JP2002086166A - 排水の処理方法 - Google Patents

排水の処理方法

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JP2002086166A
JP2002086166A JP2000275892A JP2000275892A JP2002086166A JP 2002086166 A JP2002086166 A JP 2002086166A JP 2000275892 A JP2000275892 A JP 2000275892A JP 2000275892 A JP2000275892 A JP 2000275892A JP 2002086166 A JP2002086166 A JP 2002086166A
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wastewater
treatment
catalyst
wet oxidation
waste water
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JP2000275892A
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Junichi Miyake
純一 三宅
Toru Ishii
徹 石井
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Nippon Shokubai Co Ltd
Original Assignee
Nippon Shokubai Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、排水中の有害物質、特にダイオキシ
ン類を効率よく除去する方法を提供するものである。 【解決手段】本発明は、排水中の有害物質を、触媒およ
び酸素源の存在下、該排水が液相を保持する圧力下で、
酸化および/または分解する湿式酸化処理において、湿
式酸化反応器の上流側で当該排水に超音波照射処理を行
うものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、排水中の有害物質
を処理する方法に関する。詳しくは、排水中のダイオキ
シン類を処理する方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、排水中の有害物質を処理する方法
としては、生物処理法、燃焼法、湿式酸化法などが広く
知られている。生物処理法では、余剰汚泥などの副産物
が発生するため、その処理が問題であったり、有害物質
の組成によっては生物処理が困難である場合が多いなど
の問題がある。また、燃焼法では、燃料として化石燃料
を燃焼させるため資源を浪費することになり、かつ地球
温暖化などの原因として問題視されている二酸化炭素の
排出量が増加するなどの問題がある。
【0003】一方、湿式酸化法では上記の問題がなく、
非常に優れている。しかし、反応器内での気液の接触が
不十分である場合には、処理性能が低くなる問題があっ
た。
【0004】また、ダイオキシン類は化学的に非常に安
定であり、自然界では半永久的に残存するといわれてい
るほど分解しにくい物質であるのに加え、排水中でのそ
の含有量が非常に低いため、これを効率よく処理するこ
とは従来の排水処理方法では困難であった。従来の排水
中のダイオキシン類の処理方法としては、生物学的分解
処理法、化学的分解処理方法、物理学的分解処理方法な
どの種々の方法が提案されているが、未だ効率的な処理
方法は確立されていない。
【0005】ダイオキシン類を含有する排水の処理方法
のひとつとして湿式酸化処理が検討されている。しか
し、ダイオキシン類は水に対する溶解度は低いため、湿
式酸化反応効率が悪く、処理性能を高くするためには、
排水中に大過剰の酸化剤を添加したり、触媒量を増加さ
せたりする必要があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、排水
中に含まれる有害物質を触媒を用いて湿式酸化処理する
にあたり、上記問題点を解決できる新規な処理方法を提
供することにある。本発明では、触媒を用いた湿式酸化
処理における処理性能をより一層向上できる新規な排水
の処理方法として、処理設備を大型化することなく、ま
た設備費および排水の処理費を低減できる新規な処理方
法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記の課題
を解決するために鋭意研究した結果、排水中の有害物質
