JP2002088088A - 含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法 - Google Patents

含硫黄有機珪素化合物、およびその製造方法

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JP2002088088A
JP2002088088A JP2000272422A JP2000272422A JP2002088088A JP 2002088088 A JP2002088088 A JP 2002088088A JP 2000272422 A JP2000272422 A JP 2000272422A JP 2000272422 A JP2000272422 A JP 2000272422A JP 2002088088 A JP2002088088 A JP 2002088088A
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sulfur
organosilicon compound
containing organosilicon
structural formula
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JP2000272422A
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English (en)
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丈章 ▲斎▼木
Takeaki Saiki
Akira Iwai
亮 岩井
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DuPont Toray Specialty Materials KK
Original Assignee
Dow Corning Toray Silicone Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 硫黄が二価炭化水素基、次いで酸素を介して
珪素に結合する新規な含硫黄有機珪素化合物、およびこ
の化合物を温和な条件で効率よく製造する方法を提供す
る。 【解決手段】 平均構造式1 [R1は一価有機基、R2は同じかまたは異なるC1〜1
5の二価炭化水素基、R3はアルキル基、aは0〜3の
数、bは1以上の数、cは0〜{(4−a)/2}bの数、
dは0〜(4−a)bの数であり、かつc+dは1以上の
数であり、xは1〜6の数である。]の含硫黄有機珪素
化合物、およびA)構造式:R1 a 'Si(OR3)(4-a')(R
1とR3は上記と同じ、a'は0〜3の整数である。)の
アルコキシシランまたはその混合物と、A成分1モルに
対して0.01〜10モルのB)構造式:HO−R2−Sx
'−R2−OH(R2は上記と同じ、x'は1〜6の整数で
ある。)の含硫黄有機化合物またはその混合物を、室温
〜200℃で脱アルコール縮合させる式1の含硫黄有機
珪素化合物の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は含硫黄有機珪素化合
物、およびその製造方法に関し、詳しくは、硫黄原子が
二価炭化水素基、次いで酸素原子を介して珪素原子に結
合している新規な含硫黄有機珪素化合物、およびこのよ
うな新規な含硫黄有機珪素化合物を温和な条件で効率よ
く製造する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】含硫黄有機珪素化合物としては、例え
ば、ビス−(アルコキシシリルエチル)−オリゴスルフィ
ド(特公昭51−28623号公報、特開昭55−89
290号公報、特公昭57−26671号公報、特公昭
57−26599号公報、特公昭59−12117号公
報、特公昭60−33838号公報、特公平4−638
79号公報、特開平7−228588号公報、および特
開平11−349594号公報参照)、およびシリル基
含有環状スルフィド(特開平11−80209号公報参
照)が知られている。これらの含硫黄有機珪素化合物
は、ジエン系ゴム組成物の粘度を低下させたり、混練作
業性を改善したり、さらには、得られるジエン系ゴムの
機械的強度や粘弾性特性等のゴム弾性を向上できること
から、タイヤ、ゴムロール等を形成するためのジエン系
ゴム組成物の改質用添加剤として使用されている。
【0003】また、このような含硫黄有機珪素化合物を
製造する方法としては、例えば、メルカプト基含有シラ
ン化合物と硫黄を反応させる方法(特公昭60−338
38号公報参照)、ハロゲン化アルキル基含有シラン化
合物と多硫化ナトリウムを反応させる方法(特公昭51
−28623号公報、特開平7−228588号公報、
および特開平11−349594号公報参照)、ハロゲ
ン化アルキル基含有シラン化合物と硫化水素ナトリウム
と硫黄を反応させる方法(特公昭57−26599号公
報、特公昭57−26671号公報、および特公平4−
