JP2002096106A - 伝熱管製造用の溝付き圧延ロール - Google Patents
伝熱管製造用の溝付き圧延ロールInfo
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Abstract
れる溝付き圧延ロールの耐摩耗性及び耐食性を向上さ
せ、長寿命化を図る。 【解決手段】 内面溝付き伝熱管製造用WC基超硬合金
製溝付きロールに、非晶質炭素被膜を被覆する。さらに
好ましくは中間層被膜として炭化けい素被膜を被覆す
る。
Description
(以下、単に溝と略記)が形成された伝熱管を製造する
ために用いられる帯状金属板に溝を転写加工する溝付き
ロールに関する。
ている銅やアルミニウム等の金属又は合金製伝熱管に
は、伝熱性能を向上させるために、その内面に多数の溝
が形成されている。この溝付き伝熱管の製造方法の一つ
として、図2にその概念図を示すように、金属板の片面
に多数の溝を溝付きロールによって転写し、その面を内
側にして管状に成形した後、当接部を溶接する方法が特
開平10−328729に開示されている。
ロールには、従来炭化タングステン(WC)基超硬合金
のうち、比較的強度かつ靭性に優れ、また、耐食性、耐
酸化性に優れる、WC平均粒度が1.0〜3.0μm、
結合相金属であるCo及び/又はNi量が合計10〜2
0質量%である合金が多く用いられてきた。
ロールにおいては、被加工材の凝着・分離によるロール
溝部の摩耗や、使用する潤滑剤の種類によっては超硬合
金の結合相の腐食により寿命に至るため、ロール交換の
頻度が高く、製造コスト上昇の原因となるという問題点
があった。本発明は、従来の溝付き伝熱管製造用ロール
に比べ、耐摩耗性及び耐食性に優れる、溝付き伝熱管製
造用ロールの提供を目的としている。
を解決するために、WC基超硬合金からなるロール基材
の表面に非晶質炭素被膜を被覆したものである。非晶質
炭素被膜は銅やアルミニウムとの親和性が低く、それら
に対する摩擦係数も比較的低いことから、伝熱管製造時
にロールに被加工材が凝着しにくく、ロール溝部の摩耗
を抑えることができ、さらにこの被膜は化学的に極めて
安定であるため、潤滑剤による腐食を防止することがで
きる。
するには、例えば1〜100Pa程度の低圧の炭化水素
ガス雰囲気中で、高周波発振器によりガスプラズマを発
生させて炭化水素ガスを分解し、一方、ロール基材に1
00〜2000Vのバイアス負電圧を加えるプラズマC
VD法により被覆することができる。
m程度とすることが望ましく、0.5μm未満の場合
は、寿命向上の効果が低く、また5.0μmを超える
と、基材との熱膨張係数差に起因する被膜中の残留応力
が大きくなり、使用時に被膜が破壊または剥離しやすく
なる。被膜硬さは被覆処理時の基材温度やバイアス電圧
などにより変化させることができ、その硬さ値は100
0〜3000HVであることが望ましい。1000HV
未満では被膜は軟質なため、耐摩耗効果が低く、300
0HVを超えると、被膜そのものの靭性が低下するた
め、使用時に被膜中にクラックが生じやすくなることに
起因して、被膜が剥離しやすくなる。
間に中間層として炭化けい素被膜を被覆することによ
り、基材/中間層被膜/非晶質炭素被膜間の密着力が向
上し、伝熱管製造時の被膜の耐剥離性を改善することが
できる。
0μm程度とすることが望ましく、0.2μm未満の場
合は、密着力向上の効果が低く、2.0μmを超えると
基材及び非晶質炭素被膜との熱膨張係数差による被膜中
の残留応力が大きくなり、使用時に被膜が剥離しやすく
なる。
(以下、すべて%と略記)以上、30%以下のフッ素を
含ませることにより、被膜への被加工材の凝着をさらに
抑制し、被膜の耐摩耗性を一層向上させることができる
が、1.0%未満ではフッ素添加の効果が見られず、ま
た30%を超えると被膜の強度が低下し、被膜が剥離し
やすくなる。
その結合相は合金中含有量が10〜28%のFe、C
o、Niのうちの1種または2種以上の鉄族金属とし、
WCの平均粒度は0.4μm以上、5μm以下で、合金
硬さを1000HV以上、1400HV以下とするのが
望ましい。これは1000HV未満ではロール溝が加工
応力により塑性変形しやすくなり、また1400HVを
超える場合では靭性が低下し、ロール溝が欠損しやすく
なるためである。
して説明する。 例1)WC−15%Ni超硬合金(WC平均粒度1.5
μm、硬さ1190HV30)を用いて、図1の概念図
