JP2002086480A - Frp成形品の製造方法 - Google Patents

Frp成形品の製造方法

Info

Publication number
JP2002086480A
JP2002086480A JP2000280668A JP2000280668A JP2002086480A JP 2002086480 A JP2002086480 A JP 2002086480A JP 2000280668 A JP2000280668 A JP 2000280668A JP 2000280668 A JP2000280668 A JP 2000280668A JP 2002086480 A JP2002086480 A JP 2002086480A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
smc
forming
surface layer
layer
base layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Withdrawn
Application number
JP2000280668A
Other languages
English (en)
Inventor
Kazushige Uchida
一茂 内田
Sadao Yabu
貞男 薮
Yoshio Shimo
嘉男 下
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Panasonic Electric Works Co Ltd
Original Assignee
Matsushita Electric Works Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Matsushita Electric Works Ltd filed Critical Matsushita Electric Works Ltd
Priority to JP2000280668A priority Critical patent/JP2002086480A/ja
Publication of JP2002086480A publication Critical patent/JP2002086480A/ja
Withdrawn legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Casting Or Compression Moulding Of Plastics Or The Like (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 特性の異なる層が多層となった多層構造のF
RP成形品を簡単且つ確実に成形できる。簡単に表面層
を目的とする外観、性能とすることができる。 【解決手段】 表面層形成用SMC2とベース層形成用
SMC3との間に、表面層形成用SMC2とベース層形
成用SMC3との双方の樹脂への樹脂密着性があり且つ
表面層形成用SMC2及びベース層形成用SMC3より
も面積の広いマット10を介在する。その後に加熱加圧
してFRP成形品を形成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、FRP成形品の製
造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来FRP成形品を製造するに当たって
は、下金型にSMC(シートモールドコンパウンド)を
セットし、下金型と上金型とで加熱加圧することでFR
P成形品を製造するようにしている。そして従来のFR
P成形品を製造するために用いるSMCとしては一般に
ポリエステル系のSMCが使用されている。このポリエ
ステル系のSMCはコストが安いため広範囲に使用され
ている。ところが、このポリエステル系のSMCで成形
したFRP成形品は、耐熱水性における外観劣化や経年
劣化での汚染性に問題があった。そこで、表面性能を上
げるためにSMCの成形工程の後に後工程で表面に後塗
装する必要がある。これは工程が多くなり、生産効率が
悪くなるという問題がある。
【0003】このように、従来のFRP成形品は単一の
SMCを成形して得た単一の層構造となっており、例え
ば、上記のようにポリエステル系のSMCを用いた単一
層の場合、コストの面では有利であるが、上記のように
耐熱水性における外観劣化や経年劣化での汚染性では問
題が生じるものである。
【0004】一方、アクリル系のSMCで形成したFR
P成形品は耐熱水性における外観劣化や経年劣化での耐
汚染性において優れているが、コストが高いという問題
がある。
【0005】そこで、本発明者は本発明に至る過程で、
特性がそれぞれ異なる多種類のSMCを重ねて成形する
と、特性の異なる層が多層に積層された多層構造のFR
P成形品が製造できるのではないかと考えたが、この場
