JP2002093598A - プラズマ発生装置 - Google Patents

プラズマ発生装置

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JP2002093598A
JP2002093598A JP2000339551A JP2000339551A JP2002093598A JP 2002093598 A JP2002093598 A JP 2002093598A JP 2000339551 A JP2000339551 A JP 2000339551A JP 2000339551 A JP2000339551 A JP 2000339551A JP 2002093598 A JP2002093598 A JP 2002093598A
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discharge
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Kazuyoshi Kondo
一喜 近藤
Michio Taniguchi
道夫 谷口
Shoichiro Minoke
正一郎 蓑毛
Shigeki Amadate
茂樹 天立
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Daihen Corp
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    • H01J37/32Gas-filled discharge tubes
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    • HELECTRICITY
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    • H05HPLASMA TECHNIQUE; PRODUCTION OF ACCELERATED ELECTRICALLY-CHARGED PARTICLES OR OF NEUTRONS; PRODUCTION OR ACCELERATION OF NEUTRAL MOLECULAR OR ATOMIC BEAMS
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    • H05H1/24Generating plasma
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    • H01J37/32532Electrodes

Abstract

(57)【要約】 【課題】 放電管の熱劣化による亀裂や割れなどの破
損、冷媒の漏れを防止する。 【解決手段】 第1の金属材製の放電管エレメント11
と第2の金属材製の放電管エレメント12とを両者の連
結用フランジ11a,12a間に放電ギャップ形成兼真
空シール用の絶縁体14を介在させ、Oリング18,1
9で気密シールする状態で連結し、また、同様に第1の
金属材製の放電管エレメント11と第3の金属材製の放
電管エレメント13も同様に連結して1つの3分割組立
方式の放電管Aとなし、隣接する放電管エレメント1
1,12間および11,13間に放電ギャップ16,1
7を形成する。各放電管エレメントに高周波電源25を
接続する。各放電管エレメントには個別的に冷媒流路2
2b,23b,24bを設ける。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、主として半導体装
置、液晶表示パネル、太陽電池などの製造、特にはエッ
チングやアッシングや化学的気相成長(CVD)による
薄膜形成やスパッタリングや表面改質やチャンバークリ
ーニングなどの工程において使用されるプラズマ発生装
置、より詳しくは、プラズマ発生用のガスに対して高周
波電力を印加することによりプラズマを発生する方式の
プラズマ発生装置にかかわり、特には、放電管の熱劣化
を抑制するための技術に関する。もっとも、本発明にか
かわるプラズマ発生装置は、その適用対象を半導体装置
の製造のみに限定するものではなく、広く、任意の所要
の目的に適用可能であるものとする。
【0002】
【従来の技術】図18において、符号の101は絶縁体
製の放電管、102は絶縁体製の冷媒流動管、103は
上側の放電管支持フランジ、104は下側の放電管支持
フランジ、104aは冷媒流入口、103aは冷媒流出
口、105はガス導入フランジ、105aはプラズマ用
ガス導入口、106は装置取付フランジ、106aはプ
ラズマ流出口、107は誘導コイル、108は高周波電
源、109〜111はOリング、112はプラズマ発生
空間、113は冷媒流動空間である。
【0003】円筒状に形成された放電管101の外周部
に冷媒流動管102が外套され、放電管101と冷媒流
動管102の上端部に上側の放電管支持フランジ103
がそれぞれOリング109,110を介在する状態で外
嵌固定されているとともに、放電管101と冷媒流動管
102の下端部に下側の放電管支持フランジ104がそ
れぞれ真空シールのためのOリング109,110を介
在する状態で外嵌固定されており、このような嵌合構造
をもって2重管構造が構成されている。この2重管構造
において、放電管101と冷媒流動管102とは同心状
になっており、両者間に環状の冷媒流動空間113が形
成されている。下側の放電管支持フランジ104には冷
媒流動空間113に連通する冷媒流入口104aが設け
られ、上側の放電管支持フランジ103には冷媒流動空
間113に連通する冷媒流出口103aが設けられてい
る。上側の放電管支持フランジ103には放電管101
の上端開口部をほぼ閉塞するガス導入フランジ105が
真空シールのためのOリング111を介在する状態で当
接固定され、ガス導入フランジ105の軸心部には放電
管101のプラズマ発生空間112に連通する状態でプ
ラズマ用ガス導入口105aが設けられている。下側の
放電管支持フランジ104には放電管101のプラズマ
発生空間112に連通する状態で装置取付フランジ10
6がOリング111を介在する状態で当接固定されてい
る。2重管構造を構成している外側の冷媒流動管102
のさらに外側に誘導コイル107が巻回されており、こ
の誘導コイル107は高周波電源108に接続されてい
る。なお、誘導コイル107と高周波電源108との間
には両者間のインピーダンス整合のためのインピーダン
ス整合器(図示せず)が挿入されている。
【0004】以上のように構成されたプラズマ発生装置
は、その装置取付フランジ106において図示しないプ
ラズマ処理室(チャンバー)に取り付けられた状態で使
用される。プラズマ処理室に対して真空引きを行って、
プラズマ処理室の内部空間およびプラズマ発生装置のプ
ラズマ発生空間112を真空状態にする。次いで、プラ
ズマ用ガス導入口105aからプラズマ発生空間112
に向けてプラズマ発生用のガス(放電ガス)を供給する
とともに、高周波電源108を駆動して誘導コイル10
7に高周波電力を供給し、プラズマ発生空間112に高
周波電磁界を生じさせる。同時に、下側にある冷媒流入
口104aから冷媒を供給し、冷媒流動空間113に冷
媒を上昇させ、冷媒流出口103aから流出させる。
【0005】プラズマ発生空間112においてプラズマ
発生用のガスが流動し、そのプラズマ発生用のガスに高
周波電磁界が作用することにより、流動ガスの小領域に
高周波放電によるプラズマ点弧が起こる。小領域で起こ
ったプラズマ点弧が起因となって、プラズマ発生空間1
12を流動するガスのほぼ全体にプラズマ化が拡大す
る。このようにしてプラズマ発生空間112でプラズマ
化されたガスすなわちプラズマは、装置取付フランジ1
06のプラズマ流出口106aから図示しないプラズマ
処理室へと流入し、プラズマ処理室において例えば半導
体ウエハ、液晶基板等に対するエッチングやアッシング
などのプラズマ処理を行う。
【0006】プラズマ発生空間112で発生したプラズ
マは高温になる。放電管101は、プラズマ用ガス導入
口105aから導入されてくるプラズマ発生用のガスを
プラズマ化させるための空間であるプラズマ発生空間1
12を形成している。したがって、放電管101は高温
のプラズマに接触して温度上昇する。この温度上昇を所
定の範囲内に収めるために、放電管101の外周を取り
巻く冷媒流動空間113に冷媒を流動させることによ
り、熱交換を行っている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】上記のように放電管1
01を冷却しているのであるが、高温のプラズマに曝さ
れている放電管101の内周面と冷媒に接触する放電管
101の外周面との間には内外温度差が生じることは避
けられない。また、発生した高温のプラズマが局在化す
ることもあり、そうなると、管軸方向や周方向でも放電
管101に温度差が生じる。このような温度差に起因し
て、放電管101には熱歪みが生じる。
【0008】ところで、プラズマ発生用のガスを流動さ
せるための放電管に対してその外周に誘導コイルを配す
るインダクションカップリング型のこの種の高周波放電
によるプラズマ発生装置においては、次のようなことが
要件となっている。すなわち、放電管101の外部に配
置した誘導コイル107が供給する高周波電力によっ
て、放電管101のプラズマ発生空間112に高周波電
磁界を形成しなければならないので、放電管101とし
ては電磁シールドを形成しないように導体以外の材料つ
まりは絶縁体(誘電体)で作製されていなければならな
い。放電管101の外周にある冷媒流動管102につい
ても同様に絶縁体でなければならない。そのような絶縁
体としては、例えば石英、高純度アルミナ、窒化アルミ
ニウム、ガラス、サファイアなどがある。冷媒流動空間
113を流動する冷媒についても、印加する高周波電力
をなるべく吸収しないものがよい。
【0009】上記のように放電管101は温度差による
熱歪みを生じやすいものであるが、その放電管101が
絶縁体製となっているために、熱伝導率が低く、この絶
縁体製の放電管101は、冷却するにもかかわらず、そ
の内面の温度が高くなり、熱劣化を生じやすい。
【0010】加えて、放電管101は、そのプラズマ発
生空間112を真空引きするので、外部の大気圧との間
に大きな圧力差をもつものである。
【0011】さらに、プラズマ発生空間112に導入す
るプラズマ発生用のガスは使用目的や条件によって様々
であるが、ガス性状によっては反応性の高いプラズマが
発生される場合があり、放電管101が腐食されるおそ
れがある。
【0012】さらに、絶縁体は一般的に強度が金属材に
比べて低いものである。
【0013】このような高温や温度差や圧力差や腐食な
どのために、長時間使用においては、絶縁体製の相対的
に強度の弱い放電管101には亀裂や割れなどの破損が
発生するおそれがある。もし、万一、絶縁体製放電管1
01が破損を起こすと、真空シールが破壊され、プラズ
マ発生空間112の真空状態を作ることができないた
め、プラズマ発生そのものが不可能となってしまう。ま
た、もし、絶縁体製の放電管101が破損を起こすと、
冷媒が漏れ出し、その漏れ出した冷媒が不測にプラズマ
処理室内に流入し、半導体ウエハなどの被処理物を汚染
してしまうおそれがある。
【0014】インダクションカップリング型とは別のキ
ャパシタンスカップリング型のプラズマ発生装置もあ
る。それは、例えば、ガラスなどの絶縁体製の放電管の
外周面に湾曲形状の一対の電極を対向配置し、両電極に
高周波電力を印加し、放電管の内部のプラズマ発生空間
において高周波電磁界を作り、プラズマ発生用のガスを
電離することにより放電を起こし、プラズマを発生させ
るものである。この場合も、その放電管として絶縁体製
のものを用いているので、上記と同様の問題がある。
【0015】また、石英、高純度アルミナ、窒化アルミ
ニウム、ガラス、サファイアなどで作製されている絶縁
体製の放電管101は、そのイニシャルコストがかなり
高くつくものである。
【0016】
【課題を解決するための手段】上記した課題の解決を図
ろうとするプラズマ発生装置についての本発明は、放電
管の構成材料を、従来技術の場合の絶縁体に代えて、金
属材となす。それは、金属材が絶縁体に比べて、熱に対
する耐性が高いためと、物理的強度が高いためである。
【0017】ただし、単に材料の置き換えだけですむこ
とではない。それは、単純に放電管の全体を金属材で構
成してしまうと、金属材すなわち導体による電磁シール
ド作用のために、放電管の外周部に配置した誘導コイル
が発生する高周波電力は、金属材すなわち放電管の内部
には入り込むことができない。換言すれば、放電管外周
部にある誘導コイルから放電管内部のプラズマ発生空間
に対して高周波電力を与えることができない。
【0018】高周波電力を利用するプラズマ発生装置に
は、このようなインダクションカップリング型のほか
に、キャパシタンスカップリング型のプラズマ発生装置
がある。キャパシタンスカップリング型においても、そ
の放電管の全体を金属材で構成するとなると、一対の電
極をどのように構成し、どのように配置するかが問題と
なる。一対の電極を金属材製の放電管の内部に配置する
となれば、個々の電極を金属材製放電管に対して絶縁分
離した状態で配置する必要がある。放電管の内部に一対
の電極を配置すると、ガス・プラズマの流動の阻害要因
となる。また、金属材製の放電管とは別に一対の電極を
必要とし、構造の複雑化とコストアップを招く。
【0019】このように、放電管の構成材料を単に金属
材に置き換えるだけの単純な発想では、問題を解決する