を、触媒および酸素源の存在下、該排水が液相を保持す
る圧力下で、酸化および/または分解する湿式酸化処理
において、湿式酸化反応器の上流側で当該排水に超音波
照射処理を行うことを特徴とする新規な排水の処理方法
を見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】かくして本発明は、以下のごとき排水の処
理方法を提供する。 (1)排水中の有害物質を、触媒および酸素源の存在
下、該排水が液相を保持する圧力下で、酸化および/ま
たは分解する湿式酸化処理において、湿式酸化反応器の
上流側で当該排水に超音波照射処理を行うことを特徴と
する排水の処理方法。 (2)排水中の有害物質にダイオキシン類が含まれる
(1)に記載の排水の処理方法。 (3)湿式酸化処理において用いる触媒が、チタン、ケ
イ素、アルミニウム、ジルコニウム、マンガン、鉄、コ
バルト、ニッケル、クロム、ランタン、セリウム、タン
グステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、
ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少なくとも1
種の元素、および/または活性炭を含有する触媒である
(1)または(2)に記載の排水の処理方法。以下、本
発明を詳細に説明する。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明は、排水中の有害物質を、
触媒および酸素源の存在下、該排水が液相を保持する圧
力下で、酸化および/または分解する湿式酸化処理にお
いて、湿式酸化反応器の上流側で当該排水に超音波照射
処理を行うことを特徴とする新規な排水の処理方法であ
る。
【0010】本発明では、湿式酸化反応器の上流側にお
いて超音波処理をすることにより、排水中の有害物質と
酸素の接触効率が向上し、酸化および/または分解反応
が進みやすくなる。また、ダイオキシン類は水に対する
溶解度が低いため、排水中のダイオキシン類はその大半
がSS(Suspended Solids)性である
が、このSS性ダイオキシン類に超音波を照射すると、
SS性ダイオキシン類は高分散化するため、触媒を用い
た湿式酸化処理における処理性能をより一層向上させる
ことができる。以下、具体的に個々について本発明を説
明する。
【0011】本発明において有害物質とは、該排水のC
OD濃度に寄与する被酸化性物質などのことを指し、窒
素含有化合物、硫黄含有化合物、有機ハロゲン化合物な
ど各種の有機物や無機物がこれに該当する。これらの中
でも本発明は、特にダイオキシン類の処理に対して有効
である。
【0012】また、本発明における酸化および/または
分解とは、例えばエタノールを酢酸にする酸化処理、酢
酸を二酸化炭素と水にする酸化分解処理、酢酸を二酸化
炭素とメタンにする脱炭酸の分解処理、各種の有機物を
低分子量化する分解処理、尿素をアンモニアと二酸化炭
素にする加水分解処理、アンモニアやヒドラジンを窒素
ガスと水にする酸化分解処理、有機ハロゲン化合物の酸
化分解処理や脱塩素処理など、種々の処理のことであ
り、本発明では単に分解処理と記載することもある。
【0013】本発明の処理対象となる排水としては、例
えば、化学プラント、電子部品製造設備、食品加工設
備、印刷製版設備、発電設備、写真処理設備、金属加工
設備、金属メッキ設備、金属精錬設備、紙パルプ製造設
備などの各種産業プラントから排出される排水や、屎
尿、下水などの生活排水、廃棄物焼却炉排水、埋立地浸
出水などの種々の排水が挙げられる。また、本発明の処
理対象となるダイオキシン類を含有する排水としては、
例えば、廃棄物焼却炉の排ガスを湿式洗浄した洗煙排水
などの廃棄物焼却炉からの排水や、浸出水などのゴミ埋
立地からの排水、あるいは金属精錬工業や紙パルプ工業
などの各種工業排水などが挙げられる。
【0014】以下、図1を用いて本発明の排水の処理方
法について説明するが、図1は本発明の実施態様の一例
を示す概略図であり、本発明で用いることができる装置
はこれに限定する趣旨ではない。
【0015】排水は排水供給ライン1からポンプ2によ
り昇圧フィードする。この際の空間速度(LHSV)は
特に限定されず、反応器の処理能力によって適宜決定す
ればよいが、通常、好ましくは0.1hr-1以上、より
好ましくは0.5hr-1以上、さらに好ましくは1hr
-1以上であり、好ましくは20hr-1以下、より好まし
くは10hr-1以下、さらに好ましくは5hr-1以下と
なるように調整することが推奨される。空間速度が0.
