JP2002089958A - ヒートポンプ式給湯器 - Google Patents

ヒートポンプ式給湯器

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JP2002089958A
JP2002089958A JP2000285788A JP2000285788A JP2002089958A JP 2002089958 A JP2002089958 A JP 2002089958A JP 2000285788 A JP2000285788 A JP 2000285788A JP 2000285788 A JP2000285788 A JP 2000285788A JP 2002089958 A JP2002089958 A JP 2002089958A
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water
temperature
refrigerant
heat exchanger
circuit
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JP2000285788A
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Yasuji Ogoshi
靖二 大越
Eiji Kuwabara
永治 桑原
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Toshiba Carrier Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、補助ヒータ等を必要とすることな
く、冷凍サイクル回路単独で約85℃の湯が得られて高
い給湯効率を保持し、圧縮機の吐出圧力がさほど高くな
く特別な高耐圧設計を不要としてコストの低減に寄与す
るヒートポンプ式給湯器を提供する。 【解決手段】圧縮機3、四方弁4、水熱交換器5、膨張
弁6および空気熱交換器7を順次、冷媒配管8を介して
連通する冷凍サイクル回路1と、ポンプ12、水熱交換
器13および貯湯槽14を順次、水配管15を介して連
通する水回路10とを具備し、冷凍サイクル回路の水熱
交換器から放出される凝縮熱を水回路の水熱交換器で吸
収して貯湯槽内に湯を貯めるヒートポンプ式給湯器であ
り、冷凍サイクル回路に用いられる冷媒はR410Aま
たはR407Cが選択される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、たとえば深夜電力
を利用して貯湯するヒートポンプ式給湯器に関する。
【0002】
【従来の技術】たとえば深夜電力を利用して冷凍サイク
ル回路の圧縮機を駆動し、冷凍サイクル作用にともなう
凝縮熱を水に放出して加熱し、水を湯に変えるヒートポ
ンプ式給湯器が多用されている。
【0003】ここで問題は、冷凍サイクル回路に用いら
れる冷媒の種類である。従来は、HCFC冷媒であるR
22冷媒が一般に用いられ、あるいは、近時、CO2
(炭酸ガス)冷媒が使用される。そして、それぞれの使
用冷媒に適応する冷凍サイクル回路および水回路を備え
ている。
【0004】図7(A)は、R22冷媒を用いた給湯器
の回路構成を表し、図7(B)は、CO2冷媒を用いた
給湯器の回路構成を表している。
【0005】はじめに、図7(A)から説明すると、圧
縮機a、四方弁b、水熱交換器c、減圧装置である膨張
弁dおよび空気熱交換器eが順次、冷媒配管Paを介し
て連通されていて、これらで冷凍サイクル回路Aをな
す。また、ポンプf、水熱交換器g、補助ヒータhおよ
び貯湯槽iが順次、水配管Pbを介して連通されてい
て、これらで水回路Baをなす。
【0006】たとえば、深夜電力を利用して冷凍サイク
ル回路Aの圧縮機aを駆動すると、空気熱交換器eで冷
