JP2002089470A - スクロール式流体機械 - Google Patents

スクロール式流体機械

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JP2002089470A
JP2002089470A JP2000278017A JP2000278017A JP2002089470A JP 2002089470 A JP2002089470 A JP 2002089470A JP 2000278017 A JP2000278017 A JP 2000278017A JP 2000278017 A JP2000278017 A JP 2000278017A JP 2002089470 A JP2002089470 A JP 2002089470A
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scroll
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oil
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Koji Fukui
宏治 福井
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Tokico Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ケーシングと旋回スクロールとの摺接面間に
給油ポンプを設けた場合でも、旋回スクロールの挙動を
安定化できるようにする。 【解決手段】 ケーシング1のスラスト受3と旋回スク
ロール9との間には3個の給油ポンプ21A,21B,
21Cを設ける。そして、これら給油ポンプ21A,2
1B,21Cは、スラスト受3と旋回スクロール9との
摺接面3B,9D間に周方向に等しい間隔をおいて配置
する。そして、給油ポンプ21A,21B,21Cは、
油液の吐出行程を互いに同期させることにより、旋回ス
クロール9の背面側には、給油ポンプ21A,21B,
21Cからの油液の吐出圧力を常に均等な大きさをもっ
て付加できるようにする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、空気圧縮機、真空
ポンプ等に用いて好適なスクロール式流体機械に関す
る。
【0002】
【従来の技術】一般に、スクロール式流体機械は、ケー
シングと、該ケーシングに設けられた固定スクロール
と、前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、
前記ケーシング内で該駆動軸の先端側に旋回軸受を介し
て旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数
の圧縮室を画成し背面側が前記ケーシングと摺接した旋
回スクロールとを備えている。
【0003】この種の従来技術によるスクロール式流体
機械は、外部から駆動軸を回転駆動し、旋回スクロール
を固定スクロールに対し一定の偏心寸法をもって旋回運
動させることにより、固定スクロールの外周側に設けた
吸込口から空気等の流体を吸込みつつ、この流体を固定
スクロールと旋回スクロールとの間の各圧縮室内で順次
圧縮し、固定スクロールの中心部に設けた吐出口から圧
縮流体を外部に向けて吐出する。
【0004】また、他のスクロール式流体機械として
は、駆動軸、旋回軸受等の摺動部位を潤滑するために、
例えばケーシングと旋回スクロールとの摺接面間に旋回
スクロールの動きに追従して作動する給油ポンプを設け
る構成としたものが検討されている(例えば特願平11
−163110号)。
【0005】そして、このスクロール式流体機械は、圧
縮運転時にケーシング内に収容した油液を給油ポンプ内
に吸込み、この吸込んだ油液を、給油ポンプから旋回ス
クロールに設けた吐出通路を通じて旋回軸受、駆動軸等
の給油部位に向けて吐出する構成となっている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上述した従
来技術によるスクロール式流体機械では、ケーシングの
内周側にスラスト受を設け、このスラスト受を旋回スク
ロールの背面側に摺接させることにより、圧縮運転時に
旋回スクロールに作用するスラスト荷重をスラスト受で
支持し、旋回スクロールの挙動を安定化させる構成とし
ている。