1hr-1未満の場合、処理量が低下して、過大な設備が
必要となることがある。また逆に20hr-1を超える場
合には、処理が十分に行えない場合がある。
【0016】本発明の湿式酸化処理は酸素源の存在下で
行うことができる。酸素源としては、特に限定されるも
のではなく、純酸素、酸素富化ガス、空気、オゾン、過
酸化水素などを用いることができ、また、他のプラント
で生じた酸素含有ガスなどを利用することもできる。こ
れらの中でも特に空気を用いることが経済的観点から推
奨される。また、純酸素やオゾンは不活性ガスなどで希
釈して用いることもできる。排水のCOD濃度が低く、
かつ該排水中に有害物質を酸化するのに十分な量の酸素
が溶存している場合には、酸素源を供給せずに該排水中
の溶存酸素を酸素源として用いることができる。
【0017】酸素源を供給する場合の供給量は特に限定
されず、排水中の有害物質を分解処理するのに必要な量
を供給すればよい。酸素源の供給量として好ましくは排
水の理論酸素要求量の0.5倍以上、より好ましくは1
倍以上であり、好ましくは100倍以下、より好ましく
は10倍以下の酸素量であることが推奨される。酸素源
の供給量が理論酸素要求量の0.5倍未満の場合は、排
水中の有害物質が十分に分解されない場合が多く、また
100倍を超えて供給しても設備が大型化するだけで処
理性能が向上しない場合が多い。
【0018】酸素源は酸素源供給ライン4から導入し、
コンプレッサー5で昇圧した後、超音波照射処理装置6
より上流側で排水に混入する。酸素源が混入された排水
はライン3を通じて超音波照射処理装置6に送られる。
【0019】超音波照射処理を行う際の処理温度は20
〜95℃であることが好ましく、50〜95℃であるこ
とがより好ましい。20℃未満では十分な超音波処理効
率を得難い。また、50〜95℃の範囲では超音波の伝
播速度が大きく、超音波処理効率が高くなる。
【0020】照射する超音波の周波数は、十分な処理効
率を確保するためには40kHz以上であることが好ま
しい。また超音波照射処理における超音波の強さは、特
に限定されるものではないが、10〜1000Wである
ことが好ましく、50〜500Wであることが更に好ま
しい。超音波照射時間については特に限定されるもので
はないが、好ましくは超音波照射時に超音波処理装置を
使用した場合、該装置内での排水の滞留時間は0.1〜
10時間であり、更に好ましくは0.5〜5時間であ
る。
【0021】この超音波処理により、排水中の有害物質
と酸素の接触効率が向上し、酸化および/または分解反
応が進みやすくなる。また、特に排水中のダイオキシン
類の処理においては超音波を照射すると、SS性ダイオ
キシン類は高分散化するため、触媒を用いた湿式酸化処
理における処理性能をより一層向上させることができ
る。
【0022】更に、SS性ダイオキシン類は固体である
ため排水中に溶解していない状態で存在するが、固体状
態であっても湿式酸化処理をすることは可能である。し
かし、湿式酸化処理の効率を向上させるには当該排水に
SS性ダイオキシン類を可溶化することが好ましく、可
溶化を目的として可溶剤を添加することができ、例えば
アルコール類、界面活性剤を可溶化剤として用いること
ができる。
【0023】超音波照射処理した超音波処理液は次に熱
交換器7に送られて予備加熱された後、更に加熱器8で
加熱されて湿式酸化反応器9に供給されるが、加熱方法
は特に限定されるものではなく、熱交換器7および/ま
たは加熱器8によって加熱してもよく、更に湿式酸化反
応器9にヒーター(図示せず)などの加熱手段を設けて
加熱してもよい。これらの加熱手段は単独で用いてもよ
く、あるいは任意に組み合わせて用いることもできる。
【0024】また、熱交換器7に供給された排水は湿式
酸化反応器9で処理され排出された高温の処理液によっ
て熱交換されてもよく、あるいは他のプラントから排出
された高温の液体によって熱交換されてもよく、排水を
加熱するための熱媒体については特に限定されない。
【0025】排水を湿式酸化反応器9に供給する方法と
