JP2002088152A - マレイミド系樹脂およびその製造方法 - Google Patents

マレイミド系樹脂およびその製造方法

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JP2002088152A JP2000280781A JP2000280781A JP2002088152A JP 2002088152 A JP2002088152 A JP 2002088152A JP 2000280781 A JP2000280781 A JP 2000280781A JP 2000280781 A JP2000280781 A JP 2000280781A JP 2002088152 A JP2002088152 A JP 2002088152A
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Keizo Takahama
啓造 高浜
Kenji Miyao
憲治 宮尾
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Sumitomo Bakelite Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 柔軟性、加工性に優れた耐熱性のマレイミド
系樹脂、およびその製造方法を提供する。 【解決手段】 マレイン酸類縁体モノマーおよび/また
は無水マレイン酸類縁体モノマーと、脂肪族ジアミンと
を、モル比が0.8〜1.5:1.0で溶媒を介さず混合
した後、該混合物を80〜150℃で加熱処理すること
により、一般式(1)で表される繰り返し単位を有する
マレイミド系樹脂を合成する。(式中、R 1は炭素数4
〜20の2価の脂肪族炭化水素基を、R2,R3はそれぞ
れ、水素,アルキル基,フェニル基,または置換フェニ
ル基を表す。nは5〜10,000の整数である。) 【化1】

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、柔軟性、加工性に
すぐれた耐熱性のマレイミド系樹脂、およびその製造方
法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、ポリイミド樹脂は、高耐熱、
高信頼性、柔軟性を有する樹脂として様々な用途で用い
られている。中でもカプトン(東レ・デュポン社製)や
ユーピレックスS(宇部興産社製)に代表される線状ポ
リイミドフィルムは、非常に優れた特性を持つ反面、原
料モノマーが非常に高価で、しかも加工温度が400℃
前後に達するために、高価な設備を利用せざるを得ず、
エンジニアリングプラスチックの中でも最高位に位置す
る高価な材料である。
【0003】一方、従来のマレイミド樹脂は、マレイン
酸無水物と芳香族ジアミンとを反応して、マレアミド酸
とした後、閉環反応によりビスマレイミドを得ている。
しかし、中間体であるビスマレアミド酸は溶解性が悪
く、分子間脱水アミド化副反応によるゲル化を防ぐため
に、大量の有機溶媒中で反応せざるを得ないといった問
題点があった。更に、ビスマレイミド樹脂単独の硬化物
は非常に脆いので、単独での使用には耐えず、ジアミ
ン、アリル化合物等の可撓性を備えた変性剤により変性
した場合でも、まだ脆さを解消できないという問題点も
あった。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、従来の線状
ポリイミド樹脂やマレイミド系樹脂のこのような問題点
に鑑み、鋭意検討の結果なされたもので、柔軟性、加工
性に優れた耐熱性のマレイミド系樹脂、およびその製造
方法を提供することを目的としたものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】即ち、本発明は、一般式
(1)で表される繰り返し単位を有することを特徴とす
るマレイミド系樹脂、並びに、一般式(2)で表される
マレイン酸類縁体モノマーおよび/または一般式(3)
で表される無水マレイン酸類縁体モノマーと、一般式
(4)で表されるジアミンとを、モル比が0.8〜1.