合、成形時に各層を形成するSMCが混合してしまい表
面層部分の一部に表面層以外の層のSMC材料が混入し
て、成形されたFRP成形品の表面層が目的とする外
観、性能にならないという問題が発生することが判明し
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上記の点に鑑
みてなされたものであり、特性の異なる層が多層となっ
た多層構造のFRP成形品を簡単且つ確実に成形でき、
特に、簡単に表面層を目的とする外観、性能とすること
ができるFRP成形品の製造方法を提供することを課題
とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明に係るFRP成形品の製造方法は、表面層形成
用SMC2とベース層形成用SMC3との間に、表面層
形成用SMC2とベース層形成用SMC3との双方の樹
脂への樹脂密着性があり且つ表面層形成用SMC及びベ
ース層形成用SMCよりも面積の広いマット10を介在
し、加熱加圧してFRP成形品を形成することを特徴と
するものである。このような方法を採用することで、加
熱加圧して成形する際に、表面層形成用SMC2とベー
ス層形成用SMC3とが加圧されて金型装置のキャビテ
ィ内を流動してキャビティ内の端部まで充填され、マッ
ト10に樹脂が密着して形成されるマット層11を介し
て表面層形成用SMC2により形成された表面層5とベ
ース層形成用SMC3により形成されたベース層6とが
密着一体化したFRP成形品7が形成されるのである
が、このときマット10が介在してあるため、表面層形
成用SMC2とベース層形成用SMC3とが加圧により
流動する際にマット10により仕切られて流動し、ベー
ス層形成用SMC3が表面層形成用SMC2側に混入せ
ず、形成されたFRP成形品7の表面層5の表面は表面
層形成用SMC2の硬化物のみで形成されて表面にベー
ス層形成用SMC3の硬化物が露出しないものである。
【0008】また、樹脂密着性のあるマット10が織布
又は不織布であるから加熱加圧により両面から表面層形
成用SMC2のコンパウンドとベース層形成用SMC3
のコンパウンドとが浸透してマット層11が形成され、
表面層5、マット層11、ベース層6が強固に一体化し
た3層構造のFRP成形品7を形成できるものである。
【0009】また、表面層形成用SMC2とベース層形
成用SMC3とが異なる材料により形成してあることが
好ましい。このような方法を採用することで、特性の異
なる層が多層となった多層構造のFRP成形品7を形成
できるものである。
【0010】また、下金型1に表面層形成用SMC2を
セットし、その上に樹脂密着性のあるマット10を重
ね、更にその上にベース層形成用SMC3を重ね、次に
下金型1と上金型4とで加熱加圧することで表面層5と
ベース層6とが樹脂密着性のあるマット10を介して一
体となったFRP成形品を製造する方法であって、表面
層形成用SMC2としてベース層形成用SMC3よりも
面積の広いものを使用し、樹脂密着性のあるマット10
として表面層形成用SMC2よりも面積の広いものを使
用し、表面層形成用SMC2の上に樹脂密着性のあるマ
ット10を重ねるに当たって、樹脂密着性のあるマット
10の周囲が表面層形成用SMC2の周囲よりも外側に
はみ出すように重ね、樹脂密着性のあるマット10にベ
ース層形成用SMC3を重ねるに当たって、ベース層形
成用SMC3の周囲が表面層形成用SMC2の周囲より
も外側にはみ出さないように重ねることを特徴とするこ
とが好ましい。このような方法を採用することで、上金
型4を下金型1側に移動して下金型1と上金型4とで加
熱加圧すると、表面層形成用SMC2、ベース層形成用
SMC3が加圧されて周囲に流動していく際、表面層形
成用SMC2、ベース層形成用SMC3がマット10に
より仕切られて流動するだけでなく、面積の広い表面層
形成用SMC2の周囲のベース層形成用SMC3の周囲
よりも外側にはみ出ている部分がベース層形成用SMC
3の周囲よりも先行して下金型1とマット10との間を
流動して表面層5を形成し、また、マット10の上に沿
ってベース層形成用SMC3が後追いの形で流動してベ
ース層6が形成されるものであり、この結果、表面層形
成用SMC2により形成された表面層5内にベース層形
成用SMC3が混入せず、品質の優れた表面層5を有す
るFRP成形品7が製造できるものである。
【0011】また、下金型1が上方に向けて凸となった
上向き突型で、上金型4が下方に向けて開口した凹型で
あり、上向き突型の下金型1に表面層形成用SMC2を
セットするに当たって、表面層形成用SMC2を上向き
突型の下金型1の全上面に載置すると共に上面からコー
ナを経て側面の少なくとも一部を覆うようにしてセット
し、次に、樹脂密着性のあるマット10を上向き突型の
下金型1のほぼ全面を覆うように表面層形成用SMC2
の上に重ね、次に、ベース層形成用SMC3を樹脂密着
