JP2002092953A - 光記録媒体 - Google Patents

光記録媒体

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JP2002092953A
JP2002092953A JP2000272932A JP2000272932A JP2002092953A JP 2002092953 A JP2002092953 A JP 2002092953A JP 2000272932 A JP2000272932 A JP 2000272932A JP 2000272932 A JP2000272932 A JP 2000272932A JP 2002092953 A JP2002092953 A JP 2002092953A
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JP2000272932A
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Takashi Shibakuchi
孝 芝口
Masato Harigai
眞人 針谷
Kazunori Ito
和典 伊藤
Hajime Yuzurihara
肇 譲原
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Ricoh Co Ltd
Original Assignee
Ricoh Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 DVD−ROMと同容量でかつ互換性を
もち、生産性に優れた相変化型光記録媒体を提供する。 【解決手段】 透明基板上に第一誘電体層、記録層、第
二誘電体層、反射層の順に積層した媒体構成で、基板の
溝部に記録する相変化記録媒体において、下記の諸要件
を規定した。 (イ)第一誘電体層の厚さUL、記録層の厚さPL、第
二誘電体層の厚さTL、反射層の厚さRLがそれぞれ下
記の範囲である。 30nm<UL<250nm 8nm≦PL≦ 25nm 10nm≦TL≦200nm 30nm≦RL≦200nm (ロ)記録層がAg、In、Sb、Teを主構成元素と
する。 (ハ)記録層にN2を添加する。 (ニ)第一、第二誘電体層がZnSとSiOxを主成分
とする。 (ホ)溝部の深さDg(nm)が、記録再生波長をλ
(nm)とした場合、0.03λ<Dg<0.095λ
である。 (ヘ)2.0<na(非晶質状態の屈折率)<4.0 2.5<ka(非晶質状態の吸収係数)<3.5 1.0<nc(結晶状態の屈折率)<3.5 3.0<kc(結晶状態の吸収係数)<4.5

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光記録媒体にレー
ザー光を集光照射して、記録材料に相変化を生じさせ
て、情報の記録、再生を行う追記型の相変化型光記録媒
体に関するものであり、外部記憶用光記録媒体、ビデオ
及び音楽用光ディスクなどに応用可能な記録媒体であ
る。
【0002】
【従来の技術】今日、結晶、非晶質相の可逆的相変化を
利用した書き換え可能な光記録媒体において、大容量で
しかも高速で記録再生する高い仕様が要求されている。
DVD−ROMが市場に出て以来、書き換え可能な媒体
も4.7GB以上の容量が期待されている。また、RO
M再生互換を可能にすることが必要である。大容量化を
可能にするには、基板のトラッキング用溝のピッチを1
μm以下、波長630nm〜660nm範囲の赤色レー
ザー、さらに400nm付近の青色レーザーを用い、か
つレンズの開口率を大きくしてスポット径を小さくし記
録することが一つの条件である。これら条件により記録
再生し十分な特性を得るための媒体を得ることが必要で
ある。基板上に第一誘電体層、記録層、第二誘電体層、
