JP2002093107A - 磁気テープカートリッジ - Google Patents

磁気テープカートリッジ

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JP2002093107A
JP2002093107A JP2000276946A JP2000276946A JP2002093107A JP 2002093107 A JP2002093107 A JP 2002093107A JP 2000276946 A JP2000276946 A JP 2000276946A JP 2000276946 A JP2000276946 A JP 2000276946A JP 2002093107 A JP2002093107 A JP 2002093107A
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tape
magnetic tape
cartridge
cartridge case
reel
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JP2000276946A
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Yoichi Hayashi
洋一 林
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 磁気テープにしわが寄って変形したり、走行
位置が不安定になったりするような不都合を、低コスト
で解消する。 【解決手段】 カートリッジケース2の後端側に軸線方
向を垂直にして設置した一対のテープリール9,10に
それぞれ巻装されるように方向変換する2つのテープガ
イド31,34及びカートリッジケース2の前端側に軸
線方向を所定傾斜角度をもって設置した一方のテープリ
ール9から他方のテープリール10へ斜めに誘導するの
2つのテープガイド32,33とを備えた磁気テープカ
ートリッジ1であって、後端側の2つのテープガイド3
1,34はカートリッジケースのロアハーフに設置さ
せ、カートリッジケース2の前端側の2つのテープガイ
ド32,33はロアハーフとアッパハーフ4とにそれぞ
れ設けた所定傾斜角度を有し平行に延びるベース36,
37に挟持させた。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば大型汎用コ
ンピュータの外部記録媒体としての使用に好適な磁気テ
ープカートリッジに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、大型汎用コンピュータの外部記
録媒体としては、磁気テープカートリッジが使用されて
いる。この場合の磁気テープは、単一のテープリールに
巻回された状態で、略正方形の箱形のカートリッジケー
ス内に収められ、容易に取り扱えるようになっている。
そして、コンピュータ等のハード装置(記録再生装置)
に磁気テープカートリッジを装填した後、該カートリッ
ジから磁気テープの一端側を引き出し、記録ヘッドや再
生ヘッドを備えたハード装置側のテープ搬送路に沿って
磁気テープをローディングする。
【0003】しかし、この場合は、ハード装置側に巻き
取りのためのリールを設ける等の必要があるため、ハー
ド装置側の構成が複雑化するという問題がある。そのた
め、一対のテープリールをカートリッジケース内に収納
する磁気テープカートリッジが提案されている。
【0004】ところが、この場合、例えばVHSビデオ
カセットのように、カートリッジケース内に2つのテー
プリールを左右に並べて配設し、各テープリールを平行
な2軸回りに回転させる構成にすると、従来の磁気テー
プカートリッジよりもカートリッジケースの幅が大きく
なって、全体寸法の拡大を招いてしまい、好ましくな
い。
【0005】そこで、2つのテープリールを同軸に2段
に重ねに配設して、これをリール径より僅かに大きい略
正方形のカートリッジケース内に収容した構造の磁気テ
ープカートリッジが考えられる。このようなリール2段
重ね式の磁気テープカートリッジの場合、カートリッジ
ケースの厚み方向の寸法は若干増えるものの、カートリ
ッジケースの幅は従来のものと同一寸法にすることがで
きる。
【0006】本出願人が先に出願した特願平7−335