媒が蒸発して周囲から蒸発潜熱を奪い、水熱交換器cに
おいて冷媒が凝縮して凝縮熱を放出する。
【0007】一方、水回路Bのポンプfが駆動されて、
貯湯槽i内の水は水熱交換器gに導かれ、ここで冷凍サ
イクル回路Aの水熱交換器cから放出される冷媒凝縮熱
により加熱される。温度上昇した水、すなわち低温の湯
は補助ヒータhに導かれ、さらに加熱されてから貯湯槽
i内に供給される。
【0008】高温化した湯は比重の関係で貯湯槽i内の
上部に溜まり、下部側の水と混じり合うことは少ない。
槽i内の水はポンプfによって継続して吸い出され、水
熱交換器gと補助ヒータhに導かれて湯に変わる。槽i
内下部の水の水位が下がるのに代わって、上部の湯量が
増大する。槽底面まで湯面が低下した状態で、貯湯が完
了する。
【0009】なお、R22冷媒を用いた冷凍サイクル回
路Aでは、水熱交換器cにおいて水を約65℃まで沸き
上げることができ、さらに水回路Baに備えた補助ヒー
タhによって85℃の湯になるよう加熱している。
【0010】図7(B)に示す回路構成において、R2
2冷媒使用の回路構成と同一部品については同番号を付
して新たな説明を省略する。すなわち、冷凍サイクル回
路A構成は全く同一であり、ここでの水回路Bbにおい
てR22冷媒の回路に用いた補助ヒータは必要でなく、
それ以外は全く同一である。
【0011】CO2冷媒を用いることにより、冷凍サイ
クル回路Aの水熱交換器cにおける加熱温度を約85℃
まで上げられ、そのまま貯湯槽iに供給できる。したが
って、ヒータで加熱する必要がなく、R22冷媒使用の
給湯器より効率が良くなる特徴を有する。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】このように、R22冷
媒を用いたヒートポンプ式給湯器では、65℃までは冷
凍サイクル回路Aで加熱できるが、そのあと補助ヒータ
hで加熱する必要があり、総合効率は約2.0に低下し
てしまう。
【0013】一方、CO2冷媒を用いた給湯器では、効
率がR22冷媒よりも良い反面、圧縮機aの吐出圧力が
R22の約4倍高い120〜130Kg/cmもあ
る。そのため、圧縮機、室内外 熱交換器、四方弁およ
び膨張弁などのサイクル構成部品を高耐圧設計しなけれ
ばならず、部品費が増大してコストに悪影響を与えてい
る。
【0014】本発明は上述の課題を解決するためになさ
れたものであり、その目的とするところは、補助ヒータ
等を必要とすることなく、冷凍サイクル回路単独で約8
5℃の湯が得られて高い給湯効率を得られ、圧縮機の吐
出圧力がさほど高くなく特別な高耐圧設計を不要として
コストの低減に寄与するヒートポンプ式給湯器を提供し
ようとするものである。
【0015】
【課題を解決するための手段】上記目的を満足するため
請求項1の発明は、圧縮機、四方弁、水熱交換器、減圧
装置および空気熱交換器を順次、冷媒配管を介して連通
する冷凍サイクル回路と、ポンプ、水熱交換器および貯
湯槽を順次、水配管を介して連通する水回路とを具備
し、上記冷凍サイクル回路の水熱交換器から放出される
凝縮熱を、上記水回路の水熱交換器で吸収して貯湯槽内
に湯を貯めるヒートポンプ式給湯器において、上記冷凍
サイクル回路に用いられる冷媒は、R410AまたはR
407Cが選択されることを特徴とする。
【0016】請求項2として、請求項1記載のヒートポ
ンプ式給湯器において上記冷凍サイクル回路の圧縮機は
回転数可変であり、水回路の水熱交換器導出側に湯の温
度を検知する湯温センサを設け、この湯温センサの検知
温度にもとづいて圧縮機の回転数を制御する制御手段を
備えたことを特徴とする。
【0017】請求項3として、請求項1記載のヒートポ
ンプ式給湯器において上記冷凍サイクル回路の圧縮機は
回転数可変であり、冷凍サイクル回路の水熱交換器に冷
媒の凝縮温度を検知する凝縮温度センサを設け、この凝
縮温度センサの検知温度が所定温度を超えたときに圧縮
