JP4070431B2 - モノアミン再取込み部位のマッピング用ヨウ素付加神経プローブ - Google Patents

モノアミン再取込み部位のマッピング用ヨウ素付加神経プローブ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、脳におけるモノアミン再取込み部位のマッピング用神経プローブに関し、具体的には、そのような再取り込み部位の画像化のための単光量子放出コンピューター支援断層撮影法(SPECT)および陽電子放出断層撮影法(PET)で使用される放射性トレーサーとしても利用できる神経プローブに関する。
【0002】
【従来の技術】
脳は、化学的伝達物質を交換することによって相互に作用する多数のニューロンから成る。各ニューロンは、神経化学物質(神経伝達物質と呼ばれる)を産生し、神経化学物質は、ニューロンの細胞膜上の受容体と呼ばれる部位に作用する。
【0003】
受容体は細胞膜を貫通するイオンチャンネルまたは第二の神経化学伝達物質系のいずれかと結合する。対照的に、再取込み部位は、ニューロンの細胞膜を通り抜け化学物質を輸送する分子複合体である。神経伝達物質がその機能を果たし終えると、それは、再取込み部位と結合することによって受容体の周辺から除去される。この再取込み部位は、神経伝達物質をニューロンの内部に輸送する。
【0004】
脳には多くの特異的なニューロンが存在するように、また受容体に結合した種々の神経伝達物質と再取込み部位が存在する。特翼的なニューロンの分布は、問題となる具体的な生物体およびその生物対の健康状態により異なる。
【0005】
ニューロンは、他のニューロンとの情報伝達に用いる神経伝達物質のタイプによって分類することができる。ある種のタイプのニューロンは、脳の特定領域で専ら見出される。例えば、哺乳類の脳の線条体領域には、伝達物質としてドパミンを用いるニューロンが分布している。
【0006】
線条体はまた、ドパミン受容体をもつ多数の非ドパミン作動性ニューロンを含んでいる。ある種の化合物(例えばコカイン)は、ドパミン再取込み部位に対して優先的な親和性をもち、したがって、そのような両取込み部位に結合し易い。ドパミン再取込み部位に対するコカインのような分子の作用は、神経伝達物質ドパミンの再取込みの抑制であり、それによってドパミン受容体の周辺に利用可能な多くのドパミンが残される。
【0007】
ある種の神経疾患(例えばパーキンソン病)では、識別可能なニューロン群がその正常な生理学的機能を喪失している。結果として、この異常なニューロンは、いくつかの神経伝達物質の存在下で異なる反応をし、さらにまた、健常なニューロンとは異なる態様で神経伝達物質を産生する可能性がある。
【0008】
主な神経伝達物質(ドパミン、ノルエピネフリンおよびセロトニン)は、包括的にモノアミン神経伝達物質と呼ばれる。多くのニューロンが、これら神経伝達物質の少なくとも1つを受容するように適応させられた受容体を有する。パーキンソン病は脳のドパミン作動性ニューロンのあるものの変性によって生じる。
【0009】
パーキンソン病で失われるニューロンは、数多くのドパミン再取込み部位を有しコカインおよびコカインの化学的類似体はそのような再取込み部位に親和性を有する。
【0010】
放射性同位元素は、通常、特定のタイプの神経受容体に対して明らかな結合親和性を有する分子に取り込まれ、さらにそのような分子は通常神経プローブとして用いられる。また、神経疾患は、神経プローブの異常結合分布が認められることによって検出できることが分かっている。そのような異常結合分布は、問題となっている特定の再取込み部位に対して高い結合親和性を有する、神経プローブの各分子内に放射性ヌクレオチドを取り込ませることによって観察することが可能である。続いて、画像化技術を用いて、問題となっている再取込み部位の空間的広がりをもったインビボにおける分布を表示させることができる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
単光量子放出コンピューター支援断層撮影法(SPECT)画像化では、最も一般的に用いられる放射性ヌクレオチドは、例えば99mTCのような重金属である。神経プローブは比較的小さな分子(分子量は400未満)であるので、重金属をそのようなプローブ分子の構造中に取り込ませるのは非常に困難である。
【0012】
陽電子放出断層撮影法(PET)では、放射性ハロゲン化物、18F(フッ素)が、サイズが類似しているがゆえに、放射性医薬における水素(H)の代替物として用いられる。しかしながら、全てのハロゲンが機能するというわけではない。例えば、ヨウ素(I)は、HおよびFの両者よりはるかに大きい(ベンゼン環)の約半分の大きさ)。
【0013】
しかし、神経プローブとして用いられる代表的な放射性医薬のサイズが小さいために、ヨウ素の存在によって化合物の大きさは顕著に変化し、したがって、その生物学的活性を変化させ、または破壊する。
【0014】
