JP2002094187A - 半導体レーザ及びそれを用いた光通信システム - Google Patents

半導体レーザ及びそれを用いた光通信システム

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JP2002094187A
JP2002094187A JP2000286870A JP2000286870A JP2002094187A JP 2002094187 A JP2002094187 A JP 2002094187A JP 2000286870 A JP2000286870 A JP 2000286870A JP 2000286870 A JP2000286870 A JP 2000286870A JP 2002094187 A JP2002094187 A JP 2002094187A
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Takeshi Kitatani
健 北谷
Masahiko Kondo
正彦 近藤
Toshiaki Tanaka
俊明 田中
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Hitachi Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】製造時の熱アニールによるPLピークエネルギ
ーのシフトが小さい、Nを含むIII−V族化合物半導体
層を有する半導体レーザを提供すること。 【解決手段】半導体基板上に、光を発生する活性層と、
光を閉じこめるクラッド層と、発生した光からレーザ光
を得るための共振器構造を備え、活性層が、窒素を含む
III−V族化合物半導体層を有し、この窒素を含むIII−
V族化合物半導体層を構成する窒素原子を、半導体層内
において一定の周期性を持って配置した半導体レーザ。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信用に適した
半導体レーザ及びそれを用いた光通信システムに関する
ものである。
【0002】
【従来の技術】現在の光通信には、光ファイバーにおけ
る伝送損失が低い点から、1.3μm及び1.55μm
帯の光が主として利用されており、光源としては、ガリ
ウムインジウム砒素燐(GaInAsP)系の端面発光
型半導体レーザが広く実用化されている。GaInAs
P系の半導体レーザは、材料物性的に活性層の伝導帯に
おけるバンドオフセット(ΔEc)が小さく、高温時に
は、高いエネルギー状態に分布する電子を十分に活性層
内に閉じ込めることができなくなる。そのため、この半
導体レーザを高温下で動作させると、しきい値電流やス
ロープ効率といったレーザ特性が大幅に劣下するという
ことが問題になっていた。しきい値電流の温度特性の良
し悪しを示す指標として、一般的に特性温度(T0)と
いう値が用いられているが、GaInAsP系の半導体
レーザにおけるT0の典型値は60〜70K程度であ
り、電子を理想的に閉じ込めた場合の理想値150K以
上に対して、大幅に低い値に留まっている。
【0003】これに対し、ジャパニーズ・ジャーナル・
オブ・アプライド・フィジックス1996年第35巻1
273頁(Jan.J.Appl.Phys.Vol.35(1996)pp.1273)誌
上に、半導体レーザの活性層に、窒素(N)を含むIII
−V族化合物半導体材料の一種である新材料ガリウムイ
ンジウム窒素砒素(GaInNAs)を用いることで、
350meV以上の非常に大きなΔEcが得られ、15
0K以上のT0が実現可能で、光通信用半導体レーザの
高温動作特性を画期的に改善できる可能性があることが
示された。また、GaInNAsは、ガリウム砒素(G
aAs)基板上に長波長帯の発光層を形成できるという
点から、アルミニウム砒素(AlAs)/GaAs系の
半導体多層膜反射鏡を一貫した結晶成長により形成で
き、長波長帯面発光型半導体レーザの実用化、高性能化
に向けても大きな期待を集めている。その後、ジャパニ
ーズ・ジャーナル・オブ・アプライド・フィジックス・
レターズ 2000年第39巻86頁(Jan.J.Appl.Phy
s.Vol.36(2000)pp.L86)誌上で本材料を用いた1.3μ
m帯端面発光型半導体レーザにおいて200Kを超える
0が実現され、その優れた高温動作特性が実証される