ことはできない。
【0020】そこで、本発明においては、絶縁体に比べ
て熱的耐性も物理的強度もすぐれた金属材から放電管を
構成するにつけて、その放電管が金属材すなわち導体で
あって、この導体であるということにおいては電極と同
じであるということに着目する。つまり、放電管を電極
に兼用することはできないか、逆にいうと、電極を放電
管に兼用することができないかということについて、考
察する。
【0021】その考察の結果、本願第1の発明のプラズ
マ発生装置は、放電管を管軸方向で複数に分割した態様
の放電管エレメントのそれぞれを金属材製となし、それ
らの金属材製の放電管エレメントどうしを両者間に絶縁
体を介在させて放電ギャップを形成する状態で気密に連
結してあり、高周波電力の印加によって前記放電ギャッ
プにおいてプラズマ点弧可能に構成していることを特徴
としている。
【0022】すなわち、放電管をその管軸方向の1点ま
たは複数の点において管軸方向を横切るような状態で分
割することで得られるものを放電管エレメントとする。
放電管エレメントは複数ある。複数の放電管エレメント
を管軸方向に並べて組み合わせ、放電管となす。個々の
放電管エレメントを金属材製となす。複数の金属材製の
放電管エレメントを管軸方向に並べて組み合わせるに当
たり、直に両者を接触させる状態で連結するとなると、
その連結の結果得られる放電管の全体が単一の導体とな
ってしまい、これでは、放電管をもって電極を兼用させ
ることはできない。また、真空シール上も問題となる。
したがって、複数の金属材製の放電管エレメントどうし
を、両者間に絶縁体を介在させる状態で連結してある。
この絶縁体の介在は、両者間に放電ギャップを形成する
ためである。つまり、放電管エレメントの各々を電極と
して兼用するとともに、その電極としての放電管エレメ
ント間に放電ギャップを確保する機能をもつのが絶縁体
である。また、絶縁体は、放電管エレメントどうしの連
結を気密的に行う機能も有している。なお、絶縁体だけ
で気密性を確保するのがむずかしいときには、Oリング
などのシール材を用いるものとする。
【0023】なお、放電管エレメントを構成する金属材
としては、原則的にはどのようなものであってもよい
が、半導体装置などの被処理物に影響を与えることが少
ないものが好ましい。つまり、プラズマによって金属材
製の放電管エレメントの内周面がスパッタリングを受
け、そのスパッタ微粒子が導電性物質としてプラズマ発
生空間から流出する可能性がないとはいえないからであ
る。この意味でアルミニウムが好適である。さらに、プ
ラズマによる腐食を防止するためにアルミニウムに陽極
酸化処理を施したものが好ましい。ステンレスや銅など
は汚染の原因となるおそれがあるので、避けるのがよ
い。ただし、条件によってはステンレスや銅なども可で
ある。
【0024】また、放電ギャップ形成用の絶縁体として
は、原則的にはどのようなものでもあってもよいが、耐
熱性に配慮すると、高純度アルミナ、サファイア、石
英、窒化アルミニウムなどの無機質の高純度な絶縁体が
好ましい。あるいは、ポリイミドやテトラフルオロエチ
レン(テフロン(デュポン社の商標))やポリエチレン
などでもよい。
【0025】高周波電力における高周波については、そ
の周波数を特に限定するものでない。当該の技術分野に
おいては、通常、高周波は数百kHz以上とされてい
る。狭義には、10〜100MHzとする場合もある。
また、マイクロ波は1GHz以上とされ、狭義には10
3〜104MHz程度とする場合もある(マグネトロンと
して有名なのが2.45GHzである)。マイクロ波放
電の場合は、導波管を用いてマイクロ波を導くのが一般
的である。以上のような技術通念があることはあるが、
本発明の場合にあっては、高周波電力とは、マイクロ波
電力を含めてもよきものとし、プラズマ点弧およびプラ
ズマ発生を可能とするのであれば、必ずしもその周波数
にこだわる必要はないものとする。
【0026】以上のように連結された放電管エレメント
の組は、一対だけもの(エレメント数は2)でもよい
し、二対のもの(エレメント数は3)でもよいし、それ
以上のもの(4つ以上)であってもよい。
【0027】いずれにしても、複数の金属材製の放電管
エレメントを上記のように連結して放電管を構成するの
であるが、この放電管においては、そのほぼ全体がプラ
ズマ発生用のガスおよび発生したプラズマを所要の空間
内に封じつつ流動させるプラズマ発生空間を形成するた
めの管となっていると同時に、管軸方向で隣接する放電
管エレメントどうしが一対の電極を兼用的に構成してい
ることになる。すなわち、互いに異なる2つの機能を兼
備しているわけである。そして、隣接する放電管エレメ
ントに高周波電力を印加することにより、両放電管エレ
メント間の放電ギャップにおいてプラズマ点弧を行うこ
とが可能となる。
【0028】この第1の発明による作用は次のとおりで
ある。複数の金属材製の放電管エレメントの組み合わせ
からなる放電管は、その実質が金属材製であるから、従
来技術の場合の絶縁体製の放電管に比べて物理的強度が
充分に高いものとなる。耐熱性能も絶縁体製の放電管に
比べて充分に高いものとなる。冷却性も良い。したがっ
て、高温のプラズマに曝される条件であっても、熱劣化
が少ない。また、内部が真空引きされるため外部との差
圧で大きな圧力がかかる条件であっても、絶縁体製の放
電管のように破損することがない。また、反応性の高い
プラズマが発生される場合でも、金属材製の放電管は、
従来技術の場合の絶縁体製の放電管に比べて、腐食の程
度が低いものとなる。また、その結果として、寿命の延
長が図られ、メンテナンスの軽減化につながる。さら
に、放電ギャップという小さい隙間において高周波電力
を印加してプラズマ点弧を行うので、プラズマ点弧性能
が良く、プラズマ発生を良好に実現することができる。
【0029】本願第2の発明のプラズマ発生装置は、上
記の第1の発明において、前記複数の金属材製の放電管
エレメントとして、中央に位置する第1の放電管エレメ
ントと、プラズマ用ガス導入口を有する第2の放電管エ
レメントと、プラズマ流出口を有する第3の放電管エレ
メントとを備え、これら各放電管エレメントを管軸方向
に気密に連結していることを特徴とするものである。こ
れは、上記第1の発明をより具体的レベルで記述したも
のに相当している。ここで、プラズマ用ガス導入口やプ
ラズマ流出口の態様については、どのようなものでもあ
ってもよい。
【0030】すなわち、これは、放電管の3分割組立方
式である。放電管を管軸方向の2点において分割するこ
とにより3つの放電管エレメントとなす。中央が第1の
放電管エレメントであり、流路の上流側のが第2の放電
管エレメントであり、これにはプラズマ用ガス導入口が
あり、流路の下流側のが第3の放電管エレメントであ
り、これにはプラズマ流出口がある。
【0031】3分割組立方式の利点は次のようである。
放電管は、その機能上、プラズマ発生用のガスを外部か
ら導入する機能と、プラズマ発生空間においてガスに点
弧してプラズマ化する機能と、発生したプラズマをプラ
ズマ処理室に供給する機能との3つの機能に大きく分け
ることができる。その3つに分かれた機能に応じて放電
管エレメントを3つ用意し、それぞれに適した構成の採
用を可能とする。併せて、3分割組立方式であると、放
電ギャップを流路の上流側と下流側の2箇所に配置する
ことができ、両方の放電ギャップでプラズマ点弧を行う
ようにすると、プラズマ点弧性能が高いものとなる。な
お、もっとも、点弧は双方の放電ギャップで行うことを
必ずしも必要とせず、いずれか一方でもよきものとす
る。
【0032】本願第3の発明のプラズマ発生装置は、上
記の第2の発明において、前記第1ないし第3の放電管
エレメントと前記高周波電力を供給する高周波電源との
接続関係として、前記高周波電源の高圧側を前記中央の
第1の放電管エレメントに接続し、前記高周波電源のア
ース側を前記両側の第2および第3の放電管エレメント
に接続していることを特徴としている。これは、上記第
2の発明をより具体的レベルで記述したものに相当して
いる。
【0033】上流側の第2の放電管エレメントは、その
プラズマ用ガス導入口を介して外部のガス配管やガスボ
ンベへとつながっている。また、下流側の第3の放電管
エレメントは、そのプラズマ流出口において外部のプラ
ズマ処理室とつながっている。ガス配管やガスボンベに
高周波電源の高圧側が印加されることは安全上問題とな
る。また、プラズマ処理室に高周波電源の高圧側が印加
されることも安全上問題となる。後者の場合、製品の安
全性と人体の安全性とがある。そこで、両側にある第2
と第3の放電管エレメントの両者には高周波電源のアー
ス側を接続することで安全性を担保する。中間にある第
1の放電管エレメントは、それに高周波電源の高圧側を
接続すると、第2の放電管エレメントに対しても第3の
放電管エレメントに対しても共通同様に本来どおり高圧
側として機能し、しかもそれぞれの印加レベルが同一で
あるという合理的な構成となっている。
【0034】本願第4のプラズマ発生装置は、上記の第
1の発明において、前記複数の金属材製の放電管エレメ
ントとして、中央に位置する第1の放電管エレメント
と、プラズマ用ガス導入口を有する上流側の第2の放電
管エレメントと、プラズマ流出口を有する下流側の第3
の放電管エレメントと、前記中央の第1の放電管エレメ
ントと前記上流側の第2の放電管エレメントとの間に位
置する中間の第4の放電管エレメントと、前記中央の第
1の放電管エレメントと前記下流側の第3の放電管エレ
メントとの間に位置する中間の第5の放電管エレメント
とを備え、これら各放電管エレメントを管軸方向に気密
に連結していることを特徴とする。
【0035】プラズマ発生空間のガス圧が高くなるにつ
れて、電子の平均自由行程が短くなるため、プラズマの
生成がプラズマ発生空間の全体に広く行き渡ることが次
第にむずかしくなっていく。
【0036】粒子がある衝突から次の衝突までの間に運
動する距離を自由行程といい、その平均値を平均自由行
程という。平均自由行程は、一定の温度において、ガス
圧力に反比例する。すなわち、ガス圧が高いほど電子の
平均自由行程は短くなる。高ガス圧条件のもとでは電子
の平均自由行程が短くなるため、プラズマの生成は放電
ギャップの近傍に制限されるようになる。3分割組立方
式では、中央の第1の放電管エレメントの管軸方向長さ
が管内径に比べてかなり大きくなりがちであるので、第
1の放電管エレメントと第2の放電管エレメントとの間
の放電ギャップを中心とするプラズマ領域と第1の放電
管エレメントと第3の放電管エレメントとの間の放電ギ
ャップを中心とするプラズマ領域とがつながりを失い、
放電管のプラズマ発生空間の全体にわたってプラズマが
拡がらないようになる。このようなつながりを失った状
態のときには、高周波電源による印加電力を増大させて
も、プラズマの生成量に一定の限界があって、それ以上
の増加を見込めなくなり、プラズマの生成効率が極端に
悪いものとなってしまう。
【0037】そこで、本願第4の発明は、電子の平均自
由行程が短くなる高ガス圧の条件でもプラズマ生成効率
を高く維持できるようにする。すなわち、この第4の発
明は、放電管の5分割組立方式である。上記の第2の発
明の3分割組立方式のものと引き比べては、次のように
いうことができる。3分割組立方式のものにおいて、そ
の中央の第1の放電管エレメントをさらに管軸方向の2
点において分割することにより改めての第1の放電管エ
レメントに加えて第4の放電管エレメントと第5の放電
管エレメントとの2つを追加的に作り、上流側の第2の
放電管エレメントと下流側の第3の放電管エレメントと
合わせて全体として5つの放電管エレメントとなしたも
のに相当している。結果として、第2の発明の3分割組
立方式の場合の管軸方向での放電ギャップ間間隔を、こ
の第4の発明では3つに小さく分けたものに相当してい
る。なお、この3分割については、均等な3分割も含み
得るし、そうでない場合も含み得る。要するに、管軸方
向で隣接する放電ギャップ間間隔が充分に短くされてい
る。
【0038】したがって、プラズマ発生用のガスが高ガ
ス圧条件にあるために電子の平均自由行程が短く、第1
ないし第4の放電ギャップをそれぞれ中心とする管軸方
向4つのプラズマ領域は、個々の管軸方向占有範囲が短
くても、上記のように管軸方向で隣接する放電ギャップ
間間隔が充分に短くされているので、管軸方向で隣接す
るプラズマ領域どうしが互いにつながることになる。そ
の結果、プラズマ生成の連鎖反応が進行して、プラズマ
発生空間の全体にわたってプラズマ領域が拡がり、4つ
のプラズマ領域が一体につながることになる。すなわ
ち、高ガス圧条件においても、生成されるプラズマの量
が増え、給電効率を上げることができ、プラズマ生成効
率を向上させることができる。
【0039】本願第5の発明のプラズマ発生装置は、上
記の第4の発明において、前記第1ないし第5の放電管
エレメントと前記高周波電力を供給する高周波電源との
接続関係として、前記高周波電源のアース側を前記中央
の第1の放電管エレメントと前記上流側の第2の放電管
エレメントと前記下流側の第3の放電管エレメントとに
接続し、前記高周波電源の高圧側を前記中間の第4の放
電管エレメントと第5の放電管エレメントとに接続して
いることを特徴としている。
【0040】この第5の発明による作用は次のとおりで
ある。プラズマ用ガス導入口を介して外部のガス配管や
ガスボンベへとつながっている上流側の第2の放電管エ
レメントと、プラズマ流出口において外部のプラズマ処
理室とつながっている下流側の第3の放電管エレメント
と、これら2つに対してそれぞれ1つ飛ばしの中央の第
1の放電管エレメントとに高周波電源のアース側を接続
