JP2002091165A - 画像形成装置及びカラー画像形成装置 - Google Patents

画像形成装置及びカラー画像形成装置

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JP2002091165A
JP2002091165A JP2000283449A JP2000283449A JP2002091165A JP 2002091165 A JP2002091165 A JP 2002091165A JP 2000283449 A JP2000283449 A JP 2000283449A JP 2000283449 A JP2000283449 A JP 2000283449A JP 2002091165 A JP2002091165 A JP 2002091165A
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dark
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English (en)
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Satoru Haneda
哲 羽根田
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Konica Minolta Inc
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Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 濃、淡トナーを用いて色再現範囲を拡大し、
画質の鮮鋭性を高めた画像形成装置を提供する。 【解決手段】 高濃度の潜像部分に主として付着する濃
トナーの帯電量QH,重量平均粒径φHと、低濃度の潜像
部分に主として付着する淡トナーの帯電量QL,重量平
均粒径φLとは、 QH≒QL,φH≒φL とし、夫々に差異のある場合も25%以内の関係とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法により
トナーを用いて画像形成を行う画像形成装置に係わり、
特に同色について淡色のトナーと濃色のトナーとの2種
類のトナーを用いて現像し、画像形成を行う画像形成装
置及びカラー画像形成装置に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法を用いた画像形成装置にあっ
ては、帯電手段によって像形成体上に一様帯電がなされ
たのち像露光がなされて潜像が形成される。潜像部分は
続く現像手段によって反転現像が行われ、トナー像が形
成される。デジタル方式の画像形成装置にあっては、像
露光は例えばパルス幅変調されたドットによって像露光
が行われ、ドット部分にトナーが付着する反転現像が行
われる。ドット部分に付着するトナー量は、像形成体上
のドット部分の面積や電位の状態とこれに対しての現像
バイアスやトナーの有する電荷の状態等によって定ま
る。
【0003】像形成体上に像露光手段によって記録され
る高濃度の画像部分は面積当たりのドット数も多く、1
ドットの大きさも大きく電位の低下も大きい。一方、低
濃度の画像部分は面積当たりのドット数も少なく1ドッ
トの大きさも小さく電位の低下も小さい。このことによ
って現像後は像形成体上の高濃度の画像部分にはトナー
付着量は多く、低濃度の画像部分にはトナー付着量は少
ない。記録画像の濃淡の差異は、像形成体上に現像によ
って付着する面積当たりのトナーの付着量の多少によっ
て表現されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、一種類のトナ
ーによっては、良好な階調性をもった画像形成を行うこ
とは困難である。特にハイライト部(低濃度部)ではド
ットが小さいことから面積当たり極少量のトナーの付着
は不安定であり、画像のムラが生じ易く、かつ安定した
階調性を求めることは困難である。高濃度部ではトナー
は過剰なトナーの付着状態にあって画像濃度は飽和し易
く、広い領域での階調性が出ない。また、単に濃、淡ト
ナーを併用したとしても中間濃度が不連続となったり、
不安定になったりする。
【0005】本発明は、モノクロやカラーの画像形成装
置に適用するものであり、同色の淡色と濃色の2種類の
トナー(例えば、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエ
ロー(Y)、黒色(K)の何れか)を用いて現像を行う
画像形成装置であって、本発明は淡トナー像と濃トナー
像とがずれて形成されることがなく滑らかな階調性がで
るように、1つの像露光に対して濃トナーによる反転現
像と淡トナーによる反転現像とを行い、濃、淡トナーを
用いての画像形成を行う画像形成装置であって、 本発明の第1の目的は、濃、淡トナーを用いたモノク
ロの画像形成装置について、階調性が維持されて、安定
して良好な画像が得られる濃、淡トナーの特性関係を規
定した画像形成装置を提供することにある。
【0006】本発明の第2の目的は、Y,M,C,K
4色の濃、淡カラートナーを用いたカラー画像形成装置
について、色再現性が保持されて、階調性が維持されて
安定して良好なカラー画像が得られる濃、淡カラートナ
ーの特性関係を規定したカラー画像形成装置を提供する
ことにある。
【0007】本発明の第3の目的は、Y,M,C,K
4色の濃、淡カラートナーに加えて透明トナーと白色ト
ナーとを加え、更に高画質の画像が得られるカラー画像
形成装置について、良好なカラー画像が得られる濃、淡
カラートナー、透明トナー、白色トナーの特性関係を規
定したカラー画像形成装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の第1の目的は、
像形成体上に帯電、像露光を行って形成した潜像を、濃
トナーを用いての現像と淡トナーを用いての現像とを繰
り返し、トナー像を形成する画像形成装置において、各
濃、淡トナーの平均帯電量差は25%以内であることを
特徴とする画像形成装置(請求項1の発明)及び、像形
成体上に帯電、像露光を行って形成した潜像を、濃トナ
ーを用いての現像と淡トナーを用いての現像とを繰り返
し、トナー像を形成する画像形成装置において、各濃、
淡トナーの重量平均粒径のトナー粒径差は25%以内で
あることを特徴とする画像形成装置(請求項2の発明)
及び、像形成体上に帯電、像露光を行って形成した潜像
を、濃トナーを用いての現像と淡トナーを用いての現像