性のあるマット10の上向き突型の下金型1の上面に対
応した部分に重ねることが好ましい。このような方法を
採用することで、浴槽やボウル等の容器形状のFRP成
形品を製造するに当たっても、成形時に表面層形成用S
MC2とベース層形成用SMC3とをマット10で仕切
って流動させることで相互に混合しないようにすると共
に表面層形成用SMC2をベース層形成用SMC3に先
行して容器形状の開口部の先端部分まで先に確実に流動
させることができるものである。
【0012】また、表面層形成用SMC2としてベース
層形成用SMC3よりも耐汚染性の優れたものを使用す
ることが好ましい。このような方法を採用することで、
表面層が耐汚染に優れたFRP成形品7を製造すること
ができるものである。
【0013】また、表面層形成用SMC2がアクリル系
のSMCで、ベース層形成用SMC3がポリエステル系
のSMCであることが好ましい。このような方法を採用
することで、簡単に表面層が耐汚染に優れたFRP成形
品7を製造することができるものである。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明を実施形態に基づい
て説明する。
【0015】図1(a)(b)には本発明のFRP成形
品の製造方法の製造順序が示してある。
【0016】FRP成形品の成形金型装置は下金型1と
上金型4とで構成してあり、上金型4が下金型1に対し
て上下方向に移動するようになっている。成形において
は上金型4を上方に向けて移動して型開きした状態で、
下金型1に成形材料であるSMC(シートモールドコン
パウンド)をセットし、その後に上金型4を下降させて
上金型4と下金型1とで加熱加圧成形することでFRP
成形品7を製造するようになっている。
【0017】ここで、図1においては本発明の成形金型
装置として、浴槽のような容器形状のFRP成形品を製
造するための成形金型装置が示してあり、下金型1には
上方に向けて凸となった上向き突型よりなる上向き突型
部1aが設けてあり、この上向き突型部1aの突出基部
の周囲にフランジ形成用凹部1bが設けてある。上金型
4には下方に向けて開口した凹型部4aが設けてあり、
凹型部4aの下開口部の縁部分にフランジ形成部4bが
形成してある。
【0018】本発明においては上金型4を型開きした状
態で、下金型1上にSMCをセットするのであるが、下
金型1にSMCをセットするに当たって、まず、下金型
1に表面層形成用SMC2をセットし、次に、表面層形
成用SMC2にマット10を重ね、次にマット10にベ
ース層形成用SMC3を重ねる。ここで、マット10は
表面層形成用SMC2とベース層形成用SMC3との双
方の樹脂への樹脂密着性があり且つ表面層形成用SMC
及びベース層形成用SMCよりも面積の広いものを使用
する。
【0019】図1に示す実施形態においては、表面層形
成用SMC2を下金型1の上向き突型部1aの全上面に
載置すると共に上面からコーナを経て側面の少なくとも
一部を覆うようにしてセットし、次に、表面層形成用S
MC2に表面層形成用SMC2よりも面積の広いマット
10を重ねると共に該マット10により上向き突型の下
金型1のほぼ全面を覆い(つまり、マット10の端部が
フランジ形成用凹部1bに至るように重ねる)。次に、
ベース層形成用SMC3を樹脂密着性のあるマット10
の下金型1の上向き突型部1aの上面に対応した部分に
重ねる。ここで、本発明においては、表面層形成用SM
C2としてベース層形成用SMC3よりも面積の広いも
のを使用し、表面層形成用SMC2の周囲はマット10
を介してベース層形成用SMC3の周囲よりも外側には
み出すようにセットする。
【0020】本発明において使用する表面層形成用SM
C2としてはアクリル系のSMCであり、一例を挙げる
と、アクリル系樹脂100、硬化剤1、水酸化アルミニ
ウム120、ステアリン酸亜鉛2、増粘剤1、トナー7
の質量比で配合して配合物を調整し、この配合物75質
量%に対してガラス繊維25質量%を混合してアクリル
系のSMCを得てこれを表面層形成用SMC2として用
いることができる。もちろんこれは一例であって、上記
配合にのみ限定されないものである。
【0021】また、本発明において使用するベース層形
成用SMC3としてはポリエステル系のSMCであり、
一例を挙げると、ポリエステル系樹脂90、低収縮剤1
0、炭酸カルシウム150、硬化剤1、重合禁止剤1、
ステアリン酸亜鉛4、増粘剤1、トナー7の質量比で配
合して配合物を調整し、この配合物75質量%に対して
ガラス繊維25質量%を混合してポリエステル系のSM
Cを得てこれをベース層形成用SMC3として用いるこ
とができる。もちろんこれは一例であって、上記配合に
のみ限定されないものである。
【0022】また、マット10としては表面層形成用S
MC2の樹脂及びベース層形成用SMC3の樹脂双方に
密着性のあるものが使用される。例えば、マット10と
して樹脂が浸透して硬化することで密着するようなもの
