JP2002094445A - 路車間無線通信システム、アンテナシステム、および車両側無線通信装置 - Google Patents

路車間無線通信システム、アンテナシステム、および車両側無線通信装置

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JP2002094445A
JP2002094445A JP2000282524A JP2000282524A JP2002094445A JP 2002094445 A JP2002094445 A JP 2002094445A JP 2000282524 A JP2000282524 A JP 2000282524A JP 2000282524 A JP2000282524 A JP 2000282524A JP 2002094445 A JP2002094445 A JP 2002094445A
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wireless communication
wireless
vehicle
signal
antenna
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Yasushi Murakami
康 村上
Hidehiro Matsuoka
秀浩 松岡
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Toshiba Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 路車間無線通信システムにおいて、シャドウ
イングによる通信遮断、およびフェージングによる通信
品質劣化のない路車間無線通信システムを提供する。 【解決手段】 路車間無線通信システムにおいて、道路
側基地局は、基地局の無線ゾーン全体をカバーする第1
アンテナ装置およびこれに接続される第1無線通信装置
と、この無線ゾーンのうち、シャドウイングが発生する
可能性の高い一部のゾーンをカバーする第2アンテナ装
置およびこれに接続される第2無線通信装置を備える。
第1無線通信装置と、第2無線通信装置は、同一内容の
信号を同一チャネルで送信タイミングを異ならせて送信
する複局送信を行う。これによりシャドウイングによる
通信遮断を防ぐとともに、信号が重複する第2無線ゾー
ンにおいて、フェージングによる通信品質劣化を防ぐこ
とができる。送信タイミングを異ならせる手段として、
光ファイバによる遅延線路を用いるか、または制御局に
遅延回路を用いる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、道路上を走行する
車両と道路側に設置された無線通信ポートとの間で無線
通信を行う路車間無線通信システム、無線通信ポートに
用いられるアンテナシステム、および車両に搭載される
車両側無線通信装置に関する。
【0002】
【従来の技術】道路側に設置された無線通信ポート(あ
るいは基地局)と、道路上を走行する車両に搭載された
車両側無線通信装置との間で、高周波信号を用いた無線
通信を行う路車間無線通信システムが着実に発展してい
る。このような無線通信システムにおいては、任意の車
両の見通しパス内を別の車両、特に大型車両が通過する
際に、シャドウイング(遮蔽)が発生する。すなわち、
見通しパス内を横切る大型車両によって電波が遮蔽さ
れ、受信電力のレベルが一時的に著しく低下する。
【0003】この解決策として、例えば図11に示すよ
うに、無線通信ゾーン1105A内を走行中の車両11
07Aに搭載した車両無線通信装置1108Aに対し
て、複数の道路側無線通信装置1103A,103Bか
ら同一の時間タイミング、同一偏波、同一周波数で、同
一の信号を送信する複局同時送信方式が知られている。
【0004】この方法では、図11に示すように、車両
側無線通信装置1108Aと、進行方向側の道路側無線
通信装置1103Bとの間の通信パスが、大型車両11
09によりシャドウイングを受けても、後方の道路側無
線通信装置1103Aとの間の通信路を用いて通信を行
うことが可能となる。したがって、たとえ大型車両11
09が存在しても、シャドウイングによる通信遮断が発
生しないことになる。
【0005】図11に示す方法においては、通信すべき
車両側無線通信装置1108Aが実際にシャドウイング
を受けているときに、他の通信路を用いて通信路を確保
することができる。しかし、シャドウイングの原因とな
る障害物(たとえば大型車両1109)が存在しない場
合には、全く同じ信号が車両の前後より到来するために
フェージングを起こし、安定した通信路が確保できな
い。
【0006】これを解決する方法として、たとえば特願
平11−243121に開示されるマルチビームの路車
間無線通信システムがある。図12に、このようなマル
チビーム無線通信システムの一例を示す。
【0007】図12に示すように、1つの無線通信ポー
トのアンテナ1204Bがカバーするゾーンを、120
5Aと1205Bの2つに分割する。アンテナ1204
B直下付近のゾーン1205Bに車両がある場合には、
シャドウイングが発生しないため複局同時送信を行わな
い。一方、もうひとつの無線ゾーン1205Aに車両が
ある場合にはシャドウイングが発生する可能性があるた
め、複局同時送信を行う。すなわち、無線ゾーン120
5Aに対して、道路側無線通信ポート1203Aと隣接
の無線通信ポート1203Bとから、同時に同一の信号
を送るものである。その際、フェージングの問題を解決
するために、同時送信される電波の偏波を直交させる
(例えばアンテナ装置1204Aからの電波を右旋円偏
波とした場合、隣接するポートのアンテナ装置1204
Bからの電波を左旋円偏波とする)。
【0008】このような構成では、シャドウイングの発
生が起きにくい通信ゾーン1305Bでは、複局送信に
よるフェージングが発生せず、シャドウイングが発生す
る可能性が高い通信ゾーン1205Aでは、複局送信に
よりシャドウイングを回避するとともに、複局送信され
た電波の偏波が直交させることにより、フェージングを
防止している。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、図12
に示す方法では、道路側通信ポートのアンテナ1204
Aと、道路上を走行する車両側のアンテナ1208Bの
双方について、少なくとも2つの直交する偏波を受信で
きる構成にしなければならない。すなわち、アンテナ構
