JP2002090545A - 光学的異方性シート、偏光板およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法 - Google Patents
光学的異方性シート、偏光板およびディスコティック液晶性分子を配向させる方法Info
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Abstract
光膜の透過軸とを容易に垂直に配置できるように、光学
的異方性シートを構成する。 【解決手段】 ディスコティック液晶性分子から形成さ
れた光学的異方性層、ラビング処理された配向膜および
透明支持体を、この順序で有する光学的異方性シートに
おいて、50乃至90度の平均傾斜角で、かつ光軸の平
均方向が配向膜のラビング方向に対して実質的に平行と
なるようにディスコティック液晶性分子を配向させる。
Description
液晶性分子が配向している光学的異方性シートに関す
る。また、本発明は、光学的異方性層、配向膜、透明支
持体、偏光膜および透明保護膜をこの順に有する偏光板
にも関する。さらに本発明は、ディスコティック液晶性
分子を配向膜を用いて配向させる方法にも関する。
よび光学補償シート(位相差板)からなる。透過型液晶
表示装置では、二枚の偏光素子を液晶セルの両側に取り
付け、一枚または二枚の光学補償シートを液晶セルと偏
光素子との間に配置する。反射型液晶表示装置では、反
射板、液晶セル、一枚の光学補償シート、そして一枚の
偏光素子の順に配置する。液晶セルは、棒状液晶性分子
層、それを封入するための二枚の基板、棒状液晶性分子
に電圧を加えるための電極層、および棒状液晶性分子の
配向を制御する配向膜層からなる。液晶セルは、棒状液
晶性分子の配向状態の違いで、透過型については、TN
(Twisted Nematic)、IPS(In-Plane Switchin
g)、FLC(Ferroelectric Liquid Crystal)、OC
B(Optically Compensatory Bend)、STN(Supper
Twisted Nematic)、VA(Vertically Aligned)、E
CB(Electrically Controlled Birefringence )、反
射型については、TN、HAN(Hybrid Aligned Nemat
ic)、GH(Guest-Host)のような様々な表示モードが
提案されている。
り、視野角を拡大するために、様々な液晶表示装置で用
いられている。光学補償シートとしては、延伸複屈折ポ
リマーフイルムが従来から使用されていた。延伸複屈折
ポリマーフイルムに代えて、透明支持体上に液晶性分子
から形成された光学的異方性層を有する光学的異方性シ
ートを、光学補償シートとして使用することが提案され
ている。液晶性分子には多様な配向形態があるため、液
晶性分子を用いることで、従来の延伸複屈折ポリマーフ
イルムでは得ることができない光学的性質を実現するこ
とが可能になった。
の光学的性質、具体的には上記のような表示モードの違
いに応じて決定する。液晶性分子を用いると、液晶セル
の様々な表示モードに対応する様々な光学的性質を有す
る光学補償シートを製造することができる。液晶性分子
としては、一般に、棒状液晶性分子またはディスコティ
ック液晶性分子が用いられている。ディスコティック液
晶性分子を用いた光学補償シートでは、様々な表示モー
ドに対応するものが既に提案されている。例えば、TN
モードの液晶セル用光学補償シートは、特開平6−21
4116号公報、米国特許5583679号、同564
6703号、ドイツ特許公報3911620A1号の各
明細書に記載がある。また、IPSモードまたはFLC
モードの液晶セル用光学補償シートは、特開平10−5
4982号公報に記載がある。さらに、OCBモードま
たはHANモードの液晶セル用光学補償シートは、米国
特許5805253号および国際特許出願WO96/3
7804号の各明細書に記載がある。さらにまた、ST
Nモードの液晶セル用光学補償シートは、特開平9−2
6572号公報に記載がある。そして、VAモードの液
晶セル用光学補償シートは、特許番号第2866372
号公報に記載がある。特開平9−26572号公報に記
載されているSTNモードの液晶セル用光学補償シート
では、ディスコティック液晶性分子を立てた状態で(5
0乃至90度の平均傾斜角で)配向させている。
性分子が50乃至90度の平均傾斜角で配向している光
学的異方性層を有する光学的異方性シートでは、ディス
コティック液晶性分子の光軸(円盤面の法線)の平均方
向は、一般に配向膜のラビング方向と直交する。光学的
異方性シートは実際の生産においてはロール状であっ
て、ラビング処理はロール状光学的異方性シートの長手
方向に実施することが最も容易である。従って、ディス
コティック液晶性分子が50乃至90度の平均傾斜角で
配向している光学的異方性層を有する光学補償シートで
は、長手方向に垂直な方向(幅方向)に光軸の平均方向
を有する態様が最も容易に生産できる。偏光膜の透過軸
は、偏光膜を構成するポリマーフイルムの延伸方向に垂
直な方向に相当する。偏光素子も実際の生産においては
ロール状であって、延伸処理はロール状偏光膜の長手方
向に実施することが最も容易である。従って、長手方向
に垂直な方向(幅方向)に透過軸を有する偏光素子が最
も容易に生産できる。
ートとロール状偏光素子とを積層する場合、光学的異方
性シートのディスコティック液晶性分子の光軸と偏光膜
の透過軸とが実質的に平行になるように配置することが
最も生産が容易である。一方、液晶セルの表示モードに
よっては、ディスコティック液晶性分子の光軸と偏光膜
の透過軸とを実質的に垂直になるように配置することが
好ましい場合がある。ディスコティック液晶性分子の光
軸がロール状光学的異方性シートの長手方向となるため
には、ディスコティック液晶性分子を、その光軸方向が
配向膜のラビング方向に対して平行となるように配向さ
せる必要がある。本明細書において、「ディスコティッ
ク液晶性分子の光軸方向が、配向膜のラビング方向に対
して平行」とは、ディスコティック液晶性分子の円盤面
の法線を透明支持体面に投影して得られる線の平均方向
が、ラビング方向に対して平行であることを意味する。
ディスコティック液晶性分子を光軸がラビング方向に対
して平行となるように配向させるためには、そのような
配向機能を有する配向膜が必要である。従来の配向膜
は、ディスコティック液晶性分子の光軸をラビング方向
に対して垂直に配向させる機能を有する。
して平行になるようにディスコティック液晶性分子が向
している光学的異方性シートを提供することである。本
発明の別の目的は、ディスコティック液晶性分子の光軸
と偏光膜の透過軸とが実質的に垂直になるように容易に
配置できる偏光板を提供することである。本発明のまた
別の目的は、ディスコティック液晶性分子を、光軸がラ
ビング方向に対して平行になるように配向させることで
ある。
(1)〜(3)の光学的異方性シート、下記(4)〜
(7)の偏光板および下記(8)〜(11)のディスコ
ティック液晶性分子を配向させる方法により達成され
た。 (1)ディスコティック液晶性分子から形成された光学
的異方性層、ラビング処理された配向膜および透明支持
体を、この順序で有する光学的異方性シートであって、
ディスコティック液晶性分子が50乃至90度の平均傾
斜角で、かつディスコティック液晶性分子の光軸の平均
方向が配向膜のラビング方向に対して実質的に平行とな
るように配向していることを特徴とする光学的異方性シ
ート。
スコティック液晶性分子の光軸の平均方向が、透明支持
体の長手方向に対して実質的に平行である(1)に記載
の光学的異方性シート。 (3)透明支持体が長手方向を有し、配向膜のラビング
方向が、透明支持体の長手方向に対して実質的に平行で
ある(1)に記載の光学的異方性シート。
成された光学的異方性層、ラビング処理された配向膜、
透明支持体、偏光膜および透明保護膜をこの順に有する
ロール状の偏光板であって、ディスコティック液晶性分
子が50乃至90度の平均傾斜角で、かつディスコティ
ック液晶性分子の光軸の平均方向が配向膜のラビング方
向に対して実質的に平行となるように配向していること
を特徴とする偏光板。
の平均方向が、偏光板の長手方向に対して実質的に平行
である(4)に記載の偏光板。 (6)配向膜のラビング方向が、偏光板の長手方向に対
して実質的に平行である(4)に記載の偏光板。 (7)偏光膜の透過軸が、偏光板の長手方向に対して実
質的に垂直である(4)に記載の偏光板。
る繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単
位とを含むコポリマーの溶液を塗布して塗布膜を形成す
る工程;塗布膜の表面をラビング処理して配向膜とする
工程;そして、配向膜の上にディスコティック液晶性分
子を含む塗布液を塗布する工程により、50乃至90度
の平均傾斜角で、かつディスコティック液晶性分子の光
軸の平均方向が配向膜のラビング方向に対して実質的に
平行となるようにディスコティック液晶性分子を配向さ
せる方法:
に、水素原子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃至
6のアルキル基であり;Mは、アルカリ金属イオンであ
