウムおよび鉄の4種からなる元素の総含有量が2.5p
pm以下であって、10ppm以上のOH基を含むよう
に構成する。この石英ガラスを紫外線放電灯(L)の発
光管バルブ(11)の素材として用いる。また、この石
英ガラスを紫外線放電灯を収納する紫外線透過性の外管
の素材(保護管)として用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、200nm以下の
波長域の紫外線エネルギーを放射して有機物の分解処理
等を行う装置等に使用される石英ガラスの改良に関し、
更に該石英ガラスを使用した放電灯および紫外線照射装
置に関する。
【0002】
【従来の技術】短波長域の紫外線は強いエネルギーを有
することから、有害物や有機物の分解など多岐にわたっ
て利用されている。図4は、従来知られた閉鎖型の液体
処理用紫外線照射装置の一例を示す。放電灯30を外管
(保護管)20内に収納したものが、ステンレス製のシ
リンダー1内に収容され、被処理液体が該シリンダー1
内に導入されて放電灯30から発光した紫外線が照射さ
れる。放電灯30としては、例えば185nmの波長域
の紫外線を効率よく放射する低圧水銀蒸気放電灯が使用
される。放電灯30の発光管バルブ10は紫外線透過性
に優れた石英ガラスからできている。放電灯30は紫外
線透過性の外管(保護管)20の内部に収納され、該放
電灯30が被処理液体から液密に隔離される。かかる外
管20も紫外線透過性に優れた石英ガラスでできてい
る。シリンダー1の両端はフランジ1a,1bで閉じら
れており、入水口1cから取り入れられた被処理液体
が、シリンダー1内を通過する過程で紫外線照射され、
出水口1dから排出される。被処理液体は、入水口1c
から出水口1dに向かってシリンダー1内を流れること
になるが、被処理液体がショートパスしないように、途
中に複数枚(図では5枚)の緩流板1e〜1iを配置し
た構造になっている。なお、便宜上、図5には放電灯3
0を1灯だけ搭載した装置を図解したが、実用的には多
灯式の大容量装置が使用される場合が多い。放電灯30
から発せられた紫外線は、外管20を透過し、被処理液
体に照射される。照射された紫外線は、例えば水中に存
在する有機物を次式のように無害なCO、CO2、H2
に分解する作用を果たすことになる。 H2O + hν(185nm)→ H + OHラジ
カル CnHmOk + OHラジカル → CO、CO2、H2
O (n,m,k, は 1,2,3,……)
【0003】図5は、放電灯30の一構成例を示すもの
である。石英ガラス製の発光管バルブ10の両端はガラ
スステム2a,2bで気密に閉塞されている。21a,
21bは一対のフィラメントで、放電をスムースに行わ
せる目的で酸化バリウム(BaO)系のエミッターが塗
布されている。フィラメント21a,21bはそれぞ
れ、ガラスステム2a,2b上に保持され、インナーリ
ード22a〜22d、モリブデン箔24a〜24d、ア
ウターリード25a〜25dを介して、口金部3a,3
bの端子31a〜31dに電気的に通じている。また、
バルブ内には適量の水銀とアルゴンガスが封入されてい
る。かかる放電灯30を所定の電源(図示せず)に接続
して電力を投じるとフィラメント21a,21b間で放
電し、放電熱で水銀が蒸発すると共に水銀原子が励起さ
れて紫外線を発することになる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、近年は処理
能力を高める目的から紫外線光源の高密度化が図られて
いる。高密度化とは、放電灯の電力を高め、紫外線の総
量を増大させるものである。ところが、本発明者はこの
高密度化に伴って、放電灯の点灯時間が進むにつれて処
理能力が大幅に低下するという新たな問題が生じること
を見いだした。具体的には、例えばTOC(有機物)濃
度10ppbの原水を1ppb以下に分解するのに必要
な放電灯の消費電力で表現すると、処理能力が初期には
0.3kWh/トンであったのに対して、約1年後には
0.7kWh/トンと2倍以上の電力量を要してしま
い、処理能力が半減することに気付いた。従来はこのよ
うな問題に気付かれることはなく、漫然と放置されてい
た。よって、かかる問題を適切に改善する必要がある。
【0005】本発明者は、かかる問題を解決するため
に、様々な観点からその原因との究明とその解決策の案
出を試み、このたび、紫外線を透過させる石英ガラスの
紫外線透過性の経時劣化に原因があることをつきとめ
た。そして、かかる石英ガラスの紫外線透過性の経時劣
化を改善する明確な方策を案出するに至った。よって、
