JP2002090264A - タイヤ車外騒音予測方法およびタイヤ車外騒音予測プログラムを記録した記録媒体 - Google Patents

タイヤ車外騒音予測方法およびタイヤ車外騒音予測プログラムを記録した記録媒体

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JP2002090264A JP2000286797A JP2000286797A JP2002090264A JP 2002090264 A JP2002090264 A JP 2002090264A JP 2000286797 A JP2000286797 A JP 2000286797A JP 2000286797 A JP2000286797 A JP 2000286797A JP 2002090264 A JP2002090264 A JP 2002090264A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】タイヤの加速時車外騒音のレベルを再現性が高
く、精度良く、しかも容易に予測することのできるタイ
ヤ車外騒音予測方法を提供する。 【解決手段】タイヤの加速時車外騒音を、所定の速度で
走行する際に発生するタイヤの惰性走行時騒音と所定の
走行速度から加速する際に発生する加速時騒音増加量を
合成することによって予測し、前記加速時騒音増加量
は、タイヤの回転を加速することによって生じるタイヤ
と路面間に働く摩擦エネルギー、あるいは、タイヤの回
転を加速することによって生じるタイヤと路面間に働く
摩擦仕事率、を用いて求める。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、加速時のタイヤ車
外騒音予測方法に関し、特に、精度良くかつ容易に予測
することのできる加速時のタイヤ車外騒音予測方法、お
よび、タイヤ車外騒音予測プログラムを記録した記録媒
体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、自動車の加速時車外騒音は、自動
車騒音の規制によって、上限が設定され、その試験方法
についても、JIS D 1024やISO 362に
よって「自動車の加速時車外騒音試験方法」として設定
されている。この試験方法は、図7に示されるように、
車両Cを進入速度Vinで位置A−A’を通過させ、位置
A−A’から20m離れた位置B−B’において脱出速
度V out で脱出させる。その際、車両Cの前端が位置A
−A’を通過した後、車両Cの後端が位置B−B’を通
過するまでの間、位置A−A’と位置B−B’との真ん
中であって、路面Gの中心線から7.5m離れ、路面G
から1.2mの高さに位置する位置(騒音測定位置)M
に配置されたマイクロホンを用いて騒音レベルを計測す
る。この試験方法では、タイヤTから発生するタイヤ騒
音も加速時車外騒音の一要素として含まれるため、タイ
ヤTを音源として発生するタイヤの加速時車外騒音も低
いことが望ましい。
【0003】現在、このようなタイヤの加速時車外騒音
は、車両のエンジン音や吸気音や排気音等を減音加工に
よって減音したり、タイヤと路面間から発生するタイヤ
騒音を排除するために、カーペットを敷いた路面を用い
て車両を走行し、その際の騒音を測定することによっ
て、求められている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかし、このような車
両を用いた実車試験では、上記「自動車の加速時車外騒
音試験方法」で定めた脱出位置における速度が、減音加
工を車両に施すことによって、車両の加速性能が低下す
るために、あるいは、減音のために路面G上にカーペッ
トを敷いて加速走行を行うために、駆動力が十分に発生
せず、規格で定めるISO10844路面上を走行する
場合よりも脱出速度Vout が遅い、すなわち、実車試験
における加速度が小さい場合が多く、実車試験の計測結
果から求まるタイヤの加速時車外騒音の精度は悪いとい
った問題があった。また、減音加工をする度に車両の騒
音レベルも変化するため、計測結果を用いて予測される
タイヤの加速時車外騒音は、減音加工の度に変化し、再
現性も悪いといった問題があった。
【0005】また、実車試験の測定結果からタイヤの加
速時車外騒音を求める場合、車両位置と車両速度と騒音
レベルの関係を用い、この関係を用いて煩雑な処理を行
わなければならず、測定時間および処理時間が長くなる
といった問題もあった。
【0006】例えば、上記JIS D 1024やIS
O 362で規定される「自動車の加速時車外騒音試験
方法」を用いて車両Cを加速走行させて騒音を測定し、
この測定データから、タイヤTの加速時車外騒音を求め
る場合、1回の加速走行に約3分、測定のばらつきを考
慮して10回程度の加速走行を必要とするため、この加
速走行試験に約30分を要する。さらに、路面Gにカー
ペットを敷いたり、タイヤのトレッド部にパタンが施さ
れていないスムーズなタイヤを用意して、上記加速走行
試験と同様の走行条件で加速走行試験を行う必要があ
り、この加速走行試験に約30分を要する。さらに、上
記加速走行試験の走行条件である進入速度Vinから脱出
速度Vout までの所定の走行速度で惰性走行時騒音の測
定を行う必要があり、この惰性走行時騒音試験に約30
分を要する。つまり、測定だけで合計約90分を要す
る。さらに、時系列データとして得られる騒音測定デー
タの騒音レベルと車両Cの位置とその時の走行速度との
