JP2002090320A - X線照射装置 - Google Patents

X線照射装置

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JP2002090320A
JP2002090320A JP2000281932A JP2000281932A JP2002090320A JP 2002090320 A JP2002090320 A JP 2002090320A JP 2000281932 A JP2000281932 A JP 2000281932A JP 2000281932 A JP2000281932 A JP 2000281932A JP 2002090320 A JP2002090320 A JP 2002090320A
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ray
rays
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Tadashi Uko
忠 宇高
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OURS TEX KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試料に照射する一次X線および単色化したX
線の強度を大きくするX線照射装置を提供する。 【解決手段】 連続X線および特性X線を生成し、該両
X線を2以上の窓41,42,43から出射するX線管
40と、前記窓41,42,43のうち一つの窓41か
ら出射された一次X線11を試料100に向って集光さ
せて試料100に一次X線112を照射する集光光学系
10と、前記窓41,42,43のうち他の窓43から
出射された一次X線31を単色化すると共に集光させ
て、該単色化したX線34を前記試料100に照射する
集光分光光学系30と、前記集光光学系10の光路に進
入・退避自在に設けた遮光部材14Aとを備えている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はX線分析装置に用い
るX線照射装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】可搬型のX線分析装置は、小型・軽量で
あることが要求されている。そのため、装置の構造も一
般に簡易になるので、軽元素の分析や微量元素の分析が
難しくなる。蛍光X線分析はX線分析の1つで、X線源
からの一次X線を試料に照射し、この試料から発生する
蛍光X線をX線検出器で検出し、当該検出結果に基づい
て試料の元素分析を行う。かかる分析を行う装置とし
て、円筒形の分光素子を用いた分析装置が提案されてい
る(特開平11−337696号参照)。この従来技術
では、分光素子で単色化した特性X線(固有X線)を照
射するので、特定の微量元素を精度良く分析することが
できる。また、前記従来技術では、連続X線および特性
X線(以下、一次X線という)を試料の広い部分に照射
できるようにしてあるため、平均的な分析を行うことも
できる。
【0003】しかし、前記従来技術では、前記一次X線
を照射する光学系と、前記単色化したX線を照射する光
学系とが同心円上に設けられている。そのため、X線管
からのX線を十分に大きな強度で試料に照射することが
できない。また、分光素子が円筒形であるため、分光素
子の切換ができず、したがって、単色化して得られる波
長の種類が限られる。
【0004】
【発明の概要】したがって、本発明の目的は、試料に照
射する一次X線および単色化したX線の強度を大きくす
ることである。
【0005】前記目的を達成するために、本発明は、試
料にX線を照射して該試料からのX線をX線検出器で検
出して、所定の分析を行うX線分析に用いるX線照射装
置であって、一次X線を生成し、該一次X線を2以上の
窓から出射するX線管と、前記窓のうち一つの窓から出
射された一次X線を試料に向って集光させて試料に一次
X線を照射する集光光学系と、前記窓のうち他の窓から
出射された一次X線を単色化すると共に集光させて、該
単色化したX線を前記試料に照射する集光分光光学系
と、前記集光光学系の光路に進入・退避自在に設けた遮
光部材とを備えている。本発明において、「集光させ
る」とは試料の表層部にX線をスポット状に集めてX線
の強度を大きくすることをいう。
【0006】本発明において、重元素を分析する場合に
は、前記遮光部材を集光光学系の光路に挿入する。これ