本発明は上述の点に鑑みてなされたもので、短波長域の
紫外線透過率の経時劣化を改善した石英ガラスを提供す
ると共に、かかる石英ガラスを使用することで紫外線強
度維持率を大幅に改善した高密度放電灯を提供し、更に
はかかる石英ガラスあるいは放電灯を使用することで省
エネルギー型の紫外線照射装置を提供しようとするもの
である。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の問題
について、実験と解析を繰り返した結果、放電灯自身が
放射する短波長紫外線によって放電灯の管体を成す石英
ガラスが変質し、透過率を低下させ、紫外線強度維持率
が経時的に低下することが原因であるとの結論を得た。
つまり、従来知られた低密度光源では、紫外線の絶対量
が少ないために著しい変質が生じなかったのに対して、
放電灯の高密度化によってかかる変質が顕著な経時劣化
現象となって現れたものと理解される。そして、本発明
者は、紫外線強度維持率を大幅に改善し得る石英ガラス
組成の存在を見出した。すなわち、本発明者が発見した
事実は主に以下の三点である。一点目は、石英ガラスの
本質を成す主成分の二酸化珪素(SiO2)の中に、ナ
トリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(T
i)および鉄(Fe)の不純物が多く存在すると短波長
紫外線を吸収し、石英ガラスの透過率低下をきたすこ
と。石英ガラスの経時的透過率低下がこれらの不純物に
起因することは、数多くのガラスサンプルを短波長紫外
線透過率の観点で調査分析し、統計的手法を用いて特定
した。二点目は、初期においては若干の透過率低下であ
っても放電灯の使用中に石英ガラスを経時的に変質さ
せ、次第に大幅な透過率低下につながること。三点目
は、OH基の存在によって上述した石英ガラスの変質を
緩和させ得ること。石英ガラスの変質及び変質緩和のメ
カニズムについて考察した結果を述べると次のようにな
る。変質は、石英ガラスの「Si−O」の結合が紫外線
エネルギーによって分解しフリーの珪素(Si)が生成
されるために生ずる現象であって透過率低下を伴う。こ
こで、「Si−O」の解離エネルギーは145kCal
/molであることから、200nmの紫外線エネルギ
ーに相当する。よって、石英ガラスが200nm以下の
波長の紫外線に晒されたとき透過率低下の原因となる
「Si−O」の解離が生じることになる。そして、変質
緩和とは、フリーの珪素(Si)がOH基と再結合して
「Si−OH」になることで、フリーのSiの存在を抑
制する効能を持つと考えられる。
【0007】かくして、以上を考慮して、本発明に係る
短波長紫外線用石英ガラスは、200nm以下の波長域
の紫外線に晒されて使用される石英ガラスにおいて、天
然の水晶もしくは珪砂を出発原料とし、ナトリウム(N
a)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)および鉄
(Fe)の4種からなる元素の総含有量が2.5ppm
以下であって、10ppm以上のOH基を含むことを特
徴とするものである。
【0008】天然の水晶もしくは珪砂を出発原料とする
石英ガラスにあっては、各種の物質が不純物として含ま
れている。上記のように、これらの不純物の中でも、ナ
トリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(T
i)および鉄(Fe)の4種の元素が多く存在すると、
石英ガラスの透過率低下をきたす原因となる。その一方
で、OH基の存在が石英ガラスの変質を緩和させ得る。
すなわち、石英ガラスの主成分である二酸化珪素(Si
2)の「Si−O」の結合が紫外線エネルギーによっ
て分解されて透過率低下の原因となるフリーのSiが生
成されるのを、OH基がフリーのSiと再結合して「S
i−OH」になることで抑制することができる。発明者
による実験・研究の結果、これらの4種の元素の総含有
量が2.5ppm以下であって、10ppm以上のOH
基を含むようにすると、短波長域紫外線による石英ガラ
スの経時劣化をかなり改善できることが判明した。よっ
て、石英ガラスの材質をそのように選定若しくは設定す
ることにより、短波長域紫外線による経時劣化をかなり
改善した(すなわち、良好な紫外線透過率を長期間維持
することのできる)石英ガラスを提供することができ
る。
【0009】なお、200nmよりも長い波長域の紫外
線に対しては、上記のように石英ガラスにおける「Si
−O」の解離が起こりにくいので、本発明の対象外とし
た。また、上記4種の元素の総含有量の境界値を「2.