63879号公報参照)、ビニルアルコキシシランと硫
黄を100〜200℃で1〜25バールの圧力下、スル
フィド触媒により反応させる方法(特開昭55−892
90号公報参照)、炭素数2〜4のアルケニル基を有す
る有機珪素化合物、および硫黄もしくは多硫化物を反応
させる方法(特開平11−80209号公報参照)が提案
されている。
【0004】しかしながら、これらの含硫黄有機珪素化
合物はいずれも、硫黄原子が二価炭化水素基を介して珪
素原子に結合しており、硫黄原子が二価炭化水素基、次
いで酸素原子を介して珪素原子に結合しているような含
硫黄有機珪素化合物については知られていなかった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、上記課
題について鋭意検討した結果、本発明に到達した。すな
わち、本発明の目的は、硫黄原子が二価炭化水素基、次
いで酸素原子を介して珪素原子に結合している新規な含
硫黄有機珪素化合物、およびこのような新規な含硫黄有
機珪素化合物を温和な条件で効率よく製造する方法を提
供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明の含硫黄有機珪素
化合物は、平均構造式:
【化2】 [式中、R1は一価有機基であり、R2は同じか、または
異なる炭素原子数1〜15の二価炭化水素基であり、R
3はアルキル基であり、aは0〜3の数であり、bは1
以上の数であり、cは0〜{(4−a)/2}bの数であ
り、dは0〜(4−a)bの数であり、かつ、c+dは1
以上の数であり、xは1〜6の数である。]で表され
る。
【0007】また、本発明の含硫黄有機珪素化合物の製
造方法は、(A)構造式: R1 a 'Si(OR3)(4-a ' ) (式中、R1は一価有機基であり、R3はアルキル基であ
り、a'は0〜3の整数である。)で表されるアルコキ
シシランまたはその混合物と、前記(A)成分1モルに対
して0.01〜10モルの(B)構造式: HO−R2−Sx '−R2−OH (式中、R2は同じか、または異なる炭素原子数1〜1
5の二価炭化水素基であり、x'は1〜6の整数であ
る。)で表される含硫黄有機化合物またはその混合物
を、室温〜200℃で脱アルコール縮合反応させること
を特徴とする。
【0008】
【発明の実施の形態】はじめに、本発明の含硫黄有機珪
素化合物を詳細に説明する。本発明の含硫黄有機珪素化
合物は、平均構造式:
【化3】 で表される。上式中のR1は一価有機基である。R1の一
価有機基は限定されないが、好ましくは、アルキル基、
アリール基、アラルキル基、アルケニル基、ハロゲン化
アルキル基、アミノ基含有アルキル基、アシロキシ基含
有アルキル基、エポキシ基含有アルキル基、またはメル
カプト基含有アルキル基である。R1のアルキル基とし
ては、メチル基、エチル基、プロピル基、オクチル基、
デシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基が例示され
る。また、R1のアリール基としては、フェニル基、ト
リル基、キシリル基が例示される。また、R1のアラル
キル基としては、ベンジル基、フェネチル基が例示され
る。また、R1のアルケニル基としては、ビニル基、ア
リル基、ヘキセニル基が例示される。また、R1のハロ
ゲン化アルキル基としては、3−クロロプロピル基、パ
ーフルオロメチルエチル基、パーフルオロオクチルエチ
ル基が例示される。また、R1のアミノ基含有アルキル
基としては、3−アミノプロピル基、N−(2−アミノ
エチル)−3−アミノプロピル基が例示される。また、
1のアシロキシ基含有アルキル基としては、3−アク
リロキシプロピル基、3−メタクリロキシプロピル基が
例示される。また、R1のエポキシ基含有アルキル基と
しては、3−グリシドキシプロピル基、2−(3,4−
エポキシシクロヘキシル)エチル基、4−オキシラニル
ブチル基が例示される。また、R1のメルカプト基含有
アルキル基としては、3−メルカプトプロピル基が例示
される。特に、R1はアルキル基、アリール基、または
アルケニル基であることが好ましい。また、上式中のR
2は同じか、または異なる炭素原子数1〜15の二価炭
化水素基である。R2の二価炭化水素基としては、メチ
レン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のア
ルキレン基;フェニレン基、メチルフェニレン基、メチ
レンフェニレン基、エチレンフェニレン基等のアリーレ
ン基;ビニレン基、2−ブテニレン基等のアルケニレン
基が例示される。特に、R2はアルキレン基であること
が好ましい。また、上式中のR3はアルキル基である。
3のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロ
ピル基、ブチル基が例示される。特に、R3はメチル
基、またはエチル基であることが好ましい。また、上式
中のaは0〜3の数である。また、上式中のbは1以上
の数であり、cは0〜{(4−a)/2}bの数であり、d
は0〜(4−a)bの数であり、かつ、c+dは1以上の
