JP2002090350A - 磁歪体含有構造物の非破壊検査方法 - Google Patents

磁歪体含有構造物の非破壊検査方法

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JP2002090350A JP2000275934A JP2000275934A JP2002090350A JP 2002090350 A JP2002090350 A JP 2002090350A JP 2000275934 A JP2000275934 A JP 2000275934A JP 2000275934 A JP2000275934 A JP 2000275934A JP 2002090350 A JP2002090350 A JP 2002090350A
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雅弘 西川
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 トンネル等の鉄筋コンクリート構造物及びそ
の他の磁歪体含有構造物内の欠陥や内部構造を確実に検
出できる磁歪体含有構造物の非破壊検査方法を実現す
る。 【解決手段】 本発明に係る磁歪体含有構造物の非破壊
検査方法は、磁歪体含有構造物内の磁歪体に変動磁場Δ
B(t)を外部から印加し、この変動磁場ΔB(t)に
よる磁歪効果を通して磁歪体を微小振動させ、この磁歪
体を超音波振動源として磁歪体含有構造物内に超音波を
伝播させ、磁歪体含有構造物の表面で超音波を検出して
磁歪体含有構造物内の構造を検出することを特徴とす
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はトンネル、橋脚、ビ
ル骨格等の鉄筋コンクリート構造物及びその他の磁歪体
含有構造物の非破壊検査方法に関し、更に詳細には、構
造物内部の鉄筋などの磁歪体に変動磁場を印加して微小
振動を起こさせ、構造物内部を伝播してきた超音波を検
出して構造内部を探知する磁歪体含有構造物の非破壊検
査方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、トンネル、橋脚、ダム、建物骨
格、高速道路構造物などの鉄筋コンクリート構造物は長
期に亘る耐久性と安全性を有するものと信じられてき
た。その結果、土木建築においては鉄筋コンクリート構
造又は鉄骨鉄筋コンクリート構造を採用するのが常道で
あった。
【0003】図7に示すように、鉄筋コンクリート構造
物2は鉄筋4とコンクリート構造物6とが一体に組み合
わされて構成される。その構造的原理は、各部材に働く
圧縮力をコンクリート構造物6が支持し、鉄筋4はコン
クリートの引張応力の弱点をカバーしてそれを負担し、
両者一体となって他の剪断力などの外力にも対抗しよう
とするものである。
【0004】他に鉄骨鉄筋コンクリート構造物もある
が、これは鉄骨架構を鉄筋コンクリートが被覆・補強し
た構造であり、外力は主に鉄骨が負担し、その周りを取
りまく鉄筋コンクリートは火災時などにおいて鉄骨の被
覆や補強を行なう。従って、コンクリート構造体として
の共通性から、鉄骨鉄筋コンクリート構造物も本発明に
含まれ、少なくとも鉄筋コンクリート構造を有するもの
は本発明の鉄筋コンクリート構造物に包含される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】近年、鉄筋コンクリー
ト構造物の耐久性が疑問視される現象が発見されてい
る。空気中の炭酸ガスや排気ガス中に含まれるNOX
SOXがコンクリートのアルカリ性を中和し、この中性
化が鉄筋表面にまで及ぶと発錆して鉄筋の耐力が下がっ
て危険な状態になる。また、特に注目されているアルカ
リ骨材反応のようにコンクリート自体が脆化してひび割
れなどが生じ、鉄筋コンクリート構造物が崩落する危険
性を指摘する声もある。
【0006】これを裏づけるかのように、最近、鉄道用
トンネル内でコンクリートブロックが崩落したり、コン
クリート壁面にひび割れが生じる現象が発見されてい
る。これは高速道路用トンネルでも生じ得る現象であ
り、崩落中のコンクリートブロックが列車や自動車に落
下・衝突した場合には大事故につながる。
【0007】このコンクリート崩落事故を防止するた
め、鉄道用トンネルの一斉点検が行なわれている。とこ