り;L 1 は、−O−、−CO−、−NH−、アルキレン
基およびそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二
価の連結基であり;L2 、L3 およびL4 は、それぞれ
独立に、単結合であるか、あるいは、−O−、−CO
−、−NH−、−SO2 −、アルキレン基、アルケニレ
ン基、アルキニレン基およびそれらの組み合わせからな
る群より選ばれる二価の連結基であり;Ar1 、A
r2 、Ar3 およびAr 4 は、それぞれ独立に、置換基
を有していてもよい芳香族環または芳香族性複素環であ
り;mおよびnは、それぞれ0または1であり;xは、
10乃至95モル%であり;そして、yは、5乃至90
モル%である]。
くとも一つがエチニレンである(8)に記載のディスコ
ティック液晶性分子を配向させる方法。 (10)ディスコティック液晶性分子が重合性基を有
し、ディスコティック液晶性分子を配向させた後、ディ
スコティック液晶性分子を重合させて配向状態を固定す
る(8)に記載のディスコティック液晶性分子を配向さ
せる方法。 (11)コポリマーが重合性基を有し、ディスコティッ
ク液晶性分子を配向させた後、ディスコティック液晶性
分子とコポリマーとを重合させて配向状態を固定する
(10)に記載のディスコティック液晶性分子を配向さ
せる方法。
るいは実質的に直交とは、厳密な平行あるいは厳密な直
交との角度の差が5゜未満であることを意味する。角度
の差は、4゜未満であることが好ましく、3゜未満であ
ることがより好ましく、2゜未満であることがさらに好
ましく、1゜未満であることが最も好ましい。
膜のラビング方向に対して平行となるように、ディスコ
ティック液晶性分子を配向させることに成功した。これ
により、ディスコティック液晶性分子の光軸方向が、ラ
ビング方向に対して実質的に平行に配向している光学的
異方性シートを作製することができる。従って、ディス
コティック液晶性分子の光軸方向を、長手方向に有する
ロール状光学的異方性シートを、容易に生産することが
可能になった。一方、前述したように、長手方向に垂直
な方向(幅方向)に透過軸を有するロール状偏光素子が
最も容易に生産できる。従って、本発明に従うロール状
光学的異方性シートとロール状偏光素子とを、ロール状
態のまま貼り合わせることで、ディスコティック液晶性
分子の光軸方向と偏光膜の透過軸とが実質的に垂直であ
る偏光板を生産することができる。以上のように、本発
明に従う光学的異方性シートを用いることで、ディスコ
ティック液晶性分子の光軸方向と偏光膜の透過軸とが実
質的に垂直になるように容易に配置することができる。
本的な構成を示す模式図である。図1の(a)に示す透
過型液晶表示装置は、バックライト(BL)側から順
に、透明保護膜(1a)、偏光膜(2a)、透明支持体
(3a)、光学的異方性層(4a)、液晶セルの下基板
(5a)、棒状液晶性分子層(6)、液晶セルの上基板
(5b)、光学的異方性層(4b)、透明支持体(3
b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1b)から
なる。透明支持体および光学的異方性層(3a〜4aお
よび4b〜3b)が光学的異方性シートを構成する。そ
して、透明保護膜、偏光膜、透明支持体および光学的異
方性層(1a〜4aおよび4b〜1b)が偏光板を構成
する。透明支持体(3a、3b)は、光学的異方性層
(4a、4b)側に配向膜を有する。また、液晶セルの
下基板(5a)および上基板(5b)も、棒状液晶性分
子層(6)側に配向膜を有する。
は、バックライト(BL)側から順に、透明保護膜(1
a)、偏光膜(2a)、透明支持体(3a)、光学的異
方性層(4a)、液晶セルの下基板(5a)、棒状液晶
性分子層(6)、液晶セルの上基板(5b)、透明保護
膜(1b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1
c)からなる。透明支持体および光学的異方性層(3a
〜4a)が光学的異方性シートを構成する。そして、透
明保護膜、偏光膜、透明支持体および光学的異方性層
(1a〜4a)が偏光板を構成する。透明支持体(3
a)は、光学的異方性層(4a)側に配向膜を有する。
また、液晶セルの下基板(5a)および上基板(5b)
も、棒状液晶性分子層(6)側に配向膜を有する。
は、バックライト(BL)側から順に、透明保護膜(1
a)、偏光膜(2a)、透明保護膜(1b)、液晶セル
の下基板(5a)、棒状液晶性分子層(6)、液晶セル
の上基板(5b)、光学的異方性層(4b)、透明支持
体(3b)、偏光膜(2b)、そして透明保護膜(1
c)からなる。透明支持体および光学的異方性層(4b
〜3b)が光学的異方性シートを構成する。そして、透
明保護膜、偏光膜、透明支持体および光学的異方性層
(4b〜1c)が偏光板を構成する。透明支持体(3
b)は、光学的異方性層(4b)側に配向膜を有する。
また、液晶セルの下基板(5a)および上基板(5b)
も、棒状液晶性分子層(6)側に配向膜を有する。
成を示す模式図である。図2に示す反射型液晶表示装置
は、下から順に、液晶セルの下基板(5a)、反射板
(RP)、棒状液晶性分子層(6)、液晶セルの上基板
(5b)、光学的異方性層(4)、透明支持体(3)、
偏光膜(2)、そして透明保護膜(1)からなる。透明
支持体および光学的異方性層(4〜3)が光学的異方性
シートを構成する。そして、透明保護膜、偏光膜、透明
支持体および光学的異方性層(4〜1)が偏光板を構成
する。透明支持体(3)は、光学的異方性層(4)側に
配向膜を有する。また、液晶セルの反射板(RP)およ
び上基板(5b)も、棒状液晶性分子層(6)側に配向
膜を有する。
的異方性シートとの貼り合わせ工程を示す模式図であ
る。図3に示すように、ロール状偏光素子は、透明保護
膜(1)および偏光膜(2)からなる。ロール状光学補
償シートは、透明支持体(3)および光学的異方性層
(4)からなる。透明支持体(3)は、光学的異方性層
(4)側に配向膜を有する。偏光膜(2)の透過軸(T
A)は、ロール状偏光素子の長手方向(LD)と実質的
に直交している。光学的異方性層(4)のディスコティ
ック液晶性分子の光軸方向(OA)は、ロール状光学的
異方性シートの長手方向(LD)と実質的に平行してい
る。そのため、図3に示すように、ロール状偏光素子と
ロール状光学的異方性シートとをそのまま貼り合わせる
だけで、偏光膜(2)の透過軸(TA)と光学的異方性
層(4)のディスコティック液晶性分子の光軸方向(O
A)とが実質的に垂直になるように配置することができ
る。なお、図1〜図3において、透明支持体(3)と光
学的異方性層(4)との順序を逆に配置してもよい。
スコティック液晶性分子の配向状態を示す模式図であ
る。図4に示す光学的異方性シートは、長手方向を有す
る透明支持体(3)、ラビング処理された配向膜(0)
およびディスコティック液晶性分子から形成された光学
的異方性層(4)からなる。透明支持体(3)の長手方
向(LD)と配向膜(0)のラビング方向(RD)とは
平行である。光学的異方性層(4)に含まれるディスコ
ティック液晶性分子(DLC)の光軸方向(OA)も、
透明支持体(3)の長手方向(LD)および配向膜
(0)のラビング方向(RD)と平行である。
ましい。光学的異方性シートの透明支持体として、ガラ
ス板またはポリマーフイルム、好ましくはポリマーフイ
ルムが用いられる。支持体が透明であるとは、光透過率
が80%以上であることを意味する。透明支持体とし
て、一般には、光学等方性のポリマーフイルムが用いら
れている。光学等方性とは、具体的には、面内レターデ
ーション(Re)が20nm未満であることが好まし
く、10nm未満であることがさらに好ましく、5nm
未満であることが最も好ましい。また、光学等方性透明
支持体では、厚み方向のレターデーション(Rth)も、
100nm未満であることが好ましく、50nm未満で
あることがより好ましく、30nm未満であることがさ
らに好ましく、10nm未満であることがさらにまた好
ましく、5nm未満であることが最も好ましい。透明支
持体の面内レターデーション(Re)と厚み方向のレタ
ーデーション(Rth)は、それぞれ下記式で定義され
る。 Re=(nx−ny)×d Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d 式中、nxおよびnyは、透明支持体の面内屈折率であ
り、nzは透明支持体の厚み方向の屈折率であり、そし
てdは透明支持体の厚さである。
持体として光学異方性のポリマーフイルムが用いられる
場合もある。すなわち、光学的異方性層の光学異方性に
透明支持体の光学異方性も加えて、液晶セルの光学異方
性に対応する(光学的に補償する)場合もある。そのよ
うな場合、透明支持体は、光学的一軸性または光学的二
軸性を有することが好ましい。光学的一軸性支持体の場
合、光学的に正(光軸方向の屈折率が光軸に垂直な方向
の屈折率よりも大)であっても負(光軸方向の屈折率が
光軸に垂直な方向の屈折率よりも小)であってもよい。
光学的二軸性支持体の場合、前記式の屈折率nx、ny
およびnzは、全て異なる値(nx≠ny≠nz)にな
る。光学異方性透明支持体の面内レターデーション(R
e)は、0乃至300nmであることが好ましく、0乃
至200nmであることがさらに好ましく、0乃至10
0nmであることが最も好ましい。光学異方性透明支持