【0007】しかし、特願平11−163110号に記
載のスクロール式流体機械のように、給油ポンプをケー
シングのスラスト受と旋回スクロールとの摺接面間に設
ける構成とした場合、以下のような問題が生じる。
【0008】即ち、このスクロール式流体機械にあって
は、給油ポンプから油液が吐出されるときに油液の吐出
圧力に脈動が生じる。このため、例えば圧縮運転の初期
段階において圧縮室内の圧力が十分に上昇せず、旋回ス
クロールに作用するスラスト力が比較的小さい場合、給
油ポンプから吐出される油液の圧力脈動により旋回スク
ロールは給油ポンプの位置で背面側から繰返し押圧され
る。
【0009】この結果、旋回スクロールの挙動が不安定
となり、例えば旋回スクロールの背最外周端とスラスト
受とが接触し、両者の間に損傷等が発生することがある
という問題がある。
【0010】本発明は上述した従来技術の問題に鑑みな
されたもので、本発明の目的は、旋回スクロールの背面
側に給油ポンプを配置した場合でも、圧縮運転時に旋回
スクロールの挙動を常に安定化させることができ、ケー
シングと旋回スクロールとの間に損傷等が発生するのを
防止し、これらケーシング、旋回スクロール等の耐久
性、寿命等を高められるようにしたスクロール式流体機
械を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】上述した課題を解決する
ために、本発明によるスクロール式流体機械は、ケーシ
ングと、該ケーシングに設けられた固定スクロールと、
前記ケーシングに回転可能に設けられた駆動軸と、該駆
動軸の先端側に旋回可能に設けられ前記固定スクロール
との間に複数の圧縮室を画成し背面側が前記ケーシング
と摺接した旋回スクロールと、該旋回スクロールの動き
に追従して作動することにより前記ケーシング内に収容
した油液を吸込み給油部位に向けて吐出する給油ポンプ
とを備えている。
【0012】そして、請求項1の発明が採用する構成の
特徴は、前記給油ポンプは、前記ケーシングと旋回スク
ロールとの摺接面間に位置して旋回スクロールの周方向
にほぼ等しい間隔をおいて3個以上設け、これら各給油
ポンプは前記油液を給油部位に向けて吐出する吐出行程
を互いに同期させて行う構成としたことにある。
【0013】このように構成したことにより、圧縮運転
時には3個以上の給油ポンプを旋回スクロールの動きに
追従して同時に作動することができ、これら各給油ポン
プによりケーシング内に収容した油液を吸込んで駆動軸
等の給油部位に向けて吐出することができる。
【0014】また、給油ポンプは旋回スクロールの周方
向にほぼ等しい間隔をおいて配置されると共に、これら
各給油ポンプは、油液の吐出行程を互いに同期して行う
ようにしたから、旋回スクロールの背面側には、各給油
ポンプからの油液の吐出圧力を常に均等な大きさをもっ
てバランスさせて付加することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態による
スクロール式流体機械をスクロール式空気圧縮機に適用
した場合を例に挙げ、図1ないし図7に示す添付図面に
従って詳細に説明する。
【0016】図中、1はスクロール式空気圧縮機の外枠
を形成する有底筒状のケーシングで、該ケーシング1
は、ケーシング本体2と、該ケーシング本体2に固着し
て設けられたスラスト受3とによって構成されている。
【0017】ここで、ケーシング本体2は、環状の底部
2Aと、該底部2Aの外周側から後述の固定スクロール
4側に向けて延設された筒部2Bと、底部2Aの内周側
に突設された軸受部2Cとによって構成されている。
【0018】3はケーシング本体2の筒部2B先端側に
設けられた環状のスラスト受で、該スラスト受3の内周
側には、環状をなす段付きの切欠部3Aが形成されてい
る。また、スラスト受3の切欠部3Aには、後述の旋回
スクロール9と摺接する環状の摺接面3Bが形成され、
該摺接面3Bは、後述する圧縮室11内の圧縮空気によ
り旋回スクロール9に付加されるスラスト荷重を支持す
るものである。さらに、スラスト受3は摺接面3Bとは
反対側の端面がケーシング側端面3Cとなっている。
【0019】4はケーシング1の先端側となるスラスト
受3に固着して設けられた固定スクロールで、該固定ス
クロール4は、図1に示す如く略円板状に形成され中心
が後述する駆動軸5の軸線と一致するように配設された
鏡板4Aと、該鏡板4Aの表面に立設された渦巻状のラ