しては、気液上向並流、気液下向並流、気液向流など種
々の形態を用いることができ、特に限定されない。
【0026】湿式酸化反応の反応温度は他の条件にも影
響されるが、370℃を超えると排水を液相状態に保持
できず、かつ設備が大型化したりランニングコストが上
昇することがあるので、加熱温度は370℃以下、好ま
しくは300℃以下、より好ましくは250℃以下とす
ることが望ましい。一方、排水の温度が20℃未満では
湿式酸化反応を効率的に行うことが困難になるので、好
ましくは20℃以上、より好ましくは50℃以上とする
ことが望ましい。排水が元々高温である場合には加熱す
る必要がないこともある。
【0027】本発明の湿式酸化反応では、排水が液相を
保持できるように圧力を適宜調節することが望ましい。
例えば反応温度が20℃以上100℃未満の場合には、
大気圧下においても排水は液相状態であり、経済性の観
点から大気圧下でもよいが、処理効率を向上させるため
には加圧することが望ましい。また、反応温度が100
℃以上の場合は排水が液相を保持できるように圧力をか
けることが望ましい。
【0028】本発明で用いる湿式酸化反応器の数、種
類、形状などは特に限定されない。反応器は単管式、多
管式のいずれの型式であってもよく、これらを複数組み
合わせて用いることもできる。複数の反応器を設置する
場合、目的に応じて反応器を直列または並列にするなど
任意の配置とすることができる。
【0029】本発明において有害物質の酸化および/ま
たは分解反応は主に湿式酸化反応器9内で行われ、かつ
触媒の存在下で行われる。触媒湿式酸化処理法は、固体
触媒を用いる方法や均一系触媒を用いる方法があるが、
本発明ではいずれの方法も用いることができる。
【0030】本発明で用いることのできる触媒としては
例えば、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウ
ム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、ラン
タン、セリウム、タングステン、銅、銀、金、白金、パ
ラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムから
選ばれる少なくとも1種以上の元素、および/または活
性炭を含有する触媒を挙げることができる。
【0031】触媒としては特に、液相酸化の条件下で活
性と耐久性とを兼ね備えた固体触媒を用いることが好ま
しく、例えば、チタン、ケイ素、アルミニウム、ジルコ
ニウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、クロム、
ランタン、セリウム、タングステン、銅、銀、金、白
金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウ
ムから選ばれる少なくとも1種以上の元素、および/ま
たは1種以上の元素を含む化合物、および/または活性
炭を含有する触媒を挙げることができる。なお、活性炭
には、通常の活性炭の他、活性炭素繊維なども含まれ
る。
【0032】上述した触媒の中でも、次の触媒A成分と
触媒B成分とを含有する固体触媒が好適に用いられる。
ここで触媒A成分とは、鉄、チタン、ケイ素、アルミニ
ウムおよびジルコニウムから選ばれる少なくとも1種以
上の元素を含む酸化物、または活性炭である。触媒A成
分の具体例としては、チタン酸化物、鉄酸化物、ジルコ
ニウム酸化物などの金属酸化物、チタン酸化物−ジルコ
ニウム酸化物、チタン酸化物−鉄酸化物などの2元また
は多元系酸化物(複合酸化物も含む)の他に、活性炭、
もしくは金属酸化物と活性炭の混合物などを挙げること
ができるがこれらに限定される趣旨ではない。触媒A成
分の固体触媒に占める割合は、30重量%以上が好まし
く、99.95重量%以下であることが好ましい。固体
触媒の耐久性向上の観点から、触媒A成分を30重量%
以上の割合で用いることが好ましい。
【0033】また触媒B成分とは、マンガン、コバル
ト、ニッケル、クロム、ランタン、セリウム、タングス