に示すような外径150mm、厚さ25.0mmの伝熱
管製造用溝付きロールを作製した。この時、溝の形状及
び円周方向に対する角度の異なる各セグメントロール
は、真空中、980℃×3hrの拡散処理により接合し
た。ロールの表面にはまず、反応性イオンプレーティン
グ法により、厚さ0.5μmの炭化けい素中間層被膜を
被覆した。すなわち熱電子ビーム銃にて金属けい素を蒸
発させ、流量2ml/min、圧力1PaのCH4雰囲
気中、基材温度100℃、高周波出力50W、バイアス
電圧−1000V、被覆時間0.3hrにてけい素蒸気
をイオン化し、炭化物として、基材表面に生成させた。
次いで、プラズマCVD法により流量80ml/mi
n、圧力10PaのCH4雰囲気中で、基材温度100
℃、高周波出力50W、バイアス電圧−1000Vにて
被覆時間を変えることにより、種々厚さの非晶質炭素被
膜を被覆した。得られた本発明品No.1〜7の非晶質
炭素被膜の厚さ及び硬さを表1に示した。
で、微小ビッカース硬さ計(荷重、10gf)によって
測定した。この場合の硬さ測定値には、基材の硬さの影
響が避けられないが、被膜のみの硬さを正確に測定する
ことは困難であるので、便宜上これをもって被膜硬さと
した。
に示すような伝熱管の溝転写加工を行った。すなわち被
加工材は幅25.0mm、厚さ0.4mmの帯状銅板と
し、その片面に水溶性潤滑剤を用いながら溝転写加工を
行った。加工後のロール溝凸部の摩耗量を測定し、その
結果及びロールの形状保持寿命を被覆処理なしのロール
(No.8)と比較して表1に併示した。ここで形状保
持寿命とは、所定の長さの帯状銅板1コイルを加工した
時点で、転写された溝形状がコイル全長にわたって所定
の公差内にある場合を100%としたときの公差内形状
維持長さのことである。
μm未満または5.0μmを超えるロール(No.6、
7)は、被覆処理なしのロールよりは優れるものの、い
ずれも被膜の消失や剥離により形状保持寿命が短くなる
ことが分かる。非晶質炭素被膜の被膜厚さが0.5〜
5.0μmの範囲内にあるロール(No.1〜5)は溝
凸部の摩耗量が少なく、さらに使用可能であった。
と同様にし、その後被膜厚さ約2.0μmの非晶質炭素
被膜を被覆したロールを作製した。この時、基材温度及
び/又はバイアス電圧を変化させて非晶質炭素被膜の硬
さを種々変化させた。得られた非晶質炭素被膜の硬さ、
例1と同様に帯状銅板1コイルの溝転写加工を行った後
のロール溝凸部の摩耗量、及びロールの形状保持寿命を
表2に示した。被膜硬さが1000〜3000HVの範
囲内にあるロール(No.9〜12)は加工後の摩耗量
が比較的少なく、なお使用可能であったが、被膜硬さが
低いロール(No.13)では、摩耗量は多くなり、ま
た被膜硬さが高いロール(No.14)では被膜の一部
が剥離し、溝部への銅の凝着が生じ、いずれも形状保持
寿命が短くなった。
て、中間層被膜の被覆時間を変化させ、その他の被覆条
件は例1と同様にして、種々厚さの炭化けい素中間層被
膜及び被膜厚さ約2.0μmの非晶質炭素被膜を被覆し
たロールを作製した。得られた中間層被膜の厚さ及び例
1と同様に帯状銅板1コイルの溝転写加工を行った後の
ロール溝凸部の摩耗量、及びロールの形状保持寿命を表
3に示した。
μm未満の範囲内にあるロール(No.15〜17)
は、加工後の被膜の摩耗量が少なくさらに使用可能であ
った。一方、中間層被膜無しのロール(No.18)及
び中間層被膜厚さが2.0μm以上のロール(No.1
9)は、いずれも帯状銅板1コイルに達する前に被膜が
剥離し、寿命に達した。
て、例1と同様に被膜厚さ0.5μmの炭化けい素中間
層被膜を被覆した。その後続けて、CH4及びHFガス
を用いて例1と同様の条件で、被膜中にフッ素を含む被
膜厚さ2.0μmの非晶質炭素被膜を被覆した。この
時、CH4/HF比を種々変化させ、得られた非晶質炭
素被膜の被膜中フッ素量(EPMAにより分析)、被膜
硬さ及び例1と同様に帯状銅板1コイルの溝転写加工を
行った後のロール溝凸部の摩耗量、及びロールの形状保
持寿命を表4に示した。被膜中フッ素量が1.0%以
上、30%以下であるロール(No.21〜24)は、
フッ素を含まない例1で示した本発明品No.3に比
べ、加工後の摩耗量が少なく、なお使用可能であった。
被膜中フッ素量が1.0%未満であるロール(No.2
0)では、摩耗量は本発明品No.3と同程度であっ
た。また被膜中フッ素量が30%を超える場合(No.