が採用でき、このような例としてマット10をガラスク
ロス、チョップドストランドマット、不織布、有機繊維
等により形成した織布又は不織布により構成したものを
挙げることができる。一例を挙げると、目付量200g
/m2のガラスクロスを使用できる。
【0023】上記のようにして下金型1に表面層形成用
SMC2をセットし、更に、表面層形成用SMC2の上
にベース層形成用SMC3を載置した後、上金型4を下
降させて加熱加圧することで表面層とベース層とが一体
となったFRP成形品を製造するものであり、この場合
の加熱加圧の条件の一例を挙げると下金型1の成形温度
145℃、上金型4の成形温度130℃、成形圧力70
kg/m2、成形時間5分である。
【0024】しかして、上記のようにして上金型4を下
金型1側に移動して下金型1と上金型4とで加熱加圧す
ると、表面層形成用SMC2とベース層形成用SMC3
とが加圧されて金型装置のキャビティ内を流動してキャ
ビティ内の端部まで充填され、マット10に樹脂が密着
して形成されるマット層11を介して表面層形成用SM
C2により形成された表面層5とベース層形成用SMC
3により形成されたベース層6とが密着一体化したFR
P成形品7が形成されるのである。このとき表面層形成
用SMC2及びベース層形成用SMC3よりも面積の広
いマット10が介在してあるため、表面層形成用SMC
2とベース層形成用SMC3とが加圧により流動する際
にマット10により仕切られて流動し、ベース層形成用
SMC3が表面層形成用SMC2側に混入せず、形成さ
れたFRP成形品7の表面層5の表面は表面層形成用S
MC2の硬化物のみで形成されて表面にベース層形成用
SMC3の硬化物が露出しないものである。しかも、上
記実施形態においては、表面層形成用SMC2としてベ
ース層形成用SMC3よりも面積の広いものを使用し、
ベース層形成用SMC3の周囲が表面層形成用SMC2
の周囲よりも外側にはみ出さないようにセットしてある
ので、面積の広い表面層形成用SMC2の周囲のベース
層形成用SMC3の周囲よりも外側にはみ出ている部分
がベース層形成用SMC3の周囲よりも先行して下金型
1とマット10との間を流動して表面層5を形成するこ
とになって、よりいっそう表面層5の表面にベース層形
成用SMC3が混入しないものであり、表面部分には表
面層形成用SMC2が硬化したもののみが露出すること
になる。
【0025】ここで、実施形態においては表面層5を形
成するための表面層形成用SMC2がアクリル系のSM
Cよりなるため、FRP成形品7の表面の耐熱水性や耐
汚染性に優れ、外観劣化を防止すると共に経年劣化にお
ける汚染の防止を図ることができ、外観(光沢、表面平
滑性、傷)を長期間良好な状態に維持できるものであ
る。また、ベース層6を形成するためのベース層形成用
SMC3がポリエステル系のSMCよりなるため、強度
を保持しながらコストを低下させることができるもので
ある。
【0026】なお、本発明において、表面層形成用SM
C2、ベース層形成用SMC3として上記実施形態のも
のにのみ限定されないものであり、表面層形成用SMC
2とベース層形成用SMC3とはその特性が異なるもの
であれば、種々組み合わせが可能である。また、SMC
の樹脂としてアクリル系の樹脂、ポリエステル系の樹脂
を用いた例で説明したが、ビニルエステル樹脂などを用
いることもできるものであり、また、充填材としては炭
酸カルシウム、水酸化ナトリウム、タルク等を使用使用
することができる。更に、SMCに使用する繊維、マッ
ト10に使用する繊維としてはガラス繊維、炭素繊維、
ビニロン繊維、ナイロン繊維等を使用することができ
る。
【0027】なお、表面層形成用SMC2の流動性をよ
くするために表面層形成用SMC2の粘度をベース層形
成用SMC3の粘度よりも低くしたり、あるいは表面層
形成用SMC2の繊維含有率をベース層形成用SMC3
の繊維含有率よりも低くすると、表面層形成用SMC2
をベース層形成用SMC3よりも先に下金型1に沿って
更に確実に流動させることができるものである。
【0028】
【発明の効果】上記のように本発明の請求項1記載の発
明にあっては、表面層形成用SMCとベース層形成用S
MCとの間に、表面層形成用SMCとベース層形成用S
MCとの双方の樹脂への樹脂密着性があり且つ表面層形
成用SMC及びベース層形成用SMCよりも面積の広い
マットを介在し、加熱加圧してFRP成形品を形成する
ので、加熱加圧して成形する際に、表面層形成用SMC
とベース層形成用SMCとが加圧されて金型装置のキャ
ビティ内を流動してキャビティ内の端部まで充填され、
マットに樹脂が密着して形成されるマット層を介して表
面層形成用SMCにより形成された表面層とベース層形
成用SMCにより形成されたベース層とが密着一体化し
たFRP成形品を形成することができるものであり、こ
のとき表面層形成用SMC及びベース層形成用SMCよ