反射層の順に積層した媒体構成で、溝部に記録する方式
において、これまで記録層がGe、Sb、Teを主要構
成元素とした相変化材料を用い、各層の膜厚を最適化さ
せることによる検討がなされている(特開平9−115
180号公報)。一方、溝部と溝間の両方に記録し、さ
らに誘電体層を複数積層させて大容量とする方式もあ
る。しかし、いずれにしてもDVD−ROMと同容量で
かつ十分な特性をもつ媒体は得られていない。しかも、
層数が少なく、各層厚をより薄くすることで製造コスト
が安くなるなどの生産面においても優れた媒体となる
と、なお不十分である。
【0003】記録・記憶技術ハンドブック(丸善、平成
4年8月25日)に追記形の相変化型記録媒体としてT
eOx膜やTeOx−Pd膜が記述されている。
【0004】又、“光メモリシンポジウム’85”論文
集、木村邦夫他、においては“Te−TeO2をベース
とする新しい追記型光メモリー”というタイトルでTe
−TeO2系にAuやPdを添加した追記形の相変化材
料が詳細に述べられている。
【0005】上記文献のいずれにおいても、TeOx膜
にAu又はPdを添加することにより、応答速度の改善
と熱的な安定性を向上している。また、特開平7−93
806号公報には、透光性の基板上に誘電体保護層、非
晶質の第1の記録膜、結晶質の第2の記録膜及び有機樹
脂保護膜を順次積層し、レーザービームの照射により第
1記録膜と第2記録膜を溶融拡散合金化し、結晶質の記
録マークを形成する方法が述べられている。この方法の
問題点として、CN比が小さく十分な再生信号が得られ
ないことが挙げられる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】透明基板上に第一誘電
体層、記録層、第二誘電体層、反射層の順に積層した媒
体構成で、基板の溝部に記録する相変化記録媒体におい
て、DVD−ROMと同容量でかつ互換性をもち、生産
性に優れた相変化型光記録媒体を提供することを目的と
する。
【0007】すなわち、前記した従来のTeOxを材料
とした追記型の相変化膜は、形成時には非晶質であり、
レーザー照射による加熱で結晶粒が成長し、反射率が変
化する特性があり、非晶質相から結晶体へという相変化
を利用して、情報マークを形成している。ところが、上
記の相変化の過程で、結晶化が完了するまでに長い時間
を要し、再生信号が安定するまでに数分間かかるという
欠点があった。
【0008】又、上記欠点を改善するため、TeOxに
Au又はPd等を添加して高速に結晶化させることがで
きるようになったが、非晶質相と結晶相の間で変化する
光学定数の変化率が小さくなり、再生信号のCN比が悪
くなることや、記録感度と長期にわたる保存性を同時に
満足することができなかった。
【0009】そこで本発明では、上記した欠点を改良す
るため、追記型の相変化材料としてAg、In、Sb、
Teを主成分とする材料を検討し、光学定数の変化率が
大きい非晶質相と結晶相を利用して、情報の結晶化記録
が可能な層構成を実現し、非晶質相と結晶相の反射率差
を大きくし、再生信号のCN比が高く、かつ長期の保存
性も問題のない追記型の相変化型光記録媒体の実現を目
的とする。
【0010】さらに本発明における重要な課題は、上記
した欠点を改良しつつ、記録密度を大幅に向上させ、大
容量化を達成することである。すなわち、高密度化記録
のため、青色レーザーを用いた結晶化記録が可能な層構
成を実現することである。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明は、透明基板上
に、第一誘電体層、記録層、第二誘電体層、反射層の順
に積層した構成からなり、溝ピッチが1μm以下の溝部
に記録させる媒体において、大容量で十分な媒体特性を
もち、かつ生産性に優れたものとするために、層厚等の
