JP2002086219A - ブランクホルダー圧制御装置および制御方法とプレス成形機 - Google Patents

ブランクホルダー圧制御装置および制御方法とプレス成形機

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JP2002086219A
JP2002086219A JP2000276256A JP2000276256A JP2002086219A JP 2002086219 A JP2002086219 A JP 2002086219A JP 2000276256 A JP2000276256 A JP 2000276256A JP 2000276256 A JP2000276256 A JP 2000276256A JP 2002086219 A JP2002086219 A JP 2002086219A
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pressure
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pressure control
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JP2000276256A
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Shuji Takagishi
修治 高岸
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Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 最適の成形条件を得るための、金型製作にお
ける時間的、経済的無駄を無くし、高品質の製品を低コ
ストで提供する。 【解決手段】 捩れ剛性を低下させたクッションリング
4を、複数の圧力シリンダ5で支持する。特定の場所の
圧力シリンダ5の内圧を高め、若しくは低下させ、必要
な部位に対しクッションリング4を介して圧力シリンダ
5の反力を直接的に伝える。また、クッションリング4
が捩れることによって、圧力を連続的に変化させること
ができる。よって、ダイ3、クッションリング4等、金
型形状の精度の如何に拘らず、実際にその金型の各部位
に必要とされる圧力で素材Wを挟持することで、素材流
入量または延び量を、プレス品の部位毎に理想的な値へ
と調整することができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、プレス成形におけ
る成形条件の管理を容易とし、最適の成形条件を得るた
めの技術に関するものである。
【0002】
【従来の技術】高品質なプレス成形品を得るためには、
素材の製品部分に対し一定の加圧力を付与し、かつ、ブ
ランク部分に対し均一なブランクホルダー圧を付与する
ことによって、製品の深さや断面R等に応じた素材流入
量を制御し、しわや割れの発生を防ぐ必要がある。そし
て、従来は、適正なブランクホルダー圧が得られるよう
に、試作段階においてしわや割れが発生する部位を発見
し、金型のブランクホルダー面に、適宜、肉盛り・切削
等の後加工を施す、いわゆるチューニング作業を行って
いた。
【0003】また、近年では、プレス金型の製作におい
て、適正なブランクホルダー圧を得るためのチューニン
グ作業を可能な限り短縮して、金型製作時の時間的、経
済的無駄を無くすため、プレス成形における素材変形の
進行を、コンピュータ上でシミュレートする方法が導入
されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、プレス
成形における素材変形の進行を、コンピュータ上でシミ
ュレートするにあたっては、プレス品自体の成形条件の
他に、プレス機械や金型の剛性、プレス品と金型との相
関(摩擦、摩耗、加工熱に起因するもの等。)等、考慮
するパラメータが極めて多く、現在の成形シミュレーシ
ョン技術では、適正なブランクホルダー圧を得るための
金型精度を、シミュレーションのみによって得ることは
困難である。よって、実際には、シミュレーションを行
うことで、ある程度の金型製作時の時間的、経済的無駄
の低減は可能であるが、金型のチューニングを完全に不
要とするまでには至っていない。
【0005】また、シミュレーションにより求めた形状
に基づき金型を製造する工程でも、加工精度の積上げ誤
差があり、ブランクホルダー面を各部毎に1/1000mm単位
で管理することは不可能に近い。さらに、当該金型を装
着して用いるプレス機械における金型の取り付け誤差、
プレス機械の作動精度等が、適正なブランクホルダー圧