さらに、神経プローブにヨウ素が存在することによって、その好脂性が強くなり、したがってその神経ブロープの非特異的結合傾向が高くなる。例えばパロキセチンは、セロトニン再取込み部位に対して強い親和性と選択性をもつ医薬であり、〔H〕パロキセチンはゲッ歯類でのインビボ標識に有用であることが分かった(U. Scheffe1 & PR. Hartig Neurochem., 52:1605-1612(1989))。しかしながら、この化合物でいくつかの異なる場所にヨウ素が付加された数種の類似体は親和性が低く許容できない。実際、その親和性は親化合物の親和性の1/10である。さらに、ヨウ素付加化合物をインビボ標識神経ブロープとして用いたとき、非特異的結合活性が極めて強く、セロトニン再取込み部位に特異的に結合しているように思われる脳の再取込み部位は極めてわずかであった。したがって、パロキセチンのヨウ素付加形はインビボプローブとして有用ではない。
【0015】
神経プロープヘのヨウ素付加は、プローブの生物学的特性を好ましくない方向に変化させる。例えば、トモキセチンは、ノルエピネフリン再取り込み部位に対して高い親和性と選択性を有するが、トモキセチンにヨウ素を付加し、例えばR−4−ヨードトモキセチンを生成すると、得られた標識化合物は、そのような再取込み部位に対して親和性が低下し、さらにセロトニン再取込み部位に対する親和性は比較的高くなる。インビボ標識実験によって、この化合物は、脳への取り込み総量が低いことと特異的取り込みが測定できないほど低いことにより、セロトニン再取込み部位についてさえも極めて劣悪なプローブであることが分かった。
【0016】
ヨウ素付加化合物は、インビトロプローブとしては有用であるが、インビボプローブとしては有用ではないかもしれない。なぜならば、インビボプローブは、生体への静脈内投与に付随する要請を満たさなければならないからである。インビボ利用度が失われる理由には、該化合物はあまりに急速に代謝される可能性があること、血液脳関門を通過できないということ、脳の貯蔵脂質中への非特異的取り込みが高いということが含まれる。インビトロにおけるホモジネート結合実験では、肝性代謝酵素から脳組織を分離することにより、脳組織を磨り潰して血液脳関門を破壊することにより、さらに脳組織を希釈してアッセー試験管内の脂質濃度を下げることによって、これらの障害は除去される。したがって、プローブがインビボおよびインビトロの両方の態様において有用であるとは仮定できないであろう。
【0017】
インビボのSPECTプローブはコカインにヨウ素を付加することによって開発された。しかしながら、このプローブは、コカイン自体より結合親和性も特異性も劣り、SPECT画像化の目的には不適当である。
【0018】
【課題を解決するための手段】
ヨウ素付加神経プローブが、モノアミン再取込み部位をマッピングするために提供される。該ヨウ素付加神経プローブは以下の式を有する:
【0019】
【化7】
Figure 0004070431
式中、Rは、Cn2n+1基(n=0−6)、アルケニル基、nF(n=18または19)を含むモノフルオロアルキル基、またはn2n+1基(n=1−6、m=11または14(少なくとも1つのCにつき))が可能である。またR’は、Cn2n+1基(n=0−6)、p−ヨードフェニルメチル基、p−ヨードフェニルエチル基、フェニルメチル基、またはフェニルエチル基が可能である。Xは、Fの同位元素、Clの同位元素、Brの同位元素、Iの同位元素、CH、またはSn(R"R"R")が可能である。R"は、Cn2n+1基(n=1−6)またはアリール基が可能である。R"は、Cn2n+1基(n=1−6)またはアリール基が可能である。R"は、Cn2n+1基(n=1−6)またはアリール基が可能である。Yは、XがIの同位元素であるか、またはR’がp−ヨードフェニルメチル基またはp−ヨードフェニルエチル基である場合は、Hのみである。その他の場合には、YはIの同位元素でなければならない。本発明の具体例の偏左右異性体(ジアステレオマー)もまた提供されるが、この場合、カルボキシル−R’基はアルファ位に存在する。
【0020】
別の具体例では、本発明のモノアミン再取込み部位のマッピング用ヨウ素付加神経プローブは以下の式を有する:
【0021】
【化8】
Figure 0004070431
式中、Rは、Cn2n+1基(n=0−6)、アルケニル基、F(n=18または19)を含むモノフルオロアルキル基、またはn2n+1基(n=1−6、m=11または14(少なくとも1つのCにつき))が可能である。またR’は、Cn2n+1基(n=0−6)、p−ヨードフェニルメチル基、p−ヨードフェニルエチル基、フェニルメチル基、またはフェニルエチル基が可能である。Xは、Fの同位元素、Clの同位元素、Brの同位元素、Iの同位元素、CH、またはSn(R"R"R")が可能である。R"は、Cn2n+1基(n=1−6)またはアリール基が可能である。R"は、Cn2n+1基(n=1−6)またはアリール基が可能である。R"は、Cn2n+1基(n=1−6)またはアリール基が可能である。Yは、XがIの同位元素であるか、またはR’がp−ヨードフェニルメチル基またはp−ヨードフェニルエチル基である場合は、Hのみである。その他の場合には、YはIの同位元素でなければならない。さらに、Wは0、S、(CH、0(CH(ここでn=1−6)が可能であるが、この場合、Xはこの式のベンゼン環上にWに対してオルト、メタもしくはパラ位に存在し、Yはベンゼン環の残りのどの位置にあってもよい。さらにまた、本具体例のジアステレオマーである別の具体例が提供されるが、この場合、カルボキシル−R’基はアルファ位にある。
【0022】