造の複雑化、サイズの大型化は避けられず、かつ、アン
テナが高価になるという問題があった。
【0010】加えて、図12に示す方式では、隣り合う
道路無線ポートの各々が提供する無線ゾーンが、一部重
なるように構成され、隣接するポートのアンテナ120
4Aおよび1204Bの各々が、重複ゾーンに対して同
一内容を送信しなければならない。このため、例えば元
々固定のビームを用いて無線ゾーンを構成をしていた既
存の路車間無線通信システムに図12の方法を適用する
場合には、通信システム内のすべてのアンテナ装置を、
マルチビーム方式に適用可能なアンテナに変更する必要
がある。したがって、システム全体としてみた場合に、
図12のシステムを実現するには、コストがかかりすぎ
るという問題があった。
【0011】このような問題を解決するために、本発明
は、既存の無線通信システムにおけるアンテナ装置を極
力利用し、かつ、フェージングを防止しつつ効果的にシ
ャドウィング効果を回避することのできる路車間無線通
信システムを提供することを第1の目的とする。
【0012】本発明の第2の目的は、道車間無線通信シ
ステムの道路側基地局で用いられ、走行中の車両に搭載
された車両側無線通信装置との間で、シャドウィング効
果を回避した良好な通信を行なうことのできるアンテナ
システムを提供することにある。
【0013】本発明の第3の目的は、簡単な構成で、道
路側の無線基地局との無線通信をフェージングの影響な
しに行なうことのできる車両側無線通信装置の提供にあ
る。
【0014】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明の無線通信システムは、制御局と、この制御
局と伝送路で接続される複数の道路側無線基地局と、車
両に搭載されて道路側無線基地局との間で無線通信を行
なう車両無線通信装置とを含む。
【0015】この無線通信システムの特徴として、各無
線基地局がカバーするゾーンを、ゾーン全体に対応する
第1ゾーンと、第1ゾーンの一部である第2ゾーンとに
分割する。第2ゾーンは第1ゾーンに含まれており、各
無線基地局は、第1ゾーンを照射する第1アンテナ装置
と、第1アンテナ装置とは異なる位置に配置されて第2
ゾーンを照射する第2アンテナ装置とを備える。また、
第1アンテナ装置に接続されて、第1無線ゾーン内を走
行する車両に搭載された車両無線通信装置に対して無線
信号を送信する第1無線通信装置と、第2アンテナ装置
に接続されて、第1無線通信装置が送信する無線信号と
同一内容の無線信号を、第1無線通信装置とは異なるタ
イミングで送信する第2無線通信装置とを有する。
【0016】第2アンテナ装置と、これに接続される第
2無線通信装置の数は、1または2以上である。第2ア
ンテナおよび第2無線通信装置の数が2以上である場合
は、これらの第2アンテナがカバーする第2ゾーンは、
第1ゾーン内で、互いに重複しないように配置される。
第2ゾーンの大きさは、場所、時間によって可変とする
ことができる。この場合は、第2アンテナ装置のビーム
のプロファイルを変更すればよい。
【0017】各無線基地局において、第1および第2の
無線通信装置が、同一の無線信号を異なる送信タイミン
グで、走行中の車両に搭載された車両無線通信装置に対
して送信するために、各無線基地局は、第1および第2
の無線通信装置に接続される信号の合波/分配回路を備
える。合波/分配回路は、制御局から伝送路を介して伝
送された信号を、第1および第2無線通信装置に対して
分配する。また、第1および第2無線装置で受信された
車両からの信号を合成して制御局へ送る。
【0018】この場合、無線通信システムは、合波/分
配回路と第1無線通信装置とを接続する第1伝送線路
と、合波/分配回路と第2無線通信装置とを接続する第
2伝送線路とを有する。第1伝送線路と前記第2伝送線
路との長さを所定量だけ異ならせることにより、無線信
号を異なるタイミングで送信させることができる。第1
および第2の伝送線路は、たとえば光伝送路である。
【0019】このような構成では、各無線基地局とその
アンテナ装置のすべてを大幅に変更する必要はなく、合
波/分配回路を挿入し、伝送路の長さを調節するだけで
よい。
【0020】異なるタイミングで信号を送信するための
別の方法として、各基地局ではなく、制御局の構成を工
夫する方法がある。すなわち、制御局が、光信号を分配
する分波器と、分配された光信号の送信タイミングを異
ならせるための遅延回路とを備える構成としてもよい。
この場合は、各無線基地局に変更を加えなくとも、制御
局の構成をわずかに変更するだけでよいので、一層、コ
スト面で有利である。
【0021】異なるタイミングで信号を送信するさらに
別の方法として、制御局は信号分配装置を備え、無線通
信システムは、制御局と、各無線基地局の第1無線通信
装置とを接続する第1伝送路と、制御局と各無線基地局
の第2無線通信装置とを接続する第2伝送路とをさらに
含む。第1伝送路と第2伝送路との長さを所定量だけ異
ならせることにより、無線信号を異なるタイミングで無
線基地局に送信することができる。
【0022】異なるタイミングで送信される同一内容の
無線信号は、好ましくは同一周波数で送信される。これ
により、ひとつのチャネルでタイミングをずらして同一
内容の信号が送信され、受信側である車両無線通信装置
のアンテナの構成が簡単になるとともに、基地局側の無
線通信装置が収容できる車両数が増大する。さらに、同
一内容の信号をタイミングを異ならせて送信することに
よって、シャドウイングやフェージングによる通信遮断
を、安価かつ効果的に防止することができる。
【0023】第2アンテナにより、同一内容の無線信号
を異なるタイミングで送信する共通ゾーンを可変にする
ことによって、道路上の交通状況などに応じ、複局同時
送信を最低限必要な領域に限定することが可能になり、
無線通信制御がより効率的になる。
【0024】制御局と、各路側無線基地局とを接続する
伝送路は、光伝送路であるのが好ましい。たとえば、光
ファイバで伝送路を構成することによって、信号の損失
を抑制することができるうえに、コスト面においても有
利である。
【0025】上記の第2の目的を達成するために、本発
明のアンテナシステムは、道路上を走行する車両に搭載
された車両側無線通信装置との間で無線通信を行う道路
側無線基地局で用いられる。このアンテナシステムは、
道路側無線基地局がカバーする所定の第1無線ゾーンを
照射する第1のアンテナ装置と、各々が1以上のビーム
を形成することができる1以上の第2アンテナ装置とを