最適条件を見出したものである。
【0012】すなわち、本発明は下記のとおりである。 (1)透明基板上に第一誘電体層、記録層、第二誘電体
層、反射層の順に積層され、記録層には非晶質、結晶間
の可逆的相変化により記録消去される相変化型記録材料
を用い、基板には、ピッチが1μm以下のスパイラル状
トラッキング用溝が設けられた光記録媒体において、第
一誘電体層の厚さUL、記録層の厚さPL、第二誘電体
層の厚さTL、反射層の厚さRLがそれぞれ 30nm<UL<250nm 8nm≦PL≦ 25nm 10nm≦TL≦200nm 30nm≦RL≦200nm であることを特徴とする光記録媒体。
【0013】(2)記録層がAg、In、Sb、Teを
主要構成元素とする相変化記録材料より構成されている
前記(1)記載の光記録媒体。
【0014】(3)記録層にN2を添加してなる前記
(2)記載の光記録媒体。
【0015】(4)第一誘電体層及び第二誘電体層がZ
nSとSiOxを主成分とする材料からなり、各々の膜
厚が、40nm≦UL≦160nm、10nm≦TL≦
100nmである前記(1)ないし(3)のいずれかに
記載の光記録媒体。
【0016】(5)反射層がAl−Ti合金からなり、
その膜厚が50nm≦RL≦150nmである前記
(1)ないし(4)のいずれかに記載の光記録媒体。
【0017】(6)トラッキング用溝部の深さDg(n
m)が、記録再生波長をλ(nm)とした場合、0.0
3λ<Dg<0.095λである前記(1)ないし
(5)のいずれかに記載の光記録媒体。
【0018】(7)記録層の光学定数において、記録層
の非晶質状態の屈折率をna、吸収係数をkaとした場
合に、2.0<na<4.0、2.5<ka<3.5で
あり、かつ、結晶状態の屈折率をnc、吸収係数をkc
とした場合に、1.0<nc<3.5、3.0<kc<
4.5である前記(1)ないし(6)のいずれかに記載
の光記録媒体。
【0019】(8)記録層の非晶質状態が成膜後のいわ
ゆるアズ・デポ状態の非晶質相である前記(1)ないし
(7)のいずれかに記載の光記録媒体。
【0020】図1は、本発明の追記型の相変化型光記録
媒体の構成を示した説明図である。透明基板上に第一誘
電体層、記録層、第二誘電体層、反射層をスパッタによ
り順次形成した構成をとっている。反射層上には任意に
保護用として紫外線硬化樹脂膜がスピンコートされてい
る。
【0021】透明基板としてはアクリル系やポリカーボ
ネート(PC)等のプラスチック基板もしくはガラス基
板が使用される。屈折率は1.5〜1.6である。
【0022】第一、第二誘電体層としては、SiOx、
ZnO、SnO2、Al23、TiO2、In23、In
−Sn−O、Ta25等の金属酸化物あるいはZnSと
SiOx、Ta25とSiOxの混合物が挙げられる。
中でもZnS・SiOxが優れており、屈折率が2〜
2.2になるように作製する。
【0023】第一誘電体層の膜厚ULの下限は、記録波
長に関係なく、耐環境性、及び繰り返しオーバーライト
特性を考慮すると、30nmより厚くする必要がある。
一方、上限については250nm以上になると膜作製中
に大きな熱応力が発生し、クラックが発生したり、基板
から剥離しやすくなり、データの読み取りエラーの増大
につながる。一方、生産面においては膜厚は極力薄い方
が好ましい。その理由として、時間の短縮、成膜時の基
板の温度上昇にともなう基板変形抑制、膜応力の低減が
挙げられる。したがって、生産性が向上する十分な媒体
特性を得るための好ましい膜厚範囲は、45nm〜23
0nmである。この範囲でより薄い膜厚を選択する。
【0024】第一誘電体層がこれらの範囲であっても、
十分な特性を得るための溝ピッチ(G.P)が1μm以
下の基板に対して、溝部の深さDg(単位nm)が0.
03λ<Dg<0.095λであり、溝幅が0.3G.