することで、安全性を確保している。そして、間に挟ま
れてある第4の放電管エレメントと第5の放電管エレメ
ントとに共通に高周波電源の高圧側を接続することによ
り、すべての放電ギャップに対して印加レベルが同一で
あるという合理的な構成としてある。
【0041】本願第6のプラズマ発生装置は、上記の第
1の発明において、前記複数の金属材製の放電管エレメ
ントの個数が奇数個であることを特徴とする。
【0042】プラズマ発生空間のガス圧が高くなるにつ
れて、電子の平均自由行程が短くなるので、プラズマの
生成がプラズマ発生空間の全体に広く行き渡ることが次
第にむずかしくなる。そのために、上記の第4の発明で
は、放電管を5分割組立方式にすることによって、管軸
方向で隣接する放電ギャップ間間隔を短くしてプラズマ
生成効率を向上させている。
【0043】しかし、5分割組立方式でも管軸方向で隣
接する放電ギャップ間間隔が長い場合には、さらに放電
管の分割数を増やして管軸方向で隣接する放電ギャップ
間間隔を短くしてプラズマ生成効率を向上させてもよ
い。
【0044】この場合、後述するように安全性の面から
放電管を奇数個に分割し、放電管エレメントの個数を奇
数個にすることが好ましい。
【0045】この第6の発明による利点は次のようであ
る。放電ギャップ間の間隔を微調整して設定できるの
で、プラズマ化させたいガス種、ガス圧、印加電力(電
圧)、印加周波数等のプラズマ発生条件によって、最適
な放電ギャップ間の間隔を設定できる。また、放電管の
分割数が固定の場合は、プラズマ発生装置が大型化した
ときに、放電ギャップ間の間隔が長くなってしまうが、
この第6の発明によれば、プラズマ発生装置が大型化し
たときでも、適切な放電ギャップ間の間隔を設定するこ
とができる。
【0046】本願第7のプラズマ発生装置は、上記の第
6の発明において、前記奇数個の放電管エレメントと前
記高周波電力を供給する高周波電源との接続関係とし
て、前記高周波電源のアース側をプラズマ用ガス導入口
を有する上流側の第2の放電管エレメントおよびプラズ
マ流出口を有する下流側の第3の放電管エレメントに接
続するという接続条件のもとに、前記高周波電源のアー
ス側と高圧側とを交互に前記奇数個の放電管エレメント
に接続してあることを特徴とする。これは、上記第6の
発明をより具体的レベルで記述したものに相当してい
る。
【0047】高周波電源のアース側と高圧側とを交互に
放電管エレメントに接続する場合に、放電管エレメント
の個数を増やそうとすれば、放電管エレメントの個数が
奇数個であるか偶数個であるかによって、上流側の第2
の放電管エレメントおよび下流側の第3の放電管エレメ
ントの印加レベルが異なってくる。
【0048】すなわち、放電管エレメントの個数が偶数
個の場合は、上流側の第2の放電管エレメントと下流側
の第3の放電管エレメントとで印加レベルが異なる。ま
た、放電管エレメントの個数が奇数個の場合は、上流側
の第2の放電管エレメントと下流側の第3の放電管エレ
メントとで印加レベルが同一になる。
【0049】ここで、上述したように、上流側の第2の
放電管エレメントおよび下流側の第3の放電管エレメン
トには、高周波電源のアース側を接続した方が好まし
い。そのために、放電管エレメントの個数は奇数個する
とともに、上記のような接続関係としたのである。
【0050】本願第8のプラズマ発生装置は、上記の第
1の発明において、前記プラズマ点弧可能な放電ギャッ
プの個数が偶数個であることを特徴とする。
【0051】プラズマ点弧可能な放電ギャップの個数が
偶数個であるということは、基本的に放電管を奇数個に
分割にし、放電管エレメントの個数を奇数個にするとい
うことなので(放電ギャップの個数をnとすると、放電
管エレメントの個数はn+1となる)、上述したように
好ましい形態になる。
【0052】しかし、プラズマの生成効率を向上させて
プラズマ領域が一体につながるようにするために必要な
放電ギャップ間の間隔よりも、放電管エレメントの管軸
方向の長さが短い場合には、高周波電源のアース側と高
圧側とを交互に複数の放電管エレメントに接続するので
はなく、高周波電源から印加される高周波電力(電圧)
の印加レベルが、隣接する2つ以上の放電管エレメント
に対して同一になるように、放電管エレメントに高周波
電源を接続して、実質的にプラズマ点弧可能な放電ギャ
ップ間の間隔を長くしてもよい。
【0053】すなわち、高周波電源のアース側又は高圧
側を隣接する2つ以上の放電管エレメントに連続して接
続する個所があり、この個所にある放電ギャップは、隣
接する放電管エレメントに対する高周波電力(電圧)の
印加レベルが同一であるので、プラズマ点弧しなくな
る。
【0054】よって、実質的に放電ギャップではなくな
る。そのために、実質的にプラズマ点弧可能な放電ギャ
ップ間の間隔を長くすることができる。
【0055】一方で、上流側の第2の放電管エレメント
および下流側の第3の放電管エレメントには、高周波電
源のアース側を接続した方が安全性の面で好ましい。
【0056】そのためには、実質的にプラズマ点弧可能
な放電ギャップの個数を偶数個にすることが条件にな
る。
【0057】この場合、高周波電源のアース側をプラズ
マ用ガス導入口を有する上流側の第2の放電管エレメン
トおよびプラズマ流出口を有する下流側の第3の放電管
エレメントに接続しても、放電管エレメントの個数は、
奇数個になるとは限らず、偶数個になることもある。
【0058】この第8の発明による利点は次のようであ
る。
【0059】プラズマの生成効率を向上させてプラズマ
領域が一体につながるようにするために必要な放電ギャ
ップ間の間隔は、ガス種、ガス圧、印加電力(電圧)、
印加周波数等のプラズマ発生条件によって異なる。その
ために、放電管エレメントの管軸方向の長さを、プラズ
マ発生条件に合わせて設定する必要があるので、放電管
エレメントの共通化をすることが困難である。
【0060】そこで、プラズマの生成効率を向上させて
プラズマ領域が一体につながるようにするために必要な
放電ギャップ間の間隔よりも、管軸方向の長さが短い放
電管エレメントを作成しておき、プラズマ発生条件に合
う放電ギャップ間の間隔になるように、複数の放電管エ
レメントのそれぞれに対して接続する高周波電源のアー
ス側または高圧側の接続順序を工夫することによって、
実質的にプラズマ点弧可能な放電ギャップ間の間隔を設
定することができる。そのために、放電管エレメントを
共通化できる。
【0061】特に、プラズマ発生装置が大型化し、多数
の放電管エレメントを使用するような場合には有効であ
る。
【0062】本願第9の発明のプラズマ発生装置は、上
記の第1〜第8の発明において、前記互いに連結する放
電管エレメントどうしの連結が、各放電管エレメントに
一体連接の半径方向外向きのフランジどうしを対向さ
せ、その対向フランジ間に前記絶縁体を介在させる態様
となっていることを特徴としている。
【0063】この第9の発明による作用は次のとおりで
ある。放電管を管軸方向において分割し、その分割によ
る放電管エレメントを連結して放電管を構成しているわ
けであるが、放電管は一時的であれ真空引きによって超
低圧とされるものである。したがって、分割ということ
は、真空シールの上で非常な問題となる。分割しても真
空シール性能は確実に確保しなければならない。その簡
単な対応がフランジ構造である。各放電管エレメントに
おいて、他の放電管エレメントとの連結相当箇所で、半
径方向外方に延在する態様のフランジを一体的に連接し
ておく。半径方向は管軸方向とはその方向性において次
元を異にしている。したがって、フランジは、必要に応
じて、充分な寸法・面積のものを構成することが可能で
ある。その必要とは、真空シール性能であり、また、連
結強度である。互いに対向するフランジどうし間に絶縁
体を介在させる状態で放電管エレメントどうしをそのフ
ランジにおいて連結するのである。必要な面積のフラン
ジ間で絶縁体を挟持すれば、真空シール性能を充分に確
保することが可能となる。なお、Oリングなどのシール
材の配置も容易となる。また、連結強度も充分に高いも
のとなすことが可能となる。また、絶縁体の介在で放電
ギャップを形成するのであるが、その介在する絶縁体の
面積を充分なものとすることで、外部からの応力による
変形が少なくなり、放電ギャップの寸法精度を充分に高
いものとすることができる。これは、プラズマ点弧にと
ってきわめて重要なことである。
【0064】本願第10の発明のプラズマ発生装置は、
上記の第1〜第9の発明において、前記各放電管エレメ
ントは、互いに個別に冷媒流路を備えているというもの
である。
【0065】この第10の発明による作用は次のとおり
である。放電管は、それを構成している各放電管エレメ
ントが金属材製であるから、従来技術の場合の絶縁体製
の放電管に比べて耐熱性はすぐれている。それでも、発
生するプラズマは高温になるので、放電管を冷却するこ
とが望ましい。冷却については、空冷も考えられるが、
液体の冷媒で冷却する方が効果的である。放電管に冷媒
流路を形成するに当たっては、放電管エレメントどうし
の連結部での漏れに配慮すると、放電管エレメントごと
に個別に冷媒流路を設けておくことが好ましい。放電管
の周面部での漏れについては、絶縁体製の放電管を用い
る従来技術とは違って、この放電管が金属材製であって
熱劣化に起因しての亀裂や割れなどの破損を生じにくい
ものであるから、放電管の周面部での冷媒の漏れは原則
的には発生しないものとなっている。このことにより、
冷媒の漏れを確実に防止する状態での複数エレメントに
よる放電管を構成することが可能となっている。また、
冷媒の種類については、従来技術の場合には高周波電力
をなるべく吸収しない例えば脱イオン水などの高価なも
のがよいとされたが、本発明の場合にはそのような制約
がなく、比較的低廉で入手の容易な冷媒を用いることが
でき、ランニングコストを低減する。
【0066】本願第11の発明のプラズマ発生装置は、
上記の第1〜第9の発明において、前記複数の放電管エ
レメントのうちの一部の放電管エレメントが冷媒流路を
備え、残りの放電管エレメントは空冷するものである。
【0067】この第11の発明による作用は次のとおり
である。各放電管エレメントの冷却については、上記第
10の発明のように、各放電管エレメントごとに個別に
冷媒流路を設けておくことが好ましいが、各放電管エレ
メントのすべてに冷媒流路を設けずに、一部の放電管エ
レメントを空冷にしてもプラズマの発生熱に耐え得る放
電管エレメントを製作することが可能な場合には、冷媒
流路は一部の放電管エレメントにのみ設け、残りの放電
管エレメントにおいては、これを空冷することで対応す
ることが可能となる。このように構成することにより、
冷媒流路の数を少なくでき、配管系の設備、流動冷媒の
消費の削減を含めて、プラズマ発生装置のイニシャルコ
ストおよびランニングコストを低減でき、また構造を簡
素化することができる。
【0068】本願第12の発明のプラズマ発生装置は、
上記の第1〜第11の発明において、前記放電ギャップ
と前記絶縁体との関係において、前記放電ギャップに連
なる前記両放電管エレメント間の隙間が、前記放電管エ
レメントの管軸方向に対して垂直な方向に沿う部分と管
軸方向に沿う部分との連なりの状態に形成されているこ
とを特徴としている。
【0069】この第12の発明による作用は次のとおり
である。絶縁体を挟持する状態で放電管エレメントどう
しを連結して放電ギャップを構成しているが、絶縁体の
内周面は放電ギャップを介して内部のプラズマ発生空間
に連なっている。したがって、プラズマ中に導電性物質
が含まれるような条件では、その導電性物質が放電ギャ
ップを介して絶縁体の内周面に付着堆積する可能性があ
る。絶縁体は管軸方向で隣接する一対の放電管エレメン
トを電気的に絶縁する役割をもって一対の放電管エレメ
ントの間に挟持されているものである。したがって、絶
縁体の内周面は、電気的には別として、物理的・機械的
には双方の放電管エレメントに連なっている。したがっ
て、その絶縁体の内周面に導電性物質が付着堆積する
と、その付着堆積した導電性物質を介して双方の金属材
製の放電管エレメントが電気的な短絡現象を起こしてし
まうおそれがある。短絡を起こすと、プラズマ点弧その
ものが支障を来たし、プラズマ発生装置としての信頼性
が問題となる。
【0070】そこで、放電ギャップに連なる両放電管エ
レメントの隙間を曲げておく。その曲げ方は、屈折でも
よいし、屈曲でもよい。要するに、管軸方向に対して垂
直な方向に沿う部分と管軸方向に沿う部分との連なりの
態様をしていればよい。これら両部分は直角につながっ
ていてもよいし、ある曲率の湾曲部やテーパー部を介し
てつながっていてもよい。プラズマ発生空間における導
電性物質が他の粒子との衝突等で放電ギャップの奥の隙
間に飛び込むことがあっても、その飛翔の経路は、管軸
方向に対して垂直な方向に沿う傾向がある。放電ギャッ
プ奥の隙間の奥端で導電性物質が付着堆積しても、絶縁
体に至るまでには、まだ管軸方向に沿う部分が残ってい
る。この管軸方向に沿う部分には、飛翔してくる導電性
物質は衝突しにくく、その付着堆積は抑制される。この
ように、空間的にゆとりがあることと衝突しにくいこと
との相乗により、導電性物質を介しての短絡現象を防止
することができ、プラズマ発生装置の信頼性を向上させ
ることができる。
【0071】本願第13の発明のプラズマ発生装置は、
上記の第1〜第12の発明において、前記放電管エレメ
ントどうし間に介在される絶縁体が、真空シールのため
の外側の本体部分と、プラズマに曝される内側の防護部
分とに分けられていることを特徴としている。
【0072】この第13の発明による作用は次のとおり
