JP2002092053A - 機器配置装置及び機器配置設計方法 - Google Patents

機器配置装置及び機器配置設計方法

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JP2002092053A JP2000276938A JP2000276938A JP2002092053A JP 2002092053 A JP2002092053 A JP 2002092053A JP 2000276938 A JP2000276938 A JP 2000276938A JP 2000276938 A JP2000276938 A JP 2000276938A JP 2002092053 A JP2002092053 A JP 2002092053A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明の課題は、機器群の配置上の制約条件を
満たし、かつ、少なくとも一つの所定の評価基準を最適
化した各配置案を短時間で作成できる機器配置装置及び
機器配置設計方法を提供することにある。 【解決手段】本発明は、機器または機器群を所定の配置
空間上に最適配置する機器配置装置であって、機器配置
空間を入力し、機器配置に関する制約条件を入力し、機
器配置の候補となる配置基準点を前記機器配置空間上に
生成し、前記制約条件入力によって入力された機器配置
に関する制約条件および前記配置基準点生成によって生
成された配置基準点に基づいて所定の評価基準を最適化
するように前記機器または機器群の配置座標を決定して
配置案を生成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えば、機器群の
物理的条件、機器群の論理的接続関係及び配置空間など
を入力することによって、機器配置を自動的に行う技術
にかかわり、特に配置に関する制約条件に基づいて、機
器群を所定の配置空間上に配置するにあたり、ユーザの
経験的知識や判断能力を反映するように機器群を配置す
ることができるようにした機器配置装置及び機器配置設
計方法に関する。
【0002】
【従来の技術】機器群の物理的条件及び論理的接続関係
を反映し、かつ少なくとも一つの所定の評価基準を最適
化した機器配置を与えることは非常に重要な点である。
ところが、このような機器配置は手作業に頼っており、
手作業による機器配置は、最適配置を実現するものの、
それには熟練と多くの作業時間を必要としていた。
【0003】そこで、近年になって、短時間で最適ある
いは準最適な機器配置が自動的に行えるように自動機器
配置システムの研究開発が活発に行われている。その成
果として、最急降下法や遺伝的アルゴリズム等を用いた
自動機器配置法が提案されている。
【0004】例えば、最急降下法を用いた自動機器配置
の手順は『特開平10−124566号公報:プラント
レイアウト設計方法及び装置』において開示されてお
り、遺伝的アルゴリズムを用いた自動機器配置の手順は
『特開平11−282893号公報:配管ルートと機器
レイアウトの同時最適化方法』において開示されてい
る。
【0005】特開平10−124566号公報に記載さ
れているプラントレイアウト設計方法及び装置は、機器
を物理的条件及び論理的接続関係に応じてグループ化し
た配置要素を初期配置し、各配置要素の配置及び/若し
くは各機器の配置の制約に対する違反度合いを数量化し
た制約評価値と各配置要素の配置及び/若しくは各機器
の配置によるコストを数量化したコスト評価値の荷重和
で表される全体評価値が所定値以下になるまで、微調整
ルールによる配置要素の方向修正及び/若しくは機器の
方向修正を繰り返すことによって、すべての機器を三次
元(角度を含むと四次元)上に配置するものである。
【0006】特開平11−282893号公報に記載さ
れている配管ルートと機器レイアウトの同時最適化方法
は、複数の機器を人手で予め適当に配置し、配管長、総
曲り数及び配管の干渉が最小になるまで、遺伝的アルゴ
リズムによる機器の移動と回転を繰り返すことによっ
て、すべての機器を二次元上に配置するものである。
【0007】ここで遺伝的アルゴリズムとは、生物が自
然界において世代交代を繰り返しながらその環境に適応
し、進化していく過程に着想を得て提案された最適化の
一手法であり、ある世代のある個体群の中で環境に対し
て適応度の高い個体が次の世代に生き残るように増殖と
淘汰を繰り返して進化していく方法と、それぞれの世代
で一世代前の個体群から新しい個体群を生成するように
交差や突然変異を繰り返して遺伝していく方法とをモデ
ル化したものとして知られている。
【0008】遺伝的アルゴリズムに関する参考文献とし
ては、例えば、『北野宏明編:遺伝的アルゴリズム、産
業図書、1993年』、あるいは『日本ファジィ学会
編:遺伝的アルゴリズム、朝倉書店、1995年』等が
ある。
【0009】遺伝的アルゴリズムは、生物の進化あるい
は遺伝のメカニズムを模倣して、適応度の高い解候補群
を逐次的に生成/評価して、より適応度の高い解候補を
探索していくアルゴリズムであるから、最適な解に辿り
着ける可能性の高い方法といえる。しかし、機器配置
は、大きさや仕様が様々な多くの機器を、論理的接続に
関する厳しい制約のもとで、可能な限り小さな領域に保
守がし易く見栄え良く配置するという、問題本来が持つ
難しさゆえに、上記手法を含む従来手法は計算時間や配
置結果の質に関して、まだまだ多くの課題を残してい
る。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】上記のように、機器群
の物理的条件及び論理的接続関係、あるいは配置に関す
る制約条件を反映し、かつ少なくとも一つの所定の評価
基準を考慮した機器配置を与えるための自動機器配置法
として従来手法は、計算時間や配置結果の質に関して、
多くの課題を残している。
【0011】例えば、特開平10−124566号公報
に記載されているプラントレイアウト設計方法及び装置
では、機器を物理的条件及び論理的接続関係に応じてグ
ループ化した配置要素を初期配置する際に、機器配置図
作成の場面でユーザが機器を配置する際に注目する箇所
等が考慮されていないので、初期配置の組み合わせの数
は膨大となり、それに伴って評価値の計算時間も膨大に
なるという問題があり、また微調整ルールによる配置要
素の方向修正及び/若しくは機器の方向修正を繰り返す
際に、少なくとも一つの所定の評価基準を最適化するこ
とが考慮されていないので、配置結果の質が低いという
問題があった。
【0012】遺伝的アルゴリズムを応用した自動機器配
置法があるが、このアルゴリズムを応用した従来の自動
機器配置法においては、ユーザとシステムが協調して作
業を行うことがあまり考慮されておらず、ほとんどの処
理をシステムに任せて評価値が最良となったものを配置
結果として得るので、計算時間や配置結果の質などの点
で多くの問題を有する。
【0013】例えば、特開平11−282893号公報
に記載されている配管ルートと機器レイアウトの同時最