とを繰り返し、トナー像を形成する画像形成装置におい
て、各濃、淡トナーの同一の電位コントラストにおける
潜像部分に付着するトナーの付着量差は25%以内であ
ることを特徴とする画像形成装置(請求項3の発明)に
よって達成される。
【0009】本発明の第2の目的は、複数の像形成体の
各々に対し濃、淡トナーによる現像を繰り返して行い、
形成された複数のトナー像を転写材上に重ねて転写する
カラー画像形成装置において、各複数のカラートナー間
での平均帯電量差は何れも25%以内であることを特徴
とするカラー画像形成装置(請求項5の発明)及び、複
数の像形成体の各々に対し濃、淡トナーによる現像を繰
り返して行い、形成された複数のトナー像を転写材上に
重ねて転写するカラー画像形成装置において、各複数の
カラートナーの重量平均粒径のトナー粒径差は何れも2
5%以内であることを特徴とするカラー画像形成装置
(請求項6の発明)及び、複数の像形成体の各々に対し
濃、淡トナーによる現像を繰り返して行い、形成された
複数のトナー像を転写材上に重ねて転写するカラー画像
形成装置において、各複数のカラートナー間での平均帯
電量差は25%以内で、カラートナーの重量平均粒径の
トナー粒径差は何れも25%以内であることを特徴とす
るカラー画像形成装置(請求項7の発明)によって達成
される。
【0010】本発明の第3の目的は、複数の像形成体の
各々に対し、各色毎に濃、淡トナーによる現像を繰り返
して行い、透明トナーと白色トナーとによる現像を繰り
返して行い、形成されたトナー像を転写材上に重ねて形
成するカラー画像形成装置において、各カラートナー、
透明トナー、白色カラー間での平均帯電量差は何れも2
5%以内であることを特徴とするカラー画像形成装置
(請求項8の発明)及び、複数の像形成体の各々に対
し、各色毎に濃、淡トナーによる現像を繰り返して行
い、透明トナーと白色トナーとによる現像を繰り返して
行い、形成されたトナー像を転写材上に重ねて形成する
カラー画像形成装置において、各カラートナー、透明ト
ナー、白色カラーの重量平均粒径の粒径差は何れも25
%以内であることを特徴とするカラー画像形成装置(請
求項9の発明)及び、複数の像形成体の各々に対し、各
色毎に濃、淡トナーによる現像を繰り返して行い、透明
トナーと白色トナーとによる現像を繰り返して行い、形
成されたトナー像を転写材上に重ねて形成するカラー画
像形成装置において、各カラートナー、透明トナー、白
色カラー間での平均帯電量差は何れも25%以内で、重
量平均粒径のトナー粒径差は何れも25%以内であるこ
とを特徴とするカラー画像形成装置(請求項10の発
明)によって達成される。
【0011】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成装置は、何れも
画像データに基づく像露光によって像形成体上に潜像を
形成し、形成された潜像に対し同一色相について濃トナ
ーを収容した現像器(H)と、淡トナーを収容した現像
器(L)とによって現像を行い、同一色相について濃、
淡トナーを用いた現像を行うことによって、再現領域を
広め、階調性に優れた画像形成がなされる画像形成装置
である。モノクロ画像形成装置は、カラー画像形成装置
の1色のみについて濃、淡トナーを用いての画像形成を
行う構成であることから、ここでは濃、淡トナーを用い
てカラー画像を形成する好ましい小型形状のカラー画像
形成装置の構成から説明する。
【0012】(1)本実施形態は図1及び図2の断面構
成図に示すように、像形成体上で帯電、像露光と濃、淡
トナーを用いての現像の繰り返しにより濃、淡トナー像
を重ね合わせて画像形成する画像形成装置であって、特
にタンデム方式によりY、M、C、K各色についての
濃、淡トナー像を重ねてカラー画像形成を行うカラー画
像形成装置で、小型形状であることを特徴としている。
【0013】図1に示すカラー画像形成装置は中間転写
体を用いたタンデム方式のカラー画像形成装置であっ
て、中間転写体である転写ベルト14aの周縁部にはイ
エロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒
(K)から成る4組のプロセスユニット100が設けら
れていて、各プロセスユニット100では濃、淡トナー
を用いてのY,M,C,Kのトナー像が形成され、トナ
ー像は転写ベルト14aの上で重ね合わせて転写され、
転写されたカラートナー像は転写材である記録紙上に一
括転写され、定着されて機外に排出される構成となって
いる。
【0014】4組のプロセスユニット100は何れも共
通した構造となっているので、その1組について説明す
る。像形成体である感光体ドラム10は、円筒状の基体
の外周に、導電層及び有機感光層(OPC)の光導電体
層を形成したものである。
【0015】感光体ドラム10は、図示しない駆動源か
らの動力により、或いは転写ベルト14aに従動し、導
電層を接地された状態で矢印で示す反時計方向に回転さ
れる。
【0016】11は帯電手段としてのスコロトロン帯電
器で、感光体ドラム10の移動方向に対して直交する方
向に感光体ドラム10と対峙し近接して取り付けられ、
トナーと同極性のコロナ放電によって、感光体ドラム1
0に対し一様な電位を与える。
【0017】12は画像データに基づいて像露光を行う
露光光学系で、例えばポリゴンミラー等によって感光体
ドラム10の回転軸と平行に走査を行う走査光学系であ
る。一様帯電された感光体ドラム10上に露光光学系1
2によって像露光を行うことによって潜像が形成され
る。
【0018】13は現像器で、感光体ドラム10の回転
方向上流側に濃トナーを収容した現像器13(H)が、
その下流側に淡トナーを収容した現像器13(L)が配
置されている。現像器13(H)には現像スリーブ13
1(H)を備えていて、回転する現像スリーブ131
(H)上に保持された濃トナーは感光体ドラム10の対
向部に搬送される。現像スリーブ131(H)にはトナ
ーと同極性の現像バイアス電位VHが印加され、接触又
は非接触状態で、好ましくは接触状態で潜像に対して濃
トナーによる反転現像が行われる。同様に現像器13
(L)の現像スリーブ131(L)にもトナーと同極性
の現像バイアス電位VLが印加され、濃トナーによるト
ナー像の上に淡トナーによる反転現像が行われる。ソフ
トな接触現像でも可能であるが、先のトナー像の破壊や
混色を防ぐ上から非接触現像であることが望ましい。こ
こで印加する現像バイアスには交流成分をも重畳し非接
触現像を行うことが好ましい。ここで印加される現像バ
イアス電位VHは現像バイアス電位VLと同極性であっ