体の厚み方向のレターデーション(Rth)は、10乃至
1000nmであることが好ましく、50乃至400n
mであることがより好ましく、100乃至300nmで
あることがさらに好ましい。
支持体とするか、光学異方性支持体とするかに応じて決
定する。光学等方性支持体の場合は、一般にガラスまた
はセルロースエステルが用いられる。光学異方性支持体
の場合は、一般に合成ポリマー(例、ポリカーボネー
ト、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアクリ
レート、ポリメタクリレート、ノルボルネン樹脂)が用
いられる。ただし、欧州特許0911656A2号明細
書に記載されている(1)レターデーション上昇剤(複
屈折率上昇剤)の使用、(2)セルロースアセテートの
酢化度の低下、あるいは(3)冷却溶解法によるフイル
ムの製造により、光学異方性の(レターデーションが高
い)セルロースエステルフイルムを製造することもでき
る。ポリマーフイルムからなる透明支持体は、ソルベン
トキャスト法により形成することが好ましい。
リマーフイルムに延伸処理を実施することが好ましい。
光学的一軸性支持体を製造する場合は、通常の一軸延伸
処理または二軸延伸処理を実施すればよい。光学的二軸
性支持体を製造する場合は、アンバランス二軸延伸処理
を実施することが好ましい。アンバランス二軸延伸で
は、ポリマーフイルムをある方向に一定倍率(例えば3
乃至100%、好ましくは5乃至30%)延伸し、それ
と垂直な方向にそれ以上の倍率(例えば6乃至200
%、好ましくは10乃至90%)延伸する。二方向の延
伸処理は、同時に実施してもよい。延伸方向(アンバラ
ンス二軸延伸では延伸倍率の高い方向)と延伸後のフイ
ルムの面内の遅相軸とは、実質的に同じ方向になること
が好ましい。延伸方向と遅相軸との角度は、10゜未満
であることが好ましく、5゜未満であることがさらに好
ましく、3゜未満であることが最も好ましい。なお、光
学的一軸性または光学的二軸性を有する透明支持体を用
いる場合、光学的異方性層のディスコティック液晶性分
子の光軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平
均方向が、透明支持体の面内の遅相軸と、実質的に平行
または直交しているように配置することが好ましい。
であることが好ましく、50乃至200μmであること
がさらに好ましい。透明支持体とその上に設けられる層
(密着層、配向膜あるいは光学的異方性層)との密着を
改善するため、透明支持体に表面処理(例、グロー放電
処理、コロナ放電処理、紫外線(UV)処理、火炎処
理)を実施してもよい。透明支持体に紫外線吸収剤を添
加してもよい。透明支持体の上に、密着層(下塗り層)
を設けてもよい。密着層については、特開平7−333
433号公報に記載がある。密着層の厚さは、0.1乃
至2μmであることが好ましく、0.2乃至1μmであ
ることがさらに好ましい。
される繰り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返
し単位とを含むアクリル酸系コポリマーを用いることが
好ましい。
ロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基で
ある。R1 は、水素原子または炭素原子数が1乃至6の
アルキル基であることが好ましく、水素原子、メチルま
たはエチルであることがさらに好ましく、水素原子また
はメチルであることが最も好ましい。R1 が水素原子の
場合は、アクリル酸コポリマーであり、R1 がメチルの
場合は、メタクリル酸コポリマーである。式(I)にお
いて、Mは、アルカリ金属イオン(リチウムイオン、ナ
トリウムイオン、カリウムイオン、セシウムイオン)で
ある。式(I)のCOOMが、このような親水性基であ
ることによって、アクリル酸系コポリマーは水溶性を示
す。よって、水性溶媒を用いて配向膜を形成することが
できる。式(I)において、xは、10乃至95モル%
である。xは、25乃至90モル%であることが好まし
い。
ロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキル基で
ある。R2 は、水素原子または炭素原子数が1乃至6の
アルキル基であることが好ましく、水素原子、メチルま
たはエチルであることがさらに好ましく、水素原子また
はメチルであることが最も好ましい。
O−、−NH−、アルキレン基およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれる二価の連結基である。L
1 は、−CO−O−、−CO−NH−、−CO−O−ア
ルキレン基−、−CO−O−アルキレン基−O−または
−CO−O−アルキレン基−CO−O−であることが好
ましく、−CO−O−または−CO−NH−であること
が特に好ましい。上記アルキレン基は、分岐または環状
構造を有していてもよい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至30であることが好ましく、1乃至15であ
ることがさらに好ましく、1乃至12であることが最も
好ましい。
は、それぞれ独立に、単結合であるか、あるいは、−O
−、−CO−、−NH−、−SO2 −、アルキレン基、
アルケニレン基、アルキニレン基およびそれらの組み合
わせからなる群より選ばれる二価の連結基である。 L
2 、L3 およびL4 のうち、少なくとも一つが単結合ま
たはエチニレン(−C≡C−)であることが好ましく、
少なくとも一つがエチニレンであることが特に好まし
い。L2 、L3 およびL4 は、それぞれ独立に、単結
合、エチニレン、−CO−、−O−CO−、−CO−O
−、−アルキレン基−O−、−CO−NH−、−O−C
O−O−、−NH−SO2 −または−NH−CO−O−
であることが好ましい。上記アルキレン基、アルケニレ
ン基およびアルキニレン基は、分岐または環状構造を有
していてもよい。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至
30であることが好ましく、1乃至15であることがさ
らに好ましく、1乃至12であることが最も好ましい。
アルケニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数は、
2乃至30であることが好ましく、2乃至15であるこ
とがさらに好ましく、2乃至12であることが最も好ま
しい。
3 およびAr4 は、それぞれ独立に、置換基を有してい
てもよい芳香族環または芳香族性複素環である。A
r1 、Ar2 、Ar3 およびAr4 は、芳香族環(置換
基を有していてもよい)であることが好ましい。芳香族
環の環構成炭素原子数は、6乃至18であることが好ま
しい。芳香族環の例には、ベンゼン環、ナフタレン環、
アントラセン環、フェナントレン環、ピレン環およびナ
フタセン環が含まれる。ベンゼン環およびナフタレン環
が好ましく、ベンゼン環が特に好ましい。
てもよい置換基には、ハロゲン原子、カルボキシル、シ
アノ、ニトロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキ
ル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル基、アシ
ルオキシ基、アルキル置換カルバモイル基、アルキル置
換スルファモイル基、アミド基、スルホンアミド基およ
びアルキルスルホニル基が含まれる。上記アルキル基
は、分岐または環状構造を有していてもよい。上記アル
キル基は、分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素
原子数は、1乃至20であることが好ましく、1乃至1
5であることがより好ましく、1乃至10であることが
さらに好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。
れ0または1である。mが0または1で、nが0(芳香
環または芳香族性複素環の数が2または3)であること
が好ましく、mおよびnは、何れも0(芳香環または芳
香族性複素環の数が2)であることが特に好ましい。式
(II)において、yは、5乃至90モル%である。y
は、10乃至75モル%であることが好ましい。以下
に、式(II)で表される繰り返し単位の例を(L2 、L
3 またはL4 が−C≡C−である場合を除き)示す。
(L2 、L3 またはL4 が−C≡C−である場合を除
き)示す。AAはアクリル酸から誘導される繰り返し単
位(アルカリ金属塩)であり、MAはメタクリル酸から
誘導される繰り返し単位(アルカリ金属塩)である。繰
り返し単位の割合は、モル%である。
40− PA102:−(AA)70−(II−2)30− PA103:−(AA)60−(II−5)40− PA104:−(AA)65−(II−9)35− PA105:−(AA)70−(II−11)30− PA106:−(AA)80−(II−15)20− PA107:−(AA)70−(II−15)30− PA108:−(AA)60−(II−15)40− PA109:−(AA)70−(II−16)30− PA110:−(AA)60−(II−16)40− PA111:−(AA)50−(II−16)50− PA112:−(AA)70−(II−18)30− PA113:−(AA)60−(II−18)40− PA114:−(AA)50−(II−18)50− PA115:−(AA)60−(II−23)40− PA116:−(AA)60−(II−25)40− PA117:−(AA)60−(II−32)40− PA118:−(AA)60−(II−35)40− PA119:−(AA)60−(II−37)40− PA120:−(AA)60−(II−45)40− PA121:−(AA)60−(II−55)40−