適化方法では、複数の機器を人手で予め適当に配置しな
ければならないので、熟練と多くの時間を要するという
問題があり、機器の移動と回転を繰り返す際に、配管
長、総曲り数及び配管の干渉を最小にするような考慮は
されているが、保守性や見栄え、あるいは少なくとも一
つの所定の評価基準を最適化することなどが考慮されて
いないので、配置結果の質が低いという問題があった。
【0014】本発明は上記の事情に鑑みてなされたもの
で、機器群の配置上の制約条件を満たし、かつ少なくと
も一つの所定の評価基準を最適化した配置案を、短時間
で作成することができる機器配置装置及び機器配置設計
方法を提供することを目的とする。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明は、機器群を所定
の配置空間上に最適配置する機器配置設計において、機
器を初期配置する過程や、遺伝的アルゴリズムの実行に
よる機器配置過程において、ユーザが対話的に介入する
ことにより、ユーザの経験的知識や判断能力と、遺伝的
アルゴリズムの探索能力とを相互に作用させることがで
きるようにした機器配置設計方法及び機器配置装置を提
供し、短時間で質の高い配置結果が得られるようにす
る。
【0016】具体的には、まず始めに機器配置図作成の
場面でユーザが機器を配置する際に注目する箇所、すな
わち配置基準点をユーザの判断やあらかじめ設定される
条件を基にして定め、続いてシステムが配置基準点をも
とに機器を初期配置した後、遺伝的アルゴリズムの実行
により、少なくとも一つの所定の評価基準を最適化する
機器配置過程を画面表示し、ユーザの判断で探索及び画
面の動きを一時的に止め、機器の相対的な位置関係の一
部変更を指示した後、再び、遺伝的アルゴリズムの実行
を継続することができることにより、ユーザとシステム
の協調が可能で、しかもユーザの介入の内容が遺伝的ア
ルゴリズムの求める解候補群に徐々に反映(進化/遺
伝)され、最終的に、短時間で質の高い配置結果が得ら
れるようにしている。
【0017】さらに、配置に関する制約条件を画面上で
マウス等のポインティングデバイスを用いて入力し、必
要に応じてそれらの制約条件を容易に変更できるように
している。
【0018】そのために、本発明は次のような手段を講
じた。すなわち、機器群の物理的条件及び論理的接続関
係を反映するように、前記各機器を所定の配置空間上に
最適配置するための機器配置装置において、制約条件入
力手段によって入力された配置に関する制約条件に基づ
いて、機器配置図作成の場面でユーザが機器を配置する
際に注目する箇所、すなわち配置基準点上に機器を初期
配置した後、少なくとも一つの所定の評価基準を最適化
する機器配置座標決定操作を施すことによって、前記機
器群の配置座標を決定して種々の解候補を求め(配置案
を生成する)、逐次生成される解候補集合のうちの最適
解あるいは複数の準最適解(配置案のうちの所定の良好
な配置案)を一定の時間間隔あるいは指定された時間間
隔で画面に表示する、遺伝的アルゴリズムを用いた機器
配置手段と、前記遺伝的アルゴリズムを用いた機器配置
手段によって逐次生成される解候補集合のうちの最適解
あるいは複数の準最適解を参照して、機器または機器群
の相対的な位置関係の変更指示、あるいは配置に関する
制約条件の変更指示を施し、再度、前記遺伝的アルゴリ
ズムの実行を継続する配置案調整手段とを具備する。
【0019】このような構成において、機器群の物理的
条件及び論理的接続関係を与えると、制約条件入力手段
によって入力された入力データを配置に関する制約条件
として機器配置手段は、前記機器群の配置座標を決定す
る。
【0020】機器配置手段は、前記入力データに基づい
て、配置基準点上に機器を初期配置した後、少なくとも
一つの所定の評価基準を最適化する機器配置座標決定操
作を施す遺伝的アルゴリズムを用いており、これによっ
て機器配置座標決定操作を施すことにより、前記機器群
のとり得る配置座標を決定し、前記遺伝的アルゴリズム
によって逐次改善される解候補集合のうちの最適解ある
いは複数の準最適解の配置案を、ある一定の時間間隔あ
るいは指定された時間間隔で、画面上に表示することで
途中結果表示する。配置案調整手段は、ユーザがこの途
中結果表示を見て、必要ならば前記途中結果表示の実
行、及び遺伝的アルゴリズムの実行を一時的に停止さ
せ、前記画面上に表示させた配置の途中結果の一つある
いは複数の配置案を見て、機器または機器群の相対的な
位置関係の変更、あるいは配置に関する制約条件の変更
を行うと、当該変更された位置関係及び制約条件を反映
させ、再度、前記遺伝的アルゴリズムの実行を継続させ
る。
【0021】このように本発明は、機器群の物理的条件
及び論理的接続関係を反映させて、所定の配置空間上に
機器を最適配置する場合に、機器配置図作成の場面でユ
ーザが機器を配置する際に注目する箇所、すなわち配置
基準点上に機器を初期配置した後、少なくとも一つの所
定の評価基準を最適化する遺伝的アルゴリズムの実行に
よって新世代の解候補を求めていき、これによって逐次
改善される解候補集合のうちの最適解あるいは複数の準
最適解の配置案を見付けるが、途中世代の解候補につい
て人為的に配置や制約条件の変更を施し、修正してこれ
をもとに遺伝的アルゴリズムによる新世代の解候補を求
める処理を継続させるようにすることで、最適解が短時
間で得られるようにした。そのために、本発明によれ
ば、適応度の高い解候補の探索を可能にし、より短時間
で、より質の高い機器配置結果が得られるようになる機
器配置設計方法及び機器配置装置を提供することができ
る。
【0022】また、本発明にかかわる機器配置装置にお
いて、前記配置基準点の設定は、画面上に表示された操
作ボタンを、マウス等のポインティングデバイスの操作
によりクリックするなどして、行われることを特徴と
し、前記配置案調整手段における制約条件の変更は、制
約条件入力手段によって入力された入力データをもと
に、配置に関する制約条件を設定し直すことを特徴とす
る。
【0023】このような本発明においては、前記配置基
準点の設定は、画面上に表示された操作ボタンを、マウ
ス等のポインティングデバイスの操作によりクリックす
るなどして、配置基準点の増減が行われ、前記配置案調
整手段における制約条件の変更は、グラフィカル ユー
ザ インタフェース(GUI)機能を用いて制約条件入
力手段によって入力された入力データをもとに、少なく
とも一つの所定の評価基準を最適化する配置案を生成す
るための制約条件を設定し直すことができる。
【0024】また、配置基準点生成手段は、配置空間の
角部または配置空間の部分空間の角部を配置基準点とす
る第一の基準点生成手段と、前記第一の基準点生成手段
によって生成された配置基準点に基づいて設けられる基
準線の交点を配置基準点とする第二の基準点生成手段を
備える。
【0025】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施の形態例を詳細に説明する。
【0026】図1は、本発明の具体例にかかわる機器配
