JP2002087994A - モノアミン再取込み部位のマッピング用ヨウ素付加神経プローブ - Google Patents

モノアミン再取込み部位のマッピング用ヨウ素付加神経プローブ

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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】脳におけるモノアミン再取込み部位のマッピン
グ用神経プローブに関し、具体的には、そのような再取
り込み部位の画像化のための単光量子放出コンピュータ
ー支援断層撮影法(SPECT)及び陽電子放出断層撮
影法(PET)で使用される放射能トレーサーとしても
利用できる神経プローブの提供。 【解決手段】下記一般式(I)を有するヨウ素付加神経
プローブ。更に、放射能標識神経プローブの前駆体、及
びヨウ素付加神経プローブ調整用キット。 〔式中、RはnF(n=18又は19)を含むモノフルオ
ロアルキル基で、R’はCn 2n+1基(n=0−6)
で、Xは、Fの同位元素、Clの同位元素、Brの同位
元素、Iの同位元素;CH、又はSn(R"R"R"
)で、ここでR"は、Cn2n+1基(n=1−6)又
はアリール基で、R"は、Cn2n+1基(n=1−6)
又はアリール基で、YはHである。〕

Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、脳におけるモノア
ミン再取込み部位のマッピング用神経プローブに関し、
具体的には、そのような再取り込み部位の画像化のため
の単光量子放出コンピューター支援断層撮影法(SPE
CT)および陽電子放出断層撮影法(PET)で使用さ
れる放射性トレーサーとしても利用できる神経プローブ
に関する。 【0002】 【従来の技術】脳は、化学的伝達物質を交換することに
よって相互に作用する多数のニューロンから成る。各ニ
ューロンは、神経化学物質(神経伝達物質と呼ばれる)
を産生し、神経化学物質は、ニューロンの細胞膜上の受容
体と呼ばれる部位に作用する。 【0003】受容体は細胞膜を貫通するイオンチャンネ
ルまたは第二の神経化学伝達物質系のいずれかと結合す
る。対照的に、再取込み部位は、ニューロンの細胞膜を通
り抜け化学物質を輸送する分子複合体である。神経伝達
物質がその機能を果たし終えると、それは、再取込み部位
と結合することによって受容体の周辺から除去される。
この再取込み部位は、神経伝達物質をニューロンの内部
に輸送する。 【0004】脳には多くの特異的なニューロンが存在す
るように、また受容体に結合した種々の神経伝達物質と
再取込み部位が存在する。特翼的なニューロンの分布は、
問題となる具体的な生物体およびその生物対の健康状態
により異なる。 【0005】ニューロンは、他のニューロンとの情報伝
達に用いる神経伝達物質のタイプによって分類すること
ができる。ある種のタイプのニューロンは、脳の特定領
域で専ら見出される。例えば、哺乳類の脳の線条体領域に
は、伝達物質としてドパミンを用いるニューロンが分布
している。 【0006】線条体はまた、ドパミン受容体をもつ多数
の非ドパミン作動性ニューロンを含んでいる。ある種の
化合物(例えばコカイン)は、ドパミン再取込み部位に
対して優先的な親和性をもち、したがって、そのような両
取込み部位に結合し易い。ドパミン再取込み部位に対す
るコカインのような分子の作用は、神経伝達物質ドパミ
ンの再取込みの抑制であり、それによってドパミン受容
体の周辺に利用可能な多くのドパミンが残される。 【0007】ある種の神経疾患(例えばパーキンソン
病)では、識別可能なニューロン群がその正常な生理学
的機能を喪失している。結果として、この異常なニューロ
ンは、いくつかの神経伝達物質の存在下で異なる反応を
し、さらにまた、健常なニューロンとは異なる態様で神経
伝達物質を産生する可能性がある。 【0008】主な神経伝達物質(ドパミン、ノルエピネ
フリンおよびセロトニン)は、包括的にモノアミン神経
伝達物質と呼ばれる。多くのニューロンが、これら神経
伝達物質の少なくとも1つを受容するように適応させら
れた受容体を有する。パーキンソン病は脳のドパミン作
動性ニューロンのあるものの変性によって生じる。 【0009】パーキンソン病で失われるニューロンは、
数多くのドパミン再取込み部位を有しコカインおよびコ
カインの化学的類似体はそのような再取込み部位に親和
性を有する。 【0010】放射性同位元素は、通常、特定のタイプの神
経受容体に対して明らかな結合親和性を有する分子に取
り込まれ、さらにそのような分子は通常神経プローブと
して用いられる。また、神経疾患は、神経プローブの異常
結合分布が認められることによって検出できることが分
かっている。そのような異常結合分布は、問題となってい
る特定の再取込み部位に対して高い結合親和性を有す
る、神経プローブの各分子内に放射性ヌクレオチドを取
り込ませることによって観察することが可能である。続
いて、画像化技術を用いて、問題となっている再取込み部
位の空間的広がりをもったインビボにおける分布を表示
させることができる。 【0011】 【発明が解決しようとする課題】単光量子放出コンピュ
ーター支援断層撮影法(SPECT)画像化では、最も
一般的に用いられる放射性ヌクレオチドは、例えば
99mTCのような重金属である。神経プローブは比較
的小さな分子(分子量は400未満)であるので、重金
属をそのようなプローブ分子の構造中に取り込ませるの
は非常に困難である。 【0012】陽電子放出断層撮影法(PET)では、放
射性ハロゲン化物、18F(フッ素)が、サイズが類似し
ているがゆえに、放射性医薬における水素(H)の代替
物として用いられる。しかしながら、全てのハロゲンが機