P〜0.55G.P(単位μm)であることが好まし
い。ここでλ(単位nm)は記録再生波長である。
【0025】記録層としては、Ag、In、Sb、Te
を主要元素とする材料を用いる。他の材料、例えば、I
nSbTe系、InSe系、InTe系、TeOx−G
eSn系、TeSeSn系、SbSeBi系、BiSe
Ge系などのカルコゲナイド系材料を用いてもよい。
【0026】AgInSbTe系にN2を添加すること
により結晶化転移温度を高くすることができ、長期にわ
たる保存によっても熱的安定性が確保され、追記型の光
メモリー材料として使用可能である。
【0027】図2に記録層としてAgInSbTe系に
2を添加したときの結晶化温度のN2量依存性を示す。
横軸にスパッタリング時のN2ガス流量を示し、縦軸は
結晶化温度である。ガラス基板上にN2添加のAgIn
SbTe系の単膜をスパッタリングにより成膜後、試料
を作製し、DSC(示差走査熱量計)により、10℃/
minの条件で、結晶化温度Tcを求めた。図よりN2
添加量が0のとき、結晶化温度TcはTc=203℃で
あり、N2=3SCCMの流量のとき、Tc=272℃
となり、N2添加により結晶化温度が大幅に高くなって
いる。追記型の相変化光メモリーとして、熱的安定性は
重要である。長期に保存したときの熱劣化は主に結晶化
転移温度に依存するので、転移温度が高ければ高い程熱
的に安定になる。
【0028】これらは微小なマークにおいてもマークエ
ッジをシャープに記録することに優れた材料であり、高
密度に記録できる。組成比の好ましい範囲は、Ag、I
n、Sb、Teの各組成比をα、β、γ、δ(原子%)
とすると、0<α<5、1<β<20、55<γ<7
0、20<δ<35、α+β+γ+δ=100である。
【0029】記録層の複素屈折率n’=n-ik(n:屈
折率、k:吸収係数)において、波長400nm〜66
0nmの領域において、マーク部(非晶質相)の屈折率
na、吸収係数kaが 2.0<na<4.0 2.5<ka<3.5 であり、マーク間(結晶相)の屈折率nc、吸収係数k
cが 1.0<nc<3.5 3.0<kc<4.5 にすることで、媒体の反射率、変調度をより大きくで
き、十分な繰り返しオーバーライト特性が得られる。ま
た、DVD−ROMの場合、トラッキング方式はDPD
トラッキング方式を採用しており、書き換え可能な媒体
と互換をとるためには、少なくとも反射率が18%(片
面2層のROMの下限)以上であり、DPDトラッキン
グを可能にすることが要求される。この面からも、記録
層の組成及び光学定数が以上の条件にあれば十分可能と
なる。記録層の膜厚は8nm〜25nmの範囲がよい。
薄すぎると熱ダメージが大きく、厚すぎると記録感度の
低下、繰り返しオーバーライト特性が悪くなる。より好
ましい下限は15nmである。
【0030】第二誘電体層は、第一誘電体層と同じ材料
が用いられ、中でもZnS−SiOxが好適に用いられ
る。膜厚は10nm〜200nmの範囲がよい。膜厚が
薄すぎると感度が悪くなるばかりでなく、記録特性も悪
くなる。膜厚が厚すぎると、感度は良くなるが繰り返し
オーバーライト特性、繰り返し再生特性が悪くなる。特
に好ましい膜厚は15nm〜50nmである。
【0031】反射層は、Al、Au、Cu、Ag、C
r、Sn、Zn、In、Pd、Ni、Si、Ge、S
b、Ta、W、Ti等の金属を中心とした材料の単体あ
るいは合金を用いることができる。熱伝導率が高く、反
射率が高い材料が適している。中でもAl、Au、Ag
単体あるいはこれらを主元素とした合金が好ましい。
【0032】反射層の膜厚RLの範囲は30nm〜20
0nmの範囲が良い。生産面において反射層の膜厚も第
一誘電体層と同様により薄くすることが望ましい。一
方、第一誘電体層の膜厚が100nmより薄い場合にお
いて、反射層の放熱効率を上げるためにも90nmより
厚いことが望ましい。より好ましい膜厚の下限は90n
mである。200nmより厚いと感度が低下すること
と、製膜時媒体の温度上昇に伴う媒体の変形が起こり、
機械特性を悪くしてしまう。
【0033】本発明において、使用する基板の厚さは
0.6mm程度であり、CDの1.2mmより薄い。そ