置装置の概略構成を示すブロック図であり、概略的に
は、機器群の物理的条件及び論理的接続関係入力部(制
約条件入力手段)1、配置空間入力部(配置空間入力手
段)2、制約条件入力部(制約条件入力手段)3、機器
群の物理的条件及び論理的接続関係データベース4、配
置空間ファイル5、制約条件ファイル6、配置基準点生
成部(配置基準点生成手段)7、機器配置処理部(機器
配置座標決定操作、機器配置手段)8、途中結果ファイ
ル9、保守経路入力部(制約条件入力手段)10、配置
案調整部(配置案調整手段)11とを備えて構成されて
いる。
【0027】これらのうち、機器群の物理的条件及び論
理的接続関係入力部1は機器群の物理的条件及び論理的
接続関係を入力するGUIであり、配置空間入力部2は
配置空間の形状や配置禁止エリアなどを入力するGUI
であり、制約条件入力部3は配置に関する制約条件の設
定や変更を行うGUIである。
【0028】機器群の物理的条件及び論理的接続関係デ
ータベース4は前記機器群の物理的条件及び論理的接続
関係入力部1から入力された機器群の物理的条件及び論
理的接続関係等の情報が収められたデータベースであ
り、配置空間ファイル5は前記配置空間入力部2から入
力された配置空間の形状や配置禁止エリアなどが収めら
れたファイルであり、制約条件ファイル6は前記制約条
件入力部3から入力された配置に関する制約条件が収め
られたファイルである。また、配置基準点生成部7は前
記配置空間ファイル5や保守経路入力部10から得られ
る情報を入力データとして配置基準点を自動生成するも
のであり、機器配置処理部8は前記機器群の物理的条件
及び論理的接続関係データベース4と前記配置空間ファ
イル5と前記制約条件ファイル6とから得られる情報を
入力データとして遺伝的アルゴリズムを用いて機器の配
置座標決定操作を行うとともに、機器配置結果を表示す
るためのものであり、途中結果ファイル9は前記機器配
置処理部8が求めた遺伝的アルゴリズムによる途中結果
(機器配置結果)を保存するファイルである。
【0029】配置案調整部11は、機器配置処理部8の
途中結果表示を参照しながらの必要に応じた遺伝的アル
ゴリズムの実行の一時停止指示をしたり、マウス等のポ
インティングデバイスを用いたオペレータの操作による
機器または機器群の相対的な位置関係の変更指示に基づ
き、当該指示にしたがった当該位置関係の変更をすると
いった処理をするものである。このとき、制約条件入力
部3から、配置に関する制約条件の変更をすることもで
きる。
【0030】本発明の機器配置装置では、このような機
器を支援するために、ビジュアルな操作を主体にした、
しかもマウス等のポインティングデバイスを用いた、画
面上の対象物への様々な操作をコンピュータ処理に反映
させるためのコンピュータ技術の一つであるグラフィカ
ルユーザインタフェース(GUI)の機能を活用してい
る。
【0031】前記変更が終了した後、配置案調整部11
は、機器配置処理部8に対して前記遺伝的アルゴリズム
の再開を促す信号を送る。前記信号を受け取ると、機器
配置処理部8は、途中結果ファイル9に保存されている
途中世代の情報をもとに、制約条件ファイル6に新しく
書き込まれた情報を反映させ、再度、前記遺伝的アルゴ
リズムの実行を継続する。
【0032】図1の機器配置装置の動作手順を図2のフ
ローチャートを用いて説明する。図2は、動作手順を大
きく4つのステップで表したフローチャートである。動
作手順は、入力ステップS100からはじまる。
【0033】[入力ステップS100の処理]入力ステ
ップS100では、まず始めに、機器の相対的な位置関
係や物理的条件、配置の対象とする配置空間(ドア、シ
ャフトなどを含む)、及び配置に関する制約条件など
を、それぞれ機器群の物理的条件及び論理的接続関係デ
ータベース4、配置空間ファイル5、制約条件ファイル
6から、機器配置処理部8へ入力する。なお、上述の、
機器の相対的な位置関係や物理的条件、配置の対象とす
る配置空間(ドア、シャフトなどを含む)、及び配置に
関する制約条件などは、予め機器群の物理的条件及び論
理的接続関係入力部1、配置空間入力部2、及び制約条
件入力部3から入力して、それぞれ機器群の物理的条件
及び論理的接続関係データベース4、配置空間ファイル
5、制約条件ファイル6に格納しておくものとする。
【0034】次に、メンテナンス通路を保守経路入力部
10から入力すると、機器配置図作成の場面でユーザが
機器を配置する際に注目する箇所、すなわち配置基準点
が配置基準点生成部7によって自動生成される。ここ
で、配置基準点の決定法について述べる。配置基準点の
基本となる、基本基準点は、“部屋の隅”や、“メンテ
ナンス通路のコーナ”などの配置空間の角部、あるい
は、配置空間の部分空間の角部とする。これらを基本基
準点とするのは、人間が機器を配置する際に真先に注目
する箇所がこれらの点であると考えられるからである。
配置の基本基準点の例を図3に示す。図において、Me
はメンテナンス通路、Kaは壁、Hは基本基準点であ
る。
【0035】次に、基本基準点から縦横に直線(以降、
「基準線」と呼ぶ)を引く。例えば、図4に示すような
基準線A,B,C,D,E,F,Gを求め、その交点の
うち配置可能な点を新たな配置基準点とする。
【0036】さらに、図5に示すように、各基準線A〜
Gで囲まれたエリア内で基準線分の中線を求め、その交
点のうち配置可能な点を同様に配置基準点として加え
る。例えば、図5中のA−Bは、AとBの中線である。
以降、ユーザの指示に応じて、同様の操作を繰り返し、
配置基準点の追加を行う。
【0037】各機器は、図6に示すように、機器そのも
のが占有する面積だけでなく、機器の周辺に保守管理の
ためのスペースが必要である。したがって、機器群の物
理的条件及び論理的接続関係の入力の際に、機器の保守
スペースも考慮する。Aは機器自身のエリア、A
保守エリアである。以上が入力ステップS100の処理
である。
【0038】[機器配置ステップS101の処理]次
に、機器配置ステップS101に移り、機器配置処理部
8に対して、入力ステップS100での入力データをも
とにして遺伝的アルゴリズムを起動させる(染色体の生
成S101−1,遺伝的アルゴリズムS101−2,途
中結果ファイルへ格納S101−3)。この起動により
機器配置処理部8は、この遺伝的アルゴリズムによる機
器の配置座標決定処理を進め、そして、ある一定世代ご
とに前記遺伝的アルゴリズムの個体集団(解候補集合)
の染色体等の情報、及び前記個体集団の中の最適解ある
いは複数の準最適解の配置案の座標等の情報を途中結果
ファイル9に格納する。
【0039】機器配置ステップS101では、機器の配
置位置を、配置基準点と、配置基準点からの機器の並べ
方として実現することによって演算の高速化を実現して
いる。ここで、機器の並べ方について述べる。
【0040】図6中の矢印は機器の向きを示す。機器は
配置基準点に配置されるが、保守管理が行い易い向きに
配置しなければならない。さらに、機器固有の保守エリ
アも考えて機器配置の補正を行う必要がある。