前述の具体例の各々について、放射性トレーサー原子を欠く放射能標識神経プローブの前駆体およびヨウ素付加関連神経プローブの調製用キットが提供される。
【0023】
本発明のヨウ素付加神経プローブの放射能活性を持つものも持たないものも共に、ヒトおよびヒト以外の研究用に役立つ。例えば、一般にはドパミン再取込み部位の研究のため、具体的にはコカイン結合部位の研究のために、本発明の化合物を用いてインビボおよびインビトロ実験を実施できる。
【0024】
【発明の実施の形態】
代謝的に安定なフガイン類似体(例えば、図1の化合物3に示す2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)−トロパン)、これはβ−CIT(RTI−55とも呼称される)のヨウ素含有類似体)は、ドパミンおよび脳内のセロトニン再取込み部位に強い親和性を有する。下記で考察するように、〔123I〕−β−CITは、ドパミンおよびセロトニン再取込み部位のSPECT(単光量子放出コンピューター支援断層撮影)放射性トレーサーであることが示される。
【0025】
123I〕−β−CITは、過酢酸の存在下で対応するトリブチルチン前駆体と担体非付加Na〔123I〕とを反応させ、その後メタノール/水/トリエチルアミン(75/25/0.2)(流速1.0ml/分)を用いてC−18カラム上で調製用HPLCを実施することによって調製された。最終生成物は、5−10%エタノールを含む滅菌食塩水中で製剤化された。
【0026】
6回のSPECT実験を4匹の雌のヒヒ(パヒオアヌビス(Papio anubis)、10Kg)で、イソフルラン麻酔下で実施した。動物に10.6±1.4mCi〔123I〕−β−CITを注射し、810Xブレインイメージャー(脳画像化装置、Strichman Medical Equipment社製、5回実験)またはASPECT装置(Degita1 Sintigraphics社製、ケンブリッジ、MA:1回実験)のいずれかを用いて、333±25分間走査した。これらのデータおよび以後のデータは平均値±S.E.M.として表される。脳の回りに描かれた楕円の水の減弱と同じように減弱が均質と仮定して、連続した2−6分の画像を再構築した。データは注射の時間に対して崩壊修正を行った。
【0027】
最高の活性は線条体領域に認められ、注射後179±9分(n=6)でピークレベルに達した(図2)。線条体の活性は、2匹の動物でピーク値の後さらに190分と260分モニターした。1匹の動物では、線条体活性は残り190分の実験中に実質的に変化はなかった。図2によれば、もう一方の動物では、線条体活性の排出は指数関数に適合し、T1/2=27h(r=0.92)であった。
【0028】
中脳領域にほぼ重なる脳の領域は、2番目に強い活性レベルを有していた。中脳値はより早くピークに達し(注射後45±16分;n=6)、線条体の場合より急速に消失した(T2/1=294±59分;r=0.98±0.01;n=3)。
【0029】
線条体取り込みのピーク時における脳の局部活性の比は、線条体(100%)、視床下部(38.1±5.2%)、後頭葉(14.3±2.0%)、前頭葉(10.3±1.0%)、および小脳(10.0±1.5%)で、全てn=6で測定された。
【0030】
(−)コカイン(図1、化合物1)およびCFT(図1、化合物2)、(ともに強力なドパミンおよびセロトニン再取込み抑制物質である)は、線条体および中脳活性の迅速で用量依存性の置き換えを誘発した。注射後200分で投与した(−)コカイン(2.9μmo1/Kg)によって、線条体レベルの17%、中脳レベルの49%の置き換えが30−65分以内に生じた。注射後230分で投与した14.7μmo1/kgでは、対応する累積置き換えは、同じ時間でそれぞれ62%および77%であった。
【0031】
注射後180分で静注投与したCFT(0.4μmol/kg)は、60−120分以内に線条体レベルの57%、中脳レベルの72%の置き換えをもたらした。注射後298分で投与した2.0μmol/kgでは、対応する累積置き換えは、同じ時間でそれぞれ83%および91%であった。
【0032】
対照的に、シクロプラム(セロトニン再取込みの選択的抑制物質)は、線条体活性よりも中脳のより大きな置き換えをもたらした。注射後190分で静注した8.3μmol/kgでは、中脳レベルはその後の110分間で57%まで減少したが、同じ時間で線条体活性はわずか5%減少しただけであった。
【0033】
123I〕−β−CITは、ドパミンおよびセロトニン再取込み部位の有用なSPECTトレーサーのようである。脳の取り込みおよび排出は、コカイン自体と比較して比較的遅く、β−CITの代謝的に耐性を有する化学構造と化学的に安定な位置にある放射性ヨウ素の配置と矛盾しない。
【0034】
線条体の取り込みは、ドパミン再取込みの標識を大部分表しているようにみえる。一方、中脳に於ける取り込みは、セロトニン再取込みに関連しているようである。〔123I〕−β−CITの線条体活性対その小脳活性の高い比は、トレーサーの非特異的取り込みの低さと一致し〔123I〕−β−CITは、パーキンソン病のドパミン作動性不全の臨床マーカーとして有用であるかもしれない。
【0035】