である。放電ギャップ形成用の絶縁体は、高温のプラズ
マに直接に曝されることやその付近は直接には冷却され
ないことのために局部的な過熱を受け、熱歪みが生じや
すく、熱歪みによって絶縁体に亀裂や割れなどの破損が
生じて、真空破れを引き起こすおそれがある。そこで、
絶縁体を内側の防護部分と外側の本体部分とに分け、本
体部分で真空シールの機能をもたせるとともに、防護部
分は、たとえここがプラズマに曝されて亀裂や割れなど
を生じたとしても、それを許容する部分となし、防護部
分での亀裂や割れなどが本体部分に伝染するのを防止す
る。すなわち、熱劣化に対する防波堤の役割を防護部分
に担わせ、熱劣化における犠牲とし、背後の本体部分を
護らせるのである。なお、本体部分と防護部分とは空間
的に離してもよいし、接触していてもよい。少しは離し
ておく方が伝染の抑制にとっては好ましい。亀裂や割れ
などの破損の伝染を実質的に防止できるのであれば、細
い部分を介して一体的につながっているようなものでも
かまわない。本体部分が熱劣化から免れるため、真空シ
ールの性能は長期間にわたって維持され、プラズマ発生
装置の信頼性を向上させることができる。
【0073】
【発明の実施の形態】以下、本発明のプラズマ発生装置
の具体的な実施の形態について、図面を用いて詳細に説
明する。
【0074】(実施の形態1)図1は実施の形態1の高
周波放電方式のプラズマ発生装置の構造を概略的に示す
垂直断面図、図2は要部である放電ギャップの周辺を拡
大図示する拡大断面図である。図1、図2において、符
号の11は上下方向の中央に位置する第1の金属材製で
円筒形の放電管エレメント、12は上下方向の上側に位
置する第2の金属材製で円筒形の放電管エレメント、1
3は上下方向の下側に位置する第3の金属材製で円筒形
の放電管エレメント、11a,11bは中央の第1の放
電管エレメント11の上下両端部に一体的に連接されて
いる連結用フランジ、12aは第2の放電管エレメント
12の下端に一体的に連接されている連結用フランジ、
13aは第3の放電管エレメント13の上端に一体的に
連接されている連結用フランジ、14,15は放電ギャ
ップ形成兼真空シール用の絶縁体、16,17は放電ギ
ャップ、12bはプラズマ用ガス導入口、13bはプラ
ズマ流出口、13cは装置取付フランジ、18,19,
20,21はOリング、22a,23a,24aは冷媒
流入管、22b,23b,24bはウォータージャケッ
ト方式の冷媒流路、22c,23c,24cは冷媒流出
管、25は高周波電源である。なお、放電管エレメント
の形状については、筒形であればよく、円筒形にこだわ
る必要はなく、角筒形でもよい。
【0075】第1の放電管エレメント11において、そ
の円筒部は互いに同心状の内管部11mと外管部11n
との間に冷媒流路22bを形成したものとして構成され
ており、外管部11nの下端部と上端部にそれぞれ冷媒
流入管22aと冷媒流出管22cとが冷媒流路22bに
連通する状態で連結されている。同様に、第2の放電管
エレメント12において、その円筒部は互いに同心状の
内管部12mと外管部12nとの間に冷媒流路23bを
形成したものとして構成されており、外管部12nの下
端部と上端部にそれぞれ冷媒流入管23aと冷媒流出管
23cとが冷媒流路23bに連通する状態で連結されて
いる。また、第3の放電管エレメント13において、そ
の円筒部は互いに同心状の内管部13mと外管部13n
との間に冷媒流路24bを形成したものとして構成され
ており、外管部13nの下端部と上端部にそれぞれ冷媒
流入管24aと冷媒流出管24cとが冷媒流路24bに
連通する状態で連結されている。なお、内管部11mと
外管部11nとの関係は、内管部11mに対して別途作
製の外管部11nを溶接やロウ付けによって一体的に連
接することで構成できる。この方式で、熱交換面積の大
きなウォータージャケット方式の冷媒流路22bを形成
することが可能である。
【0076】第1の放電管エレメント11の上端部に一
体連接された連結用フランジ11aの上面において環状
溝が形成され、その環状溝にOリング18が嵌着されて
いるとともに、第1の放電管エレメント11の下端部に
一体連接された連結用フランジ11bの下面に形成され
た環状溝にOリング20が嵌着されている。第2の放電
管エレメント12の下端部に一体連接された連結用フラ
ンジ12aの下面に形成された環状溝にOリング19が
嵌着されている。第3の放電管エレメント13の上端部
に一体連接された連結用フランジ13aの上面に形成さ
れた環状溝にOリング21が嵌着されている。
【0077】第1の放電管エレメント11の上端側の連
結用フランジ11aと第2の放電管エレメント12の下
端部の連結用フランジ12aとが両者間に放電ギャップ
形成兼真空シール用の絶縁体14を挟持し、さらに、そ
れぞれのOリング18,19が絶縁体14に密着する状
態で、かつ、内管部11mの上端面と内管部12mの下
端面との間に放電ギャップ16を形成する状態で、第1
の放電管エレメント11と第2の放電管エレメント12
とが同軸状に連結されている。第2の放電管エレメント
12の連結用フランジ12aの下面には段差部12cが
形成されており、この段差部12cに放電ギャップ形成
兼真空シール用の絶縁体14が嵌着されている。放電ギ
ャップ形成兼真空シール用の絶縁体14の厚さは段差部
12cの深さよりも大きくなっており、その差分の寸法
の放電ギャップ16が確保されている。
【0078】同様に、第1の放電管エレメント11の下
端側の連結用フランジ11bと第3の放電管エレメント
13の上端部の連結用フランジ13aとが両者間に放電
ギャップ形成兼真空シール用の絶縁体15を挟持し、さ
らに、それぞれのOリング20,21が絶縁体15に密
着する状態で、かつ、内管部11mの下端面と内管部1
3mの上端面との間に放電ギャップ17を形成する状態
で、第1の放電管エレメント11と第3の放電管エレメ
ント13とが同軸状に連結されている。第1の放電管エ
レメント11の連結用フランジ11bの下面には段差部
11cが形成されており、この段差部11cに放電ギャ
ップ形成兼真空シール用の絶縁体15が嵌着されてい
る。放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁体15の厚
さは段差部11cの深さよりも大きくなっており、その
差分の寸法の放電ギャップ17が確保されている。な
お、連結用フランジ11a,12aどうしの連結および
連結用フランジ11b,13aどうしの連結について
は、通常はボルト連結(図示せず)である。そのボルト
は絶縁体14,15も貫通する。
【0079】第1の放電管エレメント11と第2の放電
管エレメント12と第3の放電管エレメント13とは同
軸状に連接された状態となり、1つの3分割組立方式の
放電管Aを構成している。
【0080】Oリング18〜21は、第1ないし第3の
放電管エレメント11,12,13による3分割組立方
式の放電管Aにおいて、その高度な真空シール性を確保
するためのものである。放電ギャップ形成兼真空シール
用の絶縁体14,15は、真空シール性確保の補助の機
能ももっている。
【0081】プラズマ発生のエネルギー源としての高周
波電源25の2つの出力端子のうち、一方がグランドG
NDに接続されてアース側25aとされ、他方が高圧側
25bとされている。3つの放電管エレメントのうちの
上下方向中央に位置する第1の放電管エレメント11に
対して高周波電源25の高圧側25bが接続され、その
上下の第2の放電管エレメント12と第3の放電管エレ
メント13とに対して高周波電源25のアース側25a
が接続されている。
【0082】なお、図1では図示していないが、通常、
高周波数の電磁波がプラズマ発生装置の外部に漏れない
ようにするために、プラズマ発生装置全体、または、少
なくとも高周波電源25の高圧側25bに接続する放電
管エレメント全体を導体で覆って電磁シールドをしてい
る(以降の実施の形態でも同様である)。
【0083】第1ないし第3の放電管エレメント11,
12,13はそれぞれ金属材で作製されており、それぞ
れ放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁体14,15
を介在しており、かつ、放電ギャップ16,17を隔て
ているので、各放電管エレメント11,12,13が放
電電極を兼ねた構成となっている。すなわち、第1の金
属材製の放電管エレメント11の内管部11mの上端と
第2の金属材製の放電管エレメント12の内管部12m
の下端とが放電ギャップ16部において一対の放電電極
を形成し、また、第1の金属材製の放電管エレメント1
1の内管部11mの下端と第3の金属材製の放電管エレ
メント13の内管部13mの上端とが放電ギャップ17
部において別の一対の放電電極を形成している。それぞ
れの放電電極における放電ギャップ16,17では、高
周波電源25から印加される高周波電力によって高周波
電磁界が形成されることになる。
【0084】第1ないし第3の放電管エレメント11,
12,13から構成された1つの3分割組立方式の放電
管Aは、一連の円筒形の管状体となっており、その一端
にはプラズマ用ガス導入口12bがあり、他端にはプラ
ズマ流出口13bがあり、その間がプラズマ発生用のガ
スおよびプラズマが流動するプラズマ発生空間26とな
っている。このプラズマ発生空間26は、上下2つの放
電ギャップ16,17の箇所を除くと、その全体が滑ら
かな円筒状の流路となっており、また、放電ギャップ1
6,17はプラズマ発生空間26の全体からみると充分
に小さなものであるので、これらの放電ギャップ16,
17がプラズマ発生用のガスや発生したプラズマの流動
を妨げる度合いは充分に小さく、したがって、ガスやプ
ラズマはスムーズに流動することとなる。なお、プラズ
マ発生用のガス(放電ガス)としては、アルゴン、水
素、酸素、塩素、四フッ化炭素(CF4)、シラン、三
フッ化窒素(NF3)などがある。
【0085】放電ギャップ16において印加される高周
波電圧をV=V0sin2πftとし、ギャップ長をdとす
ると、発生する高周波電界Eは、E=E0sinθ2πft
となる(ただし、E0=V0/d)。ギャップ長dを適当
に小さく設定することにより、高周波電界Eの振幅E0
を所要の大きさにすることが充分に可能である。
【0086】なお、上下方向中央の第1の放電管エレメ
ント11に高周波電源25の高圧側25bを接続し、そ
の上下両側の第2の放電管エレメント12と第3の放電
管エレメント13にアース側25aを接続することに代
えて、逆の関係で接続を行って同様の機能が発揮され
る。ただし、ガス配管やガスボンベとの接続やプラズマ
処理室との取り付け等の面で安全性を考慮すると、図示
のように接続する方が好ましいといえる。もっとも、別
の対策で安全性を確保できるのであれば、後者のように
してもよいのである。
【0087】第2の金属材製の放電管エレメント12の
内管部12mの内周面を滑らかに流動してきたプラズマ
発生用のガスは、高周波電磁界が印加されている放電ギ
ャップ16においてプラズマ点弧(着火)が行われ、一
旦、プラズマ点弧が実現すると、連鎖反応によって高周
波放電がプラズマ発生空間26の全体に拡がることとな
り、良好なプラズマ発生を行うことができる。
【0088】第1ないし第3の放電管エレメント11,
12,13を構成する金属材については、このプラズマ
発生装置を半導体製造等におけるプラズマプロセスで使
用するときには、半導体等の被処理物に対して不純物汚
染などを起こしにくいアルミニウムとするのが好まし
い。すなわち、ステンレスや銅などの重金属の場合に
は、不純物汚染のおそれがあり、好ましいとはいえな
い。
【0089】放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁体
14,15を構成する絶縁体については、高純度アルミ
ナ、サファイア、石英、窒化アルミニウムなどの無機質
の高純度な絶縁体が好ましい。あるいは、ポリイミドや
テトラフルオロエチレン(テフロン(デュポン社の商
標))やポリエチレンなどでもよい。
【0090】もっとも、金属材や絶縁体については、前
記のようなものに限定される必要性はなく、所期の機能
を発揮するのであれば、上記の例示以外の任意のものの
採用が可能であるものとする。
【0091】次に、上記のように構成された実施の形態
1のプラズマ発生装置の動作を説明する。ここでは、プ
ラズマ発生装置が、その第3の放電管エレメント13の
装置取付フランジ13cにおいて図示しないプラズマ処
理室(チャンバー)に取り付けられているものとする。
【0092】プラズマ処理室に対して真空引きを行っ
て、プラズマ処理室の内部空間およびプラズマ発生装置
における第1ないし第3の放電管エレメント11,1
2,13から構成された1つの3分割組立方式の放電管
Aの内部空間であるプラズマ発生空間26を真空状態に
する。次いで、プラズマ用ガス導入口12bからプラズ
マ発生空間26に向けてプラズマ発生用のガスを供給
し、そのガス圧を所定の圧力にするとともに、高周波電
源25を駆動して上下の放電ギャップ16,17それぞ
れに高周波電力を供給し、プラズマ発生空間26に連通
している放電ギャップ16,17において高周波電磁界
を生じさせる。同時に、第1ないし第3の放電管エレメ
ント11,12,13それぞれにおいて下側にある冷媒
流入管22a,23a,24aから冷媒を供給し、冷媒
流路22b,23b,24bに冷媒を上昇流動させ、冷
媒流出管22c,23c,24cから流出させる。な
お、冷媒としては、安価な水を用いることができるが、
これ以外にエチレングリコールやフルオロカーボンでも
よいし、脱イオン水でもよい。
