JP2002095729A - 消臭剤およびその用途 - Google Patents

消臭剤およびその用途

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JP2002095729A
JP2002095729A JP2000292223A JP2000292223A JP2002095729A JP 2002095729 A JP2002095729 A JP 2002095729A JP 2000292223 A JP2000292223 A JP 2000292223A JP 2000292223 A JP2000292223 A JP 2000292223A JP 2002095729 A JP2002095729 A JP 2002095729A
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deodorant
garlic
acid
water
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JP2000292223A
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English (en)
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Kentaro Kaneko
憲太郎 金子
Koichi Kotani
弘一 小谷
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Takeda Pharmaceutical Co Ltd
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Takeda Chemical Industries Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ニンニク臭消臭用の新しい消臭剤を提供す
る。 【解決手段】 セリ科植物の抽出画分を有効成分とす
る、特にニンニク臭消臭用の消臭剤およびそれを用いた
加工食品。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は口臭や飲食物の消臭
用の消臭剤、特にニンニク臭の消臭剤およびその用途に
関する。
【0002】
【従来の技術】ニンニクは滋養・強壮など、優れた効用
を有する食品として世界中で広く食されている植物であ
るが、独特の不快な臭いを有するため、これを食すのを
避けることも多い。この不快な臭いは、調理時にニンニ
クを切断、破砕等した場合の他、これを食した後の呼気
中にも生じる。このようなニンニク臭を弱めたり、消臭
するために従来から種々の方法が開発されており、ある
種のセリ科植物の抽出物の使用も提唱されている。例え
ば、特開昭63−262156号には、パセリなどのセ
リ科植物の凍結乾燥粉末を消臭剤として使用することが
記載されている。特開平5−317397号には、トウ
キまたはその処理物を有効成分とする消臭剤が記載され
ている。また、特開平6−190027号には、イノン
ド、キャラウエイ、フェンネル、アマウイキョウ、フェ
ンドロ、ハマボウフウ、アニスから選ばれるセリ科植物
抽出物を有効成分とする消臭剤が記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明は口臭の消臭や
食品への使用に適した新たな消臭剤、特にニンニク臭の
消臭剤を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明者らはニンニク臭
の消臭について鋭意検討した結果、セリ科植物に由来す
る特定の抽出画分に優れたニンニク臭消臭作用があるこ
とを見出し、本発明を完成するに至った。
【0005】すなわち本発明は、 (1)セリ科植物の抽出画分であって、(A)水に不溶
性であり、(B)エチルアルコールに可溶性であり、
(C)赤外吸収スペクトル(KBr法)において、波数
3392、約2900、約1200〜1000、約17
30〜1500cm-1に吸収ピークを有し、(D)グル