関係を用いて、煩雑な処理を行う必要がある。この処理
に約180分かかり、測定に要する上記約90分と合わ
せて合計約270分の時間を要する。騒音レベルと車両
Cの位置とその時の走行速度との関係が不明な場合に
は、タイヤの加速時車外騒音を求めることはできない。
たとえ、静音加工をした車両Cがある場合でも、1回の
加速走行に3分、測定のばらつきを考慮して10回程度
の加速走行が必要であるため、約30分測定に要する。
このように、実車試験の測定結果からタイヤの加速時車
外騒音を求める場合、測定時間および処理時間が長くな
るといった問題があった。
【0007】そこで、本発明は、上記問題点を解消し、
タイヤの加速時車外騒音のレベルを再現性が高く、精度
良く、しかも容易に予測することのできるタイヤ車外騒
音予測方法の提供を目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、本発明は、タイヤの加速時車外騒音を、所定の速度
で走行する際に発生するタイヤの惰性走行時騒音と所定
の走行速度から加速する際に発生する加速時騒音増加量
とを合成することによって予測する、加速時のタイヤ車
外騒音予測方法であって、前記加速時騒音増加量は、タ
イヤの回転を加速することによって生じるタイヤと路面
間に働く摩擦エネルギー、あるいは、タイヤの回転を加
速することによって生じるタイヤと路面間に働く摩擦仕
事率、を用いて求めることを特徴とするタイヤ車外騒音
予測方法を提供する。
【0009】ここで、前記加速時騒音増加量は、前記摩
擦エネルギーあるいは前記摩擦仕事率の多項式を対数変
換した関数によって求めるのが好ましく、前記多項式
は、前記摩擦エネルギーあるいは前記摩擦仕事率の1次
多項式あるいは2次多項式であるのが好ましい。ここ
で、前記摩擦エネルギーは、タイヤの回転を加速する際
にタイヤに働く駆動力と、タイヤの路面に対するスリッ
プ比とを用いて求めるのが好ましく、前記摩擦エネルギ
ーは、前記駆動力と前記スリップ比を乗算して求めるの
が好ましい。一方、前記摩擦仕事率は、タイヤの回転を
加速する際に前記タイヤに働く駆動力と、タイヤの路面
に対するスリップ速度とを用いて求められるのが好まし
く、前記摩擦エネルギーは、前記駆動力と前記スリップ
速度を乗算して求めるのが好ましい。
【0010】また、前記駆動力は、タイヤを装着した車
両を実際に加速した際に、前記車両に取り付けられたセ
ンサで計測して取得されるのが好ましく、また、前記ス
リップ比あるいは前記スリップ速度は、タイヤを装着し
た車両を実際に加速した際に得られる前記車両の走行速
度およびタイヤの回転角速度から求めるのが好ましい。
【0011】ここで、上記タイヤ車外騒音予測方法にお
いて、タイヤの加速時車外騒音を予測する際、タイヤを
装着する車両を想定し、前記駆動力、および、前記スリ
ップ比あるいは前記スリップ速度が、想定された前記車
両の車両諸元情報と前記車両の加速前後の走行速度情報
とを用いて算出されるのが好ましい。その際、前記駆動
力、および、前記スリップ比あるいは前記スリップ速度
を算出する際、前記車両の加速に伴って生ずる回転相当
部分重量を、前記車両の空車重量の0.07倍以上0.
12倍以下とするのが好ましい。さらに、前記タイヤの
加速時車外騒音は、タイヤを点音源とする距離減衰を含
み、前記タイヤの位置によって騒音測定位置での騒音レ
ベルが変動する騒音レベル変動波形の形式で予測される
のが好ましい。
【0012】また、本発明は、コンピュータを用いて、
所定の速度で走行する際に発生するタイヤの惰性走行時
騒音と所定の走行速度から加速する際に発生する加速時
騒音増加量とを合成することによって、タイヤの加速時
車外騒音を予測するためのプログラムを記録した記録媒
体であって、前記加速時騒音増加量は、タイヤの回転を
加速することによって生じるタイヤと路面間に働く摩擦
エネルギー、あるいは、タイヤの回転を加速することに
よって生じるタイヤと路面間に働く摩擦仕事率、を用い
て求めることを特徴とするタイヤ車外騒音予測プログラ
ムを記録した記録媒体を提供する。
【0013】ここで、上記タイヤ車外騒音予測プログラ
ムを記録した記録媒体において、タイヤの加速時車外騒
音を予測する際、タイヤを装着する車両を想定し、この
車両の車両諸元情報と前記車両の加速前後の走行速度情
報とを用いて、タイヤの回転を加速する際にタイヤに働
く駆動力と、タイヤの路面に対するスリップ比あるいは
タイヤの路面に対するスリップ速度を算出し、算出され
た前記駆動力と、前記スリップ比あるいは前記スリップ
速度とを用いて、前記摩擦エネルギー、あるいは、前記
摩擦仕事率を算出するのが好ましい。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明のタイヤ車外騒音予
測方法およびタイヤ車外騒音予測プログラムを記録した
記録媒体について、添付の図面に示される好適実施例を
基に詳細に説明する。
【0015】図1には、本発明のタイヤ車外騒音予測方
法を実施するタイヤ車外騒音予測装置10の構成が示さ
れる。タイヤ車外騒音予測装置10は、図7に示すよう
なJIS D 1024で定める「自動車の加速時車外
騒音試験方法」を忠実に想定してタイヤTから発生する
加速時車外騒音L+δLを予測、算出するもので、入力
部11、車両特性演算部12、摩擦エネルギー演算部1
4、加速時騒音増加量演算部16、惰性走行時騒音演算
部18、加速時車外騒音演算部20および車両諸元情報
やタイヤの駆動μ−S特性等の既知情報を記録保持する