再び図1によれば、第二の実験では(J.L. Neumeyerら、J.Med.Chem., 34:3144-3146(1991))、強力なコカイン類似体、2β−カルボメトキシ−3β−(4−フルオロフェニル)トロパン(化合物2、CFTまたはWIN35428(R.L. C1arkeら、(1973);B,K. Madrasら、(1989))とも呼称される)は、トリチウム付加または11CHで標識された場合、ドパミン再取込み部位に対する高い親和性と滞在時間の長さという点で、コカイン受容体に対する放射性リガンドプローブとして〔H〕コカインまたは〔11C〕コカインよりも優れていることが分かった(J.S. Fowlerら、Synapse 4:371-377(1989))。PETおよびSPECT画像化用に適した類似体をさらに開発するために、2β−カルボメトキシ−3β−(4−ヨードフェニル)トロパンを合成し、その性状を調べた(図1に示したように、化合物3a(CFTと同様にβ−CITと呼称)、化合物4(ノル−CITと呼称、対応するN−脱メチル誘導体)、化合物3b(Cα異性体))。
【0036】
図3では、〔123I〕−β−CITの合成プロトコルが記載されている。エクゴニジンメチルエステル(化合物5)は、クラークら(1973)の方法でコカインから調製された。化合物5を臭化フェニルマグネシウムで処理し、続いてトリフルオロ酢酸と低温で処理して、Cエピ異性体(エピマー)の混合物(化合物6、45%;化合物7、31%)が得られ、これらは、フラッシュクロマトグラフィー(シリカ;CHCl/CHOH、25:1)によって分離された。化合物6をI/HNO/HSOで直接ヨウ素付加して、パラ置換化合物3a(β−CIT)を油として生成した(62%、〔α〕25D−2.0°(c=0.85、CHCl)。D−酒石酸塩;mp72−74℃;〔α〕25D−87.7°(c=1.5、CHOH)。同じ工程による化合物7のヨウ素付加によって、化合物3b(α−CIT)が油として得られた;39%〔α〕25D+44°(c=2.5、CHCl)。1,5−ナフタレンジスルフォネート塩;mp.139−140℃。化合物6のN−脱メチルは、2,2,2−トリクロロエチルカルバメートヘの変換、その後の還元(Zn/酢酸)によって達成され、ミリウスら(R.A. Mi1iusら、J. Med. Chem. 34(5):1728-1731(1991);この文献は参照により本明細書に含まれる)によって記載された方法で化合物8が得られた。その後ヨウ素付加してノル−CIT(化合物4)が得られ、これは黄色の結晶性固体として分離された(化合物6からの遊離塩基48%):mp. 149-151℃;〔α〕25D−67.4°(c=1、CHCl)。
【0037】
123I〕−β−CIT(化合物123I−3a)は、非放射能性β−CIT(化合物3a)から、対応するトリブチルチン誘導体(化合物9)への変換によって合成された。還流テトラヒドロフラン中で化合物3aをビス(トリブチルチン)、テトラキス(トリフェニルホスフェート)パラジウム(0)およびパラジウム(II)アセテートで処理し、さらにフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ヘキサンからヘキサン/エーテル(75:25)の段階勾配)の後、3aから収量26%で無色のワックス状固体として化合物9を得た。化合物9の300−MHNMR(CDCl)は、想定構造と一致した。過酢酸存在下で化合物9を担体非付加Na123Iで処理して、化合物〔123I〕−3aが得られた。放射性ヨウ素付加生成物である化合物〔123I〕−3aは、調製用HPLC(ノバパックC18、MeOH/HO/EtN、75:25:0.2、1.0ml/分;t6.7分)で精製し、5%エタノール、1%アスコルビン酸を含む通常の食塩水中で製剤化した。化合物〔123I〕−3aは、全体的平均収量60.0±13.4%で得られ、放射能化学での純度は97.6±1.6%であった。放射能標識で用いたトリブチルチン前駆体は、約7mol%のCIT担体を含んでおり、約2000ci/mmo1の比活性を有する123I生成物を生じた。
【0038】
ドパミンおよびセロトニン再取込み部位に対するコカイン(化合物1)、α−CIT(化合物3b)、β−CIT(化合物3a)およびβ−CFT(化合物2)の親和性は、下記の表1に示したように、ヒヒおよびラットの脳から調製した組織ホモジネートを用いた放射性リガンドの置き換え実験から求めた。
【0039】
【表1】
Figure 0004070431
【0040】
表1のデータは、霊長類線条体から調製した組織ホモジネートのドパミン再取込み部位に対する〔H〕CFT(0.5nM)の放射性リガンド結合、およびラット皮質膜から調製したホモジネートのセロトニン再取込み部位に対する〔H〕パロキセチンの結合を表している。IC50値は、特異的な放射性リガンド結合を50%まで減少させるために必要な置き換え類似体の濃度である。値は平均±SEM(n回実験について)を示している。
【0041】
図4では、5回のSPECT(単光量子放出コンピューター支援断層撮影法)実験を、イソフルラン麻酔の下で4匹の雌のヒヒ(パピオ・アヌビス、10−12Kg)を使って実施した。動物に8.1±1.4mCi〔123I〕−β−CITを静注し(この実験および以下の実験のデータは平均±SEMで表される)、810Xブレインイメージャー(Strichman Medical Equipment、メドフイールド、MA)で300±41分走査した。連続した1−2分の画像は、脳の周りに描かれた楕円における水の減弱と同様に減弱が均質なものと仮定して両構築した。データは注射の時間に対して崩壊修正を行った。