能するというわけではない。例えば、ヨウ素(I)は、H
およびFの両者よりはるかに大きい(ベンゼン環)の約
半分の大きさ)。 【0013】しかし、神経プローブとして用いられる代
表的な放射性医薬のサイズが小さいために、ヨウ素の存
在によって化合物の大きさは顕著に変化し、したがって、
その生物学的活性を変化させ、または破壊する。 【0014】さらに、神経プローブにヨウ素が存在する
ことによって、その好脂性が強くなり、したがってその神
経ブロープの非特異的結合傾向が高くなる。例えばパロ
キセチンは、セロトニン再取込み部位に対して強い親和
性と選択性をもつ医薬であり、〔H〕パロキセチンは
ゲッ歯類でのインビボ標識に有用であることが分かった
(U. Scheffe1 & PR. Hartig Neurochem., 52:1605-161
2(1989))。しかしながら、この化合物でいくつかの異
なる場所にヨウ素が付加された数種の類似体は親和性が
低く許容できない。実際、その親和性は親化合物の親和性
の1/10である。さらに、ヨウ素付加化合物をインビボ
標識神経ブロープとして用いたとき、非特異的結合活性
が極めて強く、セロトニン再取込み部位に特異的に結合
しているように思われる脳の再取込み部位は極めてわず
かであった。したがって、パロキセチンのヨウ素付加形
はインビボプローブとして有用ではない。 【0015】神経プロープヘのヨウ素付加は、プローブ
の生物学的特性を好ましくない方向に変化させる。例え
ば、トモキセチンは、ノルエピネフリン再取り込み部位に
対して高い親和性と選択性を有するが、トモキセチンに
ヨウ素を付加し、例えばR−4−ヨードトモキセチンを
生成すると、得られた標識化合物は、そのような再取込み
部位に対して親和性が低下し、さらにセロトニン再取込
み部位に対する親和性は比較的高くなる。インビボ標識
実験によって、この化合物は、脳への取り込み総量が低い
ことと特異的取り込みが測定できないほど低いことによ
り、セロトニン再取込み部位についてさえも極めて劣悪
なプローブであることが分かった。 【0016】ヨウ素付加化合物は、インビトロプローブ
としては有用であるが、インビボプローブとしては有用
ではないかもしれない。なぜならば、インビボプローブ
は、生体への静脈内投与に付随する要請を満たさなけれ
ばならないからである。インビボ利用度が失われる理由
には、該化合物はあまりに急速に代謝される可能性があ
ること、血液脳関門を通過できないということ、脳の貯蔵
脂質中への非特異的取り込みが高いということが含まれ
る。インビトロにおけるホモジネート結合実験では、肝性
代謝酵素から脳組織を分離することにより、脳組織を磨
り潰して血液脳関門を破壊することにより、さらに脳組
織を希釈してアッセー試験管内の脂質濃度を下げること
によって、これらの障害は除去される。したがって、プ
ローブがインビボおよびインビトロの両方の態様におい
て有用であるとは仮定できないであろう。 【0017】インビボのSPECTプローブはコカイン
にヨウ素を付加することによって開発された。しかしな
がら、このプローブは、コカイン自体より結合親和性も特
異性も劣り、SPECT画像化の目的には不適当であ
る。 【0018】 【課題を解決するための手段】ヨウ素付加神経プローブ
が、モノアミン再取込み部位をマッピングするために提
供される。該ヨウ素付加神経プローブは以下の式を有す
る: 【0019】 【化7】 式中、Rは、Cn2n+1基(n=0−6)、アルケニル
基、nF(n=18または19)を含むモノフルオロアル
キル基、またはn2n+1基(n=1−6、m=11ま
たは14(少なくとも1つのCにつき))が可能であ
る。またR’は、Cn 2n+1基(n=0−6)、p−ヨー
ドフェニルメチル基、p−ヨードフェニルエチル基、フェ
ニルメチル基、またはフェニルエチル基が可能である。X
は、Fの同位元素、Clの同位元素、Brの同位元素、
Iの同位元素、CH、またはSn(R"R"R"
が可能である。R"は、Cn2n+1基(n=1−6)また
はアリール基が可能である。R"は、Cn2n+1基(n
=1−6)またはアリール基が可能である。R"は、C
n2n+1基(n=1−6)またはアリール基が可能であ
る。Yは、XがIの同位元素であるか、またはR’がp−
ヨードフェニルメチル基またはp−ヨードフェニルエチ
ル基である場合は、Hのみである。その他の場合には、Y
はIの同位元素でなければならない。本発明の具体例の
偏左右異性体(ジアステレオマー)もまた提供される
が、この場合、カルボキシル−R’基はアルファ位に存在
する。 【0020】別の具体例では、本発明のモノアミン再取
込み部位のマッピング用ヨウ素付加神経プローブは以下
の式を有する: 【0021】 【化8】 式中、Rは、Cn2n+1基(n=0−6)、アルケニル基、
F(n=18または19)を含むモノフルオロアルキ
ル基、またはn2n+1基(n=1−6、m=11また
は14(少なくとも1つのCにつき))が可能であ
る。またR’は、Cn 2n+1基(n=0−6)、p−ヨー
ドフェニルメチル基、p−ヨードフェニルエチル基、フェ
ニルメチル基、またはフェニルエチル基が可能である。X
は、Fの同位元素、Clの同位元素、Brの同位元素、Iの
同位元素、CH、またはSn(R" R"R")が可
能である。R"は、Cn2n+1基(n=1−6)または
アリール基が可能である。R"は、Cn2n+1基(n=
1−6)またはアリール基が可能である。R"は、Cn
2n+1基(n=1−6)またはアリール基が可能であ
る。Yは、XがIの同位元素であるか、またはR’がp−
ヨードフェニルメチル基またはp−ヨードフェニルエチ
ル基である場合は、Hのみである。その他の場合には、Y
はIの同位元素でなければならない。さらに、Wは0、