【0093】プラズマ用ガス導入口12bからプラズマ
発生空間26に導入されたプラズマ発生用のガスはプラ
ズマ発生空間26をプラズマ流出口13bに向けて流動
する。そのガスの一部は第2の金属材製の放電管エレメ
ント12の内管部12mの内周面を滑らかに流動する。
高周波電力が印加されている上流側の放電ギャップ16
においては、そのギャップが充分に小さいことから、高
電圧、高電界が発生する。このような高周波電磁界が形
成されている放電ギャップ16において流動しているプ
ラズマ発生用のガスにプラズマ点弧(着火)が行われ
る。一旦、プラズマ点弧が実現すると、高周波電源25
が出力する高周波電力を次第に増加していくことにより
連鎖反応を促し、この連鎖反応によって高周波放電がプ
ラズマ発生空間26を流動するガスの全体に拡がること
となり、良好なプラズマ発生を行うことができる。ただ
し、必ずしも高周波電力を次第に増加する必要はない。
なお、プラズマ点弧は、下流側の放電ギャップ17でも
行われる。放電ギャップ16,17のギャップはなるべ
く小さくすることが好ましい。
【0094】このようにしてプラズマ発生空間26でプ
ラズマ化されたガスすなわちプラズマは、第3の放電管
エレメント13のプラズマ流出口13bから図示しない
プラズマ処理室へと流入し、プラズマ処理室において例
えば半導体ウエハ、液晶基板等に対するエッチングやア
ッシングなどのプラズマ処理を行う。
【0095】プラズマ発生空間26で発生したプラズマ
は高温になる。この高温のプラズマに曝されている第1
ないし第3の放電管エレメント11,12,13の内管
部11m,12m,13mは、その外側の冷媒流路22
b,23b,24bを流動する冷媒との熱交換によって
冷却される。第1ないし第3の放電管エレメント11,
12,13の内管部11m,12m,13mは金属材で
構成されているから、その熱伝導率が従来技術の場合の
絶縁体製の放電管に比べて高いものとなっている。した
がって、内管部11m,12m,13mに対する昇温抑
制効果は大きなものとなり、良好に所定の温度範囲内に
コントロールされる。
【0096】加えて、内管部11m,12m,13mは
金属材で構成されているから、その耐熱強度および物理
的強度が従来技術の場合の絶縁体製の放電管に比べて強
いものである。したがって、全体として、内管部11
m,12m,13mが受ける熱的影響は従来技術の場合
の絶縁体製の放電管に比べて充分に小さなものとなって
いる。熱歪みは少なく、熱劣化も小さい。3分割組立方
式の放電管Aの内部空間であるプラズマ発生空間26は
真空引きされるため、外部の大気圧との間に大きな圧力
差をもつが、金属材製であって物理的強度が充分に大き
いので、圧力差に起因して絶縁体製の放電管のように破
損することがない。
【0097】プラズマ発生空間26に導入するプラズマ
発生用のガスは使用目的や条件によって様々であり、ガ
ス性状によっては反応性の高いプラズマが発生される場
合があるが、金属材製の3分割組立方式の放電管Aは、
従来技術の場合の絶縁体製の放電管に比べて、腐食の程
度も低いものとなる。
【0098】長時間使用においても、3分割組立方式の
放電管Aの劣化度合いが低いので、放電管Aを構成して
いる要素である第1ないし第3の放電管エレメント1
1,12,13に対するメンテナンスについて、従来技
術に比べると、そのサイクルを相対的に長いものにして
よく、また、第1ないし第3の放電管エレメント11,
12,13の寿命の延長が図られ、その交換のサイクル
も相対的に長いものとなり、メンテナンス費用を大幅に
軽減することができる。
【0099】第1ないし第3の放電管エレメント11,
12,13はアルミニウム製が好ましいと考えられる
が、従来技術の場合の絶縁体製の放電管に比べて、アル
ミニウムは材料費が低廉であり、イニシャルコストも安
くつく。キャパシタンスカップリング型であるため、イ
ンダクションカップリング型であって誘導コイルを用い
た従来技術に比べると、その構造がより簡単であり、こ
の意味でもイニシャルコストを低廉化できる。
【0100】3分割組立方式の放電管Aは第1ないし第
3の放電管エレメント11,12,13の連結体である
が、比較的大きな面積の連結用フランジ11a,12
a,11b,13aおよび比較的大きな面積の放電ギャ
ップ形成兼真空シール用の絶縁体14,15を用い、さ
らにOリング18〜21を用いているので、真空シール
の性能は充分なものとなっている。
【0101】(実施の形態2)実施の形態2は実施の形
態1の改良にかかわるものである。実施の形態1の場合
の放電ギャップ16の周辺を拡大して図示したのが図3
である。第2の金属材製の放電管エレメント12の下端
部の連結用フランジ12aに形成された段差部12cに
放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁体14が嵌着さ
れている。この放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁
体14を挟持する状態で第2の金属材製の放電管エレメ
ント12の連結用フランジ12aと第1の金属材製の放
電管エレメント11の上端部の連結用フランジ11aと
が連結されている。第1の放電管エレメント11の内管
部11mの上端面と第2の放電管エレメント12の内管
部12mの下端面との間に放電ギャップ16が形成され
ている。この放電ギャップ16のギャップ寸法dはかな
り短いものとなっている。放電ギャップ形成兼真空シー
ル用の絶縁体14の内周面14aは、その一部が段差部
12cの周面に接触しているが、残りの部分は放電ギャ
ップ16に露出している。その露出部分を露出内周面部
14bとする。
【0102】プラズマ発生空間26において発生したプ
ラズマに導電性物質が含まれていることがある。このよ
うな場合に、長時間使用において、導電性物質が放電ギ
ャップ形成兼真空シール用の絶縁体14の露出内周面部
14bに付着し、堆積していく可能性がある。そのよう
に付着堆積した導電性物質を付着堆積導電性物質27と
する。
【0103】付着堆積するのが絶縁性の物質である場合
にはそれほど問題とはならないのであるが、付着堆積す
るのが導電性の物質である場合には、次のような問題を
生じる可能性があると考えられる。本発明にかかわるプ
ラズマ発生装置はキャパシタンスカップリング型のもの
であり、内管部11m,12mどうしを対向させる第1
および第2の放電管エレメント11,12を金属材製と
してある。その放電ギャップ16を形成している金属材
製の内管部11m,12mどうしが、放電ギャップ形成
兼真空シール用の絶縁体14の露出内周面部14bにお
ける付着堆積導電性物質27を介して電気的な短絡を起
こす可能性がある。もし、長時間使用においてこのよう
な短絡が発生すると、高周波放電を起こさせる放電ギャ
ップ16そのものが成り立たなくなる。すなわち、対向
する金属材製の内管部11m,12mどうしは空間的に
は隙間を有していても、電気的には短絡しているのであ
るから、高周波放電そのものが生起しなくなってしま
う。したがって、プラズマの発生も起こらなくなってし
まう。それどころか、内管部11m,12m間の電気的
抵抗値が付着堆積導電性物質27のために大きく低下
し、絶縁破壊を起こしてしまうため、高周波電源25に
よって印加された高周波電力による大きな電流が付着堆
積導電性物質27を介して流れることになり、安全性の
面で大きな問題となる。
【0104】上記においては上流側に位置する放電ギャ
ップ16での付着堆積導電性物質27による短絡につい
て述べたが、下流側に位置する第1の放電管エレメント
11と第3の放電管エレメント13との間の放電ギャッ
プ17においても同様の問題がある。
【0105】これを避けるためには、定期的または不定
期的な検査によって、導電性物質の付着堆積の様子をチ
ェックする必要がある。そうなると、メンテナンス費用
が増大することになる。
【0106】なお、プラズマ中に含まれる導電性物質と
しては、プラズマ用ガス導入口12bから供給されるプ
ラズマ発生用のガスが収納されているボンベの内周面や
配管の内周面から剥離したものや、金属材製の放電管エ
レメント11,12,13の内周面から剥離したりスパ
ッタリングされたものが考えられる。
【0107】実施の形態2のプラズマ発生装置は、上記
のような不都合をできるだけ軽減するように工夫したも
のである。
【0108】図4は実施の形態2の高周波放電方式のプ
ラズマ発生装置の構造を概略的に示す垂直断面図、図5
は要部である放電ギャップの周辺を拡大図示する拡大断
面図である。
【0109】図4、図5において、実施の形態1の図
1、図2におけるのと同じ符号は同一構成要素を指して
いるので、詳しい説明は省略する。また、実施の形態1
において説明した事項であって本実施の形態2において
改めて説明しない事項についてはそのまま本実施の形態
2にも該当するものとし、詳しい説明は省略する。本実
施の形態2における構成が実施の形態1と相違する点は
以下のとおりである。
【0110】実施の形態1の場合には、第2の放電管エ
レメント12の連結用フランジ12aに形成した段差部
12cの深さが放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁
体14の厚みよりも小さくなっているのに対して、本実
施の形態2の場合には、放電ギャップ形成兼真空シール
用の絶縁体14の厚みよりも段差部12cの深さの方を
大きくしてある。
【0111】また、実施の形態1の場合には、放電ギャ
ップ形成兼真空シール用の絶縁体14を当接させている
第1の放電管エレメント11の連結用フランジ11aの
上端面は、その全体が平坦となっており、その平坦な上
端面の内周部分が放電ギャップ16の一方の放電面とさ
れているのに対して、本実施の形態2の場合には、連結
用フランジ11aの内周側に段差部11dを形成してあ
り、その段差部11dの水平面部において、第2の放電
管エレメント12の内管部12mの下端面と対向させる
ことで放電ギャップ16を形成している。符号の16a
は放電ギャップ16に連なる水平部分隙間、16bは水
平部分隙間16aの奥に連なる垂直部分の隙間であって
付着抑制用隙間となっている。段差部11dの水平面部
の半径方向寸法T1を内管部12mの肉厚T2よりも大
きくしてあり、その差分の寸法T3の付着抑制用隙間1
6bを水平部分隙間16aに連ねて形成してある。水平
部分隙間16aは、放電管エレメントの管軸方向に対し
て垂直な方向に沿う部分となっており、付着抑制用隙間
16bは、管軸方向に沿う部分となっている。
【0112】段差部11dの垂直面部のうちのaの範囲
は、放電ギャップ16の入口に対して水平方向で直接的
に対応している領域である。プラズマ中に含まれている
導電性物質が付着堆積するのは、主として、このaの範
囲である。
【0113】内管部11mと内管部12mとの電気的短
絡が問題となるのは、放電ギャップ形成兼真空シール用
の絶縁体14におけるcの範囲である。このcの範囲
は、付着抑制用隙間16bの奥端に位置しており、付着
抑制用隙間16bは放電ギャップ16から90°屈折し
ているために、その奥端の付着抑制用隙間16bに導電
性物質が付着堆積することはまれである。したがって、
内管部11mと内管部12mとの短絡を効果的に抑制す
ることができる。
【0114】以上は、第1の放電管エレメント11と第
2の放電管エレメント12との間の放電ギャップ16で
の絶縁破壊防止についての説明であったが、第1の放電
管エレメント11と第3の放電管エレメント13との間
の放電ギャップ17での絶縁破壊防止についても同様で
ある。
【0115】すなわち、プラズマ中に導電性物質が含ま
れることになるような状況でプラズマ発生装置を長時間
使用したとしても、放電ギャップ16を挟む内管部11
mと内管部12mとの間の絶縁破壊は起こらず、所期通
り良好にプラズマ点弧を行ってプラズマ発生を行わせる
ことができ、プラズマ発生装置の信頼性の向上へとつな
がる。また、メンテナンスの負担を軽減でき、メンテナ
ンス費用も低減することができる。
【0116】この実施の形態2の変形の実施の形態とし
て、例えば図6(a)〜(f)のような構造のものが考
えられる。
【0117】図6(a)は、放電ギャップ形成兼真空シ
ール用の絶縁体14のうち放電ギャップ16に臨む部分
をテーパー状に形成して、面積拡大を図ることにより絶
縁破壊防止を行うものである。
【0118】図6(b)は、さらに放電ギャップ形成兼
真空シール用の絶縁体14の傾斜部に断面ジグザグ状の
切れ込みを入れることにより、面積増大を図り、導電性
物質の付着堆積をさらに抑制するものである。
【0119】図6(c)は、放電ギャップ形成兼真空シ
ール用の絶縁体14の一部を切除して面積増大を図るこ
とで、絶縁破壊防止を行うものである。
【0120】図6(d)〜(f)は、放電ギャップ形成
兼真空シール用の絶縁体14における切除をさらに大き
くして、絶縁破壊防止をより効果的にするものである。
なお、図6(f)と図5との違いは、連結用フランジ1
1aには段差部11dがなく、全面平坦となっているこ
とである。
【0121】図6(a)〜(f)で示したことは、下流
側の放電ギャップ17についても該当するものとする。
ただし、構造の違いから、上下を反転した態様とする。
【0122】(実施の形態3)実施の形態3は実施の形
態1の改良にかかわるものである。3分割組立方式の放
電管Aにおける第1ないし第3の放電管エレメント1
1,12,13それぞれは、ウォータージャケット方式
の冷媒流路22b,23b,24bに冷媒を流動させる
ことにより、それぞれの内管部11m,12m,13m
の温度上昇を抑制しているが、放電ギャップ形成兼真空