40− PA123:−(MA)70−(II−2)30− PA124:−(MA)60−(II−5)40− PA125:−(MA)65−(II−9)35− PA126:−(MA)70−(II−11)30− PA127:−(MA)80−(II−15)20− PA128:−(MA)70−(II−15)30− PA129:−(MA)60−(II−15)40− PA130:−(MA)70−(II−16)30− PA131:−(MA)60−(II−16)40− PA132:−(MA)50−(II−16)50− PA133:−(MA)70−(II−18)30− PA134:−(MA)60−(II−18)40− PA135:−(MA)60−(II−18)40− PA136:−(MA)60−(II−23)40− PA137:−(MA)60−(II−25)40− PA138:−(MA)60−(II−32)40− PA139:−(MA)60−(II−35)40− PA140:−(MA)60−(II−37)40− PA141:−(MA)60−(II−45)40− PA142:−(MA)60−(II−55)40−
(L2 、L3 またはL4 が−C≡C−であり、−C≡C
−の両側の環が芳香族環である構造)を含むことが好ま
しい。以下に、トラン構造を側鎖に有する繰り返し単位
の例を示す。
含むアクリル酸系コポリマーの例を示す。AAはアクリ
ル酸から誘導される繰り返し単位(アルカリ金属塩)で
あり、MAはメタクリル酸から誘導される繰り返し単位
(アルカリ金属塩)である。繰り返し単位の割合は、モ
ル%である。
1)40− PA202:−(AA)70−(II−101)30− PA203:−(AA)60−(II−102)40− PA204:−(AA)65−(II−107)35− PA205:−(AA)70−(II−111)30− PA206:−(AA)80−(II−114)20− PA207:−(AA)70−(II−120)30− PA208:−(AA)60−(II−123)40− PA209:−(AA)70−(II−125)30− PA210:−(AA)60−(II−125)40− PA211:−(AA)50−(II−125)50− PA212:−(AA)70−(II−126)30− PA213:−(AA)60−(II−128)40− PA214:−(AA)50−(II−132)50− PA215:−(AA)70−(II−133)30− PA216:−(AA)60−(II−133)40− PA217:−(AA)70−(II−138)30− PA218:−(AA)60−(II−138)40− PA219:−(AA)60−(II−139)40− PA220:−(AA)60−(II−141)40− PA221:−(AA)60−(II−143)40−
1)40− PA223:−(MA)70−(II−101)30− PA224:−(MA)60−(II−102)40− PA225:−(MA)65−(II−107)35− PA226:−(MA)70−(II−111)30− PA227:−(MA)80−(II−114)20− PA228:−(MA)70−(II−120)30− PA229:−(MA)60−(II−123)40− PA230:−(MA)70−(II−125)30− PA231:−(MA)60−(II−125)40− PA232:−(MA)50−(II−125)50− PA233:−(MA)70−(II−126)30− PA234:−(MA)60−(II−128)40− PA235:−(MA)50−(II−132)50− PA236:−(MA)70−(II−133)30− PA237:−(MA)60−(II−133)40− PA238:−(MA)70−(II−138)30− PA239:−(MA)60−(II−138)40− PA240:−(MA)60−(II−139)40− PA241:−(MA)60−(II−141)40− PA242:−(MA)60−(II−142)40− PA243:−(MA)60−(II−143)40−
してもよい。重合性基を有するアクリル酸系コポリマー
と重合性基を有するディスコティック液晶性分子とを併
用すると、アクリル酸系コポリマーとディスコティック
液晶性分子とを、光学的異方性層と配向膜との界面を介
して化学的に結合させることができる。これにより、デ
ィスコティック液晶性分子を用いた光学的異方性シート
の耐久性を改善することができる。重合性基は、後述す
るディスコティック液晶性分子の重合性基(Q)と重合
反応させて、ディスコティック液晶性分子とアクリル酸
系コポリマーとを、光学的異方性層と配向膜との界面を
介して化学的に結合させる。従って、重合性基の種類
は、後述するディスコティック液晶性分子の重合性基
(Q)の種類に応じて決定する。ディスコティック液晶
性分子の重合性基(Q)は、後述するように、不飽和重
合性基(後述する例示のQ1〜Q7)、エポキシ基(Q
8)またはアジリジニル基(Q9)であることが好まし
く、不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチ
レン性不飽和重合性基(Q1〜Q6)であることが最も
好ましい。アクリル酸系コポリマーの重合性基も、ディ
スコティック液晶性分子と同様に、不飽和重合性基、エ
ポキシ基またはアジリジニル基であることが好ましく、
不飽和重合性基であることがさらに好ましく、エチレン
性不飽和重合性基であることが最も好ましい。
を介して連結することが好ましい。連結基の例には、−
CO−、−CO−O−、−CO−NH−、−CO−NH
−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基−O
−、−CO−NH−アルキレン基−CO−O−、−CO
−NH−アルキレン基−O−CO−、−CO−NH−ア
ルキレン基−CO−NH−、−CO−アルキレン基−O
−CO−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−
O−CO−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基
−O−、−CO−アリーレン基−O−アルキレン基−お
よび−CO−アルキレン基−O−CO−が含まれる(左
側が主鎖に結合し、右側が重合性基に結合する)。上記
アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよ
い。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であるこ
とが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、
1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12で
あることが最も好ましい。上記アリーレン基は、フェニ
レンまたはナフチレンであることが好ましく、フェニレ
ンであることがさらに好ましく、p−フェニレンである
ことが最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有して
いてもよい。アリーレン基の置換基の例には、ハロゲン
原子(F、Cl、Br)、カルボキシル、シアノ、ニト
ロ、カルバモイル、スルファモイル、アルキル基、シク
ロアルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アシル
基、アシルオキシ基、アルキル置換カルバモイル基、ア
ルキル置換スルファモイル基、アミド基、スルホンアミ
ド基およびアルキルスルホニル基が含まれる。
い。アルキル基の炭素原子数は、1乃至20であること
が好ましく、1乃至15であることがより好ましく、1
乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6である
ことが最も好ましい。上記シクロアルキル基は、シクロ
ヘキシルであることが好ましい。上記アルコキシ基は、
分岐を有していてもよい。アルコキシ基の炭素原子数
は、1乃至20であることが好ましく、1乃至15であ
ることがより好ましく、1乃至10であることがさらに
好ましく、1乃至6であることが最も好ましい。上記ア
ルキルチオ基は、分岐を有していてもよい。アルキルチ
オ基の炭素原子数は、1乃至20であることが好まし
く、1乃至15であることがより好ましく、1乃至10
であることがさらに好ましく、1乃至6であることが最
も好ましい。上記アシル基の炭素原子数は、2乃至20
であることが好ましく、2乃至15であることがより好
ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2乃
至6であることが最も好ましい。上記アシルオキシ基の