S、(CH、0(CH(ここでn=1−6)
が可能であるが、この場合、Xはこの式のベンゼン環上に
Wに対してオルト、メタもしくはパラ位に存在し、Yはベ
ンゼン環の残りのどの位置にあってもよい。さらにまた、
本具体例のジアステレオマーである別の具体例が提供さ
れるが、この場合、カルボキシル−R’基はアルファ位に
ある。 【0022】前述の具体例の各々について、放射性トレ
ーサー原子を欠く放射能標識神経プローブの前駆体およ
びヨウ素付加関連神経プローブの調製用キットが提供さ
れる。 【0023】本発明のヨウ素付加神経プローブの放射能
活性を持つものも持たないものも共に、ヒトおよびヒト
以外の研究用に役立つ。例えば、一般にはドパミン再取込
み部位の研究のため、具体的にはコカイン結合部位の研
究のために、本発明の化合物を用いてインビボおよびイ
ンビトロ実験を実施できる。 【0024】 【発明の実施の形態】代謝的に安定なフガイン類似体
(例えば、図1の化合物3に示す2β−カルボメトキシ
−3β−(4−ヨードフェニル)−トロパン)、これは
β−CIT(RTI−55とも呼称される)のヨウ素含
有類似体)は、ドパミンおよび脳内のセロトニン再取込
み部位に強い親和性を有する。下記で考察するように、
123I〕−β−CITは、ドパミンおよびセロトニ
ン再取込み部位のSPECT(単光量子放出コンピュー
ター支援断層撮影)放射性トレーサーであることが示さ
れる。 【0025】〔123I〕−β−CITは、過酢酸の存
在下で対応するトリブチルチン前駆体と担体非付加Na
123I〕とを反応させ、その後メタノール/水/ト
リエチルアミン(75/25/0.2)(流速1.0m
l/分)を用いてC−18カラム上で調製用HPLCを
実施することによって調製された。最終生成物は、5−1
0%エタノールを含む滅菌食塩水中で製剤化された。 【0026】6回のSPECT実験を4匹の雌のヒヒ
(パヒオアヌビス(Papio anubis)、10Kg)で、イ
ソフルラン麻酔下で実施した。動物に10.6±1.4
mCi〔123I〕−β−CITを注射し、810Xブ
レインイメージャー(脳画像化装置、Strichman Medical
Equipment社製、5回実験)またはASPECT装置(De
gita1 Sintigraphics社製、ケンブリッジ、MA:1回
実験)のいずれかを用いて、333±25分間走査した。
これらのデータおよび以後のデータは平均値±S.E.
M.として表される。脳の回りに描かれた楕円の水の減
弱と同じように減弱が均質と仮定して、連続した2−6
分の画像を再構築した。データは注射の時間に対して崩
壊修正を行った。 【0027】最高の活性は線条体領域に認められ、注射
後179±9分(n=6)でピークレベルに達した(図
2)。線条体の活性は、2匹の動物でピーク値の後さらに
190分と260分モニターした。1匹の動物では、線条
体活性は残り190分の実験中に実質的に変化はなかっ
た。図2によれば、もう一方の動物では、線条体活性の排
出は指数関数に適合し、T1/2=27h(r=0.9
2)であった。 【0028】中脳領域にほぼ重なる脳の領域は、2番目
に強い活性レベルを有していた。中脳値はより早くピー
クに達し(注射後45±16分;n=6)、線条体の場
合より急速に消失した(T2/1=294±59分;r
=0.98±0.01;n=3)。 【0029】線条体取り込みのピーク時における脳の局
部活性の比は、線条体(100%)、視床下部(38.1
±5.2%)、後頭葉(14.3±2.0%)、前頭葉
(10.3±1.0%)、および小脳(10.0±1.
5%)で、全てn=6で測定された。 【0030】(−)コカイン(図1、化合物1)および
CFT(図1、化合物2)、(ともに強力なドパミンお
よびセロトニン再取込み抑制物質である)は、線条体お
よび中脳活性の迅速で用量依存性の置き換えを誘発し
た。注射後200分で投与した(−)コカイン(2.9
μmo1/Kg)によって、線条体レベルの17%、中脳レベル
の49%の置き換えが30−65分以内に生じた。注射
後230分で投与した14.7μmo1/kgでは、対応する
累積置き換えは、同じ時間でそれぞれ62%および77
%であった。 【0031】注射後180分で静注投与したCFT
(0.4μmol/kg)は、60−120分以内に線条体レベ
ルの57%、中脳レベルの72%の置き換えをもたらし
た。注射後298分で投与した2.0μmol/kgでは、対応
する累積置き換えは、同じ時間でそれぞれ83%および
91%であった。 【0032】対照的に、シクロプラム(セロトニン再取
込みの選択的抑制物質)は、線条体活性よりも中脳のよ
り大きな置き換えをもたらした。注射後190分で静注
した8.3μmol/kgでは、中脳レベルはその後の110
分間で57%まで減少したが、同じ時間で線条体活性は
わずか5%減少しただけであった。 【0033】〔123I〕−β−CITは、ドパミンお
よびセロトニン再取込み部位の有用なSPECTトレー
サーのようである。脳の取り込みおよび排出は、コカイン
自体と比較して比較的遅く、β−CITの代謝的に耐性
を有する化学構造と化学的に安定な位置にある放射性ヨ
ウ素の配置と矛盾しない。 【0034】線条体の取り込みは、ドパミン再取込みの
標識を大部分表しているようにみえる。一方、中脳に於け
る取り込みは、セロトニン再取込みに関連しているよう
である。 〔123I〕−β−CITの線条体活性対その小脳活性
の高い比は、トレーサーの非特異的取り込みの低さと一
致し〔123I〕−β−CITは、パーキンソン病のド
パミン作動性不全の臨床マーカーとして有用であるかも
しれない。 【0035】再び図1によれば、第二の実験では(J.L. N