ップ部4Bと、前記鏡板4Aの外周側から該ラップ部4
Bを取囲むように軸方向に突出した筒部4Cと、該筒部
4Cの外周側から径方向外側に突出しスラスト受3に衝
合して取付けられたフランジ部4Dとにより構成されて
いる。
【0020】5はケーシング1内に軸受6,7により回
転可能に支持された駆動軸で、該駆動軸5は、その基端
側が駆動源(図示せず)に連結されている。また、駆動
軸5の先端側はクランク5Aとなってケーシング1内に
延び、該クランク5Aの軸線は駆動軸5の軸線に対して
寸法δだけ偏心している。また、駆動軸5の外周側には
バランスウエイト8が設けられ、該バランスウエイト8
は、旋回スクロール9に対して駆動軸5の回転バランス
をとるものである。
【0021】9はケーシング1内で固定スクロール4と
対向して駆動軸5の先端側に旋回可能に設けられた旋回
スクロールで、該旋回スクロール9は、円板状に形成さ
れた鏡板9Aと、該鏡板9Aの表面側から軸方向に立設
された渦巻状のラップ部9Bとにより大略構成されてい
る。
【0022】また、旋回スクロール9には、鏡板9Aの
背面側中央に位置してボス部9Cが突設され、該ボス部
9Cは、旋回軸受10を介して駆動軸5のクランク5A
に回転可能に取付けられている。さらに、鏡板9Aは、
その背面側がスラスト受3に摺接する摺接面9Dとなっ
ている。
【0023】また、旋回スクロール9は、固定スクロー
ル4のラップ部4Bに対し例えば180度だけずらして
重なり合うように配設され、両者のラップ部4B,9B
間には複数の圧縮室11,11…が画成される。そし
て、スクロール式空気圧縮機の運転時には、固定スクロ
ール4の外周側に設けた吸込口12から外周側の圧縮室
11内に空気を吸込みつつ、この空気を旋回スクロール
9が駆動軸5によって旋回運動する間に各圧縮室11内
で順次圧縮し、最後に中心側の圧縮室11から固定スク
ロール9の中心に設けた吐出口13を介して外部に圧縮
空気を吐出する。
【0024】14,14はスラスト受3の内周側から径
方向内側に突出して設けられた一対のガイド突起、1
5,15は旋回スクロール9の鏡板9A背面側に設けら
れたガイド溝で、これらガイド突起14とガイド溝15
との間にはオルダムリング16が摺動可能に設けられて
いる。そして、このオルダムリング16は、ガイド突起
14とガイド溝15とによって直交する2軸方向にガイ
ドされ、旋回スクロール9の自転を防止している。
【0025】21A,21B,21Cはスラスト受3と
旋回スクロール9との摺接面3B,9D間に設けられた
第1,第2,第3の給油ポンプで、該第1の給油ポンプ
21Aは、旋回スクロール9のボス部9Cよりも上側に
配置されている。また、この給油ポンプ21Aは、後述
の旋回子収容凹部22A、旋回子24A、スライド板2
5A、スライド板駆動機構28Aおよび油液吐出穴32
Aによって大略構成されている。
【0026】そして、この給油ポンプ21Aは、旋回ス
クロール9の動きに追従して作動し、後述のポンプ室2
3A内に吸込んだ油液を加圧状態で吐出し、この油液
を、旋回軸受10、後述の油溝36等の給脂部位に供給
するものである。
【0027】一方、第2,第3の給油ポンプ21B,2
1Cは、旋回スクロール9のボス部Cよりも下側の位置
で左,右に離間して配置されている。そして、これら給
油油ポンプ21B,21Cについても、後述の旋回子収
容凹部22B,22C、旋回子24B,24C、スライ
ド板25B,25C、スライド板駆動機構28B,28
Cおよび油液吐出穴32B,32Cによって大略構成さ
れている。
【0028】ここで、給油ポンプ21A,21B,21
Cは、図3に示すように約120度の中心角αをもっ
て、旋回スクロール9の周方向にほぼ等間隔に離間して
配置されると共に、後述のY軸方向へと同一方向に向け
て配向されている。そして、これら給油ポンプ21A,
21B,21Cは、後述するように油液の吐出行程(吸
込行程)を互いに同期させて繰返し行うものである。
【0029】22A,22B,22Cはスラスト受3の
摺接面3B側に設けられた旋回子収容凹部で、該旋回子
収容凹部22Aは、有底の円形穴として形成され、旋回
スクロール9の摺接面9Dとの間でポンプ室23Aを画
成している。そして、この旋回子収容凹部22Aのポン
プ室23A内には旋回子24Aが旋回運動可能に収容さ
れている。また、旋回子収容凹部22B,22Cについ
ても同様に構成され、旋回スクロール9の摺接面9Dと