のため、第一誘電体層、反射層の比較的厚い層の膜厚を
より薄くし、基板変形にともなう機械特性の悪化を防ぐ
ことが必要となる。
【0034】以上の条件を満足することにより、書き換
え可能な光記録媒体として実用に十分な初期記録、繰り
返しオーバーライト後の記録再生特性が得られること、
第一誘電体層と基板の溝深さを最適化することで第一誘
電体層をより薄くすることが可能になり、生産面におい
て製造時間の短縮、機械特性の悪化が抑制され歩留り向
上が測れる。さらに、DVD−ROMとの互換が可能に
なる。
【0035】
【発明の実施の形態】図3、図4には上記層構成を用い
た光記録媒体の結晶相と非晶質相の反射率を求めた実施
例を示す。図は多層薄膜の反射率を一般によく知られて
いるマトリックス法を用いて計算したものであり、横軸
は第一誘電体層の厚さULを表わしている。
【0036】図においては、記録層が記録状態である結
晶化した記録マークの反射率をRc、未記録状態にある
非晶質相の反射率をRaで示した。波長はいずれもλ=
410nmで計算してある。
【0037】ここで、未記録状態にある非晶質相とは、
記録相をスパッタリングにより成膜した後の状態のこと
であり、いわゆるアズ・デポ(as−depo)状態と
いわれている。
【0038】実施例1 図3は記録層の材料としてAg、In、Sb、Teを主
成分とした材料を、第一及び第二誘電層はZnSとSi
2の混合物であるZnS−SiO2を、反射層はAl−
Tiを、透明基板としてポリカーボネート樹脂を使用
し、結晶化記録マークの反射率Rcと未記録状態にある
非晶質相の反射率Raを求めている。図においてULは
第一誘電体層の厚さで、TLは第二誘電体層の厚さで、
PLは記録層の厚さで、RLは反射層の厚さで、PCは
透明基板がポリカーボネートであることを表わしてい
る。
【0039】ここで記録層の膜厚PLを13nm、第二
誘電体層の膜厚TLを50nm、反射層の膜厚RLを1
20nmとすると、第一誘電体層の膜厚ULによらず、
反射率は、 Ra>Rc ……(1) となり、非晶質相の反射率Raを結晶化記録マークの反
射率Rcよりは常に大きくすることができる。
【0040】さらに上記の場合、モジュレーション(m
odu.)を
【数1】 で定義すると、第一誘電体層の膜厚ULの一部領域を除
いて、50%以上となっている。
【0041】実施例2 図4は、各層に使用した材料は実施例1と同じであり、
第二誘電体層の膜厚TLだけを20nmとし、記録層と
反射層の膜厚PL、RLは図2の例と同じにした場合の
結晶化記録マークの反射率Rcと未記録状態にある非晶
質相の反射率Raを求めたものである。
【0042】第一誘電体層の膜厚ULによらず反射率は Rc>Ra ……(3) となり、結晶化記録マークの反射率Rcを非晶質相の反
射率Raよりも常に大きくすることができる。
【0043】また、本例のmodu.を
【数2】 で定義すると、UL=40〜240nmの範囲でモジュ
レーションは50%〜84%の値となる。
【0044】実施例1および実施例2では、結晶化記録
による信号レベルが非晶質相の未記録レベルに比べて逆
になっているが、いずれの場合においても信号検出後、
電気的処理をすることにより再生信号を得ることができ
る。
【0045】本発明において、各層の膜厚は、上記の値
に限定されるものではない。各層の膜厚の値として、4
0nm≦UL≦240nm、8nm≦PL≦25nm、
10nm≦TL≦200nm、30nm≦RL≦200
nmの範囲としてもなんら問題はない。特に実施例1、
2で示したように、記録層としてAg、In、Sb、T
eを主成分とした材料を、第一および第二誘電体層とし
て、ZnSとSiO2の混合物からなる材料を、反射層
としてAl−Ti合金を使用したとき、各層の膜厚とし
て、40nm≦UL≦160nm、12nm≦PL≦2
0nm、10nm≦TL≦100nm、50nm≦RL
≦150nmの範囲にあることが好ましく、結晶化記録
による良好な再生信号が得られる。
【0046】実施例3 トラッキング用溝を設けたPC基板上に、厚さ70nm
のZnS−SiO2からなる第一誘電体層、第一誘電体
層上に厚さ13nmのAgInSbTeにN2を0.5
SCCM添加した記録層、記録層上に厚さ50nmのZ