eumeyerら、J.Med.Chem., 34:3144-3146(1991))、強力な
コカイン類似体、2β−カルボメトキシ−3β−(4−
フルオロフェニル)トロパン(化合物2、CFTまたは
WIN35428(R.L. C1arkeら、(1973);B,K. Madras
ら、(1989))とも呼称される)は、トリチウム付加または
CHで標識された場合、ドパミン再取込み部位に
対する高い親和性と滞在時間の長さという点で、コカイ
ン受容体に対する放射性リガンドプローブとして
H〕コカインまたは〔11C〕コカインよりも優れ
ていることが分かった(J.S. Fowlerら、Synapse 4:371-3
77(1989))。PETおよびSPECT画像化用に適した類
似体をさらに開発するために、2β−カルボメトキシ−
3β−(4−ヨードフェニル)トロパンを合成し、その
性状を調べた(図1に示したように、化合物3a(CF
Tと同様にβ−CITと呼称)、化合物4(ノル−CI
Tと呼称、対応するN−脱メチル誘導体)、化合物3b
(Cα異性体))。 【0036】図3では、〔123I〕−β−CITの合
成プロトコルが記載されている。エクゴニジンメチルエ
ステル(化合物5)は、クラークら(1973)の方法でコカ
インから調製された。化合物5を臭化フェニルマグネシ
ウムで処理し、続いてトリフルオロ酢酸と低温で処理し
て、Cエピ異性体(エピマー)の混合物(化合物6、
45%;化合物7、31%)が得られ、これらは、フラ
ッシュクロマトグラフィー(シリカ;CHCl/C
OH、25:1)によって分離された。化合物6を
/HNO/HSOで直接ヨウ素付加して、パ
ラ置換化合物3a(β−CIT)を油として生成した
(62%、〔α〕25D−2.0°(c=0.85、C
HCl)。D−酒石酸塩;mp72−74℃;〔α〕
25D−87.7°(c=1.5、CHOH)。同じ
工程による化合物7のヨウ素付加によって、化合物3b
(α−CIT)が油として得られた;39%〔α〕25
D+44°(c=2.5、CHCl)。1,5−ナフ
タレンジスルフォネート塩;mp.139−140℃。
化合物6のN−脱メチルは、2,2,2−トリクロロエ
チルカルバメートヘの変換、その後の還元(Zn/酢
酸)によって達成され、ミリウスら(R.A. Mi1iusら、J.
Med. Chem. 34(5):1728-1731(1991);この文献は参照に
より本明細書に含まれる)によって記載された方法で化
合物8が得られた。その後ヨウ素付加してノル−CIT
(化合物4)が得られ、これは黄色の結晶性固体として
分離された(化合物6からの遊離塩基48%):mp.
149-151℃;〔α〕25D−67.4°(c=1、CH
Cl)。 【0037】〔123I〕−β−CIT(化合物123
I−3a)は、非放射能性β−CIT(化合物3a)か
ら、対応するトリブチルチン誘導体(化合物9)への変
換によって合成された。還流テトラヒドロフラン中で化
合物3aをビス(トリブチルチン)、テトラキス(トリ
フェニルホスフェート)パラジウム(0)およびパラジ
ウム(II)アセテートで処理し、さらにフラッシュク
ロマトグラフィー(シリカ、ヘキサンからヘキサン/エ
ーテル(75:25)の段階勾配)の後、3aから収量
26%で無色のワックス状固体として化合物9を得た。
化合物9の300−MHNMR(CDCl)は、想
定構造と一致した。過酢酸存在下で化合物9を担体非付
加Na123Iで処理して、化合物〔123I〕−3a
が得られた。放射性ヨウ素付加生成物である化合物〔
123I〕−3aは、調製用HPLC(ノバパックC
18、MeOH/HO/EtN、75:25:0.
2、1.0ml/分;t6.7分)で精製し、5%エ
タノール、1%アスコルビン酸を含む通常の食塩水中で
製剤化した。化合物〔123I〕−3aは、全体的平均
収量60.0±13.4%で得られ、放射能化学での純
度は97.6±1.6%であった。放射能標識で用いた
トリブチルチン前駆体は、約7mol%のCIT担体を
含んでおり、約2000ci/mmo1の比活性を有する
123I生成物を生じた。 【0038】ドパミンおよびセロトニン再取込み部位に
対するコカイン(化合物1)、α−CIT(化合物3
b)、β−CIT(化合物3a)およびβ−CFT(化合
物2)の親和性は、下記の表1に示したように、ヒヒおよ
びラットの脳から調製した組織ホモジネートを用いた放
射性リガンドの置き換え実験から求めた。 【0039】 【表1】【0040】表1のデータは、霊長類線条体から調製し
た組織ホモジネートのドパミン再取込み部位に対する〔
H〕CFT(0.5nM)の放射性リガンド結合、お
よびラット皮質膜から調製したホモジネートのセロトニ
ン再取込み部位に対する〔H〕パロキセチンの結合を
表している。IC50値は、特異的な放射性リガンド結合
を50%まで減少させるために必要な置き換え類似体の
濃度である。値は平均±SEM(n回実験について)を
示している。 【0041】図4では、5回のSPECT(単光量子放
出コンピューター支援断層撮影法)実験を、イソフルラ
ン麻酔の下で4匹の雌のヒヒ(パピオ・アヌビス、10
−12Kg)を使って実施した。動物に8.1±1.4
mCi〔123I〕−β−CITを静注し(この実験お
よび以下の実験のデータは平均±SEMで表される)、
810Xブレインイメージャー(Strichman Medical Equ
ipment、メドフイールド、MA)で300±41分走査し
た。連続した1−2分の画像は、脳の周りに描かれた楕
円における水の減弱と同様に減弱が均質なものと仮定し
て両構築した。データは注射の時間に対して崩壊修正を
行った。 【0042】脳の最高取り込みは線条体領域に重なり、
放射性リガンドの注射後154±19分でピークとな