りも面積の広いマットが介在してあるため、表面層形成
用SMCとベース層形成用SMCとが加圧により流動す
る際にマットにより仕切られて流動し、ベース層形成用
SMCが表面層形成用SMC側に混入せず、この結果、
形成されたFRP成形品の表面層の表面は表面層形成用
SMCの硬化物のみで形成されて表面にベース層形成用
SMCの硬化物が露出せず、多層構造のFRP成形品を
簡単且つ確実に成形できると共に簡単に表面層を目的と
する品質の高い外観、性能とすることができるものであ
る。
【0029】また、請求項2記載の発明にあっては、上
記請求項1記載の発明の効果に加えて、樹脂密着性のあ
るマットが織布又は不織布であるので、加熱加圧により
両面から表面層形成用SMCのコンパウンドとベース層
形成用SMCのコンパウンドとが浸透してマット層が形
成され、表面層、マット層、ベース層が強固に一体化し
た3層構造のFRP成形品を簡単且つ正確に形成できる
ものである。
【0030】また、請求項3記載の発明にあっては、上
記請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、表
面層形成用SMCとベース層形成用SMCとが異なる材
料により形成してあるので、特性の異なる層が多層とな
った多層構造のFRP成形品を簡単且つ正確に形成でき
るものである。
【0031】また、請求項4記載の発明にあっては、上
記請求項1乃至請求項3のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、下金型に表面層形成用SMCをセットし、そ
の上に樹脂密着性のあるマットを重ね、更にその上にベ
ース層形成用SMCを重ね、次に下金型と上金型とで加
熱加圧することで表面層とベース層とが樹脂密着性のあ
るマットを介して一体となったFRP成形品を製造する
方法であって、表面層形成用SMCとしてベース層形成
用SMCよりも面積の広いものを使用し、樹脂密着性の
あるマットとして表面層形成用SMCよりも面積の広い
ものを使用し、表面層形成用SMCの上に樹脂密着性の
あるマットを重ねるに当たって、樹脂密着性のあるマッ
トの周囲が表面層形成用SMCの周囲よりも外側にはみ
出すように重ね、樹脂密着性のあるマットにベース層形
成用SMCを重ねるに当たって、ベース層形成用SMC
の周囲が表面層形成用SMCの周囲よりも外側にはみ出
さないように重ねるので、下金型と上金型とで加熱加圧
すると、表面層形成用SMC、ベース層形成用SMCが
加圧されて周囲に流動していく際、表面層形成用SM
C、ベース層形成用SMCがマットにより仕切られて流
動するだけでなく、面積の広い表面層形成用SMCの周
囲のベース層形成用SMCの周囲よりも外側にはみ出て
いる部分がベース層形成用SMCの周囲よりも先行して
下金型とマットとの間を流動して表面層を形成し、ま
た、マットの上に沿ってベース層形成用SMC3が後追
いの形で流動してベース層が形成されるものであり、こ
の結果、表面層形成用SMCにより形成された表面層内
にベース層形成用SMCが混入せず、品質の優れた表面
層を有するFRP成形品が簡単且つ確実に製造できるも
のである。
【0032】また、請求項5記載の発明にあっては、上
記請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、下金型が上方に向けて凸となった上向き突型
で、上金型が下方に向けて開口した凹型であり、上向き
突型の下金型に表面層形成用SMCをセットするに当た
って、表面層形成用SMCを上向き突型の下金型の全上
面に載置すると共に上面からコーナを経て側面の少なく
とも一部を覆うようにしてセットし、次に、樹脂密着性
のあるマットを上向き突型の下金型のほぼ全面を覆うよ
うに表面層形成用SMCの上に重ね、次に、ベース層形
成用SMCを樹脂密着性のあるマットの上向き突型の下
金型の上面に対応した部分に重ねるので、浴槽やボウル
等の容器形状のFRP成形品を製造するに当たっても、
成形時に表面層形成用SMCとベース層形成用SMCと
をマットで仕切って流動させることで相互に混合しない
ようにすると共に表面層形成用SMCをベース層形成用
SMCに先だって容器形状の開口部の先端部分まで先に
確実に流動させることができるものである。
【0033】また、請求項6記載の発明にあっては、上
記請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の発明の効果
に加えて、表面層形成用SMCとしてベース層形成用S
MCよりも耐汚染性の優れたものを使用するので、表面
層が耐汚染に優れた耐久性のあるFRP成形品を製造す
ることができるものである。
【0034】また、請求項7記載の発明にあっては、上
記請求項6記載の発明の効果に加えて、表面層形成用S
MCがアクリル系のSMCで、ベース層形成用SMCが
ポリエステル系のSMCであるので、簡単に表面層が耐
汚染に優れ且つコストの安い耐久性のあるFRP成形品