を得るにあたって悪影響を及ぼすこともある。
【0006】本発明は上記課題に鑑みてなされたもので
あり、その目的とするところは、プレス成形における成
形条件の管理を容易とし、最適の成形条件を得るため
の、金型製作における時間的、経済的無駄を無くし、高
品質の製品を低コストで提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
の、本発明の請求項1に係るブランクホルダー圧制御装
置は、ダイとブランクホールドとの間の圧力を調節して
素材流入量を制御するブランクホルダー圧制御装置であ
って、各々が独立して反力を制御可能な複数の反力発生
手段を、前記ブランクホールドの各部位に配置したこと
を特徴とする。
【0008】本発明においては、前記複数の反力発生手
段で発生する反力を、前記ブランクホールドを介して、
前記ダイおよび素材へと伝える。前記ブランクホールド
は、各反力発生手段の反力の違いに応じて撓みを生じ、
ダイとの間で素材を挟持する圧力を連続的に変化させ、
前記素材の必要な部位を、必要な圧力で挟持する。すな
わち、金型形状の精度の如何に拘らず、実際にその金型
の各部位に必要とされる圧力で素材を挟持することで、
素材流入量を理想的な値へと調整することができる。
【0009】また、本発明の請求項2に係るブランクホ
ルダー圧制御装置は、前記ブランクホールドの撓み特性
を、必要な圧力を得るために支障を来さない範囲で低下
させたことを特徴とする。
【0010】本発明においては、前記複数の反力発生手
段で発生する反力を、前記撓み特性を低下させた(撓み
を生じ易くした)ブランクホールドを介して、前記ダイ
および素材へと伝える。このため、前記ブランクホール
ドは、各反力発生手段の反力の違いに応じて積極的に撓
みを生じ、ダイとの間で素材を挟持する圧力を連続的に
変化させ、前記素材の必要な部位を、必要な圧力で挟持
する。すなわち、金型形状の精度の如何に拘らず、実際
にその金型の各部位に必要とされる圧力で素材を挟持す
ることで、素材流入量をより理想的な値へと調整するこ
とができる。
【0011】また、本発明の請求項3に係るブランクホ
ルダー圧制御装置は、前記複数の反力発生手段として、
任意に内圧を調節することが可能な複数の圧力シリンダ
を配している。本発明によれば、前記圧力シリンダの内
圧を調節することで、前記ブランクホールドに撓みを発
生させ、ダイとの間で素材を挟持する圧力を連続的に変
化させることができる。
【0012】また、本発明の請求項4に係るブランクホ
ルダー圧制御装置は、前記複数の圧力シリンダを制御す
るための、複数系統の圧力流体供給回路を備えるもので
ある。
【0013】本発明によれば、前記複数のシリンダに求
められる内圧が、製品形状等に応じて部位毎に異なるこ
とに鑑み、同一の圧力が求められるものが複数箇所存在
する場合には、それら同一の内圧に係る圧力シリンダ
を、一系統の圧力流体供給回路上に置くことで、圧力制
御系統を整理する。また、求められる内圧が異なるシリ
ンダには、適宜一系統の圧力流体供給回路を割振ること
で、様々な圧力条件へと設定することができる。
【0014】さらに、本発明の請求項5に係るブランク
ホルダー圧制御装置は、前記ダイ及び前記ブランクホー
ルドは、成形シミュレーションにより最適とされる形状
を有するものである。
【0015】本発明によれば、実際の成形工程において
前記ブランクホールドに撓みを発生させ、前記圧力を部
位毎に調整する。そして、かかる圧力調整を、現在の成
形シミュレーション技術を補完するための金型のチュー
ニング作業に、代えることができる。
【0016】また、本発明の請求項6に係るブランクホ
ルダー圧制御方法は、請求項1から5のいずれか1項記
載のブランクホルダー圧制御装置において、前記複数の
反力発生手段の反力を、プレス品の部位毎に設定するこ
とを特徴とする。
【0017】本発明によれば、プレス品の部位毎に設定
する前記複数の反力発生手段の反力を、前記ブランクホ
ールドを介して、前記ダイおよび素材へと伝える。前記
ブランクホールドは、各反力発生手段の反力の違いに応
じて撓みを生じ、ダイとの間で素材を挟持する圧力を連
続的に変化させ、前記素材の必要な部位を、必要な圧力
で挟持する。すなわち、金型形状の精度の如何に拘ら
ず、実際にその金型の各部位に必要とされる圧力で素材
を挟持することで、素材流入量を理想的な値へと調整す
ることができる。
【0018】また、本発明の請求項7に係るプレス成形
機は、ダイと、ポンチと、請求項1から5のいずれか1
項記載のブランクホルダー圧制御装置とを備えるもので
ある。
【0019】本発明によれば、前記ブランクホールドの