メモリ部22とを有して構成される。なお、このような
タイヤ車外騒音予測装置10の構成部位は、コンピュー
タ内で実行されて機能を発揮するソフトウェアで構成さ
れるものであっても、構成部位が回路基板によって設計
されたハードウェアによって構成されるものであっても
よい。
【0016】入力部11は、試験条件に従って走行する
車両Cの加速前後の走行速度情報、すなわち、進入速度
in、脱出速度Vout 、さらには、タイヤ車外騒音を予
測するために想定される車両Cの種類、タイヤTの種類
や路面Gの種類がキーボードやマウス等の操作系を用い
て入力される部位である。入力された情報は、車両特性
演算部12、摩擦エネルギー演算部14および惰性走行
時騒音演算部18に送られる。
【0017】車両特性演算部12は、入力部11より送
られた進入速度Vinおよび脱出速度Vout を受け取り、
一方、入力部11より送られた車両Cの種類に関する情
報から、メモリ部22に記録保持されている、入力され
た車両Cの車両諸元情報を呼び出し、この車両諸元情報
を用いて、加速度αおよび加速抵抗Rh を介して、一輪
当たりのタイヤTに働く駆動力Fx およびタイヤTの摩
擦係数μの算出を行う部位である。算出方法については
後述する。
【0018】摩擦エネルギー演算部14は、車両特性演
算部12で算出された駆動力Fx および摩擦係数μを用
い、入力部11から送られたタイヤの種類や路面の種類
に関する情報を用いて、所望の駆動μ−S特性をメモリ
部22から呼び出し、スリップ比Sを算出して摩擦エネ
ルギーEd を算出する部位である。算出方法については
後述する。
【0019】ここで、スリップ比Sとは、図2に示すよ
うに、タイヤTの転がり有効半径をR、タイヤTの回転
角速度ω、タイヤの前方に進む速度、すなわち車両走行
速度Vv とすると、下記式(1)で定義される比率であ
る。 S = (R×ω −Vv )/(R×ω) (1)
【0020】また、駆動μ−S特性とは、タイヤTの回
転角速度ωの加速によって、図2に示すようにタイヤT
と路面Gとの間に働く駆動力Fx と、タイヤTが路面G
を押し付ける荷重FZ との比、すなわち摩擦係数μ(=
X /FZ )がスリップ比Sに対してどのように変化す
るかを定めた特性で、図3に示すような特性曲線Cを持
つ駆動μ−S特性を得る。すなわち、惰行走行時、駆動
力FX は0であるためスリップ比Sは0であるが、タイ
ヤTの回転角速度ωの加速により、タイヤTは路面Gか
ら駆動力Fx を受け、摩擦係数μは大きくなり、スリッ
プ比Sは次第に大きくなる。しかし、タイヤTと路面G
間の摩擦係数μには限界があり、摩擦係数μp を超える
ことはない。すなわち、タイヤTの回転角速度ωの加速
によるスリップ比がSp を超えると、タイヤTは路面G
に対して空転を開始し、駆動力Fx は低下し、摩擦係数
μは低下する。タイヤ車外騒音予測装置10において行
われるタイヤTの回転角速度の加速は、スリップ比Sが
スリップ比SP 以下の範囲で行われる。従って、摩擦係
数μmが得られると一意的にスリップ比Sm が求まる。
【0021】このような駆動μ−S特性は、この特性曲
線Cを近似する近似関数がメモリ部22に保有されるこ
とによって記録保持され、この近似関数が呼び出され、
この近似関数に基づいてスリップ比Sが算出されるよう
に構成されてもよいし、図3に示すような曲線C上の複
数の離散点を参照テーブルとしてメモリ部22に保有
し、この参照テーブルが呼び出され、スリップ比Sが参
照テーブルに基づいて算出されてもよい。このような駆
動μ−S特性は、タイヤの種類や路面Gの種類によって
異なるので、予め種々の駆動μ−S特性がメモリ部22
に記憶保持される。
【0022】一方、摩擦エネルギーEd とは、タイヤT
と路面Gとの間の摩擦によって発生するエネルギーを意
味する。ここで、摩擦エネルギーEd は、下記式(2)
に従って定義される。 Ed = Fx × S (2) ここで、摩擦エネルギーEd が式(2)で表されるの
は、以下の理由による。
【0023】すなわち、本来、摩擦エネルギーEd は、
路面Gに対するタイヤTの変位量X dispを駆動力Fx
乗算することによって得られる。ここで、路面Gに対す
るタイヤTの変位量Xdispは、回転するタイヤTが路面
Gと接し始める踏み込み端E L から蹴り出し端ET の間
に、タイヤTのトレッド部が路面Gに対して変位する量
であり、これは、タイヤTの回転角速度ωにタイヤ転が
り有効半径Rを乗算して得られるタイヤTの路面Gと接
する際の速度R×ωと車両走行速度Vv の速度差に、タ
イヤTのトレッド部が踏み込み端EL から蹴り出し端E
T までの通過時間tを乗算することによって求まる。さ
らに、この通過時間tは、踏み込み端E L から蹴り出し
端ET までの距離Lを速度R×ωで除算することによっ
て得られる。すなわち、タイヤTの変位量Xdispは、下
記式(3)に従って求まるが、踏み込み端EL から蹴り
出し端ET までの距離Lの変化が変位量Xdispの変化に
与える寄与は小さく、距離Lを略一定として考えること
ができ、式(2)の形で定義することができる。 Xdisp = (R×ω −Vv )×(L/(R×ω)) (3) なお、上記例は、摩擦エネルギーEd を式(2)のよう
に駆動力FX とスリップ比Sの積で定義したが、本発明
においては、これに限定されず、下記式(4)に従っ
て、摩擦エネルギーEd を駆動力FX とスリップ比Sを
用いた関数fで表すものであれば、いずれであってもよ
い。例えば、駆動力FX とスリップ比Sの2次や3次の