ろが、そのために用いられる手法は、コンクリート表面
をハンマーでたたいて、崩落すべきものは崩落させ、内
部に亀裂がある場合には反響音でそれを確認しようとす
る極めて原始的な方法である。
【0008】勿論、ハンマー使用と反響音による確認は
有効な方法であるが、点検により安全と判定されたトン
ネル内で、数日後にコンクリートブロックの崩落が確認
される事態も生じている。従って、ハンマー打ちも充分
な方法とは言えない現状である。このような中で、走行
中の列車にトンネル内で落下物が衝突し、窓ガラスが破
損するという危険な事故が現出するに到った。
【0009】従って、本発明の目的は、トンネル等の鉄
筋コンクリート構造物及びその他の類似構造物内の欠陥
や内部構造を確実に検出できる新規で独創的な非破壊検
査方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】請求項1の発明は、磁歪
体含有構造物内の磁歪体に変動磁場を外部から印加し、
この変動磁場による磁歪効果を通して磁歪体を微小振動
させ、この磁歪体を超音波振動源として磁歪体含有構造
物内に超音波を伝播させ、磁歪体含有構造物の表面で超
音波を検出して磁歪体含有構造物内の構造を検出するこ
とを特徴とする磁歪体含有構造物の非破壊検査方法であ
る。
【0011】請求項2の発明は、前記磁歪体含有構造物
内の磁歪体に定常磁場を外部から印加し、この定常磁場
の大きさを変えて前記微小振動の発振感度を調整した請
求項1記載の磁歪体含有構造物の非破壊検査方法であ
る。
【0012】請求項3の発明は、磁歪体含有構造物の表
面に電磁石を配置して前記磁場を印加する請求項1又は
2記載の非破壊検査方法である。
【0013】請求項4の発明は、磁歪体含有構造物の表
面に永久磁石と電磁石を配置し、定常磁場を永久磁石に
より、変動磁場を電磁石により印加する請求項2記載の
非破壊検査方法である。
【0014】請求項5の発明は、磁歪体含有構造物の表
面に超音波検出器を配置して構造物内を伝播してきた超
音波を検出する請求項1又は2記載の非破壊検査方法で
ある。
【0015】請求項6の発明は、磁歪体含有構造物の被
検査領域の全表面を前記超音波検出器により走査する請
求項5記載の非破壊検査方法である。
【0016】請求項7の発明は、前記磁歪体含有構造物
が鉄筋コンクリート構造物であり、前記磁歪体が鉄筋で
ある請求項1ないし6に記載の非破壊検査方法である。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明者は鉄筋コンクリート構造
物の内部構造を非破壊的に検査する新規な方法を鋭意研
究する中で、鉄材が典型的な磁歪物質であることに着眼
し、鉄材に変動磁場を印加すると、鉄材自体が磁歪効果
により変動磁場と同じ振動数で力学的に微小振動するこ
とを想到するに到った。
【0018】鉄筋コンクリート構造物の外部から鉄筋に
変動磁場を付与すると、鉄筋がコンクリート内部で振動
し、この振動がコンクリート内部を伝播して表面に伝わ
る。この振動を超音波領域で生起させると、大気中で騒
音を発生しないから無騒音で作業環境が極めてよくな
り、しかも既存の超音波エレクトロニクス技術を全面的
に利用することが可能になる。
【0019】伝播してきた超音波振動は鉄筋コンクリー
ト構造物の内部構造を反映しているから、この超音波振
動を受信して解析すれば鉄筋コンクリート構造物の内部
構造を非破壊検査することが可能になる。
【0020】つまり、本発明の特徴は、磁歪効果により
構造物内部の材料を超音波振動させて非破壊検査する点
にある。鉄材は有力な磁歪材料であるが、磁歪材料は鉄
に限られるものではない。一般に、磁歪材料は強磁性体
などのように磁歪効果を発現する材料を指称し、金属、
合金、金属含有化合物などからなる。より具体的には、
鉄、コバルト、ニッケル、これらの合金、アルフェロ合
金、フェライト、その他公知の磁歪材料を含む。
【0021】磁歪材料は内部に無数の磁区を有し、この
磁区は自発磁化の方向に歪んでいることが分かってい
る。この磁歪材料に外部磁場を加えると、外部磁場によ
り磁化の方向が回転し、歪みの方向も大きさも変化す
る。即ち、磁化によって磁歪材料が僅かに変形する現象
が磁歪効果であり、外部磁場として変動磁場を印加する
と、この微小変化が変動磁場に応答して振動する。本発