必要な部位を変形させることにより、ダイとブランクホ
ールドとで素材を挟持する圧力を、部位毎に調整する。
そして、金型の取り付け誤差、プレス成形機の作動精度
等、適正なブランクホルダー圧を得るにあたって悪影響
を及ぼす要因を打ち消し、素材流入量を理想的な値へと
調整することができる。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を添付
図面に基づいて説明する。ここで、従来技術と同一部分
及び相当する部分については同一符号で示し、詳しい説
明は省略する。
【0021】図1〜図4には、本発明の第1の実施の形
態に係るブランクホルダー圧制御装置を備えるプレス成
形機の要部を示している。なお、本発明の第1の実施の
形態に係るプレス成形機1は、絞り成形機である。
【0022】プレス成形機1は、ワークW(プレス用素
材)を所定の形状に変形させるためのポンチ2、ダイ3
と共に、ワークWの流入量を制御するための、ブランク
ホルダー圧制御装置を備える。このブランクホルダー圧
制御装置は、クッションリング4(ブランクホールド)
と、クッションリング4の各部位をピストンロッド5a
によって支持する複数の圧力シリンダ5と、圧力シリン
ダ5の内圧を任意に制御するコントロールパネル6を含
んでいる。
【0023】図3には、ブランクホルダー圧制御装置の
クッションリング4を立体的に示している。クッション
リング4は、従来の一般的なクッションリングと同様
に、環状に連続する一体部品であり、開口4aはポンチ
2(図1)の外形に合わせて形成されている。
【0024】このクッションリング4は、従来のクッシ
ョンリングが「剛体」として形成され、変形しないこと
を前提として成り立っていたのに対し、意図的に捩れ剛
性等の撓み特性を低下させた「軟体」として形成されて
いる。かかる軟体のクッションリング4は、例えば、従
来の「剛体」であるクッションリングに比して、縦リブ
等の補強の数を少なくすることによって、撓み特性を低
下させたものである。また、例えば捩れ方向には軟体と
しての性質を有するが、圧縮方向の剛性は従来のクッシ
ョンリングと同様に十分に確保されている。そして、ダ
イ3との間で必要な圧力を得るために支障を来さない範
囲で、撓みを発生させることが可能となっている。
【0025】クッションリング4は、図4に示す圧力シ
リンダ5によって、下方から支持されている。図示のご
とく、圧力シリンダ5は、クッションリング4の形状に
沿うようにして複数設けられている。本発明の実施の形
態では、符号501〜530で示すように、30個の圧力シリン
ダ5を備えている。これら複数の圧力シリンダ5は、図
1に示すように、コントロールパネル6に対し管路7を
介して接続されており、任意に内圧を調節することが可
能である。
【0026】コントロールパネル6は、図1に示すよう
に、複数の圧力流体供給回路(A,B,C,D,‥‥)を備
えている。そして、同一の圧力が求められる圧力シリン
ダ5が複数箇所存在する場合には、同一の内圧に係る圧
力シリンダを、一系統の圧力流体供給回路(例えばD系
統)上に配置することができる。また、求められる内圧
が異なるシリンダには、夫々のシリンダに対し一系統の
圧力流体供給回路を割振ることも可能である。当然に、
全ての圧力シリンダ501〜530を、別々の圧力流体供給回
路で制御することも可能である。これらの圧力流体供給
回路の構成については、適宜、成形すべき製品に求めら
れる条件に合せて、選択することができる。
【0027】ここで、本発明の第1の実施の形態に係る
絞り成形機1によって、絞り成形を行う手順を説明す
る。
【0028】図1には、プレス成形機1の要部の、成形
前の状態を示している。このとき、クッションリング4
の上面は、ポンチ2の上面とほぼ同一の高さとなるよう
に、圧力シリンダ5のピストンロッド5aによって押し
上げられた状態にある。かかる状態から、ダイ3を下降
させて、ダイ3とクッションリング4とでワークWを挟
持する。さらに、ダイ3でクッションリング4を押し下
げ、かつ、ワークWをポンチ2に押し付けることで、図
2に示すように、ポンチ2とダイ3とでワークWを完全
に挟み込み、成形を完了する。
【0029】また、ダイ3とクッションリング4とでワ
ークWを挟持して後、型締を完了するまでの間は、ダイ
3とクッションリング4との間の圧力(ブランクホルダ
ー圧)を調節して、素材流入量を制御することにより、
製品にしわや割れが発生することを防いでいる。かかる
ブランクホルダー圧の調節にあたり、圧力シリンダ5の
内圧を調節することで、プレス品の部位毎にクッション
リング4を介して圧力シリンダ5の反力を直接的に伝
え、かつ、クッションリング4のリング形状に撓みを生