含む。各第2アンテナ装置は、第1のアンテナ装置が照
射する第1無線ゾーンの一部である第2無線ゾーンを照
射する。
【0026】第2アンテナ装置が2以上である場合は、
第2アンテナ装置の各々は、第1無線ゾーンの内部で、
第2無線ゾーンが互いに重複しないように照射する。
【0027】上記第3の目的を達成するために、本発明
の車両側無線通信装置は、同一の無線基地局から到来す
る送信タイミングの異なる2以上の同一内容の無線信号
を受信する単一のアンテナと、このアンテナで受信した
送信タイミングの異なる信号を分離する分離手段と、分
離した信号に重み付けして合成する信号合成手段とを備
える。合成手段は、たとえば、等化回路である。
【0028】あるいは、車両側無線通信装置は、同一の
無線基地局から到来する送信タイミングの異なる2以上
の同一内容の無線信号を受信する単一のアンテナと、こ
のアンテナで受信した送信タイミングの異なる信号を分
離する分離手段と、分離した信号のうち良好な方の信号
を選択する選択手段とを備える。選択手段はたとえばス
イッチである。
【0029】このような構成により、車両側無線通信装
置に複数のアンテナを設ける必要がなくなり、構成が簡
単になる。
【0030】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
を参照して詳細に説明する。
【0031】<第1実施形態>図1は本発明の第1実施
形態に係る路車間無線通信システムの模式図である。
【0032】図1に示す無線通信システムは、制御局1
と、この制御局1と伝送路で接続される複数の道路側無
線基地局2、102と、これら基地局2、102との間
で無線通信を行なうために車両に搭載された車両無線装
置8A、8B、8Cとを含む。
【0033】道路側無線基地局2及び102は、制御局
1が管轄するエリア内の道路12に沿って、たとえば2
00m間隔で設置されている。
【0034】ここでは簡易的に、道路12上を走行する
車両は図面に沿って左側から右側に向かって走行するも
のとする。
【0035】道路側無線基地局2は、放射パターン5A
を有する第1アンテナ装置4Aと、放射パターン5Bを
有する第2アンテナ装置4Bとを有する。すなわち、第
1アンテナ装置4Aは、その放射パターンで、この無線
基地局2がカバーすべきゾーン全体としての第1無線ゾ
ーン5Aを照射する。一方、第1アンテナ装置4Aとは
異なる位置に配置された第2アンテナ装置4Bは、その
放射パターンで、第1無線ゾーン5Aの一部に含まれる
第2無線ゾーン5Bを照射する。
【0036】第1アンテナ装置4Aは、第1無線通信装
置3Aに接続される。第1無線通信装置3Aは、第1無
線ゾーン5A内を走行する車両7A、7Bに搭載された
車両無線通信装置8A、8Bに対して、無線信号を送信
する。
【0037】第2アンテナ装置は、第2無線通信装置3
Bに接続される。第2無線通信装置3Bは、第1無線通
信装置3Aが送信する無線信号と同一内容の無線信号
を、第1無線通信装置3Aとは異なるタイミングで送信
する。
【0038】第1および第2の無線通信装置3A,3B
は、ネットワーク10に接続された合分波装置11と、
伝送線路13A,13Bとを介して、制御局1に接続さ
れている。
【0039】上述したように、第1アンテナ装置4Aの
放射パターン5Aは、道路側基地局2がカバーすべき無
線ゾーン全体を照らすビームであり、第2アンテナ装置
4B放射パターン5Bは、道路側基地局2がカバーすべ
き無線ゾーンのうち、第1アンテナ装置4Aから遠く、
大型車両等によるシャドウイングまたは路面反射による
フェージングが発生することが予想される領域5Bのみ
を照射するビームである。
【0040】図1において、第1アンテナ装置4Aの直
下近傍を走行する車両7Aは、後方を走行する大型車両
9の大きさ、位置関係の影響を受けず、シャドウイング
が発生しない。シャドウイングが発生しないゾーンの大
きさは、道路に設置された道路側基地局2の第1アンテ
ナ装置4Aの地上高、想定される車間距離、車両側無線
通信装置8Aに接続されたアンテナの高さ、設置位置、
道路の混雑状況等によって決定される。
【0041】道路側基地局2の第1無線通信装置3Aの
近傍を走行する車両7Aと、これに搭載された車両側無
線通信装置8Aからは、基地局2の第1無線通信装置3
Aが見通せる状況にある。したがって、車両側無線通信
装置8Aは、基地局2の第1無線通信装置3Aを介し
て、サービスを提供するネットワークと接続することが
できる。
【0042】これに対して、大型車両9の後方を走行す
る車両7Bにおいては、第1のアンテナ装置4Aと、こ
の車両7Bに搭載した車両側無線通信装置8Bとの間の
通信経パスが、遮蔽される。すなわち、基地局2の第1
無線通信装置3Aからビーム5Aに載せて送信された電
波は、大型車両9によってシャドウイングを受け、車両
側無線通信装置8Aは、第1無線通信装置3Aからの信
号を受信することができない。
【0043】しかし、本発明においては、第2の無線通
信装置3Bが、第1無線通信装置3Aが発する信号と同
一内容の信号を、ゾーン5Bに対して送信する。これに
より、車両側無線通信装置8Bは、大型車両9によって
シャドウイングを受ける電波伝搬環境下においても、常
に通信が可能となる。
【0044】ここで、道路側基地局2の第1無線通信装
置3Aと第2無線通信装置3Bが同一内容の無線信号を
送信するときに、同一周波数で送信することが好まし
い。同一周波数で送信した場合、ひとつの車両側無線通
信装置8に対して1チャンネルですみ、基地局側無線通
信装置あたりの車両収容能力が向上する。同時に、車両
側無線通信装置8においても、異なる周波数で同時に動
作する必要がないので、車両側無線通信装置8の構成が
簡単になるという利点がある。
【0045】また、図12に示す従来の路車間無線通信
システムとは異なり、基地局2の第2無線通信装置3B
の設置位置と、第2アンテナ装置4Bのビームの構成の
仕方によって、図1に示すように、基地局2の第1無線
通信装置3Aと第2無線通信装置3Bから到来する電波
の方向を、車両の前方からの方向のみに限定させること
が可能となる。すなわち、車両側無線通信装置8A、8
Bに接続されるアンテナを、前方から到来する電波だけ
を受信するアンテナにすることができるため、車両側無
線通信装置8A、8Bの構成が簡単になる。
【0046】次に、第2ゾーン5Bを走行する車両側無
線通信装置8Bにおいて、シャドウイングの原因となる
大型車両9が存在しない場合を考察する。この場合、第