144号におけるリール2段重ね式の磁気テープカート
リッジを図12に示すと、両テープリール51、52が
1本の磁気テープ53の一側端および多側端を巻取り、
前記両テープリール51,52間で磁気テープ53を走
行させるものであるから、2段に重ねた一方のテープリ
ール51(52)と他方のテープリール52(51)に
磁気テープ53を走行させるために、一方のテープリー
ル51(52)から引き出されて磁気テープ53を他方
のテープリール52(51)に向けて斜めに案内するテ
ープガイドとしてのガイドローラ54,55,56.5
7が設けられている。
【0007】これらのガイドローラ54,55,56,
57は、テープリール51,52の外周を一周するもの
で、磁気テープカートリッジ後端側には、2つのガイド
ローラ54,57が、磁気テープカートリッジ前端側に
も、2つのガイドローラ55,56が配置されている。
磁気テープカートリッジ後端側の2つのガイドローラ5
4,57は、回転軸線を垂直に設置し、主に前記一対の
テープリール51,52にそれぞれ巻装されるように方
向変換する機能を持っており、また、磁気テープカート
リッジ前端側の2つのガイドローラ55,56は回転軸
線を所定傾斜角度をもって設置し、一方のテープリール
51(52)から他方のテープリール52(51)へ斜
めに誘導する機能を持っている。
【0008】そして、磁気テープ53が図12におい
て、左まわりで周回する場合には、ガイドローラ54と
ガイドローラ55との間では、所定量ねじり、ガイドロ
ーラ55とガイドローラ56斗の間では、テープリール
51(52)の厚さ分だけ上昇し、ガイドローラ56と
ガイドローラ57との間では、ねじりを戻して、ガイド
ローラ57で安定させている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】一方、上述のリール2
段重ね式の磁気テープカートリッジは、磁気テープカー
トリッジ前端側の2つのガイドローラ55、56の回転
軸線の所定傾斜角度及び平行度の精度が低いと、ガイド
ローラ55、56により案内走行される磁気テープがそ
の面内のテンション差等でしわ状に変形したり、走行位
置が不安定になったり、幅方向の安定性が悪化する等の
問題点が生じる恐れがある。そのため磁気テープカート
リッジ前端側の回転自在のガイドローラの傾斜角度及び
平行度の精度等を高精度とする必要があり、製造コスト
が高価となるという問題点があった。
【0010】そこで、本発明の目的は上記課題を解消す
ることに係り、一対のテープリールを同軸に2段重ねに
配置し、該テープリールの周囲に4つのテープガイドを
設置した磁気テープカートリッジにおいて、磁気テープ
カートリッジ前端側のテープガイドの傾斜角度及び平行
度の精度を正確に保って、磁気テープにしわが寄って変
形したり、走行位置が不安定になったりするような不都
合を、低コストで解消することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、カ
ートリッジケースと、該カートリッジケース内で同軸上
に2段重ねて収容され、磁気テープを巻装させた一対の
テープリールと、前記カートリッジケースの後端側に軸
線方向を垂直にして設置した前記一対のテープリールに
それぞれ巻装されるように方向変換する2つのテープガ
イドと、前記カートリッジケースの前端側に軸線方向を
所定傾斜角度をもって設置した一方のテープリールから
他方のテープリールへ斜めに誘導するの2つのテープガ
イドとを備えた磁気テープカートリッジであって、前記
前記カートリッジケースの後端側の2つのテープガイド
はカートリッジケースのロアハーフに設置されていると
ともに、前記カートリッジケースの前端側の2つのテー
プガイドはカートリッジケースのロアハーフとアッパハ
ーフとにそれぞれ設けた所定傾斜角度を有し平行に延び
るベースに挟持させたことを特徴とする構成により達成
することができる。
【0012】また、前記カートリッジケースの後端側の
2つのテープガイドの垂直度が±60分以内であり、カ
ートリッジケースの前端側の2つのテープガイドの互い
の平行度が±12分以内で且つ前記所定傾斜角度が8度
以下であることが望ましい。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明に係る磁気テープカ