を製造することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)(b)は本発明のFRP成形品の製造順
序を示す断面図である。
【図2】本発明により得られたFRP成形品の断面図で
ある。
【符号の説明】
1 下金型 2 表面層形成用SMC 3 ベース層形成用SMC 4 上金型 5 表面層 6 ベース層 7 FRP成形品 10 マット
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 下 嘉男 大阪府門真市大字門真1048番地松下電工株 式会社内 Fターム(参考) 4F204 AA21 AA24 AD16 AG03 FA01 FB01 FB12 FB22

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 表面層形成用SMCとベース層形成用S
    MCとの間に、表面層形成用SMCとベース層形成用S
    MCとの双方の樹脂への樹脂密着性があり且つ表面層形
    成用SMC及びベース層形成用SMCよりも面積の広い
    マットを介在し、加熱加圧してFRP成形品を形成する
    ことを特徴とするFRP成形品の製造方法。
  2. 【請求項2】 樹脂密着性のあるマットが織布又は不織
    布であることを特徴とする請求項1記載のFRP成形品
    の製造方法。
  3. 【請求項3】 表面層形成用SMCとベース層形成用S
    MCとが異なる材料により形成してあることを特徴とす
    る請求項1又は請求項2記載のFRP成形品の製造方
    法。
  4. 【請求項4】 下金型に表面層形成用SMCをセット
    し、その上に樹脂密着性のあるマットを重ね、更にその
    上にベース層形成用SMCを重ね、次に下金型と上金型
    とで加熱加圧することで表面層とベース層とが樹脂密着
    性のあるマットを介して一体となったFRP成形品を製
    造する方法であって、表面層形成用SMCとしてベース
    層形成用SMCよりも面積の広いものを使用し、樹脂密
    着性のあるマットとして表面層形成用SMCよりも面積
    の広いものを使用し、表面層形成用SMCの上に樹脂密
    着性のあるマットを重ねるに当たって、樹脂密着性のあ
    るマットの周囲が表面層形成用SMCの周囲よりも外側
    にはみ出すように重ね、樹脂密着性のあるマットにベー
    ス層形成用SMCを重ねるに当たって、ベース層形成用
    SMCの周囲が表面層形成用SMCの周囲よりも外側に
    はみ出さないように重ねることを特徴とする請求項1乃
    至請求項3のいずれかに記載のFRP成形品の製造方
    法。
  5. 【請求項5】 下金型が上方に向けて凸となった上向き
    突型で、上金型が下方に向けて開口した凹型であり、上
    向き突型の下金型に表面層形成用SMCをセットするに
    当たって、表面層形成用SMCを上向き突型の下金型の
    全上面に載置すると共に上面からコーナを経て側面の少
    なくとも一部を覆うようにしてセットし、次に、樹脂密
    着性のあるマットを上向き突型の下金型のほぼ全面を覆
    うように表面層形成用SMCの上に重ね、次に、ベース
    層形成用SMCを樹脂密着性のあるマットの上向き突型
    の下金型の上面に対応した部分に重ねることを特徴とす
    る請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のFRP成形
    品の製造方法。
  6. 【請求項6】 表面層形成用SMCとしてベース層形成
    用SMCよりも耐汚染性の優れたものを使用することを
    特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれかに記載のF
    RP成形品の製造方法。
  7. 【請求項7】 表面層形成用SMCがアクリル系のSM
    Cで、ベース層形成用SMCがポリエステル系のSMC
    であることを特徴とする請求項6記載のFRP成形品の
    製造方法。
JP2000280668A 2000-09-14 2000-09-14 Frp成形品の製造方法 Withdrawn JP2002086480A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000280668A JP2002086480A (ja) 2000-09-14 2000-09-14 Frp成形品の製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000280668A JP2002086480A (ja) 2000-09-14 2000-09-14 Frp成形品の製造方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002086480A true JP2002086480A (ja) 2002-03-26