て、|(1/2)V0|<|VH|<|VL|<|V0|の
関係に設定されている。このトナー像は転写位置におい
て後に説明する転写ベルト14a上に転写がなされる。
転写を終えてドラム上に残留した転写残トナーは、静電
的に回収を行うクリーニング装置19によって清掃が行
われる。
【0019】Y,M,C,K4色のプロセスユニット1
00が並列して対向する転写ベルト14aは体積抵抗率
1010〜1015Ω・cm、表面抵抗率1010〜1015Ω
/□の無端ベルトであり、例えば変性ポリイミド、熱硬
化ポリイミド、エチレンテトラフルオロエチレン共重合
体、ポリフッ化ビニリデン、ナイロンアロイ等のエンジ
ニアリングプラスチックに導電材料を分散した、厚さ
0.1〜1.0mmの半導電性フィルム基体の外側に、
好ましくはトナーフィルミング防止層として厚さ5〜5
0μmのフッ素コーティングを行った、2層構成のシー
ムレスベルトである。転写ベルト14aの基体として
は、この他に、シリコンゴム或いはウレタンゴム等に導
電材料を分散した厚さ0.5〜2.0mmの半導電性ゴ
ムベルトを使用することもできる。転写ベルト14a
は、駆動ローラ14d、従動ローラ14e、テンション
ローラ14k及びバックアップローラ14jに外接して
張架され、画像形成時には、不図示の駆動モータよりの
駆動をうけて駆動ローラ14dが回転され、各色毎の転
写位置では1次転写器14cにより感光体ドラム10に
転写ベルト14aが押圧され、転写ベルト14aが図の
矢印で示す方向に回転される。
【0020】各色毎の転写手段である転写ローラからな
る1次転写器14cは、転写ベルト14aを挟んで各色
毎の感光体ドラム10に対向して設けられ、転写ベルト
14aと各色毎の感光体ドラム10との間に各色毎の転
写域(符号なし)を形成する。各色毎の1次転写器14
cにはトナーと反対極性(本実施形態においてはプラス
極性)の直流電圧を印加し、転写域に転写電界を形成す
ることにより、各色毎の感光体ドラム10上のトナー像
を転写ベルト14a上に転写する。
【0021】各色毎の除電手段である除電器14nは、
好ましくはコロナ放電器により構成され、1次転写器1
4cにより帯電された転写ベルト14aを除電する。
【0022】画像記録のスタートにより不図示の感光体
駆動モータの始動により黒(K)のプロセスユニット1
00の感光体ドラム10が図の矢印で示す方向へ回転さ
れ、同時にKのスコロトロン帯電器11の帯電作用によ
りKの感光体ドラム10に電位の付与が開始される。
【0023】Kの感光体ドラム10は電位を付与された
あと、Kの露光光学系12によって第1の色信号すなわ
ちKの画像データに対応する電気信号による画像書込が
開始され、Kの感光体ドラム10の表面に原稿画像のK
の画像に対応する静電潜像が形成される。
【0024】前記のKの潜像はKの濃トナー用の現像器
13(H)により非接触状態で反転現像がなされKの感
光体ドラム10の回転に応じKの濃トナーによるトナー
像が形成される。続いて淡トナー用の現像器13(L)
によってKの淡トナーによるトナー像が先に形成された
Kの濃トナーによるトナー像の上に重ねて形成される。
【0025】上記の画像形成プロセスによって像形成体
であるKの感光体ドラム10上に形成された濃、淡トナ
ーからなるKのトナー像が、Kの転写域(符号なし)に
おいて、第1の転写手段であるKの1次転写器14cに
よって、転写ベルト14a上に転写される。
【0026】次いで転写ベルト14aは、Cのトナー像
と同期が取られ、シアン(C)のプロセスユニット10
0によりCの感光体ドラム10上に形成された第2の色
信号によるCの画像データに対応するCの濃、淡トナー
からなるトナー像が、Cの転写域(符号なし)におい
て、第1の転写手段であるCの1次転写器14cによっ
て、前記のKの濃、淡トナーからなるトナー像の上から
Cの濃、淡トナーからなるトナー像が重ね合わせて形成
される。
【0027】同様のプロセスにより、K、Cの重ね合わ
せトナー像と同期が取られ、マゼンタ(M)のプロセス
ユニット100によりMの感光体ドラム10上に形成さ
れた、第3の色信号によるMの画像データに対応するM
の濃、淡トナーからなるトナー像が、Mの転写域(符号
なし)において、第1の転写手段であるMの1次転写器
14cによって、前記のK、Cのトナー像の上からMの
濃、淡トナーからなるトナー像が重ね合わせて形成さ
れ、更にK、C、Mの重ね合わせトナー像と同期が取ら
れ、イエロー(Y)のプロセスユニット100によりY
の感光体ドラム10上に形成された、第4の色信号によ
るYの画像データに対応するYの濃、淡トナーからなる
トナー像が、Yの転写域(符号なし)において、第1の
転写手段であるYの1次転写器14cによって、前記の
K、C、Mのトナー像の上からYの濃、淡トナーからな
るトナー像が重ね合わせて形成され、転写ベルト14a
上にK、C、M及びYの重ね合わせカラートナー像が形
成される。
【0028】転写後の各色毎の感光体ドラム10の周面
上に残った転写残トナーは、各色毎の像形成体のクリー
ニング手段であるクリーニング装置19によりクリーニ
ングされる。
【0029】転写ベルト14a上の重ね合わせたカラー
トナー像形成と同期して転写材収納手段である給紙カセ
ット15から、転写材給送手段としてのタイミングロー
ラ16を経て記録紙Pが第2の転写手段である2次転写
器14gの転写域(符号なし)へと搬送され、トナーと
反対極性の直流電圧が印加される2次転写器14gによ
り、転写ベルト14a上の重ね合わせカラートナー像が
記録紙P上に一括して転写される。
【0030】カラートナー像が転写された記録紙Pは、
鋸歯状電極板から成る分離手段である除電電極16bに
より除電され、定着装置17へと搬送され、定着ローラ
17aと圧着ローラ17bとの間で熱と圧力とを加えら
れることにより記録紙P上のトナー像が定着された後、
装置外部のトレイへ排出される。
【0031】転写後の転写ベルト14aの周面上に残っ
た転写残トナーは、転写ベルト14aを挟んで従動ロー
ラ14eに対向して設けられる転写ベルトのクリーニン
グ手段であるクリーニング装置19aによりクリーニン
グされる。
【0032】本実施の形態においては、後に詳しく説明
するように、プロセスユニット100の感光体ドラム1
0上には像露光がなされて形成された潜像部分に対し
て、先ず濃トナーを収容した現像器13(H)によって
潜像の高濃度部に対して選択的な現像を行い、続いて淡
トナーを収容した現像器13(L)によって潜像の低濃
度部の現像を行う。かかる濃、淡トナーを用い、低濃度
部に対しては淡トナーを用いての現像が選択的に行われ