ートリッジの一実施形態を添付図面に基づいて詳細に説
明する。図1は磁気テープカートリッジ1の分解斜視
図、図2は組立品の上面側の斜視図、図3は組立品の裏
面側の斜視図である。この磁気テープカートリッジ1
は、合成樹脂等で形成された略正方形箱型のカートリッ
ジケース2を有する。該カートリッジケース2は、ロア
ハーフ3とアッパハーフ4とからなり、ケース前部には
収容した磁気テープ5に対してハード装置側の磁気ヘッ
ド(図示せず)を接触させるためのシャッタ7付きの開
口6を有し、ケース下面にはハード装置側の駆動部材と
連結するための開口部8を有している。
【0014】前記カートリッジケース2内には、各々合
成樹脂等で形成されたアッパテープリール9とロアテー
プリール10が同軸上に2段重ねて収容配置されてい
る。図4、図5は組立状態における磁気テープカートリ
ッジ1の内部構造を示し、図6はアッパテープリール9
及びロアテープリール10の構造を示している。また、
図7はアッパテープリール9及びロアテープリール10
を2段重ねにしてロアハーフ3内に収容した平面図であ
る。
【0015】図4、図5、図6に示すように、ロアテー
プリール10は、外周面に磁気テープ5を巻回する中心
孔11付きのハブ部12と、ハブ部12の軸線方向両端
(上端および下端)に設けられた各々円盤状の上フラン
ジ13及び下フランジ14とからなる。上フランジ13
と下フランジ14とは、磁気テープ5の幅よりも僅かに
大きな間隔をおいて互いに平行に対向している。ここ
で、下フランジ14はハブ部12と一体に成形され、上
フランジ13はハブ部12と別体に成形された上でハブ
部12の上端面に固着されている。
【0016】又、アッパテープリール9は、外周面に磁
気テープ5を巻回するリング状のハブ部15と、該ハブ
部15の軸線方向両端(上端および下端)に設けられた
各々円盤状の上フランジ16および下フランジ17とか
らなる。上フランジ16と下フランジ17は、前記ロア
テープリール10の場合と同じ間隔をおいて互いに平行
に対向している。ここでは、下フランジ17はハブ部1
5と一体に成形され、上フランジ16は、ハブ部15と
別体に成形された上でハブ部15の上端面に固着されて
いる。
【0017】また、アッパテープリール9とロアテープ
リール10が2段に重ねにされた状態では、アッパテー
プリール9のハブ部15の下端に設けた円筒状のボス部
18がロアテープリール10の中心孔11に挿通され、
ロアテープリール10のハブ部12の下端がロアハーフ
3の底壁に形成した開口部8に遊嵌される。これによ
り、両テープリール9,10が同軸に回転可能に支持さ
れると共に上下方向に相対変位可能に支持されている。
アッパテープリール9のボス部18の下端面には、ハー
ド装置内の駆動部材(図示せず)によりアッパテープリ
ール9を回転駆動させるための駆動用係合歯部19が円
環状に形成されており、その内周側にはハード装置内の
マグネットチャック(図示せず)に吸引される金属リン
グ20が固着されている。
【0018】ロアテープリール10のハブ部12の内周
側の下端面には、ハード装置内の駆動部材(図示せず)
によりロアテープリール10を回転駆動させるための駆
動用係合歯部21が円環状に形成されており、その外周
側にはハード装置内のマグネットチャック(図示せず)
に吸引される金属リング22が固着されている。そし
て、カートリッジケース2に前記両テープリール9,1
0が組み込まれた状態では、図3に示すように、アッパ
テープリール9の金属リング20及び駆動用係合歯部1
9と、ロアテープリール10の金属リング22及び駆動
用係合歯部21とが、カートリッジケース2の下面の開
口部8から同心状態で露呈し、ハード装置側の回転駆動
部材とそれぞれに連結できるようになっている。
【0019】また、図4、図5に示すように、カートリ
ッジケース2の中心には、アッパハーフ9の上壁内面か
ら下方に垂設された円筒部23が設けられており、該円
筒部23の下端には、円筒部23内に収容されたリール
付勢手段であるコイルバネ24により下方に付勢された
キャップ25が被せられている。そして、このキャップ
25が、アッパテープリール9の上端中心部に固定した
受部材26を下方へ押し付けることにより、アッパテー
プリール9が下向きに付勢され、同時にアッパテープリ
ール9によってロアテープリール10が下向きに付勢さ
れている。