機の回転数を下げる制御をなす制御手段を備えたことを
特徴とする。
【0018】請求項4として、請求項1記載のヒートポ
ンプ式給湯器において上記冷凍サイクル回路の減圧装置
は膨張弁であり、この膨張弁の開度を制御して圧縮機の
冷媒吐出温度を一定に保持する制御手段を備えたことを
特徴とする。
【0019】請求項5として、請求項1記載のヒートポ
ンプ式給湯器において上記水回路のポンプは回転数が可
変であり、この水回路の水熱交換器導出側に湯の温度を
検知する湯温センサを設け、この湯温センサの検知温度
にもとづいてポンプの回転数を制御する制御手段を備え
たことを特徴とする。
【0020】請求項6として、請求項1記載のヒートポ
ンプ式給湯器において上記冷凍サイクル回路の空気熱交
換器に送風する送風機は回転数が可変であり、外気温度
を検知する外気温センサを備え、この外気温センサの検
知温度にもとづいて送風機の回転数を制御する制御手段
を備えたことを特徴とする。
【0021】請求項7として、請求項1記載のヒートポ
ンプ式給湯器において上記冷凍サイクル回路の空気熱交
換器に送風する送風機は回転数が可変であり、冷凍サイ
クル回路の水熱交換器に冷媒の凝縮温度を検知する凝縮
温度センサを設け、この凝縮温度センサの検知温度が所
定温度を超えたときに、送風機の回転数を制御する制御
手段を備えたことを特徴とする。
【0022】このような課題を解決する手段を採用する
ことにより、請求項1ないし請求項7の発明によれば、
補助ヒータ等を必要とすることなく、冷凍サイクル回路
単独で約85℃の湯が得られ、圧縮機の吐出圧力がさほ
ど高くなく特別な高耐圧設計を不要となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図面
にもとづいて説明する。図1は、ヒートポンプ式給湯器
の回路構成を示していて、これは冷凍サイクル回路1
と、水回路10とから構成される。上記冷凍サイクル回
路1は、圧縮機3と、四方弁4と、水熱交換器5と、減
圧装置である膨張弁6および空気熱交換器7が順次、冷
媒配管8を介して連通されてなり、冷媒を導通させて周
知の冷凍サイクル作用をなす。
【0024】上記水回路10は、ポンプ12、水熱交換
器13および貯湯槽14が順次、水配管15を介して連
通されてなり、水を導通させて後述するように湯に変
え、かつ貯湯するようになっている。
【0025】上記冷凍サイクル回路1の水熱交換器3
と、水回路10の水熱交換器13とは、図2に示すよう
に一体化されていて、これら水熱交換器5,13に導か
れる冷媒と水とが互いに熱交換するようになっている。
【0026】冷凍サイクル回路1における圧縮機3の冷
媒吐出部近傍で冷媒配管8に密着して、圧縮機3から吐
出された冷媒の温度を検知する吐出温度センサ20が設
けられる。圧縮機3の冷媒吸込み部近傍で冷媒配管8に
密着して、圧縮機に吸込まれる冷媒の温度を検知する吸
込み温度センサ21が設けられる。
【0027】また、冷凍サイクル回路1における水熱交
換器5に密着して、冷媒の凝縮温度を検知する凝縮温度
センサ22が設けられる。上記膨張弁6と空気熱交換器
7とを接続する冷媒配管8に密着して、冷媒の蒸発温度
を検知する蒸発温度センサ23が設けられる。
【0028】上記水回路10におけるポンプ12の吸込
み部近傍で水配管15に密着して、ポンプに吸込まれる
水の温度を検知する水温センサ24が設けられる。ま
た、水回路10における水熱交換器13の導出部近傍で
水配管15に密着して、この水熱交換器で加熱された湯
の温度を検知する湯温センサ25が設けられる。
【0029】以上説明した各センサ20〜25は、全て
制御手段をなす制御装置30と電気的に接続されてい
て、それぞれの検知信号を各センサから制御装置へ送る
ようになっている。さらに上記制御装置30は、圧縮機
3、四方弁4、膨張弁6およびポンプ12などの各電動