明は、この磁歪体の微小振動を超音波振動源とするもの
である。
【0022】従って、鉄筋コンクリート構造物は本発明
に係る非破壊検査の対象の一例にすぎず、磁歪体を内部
に含有する構造物であれば、全て本発明の非破壊検査の
対象となる。この磁歪体を外部変動磁場によって強制的
に超音波振動させ、伝播してきた超音波を構造物表面で
受信して解析すれば、内部構造を簡単に検出することが
できる。
【0023】磁歪材料の歪みの大きさ、つまり磁歪効果
は外部磁場の大きさに依存する。定常磁場で議論する
と、歪みの大きさは印加される定常磁場がある領域にお
いてピークをとる。従って、変動磁場を印加した際に生
じる微小振動の振幅を大きくするには、定常磁場により
磁歪感度を良好にした状態で変動磁場を印加することが
必要である。このように、定常磁場と変動磁場の合成磁
場を磁歪体に印加することにより、磁歪体含有構造物の
非破壊検査を最適状態で実施することが可能になり、検
出精度の向上を図ることができる。
【0024】定常磁場を印加するには、直流を用いた電
磁石による方法と永久磁石による方法がある。他方、変
動磁場を印加するには交流を用いた電磁石による方法が
ある。従って、定常磁場と変動磁場の合成磁場を印加す
るには、電磁石による方法と、永久磁石と電磁石による
方法がある。
【0025】以下に、本発明に係る磁歪体含有構造物の
非破壊検査方法の実施形態を、鉄筋コンクリート構造物
を例にとって図面に従って詳細に説明する。図1は本発
明の実施形態の一例を示す概要説明図である。鉄筋コン
クリート構造物2は鉄筋4の周囲に所定形状をしたコン
クリート構造物6からなっており、このコンクリート構
造物6の中に検出すべき欠陥7が存在する。
【0026】この鉄筋コクンクリート構造物2の表面2
aに接触させてコ字型鉄芯などの磁芯8が配設されてい
る。この磁芯8には励磁コイル10が巻回され、励磁コ
イル10の両端には直流電源12と交流電源14が直列
接続されている。また、表面2a上には圧電素子などか
らなる超音波検出器16が配置されている。
【0027】前記直流電源12は直流電圧V0 を出力
し、交流電源14は交流電圧△V(t)を出力する。直
流電圧V0 は交流電圧△V(t)の振幅より大きいとす
る。励磁コイル10に加えられる電圧V(t)はV
(t)=V0+△V(t)で与えられるから、励磁コイ
ル10に流れる電流は常に矢印a方向に流れる変動電流
になる。
【0028】この変動電流により、磁芯8の上端8aが
N極、下端8bがS極となり、鉄筋4を通るように外部
に磁力線18が発生する。図2に示すように、前記磁力
線18によって生じる外部磁場はB(t)=B0+△B
(t)で表され、2つの項、即ち定常磁場B0 と変動
磁場△B(t)の合成磁場B(t)となる。つまり、定
常磁場B0 は鉄筋4中で磁力線18の方向を向いている
が、変動磁場△B(t)は磁力線18の方向に上下に振
動する。
【0029】一般に、変動磁場△B(t)は定常磁場B
0 より小さくとるために、△B(t)/B0 は1/3〜
1/50の程度に設定されることが望ましい。また、B
0は2000〜8000ガウス、△B(t)の振動数は
0.1〜2.0MHz程度が望ましい。しかし、これら
の数値は磁歪体の材料や構造物の厚みや幾何学的形状に
依存し、上記範囲に制限されるものでないことは当然で
ある。
【0030】図3は定常磁場B0と鉄筋の定常歪みF0
の関係図である。定常磁場B0は磁束密度で与えられて
いる。この図から分かるように、定常歪みF0は最適磁
場B0 mで最大ピークとなる。この最適磁場B0mを定常磁
場として印加しながら変動磁場ΔBを同時に印加したと
きに、変動磁場ΔBによる変動歪みΔF(t)の振幅は
最大になる。
【0031】図4は変動歪みΔF(t)の時間変化を示
す。この変動歪みΔF(t)の最大振幅がΔF0であ
り、この最大振幅ΔF0は最適磁場B0mを印加すること
によって実現される。図1には、鉄筋4の周方向に変動
歪みΔF(t)が作用することが示されており、この変
動歪みΔF(t)によって超音波がコンクリート構造体
6の内部に伝播される。
【0032】変動歪みΔF(t)による鉄筋4の径方向
への歪み率は10−8〜10−9程度であるが、歪み率
の大きさは変動磁場△B(t)の大きさに依存する。い
ずれにしても、鉄筋4が発振源となり、コンクリート構