【0041】配置基準点へ機器を配置した後、その配置
を補正した例を図7に示す。図において、Hは配置基
準点である。配置基準点の探索にあたっては、機器ごと
に、配置可能な配置基準点及びその向きを予め求めて候
補リストを作成しておく。機器配置の探索では、候補リ
ストの配置基準点から選択することによって、その機器
にとって配置できない配置基準点をも探索するという無
駄が省ける。
【0042】また、すべての機器に対して配置基準点を
探索することは効率的でないし、同種の機器は並べて配
置されることによって保守管理が行い易く、美観も良好
となる。そこで、同種の機器についてはグループ化を行
い、そのグループ内の機器を、配置順序にしたがって並
べて配置する。まず、最初の機器は、配置基準点に配置
する。この配置基準点を「基点」と呼ぶ。続いて、残り
の機器は、並びと向きを考慮しながら、順次配置してい
く。つまり、グループ内の機器を、“配置順序”、“基
点配置位置”、“機器並び”及び“並び向き”を探索し
ながら配置していく。
【0043】“機器並び”は、図8に示す“横配置”、
“垂直配置”及び“平行配置”の3つを用意した。図8
では、基点に配置された機器に対して、順次、機器
,と配置する様子を示す。
【0044】例えば、機器について、並びの向きを変
える指定があったものとする。“横配置”では、機器
は機器,の右に配置されている。機器,を機器
の右側に並べるか、左側に並べるかは機器において
指定される。“垂直配置”では、機器の前側に配置す
る。なお、配置の保守性と見栄えを考え、機器は面合わ
せで配置する。“平行配置”では、基点に配置された機
器に対して、上下どちらかに配置する。上か、下かの
指定は機器においてなされる。また、これら3つの並
べ方に、途中の機器から新たな基点へ配置される場合を
加えた。
【0045】遺伝的アルゴリズムの実行によって、これ
ら4種のいずれかが決定される。ただし、配置の結果か
ら、“壁”、“メンテナンス通路”及び“既に配置され
た他の機器”との間に干渉が起こった場合には、配置指
定がない場合でも、“横配置”→“垂直配置”→“平行
配置”→“別配置基準点への配置”の順に配置を試みる
ことにした。
【0046】ここで、機器のグループ化とコーディング
について述べる。機器配置では、“見栄え”や“保守管
理の容易さ”を考えると、同種機器及び同接続先機器で
まとめた方が良い。そこで、配置順序を、図9に示す同
種機器グループ、及び同接続先機器グループによる階層
構造の染色体にコーディングする。
【0047】各配置機器は、左から順に配置を行うこと
にする。突然変異は、染色体の同種機器グループ層、若
しくは同接続先機器グループ層で枝入れ換えを行い、配
置順序を変更する。また、“機器の並べ方”について
は、図10に示すコーディング法を考案した。
【0048】染色体は、“基点配置位置”、“機器並び
(横、垂直、平行及び基点)”及び“並び向き(“横配
置時”の左右、“平行配置時”の下)”の情報を持つ。
“横配置”の並びの向きは、基点に配置された機器の持
つ遺伝子情報(並び向き染色体の遺伝子座情報)によっ
て決定される。
【0049】機器の並べ方染色体では、各遺伝子座には
一つの機器が対応付けられ、この対応関係は固定であ
る。図10の染色体情報にしたがって配置を行った例を
図11に示す。
【0050】図11の例では、染色体の5番目までの機
器配置を行っている。配置の先頭に機器があったとす
る。この機器は、配置基準点12へ配置され、並び向き
は右側である。この並び向きの指定は、基点に配置され
る機器が新たに出てくるまで変更されることはない。次
に、機器は横、機器は機器に対して垂直、機器
は機器の横に配置され、機器は別基点に配置され
る。仮に、機器を平行配置する場合は、基点に配置さ
れた機器の側に配置される。
【0051】ここで、染色体の評価について述べる。配
置に関する制約条件と染色体の評価項目の一例を図12
に示す。これら配置に関する制約条件を満たすことによ
って、機器を可能な限り小さな領域に保守がし易く見栄
え良く配置することができる。配置に関する制約条件を
満たし、染色体の評価項目を最適化するために、式
(1)の評価関数を考案した。
【0052】 H=A+B+αC+βD+γE (1) ここで、Hは評価値、Aは配置干渉の度合い、Bは相互
干渉の度合い、Cは経済性の度合い、Dは保守性の度合
い、Eは見栄えの度合い、αは経済性を調整するパラメ
ータ、βは保守性を調整するパラメータ、γは見栄えを
調整するパラメータを表す。
【0053】A,B,C,D及びEは、それぞれ式
(2)、式(3)、式(4)、式(5)及び式(6)か
ら求められる。
【0054】 A=1−(a/全機器数) (2) B=1−(b/全機器数) (3) C=1−c/(部屋の外周×全機器数) (4) D=1−(d/全機器数) (5) E=1−(e/全グループ数) (6) ここで、aは領域に入っていない機器数、bは保守領域
も含めて重なっている機器数、cは接続されている機器
中心間の直線距離の総和、dはメンテナンス通路に向い
ていない機器数、eは同接続先機器グループで“別基点
へ配置”が生じた数を表す。
【0055】本発明の進化/遺伝していく方法におい
て、染色体は、交差や突然変異を繰り返して遺伝してい
く過程で、式(1)の評価値Hの大小関係(評価値Hが
大きいものは増殖され、評価値Hが小さいものは淘汰さ
れる)によって進化していくことになる。なお、式
(1)の経済性を調整するパラメータαを大きくすると
機器間の距離を小さくするように働くので経済性が向上
し、式(1)の保守性を調整するパラメータβを大きく
するとメンテナンス通路への機器の向きを揃えるように
働くので保守性が向上し、式(1)の見栄えを調整する
パラメータγを大きくすると機器の向きを統一させるよ
うに働くので見栄えが向上する。
【0056】さらに、途中結果ファイル9の情報をもと
に、機器配置処理部8の途中世代(ある一定世代間隔)
の個体集団(解候補集合)の中の最適解あるいは複数の
準最適解の配置案を画面(配置画面)上に表示する。以
上が機器配置ステップS101の処理である。
【0057】[配置案調整ステップS102の処理]機
器配置ステップS101の処理が終わると、次に配置案
調整ステップS102(配置案及び制約条件変更S10
2−1、個体の染色体情報,制約条件を反映させるS1
02−2)の処理に移る。
【0058】ユーザは、ある一定世代間隔で配置画面上
に表示される当該新生世代の一つあるいは複数の配置案
を見て、ユーザ自身の判断で、配置画面の動き、及び機
器配置処理部8の遺伝的アルゴリズムの実行を、画面上
の操作ボタンを、マウス等のポインティングデバイスの
操作によりクリックするなどして、一時的に停止させる
ことができる。
【0059】停止した場合は、配置案調整部11の機能
を用いて、機器または機器群の相対的な位置関係を所要
の入力操作を経ることより変更する、あるいは制約条件
入力部3の機能を用いて、配置に関する制約条約を所要
の入力操作を経ることより変更する。配置画面の動き
や、遺伝的アルゴリズムの実行を停止しない場合、すな