コース、ガラクトース、ラムノース、ラクトース、リボ
ースおよびガラクツロン酸を構成糖に有し、(E)40
0℃の熱分解でのGC/MSにおいて、二酸化炭素、ギ
酸、酢酸、ヒドロキシプロパノンおよびレボグルコサン
のピークを有し、(F)カルボニル基を骨格に含む多糖
類である画分を有効成分とする消臭剤
【0006】(2)セリ科植物の抽出画分であって、
(A)水に可溶性であり、(B)エチルアルコールに不
溶性であり、(C)赤外吸収スペクトル(KBr法)に
おいて、波数3435、2939、1748、162
6、約1200〜1000cm-1に吸収ピークを有し、
(D)ガラクトース、ラムノース、ガラクツロン酸およ
びグルクロン酸を構成糖に有し、(E)400℃の熱分
解でのGC/MSにおいて、酢酸およびレボグルコサン
のピークを有し、(F)乾燥粉末の外観が白色であり、
(G)ニンヒドリン反応が陰性の多糖類である画分を有
効成分とする消臭剤
【0007】(3)パセリから由来する上記(1)また
は(2)の消臭剤 (4)飲食物の消臭用である上記(1)〜(3)のいず
れか1項記載の消臭剤 (5)口臭消臭用である上記(1)〜(3)のいずれか
1項記載の消臭剤 (6)上記(1)〜(3)のいずれか1項記載の消臭剤
を含有する食品 を提供するものである。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明に用いられるセリ科植物と
しては、薬用ないし食用に供されるセリ科植物であれば
いずれでもよい。例えば、イノンド属(例、イノン
ド)、シシウド属(例、あしたば、えぞにう、当帰、の
だけ)、ヤマゼリ属(例、やまぜり)、オランダミツバ
属(例、オランダミツバ、マツバゼリ)、ヒメウイキョ
ウ属(例、ヒメウイキョウ)、ハマゼリ属(例、センキ
ュウ)、シラネニンジン属(例、いぶきぜり)、コエン
ドロ属(例、コエンドロ)、ミツバ属(例、みつば、む
らさきみつば、ミツバセリモドキ)、ニンジン属(例、
ニンジン)、オオウイキョウ属(例、オオウイキョ
ウ)、ウイキョウ属(例、ウイキョウ)、ハナウド属
(例、ハナウド)、セリ属(例、セリ)、アメリカボウ
フウ属(例、アメリカボウフウ)、オランダゼリ属
(例、オランダゼリ(パセリ))、ハマボウフウ属
(例、ハマボウフウ)またはサワゼリ属(例、ムカゴニ
ンジン、サワゼリ)に属するセリ科植物が挙げられる。
これらは単独でも、2種以上を併用しても良い。
【0009】本発明の消臭剤は、生体内に取り入れるも
のであるので、セリ科植物であっても、毒性物質を含有
するドクゼリ属またはドクニンジン属に属する植物は適
さない。また、入手しやすさおよび安全性などの観点か
ら、セリ、オランダゼリ(パセリ)およびミツバなどの
ようなセリ属、オランダゼリ属およびミツバ属の植物が
好ましく、特にパセリが好ましい。本発明においては、
これらのセリ科の植物の花、種子以外の、葉、茎および
根など、植物体のいずれの部分でもよく、複数の部位を
混合してもよい。また、経済性の観点からは、食用に用
いず通常廃棄される茎部等を用いることも好ましい。植
物の採取時期は特に限定するものではなく、使用する植
物体は、生のものでも、乾燥物でもよい。
【0010】本発明の消臭剤は、原料のセリ科植物に由
来する特定の抽出画分を有効成分とする。原料のセリ科
植物は、必要に応じて枯葉、石、土および害虫などを取
り除き、水洗浄した後、水切りしたものを用いる。原料
のセリ科植物は、搾汁または抽出の効率を高めるため、
搾汁または抽出の前に、原料を細断(約1〜20mm)
し、またはミキサーなどで破砕したものであってもよ
い。
【0011】抽出液の調製は、溶媒として、水のほか、
各種の有機溶媒およびそれらの混合物を用い、自体公知
方法で行う。抽出操作を行う前に、原料をそのまま、ま
たは粗く細断したものを、疎水性もしくは親水性溶媒単
独または混合有機溶媒で洗浄し、色素等の不要物を除去
してもよい。疎水性溶媒としては、クロロホルム、エー
テル、ヘキサン、シクロヘキサン、トルエン、ジクロロ
メタン、石油エーテルおよびベンゼンなどが挙げられ、
親水性溶媒としては低級アルコール(例、メチル、エチ
ル、n−プロピル、イソブチルまたはブチルアルコール
など)、酢酸エチル、アセトン、イソプロピルアルコー