多項式等が例示される。 Ed = f(Fx ,S) (4)
【0024】加速時騒音増加量演算部16は、摩擦エネ
ルギー演算部14で得られた摩擦エネルギーEd を用い
てタイヤTの加速時騒音増加量δLを算出する部位であ
る。ここで、タイヤTの加速時騒音増加量δLは、下記
式(5)に従って、摩擦エネルギーEd の多項式g(E
d )を対数変換した関数によって求められる。 δL = 10 × log{g(Ed )/(2πr2 )} (5) ここで、rとは、タイヤTと騒音測定位置Mとの距離で
あり、rの自乗に反比例する形で多項式g(Ed )の値
が低下するように、タイヤTを点音源とした距離減衰が
考慮されている。ここで、g(Ed )は、1次や2次、
さらには3次等の多項式である。このような加速時騒音
増加量δLは、式(5)に示されるように、タイヤTの
位置と騒音測定位置Mとの距離rの関数によって表され
るので、JIS D 1024の「自動車の加速時車外
騒音試験方法」で定める距離r0に変換するために、車
両諸元情報の中の車両Cの前ボディオーバーハング量L
ha ngを用いて距離r0 に変換し、さらに、距離r0 に変
換された加速時騒音増加量δLの式を用いて、距離r0
の値を変化させて、距離r0 に対する加速時騒音増加量
δLを求める。このような加速時騒音増加量δLは加速
時車外騒音演算部20に送られる。
【0025】惰性走行時騒音演算部18は、入力部11
から送られた進入速度Vin、脱出速度Vout の情報を用
いて、加速中の各走行速度における惰性走行時騒音Lを
算出する部位である。ここで惰性走行時騒音Lとは、車
両走行速度Vv で走行する際にタイヤTから発生するタ
イヤTの騒音である。一般に、惰性走行時騒音は、車両
走行速度Vv に対して、C1 ×log(Vv )+ C2
(C1 およびC2 は所定の定数)の形で表される。惰性
走行時騒音演算部18においてもこれを用い、さらに、
タイヤTの位置と騒音測定位置Mの位置との距離をrと
した際の距離減衰を考慮して、騒音測定位置Mにおける
加速中の各走行速度における惰性走行時騒音Lを算出す
る。その際、図5に示すように、車両諸元情報の中の車
両Cの前ボディーオーバーハング量Lhangを用いて、上
記「自動車の加速時車外騒音試験方法」で定める距離r
0 に変換し、距離r0 を変化させて、距離r0 に対する
惰性走行時騒音Lを求める。こうして算出された惰性走
行時騒音Lは、加速時車外騒音演算部20に送られる。
【0026】加速時車外騒音演算部20は、惰性走行時
騒音Lに加速時騒音増加量δLが合成される。合成方法
は、送られてきた惰性走行時騒音Lおよび加速時騒音増
加量δLが、dBAの単位のデータであるので、一度音
圧に戻されて、同じ距離r0における惰性走行時騒音L
と加速時騒音増加量δLの音圧が線形的に加算された
後、対数変換されてdBAの単位に戻される。こうし
て、騒音測定位置Mにおける、距離r0 に対するタイヤ
Cの加速時車外騒音L+δLが算出され、図示されない
モニタやプリンタ等に送られ、図1に示されるような騒
音レベル変動波形Wが表示され、あるいは、プリント出
力される。
【0027】メモリ部22には、車両諸元情報が車両C
の種類に区分けされて記憶保持され、また、タイヤTの
種類および路面Gの種類の組み合わせに区分けされて駆
動μ−S特性が記録保持される。車両諸元情報は、例え
ば車両全長、乗員・積荷重量、空車重量、前軸重量、車
両重心高さ、ホイールベース、FFやFR等の駆動方式
および4輪や2輪等の駆動輪数等の情報である。車両の
種類とは、車両製造業者の製造販売する車種の型式等を
いう。あるいは、乗用車、1トントラック等のように、
大まかな車種に区分けされ、それに応じた代表的な車両
諸元情報が記憶保持されるものであってもよい。
【0028】記録保持される駆動μ−S特性は、MTS
社製FT−III 等のμ−S特性を測定する室内台上測定
によって計測されたものでもよく、あるいは、μ−S特
性を測定する公知のトレーラ等を用いて実路上で測定さ
れたものであってもよく、さらには、公知のタイヤ構造
モデル等を用いてシミュレーションされて算出されたも
のであってもよい。また、メモリ部22には、加速時騒
音増加量16で用いられる摩擦エネルギーEd の多項式
の関数g(Ed )の各係数が記録され、操作者の入力に
よって所望の関数g(Ed )が設定されるように、メモ
リ部22に関数g(Ed )の係数が記録保持されてもよ
い。
【0029】なお、上記実施例は、タイヤTの摩擦エネ
ルギーEd を用いて、加速時騒音増加量δLを求めるも
のであるが、本発明においては、摩擦エネルギーEd
替わりに、タイヤTと路面Gとの間で行われる摩擦仕事
率Wd を用いてもよい。この場合、摩擦エネルギー演算
部14に替えて、摩擦仕事率演算部を用いる。摩擦仕事
演算部では、摩擦エネルギー演算部14と同様に、車両
特性演算部12から送られた摩擦係数μとメモリ部22
から呼び出された駆動μ−S特性とを用いてスリップ比
Sを求め、さらに、求められたスリップ比Sと進入速度
inおよび脱出速度Vout とを用いて、スリップ速度
(R×ω−Vv )(=ΔV)を求め、このスリップ速度
(R×ω−Vv )に駆動力Fx を乗算することによって
摩擦仕事率Wd を求める。その際、式(5)の多項式の
係数は摩擦エネルギーEd を用いる場合と異なる。タイ
ヤ車外騒音予測装置10は、以上のように構成される。
【0030】次に、本発明のタイヤ車外騒音予測方法に
