JP2002088491A - ストリップ洗浄アルカリ液の消泡方法及び消泡装置 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】消泡剤の投与なしで、消泡率９０％程度と同等
の泡立ち回避の下に、ストリップ洗浄ラインからの洗浄
アルカリ液をタンクに回収できるようにする。 【解決手段】液導入管２からのストリップ洗浄アルカリ
液を、タンク１内に設けた緩勾配の傾斜面３での流下で
タンク１に入れ、この緩勾配傾斜面３を流れるアルカリ
液上の泡の流下を抑制手段４により抑制する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、製鉄工業のストリ
ップを洗浄したアルカリ液の消泡システムに関する。

【０００２】製鉄工業のストリップ洗浄ラインでストリ
ップを洗浄し、同ラインから排出されたアルカリ液は、
ストリップ洗浄ラインに戻して再使用するのが一般であ
る。この再使用のためには、ストリップ洗浄ラインから
の洗浄アルカリ液をタンクに集める必要がある。

【０００３】

【従来の技術】従来、ストリップ洗浄ラインからの洗浄
アルカリ液をタンクに集めるには、タンクの上方から管
等のダクトで液を流入する仕様（この仕様を様式１とす
る）が一般的である。様式１より進歩したものとして、
タンクの液面より下側でタンクに接続したダクトを通
じ、タンクに液を入れる仕様（この仕様を様式２とす
る）がある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】タンクへの液の流入に
は、様式１の従来技術では激しい泡立ちを伴い、様式２
でも可成りの泡立ちを伴う。何れにしても、従来技術に
よる洗浄アルカリ液の回収では、発生した泡を消泡剤の
投与で消す必要がある。そして、その消泡率は様式２の
場合で４０％程度止まり、様式１に至っては１０数％程
度という低率である。このような消泡率では、洗浄アル
カリ液の回収が泡の存在で相当厄介となることを余儀な
くされる。

【０００５】本発明は従来技術のこのような問題を解消
することを課題としている。即ち本発明は、ストリップ
洗浄ラインよりの洗浄アルカリ液を、殆ど泡立ちなしに
タンクに流入できるようにすることを課題としている。

【０００６】別の言い方をすれば本発明は、上記様式１
において消泡剤非投与での泡立ちを１００とすれば、消
泡剤の投与なしでも洗浄アルカリ液を、消泡率９０％程
度と同等の好ましい態様の形で、タンクに回収できるよ
うにしようというものである。

【課題を解決するための手段】上記課題解決のため本発
明は、ストリップ洗浄アルカリ液をタンクに入れるの
に、液導入管からのストリップ洗浄液を、タンク内に配
置の緩勾配で傾斜する面を経てタンクに流入するという
仕様で行い、この緩勾配の傾斜面を流れるアルカリ液上
の泡の流下を、抑制手段により抑制する方策を採ってい
る。

【０００７】上記緩勾配の傾斜面には、タンクへ延びた
液導入管の末端に同末端よりの液を受けるよう一端が接
続し該一端から他端側へ緩い勾配で低く傾斜する傾斜板
の上面を充当することができる。傾斜板（傾斜面）の勾
配は、広い範囲で変更可であり、傾斜面をを流下する液
の泡立ち回避が液導入管からタンクに入れる液量の多い
少ないに対応する度合となるよう、現場合わせ的に定め
るのがよい。

【０００８】上記泡流下抑制手段には、当該傾斜板の傾
斜上面と平行或いはほぼ平行して即ち実質的に平行して
同傾斜板の上側に近接する帯域と、この帯域から上側へ
同帯域より急勾配で延びる帯域を包含する傾斜板を充当
することができる。

【０００９】

【発明の実施の形態】本発明の実施形態を実施例ととも
に、図面を参照して説明する。図で１がタンク、２がタ
ンク１へ延びた液導入管、３がタンク１内に配置した傾
斜板、４が泡流下抑制手段としての傾斜板である。

【００１０】タンク１は、内部の液がほぼ一定水位とな
るようにされている。このほぼ一定水位の保持は、適当
な仕様で行えばよい。

【００１１】傾斜板３は、一端が液導入管１の末端に該
末端よりの液を受けるよう接続しており、その一端から
他端側へ緩い勾配で低く傾斜して、その低い側の端部が
タンク１内の液中に浸っている。傾斜板３は前記緩勾配
がタンク１の対向する壁と壁との間に亘って広がってい
る。

【００１２】泡流下抑制手段としての傾斜板４は、前記
傾斜板３の上側でこれと近接して、同傾斜板３と平行或
いはほぼ平行に延びる帯域４１、該帯域４１から上へ同
帯域４１より急勾配で延びる帯域４２を包含する。傾斜
板４も、その傾斜がタンク１の対向する壁と壁との間に
亘って広がっている。

【００１３】必要に応じ、傾斜板４より下流域の傾斜板
３上方に消泡剤滴下器５が配置される。

【００１４】ストリップ洗浄ラインからの洗浄アルカリ
液は、液導入管２を流れて、タンク１内に配置の緩勾配
で傾斜する傾斜板での流下でタンク１に入る。

【００１５】このような仕様で洗浄アルカリ液をタンク
１に入れると、傾斜板３上の液面に少しばかりの泡が存
在する程度で、タンク１への洗浄アルカリ液の回収を、
殆ど泡立ちのない状態で行えることが認められた。

【００１６】傾斜板３を流下する液上の泡は、傾斜板３
上方の泡流下抑制手段としての傾斜板４によって、これ
より下流への流下を抑制される。

【００１７】こうして本発明は、消泡剤の投与なしで
も、消泡率９０％程度と同等の泡立ち回避の下に、スト
リップ洗浄ラインからの洗浄アルカリ液を、タンク１に
回収することができる。泡流下抑制手段としての傾斜板
４より下流域の傾斜板３上の液に消泡剤を流下するとき
は、泡立ち回避成果が更によくなる。

【００１８】

【発明の効果】本発明は以上に説明したような形態で実
施され、次に示すような効果を奏する。 消泡剤の投与
なしでも、消泡率９０％程度と同等という極めて良好な
泡立ち回避の下に、ストリップ洗浄ラインからの洗浄ア
ルカリ液を、タンクに回収することができる。しかもこ
れを、実施例に示すような傾斜板という簡単な設備を用
いて低コストで行える。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の消泡システムの一例を示す斜視図であ
る。

【図２】図１に示した消泡システムの側面図である。

【符号の説明】

１ タンク ２ 液導入管 ３ 傾斜板 ４ 泡流下抑制手段としての傾斜板 ４１ 緩勾配帯域 ４２ 急勾配帯域

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】液導入管からのストリップ洗浄アルカリ液
   を、タンク内に配置の緩勾配の傾斜面での流下でタンク
   に流入し、この緩勾配の傾斜面を流下するアルカリ液上
   の泡の流下を、抑制手段により抑制することを特徴とす
   るストリップ洗浄アルカリ液の消泡方法。
2. 【請求項２】タンクへ延びた液導入管の末端に該末端よ
   り流出する液を受けるよう一端が接続し該一端から他端
   側へ緩勾配で低く傾斜する傾斜面を前記タンク内に設
   け、この傾斜面の上方に該傾斜面を流れる液上の泡の流
   下を抑制する手段を配置したことを特徴とするストリッ
   プ洗浄アルカリ液の消泡装置。