nS−SiO2からなる第二誘電体層、第二誘電体層上
に厚さ120nmのAl−Tiからなる反射層を順次ス
パッタリング法により成膜後、反射層表面を紫外線硬化
樹脂でスピンコートした。
【0047】作製した光ディスクを線速3.5m/sで
回転し、トラック上に40MHzの信号を記録した。こ
のときの光学系はλ=413nm、対物レンズNA=
0.6、レーザーパワーは5mWに設定した。なお、上
記で青色レーザーとして発振波長413nmのクリプト
ンイオンレーザーを用い、記録時にはAO変調器により
変調して記録した。
【0048】信号を記録した光ディスクの再生信号か
ら、未記録部である非晶質相の反射率は23%、記録マ
ークである結晶相の反射率は8%となり、モジュレーシ
ョンとして65%の値が得られた。
【0049】以上は400〜500nmの青色レーザー
波長の場合について述べた。次に630〜660nmの
赤色レーザー波長の場合についての実施例を示す。
【0050】実施例4〜13、比較例1〜5 使用する基板の厚さ0.6mm、直径120mm、溝と
溝のピッチは0.74μm、溝幅は0.3μmとした。
溝深さは表1に示すとおりである。
【0051】
【表1】
【0052】記録層に使用する相変化記録材料、組成は
Ag:In:Sb:Te=3.5:6.5:61.0:
29.0(原子%)である。複素屈折率n-ikにおいて
波長635nmで測定した結果、非晶質相の屈折率n
a、吸収係数kaは、na=3.5、ka=2.7、結
晶相の屈折率nc、吸収係数kcは、nc=3.0、k
c=3.75であった。第二誘電体層、第一誘電体層は
ZnS(80mol%)・SiO2(20mol%)を
用い、第一誘電体層厚は表1に示す厚さとした。第二誘
電体層及び記録層の膜厚はともに19nmとした。反射
層は、Al合金を用い膜厚を135nmとした。基板上
に第一誘電体層、記録層、第二誘電体層、反射層の順に
積層した後、さらに紫外線硬化型樹脂を約2μmの厚さ
に塗布した。その後、記録層を媒体全面にわたり結晶相
にするための初期化を施した。厚さ0.6mm、直径1
20mmの基板を紫外線硬化樹脂により先の媒体と貼り
合わせて1.2mmの厚さとした。これを記録媒体とし
て、記録、再生を行う。記録は、波長635nm、NA
0.60、再生波長は650nm、NA0.60のピッ
クアップヘッドを用いて媒体特性を測定した。CLVモ
ードで線速3.5m/sec、記録周波数26.2MH
z、PWM方式により記録した。記録パワーは、8mW
〜13mWの範囲内で最適なパワーを選択した。
【0053】媒体特性は、反射率、繰り返しオーバーラ
イト特性(表中のDOW)を測定した。DOWはジッタ
ー値で一定基準値に達した回数を示す。表1に示した溝
深さ、第一誘電体層膜厚において、反射率が18%以上
でなおかつDOW1000回以上であり、第一誘電体層
が薄い場合、厚い場合でも十分な媒体特性をもつ。ま
た、第一誘電体層厚が100nm以下である場合は、反
射層まで作製し終えた直後の半径方向の反りが小さく、
環境保護層、貼り合わせ行程において、より小さくする
ことが可能となった。一方、比較例に示す条件において
は、十分な特性が得られていない。又、実施例において
いずれもDPDトラッキングが可能であった。
【0054】
【発明の効果】請求項1については、レーザー光の照射
を受けて非晶質相から結晶相へと相変化を生じて情報の
結晶化記録が行われ、各層が所定の厚さで透明基板上に
形成されているので、相変化に伴う反射率変化を大きく
することができ、再生信号のCN比を高くすることが可
能となる。
【0055】請求項2については、記録層にAg、I
n、Sb、Teを主成分とした材料を使用し、膜厚を適
切に設定しているので、非晶質相と結晶相との間の光学
定数の変化率がより大きくなるので、再生信号のCN比
をより大きくすることができる。また、AgInSbT
e系材料に特有な高感度記録が効果的に実現できる。
【0056】請求項3については、結晶化転移温度が大
幅に高くなっている。追記型の相変化光メモリーとし
て、熱的安定性は重要である。長期に保存したときの熱
劣化は主に結晶化転位温度に依存するので、転位温度が
高ければ高い程熱的に安定になる。