り、その時間の線条体対小脳比は9.8±1.6を示し
た。線条体活性の排出は、3匹のコントロール動物のう
ち2匹でさらに200および260分間続き、線条体ピ
ーク時から実験の終了までそれぞれ0%および12%の
減少を示した。 【0043】図5Aおよび5Bで、二番目に高い活性を
もつ脳の領域はほぼ中脳に重なり、ビークレベルは注射
後43±5分(n=5)で示され、排出は線条体活性よ
り速かった。 【0044】〔123I〕−β−CITのインビボ標識
の薬理学的特異性は、インダトラリン(Lu19−00
5とも呼称される、ドパミンおよびセロトニン再取込み
部位に対する強力な薬剤)、およびシタロプラム(セロ
トニン再取込み部位に対する選択的薬剤)による脳活性
の置き換えによって調べた。放射性リガンド注射後20
0分で注射したインダトラリン(3μmol/kg、静注)に
よって、線条体および中脳活性の両方が、図5Aに示した
ように顕著に減少した。Lu19−005の注射後10
0分の間に、線条体活性は65%まで減少し、それに較べ
て、同じ時間観察した2匹のコントロール動物では同じ
時間に平均2%の減少であった。 【0045】対照的に、放射性リガンド注射後60分で
注射されたシタロプラム(7.4μmol/kg、静注)によ
って、図5Bに示したように中脳活性の選択的減少が示
された。シタロプラムによって、注射後60分の間で中脳
活性は48%減少し、それに較べて同じ時間観察したコ
ントロール動物では中脳活性は16±3%の減少(n=
3)であった。 【0046】これらの結果は、〔123I〕−β−CI
Tは、霊長類におけるモノアミン再取込み部位の有用な
SPECTプローブであることを示している。線条体活
性の大半はドパミン再取込み部位に付随し、さらに中脳
活性の大半はセロトニン再取込み部位に付随していた。
これは、霊長類の死後脳で測定したこれらモノアミン運
搬体の密度と一致する。活性の脳排出は比較的遅いが、こ
れは部分的には、モノアミン運搬体に対するβ−CIT
の高い親和性に起因する。さらに、全身スキャンは甲状
腺取り込みは低いことを示したので、ヨウ素原子は、代謝
的に比較的抵抗性を有する位置に存在するようである。
これは、インビボでのヨウ素脱離が遅いことを示唆して
いる。〔123I〕−β−CITおよび〔11C〕−β
−CITは、ヒトの疾患(例えばパーキンソン病および
うつ病、これら疾患は神経伝達物質系に異常があると考
えられている)におけるドパミン作動性およびセロトニ
ン作動性神経支配の有用な臨床マーカーであろう。 【0047】合成例 実施例1. 2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−
ヨードフェニル)トロパン 【0048】2−β−カルボメトキシ−3−β−フェニ
ルトロパン(下記実施例1Aおよびミリウスらの文献(M
i1iusら、 J. Med. Chem., 34:1728(1991))を参照)
(2.9g、11.5mmol)およびI(3g、11.
8mmol)の混合物を25mlの氷酢酸中で攪拌し、4.7
mlの濃硝酸および4.7mlの濃硫酸の混合物と1滴
ずつ処理した。反応混合物を55℃に加熱し、2時間攪
拌し、続いて室温まで冷却し、氷(100g)の上に注い
でさらに濾過した。濃水酸化アンモニウムを0−5℃で
添加して、濾液のpHを9.5に調整した。生じた沈殿物
を濾過によって取り出し、塩化メチレン(250ml)
に溶解させた。濾液を50mlの塩化メチレンで2回抽
出した。抽出物および沈殿物の溶液を合わせ、ブライン
(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させ
た。溶媒除去後、3.9g(90.4%)の2−β−カル
ボメトキシ−3−β−4−ヨードフェニルトロパン遊離
塩基が油として得られた。 【0049】この遊離塩基をメタノール(20ml)に
溶解し、20mlのメタノール中で1.5gのD−
(−)酒石酸と合わせた。減圧下でメタノールを除去し
た後、残留物をメタノールエーテル(3:1)から再結
晶化させ、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨ
ードフェニル)トロパンD−酒石酸塩を白色結晶として
得た(mp. 72−74℃、 C1620NOI.
、理論値:C:44.88、H:4.8
9、N:2.62;実験値:C:44.70、H:4.
94、N:2.57〔α〕 22=−87.7°(c=
0.3、CHOH)。 【0050】実施例1A. 2−β−カルボメトキシ−
3−β−フェニルトロパン 【0051】撹絆装置、付加漏斗および窒素導入管を備
えた500mlの3つ首丸底フラスコに入れた臭化フェニ
ルマグネシウムの2Mエーテル溶液(83ml、166mm
ol)を、83mlの無水ジエチルエーテルで希釈し、−20
℃まで乾燥窒素の雰囲気下で冷却した。無水エーテル
(75ml)中でコカイン(1)(15g、82.8mmo
l)から調製したアンヒドロエクゴニンメチルエステル
の溶液を1滴ずつ加えた。この不均質な混合物を−20
℃で1時間攪拌し、続いて、等容量の氷と水の中に注ぎ入
れ、2Mの塩酸を1滴ずつ加えて酸性にした。水層に濃水
酸化アンモニウム(NaClで飽和)を添加して塩基性
にし、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物を乾
燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して褐色の油を
得た。この粗生成物のバルブトゥバルブ蒸留(70℃、
0.9トル)によって、淡黄色油(16g、70%)が
得られた。この油のTLC分析(シリカ、ペンタン/ジエ
チルエーテル/2−プロピルアミン、15:5:0.