部品と電気的に接続されていて、後述する制御信号を各
電動部品に送り必要な制御を行うようになっている。
【0030】上記冷凍サイクル回路1に用いられる冷媒
は、R410A冷媒またはR407C冷媒が選択され
る。これら冷媒は、R22などのHCFC冷媒が近い将
来全廃するのに代わって用いられるHFC冷媒の一種で
あり、塩素を含まずオゾン層を破壊しない新代替物質と
して開発されたものである。
【0031】R410A冷媒は、R32と、R125の
2種のHFC混合冷媒であって、圧力などの物性がR2
2と異なる。擬似共沸混合冷媒として、圧力損失が小さ
く、熱伝導率が高いなど、冷凍サイクルに適した性質を
有している。また、R407C冷媒は、R32,R12
5,R134aの3種の非共沸混合冷媒で、一定凝縮圧
力で飽和温度が変化する特徴を持っている。
【0032】このようにして構成されるヒートポンプ式
給湯器であり、たとえば深夜時間帯に入って深夜電力が
供給されると、水温センサ24が水温を検知して、その
検知信号を制御装置30へ送る。
【0033】上記水温センサ24の検知温度は、貯湯槽
14内に貯留される湯の温度でもあるので、検知温度が
所定温度以下であれば、制御装置30はヒートポンプ貯
湯運転を開始するよう制御する。
【0034】水回路10のポンプ12が駆動され、図中
実線矢印に示すように水を貯湯槽14内から吸い出して
水熱交換器13に導く。その一方で、冷凍サイクル回路
1の圧縮機3が駆動され、冷媒を図中破線矢印に示すよ
うに水熱交換器5に導いて凝縮させる。
【0035】冷凍サイクル回路1の水熱交換器5から放
出する冷媒凝縮熱を、水回路10の水熱交換器13を通
過する水が吸収して温度上昇し、湯に換る。水回路10
の水熱交換器5から導出される湯は貯湯槽14の上部に
溜まり、時間の経過とともに湯量が増大し、下部の水の
量が減少する。
【0036】冷凍サイクル回路1の水熱交換器5で凝縮
した冷媒は、膨張弁6に導かれて減圧され、空気熱交換
器7に導かれて蒸発し、圧縮機1に吸込まれる。そし
て、圧縮され、再び上述のように冷凍サイクル回路1を
循環する。
【0037】以上述べたような運転を継続すると、順
次、貯湯槽14内の湯が増大し、ついには槽内全てが湯
で満たされる。この状態で、水温センサ24の検知水温
が所定値以上となり、検知信号を受けた制御装置30は
確認し次第、貯湯運転の停止を指示する。
【0038】つぎに、本発明のR410A冷媒またはR
407C冷媒を用いたヒートポンプ式給湯器の運転特性
と、従来のCO2冷媒およびR22冷媒を用いた給湯器
の運転特性と比較して説明する。
【0039】表1は、本発明のR410A冷媒およびR
407C冷媒と、従来のCO2冷媒およびR22冷媒で
の85℃貯湯運転時の運転圧力と、温度と、冷凍サイク
ル理論効率の計算結果を示す。
【0040】
【表1】
【0041】R22冷媒を用いた場合において、現状で
は圧縮機の耐圧面でヒートポンプ単独で85℃まで上げ
ることはできないが、耐圧構造の圧縮機が存在するもの
として計算した。
【0042】外気温が5℃、水温が5℃であることを前
提として、冷媒の蒸発温度が0℃、膨張弁の冷媒導入側
における冷媒温度(液温)が10℃、空気熱交換器(蒸
発器)のスーパーヒート量は0℃とした。
【0043】また、水熱交換器の熱交換能力は、本発明
および従来における、いずれの冷媒を用いたサイクルに
おいても、水の温度と冷媒の温度との差が最小5℃とな
るように設定した。
【0044】表1から、COP(理論値)が、本発明の
R410A冷媒を用いると 5.16、 R407C冷
媒を用いると 5.08 であるのに対して、従来のC
O2冷媒を用いた場合では 5.09 であり、R22
冷媒を用いた場合は 4.90 である。この表1か
ら、本発明のR410A冷媒を用いた場合がCOPが最
大となり、従来のものよりもはるかに有効である、との