2ゾーンを走行している限り、大型車両9によってシャ
ドウイングを受けている時と同様に、基地局2の第1無
線通信装置3Aと第2無線通信装置3Bの双方から、第
1および第2のアンテナ装置4A、4Bを介して、同一
内容の無線信号が送られてくる。これらの信号が同一の
タイミングで送信されたとすると、2つの同一信号によ
る干渉によって、フェージングの影響が大きくなる。
【0047】そこで、本発明においては、道路側基地局
2の第1無線通信装置3Aと第2無線通信装置3Bか
ら、同一内容の信号を送信する際に、異なるタイミング
で送信する。例えば、第1および第2無線通信装置3
A、3Bから送信された信号を車両側無線通信装置8B
で受信したときに、1シンボル(1ビット)以上異なる
ような送信タイミングで送信すれば、両者は無相関な信
号となる。したがって、車両側無線通信装置8Bに、た
とえば等化器を搭載することによって、両者を分離し、
S/N(信号対雑音比)比が最大となるように重み付け
して合成することができる。このような構成により、フ
ェージングの影響を低減して、受信感度を向上させるこ
とができる。
【0048】図1に示すシステムにおいて、各基地局
は、送信タイミングをずらすために、制御局1からの信
号を分配し、アンテナで受信した信号を合成する合分波
回路11を有する。合分波回路11と第1無線通信装置
3Aとは、第1の伝送線路13Aにより接続されてお
り、合分波回路11と第2無線通信装置3Bとは、第2
の伝送線路13Bにより接続されている。第1および第
2の伝送線路13Aと13Bの長さを所定の分量だけ異
ならせることによって、信号送信のタイミングを異なら
せることができる。
【0049】伝送線路13A、13Bを同軸ケーブル等
で実現した場合、線路長が長くなり損失が大きくなると
いう問題が発生する。そのため本実施例においては、遅
延線路として低損失な光ファイバを用いる。これにより
信号の損失を防ぎ、装置の低価格化が可能となる。
【0050】さらに、本実施例では図示していないが、
制御局1と各道路側基地局2、102との間を接続する
ネットワーク10を、光ファイバで構成するのが好まし
い。これにより、制御局1から各側基地局2、102の
第1および第2の無線通信装置までの接続を、すべて光
ファイバ系で組むことが可能となる。これにより、変復
調回路を制御局1側に配置し、光ファイバ内を無線周波
数信号あるいは中間周波数信号を通すことにより、道路
側制御局2の構成を簡単化・軽量化が可能となり、シス
テム全体の低価格化、あるいはシステム変更が容易な構
成を実現可能となる。
【0051】図2は、図1に示す路車間無線通信システ
ムにおいて、道路側基地局2を構成する第1無線通信装
置3Aおよび第1アンテナ装置4Aの構成例を示す。
【0052】第1アンテナ装置4Aは、複数の素子アン
テナ19a〜19nあるいは複数個のサブアレーアンテ
ナからなるアレーアンテナ部19と、基地局2がカバー
すべき無線ゾーン5A全体を照射するビームの形成を行
うビーム形成回路18とを含む。
【0053】第1無線通信装置3Aは、制御局1から光
変調されて供給され、合分波器11によって分波されて
伝送線路13Aを伝わってきた光アナログ信号を電気信
号に変換する光−電気変換装置14と、電気に変換され
た信号を無線周波数に変換する第1の周波数変換装置1
5と、送信信号を増幅する電力増幅器16と、送信信号
と受信信号の分離を行う送受分離器17と、アンテナ装
置4Aで受信した信号を増幅する低雑音増幅器20と、
増幅された無線信号を低い中間周波数に変換する第2の
周波数変換装置21と、周波数変換された受信信号を光
信号に変換する電気−光変換装置22とを備える。
【0054】すなわち、制御局1から伝送線路13Ain
を介して伝送されてきた光アナログ信号は、光−電気変
換装置14で電気信号に変換され、第1の周波数変換装
置15で無線周波数に変換され、電力増幅器16で増幅
され、送受分離器17を介してアンテナ装置4Aから放
射される。一方、アンテナ装置4Aで受信された信号は
送受分離装置17を通って低雑音増幅器20で増幅さ
れ、第2の周波数変換装置21で中間周波数に変換さ
れ、電気−光変換装置22で光信号に変換され、伝送線
路13Aoutを介して制御局1へ伝送される。
【0055】図3は、図1に示す道路側基地局2で用い
られる第2アンテナ装置4Bと、これに接続される第2
無線通信装置3Bの構成例を示す。第1アンテナ装置4
Aのビーム形状は固定であるが、第2アンテナ装置4B
が照射するビームは、第2ゾーン5Bに応じた形状に成
形されなければならない。第2アンテナ装置4Bのビー
ム形状は、制御局1から送信されてくるビーム制御信号
によって決定される。
【0056】第2アンテナ装置4Bは、複数の素子アン
テナ19a〜19nあるいは複数個のサブアレーアンテ
ナからなるアレーアンテナ部19で構成される。
【0057】第2無線通信装置3Bにおいて、光−電気
変換装置14は、制御局1から光変調されて供給され、
合分波器11で分波されて伝送線路13Bを伝わってき
た光アナログ信号を、電気信号に変換する。信号分離装
置23は、電気に変換された送信信号に多重化されたビ
ーム制御信号を、送信信号から分離する。第1周波数変
換装置15は、送信信号を無線周波数に変換する。送受
信分離器17B−1は、送信信号と受信信号の分離を行
う。17B−1と、合成/分配装置25で送信無線信号
をn個のウエイト制御装置118a〜118nに分配す
る。これらn個のウェイト制御装置118a〜118n
は、それぞれ対応する素子アンテナあるいはサブアレー
に接続され、各々の送受信信号の増幅と位相とを制御す
る。
【0058】図3の例では、各素子アンテナあるいはサ
ブアレーアンテナに与えるウエイト制御は、無線周波数
領域の信号に対して行っているが、これに限らず、中間
周波数の信号に対してウエイト制御を行ってもよい。
【0059】一方、復路においては、第2の周波数変換
装置21は、第2アンテナ4Bで受信した受信無線周波
数信号を、中間周波数信号に変換する。電気−光変換装
置22は、第2の周波数変換装置21で中間周波数に変
換された信号を光信号に変換する。
【0060】信号分離装置23によって分離されたビー
ム制御信号は、ウエイト制御信号発生装置24に供給さ
れる。ウエイト制御信号発生装置24は、ビーム制御信
号に基づいて、各ウェイト制御装置118内部の振幅制
御装置26と、位相制御装置27を制御するための信号
を発生させる。
【0061】各ウエイト制御装置118は、送信信号を