ることによって色再現範囲を拡大し、高濃度部に対して
は濃トナーを用いての現像が選択的に行われることによ
ってダイナミック・レンジを拡大することとなり、高画
質の画像が得られることとなる。
【0033】また本実施の形態においては、Y,M,
C,K,4色について濃、淡トナーによる現像を行って
いるが、Y,M,Cについては濃トナーのみによる現像
を行い、Kのみを濃、淡トナーによる現像を行うような
構成としても、本発明による優れた効果を奏することが
できる。この場合は現像器は5組を設けた画像形成装置
となる。
【0034】以上、濃、淡トナーを用いて再現領域を広
め、小型で色重ねが容易になされる画像形成装置を図1
によって説明した。図2に示すのも同様効果を奏する他
の実施形態を示すカラー画像形成装置の断面構成図であ
る。濃、淡トナーを用いてY,M,C,Kのトナー像を
形成するプロセスユニット100を並列配置する点にお
いては図1におけると全く同じであるが、本実施の形態
においては中間転写体を介することなく転写材上にトナ
ー像を重ね合わすようにしている。図1におけると相違
点のみについて説明すれば、画像形成に当たってはプロ
セスユニット100上でのトナー像形成と同期して、給
紙カセット15から排出された記録紙Pはタイミングロ
ーラ16を経て搬送ベルト14へと搬送される。
【0035】搬送された記録紙Pは紙帯電器14mによ
ってトナーと同極性に帯電され、回転する搬送ベルト1
4に密着して搬送され、記録紙P上にはプロセスユニッ
ト100Y上に形成されたYの濃、淡トナーからなるト
ナー像が1次転写器14cによって転写され、その上に
プロセスユニット100M,100C,100K上に形
成された濃、淡トナーからなるM,C,Kのトナー像が
重ねて転写され、カラートナー像が形成される。
【0036】カラートナー像を担持した記録紙Pは分離
電極14nによって除電され、搬送ベルト14から分離
して定着装置17へと搬送され、記録紙P上のカラート
ナー像は定着された後、装置外部のトレイへ排出する。
【0037】図2に示した実施の形態においてもY,
M,Cについては濃トナーのみによる現像を行い、Kの
みを濃、淡トナーによる現像を行うような構成とするこ
とも、あるいはYを濃トナーのみで、K,C,Mを濃、
淡トナーによる現像を行うような構成とすることも可能
であって、本発明による優れた効果を奏することができ
る。又、本発明はK単色のモノクロの画像形成装置にも
適用することができる。
【0038】(2)図3は、静電潜像の高濃度部と低濃
度部の電位状態とトナー付着状態を示す説明図である。
スコロトロン帯電器11によって通常は500〜100
0Vの帯電電位V0に一様帯電した感光体ドラム10の
感光層は、露光光学系12によって像露光が行われ、電
位を異にした高濃度部、中濃度部、低濃度部の潜像が形
成される。最大の高濃度部は残留電位の分が通常数十V
残るが略0Vまで下がる。
【0039】Step1で、濃トナーを収納し現像バイ
アス電位VHが印加された現像器13(H)によって第
1の反転現像が行われる。ここで印加される現像バイア
ス電位VHの絶対値は、V0/2以上でかつ低濃度部の潜
像電位より低い電位に設定されているので、現像スリー
ブ131(H)に対向した位置に感光体ドラム10上の
潜像が移動して来ると、高濃度部と中濃度部においては
現像スリーブ131(H)との間で現像電界が形成さ
れ、高濃度部と中濃度部には濃トナーが静電的に付着し
て第1の現像が行われる。しかし低濃度部では現像スリ
ーブ131(H)との間で現像電界が形成されないので
濃トナーは付着することはない。現像バイアス電位VH
は感光体の帯電電位V0に対し、(0.5〜0.8)V0
であることが望ましい。なおこれに交流バイアスを重畳
してもよい。こうすることにより、中濃度部に濃トナー
を付着させることができるので、淡トナーとの付着境界
を低い濃度迄委ねることができる。これにより淡トナー
による低濃度部から滑らかに濃度変化を有する階調性を
実現することができる。また濃、淡トナーの共存領域が
広いことから安定し、画像ノイズも知覚されずらくな
る。
【0040】Step2で、高〜中濃度部の潜像部分に
濃トナーが付着した感光体ドラム10が、淡トナーを収
容し現像バイアス電位VLが印加された現像器13
(L)の現像スリーブ131(L)に対向する位置に到
達すると、淡トナーによる第2の現像が行われる。現像
バイアス電位VLはV0/2以上でかつ現像バイアス電位
Hと感光体の帯電電位V0との間の電位に設定されてい
るので、低濃度部においては現像スリーブ131(L)
との間で現像電界が形成され、低濃度部には淡トナーが
静電的に付着する。また、濃トナーが静電的に付着した
高〜中濃度部では潜像電位の多く(70〜90%)は残
っているので、高〜中濃度部にも濃トナーの上に淡トナ
ーが静電的に付着する。現像バイアス電位VLは感光体
の帯電電位V0に対しVHより高く、かつ(0.7〜0.
9)V0であることが望ましい。なおこれに交流バイア
スが重畳されていてもよい。
【0041】図3は濃、淡トナーの付着状態をも示して
いるが、高画質のトナー像を得るには、濃、淡トナーの
合計したトナー付着量が制限されていて、低濃度部にお
いては淡トナーが静電的に多く付着し、中濃度部におい
ては濃、淡トナーが共に付着していて階調が滑らかに変
化し、高濃度部においては濃トナーが多く付着し、淡ト
ナーについては付着量が制限されていることが必要で、
かかるトナーの付着条件を満足させるためには次に説明
する、の手段がとられる。
【0042】同一電位コントラストの場合、低電位コ
ントラスト部では、淡トナーの付着量は濃トナーの付着
量より大とする。即ち後に記すように淡トナーの現像性
を高める設定を行う。一方高電位コントラスト部では淡
トナーの最大トナー付着量は濃トナーの付着量より少な
いような制御を行うことが好ましい。具体的には例えば
現像器13(H)と現像器13(L)とが同じ形状の現
像器である場合には、現像スリーブ131(L)の回転
速度を現像スリーブ131(H)の回転速度より低く設
定し、現像時における現像領域への淡トナーの供給量を
低く制限する。このことにより電位コントラストが小さ
い場合は淡トナーの付着量を大きくし、好ましくは電位
コントラストが大きい場合は淡トナーの付着量を制限す
ることにより、図4の電位コントラストとトナー付着量
との関係を示すグラフのように、高濃度部においても淡
トナーの付着量は少なく制限されて、高濃度部に対して
合計したトナー付着量も制限されることとなる。
【0043】同一電位コントラストの場合、淡トナー