結論が得られる。
【0045】また、R407C冷媒を用いたものは、C
OPはR410A冷媒を用いた場合より劣るが、従来の
CO2のものと同等であり、かつ、圧力はCO2より大
幅に低くなり、R410A冷媒を用いた場合よりも低く
なる。これらから明らかなように、R410A冷媒、R
407C冷媒は従来のCO2、R22よりも有効な冷媒
と言える。
【0046】表1の計算結果にもとづく本発明のR41
0A冷媒のモリエル線図を図4(A)に、R407C冷
媒のモリエル線図を図4(B)に示す。そして、従来の
CO2冷媒のモリエル線図を図4(C)に示し、R22
冷媒のモリエル線図を図4(D)に示す。
【0047】さらに、冷媒と水の熱交換時の温度変化
を、R410A冷媒は図5(A)に、R407C冷媒は
図5(B)に、従来冷媒のCO2は図5(C)に、R2
2は図5(D)に示す。
【0048】従来のCO2冷媒では、冷凍サイクルの高
圧は超臨界圧力となる。この場合、凝縮域がなく冷媒温
度変化が滑らかで、一般的にカウンターフローの熱交換
方式では効率が良くなると言われている。しかし、CO
2冷媒は、冷媒そのものの特性が良くないため、R41
0Aより効率が悪くなっていると考えられる。
【0049】一方、従来冷媒のR22では冷凍サイクル
の高圧は臨界圧力より充分低く、一定圧力で温度変化の
ない凝縮域で熱交換する。このため、温度変化が折れ線
状になり、効率が悪くなる。今回、選択したR410A
冷媒では、高圧が臨界圧近傍になり、完全な凝縮域はな
く、R22、R407Cに比べ、冷媒温度変化が滑らか
になっている。このため、効率が最も高くなっている。
【0050】R407C冷媒は、高圧はR22と同程度
であるが、臨界温度はR22より低く、そのため、凝縮
域も少なくなっており、温度変化も滑らかである。ま
た、R407Cは非共沸混合冷媒で凝縮域に温度勾配が
あり、温度変化も滑らかになっており、これらが総合し
てR22より効率が高くなっている。
【0051】つぎに、上記水熱交換器5,13の構造
と、ここでの冷媒および水の流れを、図2(A)(B)
にもとづいて説明する。予め、比較的細径の冷媒用パイ
プ5Pと、これよりも太径の水用パイプ13Pとが、同
一の直径で、かつそれぞれ所定のピッチを存してコイル
状に巻回されている。そして、互いのコイル空間に互い
のパイプを嵌め合わせ、かつロー付けなど適宜な手段で
固着されたものである。
【0052】完成した水熱交換器5,13の断面は、細
径の冷媒用パイプ5Pと太径の水用パイプ13Pが交互
に重ね合わされ、一列直状をなす。互いの配管5P,1
3Pがコイル全長に亘って密接しているので、この全長
に亘って冷媒と水の熱交換作用を得られる。
【0053】なお、冷凍サイクル回路1の水熱交換器5
における冷媒導入側をコイル状上端部に、かつ冷媒導出
側をコイル状下端部に設定してある。また、水回路10
の水熱交換器13における水導入側をコイル状下端部
に、かつ水導出側をコイル状上端部に設定してある。こ
のことから、冷媒と水は互いに逆方向に流れる、いわゆ
るカウンターフローとなる。
【0054】圧縮機3で圧縮された高温の冷媒ガスが水
熱交換器5の上端部から導入される。その一方で、水熱
交換器13の下端部から導入された水が上端部に流通す
る間加熱される。この温度上昇した水が上端部に到達し
た時点で、水熱交換器5に導入される高温の冷媒ガスで
加熱され高温化する。
【0055】また、熱交換して低温化した冷媒が水熱交
換器5の下端部から導出される直前で、水回路10の水
熱交換器13下端部から導入される低温の水と熱交換し
てさらに低温化し、過冷却状態となる。
【0056】実際の計測変化結果を、図3に示す。横軸
は導入位置からの距離(m)であり、縦軸は計測した温
度(℃)である。したがって、上述の水熱交換器5,1
3を構成することにより、理想の熱交換作用を得られ
る。