【0042】
脳の最高取り込みは線条体領域に重なり、放射性リガンドの注射後154±19分でピークとなり、その時間の線条体対小脳比は9.8±1.6を示した。線条体活性の排出は、3匹のコントロール動物のうち2匹でさらに200および260分間続き、線条体ピーク時から実験の終了までそれぞれ0%および12%の減少を示した。
【0043】
図5Aおよび5Bで、二番目に高い活性をもつ脳の領域はほぼ中脳に重なり、ビークレベルは注射後43±5分(n=5)で示され、排出は線条体活性より速かった。
【0044】
123I〕−β−CITのインビボ標識の薬理学的特異性は、インダトラリン(Lu19−005とも呼称される、ドパミンおよびセロトニン再取込み部位に対する強力な薬剤)、およびシタロプラム(セロトニン再取込み部位に対する選択的薬剤)による脳活性の置き換えによって調べた。放射性リガンド注射後200分で注射したインダトラリン(3μmol/kg、静注)によって、線条体および中脳活性の両方が、図5Aに示したように顕著に減少した。Lu19−005の注射後100分の間に、線条体活性は65%まで減少し、それに較べて、同じ時間観察した2匹のコントロール動物では同じ時間に平均2%の減少であった。
【0045】
対照的に、放射性リガンド注射後60分で注射されたシタロプラム(7.4μmol/kg、静注)によって、図5Bに示したように中脳活性の選択的減少が示された。シタロプラムによって、注射後60分の間で中脳活性は48%減少し、それに較べて同じ時間観察したコントロール動物では中脳活性は16±3%の減少(n=3)であった。
【0046】
これらの結果は、〔123I〕−β−CITは、霊長類におけるモノアミン再取込み部位の有用なSPECTプローブであることを示している。線条体活性の大半はドパミン再取込み部位に付随し、さらに中脳活性の大半はセロトニン再取込み部位に付随していた。これは、霊長類の死後脳で測定したこれらモノアミン運搬体の密度と一致する。活性の脳排出は比較的遅いが、これは部分的には、モノアミン運搬体に対するβ−CITの高い親和性に起因する。さらに、全身スキャンは甲状腺取り込みは低いことを示したので、ヨウ素原子は、代謝的に比較的抵抗性を有する位置に存在するようである。これは、インビボでのヨウ素脱離が遅いことを示唆している。〔123I〕−β−CITおよび〔11C〕−β−CITは、ヒトの疾患(例えばパーキンソン病およびうつ病、これら疾患は神経伝達物質系に異常があると考えられている)におけるドパミン作動性およびセロトニン作動性神経支配の有用な臨床マーカーであろう。
【0047】
合成例
実施例1. 2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン
【0048】
2−β−カルボメトキシ−3−β−フェニルトロパン(下記実施例1Aおよびミリウスらの文献(Mi1iusら、 J. Med. Chem., 34:1728(1991))を参照)(2.9g、11.5mmol)およびI(3g、11.8mmol)の混合物を25mlの氷酢酸中で攪拌し、4.7mlの濃硝酸および4.7mlの濃硫酸の混合物と1滴ずつ処理した。反応混合物を55℃に加熱し、2時間攪拌し、続いて室温まで冷却し、氷(100g)の上に注いでさらに濾過した。濃水酸化アンモニウムを0−5℃で添加して、濾液のpHを9.5に調整した。生じた沈殿物を濾過によって取り出し、塩化メチレン(250ml)に溶解させた。濾液を50mlの塩化メチレンで2回抽出した。抽出物および沈殿物の溶液を合わせ、ブライン(50ml)で洗浄し、硫酸マグネシウム上で乾燥させた。溶媒除去後、3.9g(90.4%)の2−β−カルボメトキシ−3−β−4−ヨードフェニルトロパン遊離塩基が油として得られた。
【0049】
この遊離塩基をメタノール(20ml)に溶解し、20mlのメタノール中で1.5gのD−(−)酒石酸と合わせた。減圧下でメタノールを除去した後、残留物をメタノールエーテル(3:1)から再結晶化させ、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパンD−酒石酸塩を白色結晶として得た(mp. 72−74℃、 C1620NOI.C、理論値:C:44.88、H:4.89、N:2.62;実験値:C:44.70、H:4.94、N:2.57〔α〕 22=−87.7°(c=0.3、CHOH)。
【0050】
実施例1A . 2−β−カルボメトキシ−3−β−フェニルトロパン
【0051】