5ppm以下」と設定した理由は、実験を重ねた結果の
経験に基づき設定した。例えば、「4.0ppm」の総
含有量のものでは明らかに良くなく、「3.06pp
m」の総含有量のものでもあまり良くない。一方、
「1.56ppm」の総含有量のものは良好であり、ま
た、「1.20ppm」の総含有量のものも良好である
ことが確認できた。よって、これらの経験的データのほ
ぼ中間をとって、「2.5ppm以下」の総含有量に境
界設定をすれば、良好な結果を得ることができることが
確認された。また、OH基の含有量の境界値を「10p
pm以上」と設定した理由は、フリーのSiを捕捉する
だけの量が存在していればよいことから、最低ラインを
そのように設定した。
【0010】本発明に係る放電灯は、上記のように構成
した石英ガラスを素材とした容器の中に、200nm以
下の波長域の紫外線を発光する物質を封入して構成した
ことを特徴とする放電灯である。この構造によって、紫
外線強度維持率を大幅に改善した放電灯を提供すること
が可能となる。
【0011】本発明に係る紫外線照射装置は、上記のよ
うに構成した放電灯を搭載したことを特徴とするもので
ある。これにより、長期間にわたって高い紫外線透過率
を維持することのできる紫外線照射装置を提供すること
ができ、ランニングコストの安い、省エネルギー型の紫
外線照射装置を提供することが可能となる。
【0012】本発明に係る石英ガラスは、上記のように
紫外線放電灯の容器(バルブ)そのものに限らず、該放
電灯を保護するための容器つまり外管若しくは保護管の
素材としても利用するこができる。この場合も、上述と
同様の作用効果が期待できる。また、本発明に係る石英
ガラスを、紫外線放電灯の容器(バルブ)そのものに使
用すると同時に、該放電灯を保護するための容器つまり
外管若しくは保護管の素材としても利用するようにして
よく、そうすると、より一層ランニングコストの安い、
省エネルギー型の紫外線照射装置を提供できる。
【0013】
【発明の実施の形態】図1に本発明の一実施例に係る放
電灯Lの一例を示す。図1に示す放電灯Lが、図5に示
した従来の放電灯30と異なる点は、本発明の一実施例
に係る放電灯Lの発光管バルブ11の材質が、従来の放
電灯30の発光管バルブ10の材質と異なっている点の
みである。他の構成は、従来同様のものを用いてよいの
で、それらについての詳細説明は省略する。放電灯Lの
発光管バルブ11の材質を構成する石英ガラスは、天然
の水晶もしくは珪砂を出発原料とするものであって、ナ
トリウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(T
i)および鉄(Fe)の4種類からなる元素の総含有量
が2.5ppm以下であって、10ppm以上のOH基
を含むものからなっている。例えば、発光管バルブ11
の内径は22mm、肉圧は1mmで、その両端には15
0cmの間隔で酸化バリウム系のエミッターを塗布した
一対のフィラメント21a,21bが配置してあり、ま
た、管内には約20mgの水銀と130Paのアルゴン
ガスを封入してある。また、放電灯Lは、200nm以
下の波長域の紫外線を発光するように構成される。この
ように、放電灯Lの発光管バルブ11の材質を構成する
石英ガラスにおいて、ナトリウム(Na)、カリウム
(K)、チタニウム(Ti)および鉄(Fe)の4種類
からなる元素の総含有量が2.5ppm以下であって、
10ppm以上のOH基を含むようにしたことにより、
該放電灯Lによって発光される短波長域紫外線による発
光管バルブ11の石英ガラスの経時劣化をかなり改善で
きる。
【0014】図2は、石英ガラスの組成として、ナトリ
ウム(Na)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)、
鉄(Fe)の総含有量およびOH基の含有量をパラメー
タとして製作した各種の放電灯を長期間にわたって点灯
実験することに得られた紫外線強度維持率曲線である。
放電灯の形状・寸法はいずれも同じで、横軸は点灯時
間、たて軸は本発明による放電灯の強度の初期値を10
0%とした時の185nm波長の紫外線強度である。各
曲線A,B,C,Dに対応する各放電灯における石英ガ
ラスの組成条件は下記表の通りである。
【0015】
【0016】曲線Aが、本発明で定義するナトリウム
(Na)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)および
鉄(Fe)の4種類からなる元素の総含有量が2.5p
pm以下であって、10ppm以上のOH基を含む、と
いう条件を満たすものであり、曲線B,C,Dはこの条