ずることによって、ブランクホルダー圧を連続的に変化
させることができる。よって、素材流入量を、プレス品
の部位毎に理想的な値へと調整することができる。な
お、各圧力シリンダ5の反力の設定は、試作段階におい
て予め設定するものであり、同一の製品をプレス成形す
る間は、各圧力シリンダ5の反力は変更しない。
【0030】上記構成をなす本発明の第1の実施の形態
に係るプレス成形機1によれば、次のような作用効果を
得ることができる。本実施の形態では、撓み特性を低下
させたクッションリング4を、複数の圧力シリンダ5で
支持することにより、特定の場所の圧力シリンダ5の内
圧を高め、若しくは低下させ、必要な部位に対しクッシ
ョンリング4を介して圧力シリンダ5の反力を直接的に
伝える。なおかつ、クッションリング4のリング形状に
撓みを生ずることによって、圧力を連続的に変化させる
ことができる。よって、ダイ3、クッションリング4
等、金型形状の精度の如何に拘らず、実際にその金型の
各部位に必要とされる圧力で素材を挟持することで、素
材流入量を、プレス品の部位毎に理想的な値へと調整す
ることができる。
【0031】また、複数の圧力シリンダ5を制御するた
めの、複数系統の圧力流体供給回路A,B,C,D,‥‥を
備えるので、同一の圧力が求められる圧力シリンダ5が
複数箇所存在する場合には、それら同一の内圧に係る圧
力シリンダを、一系統の圧力流体供給回路上に置くこと
で、圧力制御系統を整理することができる。また、求め
られる内圧が異なるシリンダには、適宜一系統の圧力流
体供給回路を割振ることで、様々な圧力条件へと設定す
ることができる。
【0032】なお、ダイ3及びブランクホールド4は、
成形シミュレーションにより最適とされる形状で製造す
ることが望ましい。前述のごとく、現在の成形シミュレ
ーション技術では、適正なブランクホルダー圧を得るた
めの金型精度を、シミュレーションのみによって得るこ
とは困難であり、金型のチューニング作業を完全に不要
とするまでには至っていない。しかしながら、本発明の
第1の実施の形態によれば、ブランクホールドに撓みを
発生させ、ブランクホルダー圧を部位毎に調整すること
で、現在の成形シミュレーション技術を補完するための
金型のチューニング作業に代えることができる。よっ
て、最適の成形条件を得るため金型製作における時間
的、経済的無駄を無くすことが可能となる。
【0033】また、例えば、ブランクホールドに要求さ
れる撓み量が比較的小さい場合等には、従来の「剛体」
として形成されたクッションリングを、本発明の第1の
実施の形態に係るクッションリング4に替えて用いるこ
とも可能である。すなわち、積極的にクッションリング
を撓ませなくても、従来のクッションリングにおいて現
実的に回避できない撓みの範囲内で、素材を挟持する圧
力を各部位毎に制御し、素材流入量を、プレス品の部位
毎に理想的な値へと調整することも可能である。
【0034】次に、本発明の第2の実施の形態に係るプ
レス成形機を、図5〜図9を参照しながら説明する。本
発明の第1の実施の形態と同一部分または相当する部分
については、詳しい説明を省略する。本発明の第2の実
施の形態に係るプレス成形機11は、抜き曲げ穴の打ち分
け機構を備える抜き曲げ成形機である。
【0035】図5に要部を示すように、プレス成形機11
は、ワークW(プレス用素材)を所定の形状に抜き曲げ
するための抜曲ポンチ12、下型13、切刃19を有する上型
18と共に、ワークWの流入量を制御するための、ブラン
クホルダー圧制御装置を備える。このブランクホルダー
圧制御装置は、リング状の部品であるパッド14(ブラン
クホールド)と、パッド14の各部位をピストンロッド15
aで支持する複数の圧力シリンダ15と、圧力シリンダ15
の内圧を任意に制御するコントロールパネル(図1に示
すコントロールパネル6と同様であるため、図示を省略
する。)を含んでいる。
【0036】このパッド14は、本発明の第1の実施の形
態に係るクッションリング4と同様に、従来は「剛体」
であることを前提としていたパッド14の、撓み特性を低
下させ、「軟体」としたものである。また、パッド14
は、撓み方向には軟体としての性質を有するが、圧縮方
向の剛性は従来のパッドと同様に十分に確保されてい
る。そして、下型13との間で必要な圧力を得るために支
障を来さない範囲で、撓みを発生させることが可能とな
っている。
【0037】また、圧力シリンダ15は、本発明の第1の
実施の形態に係る圧力シリンダ5がブランクホールド4
に沿って複数設けられているのと同様に、パッド14の形
状に沿うようにして、複数(図7(a)に点線で示
す。)設けられている。
【0038】ここで、本発明の第2の実施の形態に係る