5:1.0で溶媒を介さず混合した後、該混合物を80
〜150℃で加熱処理することを特徴とする、前記マレ
イミド系樹脂の製造方法である。
【0006】
【化6】 式中、R1は炭素数4〜20の2価の脂肪族炭化水素基
を、R2,R3はそれぞれ、水素,アルキル基,フェニル
基,または置換フェニル基を表す。nは5〜10,00
0の整数である。
【0007】
【化7】 式中、R4,R5はそれぞれ、水素,アルキル基,フェニ
ル基,または置換フェニル基を表す。
【0008】
【化8】 式中、R6,R7はそれぞれ、水素,アルキル基,フェニ
ル基,または置換フェニル基を表す。
【0009】
【化9】 式中、R8は炭素数4〜20の2価の脂肪族炭化水素基
を表す。
【0010】
【発明の実施の形態】本発明は、一般式(2)で表され
るマレイン酸類縁体モノマーおよび/または一般式
(3)で表される無水マレイン酸類縁体モノマーと、一
般式(4)で表されるジアミンとを、モル比が0.8〜
1.5:1.0で溶媒を介さず混合した後、該混合物を8
0〜150℃で加熱処理することにより、前記一般式
(1)の繰り返し単位を有するマレイミド系樹脂を得る
ことを骨子とする。
【0011】本発明で用いる一般式(2)で表されるマ
レイン酸類縁体としては、マレイン酸、シトラコン酸な
どを、一般式(3)で表される無水マレイン酸類縁体と
しては、無水マレイン酸、無水シトラコン酸などを例示
することができる。それぞれにおいて、マレイン酸、無
水マレイン酸が好ましい。マレイン酸類縁体および無水
マレイン酸類縁体は、単独で用いても良く、2種類以上
を組み合わせて用いても良い。
【0012】本発明で用いるジアミンとしては、1,4
−ジアミノブタン、1,3−ジアミノペンタン、1,5−
ジアミノペンタン、1,6−ジアミノヘキサン、1,7−
ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタン、1,9−
ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカン、1,12−
ジアミノドデカン、1,4−ジアミノシクロヘキサン、
1,2−ジアミノシクロヘキサン、4,4'−ジアミノジ
シクロヘキシルメタン、2,5−ジメチルヘキサメチレ
ンジアミン、2,5−ジメチルヘプタメチレンジアミ
ン、3−メチルヘプタメチレンジアミン、4,4−ジメ
チルヘプタメチレンジアミン、5−メチルノナメチレン
ジアミンなどが挙げられる。これらのジアミンを用いる
と、芳香族系のジアミンを用いた場合と比較して、柔軟
性に富み、可溶性で加工性に優れたマレイミド系樹脂の
合成が容易になる。上記のジアミンは、単独で用いても
良く、2種類以上を組み合わせて用いても良い。
【0013】また、本発明で使用する原料である、マレ
イン酸類縁体、無水マレイン酸類縁体、およびジアミン
は、固体であっても、液体であっても構わない。
【0014】本発明におけるマレイミド樹脂の合成は、
前記マレイン酸類縁体もしくは無水マレイン酸類縁体
と、ジアミンとを、0.8〜1.5:1.0のモル比で配
合する。この範囲から外れると、樹脂の強度が著しく低
下し好ましくない。また、このモル比は樹脂の強度およ
び可とう性の両立の観点から、1〜1.3:1.0の範囲
がより好ましい。
【0015】マレイン酸類縁体もしくは無水マレイン酸
類縁体とジアミンとの、モノマー同士の混合は、常温
で、通常のミキサーなどを用いて行うことが出来る。特
に、各成分が固体の場合は、より細かい粒子に粉砕し、
混練機などで十分均一にモノマー同士を混合すること
が、生成物をより均一に出来るため好ましい。
【0016】重合反応は、モノマー混合物を溶媒を介さ
ずに、80〜150℃で加熱することによって行なわれ
るが、150℃を越える高温で加熱処理すると、副反応
による架橋が起こり生成物の溶解性、加工性が低下す
る。一方、加熱温度が80℃未満では、反応速度が急激
に低下し、未反応物の残存が起こり高分子量の樹脂が得
られない。反応時間はモノマーの構造や目的の生成物特
性によって異なるが、数分〜数時間のオーダーで行われ
る。
【0017】得られた樹脂は、従来のマレイミド樹脂と
同様に粉砕して、粉末状レジンとして固体のまま成形材
料などの用途に、また、溶解しワニスとして、液状の成
形材料や硬質回路基板などに使用できる。溶媒として
は、通常のマレイミド系樹脂ではジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリド
ンなど高沸点で有害なアミド系溶媒しか使用できない