ルおよびアセトニトリルなどが挙げられる。所望により
原料に水を適宜加え、原料を湿潤させてもよい。
【0012】水で抽出を行うには、例えば、原料1重量
部に対し、水0.5〜10重量部を加え、40〜120
℃で、5分〜2時間、好ましくは10〜60分間、さら
に好ましくは10〜20分間抽出を行うことができる。
このとき、撹拌により抽出効率を高めることもできる。
また、抽出は、加熱還流により行うこともできる。抽出
後、熱時、濾布、フィルターまたはメッシュ金網などを
用いて濾過または圧搾を行う。ここで、熱時濾過を行う
ことは、高い回収率の観点から重要である。この場合、
加圧して作業効率を高めてもよい。別法として、遠心分
離(1000〜20000rpm)により抽出液を得る
こともできる。回収率を高めるために、この抽出・濾過
工程を1〜5回繰り返すことができるが、抽出液の濃度
および作業効率の観点から1〜3回が好ましい。
【0013】有機溶媒で抽出を行うには、例えば、原料
1重量部に対し、溶媒0.5〜10重量部を加え、水で
の抽出におけると同様にして抽出物を得ることができ
る。用いる溶媒としては上記した疎水性、親水性溶媒が
単独で、または2種以上を組み合わせて使用することが
でき、5〜50%(v/v)の含水溶媒も使用できる。
【0014】該抽出液から以下の精製処理によって目的
の抽出画分を得る。水抽出を行った場合は、水抽出液を
そのまま精製処理に供することができる。有機溶媒抽出
を行った場合においては、精製の前に、濾過、遠心分
離、蒸留などの常法に従って溶媒の除去を除去し、これ
に原料1重量部に対し0.5〜10重量部の水を加えて
分散または溶解させる。
【0015】上記水抽出液または水溶液もしくは分散液
を、約1/5〜1/40容まで濃縮する。濃縮は、常圧
下または減圧下で、加熱(40〜120℃)して行うこ
とができる。濃縮物を、低温(好ましくは4℃)で、十
分な沈殿物が得られるまで、通常一晩放置する。沈殿物
を、濾布、濾紙、フィルターまたは遠心分離等によって
濾液または上清と分離する。以下、該沈殿物を粗精製画
分A、該濾液または上清を粗精製画分Bと称する。
【0016】粗精製画分AまたはBは、そのまま本発明
の消臭剤として使用することができる。また、所望によ
り以下のさらなる精製を行ってもよい。
【0017】粗精製画分Aにエチルアルコールなどの含
水溶媒(5%〜50%)を加え、加熱するかまたは常温
で溶解させる。該溶液から、濾布、濾紙、フィルターま
たは遠心分離等によって不溶物を除去した後、減圧濃縮
等により有機溶媒を除去する。その結果生じる沈殿物
を、濾布、濾紙、フィルターまたは遠心分離等によって
回収する。別法として、またはこれに加えて、粗精製画
分Aを極性有機溶媒に溶解させ、ジエチルエーテルなど
の非極性有機溶媒と水とを用いる液液抽出によって、ま
たは固相抽出によって脂溶性の不純物を除去することも
できる。以下、該精製後の画分を精製画分Aと称する。
【0018】粗精製画分Bに、エチルアルコールなどの
極性溶媒を徐々に添加して沈殿物を生じさせ、該沈殿物
を濾布、濾紙、フィルターまたは遠心分離等によって回
収する。別法として、またはこれに加えて、活性炭カラ
ムまたは固相抽出により不純物を除去してもよい。以
下、該精製後の画分を精製画分Bと称する。
【0019】上記精製画分Aは、以下の理化学的性質を
有し、多糖類と考えられる。 (A)水に不溶性; (B)エチルアルコールに可溶性; (C)赤外吸収スペクトル(KBr法)において、波数
3392、約2900、約1200〜1000、約17
30〜1500cm-1に吸収ピークを有する; (D)グルコース、ガラクトース、ラムノース、ラクト
ース、リボースおよびガラクツロン酸を構成糖に有す
る; (E)400℃の熱分解でのGC/MSにおいて、ギ
酸、酢酸、ヒドロキシプロパノンおよびレボグルコサン
(1,6−アンヒドロ−β−D−グルコピラノース)の
ピークを有する; (F)カルボニル基を骨格に含む
【0020】一方、上記精製画分Bは、以下の理化学的
性質を有し、やはり多糖類と考えられる。 (A)水に可溶性; (B)エチルアルコールに不溶性; (C)赤外吸収スペクトル(KBr法)において、波数
3435、2939、約1748、1626、約120