ついて、図4に示されるタイヤ車外騒音予測装置10に
おける処理フローに基づいて説明する。まず、入力部1
1に、進入速度Vin(km/h)および脱出速度Vout
(km/h)、車両Cの種類、タイヤTの種類および路
面Gの種類に関する情報が入力される(ステップ10
0)。次に、入力された情報は、車両特性演算部12に
送られ、車両Cの種類に関する情報から、メモリ部22
に記録保持された所望の車両諸元情報が呼び出される。
この車両諸元情報の中の車両全長Ltotal を用いて、下
記式(6)に従って、図7に示す位置A−A’とこの位
置から20m離れた位置B−B’間の加速度α(m/s
2 )が算出される(ステップ102)。 α = {(Vout /3.6)2 −(Vin/3.6)2 }/2/(Ltota l +20) (6) ここで、式(2)の分母において(Ltotal +20)と
するのは、上記試験方法が、車両Cの前端が位置A−
A’を通過した後、車両Cの後端が位置B−B’を通過
する間を測定時間と定めているからである。
【0031】求められた加速度αは、車両諸元情報の中
の空車重量W1 および乗員・積荷重量wとともに、加速
抵抗Rh を下記式(7)に従って算出する(ステップ1
04)。 Rh = (W1 + ΔW + w)×α/G (7) ここで、Gは重力加速度であり、ΔWは回転部分相当重
量である。回転部分相当重量は、空車重量W1 の0.0
7倍以上0.12倍以下であるのが好ましく、例えば車
両Cが乗用車である場合、空車重量W1 の約0.08倍
の重量が、車両Cがトラックである場合、空車重量W1
の約0.11倍の重量が回転部分相当重量として用いら
れるとよい。
【0032】ここで、回転部分相当重量ΔWとは、車両
Cを加速する際、タイヤTや回転シャフト等の回転部分
の加速に伴う慣性抵抗を、重量の次元で表したものをい
う。また、車両CのタイヤTを含む車輪全体が回転する
ことによって生じる転がり抵抗Rr は、一般的に、空車
重量W1 および乗員・積荷重量wの和の略0.02倍で
あることから、下記式(8)に従って転がり抵抗Rr
求める。 Rr = 0.02×(W1 + w) (8) こうして得られた加速抵抗Rh と転がり抵抗Rr が加算
され、さらに、車両Cの種類によって定まる駆動輪数
n、例えば、2輪駆動の場合はn=2、4輪駆動の場合
はn=4、が考慮され、下記式(9)に従って車両Cの
一輪に働く駆動力、すなわち、加速するタイヤTが路面
Gから受ける一輪当たりの駆動力Fx が算出される(ス
テップ106)。一般に、車両Cの加速走行時、空気抵
抗も生じるが、空気抵抗は、加速抵抗Rh と転がり抵抗
r と比較して小さく省略することができる。 Fx = (Rh + Rr )/n (9)
【0033】このようにして求められるタイヤTに働く
駆動力Fx は、実車試験で実際に測定される測定駆動力
と比較することにより、前述した回転部分相当重量ΔW
を空車重量W1 の0.07倍以上0.12倍以下として
求めるのが好ましく、また、式(8)に従って求めた転
がり抵抗Rr を含めるのが好ましいことがわかる。
【0034】図5には、車両Cとして、後輪駆動のFR
乗用車を用いた時の、式(7)〜(9)を用いて算出さ
れる駆動力Fx と、実車試験により測定された測定駆動
力とが指数表示されている。ここで、実車試験により測
定される測定駆動力は、後輪の車軸に取り付けた分力計
によって駆動力が測定される。車両Cの走行条件は、図
7に示す試験方法に従い、進入速度Vinを50km/h
として、位置A−A’から進入し、位置B−B’におい
て脱出速度Vout で脱出する。図4中のグラフは、速度
差(Vout −50)に対する駆動力の関係を示し、実際
に測定された測定駆動力の結果が◆印でプロットされて
いる。
【0035】また、図4には、式(7)、(8)および
(9)によって算出される駆動力F x について、転がり
抵抗Rr の有無、および回転部分相当重量ΔWの程度に
関する3条件の結果が△印、□印および*印の各記号で
区別されて記されている。
【0036】ここで、図4中の△印は、式(7)中の回
転部分相当重量ΔWを空車重量W1の0.08倍とし、
式(9)中の転がり抵抗Rr を式(8)に従って用いた
場合の結果であり、□印は、式(7)の回転部分相当重
量ΔWを空車重量W1 の0.08倍とし、式(9)中の
転がり抵抗Rr を0とした場合の結果であり、*印は、
式(7)中の回転部分相当重量ΔWを空車重量W1
0.8倍とし、式(9)中の転がり抵抗Rr を0とした
場合の結果である。なお、*印において、式(7)中の
回転部分相当重量ΔWを空車重量W1 の0.8倍とした
のは、従来、乗用車の場合、空車重量W1 の0.8倍、
普通トラックの場合、空車重量W1 の1.10倍である
ことが知られている(理工図書株式会社「自動車力学」
影山克三、影山一郎著、P66)からである。
【0037】図5から明らかなように、◆印で表される
測定駆動力の結果に最も近いプロットは、回転部分相当
重量ΔWを空車重量W1 の0.08倍とし、転がり抵抗
rを考慮した△印であり、その次に□印である。従来
の知見に基づいて回転部分相当重量ΔWを空車重量W1
の0.8倍とした*印は、測定駆動力の結果から大きく
はずれる。
【0038】車両Cをトラックとした場合、式(7)〜
(9)を用いて算出される駆動力F x は、回転部分相当
重量ΔWを空車重量W1 の略0.11倍とすることによ
り、測定駆動力と対応する。以上より、回転相当重量Δ
Wを空車重量W1 の0.07倍以上0.12倍以下とす