の間でポンプ室23B,23Cを画成している。
【0030】24A,24B,24Cは旋回スクロール
9の鏡板9A背面側に突設された旋回子で、該旋回子2
4Aは、旋回スクロール9の鏡板9Aから旋回子収容凹
部22A内に向けて突出した円形状の突起部として形成
され、その突出側の端面は旋回子収容凹部22Aの底面
にほぼ摺接している。また、旋回子24Aの外周側に
は、図4中のX軸方向に沿って延びる摺接面24A1が
形成され、該摺接面24A1はスライド板25Aに摺接
している。
【0031】そして、旋回子24Aは、旋回子収容凹部
22A内に偏心して配置され、その外周面は旋回子収容
凹部22Aの周壁面にほぼ摺接している。このため、旋
回子24Aは旋回スクロール9に追従して動き、旋回子
収容凹部22A内を周壁面に沿って旋回運動する構成と
なっている。また、旋回子24B,24Cについても同
様に構成され、摺接面24B1,24C1を有している。
【0032】25A,25B,25Cはガイド溝31
A,31B,31C内に設けられたスライド板で、該ス
ライド板25Aは、長方形状をなす平板体として形成さ
れ、ガイド溝31A内に図4中のY軸方向に沿ってスラ
イド可能に配設されている。また、スライド板25A
は、その長さ方向両端側が旋回子24Aの摺接面24A
1と後述する駆動突部30Aの摺接面30A1とにそれぞ
れ摺接している。
【0033】このため、スライド板25Aは、旋回スク
ロール9の旋回時に、スライド板駆動機構28Aにより
旋回子24Aの動きに追従して旋回子収容凹部22A内
を移動し、該旋回子24Aとの間でポンプ室23A内を
吸込室26Aと吐出室27Aとに画成している。また、
スライド板25B,25Cについても同様に構成され、
旋回子24B,24Cとの間でポンプ室23B,23C
内を吸込室26B,26Cと吐出室27B,27Cとに
画成している。
【0034】28A,28B,28Cはスライド板駆動
機構で、該スライド板駆動機構28Aは、後述の凹窪部
29A、駆動突部30Aおよびガイド溝31Aによって
構成され、旋回子24Aの動きに追従してスライド板2
5Aを旋回子収容凹部22A内で移動させるものであ
る。また、スライド板駆動機構28B,28Cについて
も、後述の凹窪部29B,29C、駆動突部30B,3
0Cおよびガイド溝31B,31Cによって構成されて
いる。
【0035】29A,29B,29Cは旋回子収容凹部
22A,22B,22Cから離間して、スラスト受3の
摺接面3Bに凹設された凹窪部で、該凹窪部29Aは、
内形状が略長方形状をなした凹陥部として形成され、そ
の内部には駆動突部30Aが収容されている。また、凹
窪部29B,29Cについても同様に構成され、その内
部には駆動突部30B,30Cが収容されている。
【0036】30A,30B,30Cは旋回スクロール
9の鏡板9A背面側に突設された駆動突部で、該駆動突
部30Aは、鏡板9Aから凹窪部29Aに向けて突出し
た長方形状をなす突起部として形成されている。また、
駆動突部30Aには、旋回子24Aの摺接面24A1と
Y軸方向で対向してX軸方向に平行に延びた平面からな
る摺接面30A1が形成され、該摺接面30A1はスライ
ド板25Aに摺接している。
【0037】このため、駆動突部30Aは、旋回スクロ
ール9の旋回時に旋回子24Aと一緒に旋回運動し、該
旋回子24Aとの間でスライド板25Aを両側から挟み
込んだ状態で、このスライド板25Aをガイド溝31A
に沿ってY軸方向にスライドさせる構成となっている。
また、駆動突部30B,30Cについても同様に構成さ
れ、摺動面30B1,30C1を有している。
【0038】31A,31B,31Cは旋回子収容凹部
22A,22B,22Cと凹窪部29A,29B,29
Cとの間に位置して、スラスト受3に設けられたガイド
溝で、該ガイド溝31Aは、スラスト受3の摺接面3B
側を図4中のY軸方向に沿って細長く延びた凹溝として
形成され、その両端側は旋回子収容凹部22Aと凹窪部
29Aとに連なっている。
【0039】そして、このガイド溝31Aは、スライド
板25AをY軸方向に沿ってスライド可能にガイドする
構成となっている。また、ガイド溝31B,31Cにつ
いても同様に構成され、スライド板25B,25CをY
軸方向に沿ってスライド可能にガイドしている。
【0040】32A,32B,32Cは旋回子収容凹部
22A,22B,22Cと凹窪部29A,29B,29
Cとの間に位置して、スラスト受3に設けられた油液吐