シール用の絶縁体14,15は、高温のプラズマに直接
に曝されることと、その付近には冷媒流路がきていない
ことによって、局部的な過熱を受ける。その結果、熱歪
みが生じやすく、熱歪みによって放電ギャップ形成兼真
空シール用の絶縁体14,15に亀裂や割れなどの破損
が生じて、真空破れを引き起こすおそれがある。
【0123】実施の形態3のプラズマ発生装置は、上記
のような不都合を回避するように工夫したものである。
【0124】図7は実施の形態3の高周波放電方式のプ
ラズマ発生装置の構造を概略的に示す垂直断面図、図8
は要部である放電ギャップの周辺を拡大図示する拡大断
面図である。
【0125】図7、図8において、実施の形態1の図
1、図2におけるのと同じ符号は同一構成要素を指して
いるので、詳しい説明は省略する。また、実施の形態1
において説明した事項であって本実施の形態3において
改めて説明しない事項についてはそのまま本実施の形態
3にも該当するものとし、詳しい説明は省略する。本実
施の形態3における構成が実施の形態1と相違する点は
以下のとおりである。
【0126】放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁体
14,15のそれぞれを分割し、真空を維持するための
外側の本体部分14A,15Aと、プラズマに曝される
内側の防護部分14B,15Bとに分けてある。図示の
状態では、これらの本体部分14A,15Aと防護部分
14B,15Bとが空間的に少し隔てて配置されている
が、必ずしもそのようにする必要性はなく、両者を接触
させていてもよい。もっとも、離しておく方が防護部分
14B,15Bから本体部分14A,15Aへの熱伝導
が少なく、本体部分14A,15Aの熱劣化をより抑制
することができる。
【0127】防護部分14B,15Bは、プラズマに直
接に曝されるために、亀裂や割れなどの破損を生じる可
能性があるとしても、防護部分14B,15Bから分離
されている本体部分14A,15Aに対しては、その亀
裂や割れなどの破損が伝染することはなく、したがっ
て、本体部分14A,15Aは熱劣化から免れる。その
結果として、放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁体
14,15による真空シール性は長期間にわたって確保
されることとなり、プラズマ源としての当該のプラズマ
発生装置の信頼性を向上させることができる。
【0128】なお、ウォータージャケット方式の冷媒流
路22b,23bのそれぞれまたはいずれか一方を連結
用フランジ11a,12aのそれぞれまたはいずれか一
方まで延出し、あるいはまた、ウォータージャケット方
式の冷媒流路22b,24bのそれぞれまたはいずれか
一方を連結用フランジ11b,13aのそれぞれまたは
いずれか一方まで延出することにより、放電ギャップ形
成兼真空シール用の絶縁体14,15の熱劣化を抑制す
るようにしてよい。この場合において、放電ギャップ形
成兼真空シール用の絶縁体14,15のそれぞれは、本
体部分と防護部分とに分離しなくてもよいし、あるいは
分離してもよい。
【0129】なお、上記の実施の形態2と実施の形態3
とを組み合わせて実施することももちろん可能であり、
そうすることにより一層の信頼性向上を図ることができ
る。
【0130】(実施の形態4)実施の形態4は放電管エ
レメントに対する冷却方式の変形にかかわるものであ
る。実施の形態4を図9および図10を用いて説明す
る。
【0131】図9は第1の放電管エレメント11に対す
る冷却構造を示す概略の斜視図(フランジおよび高周波
電源との接続関係は図示省略)、図10はその正面図で
ある。
【0132】これまでの実施の形態1〜3においては、
第1の放電管エレメント11の構造は、内管部11mと
外管部11nとの間に冷媒流路22bを形成した二重管
構造のものとなっていたが、本実施の形態4において
は、第1の放電管エレメント11を、その肉厚部分が中
実の一重管構造となしてある。第1の放電管エレメント
11の外周面に一対の突き合わせ方式の冷却部材31,
32が外套され、両者間に貫通されたボルト33によっ
て連結固定されている。冷却部材31,32は半円弧状
の内周面31a,32aをもち、それぞれの内周面31
a,32aが放電管エレメント11の外周面に密着され
ている。冷却部材31,32の外側面にはそれぞれ冷却
パイプ34,35が溶接やロウ付けによって固定されて
いる。冷却部材31,32および冷却パイプ34,35
の構成材料としては、銅などの熱伝導性の高い材質のも
のが適している。
【0133】プラズマ放電を行うときは、冷却パイプ3
4,35に冷媒を流動させ、冷却部材31,32との間
で熱交換を行う。放電管エレメント11の内部のプラズ
マ発生空間26での発熱によって放電管エレメント11
が昇温するが、放電管エレメント11に密着状態で外套
されている冷却部材31,32に対して放電管エレメン
ト11の熱を吸収させる。冷却部材31,32が吸収し
た熱は熱交換により冷却パイプ34,35の冷媒によっ
て奪う。その結果として、放電管エレメント11の昇温
を抑制し、その温度を所定の範囲内にコントロールす
る。
【0134】本実施の形態4の冷却方式においては、実
施の形態1〜3の二重管構造の冷却方式に比べて、液漏
れ対策がよりラフでよいことから、構造の簡素化を図る
ことができる。イニシャルコストも安くなる。
【0135】なお、冷却部材31,32のそれぞれに冷
却パイプ34,35を設けることに代えて、いずれか一
方の冷却部材のみに冷却パイプを設けるのでもよい。
【0136】また、放電管エレメント11に外套する冷
却部材を2分割構成とすることに代えて、3分割構成あ
るいはそれ以上の分割数の分割構成としてもよい。
【0137】また、冷却部材を省略して、放電管エレメ
ント11の外周面に直接、冷却パイプを溶接やロウ付け
によって連接固定してもよい。なお、この場合に、冷却
パイプは放電管エレメントの外周面に螺旋状に巻回し
て、熱交換面積をなるべく広く確保することが好まし
い。
【0138】以上のような冷却方式は、第1の放電管エ
レメント11にのみ限られるものではなく、第2の放電
管エレメント12や第3の放電管エレメント13におい
ても同様に適用することができる。
【0139】なお、本実施の形態4は、上記の実施の形
態1〜3のいずれの形式のプラズマ発生装置に対しても
適用することが可能である。
【0140】(実施の形態5)実施の形態5は、プラズ
マ処理室(チャンバー)の下流側に接続するタイプとし
て構成されたプラズマ発生装置にかかわるものである。
上記の実施の形態1〜4のプラズマ発生装置は、主とし
てプラズマ処理室の上流側に接続するタイプとして構成
されているが、本発明は、それに限定されるものではな
く、プラズマ処理室の下流側においても適用し得るもの
である。
【0141】図11は実施の形態5のプラズマ発生装置
の配置例を概略的に示している。図11において、符号
の41はプラズマ処理室としてのエッチングチャンバ
ー、42はチャンバー41の下流側に接続されてチャン
バー41内のガスをプラズマ発生装置A1側に引くため
の高真空度用のターボ分子ポンプ、43はターボ分子ポ
ンプ42とプラズマ発生装置A1とを連通接続する配
管、43aは配管43に対して合流接続された添加ガス
の導入口、45はプラズマ発生装置A1で生成されたガ
スを引くための低真空度用の粗引きポンプ、44はプラ
ズマ発生装置A1と粗引きポンプ45とを連通接続する
配管、45aは排気口である。
【0142】エッチングチャンバー41で発生したガス
は有害なガスである。その有害なガスをターボ分子ポン
プ42で高真空に引いて、配管43を介してプラズマ発
生装置A1へと導く。その途中で、導入口43aより水
蒸気、酸素などの添加ガスを加える。プラズマ発生装置
A1内において、有害なガスと添加ガスとをプラズマの
もとで化学反応させて、処理のしやすい形にする。例え
ば、有害なガスがCF 4のときに水蒸気H2Oを反応させ
ると、CO2とHFとになる。粗引きポンプ45はプラ
ズマ発生装置A1で生成された処理の容易なガスを引
き、排気口45aを介して下流側の処理装置へと導く。
その処理装置で最終の処理を行う。例えば、上記の例の
場合には、HFを水に溶かし、アルカリ性の物質を反応
させることで無害化する。あるいは、排気ガスを吸着剤
で取り除いたり、燃焼させる。
【0143】図12は実施の形態5において好適なプラ
ズマ発生装置A1の構造を示す垂直断面図である。この
実施の形態5のプラズマ発生装置A1において、図1の
ものと相違する点は次のとおりである。第2の放電管エ
レメント12が第3の放電管エレメント13の装置取付
フランジ13cと同様に接続のためのフランジ12dを
有している。第2の放電管エレメント12のフランジ1
2dは、その上流側に位置するターボ分子ポンプ42と
接続するための配管43に対して接続するためのもので
あり、第3の放電管エレメント13の装置取付フランジ
13cは、その下流側に位置する粗引きポンプ45と接
続するための配管44に対して接続するためのものであ
る。
【0144】ところで、本実施の形態5のプラズマ発生
装置A1では、第2の放電管エレメント12と第3の放
電管エレメント13とが同一構造となっている。図面上
では上下対称となっている。
【0145】具体的に説明すると、図1、図4、図7の
場合には、上側の放電ギャップ16を形成する第2の放
電管エレメント12の内管部12mはフランジ12aよ
り下側に突出する形態であり、下側の放電ギャップ17
を形成する第3の放電管エレメント13の内管部13m
はフランジ13aと面一の形態であるのに対して、図1
2の場合には、下側の放電ギャップ17を形成する第3
の放電管エレメント13の内管部13mがフランジ13
aと面一の形態であるのと同様に、上側の放電ギャップ
16を形成する第2の放電管エレメント12の内管部1
2mはフランジ12aと面一の形態となっている。
【0146】このようにするのは、同じ放電管エレメン
トを第2の放電管エレメント12と第3の放電管エレメ
ント13とに共用することにより、そのコストを低減す
るためである。また、第2の放電管エレメント12を上
流側の配管43に接続し、第3の放電管エレメント13
を下流側の配管44に接続しなければならないという制
約を外し、いずれの放電管エレメントをどちらの配管に
接続してもよい自由度を与えるためである。
【0147】図1、図4、図7の場合は、第2の放電管
エレメント12と第3の放電管エレメント13とが非対
称となっているが、それは、機能を互いに異にする第2
の放電管エレメント12と第3の放電管エレメント13
との第1の放電管エレメント11に対する取り付けの位
置関係がそれぞれ固定的に定まっていて互換性がないた
め、誤装着を防止する必要があるためである。
【0148】もっとも、本実施の形態5において第2の
放電管エレメント12と第3の放電管エレメント13と
を非対称としてもよい。また、図1、図4、図7の場合
において、放電ギャップ16,17の近傍の形状につい
て対称形としてもよい。
【0149】なお、本実施の形態5の変形として、実施
の形態2で説明した放電ギャップの形態、実施の形態3
で説明した絶縁体の形態、実施の形態4で説明した方式
を適用してもよい。
【0150】(実施の形態6)実施の形態6は、特に高
ガス圧の条件でもプラズマ生成を効率良く行えるように
したものである。
【0151】実施の形態1,2,3,5のプラズマ発生
装置の場合は、プラズマ発生空間26の内部のガス圧が
相対的に低い状態では有効である。しかし、プラズマ発
生空間26の内部のガス圧が高くなるにつれて、電子の
平均自由行程が短くなるため、プラズマの生成がプラズ
マ発生空間26の全体に広く行き渡ることが次第にむず
かしくなっていく。
【0152】粒子がある衝突から次の衝突までの間に運
動する距離を自由行程といい、その平均値を平均自由行
程という。平均自由行程は、一定の温度において、ガス
圧力に反比例する。すなわち、ガス圧が高いほど電子の
平均自由行程は短くなる。
【0153】ちなみに、気体分子の平均自由行程につい
ては、気体分子の速度分布がMaxwell分布則で表
されるとき、その平均自由行程λ〔cm〕は、
【0154】
【数1】 である。ただし、ここで、 n:気体分子の密度〔個/cm3 〕 σ:分子の直径〔cm〕 である。一定の温度においては、圧力Pと気体分子密度
nとは比例するので、
【0155】
【数2】 となる。
【0156】このように平均自由行程は気体分子の大き
さに依存し、圧力の上昇(気体分子密度の増大)ととも
に減少する。そして、各種気体中における電子の平均自
由行程は、気体分子自体の平均自由行程の4√2倍の値
をもつとされている(なお、√2は2の平方根の意であ
る)。
【0157】以上のように高ガス圧条件のもとでは電子
の平均自由行程が短くなるため、プラズマの生成は放電
ギャップの近傍に制限されるようになる。図13は実施
の形態1,2,3,5の場合と同様に、その中央の第1
の放電管エレメント11の管軸方向長さが管内径に比べ
てかなり大きくなっている状態を示している。また、こ
の図13は、プラズマ発生空間26の高ガス圧条件とな
っていることから、電子の平均自由行程が短く、放電ギ
ャップ16を中心とするプラズマ領域P11と放電ギャ
ップ17を中心とするプラズマ領域P12とがつながり
を失っている状態を示している。すなわち、放電管のプ
ラズマ発生空間26の全体にわたってプラズマが拡がら
ずにあり、このようなつながりを失って管軸方向で分断
されてしまっている状態のときには、高周波電源25に
よる印加電力を増大させても、プラズマの生成量に一定