等、本材料系の研究が活発化している。なお、本明細書
では、端面発光型、面発光型と特に断わらない場合、両
方の半導体レーザを示すものとする。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】GaInNAs系等の
Nを含むIII−V半導体レーザの実用化に向けた最も大
きな課題の一つは、結晶性の向上である。GaInNA
sは相分離しやすい材料であり、良好な結晶を得るため
には、それを抑制できる低温成長と、この低温成長で生
じた欠陥回復のための熱アニールが有効であることが明
らかになってきている。しかしながら、GaInNAs
においては、熱アニールによってPL(フォトルミネッ
センス)ピークエネルギーが高エネルギー側にシフトす
る現象が観測されている。ジャーナル・オブ・クリスタ
ル・グロース 2000年第209巻345頁(Journa
l of Crystal Growth 209 (2000)345)誌上によると、
アニール温度に対するPLピークエネルギーの変化割合
は、従来のIII−V半導体であるGaInAsと比較し
て約4倍も大きい。そこで、実際の1.3μm帯レーザ
ダイオード(LD)素子の作製においては、熱アニール
による波長シフト分を考慮し、熱アニール前の状態で、
60nm程度発光波長が長波長側になるようにGaIn
NAs層のN組成を設計する必要が生じている。よっ
て、熱アニール工程で何らかの原因によって波長のシフ
ト量のばらつきが生じると、LD素子の発振波長も同様
に1.3μm帯からばらつき、LD素子作製の歩留まり
低下を引き起こし、ひいては作製コストの上昇をもたら
すことが懸念される。本波長シフトの抑制は、端面発光
型、面発光型半導体レーザに共通した大きな課題であ
る。
【0005】本発明の第1の目的は、製造時の熱アニー
ルによるPLピークエネルギーのシフトが小さい、Nを
含むIII−V族化合物半導体層を有する半導体レーザを
提供することにある。本発明の第2の目的は、そのよう
な半導体レーザを用いた光通信システムを提供すること
にある。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記第1の目的を達成す
るために、本発明の半導体レーザは、半導体基板上に、
光を発生する活性層と光を閉じこめるクラッド層と発生
した光からレーザ光を得るための共振器構造を備え、活
性層は、窒素を含むIII−V族化合物半導体層を有し、
この窒素を含むIII−V族化合物半導体層を構成する窒
素原子が、III−V族化合物半導体層内において一定の
周期性を持って配置されているようにしたものである。
【0007】窒素を含むIII−V族化合物半導体層は、
GaNAs、InNAs、AlNAs、GaNP、In
NP、AlNP、GaNSb、InNSb、AlNSb
又はこれらの混晶材料の中から選ばれることが好まし
い。
【0008】上記窒素を含むIII−V族化合物半導体層
は、活性層の主発光層に存在することが好ましい。ま
た、この主発光層は、組成の異なる半導体層が交互に積
層されて構成され、その内の少なくとも一種の半導体層
が上記窒素を含むIII−V族化合物半導体層であること
が好ましい。この半導体層は、それぞれ1〜5原子層の
厚さであることが好ましい。
【0009】また、半導体基板としては、結晶面が基板
の垂直方向に対してB方向に傾斜している傾角基板を用
いることができる。
【0010】また、上記第2の目的を達成するために、
本発明の光通信システムは、上記のいずれか一に記載の
半導体レーザと、受光素子とを具備する第1の光モジュ
ール及びこの第1の光モジュールと光ファイバーによっ
て接続された第2の光モジュールとから構成されるよう
にしたものである。
【0011】上述の窒素原子がIII−V族化合物半導体
層内において一定の周期性を持つとPLピークエネルギ
ーのシフトが小さくなる理由を説明する。熱アニールに
よるGaInNAsのPLピークエネルギーの高エネル
ギー側へのシフトは、GaInNAs自体のバンドギャ
ップのシフトに起因していることが判明した。このバン
ドギャップのシフトはGaInNAs膜中の原子位置
(配列)の変化に起因するものであると推測される。そ
の理由について、さらに詳しく述べる。Nを含むIII−
V族化合物半導体材料においては、電気陰性度が高く、