8)によって、これは、C−2αおよびβエピマーの混合
物であることが分かった。このβ異性体をシリカゲルク
ロマトグラフィー(ペンタン:ジエチルエーテル:イソ
プロピルアミン、70:30:3)によって分離した。m
p.63−66℃(文献では62−64,5℃:C1arke
ら、J. Med. Chem.16:1260(1973))。 【0052】実施例2. 2−α−カルボメトキシ−3
−β−ヨードフェニルトロパン 【0053】実施例1に記載したように調製したαおよ
びβ−2−カルボメトキシ−3−β−ヨードフェニルト
ロパンの混合物を、実施例1に記載したようにシリカゲ
ルクロマトグラフィーで分離した。α−2−カルボメト
キシ−3−β−ヨードフェニルトロパンを含む分画を集
め、真空中で濃縮した。このようにして得た遊離塩基をナ
フタレン−1,5−ジスルホン酸で処理した。この粗塩
をアセトニトリルから再結晶化させ、2−α−カルボメ
トキシ−3−β−ヨードフェニルトロパンナフタレン−
1,5−ジスルホン酸塩を得た(mp.166−168
℃、 C1620NOI・C10(SOH)
・2HO、理論値:C:40.0.1、H:4.5
5、N:1.97、I:17.90;実験値:C:4
3.94、H:4.55、N:1.91、I:17.9
9)。 【0054】実施例3. 2−β−カルボメトキシ−3
−β−(4−ヨードフェニル)ノルトロパン 【0055】トルエン(20m1)中の2−β−カルボメ
トキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン(4
10mg、1.5mmol)の溶液を、2,2,2−トリクロ
ロエチルクロロフォルメート(1ml、7.3mmol)で処
理した。混合物を120℃で1時間加熱し、室温まで冷
却し、さらに真空中で乾燥するまで蒸発させた。残留物を
メチレンクロリドと水の間で分配させた。有機層を分離
し、乾燥させ(NaSO)、さらに真空中で濃縮し
て、乾燥泡沫としてトリクロロエチルクロロフォルメー
トを得た。この粗カルバミン酸塩を50%酢酸水に溶解
させ、200mg(0.0067g−原子)の亜鉛ダス
トで処理し、室温で16時間攪拌した。反応混合物を濾過
し、濃水酸化アンモニウム(NaClで飽和)でpH7
に調整し、さらにジエチルエーテルで抽出した。抽出物を
集め、乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮した。残
留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ペンタ
ン/ジエチルエーテル/イソプロピルアミン、3:7:
0.7)で精製し、2−β−カルボメトキシ−3−β−
(4−ヨードフェニル)ノルトロパンを得た。これは黄
色の結晶性固体として分離された(mp. 149-151℃;
〔α〕25 −67.4°(c=1、CHCl)。 【0056】実施例4.2−β−カルボメトキシー3−
β−(4−ヨードフェニル)−8−(3−フルオロプロ
ピル)−ノルトロパン 【0057】乾燥トルエン(20ml)中の2−β−カル
ボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)−ノルト
ロパン(371mg、1.0mmol)、1−ブロモ−3−フ
ルオロプロパン(155mg、1.1mmol)およびトリエ
チルアミン(0.5ml)を乾燥窒素の雰囲気下で攪拌
し、熱して還流させた。4時間後、反応混合物を室温まで
冷却し濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカ
カラム(溶離液:ジエチルエーテル)でクロマトグラフ
ィーを実施した。生成物含有分画を濃縮することによっ
て、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフ
ェニル)−8−(3−フルオロプロピル)ノルトロパン
を白色固体として得た(mp.78.5-79.5℃、 C18
23NOFI、理論値:C:50.13、H:5.3
4、N:3.25;実験値C50.27、H:5.2
6、N:3.15)。 【0058】実施例5. 2−β−カルボメトキシ−3
−β−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)トロパン 【0059】2−β−カルボメトキシ−3−β−(3−
フルオロフェニル)トロパン(400mg、1.44mmo
l)、硫酸銀(400mg、1.3mmol)、ヨウ素(60
0mg、2.36mmol)および80%硫酸(9ml)の混
合物を室温で5日間攪拌した。反応混合物を150ml
の氷と水に注ぎ入れ、濃水酸化アンモニウムを添加して
塩基性にし、60mlのクロロホルムで3回抽出した。集
めた抽出物を、10%重亜硫酸ナトリウム溶液、5%炭酸
ナトリウム溶液および水で連続して洗浄し、続いて硫酸
ナトリウム上で乾燥させ濾過した。濾液を真空中で濃縮
し、油状残留物をクロロホルムに再溶解させ、クロロホル
ム中のp−トルエンスルホニルクロリドの溶液で処理し
た。生じた固体を水とエタノールから繰り返し結晶化さ
せ、2−β−カルボメトキシ−3−β−(3−フルオロ
−4−ヨードフェニル)トロパントシレート塩を白色結
晶状固体として得た(mp.68-70℃(軟化、45℃)、C
1619FINO・CSO・HO:理論
値C:46.55、H:4.93、N:2.36;実験
値:C:46.34,H:4.86,N:1.99)。 【0060】実施例6. 2−β−カルボキシ−3−β
−(4−ヨードフェニル)トロパン 【0061】2mlのHOに懸濁した2−β−カルボ
メトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン
(100mg、0.26mmol)を還流で10時間加熱し
た。生じた溶液を室温まで冷却し、生じた沈殿物を濾過で
集め、真空下で一晩乾燥させ、70mg(70%)の2−β
−カルボキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパ
ンを得た(mp.299-300℃、C1518NOI・
0.5HO:理論値:C:47.51、H:5.0
5、N:3.69;実験値:C:47.28、H:4.