のγ特性が濃トナーのγ特性より高いような制御を行
う。濃、淡トナーによるγ特性(電位コントラスト−画
像濃度)は濃、淡トナーの現像特性、現像バイアス電位
によっても変わるので、現像時のγ補正を行うことが必
要となる。図5の電位コントラスト(=現像バイアス−
潜像電位)と画像濃度との関係を示すグラフで示すよう
に淡トナーのγ特性で濃トナーのγ特性より高く設定す
ることによって、低濃度部に対して静電的に十分な量の
淡トナーが付着して色再現範囲が拡大されることとな
る。
【0044】本実施の形態においては、低濃度部に対し
ては適量のトナーが付着し、中濃度部に対しては濃、淡
トナーが共に付着し、高濃度部に対しては過剰のトナー
が付着することがないので、潜像部分に対してトナーが
一様に付着し、トナー画像の転写は良好に行われる。ま
た、濃トナーの上層には淡トナーが付着しているので、
転写ムラが生じることがあっても淡トナー付着部分にお
いて生じるので、殆ど認識されることはない。
【0045】上記の、の手段がとられた現像機13
(H)による濃トナーを用いての現像と、続いての現像
器13(L)による淡トナーを用いての現像が行われた
結果得られた、潜像電位と画像濃度、トナー付着量の関
係を示したのが図6である。
【0046】(3)本発明においては、Y,M,C,K
各色の画像濃度データは、それぞれ画像処理がなされた
後、露光光学系12により感光体ドラム10上への像露
光が行われる。
【0047】図7には、本実施形態における画像処理シ
ステムのブロック図を示している。CCD等の固体撮像
素子を用いた画像読み取り手段によって原稿像の読み取
りが行われる(F1)。CCDからの出力増幅したアナ
ログ画像手段は1画素毎に8〜10ビットのデジタル信
号にA/D変換され、シェーディング補正と、シェーデ
ィング補正後の輝度情報は256レベルの濃度情報に変
換される(F2)。
【0048】続いて画像処理(2)ではマスキング、U
CR、色補正等の色処理が行われる(F3)。マスキン
グとしては一般に線形マスキング、或いは高度の色補正
を行う際には非線形マスキングやルックアップテーブル
を用いたマスキングが用いられる。またUCRでは3色
成分からグレー成分を取り除き黒(K)に置き換える操
作を行い、シャドー部や文字部の再現性が向上する処理
が行われる。
【0049】続いて得られた画像データは各トナーに対
してのγ補正を行い(F4)、多値化処理が行われた
(F5)のち、露光光学系12に出力されてプリンタで
の画像形成が行われる(F6)。
【0050】本実施形態においては、画像処理(1)で
得られた画像データは、データの濃度分布や隣接するド
ット間での濃度差をチェックすることによって、原稿像
が写真や絵等の中間調画像であるか、文字や線画等の文
字画像であるかの画像判別が行われる(F11)。また
出力形態が文字又は写真や絵の画像モードに指示された
ときは、その指示に基づいて濃、淡トナーの使用割合を
決定する(F12)。
【0051】中間調画像と判断されたときは、濃トナー
の使用量を減らし、淡トナーの使用量を増やす方向への
制御を行う。即ち、現像器13(H)の現像バイアス電
位V Hの絶対値を低く設定し、濃トナーの供給量を減ら
す方向への制御を行い、現像器13(L)の現像バイア
ス電位VLの絶対値を高く設定し、淡トナーの供給量を
増やす方向への制御を行う。
【0052】また、文字画像と判断されたときは、濃ト
ナーの使用量を増やし、淡トナーの使用量を減らす方向
への制御を行う。即ち、現像器13(H)の現像バイア
ス電位VHの絶対値を高く設定し、濃トナーの供給量を
増やす方向への制御を行い、現像器13(L)の現像バ
イアス電位VLの絶対値を低く設定し、淡トナーの供給
量を減らす方向への制御を行う(F13)。
【0053】上記の現像時における濃、淡トナーの使用
割合の決定と共に、画像処理についてはUCR、γ補
正、多値化処理を次のように切り換え制御する。
【0054】・UCR量については、中間調画像では低
く10〜15%に設定し、文字画像では高く40〜10
0%に設定する。
【0055】・γ補正については、濃、淡トナーの使用
割合に応じて中間調画像では低く、文字画像では高く切
り替え設定を行う。
【0056】・多値化処理については、中間調画像に対
して階調性を高めるために2画素PWMで行い、文字画
像に対しては解像力を重視することから1画素PWMで
行うよう切り替えの設定を行う。
【0057】以上説明したように、中間調画像である
か、文字画像であるかの判別に基づいて濃、淡トナーの
使用割合を変更し、併せて画像処理の変更を行うことに
よって、中間調画像についてはダイナミック・レンジを
拡大し、文字画像についてはシャープで鮮明な、それぞ
れの画像に対応して適当とする良好な画像が得られるこ
ととなる。
【0058】(4)以上、濃、淡トナーを用いて階調性
に富み良質な画像が得られるプロセス条件について説明
した。
【0059】次に、共通潜像の現像を行う濃トナーと淡
トナーとの物性について説明する。共通潜像は濃、淡ト
ナーを用いた現像によって、濃トナー像の上に淡トナー
像が形成されることとなるが、良好なプリント画像を得
るためには現像、転写、定着工程で、濃、淡トナーは同
じように現像、転写、定着がなされることが必要で、
濃、淡トナーは下記に記すような物性を有していること
が必要である。
【0060】モノクロ画像形成装置について、濃、淡
トナーを用いて現像を行う濃トナーの平均的な帯電量Q
Hと、淡トナーの平均的な帯電量QLとの間では、 QH≒QL の関係とする。また、帯電量QH,QL間に差がある場合
も、帯電量差は25%以内であることを必要とする。
【0061】転写性及び現像性はトナーの帯電量(Q/
M)によって相違して来る。図8は転写性を示すグラフ
で、同一の転写バイアス電圧下にあって、帯電量(Q/
M)の大小によって転写率が相異していることを示して
いる。また、図9は現像性を示すグラフで、同一の電位
コントラスト(潜像電位と現像バイアスとの差)で、帯
電量(Q/M)の大小によって現像効率が相違している
ことを示している。濃、淡トナー間で転写性や現像性を
一致させるためには、濃トナーの平均的な帯電量QH
淡トナーの平均的な帯電量QLとの間での帯電量差は2
5%以内の略同じ帯電量にあることが必要で、帯電量差
が25%を超えるときは、転写率や現像効率における差
異が画像上にも認められるようになる。平均的な帯電量
H,QLは後に説明するように1成分現像と2成分現像
とによって適当とするトナー帯電量は異なるが、7〜3
0μc/gを適当としている。
【0062】また、カラー画像形成装置について各色の