0〜1000cm-1に吸収ピークを有する; (D)ガラクトース、ラムノース、ガラクツロン酸およ
びグルクロン酸を構成糖に有する; (E)400℃の熱分解でのGC/MSにおいて、酢酸
およびレボグルコサンのピークを有する; (F)乾燥粉末の外観が白色である; (G)ニンヒドリン反応が陰性である
【0021】粗精製画分AおよびBならびに精製画分A
およびBは、乾燥して乾燥粉末として、そのまま本発明
の消臭剤として使用することができる。また、溶媒に溶
解して溶液の形態にしてもよく、ペーストの形態にして
もよい。
【0022】乾燥は、スプレードライ法、棚乾燥、回転
式乾燥または凍結乾燥法等の方法によって行うことがで
きる。加熱して乾燥する場合、60〜100℃の温度が
好ましい。乾燥は、常圧下または減圧下で行うことがで
きる。
【0023】かくして、本発明の消臭剤は、溶液、ペー
ストまたは乾燥粉末であってもよい。また、常法に従
い、単糖類、2糖類、可溶性多糖類等の賦形剤を加え、
粉末化したものであってもよい。本発明の消臭剤は、さ
らに、これらのバルク形態の消臭剤を配合した粉末剤、
顆粒剤、飴錠剤、カプセル剤またはドリンク剤等の形態
の口臭(ニンニク臭)予防剤または口臭(ニンニク臭)
除去剤であってもよい。また、バルク形態の消臭剤を配
合し、口臭(ニンニク臭)予防機能または口臭(ニンニ
ク臭)除去機能を持たせた菓子類:飴類(あめ、飴玉、
粉あめ、水飴など)、キャンディー類(キャンデー、ゼ
リーキャンデー、キャラメル、ドロップ、ヌガーな
ど)、ゼリー類、メープルシロップまたはスナック菓子
などの形態であってもよい。
【0024】また、上記消臭剤を、ニンニクを含有する
加工食品の製造時に混合することにより、ニンニク臭が
抑制されたニンニク含有加工食品を製造することがで
き、また、食後に不快な口臭を生じないニンニク含有加
工食品を製造することができる。当該加工食品として
は、キムチ、ニンニク漬物(例、みそ漬、しょうゆ
漬)、焼飯、ギョーザ、ニンニクペースト、焼き肉、焼
肉のタレ、ラーメンスープ、ビーフカレーまたはかつお
のたたきの付けたれ、牛肉のたたきのたれ等、通常ニン
ニクを含有する加工食品の他、例えば、菓子類:飴類
(あめ、飴玉、粉あめ、水飴など)、キャンディー類
(キャンデー、ゼリーキャンデー、キャラメル、ドロッ
プ、ヌガーなど)、ゼリー類、メープルシロップまたは
スナック菓子などのように通常はニンニクを含有しない
が本発明のニンニク臭消臭剤を配合することにより、ニ
ンニクを含有させることが可能になる食品も挙げられ
る。上記消臭剤の配合比率は、その精製度および加工食
品中のニンニクの使用量などによって異なるが、通常
0.001〜5.0%(w/w)、好ましくは0.1〜
3.0%(w/w)である。
【0025】本発明の消臭剤は、錠剤または粉末剤など
の形態に適した通常の方法により、ニンニク含有食品の
摂食前、摂食時または摂食後に摂取することができ、消
臭効果が得られる。また、本発明の食品は、通常の食品
と同様に摂食でき、通常のニンニク含有と比べて呼気中
のニンニク臭が抑制される。
【0026】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明をさらに詳しく
説明するが、これらに限定されるものではない。 実施例1 イタリアンパセリの茎1kgを約5mmに裁断し、これ
に5Lの水を加え、常圧で加熱して沸騰させた後、さら
に10分間加熱した。温度が高いうちに、ガラスフィル
ター(160P)で濾過し、濾液を得た。当該抽出・濾
過操作を3回繰り返した。その結果得られた濾液を、減
圧下50℃で2Lまで濃縮した。該濃縮液を4℃で一晩
静置し、沈殿を生じさせた。沈殿物をガラスフィルター
で濾取し、濾液をさらに500mlまで濃縮し、沈殿を
生じさせた。沈殿物をガラスフィルターで濾取し、該沈
殿物と上記沈殿物を混合した(沈殿物A)。濾液はガラ
ス瓶に採取した(濾液B)。
【0027】実施例2 実施例1で得た沈殿物Aをエチルアルコールに溶解し、
1/3容のジエチルエーテルを添加し、分液ロートに移
した。これに水を静かに加えて相分離させ、下層を分取
した。残った上層に水を加え、同じ分取操作をさらに2