84、N:3.69)。 【0062】実施例7. 2−β−カルボメトキシ−3
−β−ベンジルオキシトロパン 【0063】アセトン(20ml)中の臭化ベンジル
(3.0g、0.015mol)およびヨウ化カリウム
(3.0g、0.021mol)の攪拌懸濁物を、アセトン
(10ml)中のエクゴニンメチルエステル(2.6g、
0.014mol)で1滴ずつ室温で処理した。この混合物
を70時間室温で攪拌し、続いて、加熱し還流し、さらに
8時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し濾過した。
濾液を真空中で濃縮し、残留物をクロロホルム(200m
l)に溶解し、さらに2Nの塩酸50mlで4回抽出した。
集めた抽出物を濃水酸化アンモニウムを添加して塩基性
にした。生じた混合物を20mlのクロロホルムで4回抽
出した。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し真空中で濃
縮して、1.7gの2−β−カルボメトキシ−3−β−ベ
ンジルオキシトロパンを油として得た。 【0064】この生成物をアセトニトリル(20ml)に
溶解し、アセトニトリル(20ml)中のナフタレン−
1,5−ジスルホン酸(2.2g)の溶液で処理した。こ
の溶液を真空中でシロップとなるまで濃縮し、ジエチル
エーテルで希釈した。生じた沈殿物を濾過で集めて乾燥
させ、1.6gの2−β−カルボメトキシ−3−β−ベン
ジルオキシトロパンナフタレン−1,5−ジスルホン酸
塩を得た(mp.126-130℃、C1723NO・C
10(SOH)・2.5HO、元素分析:理
論値、C:52.08、H:5.83、N:2.25;
実験値、C:52.2、H:5.69、N2.72;
〔α〕 24=25.4°(C=1、CHOH)。 【0065】 実施例8. 2−β−カルボメトキシ−3
−β−(4−トリブチルスタニルフェニル)トロパン 【0066】2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−
ヨードフェニル)トロパン(250mg、0.65mmo
l)、ビス(トリブチル)ジスタナン(522mg、0.9
mmo1)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジ
ウム(0)(3mg)および無水トルエン(10ml)を乾
燥窒素の雰囲気下で加熱し還流し、28時間攪拌した。混
合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をシリカ
ゲルカラムに添加し、ヘキサン:ジエチルエーテル:イ
ソプロピルアミン(70:30:3)で溶出した。生成
物を含む分画を集め、真空中で濃縮しペンタンで処理し
て、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−トリブチ
ルスタニルフェニル)トロパンを固体として沈澱させ
た。300MHzスペクトルは、想定した構造と一致し
た。〔α〕 =−8.9°(c=0.4、CHCl
)。 【0067】実施例9. 〔123I〕−2−β−カル
ボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン 【0068】2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−
トリブチルスタニルフェニル)トロパン50μgを含む
バイアルに、50μlのエタノール、150μ1の0.5M
PO、125−500μ1(20−30mCi)
の〔123I〕NaI溶液および100μ1(4.2μm
ol)の0.042M過酢酸を加えた。20−30分後、5
0μ1のNaHSO水溶液(100mg/ml)を加えた。
飽和NaHCO溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽
出した。集めた抽出液を乾燥させ(NaSO )、乾
燥するまで濃縮した。残留物をメタノールに再び溶解し、
HPLC(c−18カラム、溶離液:CHOH:H
O:トリエチルアミン(75:25:0.2))で精製
した。2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨード
フェニル)トロパンの保持時間で溶出する分画を集め、
乾燥するまで蒸発させ、5%エタノールおよび0.1n
Mのアスコルビン酸中で再構成させた。 【0069】SPECTに使用するために、本発明の放
射能安定ヨウ素付加神経プローブは参考用標準として有
用で、さらに、該神経プローブの放射能活性形の希釈剤と
してもまた用いることができる。放射性ヨウ素付加化合
物は、完全に性状が明らかにされている参考用標準と比
較したときのクロマトグラフィー上の移動度によって一
般に識別される。したがって、放射性ヨウ素付加化合物の
調製には、非放射性ヨウ素付加化合物を必要とする。放射
性神経プローブを保存する必要性を避けるために、非放
射性ヨウ素付加化合物および適切な酸化剤(例えば、過
塩素酸、過ギ酸、過酢酸、過酸化水素)を、ラクトペルオ
キシダーゼ、1,3,4,6−テトラクロロ−3α、6
α−ジフェニルグリコウリルまたはN−クロロ−4−メ
チルベンゼンスルフォンアミド塩とともに含むキットを
提供することは有用である。続いて、この非放射性前駆体
化合物は適切な放射性化合物の存在下で酸化して、使用
時に使用場所でヨウ素付加神経プローブを調製すること
ができる。適切な放射性化合物とは、例えば本明細書に記
載した合成経路において示された担体非含有Na〔
123I〕)、他のいずれかの放射性同位元素源(例え
ば、ヨウ素の放射性同位元素の塩溶液)、n2n+1
を含む試薬(ここでn=0−6、Xは脱離基)または式
FCn2nXの18Fを含む試薬(ここでn=0−6、
Xは脱離基)である。 【0070】本発明の放射能標識神経プローブはまた、
他の画像化工程でも有用である。例えば、125I−標識
神経プローブは、オートラジオグラフィーまたは治療に
用いることができ、131I−標識神経プローブは、動
物実験で使用される多重光量子放出体として有用であ
る。また、11C−、14C−および18F−標識神経プ
ローブはPET画像化で用いることができる。 【0071】本発明のヨウ素付加神経プローブの放射能