撹絆装置、付加漏斗および窒素導入管を備えた500mlの3つ首丸底フラスコに入れた臭化フェニルマグネシウムの2Mエーテル溶液(83ml、166mmol)を、83mlの無水ジエチルエーテルで希釈し、−20℃まで乾燥窒素の雰囲気下で冷却した。無水エーテル(75ml)中でコカイン(1)(15g、82.8mmol)から調製したアンヒドロエクゴニンメチルエステルの溶液を1滴ずつ加えた。この不均質な混合物を−20℃で1時間攪拌し、続いて、等容量の氷と水の中に注ぎ入れ、2Mの塩酸を1滴ずつ加えて酸性にした。水層に濃水酸化アンモニウム(NaClで飽和)を添加して塩基性にし、ジエチルエーテルで抽出した。合わせた抽出物を乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮して褐色の油を得た。この粗生成物のバルブトゥバルブ蒸留(70℃、0.9トル)によって、淡黄色油(16g、70%)が得られた。この油のTLC分析(シリカ、ペンタン/ジエチルエーテル/2−プロピルアミン、15:5:0.8)によって、これは、C−2αおよびβエピマーの混合物であることが分かった。このβ異性体をシリカゲルクロマトグラフィー(ペンタン:ジエチルエーテル:イソプロピルアミン、70:30:3)によって分離した。mp.63−66℃(文献で
は62−64,5℃:C1arkeら、J. Med. Chem.16:1260(1973))。
【0052】
実施例2 . 2−α−カルボメトキシ−3−β−ヨードフェニルトロパン
【0053】
実施例1に記載したように調製したαおよびβ−2−カルボメトキシ−3−β−ヨードフェニルトロパンの混合物を、実施例1に記載したようにシリカゲルクロマトグラフィーで分離した。α−2−カルボメトキシ−3−β−ヨードフェニルトロパンを含む分画を集め、真空中で濃縮した。このようにして得た遊離塩基をナフタレン−1,5−ジスルホン酸で処理した。この粗塩をアセトニトリルから再結晶化させ、2−α−カルボメトキシ−3−β−ヨードフェニルトロパンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩を得た(mp.166−168℃、 C1620NOI・C10(SOH)・2HO、理論値:C:40.0.1、H:4.55、N:1.97、I:17.90;実験値:C:43.94、H:4.55、N:1.91、I:17.99)。
【0054】
実施例3 . 2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル ) ノルトロパン
【0055】
トルエン(20m1)中の2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン(410mg、1.5mmol)の溶液を、2,2,2−トリクロロエチルクロロフォルメート(1ml、7.3mmol)で処理した。混合物を120℃で1時間加熱し、室温まで冷却し、さらに真空中で乾燥するまで蒸発させた。残留物をメチレンクロリドと水の間で分配させた。有機層を分離し、乾燥させ(NaSO)、さらに真空中で濃縮して、乾燥泡沫としてトリクロロエチルクロロフォルメートを得た。この粗カルバミン酸塩を50%酢酸水に溶解させ、200mg(0.0067g−原子)の亜鉛ダストで処理し、室温で16時間攪拌した。反応混合物を濾過し、濃水酸化アンモニウム(NaClで飽和)でpH7に調整し、さらにジエチルエーテルで抽出した。抽出物を集め、乾燥させ(NaSO)、真空中で濃縮した。残留物をフラッシュクロマトグラフィー(シリカ、ペンタン/ジエチルエーテル/イソプロピルアミン、3:7:0.7)で精製し、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)ノルトロパンを得た。これは黄色の結晶性固体として分離された(mp. 149-151℃;〔α〕25 −67.4°(c=1、CHCl)。
【0056】
実施例4.2−β−カルボメトキシー3−β−(4−ヨードフェニル)−8−(3−フルオロプロピル)−ノルトロパン
【0057】
乾燥トルエン(20ml)中の2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)−ノルトロパン(371mg、1.0mmol)、1−ブロモ−3−フルオロプロパン(155mg、1.1mmol)およびトリエチルアミン(0.5ml)を乾燥窒素の雰囲気下で攪拌し、熱して還流させた。4時間後、反応混合物を室温まで冷却し濾過した。濾液を減圧下で濃縮し、残留物をシリカカラム(溶離液:ジエチルエーテル)でクロマトグラフィーを実施した。生成物含有分画を濃縮することによって、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)−8−(3−フルオロプロピル)ノルトロパンを白色固体として得た(mp.78.5-79.5℃、 C1823NOFI、理論値:C:50.13、H:5.34、N:3.25;実験値C50.27、H:5.26、N:3.15)。
【0058】
実施例5 . 2−β−カルボメトキシ−3−β−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)トロパン
【0059】
2−β−カルボメトキシ−3−β−(3−フルオロフェニル)トロパン(400mg、1.44mmol)、硫酸銀(400mg、1.3mmol)、ヨウ素(600mg、2.36mmol)および80%硫酸(9ml)の混合物を室温で5日間攪拌した。反応混合物を150mlの氷と水に注ぎ入れ、濃水酸化アンモニウムを添加して塩基性にし、60mlのクロロホルムで3回抽出した。集めた抽出物を、10%重亜硫酸ナトリウム溶液、5%炭酸ナトリウム溶液および水で連続して洗浄し、続いて硫酸ナトリウム上で乾燥させ濾過した。濾液を真空中で濃縮し、油状残留物をクロロホルムに再溶解させ、クロロホルム中のp−トルエンスルホニルクロリドの溶液で処理した。生じた固体を水とエタノールから繰り返し結晶化させ、2−β−カルボメトキシ−3−β−(3−フルオロ−4−ヨードフェニル)トロパントシレート塩を白色結晶状固体として得た(mp.68-70℃(軟化、45℃)、C1619FINO・CSO・HO:理論値C:46.55、H:4.93、N:2.36;実験値:C:46.34,H:4.86,N:1.99)。