わち画面上の操作ボタンを操作しない場合は、この配置
案調整ステップS102は処理されないで飛ばされる。
また、遺伝的アルゴリズムの実行を終了したい場合は、
図2における出力ステップS103の処理に進む。
【0060】配置に関する制約条件を変更する場合は、
制約条件入力部3の画面上の操作レバーを、マウス等の
ポインティングデバイスの操作によりスライドさせるな
どして、実施する。
【0061】さらに、機器配置処理部8の配置画面上で
は、マウス等のポインティングデバイスを用いて、機器
または機器群を指定して、マウス等のポインティングデ
バイスのドラッグ操作などにより、位置を移動したり、
回転させたりすることができるようなソフトウエア構成
としている。そして、機器または機器群の移動や回転に
応じて、染色体情報も自動的に変更されるようなソフト
ウエア構成としている。
【0062】機器配置処理部8の配置画面上では、機器
または機器群の相対的な位置関係の変更を行う。この変
更は、配置画面上の配置案ごとに、機器または機器群を
マウス等のポインティングデバイスを用いて移動する、
あるいは回転することによって行う。
【0063】前述したように、これらの情報は機器配置
処理部8の配置画面上に表示された配置の途中結果の一
つあるいは複数の配置案に対して一時的に行われるもの
である。
【0064】そして本発明では、前記配置画面の動き、
及び機器配置処理部8の遺伝的アルゴリズムの実行を、
一時的に停止すべく操作することができる。この場合、
過去に表示された配置の途中結果、あるいはその変更済
みの途中結果の画面表示に戻り、前記過去に表示された
配置の途中結果あるいはその変更済みの途中結果の一つ
あるいは複数の配置案を見て、機器または機器群の相対
的な位置関係、あるいは配置に関する制約条件をも変更
することができる。
【0065】すなわち、ユーザは一時停止するための操
作をして、前記配置画面の動き、及び機器配置処理部8
の遺伝的アルゴリズムの実行を、一時的に停止させる。
その後、過去に表示された配置の途中結果、あるいはそ
の変更済みの途中結果の画面表示に戻り、前記過去に表
示された配置の途中結果あるいはその変更済みの途中結
果の一つあるいは複数の配置案を見て、機器または機器
群の相対的な位置関係、あるいは配置に関する制約条件
をも変更することが可能である。これにより、制約条件
ファイル6には、変更された制約条件が書き込まれる。
【0066】さらに、配置案調整部11では、前述の書
き込まれた制約条件ファイル6、及び機器配置ステップ
S101において、途中結果ファイル9に格納された前
記遺伝的アルゴリズムの途中世代の個体集団の染色体等
の情報をもとに、前記遺伝的アルゴリズムの実行を再開
する。なお、過去の途中結果に戻って変更した場合は、
その過去の時点における世代から再開すること以外は上
記と同様である。ただし、一時停止を行わなかった場合
は、前記遺伝的アルゴリズムの実行がそのまま自動的に
継続される。
【0067】染色体に反映されたこれらの情報は、その
後の遺伝的アルゴリズムによる探索に影響を与え、ユー
ザによる前記配置に関する制約条件の変更を反映した、
ユーザにとって、より良い解候補群を探索することにな
る。
【0068】次に、上記のように変更された前記途中世
代の最適解あるいは複数の準最適解に対して、機器また
は機器群の相対的な位置関係の変更を反映させる処理が
行われる。以上が配置案調整ステップS102の処理で
ある。
【0069】配置案調整ステップS102の処理の後
は、再び、機器配置ステップS101(S101−2,
3,4)での処理に戻り、以降、配置案調整ステップS
102の処理が必要回数だけ繰り返される。
【0070】[出力ステップS103の処理]機器配置
ステップS101(S101−2,3,4)→配置案調
整ステップS102の処理が必要回数だけ繰り返された
段階で、あるいは配置案調整ステップS102において
操作ボタンを操作して終了した場合に、この出力ステッ
プS103に入る。配置案調整ステップS102におい
て操作ボタンを操作して終了する場合というのは、例え
ば、既に満足のいく配置案が得られている場合である。
ユーザは、配置画面上に表示される、一つあるいは複数
の配置案を見て、満足のいく配置案が得られている場合
は、配置画面の動きや機器配置処理部8の遺伝的アルゴ
リズムの実行を操作ボタンを操作して終了する。
【0071】この操作により、遺伝的アルゴリズムの実
行が終了すると、機器配置処理部8はその終了世代の最
適解のデータ(配置案の各機器の座標等のデータ)を出
力する。出力結果は、例えば、途中結果ファイル9に最
終配置結果ファイルとして格納するようにしても良い。
以上が出力ステップS103の処理である。
【0072】図13に、機器配置処理部8の機能画面を
示す。機能画面は、操作ボタン画面と、配置画面とから
なる。操作ボタン画面には、メンテナンス通路を設定す
るための操作ボタンである“保守経路”ボタンと、配置
基準点と染色体を生成するための操作ボタンである“初
期化”ボタンと、遺伝的アルゴリズムを実行するための
操作ボタンである“配置計算”ボタンと、実行及び途中
結果表示を一時停止するための操作ボタンである“中
断”ボタンと、制約条件入力部3の機能画面を呼び出す
ための操作ボタンである“評価設定”ボタンと、遺伝的
アルゴリズム及び途中結果表示を終了させるための操作
ボタンである“終了”ボタンと、途中世代の結果(機器
配置結果)を保存するための操作ボタンである“候補保
存”ボタンと、保存された途中世代の結果(機器配置結
果)を画面表示するための操作ボタンである“候補表
示”ボタンと、配置基準点の増減を行うための操作ボタ
ンである“配置基準点(“増”と、“減”)”ボタン
と、機器を回転させるための操作ボタンである“機器の
回転(“左”と、“右”)”ボタンと、マウス等のポイ
ンティングデバイスのドラッグ操作などにより移動/回
転させた機器または機器群をもとに戻すための操作ボタ
ンである“位置を戻す”ボタンと、最も良好な配置案を
一気に選択するための操作ボタンである“最上位”ボタ
ンと、最適解あるいは複数の準最適解の配置案を選択す
るための操作ボタンである“個体選択(“上位”と、
“下位”)”ボタンとが設けられている。これらは、マ
ウス等のポインティングデバイスのカーソルなどを所望
の操作ボタン上へ移動操作し、マウス等のポインティン
グデバイスの操作ボタンなどをクリックするといった操
作により押圧指示することができる。
【0073】そして、“保守経路”ボタンを押すと、メ
ンテナンス通路の入力待ち画面となり、マウス等のポイ
ンティングデバイスのドラッグ操作などによりメンテナ
ンス通路の対角線を指示すると、メンテナンス通路が設
定される。また、“初期化”ボタンを押すと、図5に示
す第一段階の配置基準点が生成されるとともに、配置順
序染色体と機器の並べ方染色体が生成される。ここで、
“配置基準点(“増”と、“減”)”ボタンのうち、
“増”ボタンを押すと配置基準点が追加され、“減”ボ
タンを押すと一段階手前の配置基準点の生成状態に戻さ