増幅する電力増幅器116、受信信号の増幅を行う低雑
音増幅器120、送受信信号の分離を行う送受分離装置
17B−2,および17B−3とを有する。
【0062】このように、制御局1から第2無線通信装
置3Bに供給される光アナログ信号には、送信信号にビ
ーム制御信号が多重化されている。このビーム制御信号
に基づいて、ウェイト制御装置118で送信信号に所定
のウェイトを与えられ、第2のアンテナ装置4Bから送
信される。より具体的には、ウエイト制御信号発生装置
24が、入力されたビーム制御信号に基づいて、各ウェ
イト制御装置118を制御するウェイト制御信号を生成
し、供給する。各ウェイト制御装置118では、ウエイ
ト制御信号発生装置24から入力されるウエイト制御信
号に基づいて、各振幅制御装置26、位相制御装置27
の設定を行い、所望のビームを形成する。
【0063】ここで、ビーム制御信号は、道路側基地局
2の第1無線通信装置3Aに接続される第1アンテナ装
置4Aの地上高、想定される車間距離、道路の混雑状況
等に応じて、制御局1で決定される。
【0064】図4は、図1のシステムの基地局で用いら
れ第2無線通信装置3Bと第2アンテナ装置4Bの別の
構成例を示す。図4の構成例では、第2アンテナ装置4
Bのビーム形状を決定するために、第2無線通信装置3
Bは、第2のアンテナ装置4Bに接続されてビーム5B
に相当する複数のビームを構成するビーム形成装置21
8と、ビーム形成回路218の形成するビームのうち1
のビームを選択するビーム選択装置28と、ビーム選択
装置28へ供給される選択制御信号を生成する選択信号
発生装置124とを有する。その他の構成要素について
は、図3に示す構成要素と同様であり、同じ符号で示し
てある。
【0065】ビーム選択装置28では、選択信号発生装
置124からの制御信号に基づいて最適なビームを選択
する。図4に示す例では、ビーム形成回路218とビー
ム選択装置28は、無線周波数領域においてビームの選
択を行っているが、これに限らず、中間周波数でアナロ
グ的に所望のビームを切替える構成であってもよい。ま
た、制御信号に基づいてビームを形成、選択するディジ
タル回路として構成してもよい。
【0066】図5は、図1の無線通信システムにおける
制御局1の構成例を示すブロック図である。図1のシス
テムにおいては、各基地局に合分波器11を設けるた
め、制御局1は、合分波機能を有する必要はない。
【0067】制御局1は、ベースバンド・ディジタル信
号を変調する変調装置29、ディジタル信号をアナログ
信号に変換するディジタル−アナログ変換装置30、第
1の周波数変換装置15、ビーム制御信号発生装置3
1、送信信号とビーム制御信号を多重化する信号多重化
装置32、多重化された信号を光信号に変換する電気−
光変換装置122、道路側基地局2からの受信信号で変
調された光信号を電気信号に変換する光−電気変換装置
123、第2の周波数変換装置22、アナログ信号をデ
ィジタル信号に変換するアナログ−ディジタル変換装置
33、フィルタ34、受信信号の等化を行う信号等化装
置35、等化された信号の検波を行う検波装置36から
構成される。
【0068】図1に示す基地局2の第1アンテナ装置4
Aおよび第2アンテナ装置4Bで受信され、合分波器1
1で合成された信号は、図5の伝送路213Aを介して
制御局1に伝送される。伝送された信号は、空間および
各基地局での伝送線路長の分だけタイミングがずれた信
号として合波された信号である。また、車両側無線通信
装置8の位置や基地局2の設置状況等によって、異なっ
た位相差で合成されるため、伝送された信号をそのまま
検波した場合には、誤り率が大きくなる。
【0069】このため、第1実施形態においては、検波
の前に信号等化装置35を挿入して、合波された各信号
を分離し、S/N比が最大となるようなウェイトを与え
て合成する。これにより、誤りの少ない路車間無線通信
が可能となる。
【0070】図6は、図1の路車間無線通信システムに
おける車両側無線通信装置8の構成例を示す。
【0071】車両側無線通信装置8は、単一のアンテナ
81、送受信信号の分離を行う送受分離器87、第2の
周波数変換装置82、アナログ信号をディジタル信号に
変換するアナログ−ディジタル変換装置83、フィルタ
84、受信信号の等化を行う信号等化装置85、等化さ
れた信号の検波を行う検波装置86、ベースバンドディ
ジタル信号を変調する変調装置89、ディジタル信号を
アナログ信号に変換するディジタル−アナログ変換装置
90、第1の周波数変換92を含む。
【0072】図1に示す路車間無線通信システムにおい
ては、基地局2の第1無線通信装置3Aおよび第2無線
通信装置3Bから同一内容の信号が異なるタイミングで
放射される。したがって、車両側無線通信装置8のアン
テナ81は、基地局の第1および第2の無線通信装置3
A、3B双方からの無線信号の和として、信号を受信す
る。このとき、アンテナ81で受信された信号は、空間
および伝送線路長の分だけタイミングがずれた信号の合
成信号である。受信した信号をそのまま検波した場合に
は、誤り率が大きくなってしまう。そのため図6の車両
側無線通信装置8においては、検波前に等化器85を挿
入し、各合成信号を分離し、S/N比がよくなるような
ウェイトを与えて再度合成する。これにより、誤りの少
ない路車間無線通信が可能となる。
【0073】また、等化回路85でウエイトを与えて再
合成するかわりに、基地局2の第1および第2の無線通
信装置3A、3Bから送信される信号のうち、受信状態
の良いほうの信号を選択する選択回路(不図示)を用い
てもよい。
【0074】図1のシステムでは、同一内容の信号を同
一の周波数で送信タイミングだけを異ならせて送信する
ので、車両側の無線通信装置8は単一のチャネルと単一
のアンテナだけを備えればよい。そして最適な信号を受
信するために、等化回路か、選択回路を備えることによ
って、基地局から異なるタイミングで送信された2以上
の信号をフェージングの影響なしに受信することが可能
になる。
【0075】<第2実施形態>図7は、本発明の第2実
施形態に係る路車間無線通信システムの模式図である。
【0076】第2実施形態の特徴として、道路側基地局
2の第1無線通信装置3Aと第2無線通信装置3Bは、
合分波器を介さずに、直接伝送線路13A,13Bによ
って制御局71に接続されている。制御局71は、共有
の合分波器111(図8参照)を備え、各基地局2、1
02ごとに合分波装置11を設置する必要がない。した