濃、淡トナーを用いて現像を行う、各色の濃トナーの平
均的な帯電量QH(Y),QH(M),QH(C),Q
H(K)と、各色の淡トナーの平均的な帯電量Q
L(Y),QL(M),QL(C),QL(K)との間で
は、 QH(Y)≒QL(Y),QH(M)≒QL(M),Q
H(C)≒QL(C),QH(K)≒QL(K) すなわち、 QH(Y,M,C,K)≒QL(Y,M,C,K) の関係とし、各色毎の帯電量QH,QL間に差がある場合
も、帯電量差は25%以内であることを必要とする。帯
電量差が25%を超えるときは、現像性や転写性におけ
る差異が顕著となり、色再現性が悪くなる。
【0063】各色毎に上記の条件を満たす濃、淡トナー
を用いることによって、転写性や現像性を同じとし、各
色毎に形成されるトナー像は高濃度部においては鮮鋭性
に優れ、ハイライト部において連続した階調性が得ら
れ、重ね合わせて形成されるカラー画像についても再現
性に優れた良質の画像が得られることとなる。
【0064】モノクロ画像形成装置について、濃、淡
トナーを用いて現像を行う濃トナーの重量平均粒径φH
と、淡トナーの重量平均粒径φLとの間では、 φH≒φL の関係とする。また重量平均粒径φH,φL間に差がある
場合も、重量平均粒径差は25%以内であることを必要
とする。
【0065】転写性及び現像性は重量平均粒径によって
相異が生じる。図10は転写性を示すグラフで、同一の
転写バイアス電圧下にあって、重量平均粒径の大小によ
って転写率が相違していることを示している。また、図
11は現像性を示すグラフで、同一の電位コントラスト
(潜像電位と現像バイアスとの差)で、重量平均粒径の
大小によって現像効率が相違していることを示してい
る。
【0066】濃、淡トナー間で転写性や現像性を一致さ
せるためには、濃トナーの重量平均粒径と淡トナーの重
量平均粒径との間での粒径の差は25%以内の略同じ重
量平均粒径であることが必要で、粒径差が25%を超え
るときは、転写率や現像効率における差異が画像上にも
認められるようになる。重量平均粒径φH,φLは5〜1
0μmの間にあることを適当としている。
【0067】また、カラー画像形成装置について各色の
濃、淡トナーを用いて現像を行う、各色の濃トナーの重
量平均粒径φH(Y),φH(M),φH(C),φ
H(K)と、各色の淡トナーの重量平均粒径φL(Y),
φL(M),φL(C),φL(K)との間では、 φH(Y,M,C,K)≒φL(Y,M,C,K) の関係とし、各色毎の重量平均粒径φH,φL間に差があ
る場合も、粒径差は25%以内であることを必要とす
る。粒径差が25%を超えるときは、現像性や転写性に
おける差異が顕著となり、色再現性が悪くなる。
【0068】各色毎に上記の条件を満たす濃、淡トナー
を用いることによって、転写性や現像性を同じとし、各
色毎に形成されるトナー像は高濃度部においては鮮鋭性
に優れ、ハイライト部において連続した階調性が得ら
れ、重ね合わせて形成されるカラー画像についても再現
性に優れた良質の画像が得られることとなる。
【0069】また、カラー画像形成装置について、各
色の濃、淡トナーを用いて現像を行う、各色の濃トナー
の帯電量QH(Y,M,C,K),重量平均粒径φ
H(Y,M,C,K)と、各色の淡トナーの帯電量Q
L(Y,M,C,K),重量平均粒径φL(Y,M,C,
K)の間では QH(Y,M,C,K)≒QL(Y,M,C,K) φH(Y,M,C,K)≒φL(Y,M,C,K) の関係とし、帯電量QH,QLに差がある場合も、重量平
均粒径φH,φLに差がある場合も何れも25%以内であ
ることを必要とする。
【0070】各色の濃、淡トナーについて、帯電量及び
重量平均粒径が夫々略等しいときは、転写性や現像性は
全く同じ状態となり、重ね合わせて形成されるカラー画
像は階調性と再現性に優れた良質の画像が得られること
となる。
【0071】濃、淡トナーを用いて現像を行う濃トナ
ーの潜像部分に付着するトナー付着量WHと、淡トナー
の潜像部分に付着するトナー付着量WLとは、同一の電
位コントラストにおいて、 WH≒WL の関係とし、付着量WH,WLの間に差がある場合も、付
着量の差は25%以内であることを必要とする。付着量
の差が25%を超えるときは、転写した画像についてそ
の差異による影響が認められるようになり、色再現性が
悪くなる。
【0072】各色毎に上記の条件を満たす濃、淡トナー
を用いることによって、各色毎に形成されるトナー像は
高濃度部においては鮮鋭性に優れ、ハイライト部におい
て連続した階調性が得られ、重ね合わせて形成されるカ
ラー画像についても再現性に優れた良質の画像が得られ
ることとなる。
【0073】像形成体上に形成した潜像を濃トナーを
用いての現像と淡トナーを用いての現像とを繰り返して
トナー像を形成する際、各濃、淡トナーによる現像を略
同じ帯電量(Q/M),重量平均粒径のトナーを用いて
現像を行うためには、共に1成分現像あるいは2成分現
像であることを必要とする。
【0074】1成分現像の場合には、現像に当たってキ
ャリアとの撹拌による摩擦帯電がないので、帯電量は低
い。2成分現像にあってはトナーの帯電量15〜30μ
c/g,重量平均粒径5〜10μmであるのに対し、1
成分現像にあってはトナーの帯電量7〜15μc/g,
重量平均粒径5〜10μmが一般的なトナーの物性であ
るところから、濃、淡トナーを用いた現像を同じ潜像に
対して行う際、1成分現像と2成分現像とを一緒に行う
ことは好ましくない。
【0075】また、濃、淡トナーを用いての現像も、像
形成体上でトナー像を重ねて形成する関係から、後段の
淡トナーによる現像は非接触現像であることが必要であ
る。前段の濃トナーによる現像も、トナーの帯電量や重
量平均粒径が揃ったトナーを用いるときは、後段と同じ
非接触現像であることが望ましい。但し高濃度部をエッ
ジ効果なくシャープに出すには、低電位コントラストで
も現像可能な接触現像であっても差し支えない。
【0076】以上、〜の特性の濃、淡トナーを用い
て本発明による充分な効果を得るためには淡トナーと濃
トナーとの間で例えば図12に示すトナー付着量とプリ
ント画像濃度の関係にあることが望ましい。なお、濃、
淡トナーの濃度差は、トナー粒子の中に含まれる顔料の
量の差等によって生じる。又、飽和する時のトナー付着
量はトナー粒径や帯電量に依存する。例えば濃トナーに
ついては、白色紙へのトナー付着量が1mg/cm2
度で記録濃度は飽和状態となる。飽和状態での飽和濃度
値Dmax(H)=1.7〜2.5であることが必要であ
る。図12に示すように、略飽和状態となった所の濃度
値をDmax(H)と定義する。正確には破線で示すよう