原子半径の小さいN原子の周りに電子が集まり局在して
いるので、波動関数が不均一に分布し、疑似的に原子間
の相互作用が弱められる効果が働く。それが、本材料系
特有の大きなバンドギャップボウイング(混晶半導体に
おけるバンドギャップの組成依存性の大きなたわみ)の
主要因となっているが、そのため、熱アニール時の微少
な原子の位置(配列)の変化によって波動関数の不均一
な分布状態が変化し、バンドギャップが大きく変動する
と推測される。一方、GaInAs等の従来のIII−V
族化合物半導体においては、電気陰性度や原子半径にお
ける大きな相違が存在せず、波動関数がほぼ均一に分布
できる。そのため、原子位置(配列)が変化することに
よるバンドギャップ変化への影響は小さい。同様のこと
は、フィジカル・レビュー・レターズ 1998年第5
7巻57 4425頁(Phys.Rev.Lett.57,4425(199
8))誌上の理論計算でも指摘されている。以上の知見か
ら考察すると、GaInNAsを始めとするNを含むII
I−V族化合物半導体材料において、熱アニールによる
PLピークエネルギーの変化を低減するためには、波動
関数ができるだけ均一に分布するようにすることが有効
であると考えられる。先述のように、波動関数の分布を
不均一にさせる原因は、N原子のランダムな位置(配
列)にある。そこで、層内のN原子の配置に周期性を導
入することで、波動関数の不均一な分布状態を大幅に改
善できる。先述の理論計算においても、N原子と砒素
(As)原子を交互に配置した場合、波動関数の分布状
態の不均一性を改善できることが示されている。その効
果により、GaInNAsを始めとするNを含むIII−
V族化合物半導体材料における熱アニール時のバンドギ
ャップの変化を低減できると考えられる。
【0012】
【発明の実施の形態】N原子を周期的に配置する具体的
手法の一例を示す。なお、ここではN原子の周期的な配
置方法について説明するため、その他の部分は省略して
いる。図1の例では、成長基板としてGaAs(10
0)基板101を用い、Ga0.7In0.3As 3原子層
102とGa0.7In0.30.04As0.96 1原子層10
3を交互に配列した。このように、複数の異なる半導体
層を数原子層程度の厚さで交互に積層することで、成長
方向に、Nが存在する層とNが存在しない層を周期性に
配列することが可能である。周期数を10とすれば、合
計の膜厚は、およそ10nmとなる。このとき、本膜は
擬似的に、Ga0.7In0.30.01As0.99と同等の組成
を有する。この膜を井戸層に用い、GaAsを障壁層と
した量子井戸構造では、熱アニール時の波長シフト量を
従来の60nmから30nmまで低減でき、光ファイバ
ー通信に適合する1.3μm帯での発光が実現できた。
【0013】また、別の例を図2に示す。ここでは、基
板としてGaAs(n11)B基板201を用いる(n
は正の整数)。N原子はこのように傾斜した基板のBス
テップの位置には吸着しにくいことが、第46回応用物
理学関係連講演会講演予稿集48頁29p−T−6誌上
に報告されている。よって、先述の図1に示した例と同
様に、Ga0.7In0.3As 3原子層202とGa0.7
In0.30.04As0.96 1原子層203を交互に10
周期積層した場合、図中に示したように、成長方向に加
えて、それと垂直な方向にもN原子が存在する領域と存
在しない領域が形成され、その分布に2次元的な周期性
を導入することができる。本発明構造では、GaAs
(311)B基板を用い、熱アニール時の波長シフト量
を、従来の60nmから20nmまで低減でき、図1の
例よりもさらに大きな効果が得られた。なお、より大き
な効果を得るためには、使用する基板のn(正の整数)
はできるだけ小さい数が好ましく、10以下であれば十
分効果が得られる。
【0014】Nを含むIII−V族化合物半導体材料にお
いて、N原子を周期的に配列する方法として、ここでは
2例を示したが、その他の手法を用いてN原子を周期的
に配列しても、同様の効果を得ることが可能であり、こ
の2例に限定されるものではない。
【0015】(実施例1)ここでは第1の実施例とし
て、複数の異なる半導体層を数原子層程度の厚さで交互
に積層するGaInNAs層を発光層に用いた面発光型
半導体レーザについて記述する。図3はその断面図であ
る。この素子の作製には、精密な膜厚制御や材料の瞬時