の限界があって、それ以上の増加を見込めなくなり、プ
ラズマの生成効率が極端に悪いものとなってしまう。
【0158】この実施の形態6は、電子の平均自由行程
が短くなる高ガス圧の条件でもプラズマ生成効率を高く
維持できるようにするものである。
【0159】図14は実施の形態6の高周波放電方式の
プラズマ発生装置の構造を概略的に示す垂直断面図であ
る。
【0160】実施の形態1における図1で符号12で示
した上側の第2の金属材製で円筒形の放電管エレメント
に相当するものとして符号52で示す第2の金属材製の
放電管エレメントがあり、同様に、図1で符号13で示
した下側の第3の金属材製で円筒形の放電管エレメント
に相当するものとして符号53で示す第3の金属材製の
放電管エレメントがある。そして、実施の形態1におけ
る図1で符号11で示した中央の第1の金属材製の放電
管エレメントに相当するものを管軸方向で3つに分割
し、符号51で示す中央の第1の金属材製の放電管エレ
メントと、符号54で示す中間の第4の金属材製の放電
管エレメントと、符号55で示す中間の第5の金属材製
の放電管エレメントとの3つの放電管エレメントの組み
合わせとしてある。
【0161】符号の51a,51bは中央の第1の放電
管エレメント51の上下両端部に一体的に連接されてい
る連結用フランジ、52aは第2の放電管エレメント5
2の下端に一体的に連接されている連結用フランジ、5
3aは第3の放電管エレメント53の上端に一体的に連
接されている連結用フランジ、54a,54bは第4の
放電管エレメント54の上下両端部に一体的に連接され
ている連結用フランジ、55a,55bは第5の放電管
エレメント55の上下両端部に一体的に連接されている
連結用フランジ、51m〜55mは内管部、51n〜5
5nは外管部、61,62,63,64は放電ギャップ
形成兼真空シール用の絶縁体、65,66,67,68
は放電ギャップ、52bはプラズマ用ガス導入口、53
bはプラズマ流出口、53cは装置取付フランジ、71
〜78はOリング、81a〜85aは冷媒流入管、81
b〜85bはウォータージャケット方式の冷媒流路、8
1c〜85cは冷媒流出管、86は高周波電源である。
これらの構成要素につき、実施の形態1〜5において説
明した事項であって本実施の形態6において改めて説明
しない事項についてはそのまま本実施の形態6にも該当
するものとし、詳しい説明は省略する。
【0162】第1の放電管エレメント51の上端側の連
結用フランジ51aと第4の放電管エレメント54の下
端部の連結用フランジ54bとが両者間に絶縁体62を
挟持し、さらに、それぞれのOリング73,74が絶縁
体62に密着する状態で、かつ、内管部51mの上端面
と内管部54mの下端面との間に放電ギャップ66を形
成する状態で、第1の放電管エレメント51と第4の放
電管エレメント54とが同軸状に連結されている。
【0163】同様に、第1の放電管エレメント51の下
端側の連結用フランジ51bと第5の放電管エレメント
55の上端部の連結用フランジ55aとが両者間に絶縁
体63を挟持し、さらに、それぞれのOリング75,7
6が絶縁体63に密着する状態で、かつ、内管部51m
の下端面と内管部55mの上端面との間に放電ギャップ
67を形成する状態で、第1の放電管エレメント51と
第5の放電管エレメント55とが同軸状に連結されてい
る。
【0164】そして、第4の放電管エレメント54の上
端側の連結用フランジ54aと第2の放電管エレメント
52の下端部の連結用フランジ52aとが両者間に絶縁
体61を挟持し、さらに、それぞれのOリング71,7
2が絶縁体61に密着する状態で、かつ、内管部54m
の上端面と内管部52mの下端面との間に放電ギャップ
65を形成する状態で、第4の放電管エレメント54と
第2の放電管エレメント52とが同軸状に連結されてい
る。
【0165】同様に、第5の放電管エレメント55の下
端側の連結用フランジ55bと第3の放電管エレメント
53の上端部の連結用フランジ53aとが両者間に絶縁
体64を挟持し、さらに、それぞれのOリング77,7
8が絶縁体64に密着する状態で、かつ、内管部55m
の下端面と内管部53mの上端面との間に放電ギャップ
68を形成する状態で、第5の放電管エレメント55と
第3の放電管エレメント53とが同軸状に連結されてい
る。
【0166】以上のようにして、第1ないし第5の放電
管エレメント51〜55が同軸状に連接された状態とな
り、1つの5分割組立方式の放電管A2を構成してい
る。
【0167】プラズマ発生のエネルギー源としての高周
波電源86の2つの出力端子のうち、一方がグランドG
NDに接続されてアース側86aとされ、他方が高圧側
86bとされている。5つの放電管エレメントのうちの
上端と下端と中央に位置する第2の放電管エレメント5
2、第3の放電管エレメント53および第1の放電管エ
レメント51に対して高周波電源86のアース側86a
が接続され、残りの第4の放電管エレメント54と第5
の放電管エレメント55とに対して高周波電源86の高
圧側86bが接続されている。
【0168】第1ないし第5の放電管エレメント51,
52,53,54,55から構成された1つの5分割組
立方式の放電管A2は、一連の円筒形の管状体となって
おり、その一端にはプラズマ用ガス導入口52bがあ
り、他端にはプラズマ流出口53bがあり、その間がプ
ラズマ発生用のガスおよびプラズマが流動するプラズマ
発生空間87となっている。
【0169】プラズマ用ガス導入口52bからプラズマ
発生空間87に向けてプラズマ発生用のガスを供給し、
高周波電源86を駆動して上下方向複数段の第1ないし
第4の放電ギャップ65,66,67,68それぞれに
高周波電力を供給し、プラズマ発生空間87に連通して
いる放電ギャップ65,66,67,68において高周
波電磁界を生じさせる。同時に、第1ないし第5の放電
管エレメント51〜55それぞれにおいて下側にある冷
媒流入管81a〜85aから冷媒を供給し、冷媒流路8
1b〜85bに冷媒を上昇流動させ、冷媒流出管81c
〜85cから流出させる。
【0170】プラズマ用ガス導入口52bからプラズマ
発生空間87に導入されたプラズマ発生用のガスは、高
周波電磁界が形成されている放電ギャップ65,66,
67,68において点弧(着火)される。一旦、プラズ
マ点弧が実現すると、高周波電源86が出力する高周波
電力を次第に増加していくことにより連鎖反応を促す。
【0171】図15に示すように、プラズマ発生用のガ
スが高ガス圧条件にあるために電子の平均自由行程が短
く、第1の放電ギャップ65を中心とする第1のプラズ
マ領域P1、第2の放電ギャップ66を中心とする第2
のプラズマ領域P2、第3の放電ギャップ67を中心と
する第3のプラズマ領域P3、第4の放電ギャップ68
を中心とする第4のプラズマ領域P4それぞれの管軸方
向での占有範囲が短くても、管軸方向で隣接する第1の
プラズマ領域P1と第2のプラズマ領域P2とがつなが
り、また、第2のプラズマ領域P2と第3のプラズマ領
域P3とがつながり、さらに、第3のプラズマ領域P3
と第4のプラズマ領域P4とがつながる結果、さらなる
連鎖反応が進行して、プラズマ発生空間87の全体にわ
たってプラズマ領域が拡がり、4つのプラズマ領域P
1,P2,P3,P4が一体につながることになる。す
なわち、高ガス圧条件においても、生成されるプラズマ
の量が増え、給電効率を上げることができ、プラズマ生
成効率を向上させることができる。
【0172】なお、放電ギャップ間の間隔については、
プラズマ化させたいガス種、ガス圧、印加電力(電
圧)、印加周波数等のプラズマ発生条件によって異なる
が、放電させたいガス領域で生成されたプラズマがつな
がるように設定するものとする。
【0173】場合によっては、放電管の分割数をさらに
増やして放電ギャップ間の間隔を設定してもよい。この
場合、放電管を奇数個に分割し、放電管エレメントの個
数を奇数個にすることが好ましい。例えば、放電管エレ
メントの個数を7,9,11等にしてもよい。
【0174】なぜならば、実施の形態1,2,3,5,
6から分かるように、高周波電源のアース側と高圧側と
を交互に放電管エレメントに接続する場合に、放電管エ
レメントの個数を奇数個にすれば、高周波電源のアース
側をプラズマ用ガス導入口を有する上流側の第2の放電
管エレメント及びプラズマ流出口を有する下流側の第3
の放電管エレメントに接続できるので、安全性を確保で
きるからである。
【0175】なお、本実施の形態6について上記では、
実施の形態1の変形の形態として説明したが、実施の形
態2,3,5のいずれの形式のプラズマ発生装置に対し
ても適用することが可能である。また、実施の形態4を
実施の形態6に適用することも可能である。
【0176】(実施の形態7)実施の形態7は、放電管
エレメントと高周波電源との他の接続例にかかわるもの
である。
【0177】これまで説明した実施の形態では、例え
ば、図1のように、高周波電源のアース側と高圧側を交
互に放電管エレメントに接続していた。
【0178】しかし、本発明は、高周波電源のアース側
と高圧側とを交互に放電管エレメントに接続することを
限定するものではない。
【0179】すなわち、高周波電源のアース側を隣接す
る2つ以上の放電管エレメントに接続してもよい。
【0180】このような他の接続の一例を、図16を用
いて説明する。
【0181】図16は、放電管エレメントと高周波電源
との接続例の他の一例を示す図であり、放電管エレメン
トの冷媒流路、連結用フランジ、絶縁体等の図示を省略
し、放電管エレメントと高周波電源との接続関係だけを
示している。また、斜線部分は高周波電源のアース側に
接続する放電管エレメントを示し、他の部分(斜線がな
い部分)は、高周波電源の高圧側に接続する放電管エレ
メントを示す。符号のGはプラズマ点弧可能な実質の放
電ギャップを示す。両端矢印X1の範囲は放電ギャップ
間の間隔を表し、両端矢印X2の範囲はプラズマの生成
効率を向上させてプラズマ領域が一体につながるように
するために必要な放電ギャップ間の間隔を表す。
【0182】図16(a),(b)は、例えば、放電管
が10分割されていて、かつ、安全性の面を考慮して、
プラズマ用ガス導入口を有する上流側の第2の放電管エ
レメントE1およびプラズマ流出口を有する下流側の第
3の放電管エレメントE10が高周波電源のアース側に
接続されている接続例である。
【0183】このように、隣接する2つ以上の放電管エ
レメントに、高周波電源のアース側または高圧側を連続
して接続してもよい。
【0184】この場合、高周波電源から印加される高周
波電力(電圧)の印加レベルが、隣接する放電管エレメ
ントで同一になる。そのために、この個所にある放電ギ
ャップでは、プラズマ点弧しなくなる。よって、実質的
に放電ギャップではなくなるので、実質的にプラズマ点
弧可能な放電ギャップ間の間隔X1が長くなる。
【0185】しかし、プラズマの生成効率を向上させて
プラズマ領域が一体につながるようにするために必要な
放電ギャップ間の間隔X2よりも、放電管エレメントの
管軸方向の長さが短い場合には、図16のように接続し
て、実質的にプラズマ点弧可能な放電ギャップ間の間隔
X1を長くしてもよい。
【0186】図16から明らかなように、第2の放電管
エレメントE1及び第3の放電管エレメントE10に、
高周波電源のアース側を接続する場合は、隣接する2つ
以上の放電管エレメントに、高周波電源のアース側また
は高圧側を連続して接続しても、プラズマ点弧可能な放
電ギャップは、偶数個になる。
【0187】また、本実施の形態7は、放電管エレメン
トの冷媒流路、連結用フランジ、絶縁体等の図示を省略
し、放電管エレメントと高周波電源との接続関係だけを
図16を用いて説明したが、それぞれの詳細は、実施の
形態1ないし6で説明した形態を用いることができる。
【0188】なお、上記のいずれの実施の形態において
も、内管部11m,12m,13mあるいは51m〜5
5mの内周面に耐熱性能の高いコーティングを施しても
よい。そのコーティング材料としては、半導体装置など
の被処理物に対する悪影響の少ない樹脂とするのがよ
い。
【0189】また、放電ギャップの形状としては、図1
7(a)〜(h)のような変形が考えられる。尖鋭部ま
たは突起部がある方が、また、尖鋭部または突起部の個
数が多い方がプラズマ点弧性能が良い。また、ギャップ
寸法が小さいほどプラズマ点弧性能が良い。
【0190】また、上記のいずれの実施の形態において
も、冷媒流動ですべての放電管エレメントを冷却するこ
とに代えて、一部の放電管エレメントを空冷とするので
もよい。
【0191】
【発明の効果】本発明によれば、複数の金属材製の放電
管エレメントの組み合わせからなる放電管を、実質的に
金属材製として構成しており、その耐熱強度および物理
的強度を従来技術の場合の絶縁体製の放電管に比べて充
分に高いものとでき、また冷却性も良いので、高温のプ
ラズマに曝される条件であっても、熱劣化を抑制するこ
とができる。内部が真空引きされるため外部との差圧で
大きな圧力がかかる条件であっても、絶縁体製の放電管
のように破損することがない。また、反応性の高いプラ
ズマが発生される場合でも、実質的に金属材製の放電管
は、従来の絶縁体製の放電管に比べて、腐食の程度を低
くできる。それらの相乗の結果として、寿命の延長、メ
ンテナンス軽減を図ることができる。さらに、放電ギャ
ップという小さい隙間において高周波電力を印加してプ
ラズマ点弧を行うので、プラズマ点弧性能が良く、プラ
ズマ発生を良好に実現することができる。また、ほぼ全
体が実質的に金属材製である放電管は、従来の絶縁体製
の放電管に比べてイニシャルコストも安くなる。
【0192】さらに、金属材製の放電管を3分割組立方