【0060】
実施例6. 2−β−カルボキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン
【0061】
2mlのHOに懸濁した2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン(100mg、0.26mmol)を還流で10時間加熱した。生じた溶液を室温まで冷却し、生じた沈殿物を濾過で集め、真空下で一晩乾燥させ、70mg(70%)の2−β−カルボキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパンを得た(mp.299-300℃、C1518NOI・0.5HO:理論値:C:47.51、H:5.05、N:3.69;実験値:C:47.28、H:4.84、N:3.69)。
【0062】
実施例7. 2−β−カルボメトキシ−3−β−ベンジルオキシトロパン
【0063】
アセトン(20ml)中の臭化ベンジル(3.0g、0.015mol)およびヨウ化カリウム(3.0g、0.021mol)の攪拌懸濁物を、アセトン(10ml)中のエクゴニンメチルエステル(2.6g、0.014mol)で1滴ずつ室温で処理した。この混合物を70時間室温で攪拌し、続いて、加熱し還流し、さらに8時間攪拌した。反応混合物を室温まで冷却し濾過した。濾液を真空中で濃縮し、残留物をクロロホルム(200ml)に溶解し、さらに2Nの塩酸50mlで4回抽出した。集めた抽出物を濃水酸化アンモニウムを添加して塩基性にした。生じた混合物を20mlのクロロホルムで4回抽出した。抽出物を硫酸ナトリウム上で乾燥し真空中で濃縮して、1.7gの2−β−カルボメトキシ−3−β−ベンジルオキシトロパンを油として得た。
【0064】
この生成物をアセトニトリル(20ml)に溶解し、アセトニトリル(20ml)中のナフタレン−1,5−ジスルホン酸(2.2g)の溶液で処理した。この溶液を真空中でシロップとなるまで濃縮し、ジエチルエーテルで希釈した。生じた沈殿物を濾過で集めて乾燥させ、1.6gの2−β−カルボメトキシ−3−β−ベンジルオキシトロパンナフタレン−1,5−ジスルホン酸塩を得た(mp.126-130℃、C1723NO・C10(SOH)・2.5HO、元素分析:理論値、C:52.08、H:5.83、N:2.25;実験値、C:52.2、H:5.69、N2.72;〔α〕 24=25.4°(C=1、CHOH)。

【0065】
実施例8. 2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−トリブチルスタニルフェニル)トロパン
【0066】
2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン(250mg、0.65mmol)、ビス(トリブチル)ジスタナン(522mg、0.9mmo1)、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(0)(3mg)および無水トルエン(10ml)を乾燥窒素の雰囲気下で加熱し還流し、28時間攪拌した。混合物を濾過し、濾液を真空中で濃縮した。残留物をシリカゲルカラムに添加し、ヘキサン:ジエチルエーテル:イソプロピルアミン(70:30:3)で溶出した。生成物を含む分画を集め、真空中で濃縮しペンタンで処理して、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−トリブチルスタニルフェニル)トロパンを固体として沈澱させた。300MHzスペクトルは、想定した構造と一致した。〔α〕 22=−8.9°(c=0.4、CHCl)。
【0067】
実施例9. 〔 123 I〕−2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパン
【0068】
2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−トリブチルスタニルフェニル)トロパン50μgを含むバイアルに、50μlのエタノール、150μ1の0.5MHPO、125−500μ1(20−30mCi)の〔123I〕NaI溶液および100μ1(4.2μmol)の0.042M過酢酸を加えた。20−30分後、50μ1のNaHSO水溶液(100mg/ml)を加えた。飽和NaHCO溶液を加え、混合物を酢酸エチルで抽出した。集めた抽出液を乾燥させ(NaSO)、乾燥するまで濃縮した。残留物をメタノールに再び溶解し、HPLC(c−18カラム、溶離液:CHOH:HO:トリエチルアミン(75:25:0.2))で精製した。2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)トロパンの保持時間で溶出する分画を集め、乾燥するまで蒸発させ、5%エタノールおよび0.1nMのアスコルビン酸中で再構成させた。