出穴で、該油液吐出穴32Aは、スラスト受3の摺接面
3Bに開口して旋回子収容凹部22Aに連なる円形穴と
して形成され、旋回スクロール9の旋回時には、後述の
給油通路34Aと常に連通する位置に配置されている。
【0041】このため、油液吐出穴32Aは、吐出室2
7Aからの油液を給油通路34A側に常に吐出可能とす
るものである。また、油液吐出穴32B,32Cについ
ても同様に構成され、吐出室27B,27Cからの油液
を給油通路34B,34C側に常に吐出可能とするもの
である。
【0042】33Aはケーシング本体2内に位置してス
ラスト受3の上部側に設けられた吸込配管で、該吸込配
管33Aは、細長い管材を2段階に略L字状に折曲げる
ことにより図1、図5に示す如く形成されている。ま
た、吸込配管33Aは、上端側がスラスト受3に固着さ
れ、下端側はケーシング本体2の底部2A側へと下向き
に延びている。そして、吸込配管33Aは、上端側の開
口部33A1が給油ポンプ21Aの吸込室26A内に開
口し、ケーシング1内の油液を吸込室26A内に導く構
成となっている。
【0043】33Bは給油ポンプ21B側に位置してス
ラスト受3の下部側に設けられた吸込通路で、該吸込通
路33Bは、スラスト受3の内部を斜めに傾斜して延
び、その一端側はケーシング1内に開口している。ま
た、吸込通路33Bの他端側は開口部33B1となって
給油ポンプ21Bの吸込室26B内に開口し、ケーシン
グ1内の油液を吸込室26B内に導く構成となってい
る。
【0044】33Cは給油ポンプ21C側に位置してス
ラスト受3の下部側に設けられた他の吸込通路で、該吸
込通路33Cは、スラスト受3の内部を吸込通路33C
とは逆向きに斜めに傾斜して延び、その一端側は吸込通
路33Bの一端側と連通している。また、吸込通路33
Cの他端側は開口部33C1となって給油ポンプ21C
の吸込室26C内に開口し、ケーシング1内の油液を吸
込室26C内に導く構成となっている。
【0045】34A,34B,34Cは旋回スクロール
9の鏡板9A内部に設けられた第1,第2,第3の給油
通路で、該第1の給油通路34Aは、旋回スクロール9
の鏡板9A内部を径方向に延びている。そして、第1の
給油通路34Aの一端側は油液吐出穴32A内に開口す
る開口部34A1となり、他端側は後述の油溝36に開
口する他の開口部34A2となっている。また、第2,
第3の給油通路34B,34Cについても同様に構成さ
れ、吐出室27B,27Cに開口する開口部34B1,
34C1および油溝36に開口する他の開口部34B2,
34C2を有している。
【0046】さらに、これら給油通路34A,34B,
34Cは、旋回スクロール9の鏡板9A中央で互いに交
差し、鏡板9Aに穿設した開口35を通じてボス部9C
内に連通している。そして、給油通路34A,34B,
34Cは、給油ポンプ21A,21B,21Cからの油
液を油溝36に供給すると共に、駆動軸5、旋回軸受1
0にも供給し、これらを潤滑、冷却する構成となってい
る。
【0047】36,36,…は旋回スクロール9の背面
側に周方向に離間して設けられた3個の油溝で、該油溝
36は、旋回スクロール9の摺接面9Dを周方向に円弧
状に延びる円弧状溝として形成されている。そして、各
油溝36には給油ポンプ21A,21B,21Cからの
油液が導かれ、スラスト受3と旋回スクロール9との摺
接面3B,9Dを潤滑、冷却する構成となっている。
【0048】37は駆動軸5に設けられた還流通路で、
該還流通路37は、給油通路34A,34B,34C内
を流れる油液をケーシング1内に直接戻すと共に、この
油液を軸受7側からもケーシング1内に戻す構成となっ
ている。
【0049】本実施の形態によるスクロール式空気圧縮
機は上述の如き構成を有するもので、次にその作動につ
いて説明する。
【0050】まず、電動モータにより駆動軸5を回転さ
せると、旋回スクロール9は駆動軸5を中心として寸法
δの旋回半径をもった円運動(旋回運動)を行い、固定
スクロール4のラップ部4Bと旋回スクロール9のラッ
プ部9Bとの間に画成された圧縮室11,11,…が連
続的に縮小する。これにより、固定スクロール4の吸込
口12から吸込んだ外気を各圧縮室11で順次圧縮しつ
つ、この圧縮空気を固定スクロール4の吐出口13から
外部の空気タンク(図示せず)等に貯留させる。
【0051】次に、第1の給油ポンプ21Aの作動につ
いて図4を参照して説明するに、まず旋回スクロール9