造物6中を超音波が伝播し、この中の欠陥7による超音
波の反射、屈折、散乱等を超音波検出器16により検出
して、欠陥7を探知する。
【0033】図5は超音波検出器16による非破壊検査
の概要説明図である。鉄筋4が超音波振動しているため
に、コンクリート構造物6中を超音波が半径方向に伝播
している。超音波検出器16が位置Aにあるとき、欠陥
がないため超音波が直進し、超音波検出器16は超音波
を検出する。
【0034】超音波検出器16を矢印b方向に移動し、
位置Bに達したとする。この位置Bでは、コンクリート
構造物6中に欠陥7が依存し、超音波はこの欠陥7によ
り反射・散乱を受け、その後方に超音波の到達しない影
領域20が形成される。従って、位置Bでは超音波検出
器16は超音波を検出できないため、欠陥7がこの近傍
に存在することを探知する。
【0035】次に、磁芯8を別の場所に移動し、再び超
音波検出器16を走査して欠陥7の存否を探知する。こ
の様にして磁芯8と超音波検出器16を移動しながら、
鉄筋コンクリート構造物2の表面2aの全面を非破壊検
査して欠陥を発見してゆく。
【0036】図6は本発明の第2実施形態を示す概容斜
視図である。本実施形態では磁芯8の代りに磁芯9と磁
芯11の2本からなり、磁芯9は電磁石用の磁芯、磁芯
11は永久磁石からなる。
【0037】磁芯9には励磁コイル10が巻回され、そ
の両端には交流電源14が接続されている。従って、磁
芯9の上下端9a,9bからは鉄筋4を通る変動磁力線
18bが形成され、鉄筋に対する変動磁場ΔB(t)を
構成する。その方向は上下に変動する。一方、永久磁石
である磁芯11から鉄筋4に対し定常磁力線18aが矢
印方向に形成され、鉄筋に対する定常磁場B0 を形成す
る。
【0038】従って、鉄筋4の中には合成磁場B(t)
=B0+ΔB(t)が形成される。本実施形態の特徴
は、両磁芯9,11が交叉角θをもって斜交配置されて
いることである。この交叉角θを変化させることによ
り、最も感度のよい角度で非破壊検査が可能となる。
【0039】交叉角θをもたせるために、磁芯9の上下
端9a,9bを斜交カットしている。この斜交カットに
より磁芯9は鉄筋コンクリート構造物2の表面に密着配
置でき、磁力線の漏洩が少なくなる。しかし、多少の漏
洩があっても磁力線は鉄筋4に入るから、斜交カットは
適宜設けられればよい。
【0040】この実施形態においては磁芯11は永久磁
石であったが、磁芯11を電磁石に変えて直流電源を結
線しても構わない。また、電磁石の場合に、磁芯をなく
して空芯とすることもできる。磁場が強くなると磁性体
が飽和してしまい、空芯の方がよい領域があるからであ
る。
【0041】本発明の要点は、外部から印加される変動
磁場により内部の鉄筋に磁歪効果に基づく超音波振動を
生起させる点にある。換言すれば、電磁石等の外部磁石
装置により鉄筋自体に磁歪超音波振動を起こさせるもの
で、欠陥7の検出が極めて容易になる。
【0042】表面2aに超音波振動体を外接させる従来
方法では、超音波検出器16に超音波振動体からの直達
波と、欠陥7からの反射波と、鉄筋4からの反射波が重
なって到達し、これらの波を分離するために複雑な操作
が必要となる。これに対し、本発明は内部で超音波振動
を生起させるから、超音波の検出が容易になる。
【0043】前記実施形態では、磁歪体含有構造物の一
例として鉄筋コンクリート構造物を取り上げ、磁歪体と
して強磁性体の鉄筋の場合を説明してきた。しかし、磁
歪体含有構造物としては、地中に埋設された鉄剣などの
考古学遺跡や鉄鉱石を含有した鉱脈等でもよく、この場
合には鉄剣や鉄鉱石を磁歪体として用い、これらに磁歪
振動を生起させてその超音波伝播から構造体の内部構造
を非破壊的に検査することもできる。従って、本発明は
磁歪体を含有する構造物に対して広く適用でき、このと
き内部欠陥とは伝播する超音波を反射・ 屈折・散乱させ
る内部構造と考えればよい。
【0044】本発明は上記実施例に限定されるものでは
なく、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲における種
々の変形例、設計変更等をその技術的範囲内に包含する
ものである。
【0045】
【発明の効果】請求項1の発明によれば、磁歪体含有構
造物の内部に存する磁歪体を超音波発振源にできるか
ら、磁歪体含有構造物内の欠陥等の内部構造による超音