【0069】
SPECTに使用するために、本発明の放射能安定ヨウ素付加神経プローブは参考用標準として有用で、さらに、該神経プローブの放射能活性形の希釈剤としてもまた用いることができる。放射性ヨウ素付加化合物は、完全に性状が明らかにされている参考用標準と比較したときのクロマトグラフィー上の移動度によって一般に識別される。したがって、放射性ヨウ素付加化合物の調製には、非放射性ヨウ素付加化合物を必要とする。放射性神経プローブを保存する必要性を避けるために、非放射性ヨウ素付加化合物および適切な酸化剤(例えば、過塩素酸、過ギ酸、過酢酸、過酸化水素)を、ラクトペルオキシダーゼ、1,3,4,6−テトラクロロ−3α、6α−ジフェニルグリコウリルまたはN−クロロ−4−メチルベンゼンスルフォンアミド塩とともに含むキットを提供することは有用である。続いて、この非放射性前駆体化合物は適切な放射性化合物の存在下で酸化して、使用時に使用場所でヨウ素付加神経プローブを調製することができる。適切な放射性化合物とは、例えば本明細書に記載した合成経路において示された担体非含有Na〔123I〕)、他のいずれかの放射性同位元素源(例えば、ヨウ素の放射性同位元素の塩溶液)、n2n+1Xを含む試薬(ここでn=0−6、Xは脱離基)または式FCn2nXの18Fを含む試薬(ここでn=0−6、Xは脱離基)である。
【0070】
本発明の放射能標識神経プローブはまた、他の画像化工程でも有用である。例えば、125I−標識神経プローブは、オートラジオグラフィーまたは治療に用いることができ、131I−標識神経プローブは、動物実験で使用される多重光量子放出体として有用である。また、11C−、14C−および18F−標識神経プローブはPET画像化で用いることができる。
【0071】
本発明のヨウ素付加神経プローブの放射能安定形および放射能活性形は、ヒトおよびヒト以外の研究で有用である。例えば、ドパミン運搬体について一般的に研究し、さらに具体的にコカイン結合部位を調べるために、本発明の化合物を用いてインビボおよびインビトロ実験を実施することができる。
さらに、本発明の神経プローブの放射能安定形は、ドパミン再取込みに影響を与える医薬として用いることができる。
【0072】
他の修飾も、本発明の範囲を越えることなく当業者にとって可能である。したがって、上記の記載は、特許請求の範囲に記載されたものを除き制限を意図したものではない。
【図面の簡単な説明】
本発明は、添付の下記図面と合わせて以下の詳細な説明によってより十分に理解されることになろう。
【図1】本発明の化合物と比較した従来技術の化合物を示す。
【図2】本発明の化合物の注射後のヒヒの脳の局部活性を示す。
【図3】本発明の化合物の合成経路を示す。
【図4】本発明の化合物の脳内取り込みの局部領域を示す。
【図5】Aは、本発明の化合物の注射後のヒヒの脳の局部活性を示し、Bは、本発明の化合物の注射後のヒヒの脳の局部活性を示す。

Claims (6)

  1. 式IIaの前駆体化合物:
    Figure 0004070431
    (式中、
    RはF(n=18または19)を含むモノフルオロアルキル基、
    R’はC2n+1基(n=0−6)、
    AはSn(R”R”R”
    R”はC2m+1基(m=1−6)、またはアリール基、
    R”はC2m+1基(m=1−6)、またはアリール基、
    R”はC2m+1基(m=1−6)、またはアリール基)
    を、酸化剤とともに放射性ヨウ素源の存在下で反応させることを含む、式Ia:
    Figure 0004070431
    (式中、RおよびR’は上記と同意、XはIの同位元素)
    で示される、モノアミン再取り込み部位のマッピング用ヨウ素付加神経プローブの製造方法。
  2. 式IIbの前駆体化合物:
    Figure 0004070431
    (式中、
    RはF(n=18または19)を含むモノフルオロアルキル基、
    R’はC2n+1基(n=0−6)、
    AはSn(R”R”R”
    R”はC2m+1基(m=1−6)、またはアリール基、
    R”はC2m+1基(m=1−6)、またはアリール基、
    R”はC2m+1基(m=1−6)、またはアリール基)
    を、酸化剤とともに放射性ヨウ素源の存在下で反応させることを含む、式Ib:
    Figure 0004070431
    (式中、RおよびR’は上記と同意、XはIの同位元素)
    で示される、モノアミン再取込み部位のマッピング用ヨウ素付加神経プローブの製造方法。
  3. ヨウ素付加神経プローブが、2−β−カルボメトキシ−3−β−(4−ヨードフェニル)−8−(3−フルオロプロピル)−ノルトロパンである、請求項1または2記載の方法。
  4. Xが123I、125Iまたは131Iである、請求項1〜3いずれかに記載の方法。
  5. 式IIaまたはIIbの化合物および酸化剤がキットの一部として提供される、請求項1〜4いずれかに記載の方法。
  6. 放射性ヨウ素源がヨウ素の放射性同位元素の塩溶液である、請求項記載の方法。
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