テン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロジウム、ルテ
ニウムおよびイリジウムから選ばれる少なくとも1種以
上の元素および/または1種以上の元素を含む化合物で
ある。
【0034】触媒B成分の具体例としては、前記元素の
金属、酸化物および複合酸化物を挙げることができるが
これらに限定される趣旨ではない。固体触媒中の触媒B
成分の割合は0.05重量%以上が好ましく、70重量
%以下であることが好ましい。排水中の有害物質を十分
に酸化および/または分解処理するという観点から触媒
B成分を0.05重量%以上の割合で用いることが好ま
しい。
【0035】さらに、触媒B成分の中でも、銀、金、白
金、パラジウム、ロジウム、ルテニウムおよびイリジウ
ム(以下、「B−1成分」という)から選ばれる少なく
とも1種以上の元素および/または1種以上の元素を含
む化合物の場合には、その割合(合計量)は固体触媒の
10重量%以下とするのが望ましい。10重量%を超え
る場合、それに相応した処理性能の向上は認められず、
またこれらは高価な原料であるため、触媒のコストが上
昇するため望ましくない。
【0036】また、触媒B成分のうち上記以外の、マン
ガン、コバルト、ニッケル、クロム、ランタン、セリウ
ム、タングステンおよび銅(以下、「B−2成分」とい
う)から選ばれる少なくとも1種以上の元素および/ま
たは1種以上の元素を含む化合物の場合、その割合(合
計量)は固体触媒の70重量%とするのが望ましい。
【0037】なお、合計量が固体触媒の0.05〜70
重量%の範囲であれば、B−1成分とB−2成分とを組
み合わせてもよく、その際、B−1成分を0.05〜1
0重量%、B−2成分を0.05〜70重量%の範囲で
組み合わせて上記範囲内となるようにすることが推奨さ
れる。
【0038】固体触媒は、触媒B成分として、B−1成
分を含有している場合が特に触媒活性が高く、効果的で
ある。特に、B−1成分の中でも、白金、パラジウム、
ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少
なくとも1種以上の元素および/または1種以上の元素
の化合物を含有している場合は触媒活性が高く好まし
い。B−2成分の中では、マンガン、コバルト、ニッケ
ルおよび銅から選ばれる少なくとも1種以上の元素およ
び/または1種以上の元素を含む化合物が好適に用いら
れる。
【0039】触媒の形状については特に制限はなく、例
えば粒状、球状、ペレット状およびリング状のいずれで
もよく、またハニカム状などの一体構造体でもよい。懸
濁物を含む排水を処理する場合には、固形物や沈殿物な
どにより触媒層での閉塞が起こる可能性があるので、ハ
ニカム状のものが好適に用いられる。
【0040】また、均一系触媒を用いる場合には、触媒
湿式酸化処理に一般に用いられている均一系触媒を用い
ることができる。具体的には、液相酸化の条件下で活性
のある金属イオンであれば、いずれも均一系触媒として
使用することができる。例えば、マンガン、鉄、コバル
ト、ニッケル、クロム、ジルコニウム、ランタン、セリ
ウム、タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、
ロジウム、ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少
なくとも1種以上の元素を含有する金属イオンを挙げる
ことができる。
【0041】金属イオンの濃度としては、合計で5〜5
000mg/リットルであればよいが、10〜3000
mg/リットルであることが好ましく、50〜2000
mg/リットルであることがさらに好ましい。金属イオ
ンの濃度が合計で5mg/リットルより低い場合には、
触媒作用が十分に得られない場合が多く、また5000
mg/リットルを超える場合には必要以上に金属イオン
を添加することになり経済的でない。
【0042】金属イオンは、通常、塩の形で添加するこ