れる。“配置計算”ボタンを押すと、機器配置ステップ
S101の遺伝的アルゴリズムが起動され、このプログ
ラムの実行と、途中結果表示の処理とにより、ある一定
世代間隔で、配置画面上に途中世代の最適解の配置案が
表示される。さらに、“中断”ボタンを押すと遺伝的ア
ルゴリズムのプログラムの実行及び途中結果の表示が一
時的に停止される。この一時停止状態において、“候補
保存”ボタンを押し名前を指定すると途中世代の結果
(機器配置結果)が保存され、“候補表示”ボタンを押
し名前を指定すると保存された途中世代の結果(機器配
置結果)が配置画面上に表示され、“機器の回転
(“左”と、“右”)”ボタンを押すと機器が左あるい
は右に回転され、“位置を戻す”ボタンを押すと移動/
回転させた機器または機器群がもとに戻され、“個体選
択(“上位”と、“下位”)”ボタンを押すと最適解あ
るいは複数の準最適解の配置案が選択され、“最上位”
ボタンを押すと最も良好な配置案が一気に選択され、再
度、“配置計算”ボタンを押すと前記遺伝的アルゴリズ
ムのプログラムの実行及び途中結果の表示が再開されて
処理が継続される。また、“終了”ボタンを押すと、遺
伝的アルゴリズムの実行及び途中結果の表示が終了され
る。
【0074】“評価設定”ボタンを押すと、制約条件入
力部3の機能画面が呼び出され、配置に関する制約条件
を変更することができる。
【0075】これらの操作ボタンを使用して、例えば、
ある配置画面上に表示されている機器または機器群の相
対的な位置関係を変更したい場合は、マウス等のポイン
ティングデバイスのドラッグ操作などにより機器または
機器群を移動させる、あるいはマウス等のポインティン
グデバイスの操作ボタンなどをクリックし“機器の回転
(“左”と、“右”)”ボタンを押し回転させる、こと
による前述した方法で機器または機器群の相対的な位置
関係を変更する。変更後は、再度、“配置計算”ボタン
を押すことによって、再び、前記遺伝的アルゴリズムの
プログラムの実行が継続され、変更された機器または機
器群の相対的な位置関係をもとに、次の世代の処理へと
進み、最適解のデータ(配置案の各機器の座標等のデー
タ)を求めていくことになる。
【0076】また、例えば、ある配置画面上に表示され
ている解候補集合の情報を一時的に保存しておきたい場
合は、マウス等のポインティングデバイスの操作ボタン
などをクリックし“候補保存”ボタンを押し名前を指定
して保存する。一時的に保存された解候補集合の情報
は、“候補表示”ボタンを押し名前を指定すると配置画
面上に表示され、次期解候補集合作成のための情報とし
て利用することができる。この状態で、再度、“配置計
算”ボタンを押すことによって、再び、前記遺伝的アル
ゴリズムのプログラムの実行を継続させることができ
る。
【0077】すなわち、遺伝的アルゴリズムの実行を一
時停止させ、過去に既に表示された配置案を再び表示さ
せてその配置案について機器の配置位置や制約条件の変
更を人為的に行い、その変更された内容を反映させて当
該過去に既に表示された配置案から、再度、遺伝的アル
ゴリズムの実行を継続させることにより、過去に既に表
示された配置案に戻り、その配置案について機器の配置
位置や制約条件の変更を人為的に手直しして最適な配置
案が得られるようにする。このように、次々に得られる
複数の解の配置案のうち、評価が良好な解となる配置案
をもとにして新世代の配置案となる解を得て状況を観察
しながら、最適解により早く近付くことができる配置案
に戻って、これをさらに配置位置や制約条件の変更を人
為的に手直しし、これをもとに新世代の配置案となる解
を得ていくようにした。つまり、先祖の世代に配置案の
良好なものがあり、子世代、孫世代に移るにしたがい、
むしろ状況が良い方向に改善されないような場合でも、
先祖の世代の配置案に良好なものがあれば、それを手直
ししてそれをもとに新世代の配置案となる解が得られる
ことから、早く最適解あるいは準最適解となる配置案を
求めることができ、しかも良好な配置案が確実に取得で
きるようになる。
【0078】図14に、制約条件入力部3の機能画面を
示す。機能画面には、経済性を考慮する操作レバーであ
る“経済性”レバーと、保守性を考慮する操作レバーで
ある“保守性”レバーと、見栄えを考慮するための操作
レバーである“見栄え”レバーが設けられている。これ
らは、マウス等のポインティングデバイスのカーソルな
どを所望の操作レバー上へ移動操作し、マウス等のポイ
ンティングデバイスのドラッグ操作などにより指示する
ことができる。
【0079】そして、“経済性”レバーを操作すると、
機器間の距離を評価指標とする経済性が考慮され、“保
守性”レバーを操作すると、メンテナンス通路への機器
の向きを評価指標とする保守性が考慮され、“見栄え”
レバーを操作すると、機器の向きの統一性を評価指標と
する見栄えが考慮される。
【0080】これらの操作レバーを使用して、例えば、
ある配置画面上に表示されている機器または機器群の配
置に関する制約条件を変更したい場合は、“経済性”レ
バーをより経済性を重視する側へ操作すると、式(1)
の経済性を調整するパラメータαが大きくなるので機器
間の距離を小さくするように働き、“保守性”レバーを
より保守性を重視する側へ操作すると、式(1)の保守
性を調整するパラメータβが大きくなるのでメンテナン
ス通路への機器の向きを揃えるように働き、“見栄え”
レバーをより見栄えを重視する側へ操作すると、式
(1)の見栄えを調整するパラメータγが大きくなるの
で機器の向きを統一させるように働くことになる。
【0081】[具体的な使用例]次に、本発明の機器配
置設計方法及び機器配置装置の具体的な使用例を図15
及び図16に示す。
【0082】配置空間を入力した後で、メンテナンス通
路を入力し、獲得された配置可能な配置基準点と向きを
図15に示す。機器の並べ方染色体の染色体情報、及び
進化/遺伝していく方法について述べる。個体数は32
とした。各世代における増殖及び淘汰は、全個体数の2
5%を対象とした。交差は、任意の場所及び個所で行う
こととした。突然変異は、各遺伝子座に対して確率10
%で、任意の場所及び個所で行うこととした。配置順序
染色体については、突然変異は各層の枝入れ替えに対し
て確率10%で、任意の場所及び個所で行うこととし
た。
【0083】100世代後の機器配置を図16に示す。
図16に示す使用例では、遺伝的アルゴリズムのプログ
ラムの実行及び途中結果の表示を一時的に停止し、この
一時停止状態において、最適解の配置案を選択し、機器
または機器群の相対的な位置関係を変更して、再度、遺
伝的アルゴリズムのプログラムの実行及び途中結果の表
示が再開されて処理が継続されている様子を示してい
る。
【0084】この使用例は、前記の例を簡略化して実現
したものであり、シャフト位置が考慮されていないし、
機器類の名称の表示もない。
【0085】このように簡略化されてはいるが、本具体
例の本質的な動作は実現されている。図16の結果は、
配置干渉や相互干渉がなく、機器間の距離、メンテナン
ス通路への機器の向き、機器の向きの統一性などが考慮