炭素原子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃
至15であることがより好ましく、2乃至10であるこ
とがさらに好ましく、2乃至6であることが最も好まし
い。
子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15
であることがより好ましく、2乃至10であることがさ
らに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。ア
ルキル置換カルバモイル基のアルキル部分は、さらに置
換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。上記ア
ルキル置換スルファモイル基の炭素原子数は、2乃至2
0であることが好ましく、2乃至15であることがより
好ましく、2乃至10であることがさらに好ましく、2
乃至6であることが最も好ましい。アルキル置換スルフ
ァモイル基のアルキル部分は、さらに置換基(例、アル
コキシ基)を有していてもよい。上記アミド基の炭素原
子数は、2乃至20であることが好ましく、2乃至15
であることがより好ましく、2乃至10であることがさ
らに好ましく、2乃至6であることが最も好ましい。上
記スルホンアミド基の炭素原子数は、1乃至20である
ことが好ましく、1乃至15であることがより好まし
く、1乃至10であることがさらに好ましく、1乃至6
であることが最も好ましい。上記アルキルスルホニル基
の炭素原子数は、1乃至20であることが好ましく、1
乃至15であることがより好ましく、1乃至10である
ことがさらに好ましく、1乃至6であることが最も好ま
しい。アルキルスルホニル基のアルキル部分は、さらに
置換基(例、アルコキシ基)を有していてもよい。
よい。重合性基は、側鎖に重合性基を有する繰り返し単
位としてアクリル酸系コポリマーに導入するか、あるい
は、前記式(II)の繰り返し単位に重合性基を導入す
る。側鎖に重合性基を有する繰り返し単位は、下記式
(III)で表されることが好ましい。
はメチルである。式(III)において、L11は、−NH−
アルキレン基−O−CO−、−アルキレン基−O−CO
−、−O−アルキレン基−O−CO−、−O−アリーレ
ン基−O−アルキレン基−O−CO−、−O−アリーレ
ン基−O−アルキレン基−、−O−アリーレン基−O
−、−NH−アルキレン基−O−CO−、−NH−アル
キレン基−O−および−NH−アルキレン基−からなる
群より選ばれる連結基である。−NH−アルキレン基−
O−CO−、−アルキレン基−O−CO−、−O−アル
キレン基−O−CO−、−O−アリーレン基−O−アル
キレン基−O−CO−、−O−アリーレン基−O−およ
び−NH−アルキレン基−O−CO−が好ましく、−N
H−アルキレン基−O−CO−が特に好ましい。上記ア
ルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよ
い。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であるこ
とが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、
1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12で
あることが最も好ましい。上記アリーレン基は、フェニ
レンまたはナフチレンであることが好ましく、フェニレ
ンであることがさらに好ましく、p−フェニレンである
ことが最も好ましい。アリーレン基は、置換基を有して
いてもよい。アリーレン基の置換基の例は、前述したア
リーレン基の置換基の例と同様である。式(III)におい
て、Qは、重合性基である。重合性基は、前述したよう
に、液晶性分子の重合性基(Q)と同様の基であること
が好ましい。以下に、側鎖に重合性基を有する繰り返し
単位の例を示す。
クリル酸系コポリマーに導入する場合、アクリル酸系コ
ポリマーは側鎖に重合性基を有する繰り返し単位を0.
1乃至10モル%含むことが好ましく、3乃至5モル%
の範囲で含むことがさらに好ましい。
合性基は、芳香族環または芳香族性複素環の置換基であ
ることが好ましく、最も末端側の芳香族環または芳香族
性複素環の置換基であることが特に好ましい。芳香族環
または芳香族性複素環と重合性基とは、直結せずに、連
結基を介して連結することが好ましい。連結基の例に
は、−O−、−CO−、−O−CO−、−CO−O−、
−O−CO−O−、−CO−NH−、−SO2 −NH
−、−NH−CO−、−NH−CO−O−、−NH−S
O2 −、−アルキレン基−、−アルケニレン基−、−ア
ルキニレン基−、−O−アルキレン基−および−アルキ
レン基−O−が含まれる(左側が芳香族環または芳香族
性複素環に結合し、右側が重合性基に結合する)。上記
アルキレン基は、分岐または環状構造を有していてもよ
い。アルキレン基の炭素原子数は、1乃至30であるこ
とが好ましく、1乃至20であることがより好ましく、
1乃至15であることがさらに好ましく、1乃至12で
あることが最も好ましい。上記アルケニレン基およびア
ルキニレン基は、分岐または環状構造を有していてもよ
い。アルケニレン基およびアルキニレン基の炭素原子数
は、2乃至30であることが好ましく、2乃至20であ
ることがより好ましく、2乃至15であることがさらに
好ましく、2乃至12であることが最も好ましい。芳香
族環または芳香族性複素環は、二以上の重合性基を置換
基として有していてもよい。前記式(II)の繰り返し単
位に重合性基を導入した繰り返し単位は、下記式(IV)
で表されることが好ましい。
はメチルである。式(IV)において、L21は、単結合、
−CO−、−CO−NH−、−アルキレン基−、−CO
−NH−アルキレン基−、−CO−NH−アルキレン基
−O−、−CO−NH−アルキレン基−CO−O−およ
び−CO−NH−アルキレン基−CO−NH−からなる
群より選ばれる連結基である。−CO−、−CO−NH
−および−アルキレン基−であることが好ましく、−C
O−NH−であることが特に好ましい。上記アルキレン
基は、分岐または環状構造を有していてもよい。アルキ
レン基の炭素原子数は、1乃至30であることが好まし
く、1乃至20であることがより好ましく、1乃至15
であることがさらに好ましく、1乃至12であることが
特に好ましい。
びL25は、それぞれ独立に、単結合、−O−、−CO
−、−O−CO−、−CO−O−、−O−CO−O−、
−CO−NH−、−SO2 −NH−、−NH−CO−、
−NH−CO−O−、−NH−SO2 −、−アルキレン
基−、−アルケニレン基−、−アルキニレン基−、−O
−アルキレン基−および−アルキレン基−O−からなる
群より選ばれる連結基である。L22、L23およびL24の
うち少なくとも一つは、単結合または−アルキニレン基
−であることが好ましい。
23およびAr24は、それぞれ独立に、芳香族環または芳
香族性複素環である。ベンゼン環であることが好まし
い。Ar21、Ar22およびAr23は、p−フェニレンで
あることが特に好ましい。芳香環または芳香族性複素環
は、置換基を有していてもよい。置換基の例は、式(V
I)の芳香環または芳香族性複素環の置換基の例と同様
である。式(IV)において、qおよびrは、それぞれ、
0または1である。qが0または1で、rが0(芳香環
または芳香族性複素環の数が2または3)であることが
好ましく、qおよびrは、何れも0(芳香環または芳香
族性複素環の数が2)であることが特に好ましい。式
(IV)において、pは、1、2または3である。pは、
1または2であることが好ましく、1であることがさら
に好ましい。以下に、側鎖に芳香族環または芳香族性複
素環を2乃至4個と重合性基とを有する繰り返し単位の
例を示す。
ル酸系コポリマーを用いてもよい。例えば、式(I)、
(II)および(III)の繰り返し単位を組み合わせたアク
リル酸系コポリマー、式(I)、(III)および(IV)の
繰り返し単位を組み合わせたアクリル酸系コポリマー、
あるいは式(I)、(II)、(III)および(IV)の繰り
返し単位を組み合わせたアクリル酸系コポリマーも使用
することができる。
用してもよい。アクリル酸系コポリマーを架橋させて使
用することもできる。架橋反応は、配向膜の塗布液の塗
布と同時または塗布後に実施することが好ましい。例え
ば、架橋剤を用いて、アクリル酸系コポリマーのカルボ
キシル基と架橋剤との架橋反応により、アクリル酸系コ
ポリマーを架橋させることができる。架橋剤について
は、山下晋三、金子東助編「架橋剤ハンドブック」(大
成社)に詳細が記載されている。架橋剤の例には、メチ
ロールフェノール樹脂、アミノ樹脂(例えば、メラミ
ン、ベンゾクアナミンあるいは尿素に、ホルムアルデヒ
ドあるいはアルコールを付加重合させてなる樹脂)、ア
ミン化合物、トリアジン化合物、イソシアナート化合
物、エポキシ化合物、金属酸化物、金属ハロゲン化合
物、有機金属ハロゲン化合物、有機酸金属塩、金属アル
コキシド、およびオキサゾリン基を含む化合物が含まれ
る。架橋剤の使用量は、配向膜の塗布量の0.1乃至2
0質量%であることが好ましく、0.5乃至15質量%
であることがさらに好ましい。なお、未反応のまま配向
膜中に残存する架橋剤の量は、配向膜の塗布量の1.0
質量%以下であることが好ましく、0.5質量%以下で