が、本発明のマレイミド樹脂では、水をはじめアルコー
ル、エチレングリコールなどが使用できる。特に水や低
沸点のアルコールを溶媒として用いた場合は、溶媒を乾
燥する工程が、通常のマレイミド樹脂の場合と比較して
低温で行えるため好ましい。特に水を溶媒として用いる
と、引火性、有害性など安全面での問題を回避できると
共に、環境適合の意味においても好ましい。
【0018】さらに、本発明のマレイミド系樹脂は、ビ
スマレイミド単独の硬化物や、ジアミンを添加したビス
マレイミドの硬化物に比べて、可とう性に優れ、溶融押
し出しやキャストによって、フィルム状にすることも可
能である。このことにより、フレキシブル回路基板、フ
ィルム接着剤などへの使用が可能になった。
【0019】また、本発明のマレイミド系樹脂は、加工
した後に、さらに150〜250℃程度の温度で加熱す
ることにより、樹脂を架橋させ溶媒に不溶なものに変化
させることが可能である。
【0020】
【実施例】以下、具体例を挙げて本発明をより具体的に
説明するが、本発明はこれらによって何んら限定される
ものではない。
【0021】(実施例1)無水マレイン酸107.9重
量部(1.1mol)の粉体と、4,4'−ジアミノジシ
クロヘキシルメタン210.4重量部(1.0mol)の
ペースト状固体とを、乳鉢で均一に混合して、無水マレ
イン酸/4,4'−ジアミノジシクロヘキシルメタンのペ
ースト状混合物を得た。この混合物を140℃で1時
間、乾燥機中で加熱し、固形のマレイミド樹脂を合成し
た。加熱の前後での重量減少は5.7%であった。この
事はイミド化による脱水反応が、ほぼ100%進行した
ことを示唆するものである。赤外吸収スペクトル測定に
おいても、1770cm-1付近にイミド環のカルボニル
基に由来する吸収が観測され、重量減少の結果と一致し
た。また、GPC測定の結果、この樹脂の数平均分子量
はポリエチレンオキサイド換算で30,000であっ
た。これは重合度約103に相当する値である。また、
分子量分布は2.8と小さく、架橋反応がほとんど起こ
っていないことを示唆した。またこの樹脂の溶媒への溶
解性を調べたところ、水、メタノール、エチレングリコ
ールの全てに可溶であった。
【0022】得られたマレイミド樹脂100重量部に対
して、メタノール150重量部を加え、樹脂濃度が40
重量%となるように、マレイミド樹脂溶液を調製した。
この樹脂溶液を用いて、離型処理を施したステンレス箔
(厚さ50μm)の離型面上に、乾燥後の厚みが25μ
mとなるように、ダイコーターを用いて塗布し、連続的
に80℃/5分、120℃/5分、加熱処理した後、ス
テンレス箔から剥離してマレイミド樹脂フィルムを得
た。
【0023】得られたマレイミド樹脂フィルムは、耐折
性(MIT法、加重:500g,R=0.38mm)が
500,000回と高く、柔軟性に富んだ優れた特性を
持つフィルムであった。
【0024】(実施例2)マレイン酸174.1重量部
(1.5mol)の粉体と、1,6−ジアミノヘキサン1
16.2重量部(1.0mol)の粉体を、ミキサーで均
一に混合して、マレイン酸/1,6−ジアミノヘキサン
の粉末混合物を得た。この混合物を120℃で3時間、
乾燥機中で加熱して、固形のマレイミド樹脂を合成し
た。加熱前後の重量減少は14.0%、また赤外吸収ス
ペクトル測定でイミド環由来のピークも観測され、実施
例1と同様に、イミド化がほぼ100%進行しているこ
とが分かった。また、GPC測定の結果、この樹脂の数
平均分子量はポリエチレンオキサイド換算で15,00
0であった。これは重合度約76に相当する値である。
また、分子量分布は2.5と架橋反応がほとんど起こっ
ていないことを示唆した。またこの樹脂の溶媒への溶解
性を調べたところ、水、メタノール、エチレングリコー
ルの全てに可溶であった。
【0025】溶媒として、水を用いた以外は、実施例1
と同様に操作して、マレイミド樹脂フィルムを得た。得
られたマレイミド樹脂フィルムは、耐折性(MIT法、
加重:500g,R=0.38mm)が300,000回
と高く、柔軟性に富んだ優れた特性を持つフィルムであ
った。
【0026】(実施例3)無水マレイン酸88.3重量
部(0.9mol)の粉体と、1,12−ジアミノドデカ
ン200.4重量部(1.0mol)の粉体を、ミキサー
で均一に混合して、無水マレイン酸/1,12−ジアミ
ノドデカンの粉末混合物を得た。この混合物を150℃
で1時間、乾燥機中で加熱して、固形のマレイミド樹脂
を合成した。加熱前後の重量減少は6.0%、また赤外