がって、道路側設備の構成が簡単になるという特徴を持
つ。
【0077】第2実施形態において、道路側基地局2
が、放射パターン5Aを有する第1アンテナ装置4A
と、放射パターン5Bを持つ第2アンテナ装置4Bとを
備えることは第1実施形態と同様である。しかし、第1
および第2の基地局側無線通信装置3A,3Bから、同
一内容の信号を送信するタイミングを異ならせる方法が
第1実施形態とは異なる。その他の構成、すなわち、基
地局の第1および第2のアンテナ装置、第1および第2
の無線通信装置、および走行中の車両に搭載される車両
側無線通信装置の構成については、第1実施形態と同様
である。
【0078】図8は、図7に示す路車間無線通信システ
ムにおける制御局71の構成例を示す。制御局71の特
徴として、分波器111と、遅延回路43とを有する。
【0079】車両側無線通信装置8への送信信号は、変
調装置29で変調され、アナログ変換された後、第1の
周波数変換装置15で周波数変換される。そして、信号
多重化装置32において、周波数変換された送信信号
に、ビーム制御信号発生装置31で生成されたビーム制
御信号が多重化される。多重化された送信信号は、電気
−光変換装置122で光変換されて、分波装置111に
入力される。分波器111は、光送信信号を各基地局の
第1無線通信装置3Aと第2無線通信装置3Bの各々
に、伝送線路113A、113Bを介して伝送させる信
号に分波する。
【0080】このとき、送信タイミングを異ならせるた
めに、分波器111の後段において、いずれかの伝送線
路に遅延回路43が挿入される。図8の例では、第2無
線通信装置3Bへの伝送線路113Bに遅延回路43が
挿入されている。
【0081】一方、基地局2のアンテナ装置4A、4B
で受信された信号は、それぞれ別々の伝送線路213
A,213Bを介して制御局71へ伝送されてくる。制
御局71では、これらの信号を受信機37A、38Bで
別々に受信する。そして、受信信号の情報に基づき、そ
れぞれの信号に与えるウエイトをウエイト制御信号発生
装置40で生成する。ウエイト制御装置38A,38B
で受信信号にウエイトを与え、合波器39で合成し、検
波装置36で検波する。これにより、走行中の車両から
の信号を最良の状態で受信し、通信の通信の品質を改善
することが可能となる。
【0082】図8に示す制御局71の構成では、基地局
2の第1および第2の無線通信装置3A、3Bに送る信
号の遅延量を、例えば移相器等の遅延回路43によって
アナログ的に制御するが、信号を生成する段階でディジ
タル的に制御することも可能である。この方法では、遅
延量の精度を向上できるとともに、走行中の車両に搭載
された車両側無線通信装置の伝搬環境に応じて、遅延量
を可変にすることが可能となり、システムの柔軟な運用
が可能となる。
【0083】尚、図8の構成例では、車両側無線通信装
置8への送信信号を生成する系統が1つあり、生成され
た信号を分配して遅延を与えているが、これに限らず送
信信号を生成する系統を2つ用意し、各々異なるタイミ
ングで送信信号を発生させて伝送させてもよい。
【0084】図9は、図7に示す路車間通信無線通信シ
ステムにおける制御局の別の構成例を示すブロック図で
ある。図9の制御局81では、基地局2の第1および第
2の無線通信装置に異なるタイミングで送信信号を発生
させるために、遅延回路を用いずに、伝送線路113
A、113Bの長さを、あらかじめ所定量だけ異ならせ
ている。また、図8の制御局71で行なった受信信号の
ウエイト制御の代わりに、受信状態の良好な方の信号を
選択するための信号切り換え制御を行なう。
【0085】すなわち、制御局81は、その送信系に、
ベースバンド・ディジタル信号を変調する変調装置2
9、ディジタル信号をアナログ信号に変換するディジタ
ル−アナログ変換装置30、第1の周波数変換装置1
5、ビーム制御信号発生装置31、送信信号とビーム制
御信号とを多重化する信号多重化装置32、多重化され
た信号を光信号に変換する電気−光変換装置122、光
信号を分配する分波装置111を有する。分波装置11
1から基地局2の第1および第2の無線通信装置3A、
3Bまで、好ましくは光ファイバによる伝送線路113
A、113Bが延びている。伝送線路113Aと113
Bの長さは、たとえば、走行中の車両が1シンボル(1
ビット)以上異なるタイミングで信号を受信できる光路
長となるように、あらかじめ所定量だけ異ならせてあ
る。
【0086】伝送線路113A、113Bの長さをあら
かじめ所定量に設定する場合は、送信タイミングを可変
にすることができない。そこで、伝送線路の長さを異な
らせる構成に加えて、送信信号生成の段階で、ディジタ
ル的に遅延を発生させることも可能である。
【0087】制御局81の受信系では、基地局2のアン
テナ装置4A、4Bで受信され、伝送線路213A,2
13Bを伝播してきた光信号を、光−電気変換装置12
3A、123Bで電気信号に変換し、受信装置37A、
37Bにそれぞれ供給する。切換制御信号発生装置41
は、受信装置37A、37Bからの信号に基づいて、ど
ちらのアンテナ装置からの信号を選択するかを決定し、
選択信号を生成する。切換装置42は、切換制御信号発
生装置41からの選択信号に基づき、ブランチの切り換
えを行う。検波装置36は、選択されたほうの信号だけ
を検波する。
【0088】図9に示す制御局81の特徴は、第1およ
び第2の無線通信装置3A、3Bからの受信信号に適当
なウエイトを与えて合成するかわりに、受信状態に応じ
て、常に状態の良い方の信号を選択する点にある。すな
わち、好適なサイトダイバーシチが実現でき、通信の品
質が向上する。
【0089】もちろん、図8に示した遅延回路43を備
える構成と、図9に示す信号切換選択の構成とを組み合
わせることも可能である。
【0090】<第3実施形態>図10は、本発明の第3
実施形態に係る路車間無線通信システムの模式図であ
る。第3実施形態では、2つの第2アンテナ装置4B、
4Cを用い、基地局2がカバーする領域内に、同一内容
の信号が到来する重複ゾーン5B、5Cを2箇所に形成
する。
【0091】第1アンテナ装置4Aは、基地局2がカバ
ーする無線ゾーンのほぼ中央に位置し、無線ゾーン全体
に対応する第1ゾーン5Aを照射する。一方、第2アン
テナ4Bおよび4Cは、第1ゾーン5Aの両端におい
て、第1ゾーン5Aの一部である第2ゾーン5Bおよび
5Cを照射する。すなわち、第2アンテナ4B、4C
は、基地局2がカバーする無線ゾーンのうち、第1アン
テナ4Aから遠く、大型車両等によるシャドウイングま