【0020】さらに、カートリッジケース2のロアハー
フ3の底壁内面には、ロアテープリール10のハブ部1
2の下面に形成したリング状係合歯27と係合するリン
グ状係合歯28が形成され、ロアテープリール10のハ
ブ部12の上面には、アッパテープリール9のハブ部1
5の下面に形成したリング状係合歯29と係合するリン
グ状係合歯30が形成されている。これらは、前記両テ
ープリール9,10の回転止め手段を構成している。
【0021】従って、図4に示すように、磁気テープカ
ートリッジ1がハード装置から取り出されている場合
(非使用時)は、コイルバネ24の付勢力により、アッ
パテープリール9がロアテープリール10に押し付けら
れると共にロアテープリール10がカートリッジケース
2の底壁に押し付けられ、それによって、対向するリン
グ状係合歯29とリング状係合歯30、リング状係合歯
27とリング状係合歯28同士が係合し、アッパテープ
リール9とロアテープリール10の回転が阻止されてブ
レーキがかかった状態となる。このときの前記両テープ
リール9,10の位置が非使用時の定位置である。
【0022】一方、磁気テープカートリッジ1がハード
装置に装填されると(使用時)、ハード装置内の機構に
よって、図5に示すように、ロアテープリール10が寸
法H2だけ持ち上げられると共に、それ以上にアッパテ
ープリール9が寸法H1だけ持ち上げられるので、対向
するリング状係合歯29とリング状係合歯30とが、ま
たリング状係合歯27とリング状係合歯28の噛み合い
が解除され、両テープリール9,10は回転自在な状態
となる。このときの各テープリール9,10の位置が使
用時の定位置である。なお、コイルバネ24は、磁気テ
ープカートリッジ1がハード装置内に装填された際に、
アッパテープリール9を適正な姿勢で安定保持する機能
も果たす。
【0023】また、上記磁気テープカートリッジ1は、
図1及び図7に示すように、両テープリール9,10が
1本の磁気テープ5の一端側および他端側を巻き取り、
前記両テープリール9,10間で磁気テープ5を走行さ
せるものであるから、2段に重ねた一方のテープリール
9(10)から他方のテープリール10(9)に磁気テ
ープ5を走行させる為に、一方のテープリール9(1
0)から引き出された磁気テープ5を他方のテープリー
ル10(9)に向けて斜めに案内するテープガイド3
1,32,33,34が設けられている。
【0024】この場合、磁気テープ5は、カートリッジ
ケース2の後端側(シャッタ7付き開口6のある方と反
対側)で前記テープリール9,10に対して出入りする
ようになっており、カートリッジケース2の内部をでき
るだけ大きく迂回して略一周(360度周回)すること
により、上下のテープリール9,10に対する高さの位
置変更を行うようになっている。
【0025】磁気テープ5を上述のように周回させるこ
とから、磁気テープカートリッジ1の前端側に2つのテ
ープガイド32,33、後端側に2つのテープガイド3
1,34が配設され、それぞれが略正方形状のカートリ
ッジケース2の四隅に位置している。カートリッジ後端
側に位置する2つのテープガイド31,34は、軸線方
向をカートリッジケース2の底壁に対して垂直に向けた
円柱形であり、テープガイド31は、ロアテープリール
10に出入りする直前直後の磁気テープ5を1/4周程
度巻回することにより、主に磁気テープ5の方向変換を
行う機能を持つもので、ロアテープガイド31と対応す
る位置に設けられている。
【0026】テープガイド34は、アッパテープリール
9に出入りする直前直後の磁気テープ5を1/4周程度
巻回することにより、主に磁気テープ5の方向変換を行
う機能を持つもので、アッパテープガイド10と対応す
る位置になるように円柱形の台座35の上に設けられて
いる。そして、これら2つのテープガイド31,34の
垂直度が±60分以内に設置されている。
【0027】また、図9に示すように、ロアハーフ3の
底壁上面にテープガイド32からテープガイド33へ向
けて次第に高くなる下ベース36を設けるとともに、ア
ッパハーフ4の上壁下面にテープガイド32からテープ
ガイド33へ向けて次第に低くなる上ベース37が設け
られている。カートリッジ前端側に位置する2つのテー
プガイド32,33は、これら上ベース37と下ベース
36とに挟持される。
【0028】なお、テープガイド32、33の外側は、