により、前記集光分光光学系の分光素子により単色化さ
れたX線のみが試料に入射するので、励起X線自体にノ
イズが含まれていないから、微量の重元素を精度良く分
析することができる。
【0007】一方、軽元素を分析する場合には、前記遮
光部材をX線の経路から退避させる。これにより、前記
分光素子で分光したX線以外に、集光光学系で集光され
た特性X線を含む一次X線が1つの試料の小さい領域に
集光される。したがって、エネルギの低いスペクトルが
一次X線に含まれているので、軽元素の分析が可能とな
る。
【0008】
【発明の効果】このように、本発明のX線照射装置を用
いることで、同じ分析法を用いて軽元素と微量の重元素
の双方の分析を選択的に行うことができる。なお、分析
法としては蛍光X線分析およびX線回折分析が用いられ
る。また、本発明では、前記一次X線および単色化した
X線を試料に集光させるから、試料に照射されるX線の
強度が大きくなる。特に、本発明ではX線を2つの窓か
ら取り出しているので、2種類の光学系を無理なく配置
できるから、前記一次X線および単色化したX線の強度
を十分に大きくすることができる。
【0009】更に、本発明において、正の電圧を印加し
たターゲットを有する縦型のX線管を用いれば、ターゲ
ットから散乱電子が飛び散るのを防止できる。したがっ
て、管球の先端に設けられたベリリウムの窓材を薄くで
き、そのため、エネルギの低いスペクトルが窓材を透過
するので、軽元素の蛍光X線分析や、格子面間隔の大き
い試料のX線回折分析を行うことが可能となる。
【0010】また、本発明において、窓材の厚さをより
一層薄くするには各窓部を各々個別に分離して形成する
のが好ましい。しかし、本発明においては、各窓部を連
ねて形成してもよい。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を図面に
したがって説明する。図1は第1実施形態を示す。X線
分析装置は可搬型で、図1の測定装置1と、図示しない
計測制御器およびパソコン(演算装置)などを備えてい
る。
【0012】前記測定装置1は1つのX線管40と、第
1、第2および第3光学系10,20,30と、第1お
よび第2X線検出器1D,2Dとを備えている。
【0013】前記第1光学系(集光光学系)10、第3
光学系(集光分光光学系)30および第1X線検出器1
Dは、蛍光X線分析を行うためのものである。一方、前
記第2光学系20および第2X線検出器2Dは、X線回
折分析を行うためのものである。なお、X線検出器1
D,2Dとしては、電子冷却型のシリコンドリフトディ
テクタを用いるのが好ましい。
【0014】前記X線管40には、管球の先端にケース
49が設けられている。前記ケース49の内面は、ター
ゲット44と同じ材質により被膜されている。前記ケー
ス49には、第1、第2および第3の窓部41,42,
43が設けられている。前記第1の窓部41は、ターゲ
ット44から発生した一次X線のうち、ターゲットの表
面の法線方向に向って出射された一次X線11が出射さ
れるのを許容する。一方、前記第2の窓部42は、ター
ゲット44から発生した一次X線のうち、ターゲット4
4の表面の接続方向に近い(たとえば、角度Δ=6°)
方向に向って出射された一次X線21が出射されるのを
許容する。
【0015】前記ターゲット44は、図1(a)に示す
ように、細長い短冊状(3mm×0.5mm)であり、ターゲッ
ト44の長手方向Lに略直交する方向に第2の窓部42
を設けて、X線回折分析に適したラインフォーカスを形
成できるようにしている。
【0016】図1(b)に示すように、X線管40は縦
型(エンドウィンドウ型)で空冷式のX線管であり、フ
ィラメント48が接地電圧で、一方、ターゲット44に
正の電圧が印加されている。そのため、ターゲット44
に衝突した電子45により散乱電子が発生しにくいの
で、各窓部41,42,43の窓材であるベリリウム膜
の熱による劣化が生じにくいから、窓材を75μmまで薄
くすることができる。なお、X線管40の管電圧は適宣
の値に設定できるようになっている。
【0017】前記第1光学系10は、第1の窓部41か
らの一次X線11を集光させて第1試料台50上の試料
100に照射するもので、楕円面状の反射面を持つ第1
キャピラリ12Aと、遮光板14Aとを備えている。前
記第1キャピラリ12Aは前記第1の窓部41から出射
された一次X線11を前記反射面で試料100の表面に
集光させて照射する。前記遮光板14Aは前記第1光学
系10の光路に進入・退避自在に設けられている。な
お、遮光板14AはX線管40と第1キャピラリ12A