るのが好ましい。
【0039】次に、ステップ102で求めた加速度αを
用いて、加速度αに伴う車両Cの前後輪の荷重移動ΔW
m を下記式(10)に従って算出する(ステップ10
8)。 ΔWm = h×(W1 + w)×α/Lw /G (10) ここで、hは、車両諸元情報の中の車両重心高さであ
り、Lw は、ホイールベースを示す。こうして算出され
る荷重移動ΔWm は、下記式(11)あるいは(12)
に従って駆動輪に加わる荷重、すなわち駆動輪のタイヤ
Tに作用する垂直荷重Fz が算出される(ステップ11
0)。 FFの場合:Fz =(Wf − ΔWm )/n’ (11) FRの場合:Fz =(Wr + ΔWm )/n’ (12) ここで、Wf は、車両諸元情報の中の前軸荷重であり、
空車重量W1 に乗員・積算重量wを加えた際に前軸に懸
かる荷重である。Wr は後軸重量で、Wr =W 1 +w−
f である。ここで、n’は、前軸あるいは後軸の車輪
数であり、例えば、乗用車の場合、n’=2である。
【0040】こうして求められた駆動輪荷重、すなわ
ち、駆動輪のタイヤTに作用する垂直荷重Fz と、ステ
ップ106で算出された駆動力Fx とを用いて、下記式
(13)に従って駆動輪の摩擦係数μ、すなわち、駆動
輪のタイヤTの摩擦係数μを算出する(ステップ11
2)。 μ = Fx / Fz (13) こうして得られた摩擦エネルギー演算部14に送られ
る。本実施例における、車両特性演算部12で行われる
ステップ102〜112の処理は、解析式を用いて算出
されるものであるが、本発明においては、これに限定さ
れず、公知の機構解析プログラムを用い、車両諸元情報
に基づいてモデル化された車両モデル等を用いて計算さ
れるものであってもよい。たとえば、機構解析プログラ
ムとして、Mechanical Dynamics. Inc. 社製ADAMS
等が例示される。このように、解析式や機構解析プログ
ラム等で作成された車両モデルを用いることで、容易に
垂直荷重Fz を算出することができる。さらに、ABA
QUS等の有限要素法プログラムで作成されたタイヤモ
デルを用いることで、摩擦係数μを算出することができ
る。
【0041】なお、駆動力FX は、解析式や機構解析プ
ログラムで作成された車両モデルを用いて算出される必
要は必ずしもなく、本発明においては、タイヤTを装着
した車両Cを、所定の速度から実際に加速することによ
って、車両CのタイヤTの回転車軸に取り付けられた6
分力計等のセンサで実際に計測されて取得されたものを
採用してもよい。また、スリップ比Sあるいはスリップ
速度ΔVについても、タイヤTを装着した車両Cを、所
定の速度から加速することによって、車両Cの走行速度
およびタイヤTの回転速度を測定することによって求め
られるものを採用してもよい。
【0042】摩擦エネルギー演算部14では、入力部1
1から送られたタイヤTの種類や路面Gの種類に関する
情報から、メモリ部22に記録保持された所望の駆動μ
−S特性が呼び出され、車両特性演算部12から送られ
た摩擦係数μに基づいて、図3に示すように、スリップ
比Sを算出する(ステップ114)。駆動μ−S特性
は、摩擦係数μおよびスリップ比Sが無次元化されてい
るので、タイヤTに加わる垂直荷重Fz が異なる場合や
車両走行速度Vv や回転角速度ωが異なる場合でも、用
いることができる。
【0043】次に、算出されたスリップ比Sと駆動力F
X とを用いて、式(2)や式(4)に従って摩擦エネル
ギーEd を算出する(ステップ116)。こうして算出
された摩擦エネルギーEd は、加速時騒音増加量演算部
16に送られ、加速時騒音増加量δLが算出される(ス
テップ118)。算出方法は、式(5)に従って算出さ
れる。ここで、g(Ed )の関数として、例えば、C3
×Ed +C4 やC5 ×Ed 2−C6 ×Ed (C3 〜C6
は、いずれも所定の係数)等の1次や2次の多項式が例
示される。さらに式(5)中の距離rを、図7に示すよ
うな、車両諸元情報の中の車両Cの前ボディオーバーハ
ング量Lhangを用いて距離r0 に変換して、距離r0
値を変化させて、距離r0 に対する加速時騒音増加量δ
Lを求める。このような加速時騒音増加量δLは加速時
車外騒音演算部20に送られる。
【0044】一方、惰性走行時騒音演算部18では、入
力部11から送られた進入速度Vin、脱出速度Vout
情報を用いて、加速中の各走行速度における惰性走行時
騒音Lを算出する(ステップ120)。すなわち、惰性
走行時騒音LをC1 ×log(Vv )+ C2 (C1
よびC2 は、いずれも所定の係数)の形で算出し、さら
に、タイヤTと騒音測定位置Mとの距離rとした際の距
離減衰を考慮して、距離r0 に対する惰性走行時騒音L
を求める。このような惰性走行時騒音Lは、車両Cを実
際に走行して測定して得てもよく、公知の室内台上測定
機を用いて得てもよい。求められた惰性走行時騒音L
は、加速時車外騒音演算部20に送られる。
【0045】加速時車外騒音演算部20では、送られて
きた惰性走行時騒音Lと加速時騒音増加量δLとが合成
され、タイヤTの加速時車外騒音L+δLが算出される
(ステップ122)。ここで、送られてきた惰性走行時
騒音Lおよび加速時騒音増加量δLは、dBA表示で得
られるため、リニアな音圧に変換されて、同じ距離r 0
における音圧が加算された後、対数変換されてdBA表
示とされる。このような加速時車外騒音L+δLのデー
タは、タイヤ車外騒音予測装置10から出力データとし