あることがさらに好ましい。
して塗布層を形成し、塗布層の表面をラビング処理する
ことにより得られる。ラビング処理は、ポリマー塗布層
の表面を、紙や布で一定方向(通常は長手方向)に、数
回こすることにより実施する。なお、アクリル酸系コポ
リマーの前駆体を塗布し、塗布後に縮合反応を行わせる
目的で、ラビング処理前に加熱処理を実施する場合もあ
る。配向膜の厚さは、0.01乃至10μmであること
が好ましく、0.05乃至5μmであることがさらに好
ましく、0.1乃至1μmであることが最も好ましい。
なお、配向膜を用いて、光学的異方性層のディスコティ
ック液晶性分子を配向させてから、光学的異方性層を透
明支持体上に転写してもよい。配向状態で固定されたデ
ィスコティック液晶性分子は、配向膜がなくても配向状
態を維持することができる。
リマーの溶液からなる塗布液を塗布して塗布膜を形成す
る工程;その塗布膜を乾燥する工程;乾燥した塗布膜の
表面をラビング処理する工程;そして、ラビング処理し
た後の塗布膜を加熱する工程、によって製造することが
好ましい。ラビング処理後の塗布膜の加熱では、加熱温
度が、50乃至300℃の範囲であることが好ましく、
50乃至250℃の範囲であることがさらに好ましく、
100乃至250℃の範囲であることがさらに好まし
い。加熱方法としては、透明支持体上の塗布膜を上記温
度に設定した加熱用担体に接触させる方法、塗布膜を有
する透明支持体を上記温度に設定した箱状容器内に放置
する方法、上記温度の気体(大気であることが好まし
い)を透明支持体上の塗布膜に直接、ラビング方向に沿
って吹き付ける方法等を用いることができる。加熱用担
体としては、ホットプレートを用いることが好ましい。
加熱処理の時間は、処理温度によって決定される。加熱
処理は、温度が低いほど、長い時間を要する。100℃
で加熱処理を行う場合には、1乃至30分の範囲、13
0℃で行う場合には、30秒乃至10分の範囲、160
℃で行う場合には、10秒乃至3分の範囲の時間を要す
る。ラビング処理後に加熱処理を開始するまでの時間
は、1週間以内であることが好ましく、3日以内である
ことがさらに好ましく、3時間以内であることが最も好
ましい。
ィスコティック液晶性分子から形成する。ディスコティ
ック液晶性分子は、上記の配向膜を用いて、ディスコテ
ィック液晶性分子の円盤面を、配向膜に対して実質的に
垂直(50乃至90度の範囲の平均傾斜角)に配向させ
る。ディスコティック液晶性分子は、垂直(ホモジニア
ス)配向状態のまま光学的異方性層内で固定することが
好ましい。ディスコティック液晶性分子は、重合反応に
より固定することがさらに好ましい。ディスコティック
液晶性分子は、様々な文献(C. Destrade et al., Mol.
Crysr. Liq. Cryst., vol. 71, page 111 (1981) ;日
本化学会編、季刊化学総説、No.22、液晶の化学、
第5章、第10章第2節(1994);B. Kohne et al., Ang
ew. Chem. Soc. Chem. Comm., page 1794 (1985);J. Z
hang et al., J. Am.Chem. Soc., vol. 116, page 2655
(1994))に記載されている。ディスコティック液晶性
分子の重合については、特開平8−27284公報に記
載がある。
固定するためには、ディスコティック液晶性分子の円盤
状コアに、置換基として重合性基を結合させる必要があ
る。ただし、円盤状コアに重合性基を直結させると、重
合反応において配向状態を保つことが困難になる。そこ
で、円盤状コアと重合性基との間に、連結基を導入す
る。従って、重合性基を有するディスコティック液晶性
分子は、下記式で表わされる化合物であることが好まし
い。
り;Qは重合性基であり;そして、nは4乃至12の整
数である。上記式の円盤状コア(D)の例を以下に示
す。以下の各例において、LQ(またはQL)は、二価
の連結基(L)と重合性基(Q)との組み合わせを意味
する。
アルキレン基、アルケニレン基、アリーレン基、−CO
−、−NH−、−O−、−S−およびそれらの組み合わ
せからなる群より選ばれる二価の連結基であることが好
ましい。二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケ
ニレン基、アリーレン基、−CO−、−NH−、−O−
および−S−からなる群より選ばれる二価の基を少なく
とも二つ組み合わせた基であることがさらに好ましい。
二価の連結基(L)は、アルキレン基、アルケニレン
基、アリーレン基、−CO−および−O−からなる群よ
り選ばれる二価の基を少なくとも二つ組み合わせた基で
あることが最も好ましい。アルキレン基の炭素原子数
は、1乃至12であることが好ましい。アルケニレン基
の炭素原子数は、2乃至12であることが好ましい。ア
リーレン基の炭素原子数は、6乃至10であることが好
ましい。アルキレン基、アルケニレン基およびアリーレ
ン基は、置換基(例、アルキル基、ハロゲン原子、シア
ノ、アルコキシ基、アシルオキシ基)を有していてもよ
い。二価の連結基(L)の例を以下に示す。左側が円盤
状コア(D)に結合し、右側が重合性基(Q)に結合す
る。ALはアルキレン基またはアルケニレン基を意味
し、ARはアリーレン基を意味する。
− L15:−O−AL−S−AL− L16:−O−CO−AL−AR−O−AL−O−CO− L17:−O−CO−AR−O−AL−CO− L18:−O−CO−AR−O−AL−O−CO− L19:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−C
O− L20:−O−CO−AR−O−AL−O−AL−O−A
L−O−CO− L21:−S−AL− L22:−S−AL−O− L23:−S−AL−O−CO− L24:−S−AL−S−AL− L25:−S−AR−AL−
類に応じて決定する。重合性基(Q)の例を以下に示
す。
〜Q7)、エポキシ基(Q8)またはアジリジニル基
(Q9)であることが好ましく、不飽和重合性基である
ことがさらに好ましく、エチレン性不飽和重合性基(Q
1〜Q6)であることが最も好ましい。前記式におい
て、nは4乃至12の整数である。具体的な数字は、デ
ィスコティックコア(D)の種類に応じて決定される。
なお、複数のLとQの組み合わせは、異なっていてもよ
いが、同一であることが好ましい。二種類以上のディス
コティック液晶性分子を併用してもよい。例えば、重合
性基(Q)を有する分子と有していない分子(非重合性
ディスコティック液晶性分子)を併用してもよい。
前述した重合性ディスコティック液晶性分子の重合性基
(Q)を、水素原子またはアルキル基に変更した化合物
であることが好ましい。すなわち、非重合性ディスコテ
ィック液晶性分子は、下記式で表わされる化合物である
ことが好ましい。 D(−L−R)n 式中、Dは円盤状コアであり;Lは二価の連結基であ
り;Rは水素原子またはアルキル基であり;そして、n
は4乃至12の整数である。上記式の円盤状コア(D)
の例は、LQ(またはQL)をLR(またはRL)に変
更する以外は、前記の重合性ディスコティック液晶分子
の例と同様である。また、二価の連結基(L)の例も、
前記の重合性ディスコティック液晶分子の例と同様であ
る。Rのアルキル基は、炭素原子数が1乃至40である
ことが好ましく、1乃至30であることがさらに好まし
い。環状アルキル基よりも鎖状アルキル基の方が好まし
く、分岐を有する鎖状アルキル基よりも直鎖状アルキル
基の方が好ましい。Rは、水素原子または炭素原子数が
1乃至30の直鎖状アルキル基であることが特に好まし
い。
においても、実質的に垂直(ホモジニアス)かつ均一に
配向させるため、含フッ素界面活性剤またはセルロース
エステルを光学的異方性層に添加することができる。含
フッ素界面活性剤は、フッ素原子を含む疎水性基、ノニ
オン性、アニオン性、カチオン性あるいは両性の親水性
基および任意に設けられる連結基からなる。フッ素原子
を含む疎水性基または親水性基を二以上有する含フッ素
界面活性剤を用いてもよい。二種類以上の含フッ素界面
活性剤を併用してもよい。含フッ素界面活性剤について
は、様々な文献(例、堀口弘著「新界面活性剤」三共出
版(1975)、M.J. Schick, Nonionic Surfactants, Marce
ll Dekker Inc., New York, (1967)、特開平7−132
93号公報)に記載がある。含フッ素界面活性剤は、デ
ィスコティック液晶性分子の量の0.01乃至30質量
%の範囲であることが好ましく、0.05乃至10質量
%であることがさらに好ましく、0.1乃至5質量%で
あることがさらに好ましい。
の低級脂肪酸エステルを用いることが好ましい。セルロ
ースの低級脂肪酸エステルにおける「低級脂肪酸」と
は、炭素原子数が6以下の脂肪酸を意味する。炭素原子
数は、2乃至5であることが好ましく、2乃至4である
ことがさらに好ましい。脂肪酸には置換基(例、ヒドロ
キシ)が結合していてもよい。二種類以上の脂肪酸がセ
ルロースとエステルを形成していてもよい。セルロース
エステルは、0.005乃至0.5g/m2 の範囲の量
で使用することが好ましく、0.01乃至0.45g/
m2 の範囲であることがより好ましく、0.02乃至
0.4/m2 の範囲であることがさらに好ましく、0.