円周状に形成されて磁気テープ5の案内面となってい
る。テープガイド32、33は、上ベース37と下ベー
ス36とで挟持された構成となっているので、上ベース
い37と下ベース36の平行状態を正確にすることで、
テープガイド32、33の互いの平行度を正確に得るこ
とが可能とされている。
【0029】これら上ベース37と下ベース36の傾斜
角度θは、8度以下に設定され、互いの平行度Pが±1
2分以内に設定されている。従って、両テープガイド3
2,33の傾斜角度θも8度以下の傾きに設置されてい
る。そして、磁気テープ5はテープガイド32からテー
プガイド33まで前記所定の傾斜角度θで走行させられ
て、一方のテープリール9(10)から他方のテープリ
ール10(9)へ斜めに誘導させられるもので、この区
間でシャッタ7付きの開口部6を斜めに通過し、この部
分でハード装置側の磁気ヘッドと接触するようになって
いる。
【0030】次に前記磁気テープカートリッジ1の作用
を説明する。磁気テープカートリッジ1がハード装置に
装填されると、それぞれ前記テープリール9,10が図
4に示すように、ハード装置装填時(使用時)の定位置
まで持ち上げられ、各々回転できる状態になる。そし
て、この状態で、ハード装置側の駆動機構の働きで、前
記テープリール9,10が各々回転駆動されて、磁気テ
ープ5が一方のテープリール9(10)から他方のテー
プリール10(9)に走行させられる。その際、テープ
ガイド31は、ロアテープリール10に出入りする磁気
テープ5をテープガイド32へ方向転換し、テープガイ
ド31とテープガイド32との区間で所定量ねじる(図
8参照)。テープガイド32では磁気テープ5をテープ
ガイド33へ方向転換するとともに、テープガイド32
からテープガイド33へ斜めに誘導して磁気テープ5を
アッパテープリール9と同じ高さまで誘導する(図9参
照)。この区間で、磁気ヘッドが磁気テープ5に磁気ヘ
ッド抑え38と協働して接触する。テープガイド33は
磁気テープ5をテープガイド34へ方向転換するととも
に、テープガイド33からテープガイド34との区間で
所定量のねじりを戻す(図10参照)。また、磁気テー
プ5はテープガイド34でアッパテープリール9へ安定
させた状態で方向転換する。
【0031】尚、さらなる製造コストの低減を図るため
に、ロアハーフ3と下ベース36とを、またアッパハー
フ4と上ベース37とを、一体成形することも可能であ
る。この場合、成形したハーフに必ず反りが生じること
を利用して、上ベース37及び下ベース36近傍の形状
を略同一化し、該アッパハーフ4の反りと該ロアハ−フ
3との反りを同量化させ、その反りを向かい合わせてロ
アハーフ3とアッパハーフ4とを組み合わせることで、
下ベース36、上ベース37の傾斜角度の精度を向上す
ることが可能となる。さらに、組み立て性の向上のため
に、上ベース37に凸部、下ベース36に凹部を形成
し、それらを嵌合結合させるようにしても良い。
【0032】前記実施の形態では、上ベース36と下ベ
ース37の傾斜角度θ、すなわち、2つのテープガイド
32,33の傾斜角度θは、8度以下の傾きに設置する
が、望ましくは、6度以下、更に望ましくは5度以下と
する。なぜならば、傾斜角度θが8度より大きくなる
と、磁気テープのねじれが増し、磁気テープの面内のテ
ンション差が増大し、磁気テープの走行位置が不安定に
なり、磁気テープがしわ状に変形したり、幅方向の安定
性が悪化する可能性が大きくなるからである。
【0033】図11は、テープガイド31とテープガイ
ド32をそれぞれ単独で傾けた場合のガイド傾斜の誤差
範囲を種々変更し、走行する磁気テープ5の磁気ヘッド
における幅方向の位置ずれ量を測定した実験結果のグラ
フである。前記実験は、各テープガイド間の幅を約10
cm、傾斜角度θを8度、傾斜に沿って昇降する磁気テ
ープの垂直方向高さを約1.4cm、磁気テープ幅を8
mm、各ガイドの直径を20mmといった条件のもとに
行われたものである。
【0034】磁気テープ5の位置ずれの許容範囲は±1
50um以下が望ましいとされている周知の知見を基準
に判断すると、図11中において破線で示したテープガ
イド31の垂直度は±60分以内とすることが好まし
く、また、上ベース36と下ベース37との互いの平行
度P、即ち、テープガイド32とテープガイド33の平