とが多く、例えば、硝酸塩、塩化物、硫酸塩などが挙げ
られるが、特にこれらに限定されるものではない。ま
た、錯イオンの形のものも使用することができる。
【0043】また、本発明の対象となる排水中には金属
イオンがもとから含まれていることが多い。このような
場合には該金属イオンを利用して処理することができる
ため、排水中に添加する金属イオン量を軽減することが
できる。この場合、もとから排水中に含まれていた金属
イオンと添加する金属イオンの合計量は5〜5000m
g/リットルであればよいが、10〜3000mg/リ
ットルであることが好ましく、50〜2000mg/リ
ットルであることがさらに好ましい。金属イオンの濃度
が合計で5mg/リットルより低い場合には、触媒作用
が十分に得られない場合が多く、また5000mg/リ
ットルを超える場合には必要以上に金属イオンを添加す
ることになり経済的でない。
【0044】また、湿式酸化反応器9内にはこれらの触
媒以外にも、気液の攪拌・接触効率の向上、気液の偏流
低減などを目的として、種々の充填物、内作物などを組
み込んでもよい。これらの充填物や内作物の材質・形状
については特に限定されず、金属製あるいはセラミック
ス製のものを用いることができる。
【0045】湿式酸化反応器9で処理された処理液は処
理液ライン10より排出されて必要に応じて熱交換器7
や冷却器11で適宜冷却された後、気液分離器12によ
って気体と液体に分離される。この際、熱交換器7と冷
却器11は単独であるいは組み合わせて用いることがで
きる。
【0046】気液分離器12では液面コントローラーL
Cを用いて液面を検出し、液面制御弁14によって気液
分離器12内の液面が一定となるように制御することが
望ましい。なお、ここで「一定」とは、液面が一定値あ
るいは一定の範囲内であることを意味する。
【0047】なお、処理水を冷却した後、圧力調節弁
(図示せず)を介して排出した後、気液分離器12によ
って気体と液体に分離してもよい。
【0048】気液分離器12で分離された液体は処理液
排出ライン13を通して排出されるが、これは処理液タ
ンク16に送液されてもよく、あるいは生物処理などの
公知の方法に供してさらに処理することもできる。
【0049】また、圧力は圧力コントローラーPCによ
り圧力を検出して圧力制御弁15を作動させて圧力を所
定値に維持することが望ましい。気液分離器12で分離
された気体は排ガス排出ライン17を通じて大気中に放
出してもよく、あるいはさらに公知の方法に供して処理
してもよい。
【0050】
【実施例】(実施例1)図1に示す装置を使用し、排水
の湿式酸化処理を行った。湿式酸化処理には直径25m
m、長さ2500mmの円筒状の湿式酸化反応器9を用
い、内部には固体触媒(ペレット状)としてチタン−鉄
の酸化物と白金(Ptとして0.3重量%)からなる触
媒1リットルを充填した。処理に供した排水のCOD濃
度は15000mg/リットルであった。該排水を排水
供給ライン1からポンプ2により1リットル/hrの流
量で供給した。また、空気を酸素源供給ライン4から供
給し、コンプレッサー5で昇圧したあと、100Nリッ
トル/hrの流量で該排水に混入した。空気と混合した
排水は超音波照射処理装置6に供給した。超音波照射処
理装置6では、温度が75℃になるように保ち、周波数
100kHz、出力100Wの超音波を照射した。超音
波照射処理した超音波処理液は次に熱交換器7および加
熱器8で加熱したあと、湿式酸化反応器9に下部から導
入し、処理温度160℃で湿式酸化処理した。被処理液
は処理液ライン10を経て、熱交換器7および冷却器1
1により冷却した後、気液分離器12に導入した。気液
分離器12では、液面コントローラ(LC)により液面
を検出して液面制御弁14を作動させて一定の液面を保
持するとともに、圧力コントローラ(PC)により圧力
を検出して圧力制御弁15を作動させて0.9MPaG
の圧力を保持するように操作した。処理液は処理液排出
ライン13から処理液タンク16に排出した。なお、触
媒はチタン−鉄の酸化物と白金からなる触媒(白金0.