数である。また、上式中のxは1〜6の数である。
【0009】このような本発明の含硫黄有機珪素化合物
は、シリカ、珪藻土等の無機粉末の表面を改質し、得ら
れる無機粉末を配合するゴム組成物の補強性を更に向上
させることが期待される。また、本発明の含硫黄有機珪
素化合物は、ジエン系ゴム組成物の粘度を低下させた
り、混練作業性を改善したり、さらには、得られる有機
ゴムの機械的強度や粘弾性特性等のゴム弾性を向上でき
ることが期待されるので、タイヤ、ゴムロール等を形成
するためのジエン系ゴム組成物の改質用添加剤として有
用である。これらのことから、本発明の含硫黄有機珪素
化合物は室温で液状あるいは有機溶剤可溶性の固体であ
ることが好ましく、さらには、25℃において少なくと
も10mPa・sの粘度を有することが好ましく、特に、2
5℃において10〜100,000mPa・sの粘度を有する
ことが好ましい。
【0010】続いて、本発明の含硫黄有機珪素化合物の
製造方法を詳細に説明する。本発明の製造方法は、(A)
構造式: R1 a 'Si(OR3)(4-a ' ) (式中、R1は一価有機基であり、R3はアルキル基であ
り、a'は0〜3の整数である。)で表されるアルコキ
シシランまたはその混合物と、前記(A)成分1モルに対
して0.01〜10モルの(B)構造式: HO−R2−Sx '−R2−OH (式中、R2は同じか、または異なる炭素原子数1〜1
5の二価炭化水素基であり、x'は1〜6の整数であ
る。)で表される含硫黄有機化合物またはその混合物
を、室温〜200℃で脱アルコール縮合反応させること
を特徴とする。
【0011】(A)成分は、構造式: R1 a 'Si(OR3)(4-a ' ) で表されるアルコキシシランもしくはその混合物であ
る。上式中のR1は一価有機基である。R1の一価有機基
は限定されないが、好ましくは、アルキル基、アリール
基、アラルキル基、アルケニル基、ハロゲン化アルキル
基、アミノ基含有アルキル基、アシロキシ基含有アルキ
ル基、エポキシ基含有アルキル基、またはメルカプト基
含有アルキル基である。このようなR1の一価有機基と
しては、前記と同様の基が例示され、特に好ましくは、
アルキル基、アリール基、またはアルケニル基である。
また、上式中のR3はアルキル基である。R3のアルキル
基としては、前記と同様の基が例示され、特に好ましく
は、メチル基、またはエチル基である。また、上式中の
a'は0〜3の整数である。
【0012】このような(A)成分としては、テトラメト
キシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキ
シシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメト
キシシラン、パーフルオロメチルエチルトリメトキシシ
ラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−
(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシ
シラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラ
ン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3
−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリ
シドキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(3,
4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラ
ン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、およ
びこれらの2種以上の混合物が例示される。
【0013】また、(B)成分は、構造式: HO−R2−Sx '−R2−OH で表される含硫黄有機化合物またはその混合物である。
上式中のR2は同じか、または異なる炭素原子数1〜1
5の二価炭化水素基である。R2の二価炭化水素基とし
ては、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレ
ン基等のアルキレン基;フェニレン基、メチルフェニレ
ン基、メチレンフェニレン基、エチレンフェニレン基等
のアリーレン基;ビニレン基、2−ブテニレン基等のア
ルケニレン基が例示され、特に好ましくは、アルキレン
基である。また、上式中のx'は1〜6の整数である。
【0014】このような(B)成分としては、2,2'−
ジチオジエタノール、2,2'−トリチオジエタノー
ル、2,2'−テトラチオジエタノール、2,2'−ポリ
チオジエタノール混合物(硫黄鎖結合数1〜6)、2,
2’−ジチオジ−1,2−ジメチルエタノール、2,
2’−ジチオジ−1−メチルエタノール、3,3'−ジ
チオジプロパノール、4,4'−ジチオジブタノール、
6,6'−ジチオジヘキサノール、11,11'−ジチオ
ジウンデカノール、4,4'−ジチオジフェノール、