の切り替えが必要であること、また、GaInNAsに
おけるNの導入には、非平衡状態での成長法が適してい
るという点で分子線エピタキシー(MBE)法や有機金
属化学気相成長(MOCVD)法、化学ビームエピタキ
シー(CBE)法等が適している。但し、同様の構造が
形成できれば、本発明の効果を得ることが可能であるの
で、上記成長手法のみに限定されるものではない。ここ
では成長方法をガスソースMBE(GS−MBE)法と
した。GS−MBE法では、III族元素の供給源とし
て、Ga、Inを用い、V族元素の供給源として、As
に関してはAsH3を用いた。また、n型不純物として
シリコン(Si)、p型不純物として四臭化炭素(CB
4)を用いた。なお、p型不純物としてベリリウム
(Be)等を用いてもよい。NについてはN2ガスをR
Fプラズマ励起したNラジカルを使用した。なお、窒素
プラズマの励起は、その他にECR(Electron Cycrot
ron Resonance:電子サイクロトロン共鳴)プラズマを
用いても行うことができる。
【0016】作製する半導体基板はn型GaAs(10
0)基板302(n型不純物濃度=2×1018cm-3
を用いる。AsH3供給下のAs雰囲気において、基板
を昇温した後、基板上にn型AlAs/GaAs(n型
不純物濃度=1×1018cm-3)による下部半導体多層
膜反射鏡303を30周期積層する。その膜厚は、それ
ぞれ半導体中で1/4波長厚になるようにする。その
後、1/4波長厚のnドープGaAs層306(n型不
純物濃度=1×1018cm-3)、1/4波長厚のnドー
プAlAs下部電流狭窄層313(n型不純物濃度=1
×1018cm-3)を成長する。さらに、ノンドープGa
As下部障壁層307を形成する。
【0017】続いて、ノンドープGa0.7In0.3As
3原子層316とノンドープGa0.7In0.30.04As
0.96 1原子層317を交互に10周期形成する。合計
の膜厚は約10nmである。さらに、ノンドープGaA
s上部障壁層308を形成する。ここで、ノンドープG
aAs下部障壁層307、ノンドープGa0.7In0.3
s 3原子層316、ノンドープGa0.7In0.30.04
As0.96 1原子層317、ノンドープGaAs上部障
壁層308の合計膜厚は1波長厚みとし、ノンドープG
0.7In0.3As 3原子層316及びノンドープGa
0.7In0.30.04As0.96 1原子層317がこれらの
中心になるように配置する。
【0018】続いて、1/4波長厚のpドープAlAs
上部電流狭窄層312(p型不純物濃度=1×1018
-3)、1/4波長厚のpドープGaAs層310(p
型不純物濃度=1×1018cm-3)の順に形成する。最
後にAsH3供給下のAs雰囲気で、基板温度を600
℃に昇温し、1時間の熱アニール工程を施す。上記のよ
うに構成したことにより、熱アニール工程での波長シフ
トを30nm程度に抑制できた。なお、熱アニール工程
は、ノンドープGaAs上部障壁層308形成時に基板
温度を昇温し、その後の膜形成を継続しても同様の効果
が得られる。
【0019】このようにして作製された膜に、SiO2
を蒸着し、ホト工程にて円形状にパターニングした後、
これをマスクにして、下部の多層膜反射鏡303の上部
までメサエッチングを行う。ここで、エッチング液とし
ては、HBr:H22:H2Oを混合した液を用いる。
続いて、形成されたメサ構造に、電流狭窄を行うための
選択酸化を施す。nドープAlAs下部電流狭窄層31
3及びpドープAlAs上部電流狭窄層312は、この
工程により、側面部分がAlxy絶縁層314及び31
5に変化する。その後、SiO2保護層304、ポリイ
ミド305の順に形成する。この後、ポリイミドを、反
応性イオンエッチング法により、p型GaAs310上
部のSiO2が露出するまでエッチングして平坦化す
る。
【0020】続いて、p型GaAs310上部のSiO
2マスクを除去して、リング状p側電極309、n側裏
面電極301を形成する。最後にSiO2/TiO2から
なる、上部誘電体多層膜反射鏡311を形成し、電極上
の余分な部分は、ホト工程を経てドライエッチング法に
て除去して、素子として完成する。ここで、SiO2
TiO2の膜厚は、それぞれ半導体中で1/4波長厚に
なるようにする。このようにして作製された素子は、電