を旋回させると、該旋回スクロール9と一体となった旋
回子24Aと駆動突部30Aとは、旋回子収容凹部22
Aの内部、凹窪部29Aの内部をそれぞれ時計廻りに旋
回運動する。そして、このときにスライド板25Aは、
両端側が旋回子24Aと駆動突部30Aとにそれぞれ摺
接した状態で両者の動きに追従することにより、ガイド
溝31Aに沿ってスライドする。
【0052】この結果、給油ポンプ21A内のポンプ室
23Aは、吸込室26Aの容積がスライド板25Aの動
きに追従して連続的に拡大し、ケーシング1内の油液を
吸込配管33Aを通じて吸込室26A内に吸込む(吸込
行程)。
【0053】これに対し、吐出室27Aの容積は、スラ
イド板25Aの動きに追従して連続的に縮小し、この吐
出室27A内の油液を油液吐出穴32Aから給油通路3
4Aに向けて吐出する(吐出行程)。
【0054】また、第2,第3の給油ポンプ21B,2
1Cについても給油ポンプ21Aと同様に作動し、吸込
通路33B,33Cから吸込室26B,26C内に吸込
んだ油液を、吐出室27B,27Cから給油通路34
B,34Cに向けて吐出する。
【0055】ところで、旋回子24Aが旋回子収容凹部
22Aの中心点Oの周りを図4中に一点鎖線で示す上死
点位置から時計廻りに回転(旋回)したときの回転角を
θとし、給油ポンプ21Aからの油液の吐出量をQとし
たとき、図7に示すように油液の吐出量Qは回転角θの
周期関数として表される。
【0056】そして、この図7の特性線図からも明らか
なように、旋回子24Aが上死点位置から図示しない下
死点位置(θ=180度)に近付くに従って吐出量Qは
増加し、これに伴い油液の吐出圧力も増大する。また、
旋回子24Aが下死点位置から上死点位置に近付くに従
って吐出量Qは減少し、これに伴い油液の吐出圧力も低
下する。
【0057】ここで、本実施の形態では、給油ポンプ2
1A,21B,21Cを同一方向(Y軸方向)に向けて
配置する構成としたので、圧縮運転時に旋回子24Aが
上死点位置から下死点位置、下死点位置から上死点位置
へと1回転するときには、旋回子24B,24Cも旋回
子24Aと一緒に上死点位置から下死点位置、下死点位
置から上死点位置へと1回転し、これら給油ポンプ21
A,21B,21Cは、油液の吐出行程(吸込行程)を
互いに同期させて行うことができる。
【0058】この結果、旋回子24Aが上死点位置から
下死点位置に向けて旋回し、給油ポンプ21A内の圧力
が上昇したときには、これと同時に他の給油ポンプ21
B,21C内の圧力も給油ポンプ21Aと一緒に上昇す
る。
【0059】また、旋回子24Aが下死点位置から上死
点位置に向けて旋回し、給油ポンプ21A内の圧力が低
下したときには、これと同時に他の給油ポンプ21B、
21C内の圧力も給油ポンプ21Aと一緒に低下するよ
うになる。
【0060】かくして、本実施の形態では、給油ポンプ
21A,21B,21Cを、旋回スクロール9の周方向
に均等な間隔をおいて配置すると共に、これら給油ポン
プ21A,21B,21Cの吐出行程を前述の如く同期
して行う構成としたので、圧縮運転時に旋回スクロール
9の背面側には給油ポンプ21A,21B,21Cから
の油液の吐出圧力を周方向に離間した3箇所の位置で常
に均等な大きさをもってバランスさせて付加することが
できる。
【0061】これにより圧縮運転の初期段階においも、
給油ポンプ21A,21B,21Cから吐出される油液
の圧力脈動によって旋回スクロール9がぶれるように振
動することがなくなり、旋回スクロール9の挙動を安定
化することができる。そして、スラスト受3と旋回スク
ロール9との摺接面3B,9D間に損傷等が発生するの
を防止でき、これらスラスト受3、旋回スクロール9等
の耐久性、寿命を高めることができる。
【0062】また、3個からなる複数の給油ポンプ21
A,21B,21Cを同時に作動させる構成としたの
で、給油ポンプ21A,21B,21Cから吐出される
油液を駆動軸5、旋回軸受10および油溝36等に十分
に供給でき、スラスト受3と旋回スクロール9との摺接
面3B,9D、駆動軸5および旋回軸受10等の各給油
部位を効率的に潤滑、冷却することができる。
【0063】なお、実施の形態では、給油ポンプを3個
だけ用いる場合を例に挙げて説明したが、本発明は、こ
れに限ることなく、例えば給油ポンプを4個以上設ける
構成としてもよい。
【0064】また、実施の形態では、ケーシング本体2
とスラスト受3を別体に形成する場合を例に挙げて説明