【0057】請求項4および請求項5は、第一、第二誘
電体層および反射層について、さらに望ましい条件を示
したものである。
【0058】請求項6は第一誘電体層の膜厚の規定と共
に、溝深さの限定は、十分な特性を得るためには必要な
要件である。
【0059】請求項7によれば、媒体の反射率、変調度
をより大きくでき、十分な繰り返しオーバーライト特性
が得られる。
【0060】請求項8は、未記録状態にある非晶質相が
スパッタリングにより成膜した後の状態であることを示
したものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の光記録媒体の層構成の説明図である。
【図2】記録層としてAg、In、Sb、Teを主成分
とした材料にN2を添加したときの結晶化温度のN2量依
存性を示すグラフである。
【図3】本発明の実施例1において、第一誘電体層の膜
厚と、結晶化記録マークの反射率Rcと未記録状態にあ
る非晶質相の反射率Raのグラフである。
【図4】本発明の実施例2において、第二誘電体層の膜
厚とRc、Raの関係を示すグラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G11B 7/24 538 G11B 7/24 538F 561 561N 561P (72)発明者 伊藤 和典 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 (72)発明者 譲原 肇 東京都大田区中馬込1丁目3番6号 株式 会社リコー内 Fターム(参考) 5D029 JA01 JB35 JC03 JC06 LA14 LA15 LB07 MA13 MA14 WB17 WC05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 透明基板上に第一誘電体層、記録層、第
    二誘電体層、反射層の順に積層され、記録層には非晶
    質、結晶間の可逆的相変化により記録消去される相変化
    型記録材料を用い、基板には、ピッチが1μm以下のス
    パイラル状トラッキング用溝が設けられた光記録媒体に
    おいて、第一誘電体層の厚さUL、記録層の厚さPL、
    第二誘電体層の厚さTL、反射層の厚さRLがそれぞれ 30nm<UL<250nm 8nm≦PL≦ 25nm 10nm≦TL≦200nm 30nm≦RL≦200nm であることを特徴とする光記録媒体。
  2. 【請求項2】 記録層がAg、In、Sb、Teを主要
    構成元素とする相変化記録材料より構成されている請求
    項1記載の光記録媒体。
  3. 【請求項3】 記録層にN2を添加してなる請求項2記
    載の光記録媒体。
  4. 【請求項4】 第一誘電体層及び第二誘電体層がZnS
    とSiOxを主成分とする材料からなり、各々の膜厚
    が、40nm≦UL≦160nm、10nm≦TL≦1
    00nmである請求項1ないし3のいずれかに記載の光
    記録媒体。
  5. 【請求項5】 反射層がAl−Ti合金からなり、その
    膜厚が50nm≦RL≦150nmである請求項1ない
    し4のいずれかに記載の光記録媒体。
  6. 【請求項6】 トラッキング用溝部の深さDg(nm)
    が、記録再生波長をλ(nm)とした場合、0.03λ
    <Dg<0.095λである請求項1ないし5のいずれ
    かに記載の光記録媒体。
  7. 【請求項7】 記録層の光学定数において、記録層の非
    晶質状態の屈折率をna、吸収係数をkaとした場合
    に、2.0<na<4.0、2.5<ka<3.5であ
    り、かつ、結晶状態の屈折率をnc、吸収係数をkcと
    した場合に、1.0<nc<3.5、3.0<kc<
    4.5である請求項1ないし6のいずれかに記載の光記
    録媒体。
  8. 【請求項8】 記録層の非晶質状態が成膜後のいわゆる
    アズ・デポ状態の非晶質相である請求項1ないし7のい
    ずれかに記載の光記録媒体。
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