されているので、ほぼ良好な配置を示している。
【0086】以上で述べてきたように、本発明の機器配
置設計方法及び機器配置装置の具体例では、機器配置図
作成の場面でユーザが機器を配置する際に注目する箇
所、すなわち配置基準点をユーザの判断やあらかじめ設
定される条件を基にして定め、システムが機器の配置位
置を配置基準点と、配置基準点からの機器の並べ方とし
て表現することによって機器を初期配置した後、遺伝的
アルゴリズムの実行による機器配置過程において、一つ
あるいは複数の配置案(途中世代の配置案)を、ユーザ
が画面上で実際に目で確かめながら、ユーザの経験的知
識や判断能力に応じて、遺伝的アルゴリズムの実行、及
び途中結果の表示を止めて、配置の一部を修正したり、
部分的に良い配置を保持したり、あるいは配置に関する
制約条件の設定を変更して、再度、遺伝的アルゴリズム
の実行を継続する。
【0087】したがって、機器を初期配置する際にユー
ザの経験的知識や判断能力が活かせるので、「初期配置
の組み合わせの数が膨大になり、それに伴って評価値の
計算時間も膨大になる」という問題を解決することがで
きる。また、遺伝的アルゴリズムによる配置の実行過程
においてユーザの介入が可能となり、さらにそのユーザ
の介入の内容はその後の遺伝的アルゴリズムの実行に徐
々に反映(進化/遺伝)されていくので、ユーザの満足
度のより高い機器配置結果が効率良く求められる。
【0088】本発明にかかわる制約条件入力手段によれ
ば、画面上でマウス等のポインティングデバイスを用い
て、少なくとも一つの所定の評価基準を最適化する配置
案を生成するための制約条件を入力することができ、配
置に関する制約条件の設定を容易に変更することができ
る。したがって、配置案を生成する際にユーザの経験的
知識や判断能力が活かせるので、「機器の方向修正を繰
り返す際に、少なくとも一つの所定の評価基準を最適化
することが考慮されないので、機器配置結果の質が低
い」という問題を解決することができる。
【0089】ここで、本実施形態例で用いたフローチャ
ートに示される実施形態例に関する動作は一例であり、
適宜、修正することができる。
【0090】さらに、本発明は、上述した具体例に限定
されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で、種
々変形して実施することができる。例えば、配置に関す
る制約条件として、配置基準点の決定法の変更、あるい
は配置案を評価するための式(2)の配置干渉の度合い
Aや式(3)の相互干渉の度合いBや式(4)の経済性
の度合いCや式(5)の保守性の度合いDや式(6)の
見栄えの度合いEの変更を行うこともできる。
【0091】以上、本発明について種々説明したが、要
するに本発明は、機器群の物理的条件、機器群の論理的
接続関係、及び配置に関する制約条件を与えると、これ
らの機器の相対的な位置関係や、配置に関する制約条件
を入力データとして機器配置手段により機器の配置座標
を決定し、このとき、機器配置手段としては前記入力デ
ータをもとに、機器配置図作成の場面でユーザが機器を
配置する際に注目する箇所、すなわち配置基準点上に機
器を初期配置した後、少なくとも一つの所定の評価基準
を最適化する機器配置座標決定操作を施す遺伝的アルゴ
リズムを用いて機器配置座標決定操作を施すことによ
り、前記機器群のとり得る配置座標を種々決定し、これ
を解候補の配置案として得るとともに、前記遺伝的アル
ゴリズムによって逐次改善される新世代の解候補集合の
うちの最適解あるいは複数の準最適解の配置案を、一定
の時間間隔あるいは指定された時間間隔で画面上に表示
することで途中結果表示するようにし、配置案調整手段
にて、ユーザはこの途中結果表示を見て、ユーザの経験
的知識や判断能力に応じて、前記途中結果表示の実行、
及び遺伝的アルゴリズムの実行を一時的に停止させ、前
記画面上に表示された配置の途中結果の一つあるいは複
数の配置案を参照して、機器または機器群の相対的な位
置関係あるいは配置に関する制約条件を変更あるいは確
定し、この変更あるいは確定がなされると、当該変更あ
るいは確定された機器または機器群の相対的な位置関係
及び配置に関する制約条件を反映させ、再度、前記遺伝
的アルゴリズムの実行を継続させるようにしたシステム
である。
【0092】機器配置手段では、過去に表示した配置の
途中結果あるいはその変更済みの途中結果の画面を再表
示することができるようにしてあり、配置案調整手段に
より、前記遺伝的アルゴリズムによる機器配置の実行の
一時的な停止の後、前記過去に表示された配置の途中結
果あるいはその変更済みの途中結果の画面表示に戻り、
前記過去に表示された配置の途中結果あるいはその変更
済みの途中結果に一つあるいは複数の配置案を見て、機
器の配置案や制約条件の手直しによる変更を加えること
ができるようにしたこと、そして、この変更を加える
と、前記過去の時点から、前記変更内容を反映させ、再
度、前記遺伝的アルゴリズムの実行を継続させることが
できるようにしたことにより、次々に得られる複数の解
の配置案のうち、より早く最適解に近付くことができる
配置案に戻って、配置の位置関係や配置に関する制約条
件の変更を人為的に手直しし、これをもとに新世代の配
置案となる解が得られるようになり、短時間でしかも、
確実に最適解あるいは複数の準最適解の配置案が得られ
るようになるものである。
【0093】また、本発明においては、配置に関する制
約条件の変更は、GUI機能を用いて制約条件入力手段
によって入力された入力データをもとに、配置に関する
制約条件を設定し直すことができるようにしてあり、機
器の配置に関する制約条件の入力操作はマウス等のポイ
ンティングデバイスによる画面上の簡単な操作で済むの
で、操作性が向上する。
【0094】以上、種々の例を説明したが、本発明はこ
れらの例に限定されるものではなく、種々変形して応用
することができる。また、発明の実施の形態に記載した
本発明の手法は、磁気ディスク(フロッピー(登録商
標)ディスク、ハードディスクなど)、光ディスク(C
D−ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記録媒
体に格納して頒布することもできる。
【0095】
【発明の効果】本発明によれば、次のような効果が得ら
れる。本発明にかかわる機器配置設計方法及び機器配置
装置によれば、機器配置図作成の場面でユーザが機器を
配置する際に注目する箇所、すなわち配置基準点を定
め、機器の配置位置を配置基準点と、配置基準点からの
機器の並べ方として表現することによって機器を初期配
置した後、遺伝的アルゴリズムによる配置の実行過程に
おいて、一つあるいは複数の配置案を、ユーザが画面上
で実際に目で確かめながら、ユーザの経験的知識や判断
能力に応じて、遺伝的アルゴリズムの実行、及び途中結
果の表示を止めて、配置の一部を修正したり、部分的に
良い配置を保持したり、あるいは配置に関する制約条件
の設定を変更して、再度、遺伝的アルゴリズムの実行を
継続する。
【0096】したがって、機器を初期配置する際にユー