プレス成形機11によって、抜き曲げ穴の打ち分けを行う
手順を説明する。本説明では、抜き曲げ穴の打ち分けが
求められる具体的事例として、自動車のルーフパネルを
例に挙げる。図7(a)には、ルーフパネル20にサンル
ーフ用穴20aを形成した場合を、図7(b)には、同一
のルーフパネル20にサンルーフ用穴20aを形成しない場
合を、夫々示している。
【0039】図5には、図7(a)に示すように、ルー
フパネル20にサンルーフ用穴20aを形成すべく、プレス
成形機11の抜曲ポンチ12を作動させ、抜き曲げを完了し
た状態を示している。符号W’で示す部分は、ワークW
から落されたスクラップである。図5、図7(a)の場
合には、サンルーフ用穴20aの周囲に歪みが発生するこ
とを防ぐため、サンルーフ用穴20aの周囲に対し、パッ
ド14によって必要なブランクホルダー圧を付与する。こ
のとき、各圧力シリンダ15の内圧を調節することで、必
要な部位に対しパッド14を介して圧力シリンダ15の反力
を直接的に伝え、かつ、パッド14のリング形状に撓みを
生ずることによって、圧力を連続的に変化させることが
できる。よって、サンルーフ用穴20aへの素材流入量を
理想的な値へと調整することができる。
【0040】図6には、図7(b)に示すように、ルー
フパネル20にサンルーフ用穴を形成しないように、プレ
ス成形機11の抜曲ポンチ12を作動させずに、抜き曲げを
完了した状態を示している。図6、図7(b)の場合に
は、サンルーフ用穴20aを形成しないので、パッド14に
よって付与するブランクホルダー圧は、図5に示すサン
ルーフ用穴20aを設ける場合に比して、小さな値とす
る。このとき、各圧力シリンダ15の内圧を各々適切に減
圧することで、図8(b)に示すように、ルーフパネル
20にパッド14の凹跡20bが残るような不具合を防ぐ。
【0041】以上の構成を有する本発明の第2の実施の
形態に係るプレス成形機11によれば、次のような作用効
果を得ることができる。まず、図8(a)に示すよう
に、サンルーフ用穴20aを形成する場合には、各圧力シ
リンダ15の内圧を調節することで、必要な部位に対しパ
ッド14を介して圧力シリンダ15の反力を直接的に伝え、
かつ、パッド14のリング形状に撓みを生ずることによっ
て、圧力を連続的に変化させ、サンルーフ用穴20aへの
素材流入量を理想的な値へと調整することが可能であ
る。
【0042】また、サンルーフ用穴20aを形成しない場
合には、各圧力シリンダ15の内圧を減圧することで、ワ
ークWに対するパッド14のブランクホルダー圧を減少さ
せ、図8(b)に示すような、ルーフパネル20にパッド
14の凹跡20bを残すという不具合を防ぐことができる。
【0043】そして、従来のパッドで必要とされた、ブ
ランクホルダー圧を、サンルーフ用穴20aを形成する場
合と形成しない場合との中間の圧力へとチューニングす
る作業を不用とし、時間的、経済的無駄を無くすことが
可能となる。
【0044】また、従来は、サンルーフ用穴20aを形成
する場合には、ルーフパネル20のサンルーフ用穴20aの
周囲には歪みを生じ、サンルーフ用穴を形成しない場合
には、ルーフパネル20にパッド14の凹跡20bを残すとい
う不具体を避けることができなかったが、本発明の第2
の実施の形態に係るプレス成形機11によれば、これらの
不具合を解消し、抜き曲げ穴の打ち分けが求められる場
合においても、常に高品質のプレス製品を成形すること
ができる。その他、本発明の第1の実施の形態と同様の
作用効果については、説明を省略する。
【0045】以上説明したように、本発明によれば、様
々なプレス加工工程において、プレス成形における成形
条件の管理を容易とし、最適の成形条件を得るため金型
製作における時間的、経済的無駄を無くし、高品質の製
品を低コストで提供することが可能となる。
【0046】
【発明の効果】本発明はこのように構成したので、以下
のような効果を有する。まず、本発明の請求項1に係る
ブランクホルダー圧制御装置によれば、プレス成形にお
ける成形条件の管理を容易とし、最適の成形条件を得る
ため金型製作における時間的、経済的無駄を無くし、高
品質の製品を低コストで提供することが可能となる。
【0047】また、本発明の請求項2に係るブランクホ
ルダー圧制御装置によれば、より積極的にプレス成形に
おける成形条件の管理をすることで、最適の成形条件を
得るため金型製作における時間的、経済的無駄を無く
し、高品質の製品を低コストで提供することが可能とな
る。
【0048】また、本発明の請求項3に係るブランクホ
ルダー圧制御装置によれば、複数の圧力シリンダによっ
て、前記ブランクホールドに反力を付与し、前記素材の
必要な部位を必要な圧力で挟持することができる。よっ