に濃度は更に徐々に増加する。
【0077】一方、淡トナーについては、例えば白色紙
へのトナー付着量が1mg/cm2では濃度は飽和状態
には達しない。濃トナーが飽和濃度値に達するトナー付
着量と同じトナー付着量を淡トナーによって行ったと
き、即ち濃トナーの濃度飽和時の淡トナーの記録濃度D
(L)=0.3〜0.8の間にあることが必要である。
そして白色紙へのトナー付着量が、飽和濃度値に達する
以前の例えばトナー付着量が0.5mg/cm2におけ
る淡トナーを用いたときの記録濃度DS(L)と濃トナ
ーを用いたときの記録濃度DS(H)との比、即ち淡ト
ナーと濃トナーとの記録濃度の傾き比DS(L)/D
S(H)=0.2〜0.5の間にあることが必要であ
る。
【0078】次に本発明の画像形成装置に用いられる上
記特性の現像剤の製法について説明する。
【0079】カラーの濃、淡トナーは共に重量平均粒径
が3〜10μmの球形トナーであって、乳化重合会合法
による重合トナーが用いられる。乳化重合会合法による
重合トナーの製造方法は、まず、界面活性剤を用いて着
色剤を水中に分散させる。一方で水中に界面活性剤と乳
化重合開始剤、スチレンモノマー及びアクリルモノマー
を加え、乳化重合により樹脂エマルジョンを生成させ
る。次に上記着色剤分散液と樹脂エマルジョンを混合
し、pH調整により生成した粒子表面の反発力と電解質
添加による凝集力のバランスを取りながら緩慢凝集さ
せ、粒径・粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に
加熱撹拌することで微粒子間の融着・形状制御を行う。
このときの撹拌は乱流のない層流状態で撹拌されるよう
設計された撹拌槽を用いて加熱撹拌することで微粒子間
の融着・形状制御を行い、得られた粒子を濾過・洗浄・
乾燥して、重量平均粒径が3〜10μmの希望粒径の球
形トナーを得ることができる。
【0080】このようにして得られた乳化重合会合法に
よるトナーは粒度分布がシャープで微粉が少なく、トナ
ーによるキャリアの汚染、いわゆるトナースペントが少
なく、現像剤の耐久性が向上し、帯電量分布が均一であ
り、従来の粉砕系トナーと較べて高画質の画像を得るこ
とができる。
【0081】キャリアには平均粒径40μmの球形フェ
ライト粒子にスチレン樹脂の0.5μm厚の被覆層を設
けて形成したものが用いられ、キャリアに対してトナー
は5〜10質量%になるよう混合すると共に、疎水性シ
リカ0.5質量%を加えて現像剤としている。
【0082】(5)本発明によって階調性を有していて
再現性に優れたカラー画像が得られることとなった。次
に説明するカラー画像形成装置は、先に説明したカラー
画像形成装置で更に透明(T)トナーと白色(S)トナ
ーとを用い、転写材表面とカラートナー像との間に白色
トナー層と透明トナー層部分とを設け、白色トナー層を
設けることによって転写材の表面状態による画像品質へ
の影響を除き、カラートナー像の下に透明トナー層を設
けることによって、澄んだ色相の高画質のカラー画像が
得られるようにしている。
【0083】図13はかかるカラー画像形成装置の実施
形態を示す断面構成図である。図2に示すカラー画像形
成装置の転写ベルト14aに対向して並列配置された4
色のプロセスユニット100Y,100M,100C,
100Kの上流側に新たにプロセスユニット100TS
を設けている。プロセスユニット100TSは透明
(T)トナーと白色(S)トナーとを用いた現像器13
(T),13(S)を感光体ドラム10の周縁部に設
け、露光光学系12(TS)によって感光体ドラム10
上に形成した潜像を先ず現像器13(T)によって透明
トナーによる現像を行い、続いてその上に現像器13
(S)によって白色トナーによる現像を行っている。
【0084】かかる構成のカラー画像形成装置では、転
写プロセスによって記録紙P上には最下層に白色トナー
像、その上に透明トナー像、その上に濃、淡トナーを用
いたカラートナー像が転写・形成される。白色トナー及
び透明トナーの付着する範囲は露光光学系12(TS)
が像露光を行う潜像形成範囲であるが、図14(a)に
示すように、Y,M,C,Kの少なくとも何れか1つの
露光光学系12が像露光を行う部分を重ね合わせて形成
した画像範囲を露光光学系12(TS)によって露光を
行うようにするモードと、図14(b)に示すように予
めエディタ等を用いて設定した白色及び透明トナー像の
形成範囲に露光光学系12(TS)によって露光を行う
ようにするモードとがある。
【0085】何れのモードにおいても、白色トナーの付
着部分の厚みと透明トナーの付着部分の厚みとは夫々同
じ厚みに付着するよう露光光学系12(TS)によって
予め設定された強度の一様の像露光が行われる。この
際、白色トナーと透明トナーとは物性的に近似している
ことが望ましく、白色トナーの重量平均粒径ψS,帯電
量qSと、透明トナーの重量平均粒径ψT,帯電量qT
の間では、トナーの帯電量に注目すると、 QH(Y,M,C,K)≒QL(Y,M,C,K) qT≒qS で相互の帯電量の間で差異があっても25%以内の関係
にあり、重量平均粒径に注目すると、 φH(Y,M,C,K)≒φL(Y,M,C,K) ψT≒ψS で相互の重量平均粒径の間で差異があっても25%以内
の関係にあって併せて、 QH(Y,M,C,K)≒QL(Y,M,C,K) qT≒qS φH(Y,M,C,K)≒φL(Y,M,C,K) ψT≒ψS の関係とする。
【0086】かかる物性的な条件をトナーが満たすこと
によって、光はマット状の白色トナー面で反射し透明ト
ナー層とその上のカラー画像を透過した光がカラー画像
の直接の反射光に加わって観察され、澄んだ色相の高画
質の画像が得られることとなる。
【0087】(6)図15,図16には他の実施形態の
カラー画像形成装置を示している。同色について濃、淡
トナーを用いて画像形成を行い、階調性に富んだ画像の
形成を行う点においては図1,図2を用いて説明した画
像形成装置と同じであるが、本実施形態が図1,図2の
画像形成装置と異なる点は、例えばプロセスユニット2
00YでYの画像情報をYの淡トナー用と濃トナー用の
画像情報に分割し、Yの淡トナー用の画像情報によって
露光光学系12(L)が像形成体上に露光を行い、形成
された潜像をYの淡トナーを用いた現像器13(L)に
よって現像してYの淡トナー像を形成する。像形成体上
の形成されたYの淡トナー上に、Yの濃トナー用の画像
情報によって露光光学系12(H)が露光を行って潜像
を形成し、濃トナーを用いた現像器13(H)によって
現像してYの濃トナー像を重ねて形成する。本実施形態