行度(図11中において実線で示す)は±12分以内と
することが好ましいという結果が得られた。また、位置
ずれ量が常に該許容範囲よりも十分に小さな値をとるよ
うに、上記平行度は±10分以内に設定することがさら
に好ましい。
【0035】尚、上述の磁気テープカートリッジにおい
て、テープガイドは非回転式としたが、回転式のものに
変更することも可能である。また、上述の磁気テープカ
ートリッジにおいて、カートリッジケースの後端側の2
つのテープガイドをカートリッジケースのロアハーフに
設置し、前記後端側の2つのテープガイドをロアハ−フ
とアッパハーフで挟持させる構成とし、後端側のテープ
ガイドの垂直度や平行度の高精度化を図ることも可能で
ある。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る磁気
テープカートリッジでは、カートリッジケースの前端側
の2つのテープガイドはカートリッジケースのロアハー
フとアッパハーフとにそれぞれ設けた所定傾斜角度を有
するベースに挟持させたことにより、前端側のテープガ
イドの傾斜角度が高精度となるばかりか、廉価に高精度
の傾斜角度を有する磁気テープカートリッジを提供する
ことが可能となる。
【0037】また、上記構成において、さらに、カート
リッジケースの後端側の2つのテープガイドの垂直度が
±60分以内とし、カートリッジケースの前端側の2つ
のテープガイドの互いの平行度が±12分以内で且つ前
記所定傾斜角度が8度以下の傾きに設置としたので、実
験結果からも分かるように、磁気テープにしわが寄って
変形したり、走行位置が不安定になったりするような不
都合が解消される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に基づく磁気テープカート
リッジの分解斜視図である。
【図2】図1に示した磁気テープカートリッジの組立品
の上面側の斜視図である。
【図3】図1に示した磁気テープカートリッジの組立品
の裏面側の斜視図である。
【図4】図2のA−A矢視断面図であって、ハード装置
へ装填していない不使用時の状態を示す。
【図5】図2のA−A矢視断面図であって、ハード装置
へ装填した使用時の状態を示す。
【図6】磁気テープカートリッジの一対のテープリール
の分解斜視図である。
【図7】図1に示した磁気テープカートリッジのロアハ
ーフの平面図である。
【図8】図1に示した磁気テープカートリッジのカート
リッジケースのみを切截した左側面図である。
【図9】図1に示した磁気テープカートリッジのカート
リッジケースのみを切截した正面図である。
【図10】図1に示した磁気テープカートリッジのカー
トリッジケースのみを切截した右側面図である。
【図11】テープリールの傾きと磁気テープの位置ずれ
を示す実験結果のグラフである。
【図12】従来技術の平面説明図である。
【符号の説明】
1 磁気テープカートリッジ 2 カートリッジケース 5 磁気テープ 9 アッパテープリール 10 ロアテープリール 31 テープガイド 32 テープガイド 33 テープガイド 34 テープガイド

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 カートリッジケースと、該カートリッジ
    ケース内で同軸上に2段重ねて収容され、磁気テープを
    巻装させた一対のテープリールと、前記カートリッジケ
    ースの後端側に軸線方向を垂直にして設置した前記一対
    のテープリールにそれぞれ巻装されるように方向変換す
    る2つのテープガイドと、前記カートリッジケースの前
    端側に軸線方向を所定傾斜角度をもって設置した一方の
    テープリールから他方のテープリールへ斜めに誘導する
    の2つのテープガイドとを備えた磁気テープカートリッ
    ジであって、 前記前記カートリッジケースの後端側の2つのテープガ
    イドはカートリッジケースのロアハーフに設置されてい
    るとともに、前記カートリッジケースの前端側の2つの
    テープガイドはカートリッジケースのロアハーフとアッ
    パハーフとにそれぞれ設けた所定傾斜角度を有し平行に
    延びるベースに挟持させたことを特徴とする磁気テープ
    カートリッジ。
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