て、素材流入量を理想的な値へと調整することが可能と
なり、高品質の製品を提供することが可能となる。
【0049】また、本発明の請求項4に係るブランクホ
ルダー圧制御装置によれば、前記圧力シリンダの圧力流
体供給回路の構成については、適宜、成形すべき製品に
求められる条件に合せて、選択することができ、最適の
構成を採ることが可能である。
【0050】さらに、本発明の請求項5に係るブランク
ホルダー圧制御装置によれば、ブランクホルダー圧を部
位毎に調整することで、現在の成形シミュレーション技
術を補完するための金型のチューニングに代えることが
できる。よって、最適の成形条件を得るための金型製作
における時間的、経済的無駄を無くすことが可能とな
る。
【0051】また、本発明の請求項6に係るブランクホ
ルダー圧制御方法によれば、プレス成形における成形条
件の管理を容易とし、最適の成形条件を得るため金型製
作における時間的、経済的無駄を無くし、高品質の製品
を低コストで提供することが可能となる。
【0052】また、本発明の請求項7に係るプレス成形
機によれば、金型の取り付け誤差、プレス成形機の作動
精度等、適正なブランクホルダー圧を得るにあたって悪
影響を及ぼす要因を打ち消し、素材流入量を理想的な値
へと調整して、高品質のプレス製品を低コストで提供す
ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係るプレス成形機
の型締以前の状態を示す要部模式図である。
【図2】本発明の第1の実施の形態に係るプレス成形機
の型締完了の状態を示す要部模式図である。
【図3】本発明の第1の実施の形態に係るブランクホル
ダー圧制御装置のクッションリングを示す立体図であ
る。
【図4】図3に示すクッションリングを下方から支持す
る圧力シリンダを示す立体図である。
【図5】本発明の第2の実施の形態に係るプレス成形機
の穴抜きポンチを作動させ、抜き曲げを完了した状態を
示す要部模式図である。
【図6】本発明の第2の実施の形態に係るプレス成形機
の穴抜きポンチを作動させずに、抜き曲げを完了した状
態を示す要部模式図である。
【図7】抜き曲げ穴の打ち分けが求められる自動車のル
ーフパネルを示す模式図である。
【図8】図7に示すルーフパネルの断面図である。
【符号の説明】
1 プレス成形機 2 ポンチ 3 ダイ 4 クッションリング 5 圧力シリンダ 5a ピストンロッド 6 コントロールパネル 7 管路 11 プレス成形機 12 抜曲ポンチ 13 下型 14 パッド 15 圧力シリンダ 15a ピストンロッド 18 上型 19 切刃 20 ルーフパネル 20a サンルーフ用穴 20b 凹跡 W ワーク W’スクラップ

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ダイとブランクホールドとの間の圧力を
    調節して素材流入量を制御するブランクホルダー圧制御
    装置であって、各々が独立して反力を制御可能な複数の
    反力発生手段を、前記ブランクホールドの各部位に配置
    したことを特徴とするブランクホルダー圧制御装置。
  2. 【請求項2】 前記ブランクホールドの撓み特性を、必
    要な圧力を得るために支障を来さない範囲で低下させた
    ことを特徴とする請求項1記載のブランクホルダー圧制
    御装置。
  3. 【請求項3】 前記複数の反力発生手段として、任意に
    内圧を調節することが可能な複数の圧力シリンダを配し
    たことを特徴とする請求項1または2記載のブランクホ
    ルダー圧制御装置。
  4. 【請求項4】 前記複数の圧力シリンダを制御するため
    の、複数系統の圧力流体供給回路を備えることを特徴と
    する請求項3記載のブランクホルダー圧制御装置。
  5. 【請求項5】 前記ダイ及び前記ブランクホールドは、
    成形シミュレーションにより最適とされる形状を有する
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の
    ブランクホルダー圧制御装置。
  6. 【請求項6】 請求項1から5のいずれか1項記載のブ
    ランクホルダー圧制御装置において、前記複数の反力発
    生手段の反力を、プレス品の部位毎に設定することを特
    徴とするブランクホルダー圧制御方法。
  7. 【請求項7】 ダイと、ポンチと、請求項1から5のい
    ずれか1項記載のブランクホルダー圧制御装置とを備え
    ることを特徴とするプレス成形機。
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