吸収スペクトル測定でイミド環由来のピークも観測さ
れ、実施例1と同様に、イミド化がほぼ100%進行し
ていることが分かった。また、GPC測定の結果、この
樹脂の数平均分子量はポリエチレンオキサイド換算で1
0,000であった。これは重合度約36に相当する値
である。また、分子量分布は2.5と架橋反応がほとん
ど起こっていないことを示唆した。またこの樹脂の溶媒
への溶解性を調べたところ、水、メタノール、エチレン
グリコールの全てに可溶であった。
【0027】溶媒として、水を用いた以外は、実施例1
と同様に操作して、マレイミド樹脂フィルムを得た。得
られたマレイミド樹脂フィルムは、耐折性(MIT法、
加重:500g,R=0.38mm)が200,000回
と高く、柔軟性に富んだ優れた特性を持つフィルムであ
った。
【0028】(実施例4)マレイン酸139.3重量部
(1.2mol)の粉体と、1,2−ジアミノシクロヘキ
サン114.2重量部(1.0mol)の液体を、ミキサ
ーで均一に混合して、マレイン酸/1,2−ジアミノシ
クロヘキサンの分散液状混合物を得た。この混合物を1
00℃で5時間、乾燥機中で加熱して、固形のマレイミ
ド樹脂を合成した。加熱前後の重量減少は14.4%、
また赤外吸収スペクトル測定でイミド環由来のピークも
観測され、実施例1と同様に、イミド化がほぼ100%
進行していることが分かった。また、GPC測定の結
果、この樹脂の数平均分子量はポリエチレンオキサイド
換算で100,000であった。これは重合度約515
に相当する値である。また、分子量分布は3.0と架橋
反応がほとんど起こっていないことを示唆した。またこ
の樹脂の溶媒への溶解性を調べたところ、水、メタノー
ル、エチレングリコールの全てに可溶であった。
【0029】実施例1と同様に操作して、マレイミド樹
脂フィルムを得た。得られたマレイミド樹脂フィルム
は、耐折性(MIT法、加重:500g,R=0.38
mm)が700,000回と高く、柔軟性に富んだ優れ
た特性を持つフィルムであった。
【0030】(比較例1)N,N'−(4,4'−ジフェニ
ルメタン)ビスマレイミド358重量部(1.0mo
l)の粉体と、1,6−ジアミノヘキサン116.2重量
部(1.0mol)の粉体を、ミキサーで均一に混合し
て、N,N'−(4,4'−ジフェニルメタン)ビスマレイ
ミド/1,6−ジアミノヘキサンの粉末混合物を得た。
この混合物を120℃で3時間、乾燥機中で加熱して、
固形のマレイミド樹脂を合成した。この樹脂の溶媒への
溶解性を調べたところ、水、メタノール、エチレングリ
コールの全てに不溶であった。この樹脂を濃度が20重
量%になるように、N−メチル−2−ピロリドンに投入
し、140℃で1時間、更に180℃で1時間加熱攪拌
し、ビスマレイミド樹脂溶液を得た。このビスマレイミ
ド樹脂溶液を用いて、実施例1と同様の工程で、厚さ2
5μmのフィルムを得ようとしたが、フィルムが脆いた
め、ステンレス箔から剥離を試みただけで破砕してしま
い、自立性のフィルムを得ることができなかった。
【0031】(比較例2)N,N'−(1,6−ヘキサメ
チレン)ビスマレイミド331.6重量部(1.2mo
l)の粉体と、1,6−ジアミノヘキサン116.2重量
部(1.0mol)の粉体を、ミキサーで均一に混合し
て、N,N'−(1,6−ヘキサメチレン)ビスマレイミ
ド/1,6−ジアミノヘキサンの粉末混合物を得た。こ
の混合物を140℃で1時間、乾燥機中で加熱して、固
形のマレイミド樹脂を合成した。また、GPC測定の結
果、この樹脂の数平均分子量は、ポリエチレンオキサイ
ド換算で3,000であった。これは重合度約8に相当
する値である。分子量分布は9.5と大きく架橋反応の
進行が示唆された。この樹脂の溶媒への溶解性を調べた
ところ、水、メタノール、エチレングリコールの全てに
可溶であったが、わずかに沈殿が見られた。
【0032】溶媒として水を用いた以外は、実施例1と
同様に操作して、マレイミド樹脂フィルムを得た。得ら
れたマレイミド樹脂フィルムは、耐折性(MIT法、加
重:500g,R=0.38mm)が10,000回と低
く、柔軟性に欠けるフィルムであった。
【0033】(比較例3)マレイン酸116.1重量部
(1.0mol)の粉体と、4,4'−ジアミノジフェニ
ルメタン198.3重量部(1.0mol)の粉体を、ミ
キサーで均一に混合して、マレイン酸/4,4'−ジアミ
ノジフェニルメタンの粉末混合物を得た。この混合物を
150℃で1時間、乾燥機中で加熱して、固形のマレイ
ミド樹脂を合成した。加熱前後の重量減少は11.4