との間に設けてもよいし、第1キャピラリ12Aと試料
100との間に設けてもよい。
【0018】前記第2光学系20は、第2の窓部42か
らの一次X線21を分光すると共に単色化し、この単色
化されたビーム211を第2試料台24上の試料200
に集光させて照射するものである。このように、単色化
されたビーム211を試料200に照射することで、バ
ッググラウンドを除去できるから、回折分析の精度が高
くなる。
【0019】前記第2光学系20は、一対のポリキャピ
ラリ20a,20bと、格子面間隔が互いに異なる分光
結晶20c,20dとを有している。前記分光結晶20
c,20dは周知の結晶切換機に取り付けられている。
これにより、前記第2光学系は、波長の長いX線または
短いX線211を選択的に試料200に入射させること
ができるようになっている。したがって、格子面間隔の
小さい試料200から大きい試料200まで、種々の構
造の試料の分析を行うことができる。
【0020】前記試料200から出射される回折X線2
12は、ソーラスリット22を通過して第2X線検出器
2Dに入射する。前記試料200を載せる第2試料台2
4とソーラスリット22および第2X線検出器2Dは、
これらを1:2の角速比で回転させる回転機構23に取
り付けられている。
【0021】前記X線管40の第3窓部43は、ターゲ
ット44の表面に対し、斜め方向に向って出射された一
次X線31が出射されるのを許容する。該一次X線31
は、以下のように、前記第3光学系30によって単色化
されると共に前記第1試料台50上の試料100の表面
に集光されて照射される。
【0022】前記第3光学系30は、前記X線管40の
第3窓部43から出射された一次X線31を平行ビーム
32にする第2キャピラリ30aと、前記平行ビーム3
2を単色化する分光結晶30cと、分光結晶30cから
の単色された平行ビーム33を集光させて励起X線34
を前記試料100に照射する第3キャピラリ30bとを
備えている。前記第2および第3キャピラリ30a,3
0bは、それぞれ、ポリキャピラリで形成されている。
ここで、「ポリキャピラリ」とは、多数の中空の細管を
集めて形成したものであって、前記細管が効率的にX線
を平行ビームにし、あるいは、発散ビームを集光するよ
うに配列されたものをいう(特許第3,057,378
号参照)。
【0023】前記分光結晶30cは別の分光結晶30d
と共に、周知の結晶切換機に取り付けられている。前記
2つの分光結晶30c,30dは格子面間隔が互いに異
なっており、第3光学系30によって試料100に導か
れる励起X線34のエネルギ(波長)を選択できるよう
にしてある。
【0024】つぎに蛍光X線分析を行う方法について説
明する。まず、試料100中の重元素を分析する場合に
は、一次X線11の経路に遮光板14Aを挿入すると共
に、X線管40の管電圧を50kVに設定して、ターゲッ
ト44からのエネルギの高いKα線を固有X線として用
いる。この場合、第1の窓部41を通過した一次X線1
1は、遮光板14Aにより遮光され、一方、分光結晶3
0cで単色化された一次X線(固有X線)31のみが試
料100に入射し、試料100からの蛍光X線19がX
線検出器1Dで検出され、当該検出値に基づいて試料の
組成分析がなされる。このように、高いエネルギの単色
光で試料100を励起するから、重元素を精度良く分析
することができる。
【0025】一方、試料100中の軽元素を分析する場
合には、一次X線11の経路から遮光板14Aを退避さ
せると共に、X線管40の管電圧を20kV以下に設定し
て、ターゲット44からのエネルギの低いL系列のX線
を励起源として用いる。この場合、分光結晶30cで分
光された固有X線34と、第1キャピラリ12Aで集光
された一次X線112とが試料100に入射し、試料1
00からの蛍光X線19がX線検出器1Dで検出され、
分析がなされる。この場合、エネルギの低いL線成分の
みがX線管40から放射され、L線成分の強度に比べ連
続X線の強度が相対的に小さくなる。このため、低エネ
ルギ成分のL線のみで試料100を励起するから、軽元
素の分析が可能となる。
【0026】つぎに、試料の構造をX線回折法により分
析する場合について説明する。X線回折法により試料2
00を分析する場合は、X線管40から一次X線21を
出射し単色化した平行ビーム211を試料200に集光
させて照射しながら、回転機構23により、試料台24
と第2X線検出器2Dとを回転させて、第2X線検出器
2DによりX線の強度を測定する。第2X線検出器2D