2,2'−ジチオジベンジルアルコール、3,3'−ジチ
オジベンジルアルコール、4,4'−ジチオジベンジル
アルコール、2,2'−ジチオジビニルアルコール、
4,4'−ジチオジ−2−ブテニルアルコール、および
これらの2種以上の混合物が例示される。
【0015】本発明の製造方法において、(B)成分の添
加量は、(A)成分1モルに対して0.01〜10モルの
範囲内であり、好ましくは、0.1〜10モルの範囲内
である。これは、(A)成分に対する(B)成分の添加量
が、上記範囲の下限未満であると、得られる含硫黄有機
珪素化合物中の硫黄の含有率が小さくなり、これを配合
したジエン系ゴムの機械的強度や粘弾性特性等のゴム弾
性が低下する恐れがあるからであり、一方、上記範囲の
上限をこえると、得られる含硫黄有機珪素化合物が十分
に無機粉末の表面を改質できず、これを配合したジエン
系ゴムの補強性が低下する恐れがあるからである。
【0016】本発明の製造方法では、(A)成分と(B)成
分の脱アルコール縮合反応を促進するため、酢酸、ドデ
シルベンゼンスルホン酸、塩酸、活性白土等の酸触媒;
さらには、アミン類、遷移金属錯体等の触媒を使用して
もよい。また、本発明の製造方法では、この反応を溶媒
中で行うこともできる。溶媒としてアルコール類を使用
する場合は、(A)成分中のアルコキシ基と同様の基を有
するアルコールであることが好ましい。これは、(A)成
分中のアルコキシ基と異なる基を有するアルコールを使
用した場合には、アルコキシ基が交換反応が起こり、得
られる含硫黄有機珪素化合物中のアルコキシ基が2種混
在してしまうからであるが、このような含硫黄有機珪素
化合物が生成してもよければ、(A)成分中のアルコキシ
基と異なる基を有するアルコールを使用しても差し支え
ない。
【0017】本発明の製造方法において、(A)成分と
(B)成分の脱アルコール縮合反応は、室温〜200℃で
行うことが必要であり、さらに、乾燥不活性ガス雰囲気
下で行うことが好ましい。特に、この反応を進行させる
場合には、この反応により副生するアルコールを系外へ
除去するのに十分な温度で行うことが好ましい。これ
は、この反応を200℃以上で行うと目的の含硫黄有機
珪素化合物が分解する恐れがあり、また、この反応を室
温未満の温度で行うと反応が進行し難いからである。反
応終了後、減圧下で加熱して、未反応の原料を必要によ
り留去することにより、目的の含硫黄有機珪素化合物を
精製することができる。
【0018】本発明の製造方法により製造される含硫黄
有機珪素化合物中の硫黄含有量は、(B)成分中の硫黄含
有量により一義的に決まるが、目的の含硫黄有機珪素化
合物を硫黄と80〜150℃で反応させることにより、
得られる含硫黄有機珪素化合物中の硫黄含有量を増加さ
せることができる。この際、硫黄の添加量は限定され
ず、例えば、含硫黄有機珪素化合物中のスルフィド基中
にさらにもう1個の硫黄原子を導入したい場合には、前
記含硫黄有機珪素化合物1モルに対して硫黄原子1モル
を反応させればよい。
【0019】このように本発明の製造方法は、有毒な硫
化水素ガス、廃棄処理が難しい硫黄化合物を含んだ塩等
の発生がないという特徴がある。また、本発明の製造方
法は、脱水、脱塩、脱硫化水素等の工程を必要とせず、
加熱のみで容易に含硫黄有機珪素化合物を製造すること
ができるという特徴がある。
【0020】
【実施例】本発明の含硫黄有機珪素化合物、およびその
製造方法を実施例で詳細に説明する。なお、粘度は25
℃における値である。
【0021】[実施例1]窒素気流下、ディーンスタル
ク管、還流冷却器、および温度計を備えた500mlの4
ツ口フラスコに、テトラエトキシシラン208g(1.0
0モル)、2,2'−ジチオジエタノール77.0g(0.
50モル)、活性白土0.4g、およびエタノール32g
を投入し、86〜120℃で4時間エタノールの留去を
行った。その後、室温まで冷却し、150℃/4torrの
条件で未反応物を留去して、粘度が100mPa・sである
淡黄色透明の液体152.8gを得た。この液体をガス
クロマトグラフィー(以下、GC)、赤外線分光分析(以
下、IR)、13C−核磁気共鳴分析(以下、13C−NM
R)、29Si−核磁気共鳴分析(以下、29Si−NMR)に
より分析した。その結果、この液体は、HO−CH2
2−S2−CH2CH2−O1/2 単位を若干有するもの
の、本質的に、平均構造式: (SiO4/2)3.75(1/2O−CH2CH2−S2−CH2CH2
−O1/2)2.75(CH3CH2 1/2)9.50 で表される含硫黄有機珪素化合物であることが確認され
た。
【0022】[実施例2]窒素気流下、ディーンスタル
ク管、還流冷却器、および温度計を備えた500mlの4
ツ口フラスコに、テトラエトキシシラン208g(1.0
0モル)、2,2'−ジチオジエタノール77.0g(0.
50モル)、および酢酸2.0gを投入し、86〜120
℃で4時間エタノールの留去を行った。その後、室温ま
で冷却し、150℃/4torrの条件で未反応物を留去し
て、粘度が136mPa・sである淡黄色透明の液体148.