Family

ID=18765457

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000280668A Withdrawn JP2002086480A (ja) 2000-09-14 2000-09-14 Frp成形品の製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002086480A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266530A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Matsushita Denko Bath & Life Kk シートモールディングコンパウンド及びその成形方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008266530A (ja) * 2007-04-24 2008-11-06 Matsushita Denko Bath & Life Kk シートモールディングコンパウンド及びその成形方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7419713B2 (en) Composite component
US4315050A (en) Laminates structure of an expanded core panel and a flat sheet of material which does not easily bond and a process for making the same
WO2018051445A1 (ja) 複合材料の成形方法および複合材料
JPH04241915A (ja) 多層成形品の製造方法
US20030129361A1 (en) Sheet formed from a flat core and from curved parts bonded thereto, and process for producing this sheet
US4826552A (en) Process for the production of multiple-layer moldings
US6652955B1 (en) Hot-moldable laminated sheet
US20080150243A1 (en) Plastic Snowboard and Its Manufacture Method
GB2034635A (en) Method for making a composite structure
KR101110920B1 (ko) 인조대리석 제조용 형틀의 제조방법
US6534165B1 (en) Molded and laminated curved surface composites
JP2002086480A (ja) Frp成形品の製造方法
KR20100086237A (ko) 복합 패널 및 그 제조방법
JP2002086483A (ja) Frp成形品の製造方法
CN109927310B (zh) 泡沫内芯复合材料成型工艺
KR101108414B1 (ko) 인조대리석 제조용 형틀의 제조방법
EA038592B1 (ru) Панель, подходящая для формирования напольного покрытия, способ изготовления панели, применение предшественника связующего соединения
CN101352289B (zh) 一种椅面套框
KR101133401B1 (ko) 인조대리석 제조용 형틀
CN107905479B (zh) 一种防变形地板
JPS6345286B2 (ja)
JP3351226B2 (ja) 熱硬化性樹脂成形体およびその製造方法
KR101494896B1 (ko) 알루미늄으로 보강된 샌드위치형 복합판재 제조방법
JPH0747557A (ja) 自動車フロアカーペットの製造方法
KR101964341B1 (ko) 더블 레이어드 비대칭 복합재료 시트의 제조 방법 및 상기 방법에 의해 제조되는 더블 레이어드 비대칭 복합재료 시트

Legal Events

Date Code Title Description
A300 Withdrawal of application because of no request for examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A300

Effective date: 20071204