に入射する回折X線212の強度と、下記(1) 式(ブラ
ッグの式)により、角度θから試料200の構造を知る
ことができる。 2dsin θ=nλ …(1) 但し、 d:結晶の面間隔 θ:入射角,回折角 λ:X線の波長 n:反射の次数
【0027】なお、前記実施形態において、第2光学系
20の要素としては、たとえば、放物面を有しX線管4
0から遠ざかるに従い格子面間隔の周期が反射面に沿っ
て大きくなる人工多層膜格子を用いることができる(た
とえば、特開平6−82400号)。また、前記実施形
態では、図1の第2光学系20を設けたが、本発明では
図2の第2実施形態のように第2光学系20を設けない
で、第1および第3光学系10,30のみを設けてもよ
い。さらに、2つの光学系でX線回折のみを行うもので
あってもよい。また、前記各実施形態では縦型のX線管
を用いたが、本発明では横型(サイドウィンドウ型)の
X線管を用いてもよい。また、第1キャピラリ12Aを
ポリキャピラリで形成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかるX線分析装置を
示す概略構成図である。
【図2】第2実施形態を示す概略構成図である。
【符号の説明】
10:第1光学系(集光光学系) 20:第2光学系 30:第3光学系(集光分光光学系) 14A:遮光板(遮光部材) 12A:第1キャピラリ 30a:第2キャピラリ 30b:第3キャピラリ 30c,30d:分光結晶(分光素子) 40:X線管 41:第1の窓部 42:第2の窓部 43:第3窓部 44:ターゲット 48:フィラメント 100:試料 200:試料 1D:第1X線検出器 2D:第2X線検出器
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01J 35/18 H01J 35/18

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料にX線を照射して該試料からのX線
    をX線検出器で検出して、所定の分析を行うX線分析に
    用いるX線照射装置であって、 連続X線および特性X線を生成し、該両X線を2以上の
    窓から出射するX線管と、 前記窓のうち一つの窓から出射された両X線を試料に向
    って集光させて試料に両X線を照射する集光光学系と、 前記窓のうち他の窓から出射された両X線を単色化する
    と共に集光させて、該単色化したX線を前記試料に照射
    する集光分光光学系と、 前記集光光学系の光路に進入・退避自在に設けた遮光部
    材とを備えたX線照射装置。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 前記集光光学系は楕円面状の反射面を持つ第1キャピラ
    リを有し、該第1キャピラリは前記X線管から前記楕円
    面に入射したX線を反射して前記試料に両X線を照射す
    るX線照射装置。
  3. 【請求項3】 請求項1もしくは2において、 前記集光分光光学系は、前記X線管から出射されたX線
    を平行ビームにする第2キャピラリと、前記平行ビーム
    を単色化する分光素子と、前記分光素子からの単色化さ
    れた平行ビームを集光させて前記試料に照射する第3キ
    ャピラリとを備えたX線照射装置。
  4. 【請求項4】 請求項3において、 前記第2および第3キャピラリは、それぞれ、多数の中
    空の細管を集めて形成されたポリキャピラリで形成され
    ているX線照射装置。
  5. 【請求項5】 請求項3もしくは4において、 前記分光素子とは別の分光素子を設けると共に、2つの
    分光素子が選択して光路に挿入できるように設けられて
    いるX線照射装置。
  6. 【請求項6】 請求項1ないし5のいずれか1項におい
    て、 前記X線管は接地したフィラメントから正の電圧を印加
    したターゲットに電子を衝突させ該ターゲットから前記
    両X線を生成すると共に、管球の先端に前記両X線が出
    射されるのを許容するベリリウム製の窓を各々別々に2
    つ以上設けた縦型のX線管であるX線照射装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2017169247A1 (ja) * 2016-03-30 2017-10-05 株式会社リガク 蛍光x線分析装置および蛍光x線分析方法

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