したが、本発明はこれに限ることなく、例えばケーシン
グ本体とスラスト受を一体物として形成してもよい。
【0065】さらに、実施の形態では、スクロール式流
体機械としてスクロール式空気圧縮機をれいに挙げて説
明したが、本発明はこれに限らず、立ておば冷媒圧縮機
等にも広く適用できるものである。
【0066】
【発明の効果】以上詳述した如く、請求項1に記載の発
明によれば、ケーシングと旋回スクロールとの摺接面間
には旋回スクロールの周方向にほぼ等しい間隔をおいて
3個以上からなる給油ポンプを設け、これら各給油ポン
プは、油液の吐出行程を互いに同期させて行う構成とし
たので、旋回スクロールの背面側には、各給油ポンプか
らの油液の吐出圧力を常に均等な大きさをもってバラン
スさせて付加することができる。
【0067】これにより圧縮運転の初期段階においも、
給油ポンプから吐出される油液の圧力脈動によって旋回
スクロールがぶれるように振動することがなくなり、旋
回スクロールの挙動を安定化することができる。そし
て、ケーシングと旋回スクロールとの摺接面間に損傷等
が発生するのを防止でき、これらケーシング、旋回スク
ロール等の耐久性、寿命を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態によるスクロール式空気圧
縮機を示す縦断面図である。
【図2】固定スクロールを取外した状態でスラスト受、
旋回スクロールを図1中の矢示II−II方向からみた断面
図である。
【図3】スラスト受、オルダムリングおよび第1,第
2,第3の給油ポンプ等を図1中の矢示III−III方向か
らみた断面図である。
【図4】第1の給油ポンプを図1中の矢示IV-IV方向か
ら拡大してみた拡大断面図である。
【図5】図2中のスラスト受を単体で示す正面図であ
る。
【図6】図2中の旋回スクロールを単体で示す背面図で
ある。
【図7】旋回子の上死点位置からの回転角と給油ポンプ
の吐出量との関係を示す特性線図である。
【符号の説明】 1 ケーシング 3 スラスト受 3B,9D 摺接面 4 固定スクロール 5 駆動軸 9 旋回スクロール 11 圧縮室 21A,21B,21C 給油ポンプ 33A 吸込配管 33B,33C 吸込通路 34A,34B,34C 給油通路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 3H029 AA02 AA17 AB02 AB06 BB09 BB32 CC03 CC05 CC09 CC17 CC35 3H039 AA02 AA12 BB01 BB08 BB11 CC02 CC03 CC08 CC22 CC33 CC44

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ケーシングと、該ケーシングに設けられ
    た固定スクロールと、前記ケーシングに回転可能に設け
    られた駆動軸と、前記ケーシング内で該駆動軸の先端側
    に旋回可能に設けられ前記固定スクロールとの間に複数
    の圧縮室を画成し背面側が前記ケーシングと摺接した旋
    回スクロールと、該旋回スクロールの動きに追従して作
    動することにより前記ケーシング内に収容した油液を吸
    込み給油部位に向けて吐出する給油ポンプとを備えてな
    るスクロール式流体機械において、 前記給油ポンプは、前記ケーシングと旋回スクロールと
    の摺接面間に位置して旋回スクロールの周方向にほぼ等
    しい間隔をおいて3個以上設け、これら各給油ポンプは
    前記油液を給油部位に向けて吐出する吐出行程を互いに
    同期させて行う構成としたことを特徴とするスクロール
    式流体機械。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP7022474B1 (ja) * 2021-11-26 2022-02-18 株式会社石川エナジーリサーチ スクロール圧縮機

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JP7022474B1 (ja) * 2021-11-26 2022-02-18 株式会社石川エナジーリサーチ スクロール圧縮機

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Effective date: 20041126