03乃至0.35/m2 の範囲であることが最も好まし
い。また、ディスコティック液晶性分子の量の0.1乃
至5質量%の量で使用することも好ましい。
性分子、さらに必要に応じて含フッ素界面活性剤、セル
ロースエステル、あるいは下記の重合開始剤や他の添加
剤を含む塗布液を、配向膜の上に塗布することで形成す
る。塗布液の調製に使用する溶媒としては、有機溶媒が
好ましく用いられる。有機溶媒の例には、アミド(例、
N,N−ジメチルホルムアミド)、スルホキシド(例、
ジメチルスルホキシド)、ヘテロ環化合物(例、ピリジ
ン)、炭化水素(例、ベンゼン、ヘキサン)、アルキル
ハライド(例、クロロホルム、ジクロロメタン)、エス
テル(例、酢酸メチル、酢酸ブチル)、ケトン(例、ア
セトン、メチルエチルケトン)、エーテル(例、テトラ
ヒドロフラン、1,2−ジメトキシエタン)が含まれ
る。アルキルハライドおよびケトンが好ましい。二種類
以上の有機溶媒を併用してもよい。
しコーティング法、ダイレクトグラビアコーティング
法、リバースグラビアコーティング法、ダイコーティン
グ法、バーコーティング法)により実施できる。実質的
に垂直(ホモジニアス)配向させたディスコティック液
晶性分子は、配向状態を維持して固定する。固定化は、
ディスコティック液晶性分子に導入した重合性基(Q)
の重合反応により実施することが好ましい。重合反応に
は、熱重合開始剤を用いる熱重合反応と光重合開始剤を
用いる光重合反応とが含まれる。光重合反応が好まし
い。光重合開始剤の例には、α−カルボニル化合物(米
国特許2367661号、同2367670号の各明細
書記載)、アシロインエーテル(米国特許244882
8号明細書記載)、α−炭化水素置換芳香族アシロイン
化合物(米国特許2722512号明細書記載)、多核
キノン化合物(米国特許3046127号、同2951
758号の各明細書記載)、トリアリールイミダゾール
ダイマーとp−アミノフェニルケトンとの組み合わせ
(米国特許3549367号明細書記載)、アクリジン
およびフェナジン化合物(特開昭60−105667号
公報、米国特許4239850号明細書記載)およびオ
キサジアゾール化合物(米国特許4212970号明細
書記載)が含まれる。
の0.01乃至20質量%であることが好ましく、0.
5乃至5質量%であることがさらに好ましい。ディスコ
ティック液晶性分子の重合のための光照射は、紫外線を
用いることが好ましい。照射エネルギーは、20mJ/
cm2 乃至50J/cm2 であることが好ましく、10
0乃至2000mJ/cm2 であることがさらに好まし
い。光重合反応を促進するため、加熱条件下で光照射を
実施してもよい。光学的異方性層の厚さは、0.1乃至
50μmであることが好ましく、1乃至30μmである
ことがさらに好ましく、5乃至20μmであることが最
も好ましい。なお、液晶表示装置に光学補償シートを二
枚用いる場合は、一枚使用する場合に必要とされる光学
的異方性層の厚さ(上記の好ましい範囲)の半分の厚さ
でよい。光学的異方性層内のディスコティック液晶性分
子の平均傾斜角度は、50乃至90度である。傾斜角度
は、なるべく均一であることが好ましい。ただし、傾斜
角度が光学的異方性層の厚み方向に沿って連続して変化
しているならば、若干の変動があっても問題ない。
が配向膜のラビング方向に対して平行であるとは、光学
的異方性層内の、配向膜近傍のディスコティック液晶性
分子がラビング方向に対して上記の関係を有することを
いう。従って、配向膜近傍において上記の関係を有して
いるならば、配向膜表面から空気界面方向に対してディ
スコティック液晶性分子が若干ねじれ配向していてもよ
い。光学的異方性層を設けることにより、光学的異方性
シート全体のレターデーションを調整することが好まし
い。光学的異方性シート全体の面内レターデーション
(Re)は、20乃至200nmであることが好まし
く、20乃至100nmであることがさらに好ましく、
20乃至70nmであることが最も好ましい。光学的異
方性シート全体の厚み方向のレターデーション(Rth)
は、70乃至500nmであることが好ましく、70至
400mであることがより好ましく、70乃至300n
mであることがさらに好ましい。光学的異方性シートの
面内レターデーション(Re)と厚み方向のレターデー
ション(Rth)は、それぞれ下記式で定義される。 Re=(nx−ny)×d Rth=[{(nx+ny)/2}−nz]×d 式中、nxおよびnyは、光学的異方性シートの面内屈
折率であり、nzは光学的異方性シートの厚み方向の屈
折率であり、そしてdは光学的異方性シートの厚さであ
る。光学的異方性層と、前述した光学的一軸性または光
学的二軸性を有する透明支持体とを組み合わせること
で、光学的異方性シート全体のレターデーションを調整
することもできる。
二色性染料を用いる染料系偏光膜やポリエン系偏光膜が
ある。ヨウ素系偏光膜および染料系偏光膜は、一般にポ
リビニルアルコール系フイルムを用いて製造する。偏光
膜の透過軸は、フイルムの延伸方向に垂直な方向に相当
する。偏光膜の透過軸は、ディスコティック液晶性分子
の光軸方向を透明支持体面に投影して得られる線の平均
方向と、実質的に垂直になるように配置する。
なポリマーフイルムが用いられる。保護膜が透明である
とは、光透過率が80%以上であることを意味する。透
明保護膜としては、一般にセルロースエステルフイル
ム、好ましくはトリアセチルセルロースフイルムが用い
られる。セルロースエステルフイルムは、ソルベントキ
ャスト法により形成することが好ましい。透明保護膜の
厚さは、20乃至500μmであることが好ましく、5
0乃至200μmであることがさらに好ましい。
ードの液晶セルに適用できる。前述したように、液晶性
分子を用いた光学補償シートは、TN(Twisted Nemati
c)、IPS(In-Plane Switching)、FLC(Ferroel
ectric Liquid Crystal)、OCB(OpticallyCompensa
tory Bend)、STN(Supper Twisted Nematic)、V
A(VerticallyAligned)、ECB(Electrically Cont
rolled Birefringence )およびHAN(Hybrid Aligne
d Nematic)モードの液晶セルに対応するものが既に提
案されている。本発明の光学的異方性シートは、ディス
コティック液晶性分子の光軸と偏光膜の透過軸とを実質
的に垂直になるように配置する(光学補償シート全体の
遅相軸方向と偏光膜の透過軸とを実質的に平行になるよ
うに配置する)ことが好ましい液晶表示装置、例えば、
TNモードやVAモードの液晶表示装置に、光学補償シ
ートとして用いることが好ましい。本発明は、VAモー
ドの液晶表示装置において、特に効果がある。VAモー
ドの液晶セルには、(1)棒状液晶性分子を電圧無印加
時に実質的に垂直に配向させ、電圧印加時に実質的に水
平に配向させる狭義のVAモードの液晶セル(特開平2
−176625号公報記載)に加えて、(2)視野角拡
大のため、VAモードをマルチドメイン化した(MVA
モードの)液晶セル(SID97、Digest of tech. Pa
pers(予稿集)28(1997)845記載)、(3)
棒状液晶性分子を電圧無印加時に実質的に垂直配向さ
せ、電圧印加時にねじれマルチドメイン配向させるモー
ド(n−ASMモード)の液晶セル(日本液晶討論会の
予稿集58〜59(1998)記載)および(4)SU