【0057】再び図1に示すように、上記圧縮機3は制
御装置30からの制御信号にもとづいて回転数が調整さ
れる回転数可変のものが用いられている。そのうえで、
制御装置30は圧縮機3の能力を調整して、貯湯槽14
の貯湯温度を一定に保持するように制御する。
【0058】具体的には、上記制御装置30は水回路1
0の水熱交換器13導出側に設けられる湯温センサ25
からの検知温度信号を受け、記憶する標準温度と比較し
て圧縮機3の回転数に変えた演算をなす。そして、得ら
れた回転数制御信号を圧縮機3へ送り、この圧縮機の回
転数を調整して湯温センサ25の検知温度が設定貯湯温
度になるように制御する。
【0059】水回路10の水熱交換器13から導出され
る湯の検知温度が設定値よりも低い場合は、圧縮機3の
回転数を上げて加熱能力を増大させ、湯温の上昇を図
る。逆に、水回路10の水熱交換器13から導出される
湯の温度が設定値よりも高い場合は、圧縮機3の回転数
を下げて加熱能力を低下させ、湯温の低下を図る。
【0060】なお、先に説明した表1と、図4(A)か
ら図4(D)のモリエル線図からも明らかなように、本
発明のR410A冷媒、R407C冷媒を採用した冷凍
サイクルでは、従来のCO2冷媒を採用した冷凍サイク
ルと比較して圧力が低い。しかしながら、本発明でも、
一般の家庭用エアコンの圧縮機の使用範囲の上限圧力レ
ベルにある。そのため、以下に述べるような高圧制御を
行えばよい。
【0061】すなわち、高圧の上昇を凝縮温度センサ2
2が検出し、その信号を制御装置30へ送る。制御装置
30では、高圧の上限値に対応する凝縮温度の設定値と
比較する。その値が上限値を超えたことを確認すると、
制御装置30は圧縮機3の回転数低下させ、高圧のさら
なる上昇を抑制する。このような制御は、たとえば、夏
場など給出される水の温度が高い条件で、加熱能力を抑
制し貯湯温度をある程度低下する際などに適用される。
【0062】また、圧縮機3から吐出される冷媒ガスの
高圧化を可能な限り抑制し、かつ高温出湯を行うために
吐出冷媒を高温に保持する制御を行えれば有利である。
すなわち、圧縮機3の冷媒吐出温度を高く保持すること
により、加熱されてきた水が水熱交換器13から導出さ
れる直前で高温の冷媒ガスによりさらに加熱されること
になり、高温化した湯が得られる。
【0063】具体的には、制御装置30は、圧縮機3か
ら吐出される冷媒温度が使用限界に近い温度になるよう
に膨張弁6の開度を制御する。冷媒の吐出温度が低い場
合は、膨張弁6の開度を絞ってスーパーヒートを大きく
とることにより、吐出温度を上げる。逆に、冷媒の吐出
温度が高い場合は、膨張弁6の開度を開きスーパーヒー
トを小さくコントロールすることになる。
【0064】このようにして、R410A冷媒またはR
407C冷媒を用いた冷凍サイクル作用をなし、制御を
行うことによって、R410A冷媒では効率(COP)
がCO2冷媒を用いた場合よりも良くなり、R407C
冷媒では同等となる。
【0065】また圧力的にもR410A冷媒では高圧で
4.75MPa、R407C冷媒では3.70MPaと
低くなって、現行の家庭用エアコンの圧力レベルで85
℃の高温貯湯が可能になる。
【0066】そして、現行のエアコンを構成する冷凍サ
イクル部品である圧縮機や、熱交換器もしくは弁類など
をそのまま用いることができ、低コストを保持して、低
価格の給湯器を提供できる。
【0067】上記圧縮機3から吐出される冷媒ガスが高
温を保持することにより、吐出冷媒を必要以上に高圧化
する必要がなくなり、無理のない高温加熱が可能とな
る。そして、圧縮機3に対する高圧制御を行うことによ
り、所定の圧力範囲内で冷凍サイクル運転をなす。
【0068】なお、上記冷凍サイクル回路1の圧縮機3
は、必ずしも回転数可変形のものが使用されるとは限ら
ない。制御が不要であって、しかも制御装置の簡素化を
図れるように、回転数が一定の圧縮機が用いられる場合