においても、階調性に優れたトナー画像を形成するため
には、低濃度部に対して淡トナーが付着し、高濃度部に
対して濃トナーが付着するプログラムが組まれて画像形
成が行われる。従って本実施形態においても、濃、淡ト
ナーについての帯電量や重量平均粒径等の物性について
既に説明した請求項1〜7に記載されたところを適用す
ることにより、優れた効果を奏することとなる。
【0088】
【発明の効果】請求項1〜4によるときは、低濃度部か
ら高濃度部まで画質の連続性が維持され、画像の鮮鋭性
や転写性においても優れた画像形成装置が提供されるこ
ととなった。
【0089】請求項5〜7によるときは、Y,M,C,
K各色毎に低濃度部から高濃度部まで画質の連続性が維
持されて、画像の鮮鋭性や転写性においても優れ、カラ
ーバランスに優れたカラー画像が形成されるカラー画像
形成装置が提供されることとなった。
【0090】請求項8〜10によるときは、請求項5〜
7によって奏する効果に加えて澄んだ色相のカラー画像
が得られることとなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施形態のカラー画像形成装置の断面構成
図。
【図2】他の実施形態のカラー画像形成装置の断面構成
図。
【図3】潜像部分へのトナー付着状態を示す説明図。
【図4】電位コントラストとトナー付着量との関係を示
すグラフ。
【図5】電位コントラストと画像濃度との関係を示すグ
ラフ。
【図6】潜像電位と画像濃度、トナー付着量の関係を示
すグラフ。
【図7】画像処理システムのブロック図。
【図8】帯電量と転写性の関係を示すグラフ。
【図9】帯電量と現像性の関係を示すグラフ。
【図10】トナー粒径と転写性の関係を示すグラフ。
【図11】トナー粒径と現像性の関係を示すグラフ。
【図12】トナー付着量とプリント画像濃度の関係を示
すグラフ。
【図13】他の実施形態のカラー画像形成装置の断面構
成図。
【図14】記録紙上へのトナー付着状態を示す説明図。
【図15】他の実施形態のカラー画像形成装置の断面構
成図。
【図16】他の実施形態のカラー画像形成装置の断面構
成図。
【符号の説明】
10 感光体ドラム 11 スコロトロン帯電器 12 露光光学系 13(L),13(H),13(T),13(S) 現
像器 14 搬送ベルト 14a 転写ベルト 14c 1次転写器 14g 2次転写器 15 給紙カセット 16 タイミングローラ 17 定着装置 100Y(M,C,K,TS) プロセスユニット

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 像形成体上に帯電、像露光を行って形成
    した潜像を、濃トナーを用いての現像と淡トナーを用い
    ての現像とを繰り返し、トナー像を形成する画像形成装
    置において、各濃、淡トナーの平均帯電量差は25%以
    内であることを特徴とする画像形成装置。
  2. 【請求項2】 像形成体上に帯電、像露光を行って形成
    した潜像を、濃トナーを用いての現像と淡トナーを用い
    ての現像とを繰り返し、トナー像を形成する画像形成装
    置において、各濃、淡トナーの重量平均粒径のトナー粒
    径差は25%以内であることを特徴とする画像形成装
    置。
  3. 【請求項3】 像形成体上に帯電、像露光を行って形成
    した潜像を、濃トナーを用いての現像と淡トナーを用い
    ての現像とを繰り返し、トナー像を形成する画像形成装
    置において、各濃、淡トナーの同一の電位コントラスト
    における潜像部分に付着するトナーの付着量差は25%
    以内であることを特徴とする画像形成装置。
  4. 【請求項4】 各濃、淡トナーによる現像は、共に1成
    分現像あるいは2成分現像であることを特徴とする請求
    項1〜3の何れか1項に記載の画像形成装置。
  5. 【請求項5】 複数の像形成体の各々に対し濃、淡トナ
    ーによる現像を繰り返して行い、形成された複数のトナ
    ー像を転写材上に重ねて転写するカラー画像形成装置に
    おいて、各複数のカラートナー間での平均帯電量差は何
    れも25%以内であることを特徴とするカラー画像形成
    装置。
  6. 【請求項6】 複数の像形成体の各々に対し濃、淡トナ
    ーによる現像を繰り返して行い、形成された複数のトナ
    ー像を転写材上に重ねて転写するカラー画像形成装置に
    おいて、各複数のカラートナーの重量平均粒径のトナー
    粒径差は何れも25%以内であることを特徴とするカラ
    ー画像形成装置。
  7. 【請求項7】 複数の像形成体の各々に対し濃、淡トナ
    ーによる現像を繰り返して行い、形成された複数のトナ
    ー像を転写材上に重ねて転写するカラー画像形成装置に
    おいて、各複数のカラートナー間での平均帯電量差は2
    5%以内で、カラートナーの重量平均粒径のトナー粒径
    差は何れも25%以内であることを特徴とするカラー画
    像形成装置。
  8. 【請求項8】 複数の像形成体の各々に対し、各色毎に
    濃、淡トナーによる現像を繰り返して行い、透明トナー
    と白色トナーとによる現像を繰り返して行い、形成され
    たトナー像を転写材上に重ねて形成するカラー画像形成
    装置において、各カラートナー、透明トナー、白色カラ
    ー間での平均帯電量差は何れも25%以内であることを
    特徴とするカラー画像形成装置。
  9. 【請求項9】 複数の像形成体の各々に対し、各色毎に
    濃、淡トナーによる現像を繰り返して行い、透明トナー
    と白色トナーとによる現像を繰り返して行い、形成され
    たトナー像を転写材上に重ねて形成するカラー画像形成
    装置において、各カラートナー、透明トナー、白色カラ
    ーの重量平均粒径の粒径差は何れも25%以内であるこ
    とを特徴とするカラー画像形成装置。
  10. 【請求項10】 複数の像形成体の各々に対し、各色毎
    に濃、淡トナーによる現像を繰り返して行い、透明トナ
    ーと白色トナーとによる現像を繰り返して行い、形成さ
    れたトナー像を転写材上に重ねて形成するカラー画像形
    成装置において、各カラートナー、透明トナー、白色カ
    ラー間での平均帯電量差は何れも25%以内で、重量平
    均粒径のトナー粒径差は何れも25%以内であることを
    特徴とするカラー画像形成装置。
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