3重量%)を1リットル使用した。処理水のCOD濃度
は75mg/リットルまで低減できた。 (比較例1)超音波照射処理を行わないこと以外は、実
施例1と同じ装置および排水を用いて実施例1と同様の
処理を行った。処理水のCOD濃度は1800mg/リ
ットルであった。 (実施例2)実施例1と同様の装置を用いてダイオキシ
ン類含有排水の処理を行った。処理に供した排水のダイ
オキシン類濃度は150ng/リットル、TEQ1.2
ng/リットルであった。処理水のダイオキシン類濃度
は0.9ng/リットル、TEQ0.01ng/リット
ルであった。 (比較例2)超音波照射処理を行わないこと以外は、実
施例2と同じ装置および排水を用いて実施例2と同様の
処理を行った。処理水のダイオキシン類濃度は1.5n
g/リットル、TEQ0.03ng/リットルであっ
た。
【0051】
【発明の効果】本発明によれば、排水中に含有される有
害物質を、二次的に有害物質を生成することなく、炭酸
ガス、水、および溶解塩類や灰分などに効率よく転換せ
しめ、無害化することが可能である。また、本発明は特
に、排水中に含有される有害物質にダイオキシン類が含
まれる場合に有効である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る処理装置の実施態様のひとつであ
る。
【符号の説明】
1.排水供給ライン 2.ポンプ 3.ライン 4.酸化剤供給ライン 5.コンプレッサー 6.超音波照射処理装置 7.熱交換器 8.加熱器 9.湿式酸化反応器 10.処理液ライン 11.冷却器 12.気液分離器 13.処理液排出ライン 14.液面制御弁 15.圧力制御弁 16.処理液タンク 17.排ガス排出ライン
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) C07D 319/24 C07D 319/24 Fターム(参考) 4D037 AA11 AB14 BA26 BB09 CA11 4D050 AA12 AB19 BB01 BC01 BC02 BC06 BC07 BC09 CA01 CA07 4G069 AA03 BA01A BA02A BA04A BA05A BA08A BB02A BB02B BB04A BB06A BB06B BC31A BC32A BC33A BC42A BC43A BC50A BC50B BC58A BC60A BC62A BC66A BC66B BC67A BC68A BC70A BC71A BC72A BC74A BC75A BC75B CA05 CA07 CA10 CA11 CA19 DA05 EA02Y 4H006 AA05 AC26 BA05 BA09 BA10 BA16 BA19 BA22 BA30 BA32 BA33 BA91 BC11 BC14

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】排水中の有害物質を、触媒および酸素源の
    存在下、該排水が液相を保持する圧力下で、酸化および
    /または分解する湿式酸化処理において、湿式酸化反応
    器の上流側で当該排水に超音波照射処理を行うことを特
    徴とする排水の処理方法。
  2. 【請求項2】排水中の有害物質にダイオキシン類が含ま
    れる請求項1に記載の排水の処理方法。
  3. 【請求項3】湿式酸化処理において用いる触媒が、チタ
    ン、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、マンガン、
    鉄、コバルト、ニッケル、クロム、ランタン、セリウ
    ム、タングステン、銅、銀、金、白金、パラジウム、ロ
    ジウム、ルテニウムおよびイリジウムから選ばれる少な
    くとも1種の元素、および/または活性炭を含有する触
    媒である請求項1または2に記載の排水の処理方法。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR100462706B1 (ko) * 2002-07-15 2004-12-20 한국해양연구원 팔라듐-알루미나 촉매 및 초음파를 이용한 다이옥신 독성저감 방법
CN115259456A (zh) * 2022-07-26 2022-11-01 爱环吴世(苏州)环保股份有限公司 一种催化湿式氧化废水处理系统及处理工艺
WO2023138073A1 (zh) * 2022-01-19 2023-07-27 南京延长反应技术研究院有限公司 一种超声波废水处理的装置及方法

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