件を満たさないものである。図2において、曲線Aが一
番良い結果を示していることから明らかなように、石英
ガラス中の不純物であるナトリウム(Na)、カリウム
(K)、チタニウム(Ti)、鉄(Fe)の4種の元素
の総含有量およびOH基の含有量を本発明に従って設定
することで、経時的な紫外線強度維持率を大きく向上さ
せることができる。なお、図2の実験に際しては、大気
中での紫外線に対する反応によりオゾンが発生し、その
発生したオゾンが放電灯と紫外線強度計の間に介在する
と測定値がばらつくので、紫外線強度計を放電灯外面に
直付けして測定した。
【0017】本発明が適用される紫外線殺菌・消毒の技
術分野にあっては、放電灯の入力密度の大小にかかわら
ず、一般に1年間使用後の紫外線維持率を70%とみな
して装置を設計するので、その観点に立つと、図2の曲
線Aの結果をもたらす組成の石英ガラスが有効であり、
曲線B,C,Dの結果をもたらす組成の石英ガラスは明
らかに有効ではないことがわかる。このように、石英ガ
ラスの不純物であるナトリウム(Na)、カリウム
(K)、チタニウム(Ti)、鉄(Fe)の4種の元素
の総含有量が「2.5ppm以下」であれば、1年間使
用後の紫外線維持率を70%以上に確保することができ
る。なお、OH基の含有量に関して注釈するならば、1
0ppm未満はSi−OHの再結合効果に対して不十分
である。
【0018】上記実施例では本発明に係る石英ガラスを
使用した例として、水銀を発光物質とした水銀蒸気放電
灯について述べたが、水銀蒸気放電灯のみならず、20
0nm以下の波長域に発光する放電灯であれば、例えば
クセノン(Xe)、塩素(Cl)、臭素(Br)、フッ
素(F)等、エキシマ発光を放射し得る物質を封入した
放電灯等についても、本発明を適用することで、同様の
作用効果を得ることができる。また、上記実施例ではフ
ィラメントを備えた放電灯を用いて説明したが、有電
極、無電極等の構造に関係なく、いずれの点灯方式から
なる放電灯に対しても本発明を適用することができ、同
様の作用効果を得ることができる。
【0019】また、本発明に係る素材からなる石英ガラ
スは、放電灯それ自体の発光管バルブに限らず、200
nm以下の波長域の紫外線に晒されて使用される如何な
る部分・部品・装置においても使用することができる。
例えば、図4に示されたような外管(保護管)20にお
ける紫外線透過性ガラス壁の材質として本発明に係る石
英ガラスを使用することができる。このような放電灯収
納用の外管(保護管)つまり容器の形状は、円筒形に限
らず、どのような形状であってもよい。
【0020】図1に示した本発明の実施例に係る放電灯
L(発光管バルブ11の内径が22mm、肉厚が1m
m、フィラメント間隔が150cmで、約20mgの水
銀と130Paのアルゴンガスを封入したもの)を本発
明に係る素材からなる石英ガラス製の外管内に収納して
なる紫外線照射装置(以下、本発明装置という)と、従
来技術による放電灯を従来技術による石英ガラス製外管
内に収納してなる紫外線照射装置(以下、従来装置とい
う)との経時的処理能力を対比した実験結果を図3に示
す。図3は、本発明装置と従来装置につき、TOC濃度
10ppbの原水を1ppb以下にできる処理能力を単
位電力量当たりの処理流量で比較した図であり、たて軸
が該処理流量(トン/kWH)を示し、横軸が時間を示
す。ここで、本発明装置と従来装置とでは、放電灯およ
び外管に使用する石英ガラスの材質が異なる点以外は全
く同一の構成・寸法の装置を使用した。この図より、従
来装置は、1年間の使用目安となる8500時間後には
約40%に能力低下するのに対して、本発明装置は80
%近い能力を維持していることが分かる。つまり、両者
の処理能力は、初期には僅かな差ではあるものの、使用
時間が進むにつれて著しい差が生じることが明らかであ
る。ここで、かかる紫外線照射装置は、殺菌・消毒等の
目的で各種プラントや工場などで長期にわたって使用さ
れるものであるため、一般に装置の規模は1年後の能力
を考慮して設計している。よって、従来装置では、1年
後の大きな能力低下を考慮に入れてそれに耐えうるよう
放電灯数を増しておくなど初期設備投資が嵩むのに対し
て、本発明装置では、そのような能力低下がないので、
初期設備投資を圧縮することができる。従って、本発明
によれば、単に省エネルギーであるのみならず、設備投
資の削減に役立つので有利である。なお、本発明に係る
紫外線照射装置が対象とする被処理物体は、液体に限ら
ず、固体あるいは気体であってもよい。
【0021】なお、紫外線の透過率が良好な石英ガラス
として、四塩化珪素(SiCl4)を出発原料として製
造される、いわゆる合成石英と称される人造の石英ガラ