たは路面反射に依るフェージングが発生することが予想
される領域のみを照射する。図10の例では、2つの第
2ゾーン5Bおよび5Cは、第1ゾーン5Aの内部で互
いに重複していない。
【0092】2つの第2アンテナ4Bおよび4Cが形成
するビーム形状は、同一であっても、異なっていてもよ
い。
【0093】図10の例では、道路側基地局2の第1無
線通信装置3Aと、2つの第2無線通信装置3B、3C
は、ネットワーク10に接続された合分波装置11と伝
送線路13A,13B,13Cとを介して、制御局10
1に接続されている。しかし、第2アンテナ装置および
第2無線通信装置の数が2以上になった場合であって
も、第2実施形態のように、各基地局内に合分波装置1
1を設置せずに、直接伝送線路13A〜13Cによって
制御局101に接続する構成としてもよい。その場合
は、第2実施形態で説明したように、制御局101が遅
延回路を備えるなどして、各基地局の無線通信装置への
送信信号のタイミング制御を行なうことになる。
【0094】さらに、図10においては、各基地局ごと
に補助的な第2無線通信装置を2以上設置する構成とな
っているが、これに限らない。たとえば、道路側基地局
2の左端の第2無線通信装置3Cと、道路側基地局10
2の右端の第2無線通信装置103Bは非常に近接して
置かれているため、アンテナや送受信回路を共用しても
よい。
【0095】尚、本発明の第1〜第3実施形態に係る路
車間無線通信システムにおいては、制御局と道路側基地
局とを接続する伝送線路内を伝送される光信号は、中間
周波数帯の信号で変調された信号としているが、これに
限らず、無線周波数帯の信号で変調された光信号であっ
てもよい。
【0096】また、第1〜第3実施形態において、基地
局での受信信号のウエイト制御を行なうためのウエイト
制御装置118が、第2通信装置3Bの内部にあるが、
これに限られない。たとえば、ウエイト制御装置118
を制御局1に配置し、伝送線路内を多重化した各素子ア
ンテナあるいはサブアレーアンテナ毎の送信信号を伝送
させ、第2の通信装置3Bで復調し放射させるととも
に、受信信号については第2の通信装置3B内で各素子
アンテナあるいはサブアレーアンテナ毎の受信信号を多
重化し制御局1に伝送させ、制御局1で合成を行う方式
であってもよい。
【0097】
【発明の効果】以上説明したように、本発明の路車間無
線通信システムによれば、同一内容の信号を送信タイミ
ングだけを異ならせて送信するため、シャドウイングに
より一方の信号が遮蔽されても、他方の信号が確実に走
行中の車両で受信される。シャドウイングが発生してい
ない場合でも、それぞれの信号が相関せず、分離が容易
であるため、フェージングによる通信品質の劣化も起こ
らない。
【0098】本発明のアンテナシステムによれば、基地
局がカバーするゾーンのうち、シャドウイングの発生す
る可能性の高いゾーンにおいてのみ、第2アンテナを用
いて二重に照射し、送信タイミングをずらした複局送信
を行なう。これにより、フェージングの影響なしにシャ
ドウイングを防止することができる。
【0099】本発明の車両側無線通信装置によれば、同
一チャネルで異なるタイミングで送信された基地局から
の信号を分離し、適当なウエイトで合成するか、または
良好な方の信号を選択する。したがって、フェージング
による通信品質劣化のない無線通信が実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる路車間無線通信
システムの模式図である。
【図2】図1のシステムで用いられる基地局側の第1ア
ンテナ装置と、これに接続される第1無線通信装置の構
成例を示す図である。
【図3】図1のシステムで用いられる基地局側の第2ア
ンテナ装置と、これに接続される第2無線通信装置の構
成例を示す図である。
【図4】図1のシステムで用いられる基地局側の第2ア
ンテナ装置と第2無線通信装置の別の構成例を示す図で
ある。
【図5】図1のシステムで用いられる制御局の構成例を
示す図である。
【図6】図1のシステムで用いられる車両側無線通信装
置の構成例を示す図である。
【図7】本発明の第2実施形態にかかる路車間無線通信
システムの模式図である。
【図8】図7のシステムで用いられる制御局の構成例を
示す図である。
【図9】図7のシステムで用いられる制御局の別の構成
例を示す図である。
【図10】本発明の第3実施形態にかかる路車間無線通
信システムの模式図である。
【図11】従来の路車間無線通信システムの一例を示す
図である。
【図12】従来の路車間無線通信システムの別の例を示
す図である。
【符号の説明】
1、71、81 制御局 2、102 道路側基地局 3A、3B、3C 道路側無線通信装置 4A、4B、4C アンテナ装置 5A,5B,5C、105A、205A 無線通信ゾー
ン 8A,8B,8C 車両側無線通信装置 9 大型車両 10 路側ネットワーク 11 合分波装置 13A,13B,113A,113B 伝送線路 18 ビーム形成装置 19 アンテナ素子 23 信号分離装置 24、40 ウエイト制御信号発生装置 25 合成/分配装置 26 振幅制御装置 27 位相制御装置 31 ビーム制御信号発生装置 32 信号多重化装置 35、85 信号等化装置 36、86 検波装置 43 遅延回路 111 分波装置 118 ウエイト制御装置
フロントページの続き Fターム(参考) 5K059 CC02 CC03 CC07 DD16 DD25 DD35 5K067 AA01 CC24 EE02 EE10 EE24 EE44 EE55 GG02 HH28 KK02 KK03

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 制御局と、 前記制御局と伝送路で接続される複数の道路側無線基地
    局と、 車両に搭載され、前記道路側無線基地局との間で無線通
    信を行なう車両側無線通信装置とを含み、前記道路側無
    線基地局の各々は、 当該道路側無線基地局がカバーする第1無線ゾーンを照
    射する第1アンテナ装置と、 前記第1アンテナ装置に接続され、前記第1無線ゾーン
    内を走行する車両に搭載された車両無線通信装置に対し
    て無線信号を送信する第1無線通信装置と、 前記第1アンテナ装置とは異なる位置に配置され、前記
    第1無線ゾーンの一部である第2無線ゾーンを照射する
    1以上の第2アンテナ装置と、 前記第2アンテナ装置に接続され、前記第1無線通信装