安定形および放射能活性形は、ヒトおよびヒト以外の研
究で有用である。例えば、ドパミン運搬体について一般的
に研究し、さらに具体的にコカイン結合部位を調べるた
めに、本発明の化合物を用いてインビボおよびインビト
ロ実験を実施することができる。さらに、本発明の神経プ
ローブの放射能安定形は、ドパミン再取込みに影響を与
える医薬として用いることができる。 【0072】他の修飾も、本発明の範囲を越えることな
く当業者にとって可能である。したがって、上記の記載
は、特許請求の範囲に記載されたものを除き制限を意図
したものではない。
【図面の簡単な説明】 本発明は、添付の下記図面と合わせて以下の詳細な説明
によってより十分に理解されることになろう。 【図1】本発明の化合物と比較した従来技術の化合物を
示す。 【図2】本発明の化合物の注射後のヒヒの脳の局部活性
を示す。 【図3】本発明の化合物の合成経路を示す。 【図4】本発明の化合物の脳内取り込みの局部領域を示
す。 【図5】Aは、本発明の化合物の注射後のヒヒの脳の局
部活性を示し、Bは、本発明の化合物の注射後のヒヒの
脳の局部活性を示す。
フロントページの続き (72)発明者 ミリアス,リチャード,エー. アメリカ合衆国 02131 マサチューセッ ツ州 ボストン ブラウン アベニュー 131 (72)発明者 イニス,ロバート,ビー. アメリカ合衆国 06518 コネチカット州 ハムデン デイ スプリング アベニュ ー 40 Fターム(参考) 4C064 AA01 CC01 DD08 DD09 EE01 FF05 GG03 4C085 HH03 JJ02 KB18 KB56 LL13

Claims (1)

  1. 【特許請求の範囲】 1.以下の式をもつ、モノアミン再取込み部位のマッピ
    ング用ヨウ素付加神経プローブ: 【化1】 式中、RはnF(n=18または19)を含むモノフル
    オロアルキル基で、R’はCn2n+1基(n=0−
    6)、XはIの同位元素;YはHである。 2.請求の範囲第1項によるヨウ素付加神経プローブ
    が、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフ
    ェニル)−8−(3−フルオロプロピル)−ノルトロパ
    ンである。 3.Xが123Iである、請求の範囲第1項または2項の
    ヨウ素付加神経プローブ。 4.Xが125Iである、請求の範囲第1項または2項の
    ヨウ素付加神経プローブ。 5.Xが131Iである、請求の範囲第1項または2項の
    ヨウ素付加神経プローブ。 6.以下の式をもつ、モノアミン再取込み部位のマッピ
    ング用ヨウ素付加神経プローブ: 【化2】 式中、RはnF(n=18または19)を含むモノフル
    オロアルキル基で、R’はCn2n+1基(n=0−
    6)、XはIの同位元素;YはHである。 7.Xが123Iである、請求の範囲第6項のヨウ素付加
    神経プローブ。 8.Xが125Iである、請求の範囲第6項のヨウ素付加
    神経プローブ。 9.Xが131Iである、請求の範囲第6項のヨウ素付加
    神経プローブ。 10.以下の式をもつ、モノアミン再取込み部位のマッ
    ピング用放射能標識神経プローブの前駆体: 【化3】 式中、Rはモノフルオロアルキル基で、R’はCn
    2n+1基(n=0−6)で、XはSn(R”1R”
    2R”3)で、ここでR”1はCn2n+1基(n=1−6)
    またはアリール基で、R”2はCn2+1基(n=1−
    6)またはアリール基で、R”3はCn2n+1基(n=1
    −6)またはアリール基で、さらにYはHである。 11.以下の式をもつ、モノアミン再取込み部位のマッ
    ピング用放射能標識神経プローブの前駆体: 【化4】 式中、Rはモノフルオロアルキル基で、R’はCn
    2n+1基(n=0−6)で、XはSn(R”1R”
    2R”3)で、ここでR”1はCnH2n+1基(n=1−6)
    またはアリール基で、R”2はCn2n+1基(n=1−
    6)またはアリール基で、R”3はCn2n+1基(n=1
    −6)またはアリール基で、さらにYはHである。 12.以下の式の前駆体および酸化剤を含み、該前駆体
    と酸化剤を放射性ヨウ素源の存在下で反応させることが
    できる、モノアミン再取込み部位のマッピング用ヨウ素
    付加神経プローブを調製するためのキット: 【化5】 式中、Rはモノフルオロアルキル基で、R’はCn
    2n+1基(n=0−6)で、XはSn(R”1R”
    2R”3)で、ここでR”はCn2n+1基(n=1−
    6)またはアリール基で、R”2はCn2n+1基(n=1
    −6)またはアリール基で、R”3はCn2n+1基(n=
    1−6)またはアリール基で、さらにYはHである。 13. 該放射性ヨウ素源がヨウ素の放射性同位元素の
    塩溶液である、請求の範囲第12項のキット。 14.以下の式の前駆体および酸化剤を含み、該前駆体
    と酸化剤を放射性ヨウ素源の存在下で反応させることが
    できる、モノアミン再取込み部位のマッピング用ヨウ素
    付加神経プローブを調製するためのキット: 【化6】 式中、Rはモノフルオロアルキル基で、R’はCn
    2n+1基(n=0−6)で、XはSn(R”1R”
    2R”3)で、ここでR”1はCn2n+1基(n=1−6)
    またはアリール基で、R”2はCn2n+1基(n=1−
    6)またはアリール基で、R”3はCn2n+1基(n=1
    −6)またはアリール基で、さらにYはHである。 15.該放射性ヨウ素源がヨウ素の放射性同位元素の塩
    溶液である、請求の範囲第14項のキット。
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JP2007506698A (ja) * 2003-09-26 2007-03-22 ノバルティス アクチエンゲゼルシャフト 放射性トレーサーおよび造影剤として使用するピリジルアセチレン類

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