回繰り返した。分取した下層を濃縮してエチルアルコー
ルとジエチルエーテルとを除去し、新しいビーカーに移
した。これに水を加えて撹拌した後、4℃で一晩放置し
た。生じた沈殿物を遠心分離(5℃、15000rp
m、10min)によって回収した。該沈殿物をエチル
アルコールに溶解し、同じ精製操作をもう1度繰り返し
た。精製後の沈殿物を凍結乾燥し、淡黄色の粉末(画分
A)4gを得た。
【0028】実施例3 実施例1で得た濾液Bを40℃で減圧濃縮した。撹拌し
ながら3倍容のエチルアルコールを添加し、4℃で一晩
放置した。生じた沈殿物を70%エチルアルコールに懸
濁し、遠心分離(5℃、15000rpm、10mi
n)により回収した。該70%エチルアルコール洗浄
を、上清が透明になるまで繰り返した。該洗浄沈殿物に
水を添加し、加熱しながら撹拌して溶解させ、遠心分離
(5℃、15000rpm、10min)によって上清
を回収した。再度、沈殿物に水を添加し、同様にして上
清を回収した。該2回の上清を混合し、50℃で減圧濃
縮した。撹拌しながら該濃縮液に3倍容のエチルアルコ
ールを添加して沈殿物を生じさせ、遠心分離によって沈
殿を回収した。沈殿物をエチルアルコール、ジエチルエ
ーテルで洗浄した後、風乾して白色の粉末(画分B)6
gを得た。なお、該画分Bについてニンヒドリン反応試
験を行ったところ、結果は陰性であった。
【0029】実施例4 −画分Aの赤外分光分析− 以下の測定条件により、実施例2で得られた画分Aの赤
外分光(FT−IR)分析を行った。 [測定条件] 方式:KBr法 機器:バイオラッド社製FTS−40A フーリエ変換
型赤外線分光分析装置 分解能:4cm-1 検出器:DTGS 積算回数:16 その結果、波数3392cm-1にOH基の吸収ピーク、
約2900cm-1にC−H結合の吸収ピーク、約173
0〜1500cm-1にC=O結合の吸収ピーク、約12
00〜1000cm-1にC−O結合の吸収ピークが認め
られた(図1)。
【0030】実施例5 −画分Aの構成糖分析− 以下の測定方法および条件により、液体クロマトグラフ
法を用い、実施例2で得られた画分Aの構成糖分析(中
性糖分析および酸性糖分析)を行った。 [試料の前処理]試料10mgを取り、2mol/L塩
酸1mlを加え、100℃で3時間加熱した後、塩酸を
除去し、乾燥させた。ついで、水5mlを加え、500
0Gで10分間遠心し、上清を45μmフィルターで濾
過し、20μlを液体クロマトグラフに注入した。 [測定方法および条件] (中性糖分析) 方法:フェニルヒドラジンを用いるポストラベル検出法
(蛍光検出) 分析機器:L−7000形日立高速液体クロマトグラフ 励起波長:330nm 発光波長:470nm 反応液:リン酸 220ml、酢酸 180ml、フェ
ニルヒドラジン 6ml 反応条件:150℃、0.5ml/分 カラム:Asahipak NH2P−50 6mm
I.D.×150mm カラム温度:40℃ 移動相:A(0.5%リン酸/9.5%水/90%アセ
トニトリル) B(0.5%リン酸/24.5%水/75%アセトニト
リル)
【0031】(酸性糖分析) 方法:フェニルヒドラジンを用いるポストラベル検出法
(蛍光検出) 分析機器:L−7000形日立高速液体クロマトグラフ 励起波長:330nm 発光波長:470nm 反応液:リン酸 220ml、酢酸 180ml、フェ
ニルヒドラジン 6ml 反応条件:150℃、0.5ml/分 カラム:日立ゲル3013−N 4mmI.D.×15
0mm カラム温度:70℃ 移動相:A(ホウ酸 6.2g、1mol/L水酸化ナ
トリウム 9.0mlを水に溶解させて1Lにした) B(ホウ酸 18.6g、水酸化ナトリウム 6.0
g、塩化ナトリウム 3.0gを水に溶解させて1Lに
した)
【0032】保持時間に基づく標準試料との比較による
分析の結果、グルコース、ガラクトース、ラムノース、
ラクトース、リボースおよびガラクツロン酸が検出され
た(図2および図3)。表1に、これらの検出された構
成糖の合計に対する各構成糖の百分率を示す。表中、%
は質量%を表す。
【0033】
【表1】
【0034】実施例6 −画分AのGC/MS分析− 以下の測定条件により、実施例2で得られた画分AのG