    置が送信する無線信号と同一内容の無線信号を、前記第
    1無線通信装置とは異なるタイミングで送信する1以上
    の第2無線通信装置と、 を備えることを特徴とする路車間無線通信システム。
  2. 【請求項2】 制御局と、 前記制御局と伝送路で接続される複数の道路側無線基地
    局と、 車両に搭載され、前記道路側無線基地局との間で無線通
    信を行なう車両無線通信装置とを含み、前記道路側無線
    基地局の各々は、 当該道路側無線基地局がカバーする第1無線ゾーンを照
    射する第1アンテナ装置と、 前記第1アンテナ装置に接続され、前記第1無線ゾーン
    内を走行する車両に搭載された車両無線通信装置に対し
    て無線信号を送信する第1無線通信装置と、 前記第1アンテナ装置とは異なる位置に配置され、前記
    第1無線ゾーンの一部である第2無線ゾーンを照射する
    1以上の第2アンテナ装置と、 前記第2アンテナ装置に接続され、前記第1無線通信装
    置が送信する無線信号と同一内容の無線信号を、前記第
    1無線通信装置とは異なるタイミングで送信する1以上
    の第2無線通信装置と、 前記第1および第2の無線通信装置に接続されて、前記
    制御局から伝送路を介して伝送された信号の分配、また
    は前記第1および第2無線装置で受信された信号の合成
    を行なう合分波回路と、 を備えることを特徴とする路車間無線通信システム。
  3. 【請求項3】 前記道路側無線基地局の各々は、前記合
    分波回路と前記第1無線通信装置とを接続する第1伝送
    線路と、前記合分波回路と第2無線通信装置とを接続す
    る第2伝送線路とをさらに有し、前記第1伝送線路と前
    記第2伝送線路との長さを異ならせることにより、前記
    無線信号を異なるタイミングで送信させることを特徴と
    する請求項2に記載の路車間無線通信システム。
  4. 【請求項4】 前記第1および第2の伝送線路は、光伝
    送路であることを特徴とする請求項3に記載の路車間無
    線通信システム。
  5. 【請求項5】 制御局と、 前記制御局と伝送路で接続される複数の道路側無線基地
    局と、 車両に搭載され、前記道路側無線基地局との間で無線通
    信を行なう車両無線通信装置とを含み、 前記道路側無線基地局の各々は、 当該道路側無線基地局がカバーする第1無線ゾーンを照
    射する第1アンテナ装置と、 前記第1アンテナ装置に接続され、前記第1無線ゾーン
    内を走行する車両に搭載された車両無線通信装置に対し
    て無線信号を送信する第1無線通信装置と、 前記第1アンテナ装置とは異なる位置に配置され、前記
    第1無線ゾーンの一部である第2無線ゾーンを照射する
    1以上の第2アンテナ装置と、 前記第2アンテナ装置に接続され、前記第1無線通信装
    置が送信する無線信号と同一内容の無線信号を、前記第
    1無線通信装置とは異なるタイミングで送信する1以上
    の第2無線通信装置と、 を有し、 前記制御局は、各基地局の第1および第2の無線通信装
    置への信号を分配する分波器を有することを特徴とする
    路車間無線通信システム。
  6. 【請求項6】 前記制御局は、前記合分波器に接続され
    て、分配された信号を遅延させるための遅延回路をさら
    に有することを特徴とする請求項5に記載の路車間無線
    通信システム。
  7. 【請求項7】 前記制御局と前記各基地局の第1無線通
    信装置とを接続する第1伝送路と、前記制御局と前記各
    基地局の第無線通信装置とを接続する第2伝送路とをさ
    らに含み、前記第1伝送路と第2伝送路との長さを所定
    量だけ異ならせることにより、前記無線信号を異なるタ
    イミングで送信させることを特徴とする請求項5に記載
    の路車間無線通信システム。
  8. 【請求項8】 前記異なるタイミングで送信される同一
    内容の無線信号は、同一周波数で送信されることを特徴
    とする請求項1、2または5に記載の路車間無線通信シ
    ステム。
  9. 【請求項9】 前記制御局と、前記道路側無線基地局の
    各々とを接続する伝送路は、光伝送路であることを特徴
    とする請求項1、2または5に記載の路車間無線通信シ
    ステム。
  10. 【請求項10】 前記伝送路内を伝送される信号は、無
    線周波数信号または中間周波数信号であることを特徴と
    する請求項1、2または5に記載の路車間無線通信シス
    テム。
  11. 【請求項11】 前記第2無線ゾーンの大きさは可変で
    あることを特徴とする請求項1、2または5に記載の路
    車間無線通信システム。
  12. 【請求項12】 道路上を走行する車両に搭載された車
    両側無線通信装置との間で無線通信を行う道路側無線基
    地局で用いられるアンテナシステムであって、 前記道路側無線基地局がカバーする所定の第1無線ゾー
    ンを照射する第1のアンテナ装置と、 各々が1以上のビームを形成することができ、前記第1
    のアンテナ装置が照射する前記第1無線ゾーンの一部で
    ある第2無線ゾーンを照射する1または複数の第2のア
    ンテナ装置と、 を備えることを特徴とするアンテナシステム。
  13. 【請求項13】 前記複数の第2のアンテナ装置は、前
    記第1無線ゾーンの内部で、互いに重複しない空間をそ
    れぞれ対応する第2無線ゾーンとして照射することを特
    徴とする請求項12に記載のアンテナシステム。
  14. 【請求項14】 同一の無線基地局から到来する送信タ
    イミングの異なる2以上の同一内容の無線信号を受信す
    る単一のアンテナと、 前記アンテナで受信した送信タイミングの異なる信号を
    分離する分離手段と、 前記分離した信号に重み付けして合成する信号合成手段
    と、を備えることを特徴とする車両側無線通信装置。
  15. 【請求項15】 同一の無線基地局から到来する送信タ
    イミングの異なる2以上の同一内容の無線信号を受信す
    る単一のアンテナと、 前記アンテナで受信した送信タイミングの異なる信号を
    分離する分離手段と、 前記分離した信号のうち良好な信号を選択する選択手段
    と、 を備えることを特徴とする車両側無線通信装置。
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