RVAIVALモードの液晶セル(LCDインターナシ
ョナル98で発表)が含まれる。
リエチルアミンであるアクリル酸系コポリマー(PA2
10X)を、メタノールと水との混合溶媒(質量比=3
0/70)に溶解して4質量%溶液を調製した。
基板上に1μmの厚さに塗布した。塗布層を120℃で
5分間乾燥し、その表面をラビング処理して配向膜を形
成した。配向膜上に、以下の組成の塗布液をバーコータ
を用いて2μmの厚さに塗布した。
スコティック液晶性化合物を実質的に垂直に配向させ
た。その温度で、4秒間紫外線を照射し、ディスコティ
ック液晶性化合物を重合させ、配向状態を固定した。作
製した光学的異方性シートの配向性およびディスコティ
ック液晶性化合物のディレクタ(光軸=円盤状コア平面
の法線方向)を偏光顕微鏡を用いて観察したところ、デ
ィレクターは、配向膜のラビング方向と直交していた。
また、エリプソメータを用いて、面内レターデーション
(Re)を測定し、その角度依存性から平均傾斜角を求
めたところ89゜であった。
(その対イオン(中和剤)を含む)およびディスコティ
ック液晶性化合物を第1表に示すように変更した以外
は、参考例1と同様にして、光学的異方性シートを作製
した。なお、アクリル酸系コポリマーの「X」は対イオ
ン(中和剤)がトリエチルアミンであることを意味し、
「Y」は対イオン(中和剤)がアンモニアであることを
意味する。作製した光学的異方性シートの配向性および
ディスコティック液晶性化合物のディレクター(光軸=
円盤状コア平面の法線方向)を偏光顕微鏡を用いて観察
したところ、ディレクターはいずれも配向膜のラビング
方向と直交していた。また、エリプソメータを用いて、
面内レターデーション(Re)を測定し、その角度依存
性から平均傾斜角を求めた。結果を第1表に示す。
イオン(中和剤がアルカリ金属の水酸化物)であるアク
リル酸系コポリマーを第2表に示すように用い、ディス
コティック液晶性化合物を第2表に示すように変更した
以外は、参考例1と同様にして、光学的異方性シートを
作製した。なお、アクリル酸系コポリマーの「Na」は
対イオン(中和剤)がナトリウムイオン(水酸化ナトリ
ウム)であることを意味し、「K」は対イオン(中和
剤)がカリウムイオン(水酸化カリウム)であることを
意味し、「Li」は対イオン(中和剤)がリチウムイオ
ン(水酸化リチウム)であることを意味し、「Cs」は
対イオン(中和剤)がセシウムイオン(水酸化セシウ
ム)であることを意味する。作製した光学的異方性シー
トの配向性およびディスコティック液晶性化合物のディ
レクター(光軸=円盤状コア平面の法線方向)を偏光顕
微鏡を用いて観察したところ、ディレクターはいずれも
配向膜のラビング方向と平行であった。また、エリプソ
メータを用いて、面内レターデーション(Re)を測定
し、その角度依存性から平均傾斜角を求めた。結果を第
2表に示す。
ルコールフイルムをヨウ素水溶液中で連続して5倍に延
伸し、乾燥して偏光膜を得た。偏光膜の一方の面に、ケ
ン化処理したロール状セルローストリアセテートフイル
ム(フジタックTD80UF、富士写真フイルム(株)
製)を、他方の面に実施例1で作製し同様にケン化処理
したロール状光学的異方性シートの透明支持体面を、連
続して貼り合わせ、偏光板を作製した。光学的異方性シ
ートの遅相軸(ディスコティック液晶性分子の円盤面方
向)と偏光膜の透過軸とは平行であった。言い換える
と、ディスコティック液晶性分子の光軸と偏光膜の透過
軸とは垂直であった。
図である。
図である。
トとの貼り合わせ工程を示す模式図である。
液晶性分子の配向状態を示す模式図である。
Claims (11)
- 【請求項1】 ディスコティック液晶性分子から形成さ
れた光学的異方性層、ラビング処理された配向膜および
透明支持体を、この順序で有する光学的異方性シートで
あって、ディスコティック液晶性分子が50乃至90度
の平均傾斜角で、かつディスコティック液晶性分子の光
軸の平均方向が配向膜のラビング方向に対して実質的に
平行となるように配向していることを特徴とする光学的
異方性シート。 - 【請求項2】 透明支持体が長手方向を有し、ディスコ
ティック液晶性分子の光軸の平均方向が、透明支持体の
長手方向に対して実質的に平行である請求項1に記載の
光学的異方性シート。 - 【請求項3】 透明支持体が長手方向を有し、配向膜の
ラビング方向が、透明支持体の長手方向に対して実質的
に平行である請求項1に記載の光学的異方性シート。 - 【請求項4】 ディスコティック液晶性分子から形成さ
れた光学的異方性層、ラビング処理された配向膜、透明
支持体、偏光膜および透明保護膜をこの順に有するロー
ル状の偏光板であって、ディスコティック液晶性分子が
50乃至90度の平均傾斜角で、かつディスコティック
液晶性分子の光軸の平均方向が配向膜のラビング方向に
対して実質的に平行となるように配向していることを特
徴とする偏光板。 - 【請求項5】 ディスコティック液晶性分子の光軸の平
均方向が、偏光板の長手方向に対して実質的に平行であ
る請求項4に記載の偏光板。 - 【請求項6】 配向膜のラビング方向が、偏光板の長手
方向に対して実質的に平行である請求項4に記載の偏光
板。 - 【請求項7】 偏光膜の透過軸が、偏光板の長手方向に
対して実質的に垂直である請求項4に記載の偏光板。 - 【請求項8】 支持体上に、下記式(I)で表される繰
り返し単位と、下記式(II)で表される繰り返し単位と
を含むコポリマーの溶液を塗布して塗布膜を形成する工
程;塗布膜の表面をラビング処理して配向膜とする工
程;そして、配向膜の上にディスコティック液晶性分子
を含む塗布液を塗布する工程により、50乃至90度の
平均傾斜角で、かつディスコティック液晶性分子の光軸
の平均方向が配向膜のラビング方向に対して実質的に平
行となるようにディスコティック液晶性分子を配向させ
る方法: 【化1】 [式中、R1 およびR2 は、それぞれ独立に、水素原
子、ハロゲン原子または炭素原子数が1乃至6のアルキ
ル基であり;Mは、アルカリ金属イオンであり;L
1 は、−O−、−CO−、−NH−、アルキレン基およ
びそれらの組み合わせからなる群より選ばれる二価の連
結基であり;L2 、L3 およびL4 は、それぞれ独立
に、単結合であるか、あるいは、−O−、−CO−、−
NH−、−SO2 −、アルキレン基、アルケニレン基、
アルキニレン基およびそれらの組み合わせからなる群よ
り選ばれる二価の連結基であり;Ar1 、Ar2 、Ar
3 およびAr 4 は、それぞれ独立に、置換基を有してい
てもよい芳香族環または芳香族性複素環であり;mおよ
びnは、それぞれ0または1であり;xは、10乃至9
5モル%であり;そして、yは、5乃至90モル%であ
る]。 - 【請求項9】 L2 、L3 およびL4 のうち、少なくと
も一つがエチニレンである請求項8に記載のディスコテ
ィック液晶性分子を配向させる方法。 - 【請求項10】 ディスコティック液晶性分子が重合性
基を有し、ディスコティック液晶性分子を配向させた
後、ディスコティック液晶性分子を重合させて配向状態
を固定する請求項8に記載のディスコティック液晶性分
子を配向させる方法。 - 【請求項11】 コポリマーが重合性基を有し、ディス
コティック液晶性分子を配向させた後、ディスコティッ
ク液晶性分子とコポリマーとを重合させて配向状態を固
定する請求項10に記載のディスコティック液晶性分子
を配向させる方法。
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