て出力され、図示されないモニタやプリンタ等の出力装
置に数値データが出力され、あるいは、車両Cの位置に
応じて騒音レベルが変化する騒音レベル変動波形Wが表
示される。
【0046】図6には、上記方法によって予測されたタ
イヤTの加速時車外騒音L+δLのの予測値と、車両C
を実際に走行して測定し、タイヤTの加速時車外騒音を
高精度に求めた測定値との比較を、所定の騒音レベルα
[dBA]を基準にして示している。予測値および測定
値は、いずれも、得られた騒音レベル変動波形Wのうち
任意の車両の位置に対する騒音レベルを示している。な
お、使用したタイヤTは、いずれも乗車用タイヤであ
り、205/55R16の5仕様のタイヤと、215/
60R16の3仕様のタイヤと、225/45ZR17
の4仕様のタイヤと、225/50ZR16の10仕様
のタイヤである。
【0047】図6中、■印は、式(5)において、g
(Ed )を、C5 ×Ed 2 −C6 ×E d (C5 およびC
6 は、いずれも所定の係数)として得られた加速時車外
騒音L+δLの予測値と測定値のプロットであり、◆印
は、式(5)の摩擦エネルギーEd の替わりに摩擦仕事
率Wd を用い、その時の、g(Wd )を、C3 ×Ed
4 (C3 およびC4 は、いずれも所定の係数)として
得られた加速時車外騒音L+δLの予測値と測定値のプ
ロットである。
【0048】図6より、◆印の予測値と測定値との相関
係数は略0.8であり、その時の回帰式も、予測値=
1.0008×測定値、となり、精度良く、しかも、再
現性も高く、予測値が測定値に対応することがわかる。
さらに、■印の予測値と測定値との相関係数は略0.9
であり、回帰式も、予測値=0.999×測定値、とな
り、極めて精度良く、しかも、再現性も高く、予測値が
測定値に対応することがわかる。
【0049】このようなタイヤ車外騒音予測方法を用い
ることで、惰性走行時騒音L、および、駆動μ−S特性
が既知である場合、加速時車外騒音L+δLの算出はわ
ずか約10秒である。惰性走行時騒音Lおよび駆動μ−
S特性がわかっておらず、この駆動μ−S特性の測定を
必要とする場合においても、駆動μ−S特性の測定によ
る取得はわずか1分程度であり、惰性走行時騒音Lの測
定に要する時間30分と合わせて、合計31分程度しか
かからない。従来、JIS D 1024やISO 3
62で規定される「自動車の加速時車外騒音試験方法」
を用いて騒音測定を行い、タイヤの加速時車外騒音を求
める場合に比べて、タイヤの加速時車外騒音の算出に要
する時間が大幅に短縮される。しかも、図6に示される
ように、再現性が高く、精度良く算出することができ
る。
【0050】このようなタイヤ車外騒音の予測方法は、
タイヤ車外騒音予測プログラムとしてCD−ROMやフ
ロッピーディスク等の公知の記録媒体に格納されている
のが好ましい。例えば、加速時騒音増加量演算部16
や、惰性走行時騒音演算部18や加速時車外騒音演算部
20の各機能を実施するプログラムが記録媒体に格納さ
れてもよいし、さらには、摩擦エネルギーEd や摩擦仕
事率Wd を算出する際に必要とされる駆動力Fx およ
び、摩擦係数μやスリップ速度ΔV等を算出する車両特
性演算部12や摩擦エネルギー演算部14や摩擦仕事率
演算部等の各機能を実施するプログラムが記録媒体に格
納されてもよく、また、タイヤ車外騒音予測装置10全
体の機能を実施するプログラムが記録媒体に格納されて
もよい。
【0051】以上、本発明のタイヤ車外騒音予測方法お
よびタイヤ車外騒音予測プログラムを記録した記録媒体
について詳細に説明したが、本発明は上記実施例に限定
はされず、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、各
種の改良および変更を行ってもよいのはもちろんであ
る。
【0052】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、本発明に
よれば、タイヤの回転を加速することによって生じるタ
イヤと路面間に働く摩擦エネルギー、あるいは、タイヤ
の回転を加速することによって生じるタイヤと路面間に
働く摩擦仕事率、を用いてタイヤの加速時騒音増加量を
求めることにより、タイヤの加速時車外騒音のレベル
を、再現性が高く、精度良く、しかも容易に短時間に予
測することができる。特に、タイヤに働く駆動力、およ
び、タイヤの路面に対するスリップ比あるいはスリップ
速度を、車両の車両諸元情報と車両の加速前後の走行速
度情報とを用いて算出し、これを用いて摩擦エネルギー
や摩擦仕事率を算出することで、タイヤの加速時騒音増
加量を、さらには、タイヤの加速時車外騒音を、容易に
短時間に予測することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明のタイヤ車外騒音予測方法を実施する
タイヤ車外騒音予測装置の一例を示すブロック図であ
る。
【図2】 本発明のタイヤ車外騒音予測方法において対
象とされるタイヤの加速走行時の速度、駆動力および垂
直荷重を説明する説明図である。
【図3】 本発明のタイヤ車外騒音予測方法に用いられ
る駆動μ−S特性を説明する説明図である。
【図4】 本発明のタイヤ車外騒音予測方法の流れの一
例を示すフローチャートである。
【図5】 本発明のタイヤ車外騒音予測方法で算出され
る駆動力と、測定駆動力との比較を示す図である。
【図6】 本発明のタイヤ車外騒音予測方法で予測され
るタイヤ車外騒音予測値と、測定値との比較を示す図で
ある。