流が流れるnドープAlAs下部電流狭窄層313及び
pドープAlAs上部電流狭窄層312の未酸化の領域
が直径約5μmの場合に、閾値電流が0.1mAで室温
において連続発振した。本発明の効果により、1枚のウ
エハー上に作製されたほとんどの素子が1.3μm帯に
おいて発振し、良好な歩留まりで半導体レーザを得るこ
とができた。
【0021】本素子の波長は、光ファイバー通信で用い
られる波長帯と一致しており、本実施例の素子を光ファ
イバ通信システムの光源として用いた。図5にその一例
を示す。光モジュール505は、半導体レーザ501と
半導体レーザの駆動回路502及び受光素子503と受
光素子の駆動回路504から構成される。光モジュール
505は、制御回路506によって動作を制御される。
各光モジュールは、別の光モジュールと光ファイバー5
07で接続され、光通信を行う。本実施例記載の素子を
この半導体レーザ501として用いた。
【0022】(実施例2)第2の実施例として、基板に
GaAs(n11)B基板を用いた端面発光型半導体レ
ーザの例を示す(nは正の整数)。図4はその断面図で
ある。本素子の作製にはMOCVD法を用いる。ここ
で、III族元素であるガリウム(Ga)、インジウム
(In)の供給源として、それぞれ有機金属のトリエチ
ルガリウム(TEG)、トリメチルインジウム(TM
I)を用い、V族元素である砒素(As)の供給源とし
て、AsH3を用いた。また、n型不純物としてシラン
(SiH4)、p型不純物としてジエチルジンク(DE
Zn)を用いた。Nの供給源としては、ジメチルヒドラ
ジン(DMHy)を使用した。
【0023】作製する半導体基板はn型GaAs(31
1)B基板(n型不純物濃度=1×1018cm-3)40
2を用いる。AsH3供給下のAs雰囲気において基板
を昇温し、最初に、厚さ1.5μmのnドープGaAs
による下部クラッド層(n型不純物濃度=3×1018
-3)403を形成する。続いて、活性層を形成する。
まず、厚さ10nmのノンドープ下部Ga0.9In0.1
s光ガイド層404を形成する。続いて、ノンドープG
0.7In0.3As 3原子層405とノンドープGa
0.7In0.30.04As0.96 1原子層406を交互に1
0周期形成する。合計の膜厚は約10nmである。さら
に、厚さ10nmのノンドープGa0.9In0.1As上部
光ガイド層407を成長し、量子井戸活性層を形成し
た。続いて、p型GaAs上部クラッド層(p型不純物
濃度=7×1017cm-3)410の一部を形成した。そ
の後、ウエハーを大気中に取り出し、ストライプ状のS
iO2マスク(幅約5μm)により活性層下部までメサ
エッチングを行い、リッジ型の構造を形成した。
【0024】SiO2マスクを除去した後、再度MOC
VD装置内に導入し、pドープGaAs埋め込み層1
(p型不純物濃度=7×1017cm-3)408、nドー
プGaAs埋め込み層2(p型不純物濃度=7×1017
cm-3)409、pドープGaAs上部クラッド埋め込
み層3(p型不純物濃度=7×1017cm-3)410の
残り部分を形成した。なお、本実施例における熱アニー
ル工程は、埋め込み層形成時の基板温度を700℃にて
行うことで、同時に施している。これによって熱アニー
ル時の波長シフトを、20nm程度に抑制することがで
きた。最後に、pドープGaAsコンタクト層(p型不
純物濃度=5×1019cm-3)411の順に成長した。
【0025】このウエハーをMOCVD装置から取り出
した後、p型電極412を形成した。基板研磨工程後、
裏面にn型裏面電極401を形成し、さらに劈開工程を
経た後、素子長600μmの埋め込み型レーザ素子を得
た。続いて、素子後面に反射率95%の高反射膜を形成
した。このような作製工程を経て試作した素子は、閾値
電流値6mAで室温連続発振した。本発明の効果によ
り、1枚のウエハー上に作製されたほとんどの素子が
1.3μm帯において発振した。
【0026】本素子の波長は、光ファイバー通信で用い
られる波長帯と一致しており、本実施例の素子を、実施
例1と同様に図5の半導体レーザ501として使用し、
光通信システムの光源として用いた。
【0027】
【発明の効果】本発明によれば、GaInNAs等のII
I−V族化合物半導体材料を用いる半導体レーザにおい
て、熱アニール工程による発振波長のばらつきが小さ
く、素子作製の歩留まりが高い、低コストな半導体レー