C/MS分析を行った。 熱分解:400℃ カラム:5%ジフェニルポリシロキサン30m(内径
0.25mm)0.25μmフィルム 温度:40℃〜300℃、昇温20℃/分 質量/荷電:29〜400 その結果、二酸化炭素(保持時間1.50分)、ギ酸(保持
時間1.51分)、酢酸(保持時間1.94分)、ヒドロキシプ
ロパノン(保持時間2.20分)およびレボグルコサン(保
持時間8.30分)などのピークが認められた(図4)。こ
の結果と実施例4の結果から、画分Aの多糖類は骨格に
カルボニル基を有することが確認された。
【0035】実施例7 −画分Bの赤外分光分析− 実施例4と同様の測定条件により、実施例3で得られた
画分Bの赤外分光(FT−IR)分析を行った。その結
果、波数3435cm-1および1626cm-1にOH基
の吸収ピーク、2939cm-1にC−H結合の吸収ピー
ク、約1748cm-1にC=O結合の吸収ピーク、約1
200〜1000cm-1にC−O結合の吸収ピークが認
められた(図5)。
【0036】 実施例8 −画分Bの構成糖分析− 以下の測定方法および条件により、液体クロマトグラフ
法を用い、実施例3で得られた画分Bの構成糖分析(分
析1および分析2)を行った。なお、分析2は、分析1
の条件では困難なマンノースとガラクツロン酸との判別
を行う目的でおこなった。 [試料の前処理]試料の前処理は、画分Aの構成糖分析
での前処理と同様に行った。 [測定方法および条件] (分析1) 方法:フェニルヒドラジンを用いるポストラベル検出法
(蛍光検出) 分析機器:L−7000形日立高速液体クロマトグラフ 励起波長:330nm 発光波長:470nm 反応液:リン酸 220ml、酢酸 180ml、フェ
ニルヒドラジン 6ml 反応条件:150℃、0.5ml/分 カラム:Asahipak NH2P−50 4.6m
mI.D.×250mm カラム温度:40℃ 移動相:A(アセトニトリル) B(0.5%リン酸) C(水)
【0037】(分析2) 方法:フェニルヒドラジンを用いるポストラベル検出法
(蛍光検出) 分析機器:L−7000形日立高速液体クロマトグラフ 励起波長:330nm 発光波長:470nm 反応液:リン酸 220ml、酢酸 180ml、フェ
ニルヒドラジン 6ml 反応条件:150℃、0.5ml/分 カラム:Hitachi gel #3013−N
4.6mmI.D.×150mm カラム温度:70℃ 移動相:A(ホウ酸6.2g、1N水酸化ナトリウム
9.0mLに水に加えて1Lにした) B(ホウ酸18.6g、1N水酸化ナトリウム6.0g
に水に加えて1Lにした)
【0038】保持時間に基づく標準試料との比較による
分析の結果、ラムノース、ガラクトース、ガラクツロン
酸およびグルクロン酸が検出された(図6および図
7)。表2に、これらの検出された構成糖の合計に対す
る各構成糖の百分率を示す。表中、%は質量%を表す。
【0039】
【表2】
【0040】実施例9 −画分BのGC/MS分析− 実施例6と同様の測定条件により、画分BのGC/MS
分析を行った。その結果、酢酸(保持時間2.05分)、レ
ボグルコサン(保持時間7.64分)などのピークが認めら
れた(図8)。
【0041】実施例10 実施例2で得た画分Aのエチルアルコール溶液を、生ニ
ンニクをミキサーで破砕する際に、画分Aが0.02%
(w/w)になるように混合し、ニンニクペーストを調
製した。このニンニクペーストを用いて、餃子を調理し
た(ひき肉100g、ニラ1把、白菜400g、ニンニ
クペースト10g、醤油・塩・胡椒・酒・ごま油を適当
量、餃子の皮24枚)。18〜22歳の男性50名をパ
ネリストとして、これを食した1時間後および1晩経過
後に、その呼気の官能検査を行った。その結果、50名
全員について、味覚は通常の餃子と変わらず、1時間後
および1晩経過後ともに、呼気中にニンニク臭がしない
という結果が得られた。
【0042】実施例11 実施例3で得た画分Bの水溶液を、生ニンニクをミキサ
ーで破砕する際に、画分Bが0.02%(w/w)にな
るように混合し、ニンニクペーストを調製した。このニ
ンニクペーストを醤油に混ぜ、カツオたたき用のタレを
調製した。40歳代の主婦20名をパネリストとして、