式とすれば、それぞれをガス導入機能とプラズマ発生空
間機能とプラズマ処理室へのプラズマ供給機能とに合理
的に分けることができ、また、上流側と下流側の2箇所
に放電ギャップをおくことも可能で、プラズマ点弧性能
を高いものとできる。
【0193】さらに、3分割組立方式で高周波電源の高
圧側を中央の第1の放電管エレメントに接続し、両端の
第2および第3の放電管エレメントにアース側を接続す
れば、ガス配管やガスボンベやプラズマ処理室との関係
で安全性を高めることができる。
【0194】さらに、金属材製の放電管を5分割組立方
式とすれば、管軸方向で隣接する放電ギャップ間間隔を
短くでき、高ガス圧条件においても、プラズマの生成効
率を向上させることができる。
【0195】さらに、5分割組立方式で高周波電源の高
圧側を第4および第5の放電管エレメントに接続し、中
央の第1の放電管エレメントおよび両端の第2および第
3の放電管エレメントにアース側を接続すれば、ガス配
管やガスボンベやプラズマ処理室との関係で安全性を高
めることができる。
【0196】さらに、放電管エレメントの個数を奇数個
とすれば、放電ギャップ間の間隔を微調整して設定でき
るので、プラズマ化させたいガス種、ガス圧、印加電力
(電圧)、印加周波数等のプラズマ発生条件によって、
最適な放電ギャップ間の間隔を設定できる。また、プラ
ズマ発生装置が大型化したときでも、適切な放電ギャッ
プ間の間隔を設定することができる。
【0197】さらに、高周波電源のアース側をプラズマ
用ガス導入口を有する上流側の第2の放電管エレメント
及びプラズマ流出口を有する下流側の第3の放電管エレ
メントに接続するように、高周波電源のアース側と高圧
側とを交互に前記奇数個の放電管エレメントに接続すれ
ば、ガス管やガスボンベやプラズマ処理室との関係で安
全性を高めることができる。
【0198】さらに、プラズマ点弧可能な放電ギャップ
の個数が偶数個であるとすれば、プラズマの生成効率を
向上させてプラズマ領域が一体につながるようにするた
めに必要な放電ギャップ間の間隔よりも、管軸方向の長
さが短い放電管エレメントを作成しておき、プラズマ発
生条件に合う放電ギャップ間の間隔になるように、複数
の放電管エレメントのそれぞれに対して接続する高周波
電源のアース側または高圧側の接続順序を工夫すること
によって、実質的にプラズマ点弧可能な放電ギャップ間
の間隔を設定することができる。そのために、放電管エ
レメントを共通化できる。このことは、特に、プラズマ
発生装置が大型化し、多数の放電管エレメントを使用す
るような場合には有効である。
【0199】さらに、フランジ連結とすることにより、
真空シール性能を充分に確保することができるととも
に、放電ギャップの寸法精度を充分に高いものとしてプ
ラズマ点弧を良好なものにすることができる。
【0200】さらに、各放電管エレメントに個別に冷媒
流路を設けることにより、冷媒の漏れを確実に防止する
状態での複数エレメントによる放電管を構成することが
できる。
【0201】なお、一部の放電管エレメントを空冷とす
ることも可能であり、その場合は、冷媒配管系の設備、
流動冷媒の消費を削減して、プラズマ発生装置のイニシ
ャルコストおよびランニングコストの低減と構造の簡素
化を図ることができる。
【0202】さらに、放電ギャップ奥の隙間を曲がり構
造とすることにより、プラズマ中に導電性物質が含まれ
る場合でも、導電性物質の付着堆積に起因する短絡現象
を防止することができる。
【0203】さらに、絶縁体を本体部分と防護部分とに
分離することにより、所期の真空シール性能を長期間に
わたって維持させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の高周波放電方式のプ
ラズマ発生装置の構造を概略的に示す垂直断面図
【図2】 実施の形態1のプラズマ発生装置の要部であ
る放電ギャップの周辺を拡大図示する拡大断面図
【図3】 実施の形態1のプラズマ発生装置において想
定される新たな問題点を指摘するための放電ギャップの
周辺を拡大図示する拡大断面図
【図4】 本発明の実施の形態2の高周波放電方式のプ
ラズマ発生装置の構造を概略的に示す垂直断面図
【図5】 実施の形態2のプラズマ発生装置の要部であ
る放電ギャップの周辺を拡大図示する拡大断面図
【図6】 実施の形態2の変形の実施の形態の要部であ
る放電ギャップの周辺を拡大図示する拡大断面図
【図7】 本発明の実施の形態3の高周波放電方式のプ
ラズマ発生装置の構造を概略的に示す垂直断面図
【図8】 実施の形態3のプラズマ発生装置の要部であ
る放電ギャップの周辺を拡大図示する拡大断面図
【図9】 本発明の実施の形態4のプラズマ発生装置に
おける第1の放電管エレメントの冷却構造を示す概略の
斜視図
【図10】 実施の形態4の冷却構造の正面図
【図11】 本発明の実施の形態5のプラズマ発生装置
の配置例の概略説明図
【図12】 本発明の実施の形態5の構造を示す垂直断
面図
【図13】 3分割組立方式の場合の問題点を指摘する
ための概略断面図
【図14】 本発明の実施の形態6の高周波放電方式の
プラズマ発生装置の構造を概略的に示す垂直断面図
【図15】 実施の形態6のプラズマ発生装置における
プラズマ領域のつながりの様子を説明するための概略断
面図
【図16】 実施の形態7のプラズマ発生装置における
放電管エレメントの構成を示す概念図
【図17】 変形の実施の形態としての放電ギャップの
周辺を拡大図示する拡大断面図
【図18】 従来の技術にかかわるインダクションカッ
プリング型のプラズマ発生装置の構造を概略的に示す垂
直断面図
【符号の説明】
A…3分割組立方式の放電管 A2…5分割組立方式の放電管 11…第1の金属材製の放電管エレメント 11a,11b…第1の放電管エレメントの連結用フラ
ンジ 11m,12m,13m…内管部 11n,12n,13n…外管部 12…第2の金属材製の放電管エレメント 12a…第2の放電管エレメントの連結用フランジ 12b…プラズマ用ガス導入口 12c…段差部 12d…フランジ 13…第3の金属材製の放電管エレメント 13a…第3の放電管エレメントの連結用フランジ 13b…プラズマ流出口 13c…装置取付フランジ 14,15…放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁体 14b…露出内周面部 14A,15A…絶縁体の本体部分 14B,15B…絶縁体の防護部分 16,17…放電ギャップ 16a…水平部分隙間 16b…付着抑制用隙間 18,19,20,21…Oリング 22a,23a,24a…冷媒流入管 22b,23b,24b…冷媒流路 22c,23c,24c…冷媒流出管 25…高周波電源 25a…高周波電源のアース側 25b…高周波電源の高圧側 26…プラズマ発生空間 27…付着堆積導電性物質 31,32…冷却部材 34,35…冷却パイプ 51…第1の放電管エレメント 52…第2の放電管エレメント 53…第3の放電管エレメント 54…第4の放電管エレメント 55…第5の放電管エレメント 61〜64…放電ギャップ形成兼真空シール用の絶縁体 65…第1の放電ギャップ 66…第2の放電ギャップ 67…第3の放電ギャップ 68…第4の放電ギャップ 86…高周波電源 86a…高周波電源のアース側 86b…高周波電源の高圧側 87…プラズマ発生空間 P1…第1のプラズマ領域 P2…第2のプラズマ領域 P3…第3のプラズマ領域 P4…第4のプラズマ領域
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) // C23C 16/509 H01L 21/302 C (72)発明者 蓑毛 正一郎 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 (72)発明者 天立 茂樹 大阪府大阪市淀川区田川2丁目1番11号 株式会社ダイヘン内 Fターム(参考) 4G075 AA22 AA24 BC02 BC04 BC06 CA25 DA01 EB41 FB02 FC06 FC09 FC11 FC15 FC20 4K030 EA06 FA03 KA26 KA30 5F004 BA06 BA07 BB11 BB29 BD01 BD04 BD05 5F045 AA08 EB02 EB03 EH04 EH14

Claims (13)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電管を管軸方向で複数に分割した態様
    の放電管エレメントのそれぞれを金属材製となし、それ
    らの金属材製の放電管エレメントどうしを両者間に絶縁
    体を介在させて放電ギャップを形成する状態で気密に連
    結し、高周波電力の印加によって前記放電ギャップにお
    いてプラズマ点弧可能に構成していることを特徴とする
    プラズマ発生装置。
  2. 【請求項2】 前記複数の金属材製の放電管エレメント
    として、中央に位置する第1の放電管エレメントと、プ
    ラズマ用ガス導入口を有する第2の放電管エレメント
    と、プラズマ流出口を有する第3の放電管エレメントと
    を備え、これら各放電管エレメントを管軸方向に気密に
    連結していることを特徴とする請求項1に記載のプラズ
    マ発生装置。
  3. 【請求項3】 前記第1ないし第3の放電管エレメント
    と前記高周波電力を供給する高周波電源との接続関係と
    して、前記高周波電源の高圧側を前記中央の第1の放電
    管エレメントに接続し、前記高周波電源のアース側を前
    記両側の第2および第3の放電管エレメントに接続して
    いることを特徴とする請求項2に記載のプラズマ発生装
    置。
  4. 【請求項4】 前記複数の金属材製の放電管エレメント
    として、中央に位置する第1の放電管エレメントと、プ
    ラズマ用ガス導入口を有する上流側の第2の放電管エレ
    メントと、プラズマ流出口を有する下流側の第3の放電
    管エレメントと、前記中央の第1の放電管エレメントと
    前記上流側の第2の放電管エレメントとの間に位置する
    中間の第4の放電管エレメントと、前記中央の第1の放
    電管エレメントと前記下流側の第3の放電管エレメント
    との間に位置する中間の第5の放電管エレメントとを備
    え、これら各放電管エレメントを管軸方向に気密に連結
    していることを特徴とする請求項1に記載のプラズマ発
    生装置。
  5. 【請求項5】 前記第1ないし第5の放電管エレメント
    と前記高周波電力を供給する高周波電源との接続関係と
    して、前記高周波電源のアース側を前記中央の第1の放
    電管エレメントと前記上流側の第2の放電管エレメント
    と前記下流側の第3の放電管エレメントとに接続し、前
    記高周波電源の高圧側を前記中間の第4の放電管エレメ
    ントと第5の放電管エレメントとに接続していることを
    特徴とする請求項4に記載のプラズマ発生装置。
  6. 【請求項6】 前記複数の金属材製の放電管エレメント
    の個数が奇数個であることを特徴とする請求項1に記載
    のプラズマ発生装置。
  7. 【請求項7】 前記奇数個の放電管エレメントと前記高
    周波電力を供給する高周波電源との接続関係として、前
    記高周波電源のアース側をプラズマ用ガス導入口を有す
    る上流側の第2の放電管エレメントおよびプラズマ流出
    口を有する下流側の第3の放電管エレメントに接続する
    という接続条件のもとに、前記高周波電源のアース側と
    高圧側とを交互に前記奇数個の放電管エレメントに接続
    してあることを特徴とする請求項6に記載のプラズマ発
    生装置。
  8. 【請求項8】 前記プラズマ点弧可能な放電ギャップの
    個数が偶数個であることを特徴とする請求項1に記載の
    プラズマ発生装置。
  9. 【請求項9】 前記互いに連結する放電管エレメントど
    うしの連結が、各放電管エレメントに一体連接の半径方
    向外向きのフランジどうしを対向させ、その対向フラン
    ジ間に前記絶縁体を介在させる態様となっていることを
    特徴とする請求項1から請求項8までのいずれかに記載
    のプラズマ発生装置。
  10. 【請求項10】 前記各放電管エレメントは、互いに個
    別に冷媒流路を備えていることを特徴とする請求項1か
    ら請求項9までのいずれかに記載のプラズマ発生装置。
  11. 【請求項11】 前記複数の放電管エレメントのうちの
    一部の放電管エレメントが冷媒流路を備え、残りの放電
    管エレメントは空冷することを特徴とする請求項1から
    請求項9までのいずれかに記載のプラズマ発生装置。
  12. 【請求項12】 前記放電ギャップと前記絶縁体との関
    係において、前記放電ギャップに連なる前記両放電管エ
    レメント間の隙間が、前記放電管エレメントの管軸方向
    に対して垂直な方向に沿う部分と管軸方向に沿う部分と
    の連なりの状態に形成されていることを特徴とする請求
    項1から請求項11までのいずれかに記載のプラズマ発
    生装置。
  13. 【請求項13】 前記放電管エレメントどうし間に介在
    される絶縁体が、真空シールのための外側の本体部分
    と、プラズマに曝される内側の防護部分とに分けられて
    いることを特徴とする請求項1から請求項12までのい
    ずれかに記載のプラズマ発生装置。
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