25)は、転写加工中に被膜の剥離が発生した。このこ
とから、非晶質炭素被膜中に1.0%以上、30%以下
のフッ素を含ませることにより、被膜の耐摩耗性がさら
に向上することが分かる。
晶質炭素被膜をプラズマ被覆した本発明の伝熱管製造用
溝付き圧延ロールは、優れた溝形状転写性を示すととも
に、高耐摩耗性を有することにより、被加工材の品質が
向上するとともに、ロールの寿命が長くなり、工業上極
めて有益である。
ルの概念図である。
ある。
Claims (4)
- 【請求項1】 伝熱管製造用帯状金属板の片側表面に、
圧延加工により溝状凹凸を形成するために用いられる溝
付き圧延ロールにおいて、該ロールの外周部に非晶質炭
素被膜が被覆されていることを特徴とする溝付き伝熱管
製造用WC基超硬合金製ロール。 - 【請求項2】 非晶質炭素被膜の厚さが0.5μm以
上、5.0μm以下であり、かつ被膜の微小ビッカース
硬さが1000HV以上、3000HV以下であること
を特徴とする請求項1に記載の伝熱管製造用ロール。 - 【請求項3】 非晶質炭素被膜と基材超硬合金との間
に、中間層として被膜厚さが0.2μm以上、2.0μ
m未満である炭化けい素被膜を被覆したことを特徴とす
る請求項1または2に記載の伝熱管製造用ロール。 - 【請求項4】 非晶質炭素被膜中に1.0質量%以上、
30質量%以下のフッ素を含むことを特徴とする請求項
1乃至3のいずれかに記載の溝付き伝熱管製造用ロー
ル。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2000324745A JP4102963B2 (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | 伝熱管製造用の溝付き圧延ロール |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2000324745A JP4102963B2 (ja) | 2000-09-19 | 2000-09-19 | 伝熱管製造用の溝付き圧延ロール |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
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JP2002096106A true JP2002096106A (ja) | 2002-04-02 |
JP4102963B2 JP4102963B2 (ja) | 2008-06-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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Country Status (1)
Country | Link |
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JP (1) | JP4102963B2 (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200001891A (ko) * | 2018-06-28 | 2020-01-07 | 경희대학교 산학협력단 | 전열성능이 향상된 전열관 및 이의 제조방법 |
-
2000
- 2000-09-19 JP JP2000324745A patent/JP4102963B2/ja not_active Expired - Lifetime
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR20200001891A (ko) * | 2018-06-28 | 2020-01-07 | 경희대학교 산학협력단 | 전열성능이 향상된 전열관 및 이의 제조방법 |
KR102249875B1 (ko) * | 2018-06-28 | 2021-05-11 | 두산중공업 주식회사 | 전열성능이 향상된 전열관 코팅액 조성물, 이를 이용한 전열관 제조방법 및 전열관 |
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JP4102963B2 (ja) | 2008-06-18 |
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