波の伝播異常を構造物表面で簡単且つ確実に検出でき、
例えばコンクリートの崩落事故を未然に防止することが
できる。
【0046】請求項2の発明によれば、磁歪体に定常磁
場を加えることにより磁歪感度を最良状態に設定でき、
変動磁場を加えた際の超音波振動の振幅を大きくして、
超音波受信感度を効果的に高めることができる。
【0047】請求項3の発明によれば、磁歪体含有構造
物の表面に電磁石を配置するだけで磁歪体を超音波発振
源にでき、簡単且つ安価に磁歪体含有構造物の非破壊検
査を実行できる。
【0048】請求項4の発明によれば、近年開発されて
いる強力な永久磁石を電磁石と組み合わせることにより
欠陥(内部構造)の探知ができるから、特別な装置を要
せず、安価に磁歪体含有構造物の非破壊検査を実行でき
る。
【0049】請求項5の発明によれば、公知の超音波検
出器を磁歪体含有構造物の表面に配置して内部の欠陥
(内部構造)を発見できるから、磁歪体含有構造物の非
破壊検査を容易に行える。
【0050】請求項6の発明によれば、磁歪体含有構造
物の対象となる表面全域を超音波検出器により走査すれ
ば、その磁歪体含有構造物の対象域の内部全域をくまな
く非破壊検査することができる。外部磁石装置と超音波
検出器を自走式にしておけば、非破壊検査を効率的に実
行できる。
【0051】請求項7の発明によれば、鉄筋コンクリー
ト構造物の非破壊検査を効率的に行うことができ、例え
ばトンネル内のコンクリート崩落事故を未然に防止する
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態の一例を示す概要説明図であ
る。
【図2】定常磁場B0 と変動磁場△B(t)からなる合
成磁場B(t)の波形図である。
【図3】定常磁場B0と鉄筋の定常歪みF0との関係図で
ある。
【図4】図4は変動歪みΔF(t)の時間変化を示す。
【図5】超音波検出器による非破壊検査の概要説明図で
ある。
【図6】本発明の第2実施形態を示す概容説明図であ
る。
【図7】鉄筋コンクリート構造物の一部断面斜視図であ
る。
【符号の説明】
2は鉄筋コンクリート構造物、2aは表面、4は鉄筋、
6はコンクリート構造物、7は欠陥、8・9・11は磁
芯、10は励磁コイル、12は直流電源、14は交流電
源、16は超音波検出器、18・18a・18bは磁力
線、20は影領域、B0は定常磁場、△B(t)は変動
磁場、B(t)は合成磁場、B0mは最適磁場、F0は定
常歪み、ΔF(t)は変動歪み、ΔF0は最大振幅。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 磁歪体含有構造物内の磁歪体に変動磁場
    ΔB(t)を外部から印加し、この変動磁場ΔB(t)
    による磁歪効果を通して磁歪体を微小振動させ、この磁
    歪体を超音波振動源として磁歪体含有構造物内に超音波
    を伝播させ、磁歪体含有構造物の表面で超音波を検出し
    て磁歪体含有構造物内の構造を検出することを特徴とす
    る磁歪体含有構造物の非破壊検査方法。
  2. 【請求項2】 前記磁歪体含有構造物内の磁歪体に定常
    磁場B0を外部から印加し、この定常磁場B0の大きさを
    変えて前記微小振動の発振感度を調整した請求項1記載
    の磁歪体含有構造物の非破壊検査方法。
  3. 【請求項3】 磁歪体含有構造物の表面に電磁石を配置
    して前記磁場を印加する請求項1又は2記載の非破壊検
    査方法。
  4. 【請求項4】 磁歪体含有構造物の表面に永久磁石と電
    磁石を配置し、定常磁場を永久磁石により、変動磁場を
    電磁石により印加する請求項2記載の非破壊検査方法。
  5. 【請求項5】 磁歪体含有構造物の表面に超音波検出器
    16を配置して構造物内を伝播してきた超音波を検出す
    る請求項1又は2記載の非破壊検査方法。
  6. 【請求項6】 磁歪体含有構造物の被検査領域の全表面
    を前記超音波検出器16により走査する請求項5記載の
    非破壊検査方法。
  7. 【請求項7】 前記磁歪体含有構造物が鉄筋コンクリー
    ト構造物2であり、前記磁歪体が鉄筋4である請求項1
    ないし6に記載の非破壊検査方法。
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