スが知られており、この石英ガラスは、本発明で述べ
た、ナトリウム(Na),カリウム(K),チタニウム
(Ti),鉄(Fe)の4種類のみならず、本発明で問
題視していないアルミニウム(Al),リチウム(L
i),マグネシウム(Mg),カルシウム(Ca),ク
ローム(Cr),ニッケル(Ni),銅(Cu),亜鉛
(Zn),鉛(Pb)等のほとんどの不純物に対する含
有量が極めて少ないことが特徴である。しかしながら、
著しく高価であるため、本発明の分野における実用性に
は乏しい。よって、本発明の対象外である。
【0022】
【発明の効果】以上の通り、本発明によれば、200n
m以下の波長域の紫外線に晒されて使用される石英ガラ
スにおいて、天然の水晶もしくは珪砂を出発原料とし、
ナトリウム、カリウム、チタニウムおよび鉄の4種から
なる元素の総含有量が2.5ppm以下であって、10
ppm以上のOH基を含むように構成したので、200
nm以下の短波長域紫外線による石英ガラスの経時劣化
を改善することができ、低コスト及び省エネルギー型の
紫外線照射装置を提供することができる、という優れた
効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る放電灯の一実施例を示す一部断
面略図。
【図2】 石英ガラスの組成として、ナトリウム(N
a)、カリウム(K)、チタニウム(Ti)、鉄(F
e)の総含有量およびOH基の含有量をパラメータとし
て製作した各種の放電灯を長期間にわたって点灯実験す
ることに得られた紫外線強度維持率曲線を示すグラフ。
【図3】 本発明に従う紫外線照射装置と従来技術の紫
外線照射装置とについて、TOC濃度10ppbの原水
を1ppb以下にできる処理能力を、単位電力量当たり
の処理流量で比較した実験結果を示すグラフ。
【図4】 従来技術による液体の紫外線照射装置の一例
を示す図。
【図5】 従来技術による放電灯の一例を示す一部断面
略図。
【符号の説明】
L,30 放電灯 10,11 発光管バルブ 20 外管 1 ステンレス製シリンダー 1a,1b フランジ 1c 入水口 1d 出水口 1e,1f,1g,1h,1i 緩流板 2a,2b ガラスステム 3a,3b 口金部 21a,21b フィラメント
フロントページの続き Fターム(参考) 4G062 AA03 BB02 DA08 DB01 DC01 DD01 DE01 DF01 EA01 EA10 EB01 EB02 EC01 EC02 ED01 EE01 EF01 EG01 FA01 FA10 FB01 FB02 FC01 FD01 FE01 FF01 FG01 FH01 FJ01 FK01 FL01 GA01 GA10 GB01 GC01 GD01 GE01 HH01 HH03 HH05 HH07 HH09 HH11 HH13 HH15 HH17 HH20 JJ01 JJ03 JJ05 JJ07 JJ10 KK01 KK03 KK05 KK07 KK10 MM24 NN35 5C043 AA03 AA06 CC08 CD01 DD01 EB15

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 200nm以下の波長域の紫外線に晒さ
    れて使用される石英ガラスにおいて、天然の水晶もしく
    は珪砂を出発原料とし、ナトリウム、カリウム、チタニ
    ウムおよび鉄の4種からなる元素の総含有量が2.5p
    pm以下であって、10ppm以上のOH基を含むこと
    を特徴とする短波長紫外線用石英ガラス。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の石英ガラスを素材とし
    た容器の中に、200nm以下の波長域の紫外線を発光
    する物質を封入して構成したことを特徴とする放電灯。
  3. 【請求項3】 請求項2に記載の放電灯を搭載したこと
    を特徴とする紫外線照射装置。
  4. 【請求項4】 請求項1に記載の石英ガラスを素材とし
    た容器であって、200nm以下の波長域の紫外線を発
    光する放電灯を内部に収納する目的で使用される放電灯
    収納容器。
  5. 【請求項5】 請求項1に記載の石英ガラスを素材とし
    た容器の中に、200nm以下の波長域の紫外線を発光
    する物質を封入して構成してなる放電灯と、 請求項1に記載の石英ガラスを素材とした容器であっ
    て、前記放電灯を内部に収納してなるものとを具備する
    紫外線照射装置。
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