ザの経験的知識や判断能力が活かせるので、「初期配置
の組み合わせの数が膨大になり、それに伴って評価値の
計算時間も膨大になる」という問題を解決することがで
きる。また、遺伝的アルゴリズムによる配置の実行過程
においてユーザの介入が可能となり、さらにそのユーザ
の介入の内容はその後の遺伝的アルゴリズムの実行に徐
々に反映されていくので、ユーザの満足度のより高い機
器配置結果が効率良く求められる。
【0097】本発明にかかわる制約条件入力手段によれ
ば、画面上でマウス等のポインティングデバイスを用い
て、少なくとも一つの所定の評価基準を最適化する配置
案を生成するための制約条件を入力することができ、配
置に関する制約条件の設定を容易に変更することができ
る。したがって、配置案を生成する際にユーザの経験的
知識や判断能力が活かせるので、「機器の方向修正を繰
り返す際に、少なくとも一つの所定の評価基準を最適化
することが考慮されないので、機器配置結果の質が低
い」という問題を解決することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態例に係る機器配置装置の概略
構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態例に係る機器配置装置の動作
手順を示すフローチャートである。
【図3】本発明の実施形態例に係る基本基準点を示す説
明図である。
【図4】本発明の実施形態例に係る基準線を示す説明図
である。
【図5】本発明の実施形態例に係る追加配置基準点を示
す説明図である。
【図6】本発明の実施形態例に係る機器の保守エリアを
示す説明図である。
【図7】本発明の実施形態例に係る配置位置の修正を示
す説明図である。
【図8】本発明の実施形態例に係る機器の並びを示す説
明図である。
【図9】本発明の実施形態例に係る配置順序染色体を示
す説明図である。
【図10】本発明の実施形態例に係る機器の並べ方染色
体を示す説明図である。
【図11】本発明の実施形態例に係る染色体情報からの
配置例を示す説明図である。
【図12】本発明の実施形態例に係る配置に関する制約
条件と染色体の評価項目の一例を示す説明図である。
【図13】本発明の実施形態例に係る機器配置処理部の
機能画面例を示す説明図である。
【図14】本発明の実施形態例に係る制約条件入力部の
機能画面例を示す説明図である。
【図15】本発明の使用例に係る獲得した配置基準点を
示す説明図である。
【図16】本発明の使用例に係る配置結果を示す説明図
である。
【符号の説明】
1 機器群の物理的条件及び論理的接続関係入力部 2 配置空間入力部 3 制約条件入力部 4 機器群の物理的条件及び論理的接続関係データベー
ス 5 配置空間ファイル 6 制約条件ファイル 7 配置基準点生成部 8 機器配置処理部 9 途中結果ファイル 10 保守経路入力部 11 配置案調整部
フロントページの続き (72)発明者 井上 武士 愛知県名古屋市千種区不老町(番地なし) 名古屋大学大学院工学研究科内 (72)発明者 古橋 武 愛知県名古屋市千種区不老町(番地なし) 名古屋大学大学院工学研究科内 Fターム(参考) 5B046 DA02 FA02 FA07 GA01 HA05

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 機器または機器群を所定の配置空間上に
    最適配置する機器配置装置であって、 機器配置空間を入力する配置空間入力手段と、機器配置
    に関する制約条件を入力する制約条件入力手段と、 機器配置の候補となる配置基準点を前記機器配置空間上
    に生成する配置基準点生成手段と、 前記制約条件入力手段によって入力された機器配置に関
    する制約条件および前記配置基準点生成手段によって生
    成された配置基準点に基づいて所定の評価基準を最適化
    するように前記機器または機器群の配置座標を決定して
    配置案を生成する機器配置手段とを具備することを特徴
    とする機器配置装置。
  2. 【請求項2】 前記機器配置手段によって逐次生成され
    た配置案のうち所定の良好な配置案に対して機器配置に
    関する制約条件を変更し、前記機器または機器群の配置
    座標決定操作を継続実行する配置案調整手段を具備する
    ことを特徴とする請求項1に記載の機器配置装置。
  3. 【請求項3】 前記配置基準点生成手段は、配置空間の
    角部または配置空間の部分空間の角部を配置基準点とす
    る第一の基準点生成手段と、前記第一の基準点生成手段
    によって生成された配置基準点に基づいて設けられる基
    準線の交点を配置基準点とする第二の基準点生成手段を
    備えることを特徴とする請求項1または2に記載の機器
    配置装置。
  4. 【請求項4】 前記機器配置手段は、機器配置の経済
    性、保守性、見栄えのうち少なくとも1つの評価基準を
    最適化させるように配置案を生成することを特徴とする
    請求項1、2または3に記載の機器配置装置。
  5. 【請求項5】 機器または機器群を所定の配置空間上に
    最適配置する機器配置設計方法であって、 機器配置空間を入力する配置空間入力ステップと、機器
    配置に関する制約条件を入力する制約条件入力ステップ
    と、 機器配置の候補となる配置基準点を前記機器配置空間上
    に生成する配置基準点生成ステップと、 前記制約条件入力ステップによって入力された機器配置
    に関する制約条件および前記配置基準点生成ステップに
    よって生成された配置基準点に基づいて所定の評価基準
    を最適化するように前記機器または機器群の配置座標を
    決定して配置案を生成する機器配置ステップとを具備す
    ることを特徴とする機器配置設計方法。
  6. 【請求項6】 前記機器配置ステップによって逐次生成
    された配置案のうち所定の良好な配置案に対して機器配
    置に関する制約条件を変更し、前記機器または機器群の
    配置座標決定操作を継続実行する配置案調整ステップを
    具備することを特徴とする請求項5に記載の機器配置設
    計方法。
  7. 【請求項7】 前記配置基準点生成ステップは、配置空
    間の角部または配置空間の部分空間の角部を配置基準点
    とする第一の基準点生成ステップと、前記第一の基準点
    生成ステップによって生成された配置基準点に基づいて
    設けられる基準線の交点を配置基準点とする第二の基準
    点生成ステップを備えることを特徴とする請求項5また
    は6に記載の機器配置設計方法。
  8. 【請求項8】 前記機器配置ステップは、機器配置の経
    済性、保守性、見栄えのうち少なくとも1つの評価基準
    を最適化させるように配置案を生成することを特徴とす
    る請求項5、6または7に記載の機器配置設計方法。
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