ザを提供することが可能になった。また、この半導体レ
ーザを用いた光通信システムを提供することができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のGaInNAs層形成の第一の例を示
す図。
【図2】本発明のGaInNAs層形成の第二の例を示
す図。
【図3】本発明の第1の実施例の面発光型半導体レーザ
の断面構造図。
【図4】本発明の第2の実施例の端面発光型半導体レー
ザの断面構造図。
【図5】本発明の光通信システムの一例を示す模式図。
【符号の説明】
101…GaAs(100)基板 102…Ga0.7In0.3As 3原子層 103…Ga0.7In0.30.04As0.96 1原子層 201…GaAs(n11)B基板 202…Ga0.7In0.3As 3原子層 203…Ga0.7In0.30.04As0.96 1原子層 301…n型裏面電極 302…n型GaAs(100)基板 303…下部半導体多層膜反射鏡 304…SiO2保護層 305…ポリイミド 306…nドープGaAs層 307…ノンドープGaAs下部障壁層 308…ノンドープGaAs上部障壁層 309…リング状p側電極 310…pドープGaAs層 311…上部誘電体多層膜反射鏡 312…pドープAlAs上部電流狭窄層 313…nドープAlAs下部電流狭窄層 314…Alxy絶縁層 315…Alxy絶縁層 316…ノンドープGa0.7In0.3As 3原子層 317…ノンドープGa0.7In0.30.04As0.96
原子層 401…n型裏面電極 402…n型GaAs(311)B基板 403…下部クラッド層 404…ノンドープ下部Ga0.9In0.1As光ガイド層 405…ノンドープGa0.7In0.3As 3原子層 406…ノンドープGa0.7In0.30.04As0.96
原子層 407…ノンドープGa0.9In0.1As上部光ガイド層 408…pドープGaAs埋め込み層1 409…nドープGaAs埋め込み層2 410…pドープGaAs上部クラッド埋め込み層3 411…pドープGaAsコンタクト層 412…p型電極 501…半導体レーザ 502、504…駆動回路 503…受光素子 505…光モジュール 506…制御回路 507…光ファイバー
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 田中 俊明 東京都国分寺市東恋ヶ窪一丁目280番地 株式会社日立製作所中央研究所内 Fターム(参考) 5F073 AA22 AA45 AA65 AB17 BA01 CA07 CB02 DA25 EA29

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】半導体基板上に、光を発生する活性層と光
    を閉じこめるクラッド層と発生した光からレーザ光を得
    るための共振器構造を具備し、上記活性層は、窒素を含
    むIII−V族化合物半導体層を有する半導体レーザにお
    いて、上記窒素を含むIII−V族化合物半導体層を構成
    する窒素原子が、III−V族化合物半導体層内において
    一定の周期性を持って配置されていることを特徴とする
    半導体レーザ。
  2. 【請求項2】上記窒素を含むIII−V族化合物半導体層
    は、上記活性層の主発光層に存在することを特徴とする
    請求項1記載の半導体レーザ。
  3. 【請求項3】上記主発光層は、組成の異なる半導体層が
    交互に積層されて構成され、その内の少なくとも一種の
    半導体層が上記窒素を含むIII−V族化合物半導体層で
    あることを特徴とする請求項2記載の半導体レーザ。
  4. 【請求項4】上記半導体基板は、結晶面が基板の垂直方
    向に対してB方向に傾斜している傾角基板であることを
    特徴とする請求項1から3のいずれか一に記載の半導体
    レーザ。
  5. 【請求項5】請求項1から4のいずれか一に記載の半導
    体レーザ及び受光素子を具備する第1の光モジュール並
    びに該第1の光モジュールと光ファイバーによって接続
    された第2の光モジュールとを有することを特徴とする
    光通信システム。
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