このタレを使ってカツオのたたきを食してもらい、食し
た直後の呼気の官能検査を行った。その結果、20名全
員について、呼気中にニンニク臭がしないという結果が
得られた。
【0043】実施例12 下記の製法により、実施例2で得た画分Aおよび実施例
3で得た画分Bを用い、それぞれ表1に示す組成Aおよ
び組成Bの合計4種類の口臭予防タブレットを製造し
た。 製法 画分Aまたは画分Bを予め乳糖で10倍散に調製した
後、滑沢剤を除いた原料をV型混合機で5〜10分間混
合し、ついで滑沢剤を入れ、さらに2〜3分混合した
後、次の打錠条件で打錠した。 打錠条件 打錠機:菊水製作所6HUK 打錠圧:1.6トン 杵:8.5mmφ10R 300mg/錠
【0044】
【表3】
【0045】
【発明の効果】本発明によれば、セリ科植物の抽出画分
を有効成分とする新しい消臭剤が得られ、それを用いる
ことにより、食後の口臭にニンニク臭のしないニンニク
含有加工食品を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 画分Aの赤外吸収スペクトルである。
【図2】 画分Aの構成糖分析(中性糖)のHPLCチ
ャートである。
【図3】 画分Aの構成糖分析(酸性糖)のHPLCチ
ャートである。
【図4】 画分AのGC/MSチャートである。
【図5】 画分Bの赤外吸収スペクトルである。
【図6】 画分Bの構成糖分析(分析1)のHPLCチ
ャートである。
【図7】 画分Bの構成糖分析(分析2)のHPLCチ
ャートである。
【図8】 画分BのGC/MSチャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4B016 LC01 LG05 LP02 4B035 LC02 LG32 LP22 4B047 LB03 LG39 LG65 LP01 4C080 AA03 BB02 BB04 CC12 HH05 JJ03 MM23 MM31 4C083 AA111 AA112 AC132 AC302 AC442 AC582 AD192 AD211 AD212 AD632 CC41 DD15 EE18 EE34

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 セリ科植物の抽出画分であって、(A)
    水に不溶性であり、(B)エチルアルコールに可溶性で
    あり、(C)赤外吸収スペクトル(KBr法)におい
    て、波数3392、約2900、約1730〜約150
    0、約1200〜約1000cm-1に吸収ピークを有
    し、(D)グルコース、ガラクトース、ラムノース、ラ
    クトース、リボースおよびガラクツロン酸を構成糖に有
    し、(E)400℃の熱分解でのGC/MSにおいて、
    二酸化炭素、ギ酸、酢酸、ヒドロキシプロパノンおよび
    レボグルコサンのピークを有し、(F)カルボニル基を
    骨格に含む多糖類である画分を有効成分とする消臭剤。
  2. 【請求項2】 セリ科植物の抽出画分であって、(A)
    水に可溶性であり、(B)エチルアルコールに不溶性で
    あり、(C)赤外吸収スペクトル(KBr法)におい
    て、波数3435、2939、1748、1626、約
    1200〜約1000cm-1に吸収ピークを有し、
    (D)ガラクトース、ラムノース、ガラクツロン酸およ
    びグルクロン酸を構成糖に有し、(E)400℃の熱分
    解でのGC/MSにおいて、酢酸およびレボグルコサン
    のピークを有し、(F)乾燥粉末の外観が白色であり、
    (G)ニンヒドリン反応が陰性の多糖類である画分を有
    効成分とする消臭剤。
  3. 【請求項3】 パセリから由来する請求項1または2記
    載の消臭剤。
  4. 【請求項4】 飲食物の消臭用である請求項1〜3のい
    ずれか1項記載の消臭剤。
  5. 【請求項5】 口臭消臭用である請求項1〜3のいずれ
    か1項記載の消臭剤。
  6. 【請求項6】 請求項1〜3のいずれか1項記載の消臭
    剤を含有する食品。
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