【図7】 「自動車の加速時車外騒音試験方法」を説明
する説明図である。
【符号の説明】
10 タイヤ車外騒音予測装置 11 入力部 12 車両特性演算部 14 摩擦エネルギー演算部 16 加速時騒音増加量演算部 18 惰性走行時騒音演算部 20 加速時車外騒音演算部 22 メモリ部

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】タイヤの加速時車外騒音を、所定の速度で
    走行する際に発生するタイヤの惰性走行時騒音と所定の
    走行速度から加速する際に発生する加速時騒音増加量と
    を合成することによって予測する、加速時のタイヤ車外
    騒音予測方法であって、 前記加速時騒音増加量は、タイヤの回転を加速すること
    によって生じるタイヤと路面間に働く摩擦エネルギー、
    あるいは、タイヤの回転を加速することによって生じる
    タイヤと路面間に働く摩擦仕事率、を用いて求めること
    を特徴とするタイヤ車外騒音予測方法。
  2. 【請求項2】前記加速時騒音増加量は、前記摩擦エネル
    ギーあるいは前記摩擦仕事率の多項式を対数変換した関
    数によって求める請求項1に記載のタイヤ車外騒音予測
    方法。
  3. 【請求項3】前記多項式は、前記摩擦エネルギーあるい
    は前記摩擦仕事率の1次多項式あるいは2次多項式であ
    る請求項2に記載のタイヤ車外騒音予測方法。
  4. 【請求項4】前記摩擦エネルギーは、タイヤの回転を加
    速する際にタイヤに働く駆動力と、タイヤの路面に対す
    るスリップ比とを用いて求める請求項1〜3のいずれか
    に記載のタイヤ車外騒音予測方法。
  5. 【請求項5】前記摩擦エネルギーは、前記駆動力と前記
    スリップ比を乗算して求める請求項4に記載のタイヤ車
    外騒音予測方法。
  6. 【請求項6】前記摩擦仕事率は、タイヤの回転を加速す
    る際に前記タイヤに働く駆動力と、タイヤの路面に対す
    るスリップ速度とを用いて求める請求項1〜3のいずれ
    かに記載のタイヤ車外騒音予測方法。
  7. 【請求項7】前記摩擦エネルギーは、前記駆動力と前記
    スリップ速度を乗算して求める請求項6に記載のタイヤ
    車外騒音予測方法。
  8. 【請求項8】前記駆動力は、タイヤを装着した車両を実
    際に加速した際に、前記車両に取り付けられたセンサで
    計測して取得する請求項4〜7のいずれかに記載のタイ
    ヤ車外騒音予測方法。
  9. 【請求項9】前記スリップ比あるいは前記スリップ速度
    は、タイヤを装着した車両を実際に加速した際に得られ
    る前記車両の走行速度およびタイヤの回転角速度から求
    める請求項4〜8のいずれかに記載のタイヤ車外騒音予
    測方法。
  10. 【請求項10】請求項4〜7のいずれかに記載のタイヤ
    車外騒音予測方法であって、 タイヤの加速時車外騒音を予測する際、タイヤを装着す
    る車両を想定し、 前記駆動力、および、前記スリップ比あるいは前記スリ
    ップ速度は、想定された前記車両の車両諸元情報と前記
    車両の加速前後の走行速度情報とを用いて算出すること
    を特徴とするタイヤ車外騒音予測方法。
  11. 【請求項11】前記駆動力、および、前記スリップ比あ
    るいは前記スリップ速度を算出する際、前記車両の加速
    に伴って生ずる回転相当部分重量を、前記車両の空車重
    量の0.07倍以上0.12倍以下とすることを特徴と
    する請求項10に記載のタイヤ車外騒音予測方法。
  12. 【請求項12】前記タイヤの加速時車外騒音は、タイヤ
    を点音源とする距離減衰を含み、前記タイヤの位置によ
    って騒音測定位置での騒音レベルが変動する騒音レベル
    変動波形の形式で予測される請求項1〜11のいずれか
    に記載のタイヤ車外騒音予測方法。
  13. 【請求項13】コンピュータを用いて、所定の速度で走
    行する際に発生するタイヤの惰性走行時騒音と所定の走
    行速度から加速する際に発生する加速時騒音増加量とを
    合成することによって、タイヤの加速時車外騒音を予測
    するためのプログラムを記録した記録媒体であって、 前記加速時騒音増加量は、タイヤの回転を加速すること
    によって生じるタイヤと路面間に働く摩擦エネルギー、
    あるいは、タイヤの回転を加速することによって生じる
    タイヤと路面間に働く摩擦仕事率、を用いて求めること
    を特徴とするタイヤ車外騒音予測プログラムを記録した
    記録媒体。
  14. 【請求項14】請求項13に記載のタイヤ車外騒音予測
    プログラムを記録した記録媒体であって、 タイヤの加速時車外騒音を予測する際、タイヤを装着す
    る車両を想定し、 この車両の車両諸元情報と前記車両の加速前後の走行速
    度情報とを用いて、タイヤの回転を加速する際にタイヤ
    に働く駆動力と、タイヤの路面に対するスリップ比ある
    いはタイヤの路面に対するスリップ速度を算出し、 算出された前記駆動力と、前記スリップ比あるいは前記
    スリップ速度とを用いて、前記摩擦エネルギー、あるい
    は、前記摩擦仕事率を算出することを特徴とするタイヤ
    車外騒音予測プログラムを記録した記録媒体。
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