もある。
【0069】図6は、このような回転数が一定の圧縮機
3Hを備えたヒートポンプ式給湯器の回路構成を示して
いる。先に、図1で説明した部品と同一のものについて
は同一番号を付して新たな説明は省略する。
【0070】以上の前提と給湯器における制御手段であ
る制御装置30Hは、以下のような制御が可能である。
すなわち、水回路10に配置されるポンプ12Hの回転
数を可変形となし、制御装置30Hから回転数の制御信
号を送れるようにする。そして、水回路10の水熱交換
器13導出側に設けた湯温センサ25で湯の温度を検知
し、その検知信号を制御装置30Hへ送る。
【0071】上記制御装置30Hでは、湯温センサ25
からの検知信号にもとづいて必要な演算をなし、ポンプ
12Hに適応する回転数制御信号を送る。すなわち、湯
温センサ25の検知温度が所定温度よりも低い場合は、
ポンプ12Hの回転数を下げる制御信号を送る。このこ
とにより、水回路10の流量が減少し、最終的に水回路
10の水熱交換器13導出側の湯の温度が上昇する。
【0072】湯温センサ25の検知温度が所定温度より
も高い場合は、制御装置30Hはポンプ12Hの回転数
を上げる制御信号を送る。このことにより、上記水回路
10の流量が増加し、最終的に水回路10の水熱交換器
13導出側の湯の温度が下がる。結局、回転数が一定の
圧縮機3Hを用いても、適応する制御をなすことによ
り、貯湯槽14における貯湯温度を所定温度に保持でき
る。
【0073】つぎに、上記回転数が一定の圧縮機3Hを
用いた場合の低圧上昇防止制御として、空気熱交換器7
に対向して配置される送風機9の回転数を可変とし、ま
た、外気温度を検出する外気温センサ26を設置し、制
御装置30Hは外気温センサ26の温度を検出し、送風
機9の回転数を制御する。
【0074】すなわち、外気温度が設定値よりも高い場
合、低圧(蒸発圧力)が高くなり入力が増大するため、
送風機9の回転数を低下させ、低圧の上昇を抑え、入力
の増加を防止する。
【0075】また、上記回転数が一定の圧縮機3Hを用
いた場合の高圧上昇防止制御として、空気熱交換器7に
対向して配置される送風機9の回転数を可変とし、ま
た、凝縮温度を検出する凝縮温度センサ22を取付け、
制御装置30Hは凝縮温度センサ22の温度を検出し送
風機9の回転数を制御する。
【0076】すなわち、凝縮温度が設定値よりも高い場
合、凝縮圧力が高くなり、入力が増大するため、送風機
9の回転数を低下させ、蒸発圧力の上昇を抑えることに
より、凝縮圧力の上昇を防止する。
【0077】なお、上述の水回路10のポンプ12Hの
回転数の制御および空気熱交換器7に対向して配置され
る送風機9の回転数の制御は、回転数可変の圧縮機を用
いた冷凍サイクルの場合も適用可能であることは勿論で
ある。
【0078】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、冷
凍サイクル回路にR410A冷媒またはR407C冷媒
を用いることにより、ヒートポンプ単独で約85℃まで
加熱した湯を得られて高い給湯効率を保持し、圧縮機の
吐出圧力がCO2冷媒の場合よりも高くなり、特別な高
耐圧設計を不要としてコストの低減に寄与する。
【0079】また、圧縮機の吐出温度を高温に保つこと
により、高圧を必要以上に高くすることなく高温加熱が
可能であり、高圧制御を行うことにより、所定の圧力範
囲内で運転できるなどの効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態を示す、ヒートポンプ式給
湯器の回路構成図。
【図2】同実施の形態を示す、水熱交換器の概略の外観
図と、一部断面図。
【図3】同実施の形態の、水熱交換器における冷媒と水
の温度変化の特性図。
【図4】同実施の形態および従来の冷媒の、モリエル線
図。
【図5】同実施の形態および従来の冷媒の、冷媒と水の