0gを得た。GC、IR、13C−NMR、および29Si
−NMRによる分析の結果、この液体は、HO−CH2
CH2−S2−CH2CH2−O1/2単位を若干有するもの
の、本質的に、平均構造式: (SiO4/2)9.33(1/2O−CH2CH2−S2−CH2CH2
−O1/2)8.33(CH3CH2 1/2)20.66 で表される含硫黄有機珪素化合物であることが確認され
た。
【0023】[実施例3]窒素気流下、ディーンスタル
ク管、還流冷却器、および温度計を備えた500mlの4
ツ口フラスコに、テトラエトキシシラン208g(1.0
0モル)、2,2'−ジチオジエタノール38.5g(0.
25モル)、および酢酸4.0gを投入し、86〜120
℃で4時間エタノールの留去を行った。その後、室温ま
で冷却し、150℃/4torrの条件で未反応物を留去し
て、粘度が65mPa・sである淡黄色透明の液体93.0g
を得た。GC、IR、13C−NMR、および29Si−N
MRによる分析の結果、この液体は、HO−CH2CH2
−S2−CH2CH2−O1/2単位を若干有するものの、本
質的に、平均構造式: (SiO4/2)2.82(1/2O−CH2CH2−S2−CH2CH2
−O1/2)1.82(CH3CH2 1/2)7.64 で表される含硫黄有機珪素化合物であることが確認され
た。
【0024】[実施例4]窒素気流下、ディーンスタル
ク管、還流冷却器、および温度計を備えた500mlの4
ツ口フラスコに、テトラエトキシシラン208g(1.0
0モル)、2,2'−ジチオジエタノール38.5g(0.
25モル)、および酢酸4.0gを投入し、86〜120
℃で4時間エタノールの留去を行った。その後、室温ま
で冷却し、150℃/4torrの条件で未反応物を留去し
て淡黄色透明の液体87.8gを得た。
【0025】次に、この液体全量に硫黄16.0g(0.
50モル)を添加し、150℃で3時間反応を行った。
その後、室温まで冷却し、150℃/4torrの条件で低
沸点物を留去して、粘度が112mPa・sである赤色透明
液体96.7gを得た。GC、IR、13C−NMR、お
よび29Si−NMRによる分析の結果、この液体は、H
O−CH2CH2−S4−CH2CH2−O1/2単位を若干有
するものの、本質的に、平均構造式: (SiO4/2)3.44(1/2O−CH2CH2−S4−CH2CH2
−O1/2)2.44(CH3CH2 1/2)8.88 で表される含硫黄有機珪素化合物であることが確認され
た。
【0026】
【発明の効果】本発明の含硫黄有機珪素化合物は、硫黄
原子が二価炭化水素基、次いで酸素原子を介して珪素原
子に結合している新規な化合物であり、また、本発明の
含硫黄有機珪素化合物の製造方法は、このような新規な
化合物を温和な条件で効率よく製造することができると
いう特徴がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で調製した含硫黄有機珪素化合物の
13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図2】 実施例1で調製した含硫黄有機珪素化合物の
29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図3】 実施例2で調製した含硫黄有機珪素化合物の
13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図4】 実施例2で調製した含硫黄有機珪素化合物の
29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図5】 実施例3で調製した含硫黄有機珪素化合物の
13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図6】 実施例3で調製した含硫黄有機珪素化合物の
29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
【図7】 実施例4で調製した含硫黄有機珪素化合物の
13C−核磁気共鳴分析チャートである。
【図8】 実施例4で調製した含硫黄有機珪素化合物の
29Si−核磁気共鳴分析チャートである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4H049 VN01 VP03 VP04 VP10 VQ49 VR44 VS21 VU12 VU16 VW02 4J002 AC001 EX086 FD206 GN01

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 平均構造式: 【化1】 [式中、R1は一価有機基であり、R2は同じか、または
    異なる炭素原子数1〜15の二価炭化水素基であり、R
    3はアルキル基であり、aは0〜3の数であり、bは1
    以上の数であり、cは0〜{(4−a)/2}bの数であ
    り、dは0〜(4−a)bの数であり、かつ、c+dは1
    以上の数であり、xは1〜6の数である。]で表される
    含硫黄有機珪素化合物。
  2. 【請求項2】 (A)構造式: R1 a 'Si(OR3)(4-a ' ) (式中、R1は一価有機基であり、R3はアルキル基であ
    り、a'は0〜3の整数である。)で表されるアルコキ
    シシランまたはその混合物と、前記(A)成分1モルに対
    して0.01〜10モルの(B)構造式: HO−R2−Sx '−R2−OH (式中、R2は同じか、または異なる炭素原子数1〜1
    5の二価炭化水素基であり、x'は1〜6の整数であ
    る。)で表される含硫黄有機化合物またはその混合物
    を、室温〜200℃で脱アルコール縮合反応させること
    を特徴とする、請求項1記載の含硫黄有機珪素化合物の
    製造方法。
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