%、また赤外吸収スペクトル測定でイミド環由来のピー
クも観測され、実施例1と同様に、イミド化がほぼ10
0%進行していることが分かった。またこの樹脂の溶媒
への溶解性を調べたところ、水、メタノール、エチレン
グリコールの全てに不溶であった。
【0034】溶媒にジメチルホルムアミドを用い、実施
例1と同様に操作して、マレイミド樹脂フィルムを得
た。得られたマレイミド樹脂フィルムは、耐折性(MI
T法、加重:500g,R=0.38mm)が30,00
0回と低く、柔軟性に欠けるフィルムであった。
【0035】
【発明の効果】本発明の方法によれば、取り扱い易く単
純なモノマー混合物を出発物質として用いることによ
り、工程も極めて簡便で、容易にマレイミド系樹脂を得
ることができる。しかも、このマレイミド系樹脂は、容
易にフィルムを製造することが出来るばかりか、得られ
たマレイミド系樹脂フィルムは、従来のビスマレイミド
樹脂に比べて、極めて柔軟性に富む耐熱フィルムであ
り、原料が安価で、工程も処理温度が低くマイルドなこ
とから、従来の線状ポリイミドフィルムと比べて非常に
安価で、フレキシブルプリント回路板用等に好適なフィ
ルムを得ることが出来る。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一般式(1)で表される繰り返し単位を
    有することを特徴とするマレイミド系樹脂。 【化1】 式中、R1は炭素数4〜20の2価の脂肪族炭化水素基
    を、R2,R3はそれぞれ、水素,アルキル基,フェニル
    基,または置換フェニル基を表す。nは5〜10,00
    0の整数である。
  2. 【請求項2】 一般式(2)で表されるマレイン酸類縁
    体モノマーおよび/または一般式(3)で表される無水
    マレイン酸類縁体モノマーと、一般式(4)で表される
    ジアミンとを、モル比が0.8〜1.5:1.0で溶媒を
    介さず混合した後、該混合物を80〜150℃で加熱処
    理することを特徴とする、請求項1に記載された構造の
    マレイミド系樹脂の製造方法。 【化2】 式中、R1は炭素数4〜20の2価の脂肪族炭化水素基
    を、R2,R3はそれぞれ、水素,アルキル基,フェニル
    基,または置換フェニル基を表す。nは5〜10,00
    0の整数である。 【化3】 式中、R4,R5はそれぞれ、水素,アルキル基,フェニ
    ル基,または置換フェニル基を表す。 【化4】 式中、R6,R7はそれぞれ、水素,アルキル基,フェニ
    ル基,または置換フェニル基を表す。 【化5】 式中、R8は炭素数4〜20の2価の脂肪族炭化水素基
    を表す。
  3. 【請求項3】 一般式(2)で表されるマレイン酸類縁
    体が、マレイン酸であることを特徴とする、請求項2記
    載のマレイミド系樹脂の製造方法。
  4. 【請求項4】 一般式(3)で表される無水マレイン酸
    類縁体が、無水マレイン酸であることを特徴とする、請
    求項2記載のマレイミド系樹脂の製造方法。
  5. 【請求項5】 一般式(4)で表されるジアミンが、
    1,6−ジアミノヘキサン、1,8−ジアミノオクタン、
    1,10−ジアミノデカン、および1,12−ジアミノド
    デカンの中から選ばれた、1種以上のジアミンであるこ
    とを特徴とする、請求項2記載のマレイミド系樹脂の製
    造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10619008B2 (en) 2014-04-25 2020-04-14 Polyone Corporation Aliphatic polyimides from unsaturated monoanhydride or unsaturated diacid reacted with both monoamine and diamine

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US10619008B2 (en) 2014-04-25 2020-04-14 Polyone Corporation Aliphatic polyimides from unsaturated monoanhydride or unsaturated diacid reacted with both monoamine and diamine

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