熱交換時の温度変化とエンタルピの特性図。
【図6】本発明の他の実施の形態を示す、ヒートポンプ
式給湯器の回路構成図。
【図7】従来の、CO2冷媒を用いた給湯器の回路構成
図と、R22冷媒を用いた給湯器の回路構成図。
【符号の説明】
3,3H…圧縮機、 4…四方弁、 5…(冷凍サイクル回路の)水熱交換器、 6…膨張弁(減圧装置)、 7…空気熱交換器、 8…冷媒配管、 1…冷凍サイクル回路、 12,12H…ポンプ、 13…(水回路の)水熱交換器、 14…貯湯槽、 10…水回路、 …湯温センサ、 30,30H…制御装置(制御手段) 22…凝縮温度センサ、 12,12H…ポンプ、 9…送風機、 26…外気温センサ。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】圧縮機、四方弁、水熱交換器、減圧装置お
    よび空気熱交換器を順次、冷媒配管を介して連通する冷
    凍サイクル回路と、 ポンプ、水熱交換器および貯湯槽を順次、水配管を介し
    て連通する水回路とを具備し、 上記冷凍サイクル回路の水熱交換器から放出される凝縮
    熱を、上記水回路の水熱交換器で吸収して貯湯槽内に湯
    を貯めるヒートポンプ式給湯器において、 上記冷凍サイクル回路に用いられる冷媒は、R410A
    またはR407Cが選択されることを特徴とするヒート
    ポンプ式給湯器。
  2. 【請求項2】上記冷凍サイクル回路の圧縮機は、回転数
    が可変であり、 上記水回路の水熱交換器導出側に、湯の温度を検知する
    湯温センサを設け、 この湯温センサの検知温度にもとづいて上記圧縮機の回
    転数を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請求
    項1記載のヒートポンプ式給湯器。
  3. 【請求項3】上記冷凍サイクル回路の圧縮機は、回転数
    が可変であり、 上記冷凍サイクル回路の水熱交換器に、冷媒の凝縮温度
    を検知する凝縮温度センサを設け、 この凝縮温度センサの検知温度が所定温度を超えたとき
    に、上記圧縮機の回転数を下げる制御をなす制御手段を
    備えたことを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式
    給湯器。
  4. 【請求項4】上記冷凍サイクル回路の減圧装置は膨張弁
    であり、 この膨張弁の開度を制御して、上記圧縮機の冷媒吐出温
    度を一定に保持する制御手段を備えたことを特徴とする
    請求項1記載のヒートポンプ式給湯器。
  5. 【請求項5】上記水回路のポンプは回転数が可変であ
    り、 この水回路の水熱交換器導出側に、湯の温度を検知する
    湯温センサを設け、 この湯温センサの検知温度にもとづいて、上記ポンプの
    回転数を制御する制御手段を備えたことを特徴とする請
    求項1記載のヒートポンプ式給湯器。
  6. 【請求項6】上記冷凍サイクル回路の上記空気熱交換器
    に送風する送風機は回転数が可変であり、 外気温度を検知する外気温センサを備え、 この外気温センサの検知温度にもとづいて、上記送風機
    の回転数を制御する制御手段を備えたことを特徴とする
    請求項1記載のヒートポンプ式給湯器。
  7. 【請求項7】上記冷凍サイクル回路の上記空気熱交換器
    に送風する送風機は回転数が可変であり、 上記冷凍サイクル回路の水熱交換器に、冷媒の凝縮温度
    を検知する凝縮温度センサを設け、 この凝縮温度センサの検知温度が所定温度を超えたとき
    に、上記送風機の回転数を制御する制御手段を備えたこ
    とを特徴とする請求項1記載のヒートポンプ式給湯器。
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