JP2002086035A - 超音波噴霧装置 - Google Patents

超音波噴霧装置

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次郎 沢口
Takayoshi Toyomi
孝義 豊見
Kunitoshi Kono
國敏 河野
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Tokai Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 噴霧性能が優れて、噴霧性能が安定な殺虫剤
や芳香剤などの液体を空気中に噴霧させる超音波噴霧装
置を提供すること。 【解決手段】 噴霧すべき液体を入れる容器4と、下端
部より液体が供給され、上端部に軸心に対して傾斜した
表面11が形成された毛細管現象を利用した導液芯材1
と、水平方向に振動する圧電超音波振動子20と、この圧
電超音波振動子20の振動面に貼り付けられて、導液芯材
1の先端部を挿通して保持する鞘22とを具備し、鞘22
は、段部25を介して内径が大きい貫通孔23および内径が
小さい貫通孔24を有し、段部25の部位で斜めに切断した
ものであり、超音波振動する導液芯材1の上端部の傾斜
した表面11から液体を振り飛ばして霧散させる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、殺虫剤や芳香剤
などの液体を空気中に噴霧させる超音波噴霧装置関し、
特に、噴霧効率が優れて、噴霧性能が安定するように構
成したものである。
【0002】
【従来の技術】液体を噴霧する超音波噴霧装置として、
特開平8-84949号公報、特開平8-215308号公報、特開平1
1-56195号公報などに開示されているように、容器に入
れた液体を毛細管現象を利用した導液芯材によって吸い
上げ、導液芯材の上端面に接することなく近接するよう
に超音波振動子および振動板を配置して、液体の表面張
力以上の超音波振動エネルギーを与えて、導液芯材の上
端面の液体を微小な液滴として空気中に放出させるよう
に構成した小電力で動作する超音波噴霧装置が従来より
提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】このような従来の超音
波噴霧装置においては、導液芯材の上端面に存在する液
体に表面張力以上の超音波振動エネルギーを与えて霧散
させるために、導液芯材の上端面と超音波振動子との間
隔を周期的に変化させている。
【0004】しかし、導液芯材の上端面と超音波振動子
との設定間隔、超音波振動子の振幅の大小などによっ
て、単位時間当たりの噴霧量が著しく変化し、噴霧性能
のバラツキが大きく、かつ、構造が複雑で高価になるの
で実用化されたものは少ない。
【0005】そこで、この発明は、噴霧効率が優れ、噴
霧性能が安定してバラツキのない超音波噴霧装置を提供
するために考えられたものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】この発明の超音波噴霧装
置は、噴霧すべき液体を入れる容器4と、下端部より液
体が供給され、上端部に軸心に対して傾斜した表面11が
形成された毛細管現象を利用した導液芯材1と、水平方
向に振動する圧電超音波振動子20と、この圧電超音波振
動子20の振動面に貼り付けられて、導液芯材1の先端部
を挿通して保持する鞘22とを具備し、鞘22は、段部25を
介して内径が大きい貫通孔23および内径が小さい貫通孔
24を有し、段部25の部位で斜めに切断したものである。
【0007】
【発明の実施の形態】この発明の超音波噴霧装置は、図
1の断面図および一部を截断して示した図2の斜視図に
示すように、噴霧すべき液体を入れる容器4と、導液芯
材1と、加振モジュール2と、駆動回路6とにより構成
されている。
【0008】容器4は、液体を入れる容積の大きい部分
41と、首部42とにより構成されており、首部42の下部に
スポンジや綿などの保液部材5が設けられている。
【0009】導液芯材1は、図3の組立図に示すよう
に、軸方向に多数の毛細管を有するポリアセタールなど
の耐薬品性プラスチックで作った軽量で弾性を有するも
のであり、導液芯材1の上端部には、軸心に対して斜め
に裁断された表面11が形成されている。
【0010】導液芯材1に形成される毛細管は、管状の
ものに限ることなく、図4(a〜c)の断面図に示すよ
うに、対向する壁面で囲まれた狭い空間を有する流動抵
抗の少ない種々の隙間形状のものであればよい。
【0011】図2の斜視図および図3の組立図に示すよ
うに、加振モジュール2は、導液芯材1の上端部を横方
向に振動させる超音波振動子20と、導液芯材1を保持す
る鞘22と、超音波振動子20を保持する保持部材21とによ
り構成され、超音波振動子20は、厚み方向に振動するも
ので駆動回路6により駆動される。
【0012】加振モジュール2における導液芯材1を保
持する鞘22は、図5(a)の縦断面図、図5(c)の平面図
に示すように、段部25を介して内径が大きい貫通孔23お
よび内径が小さい貫通孔24よりなるパイプを加工したも
ので、パイプの側面に平坦面29を形成し、この平坦面29
が上になるように段部25の部位で斜めに切断したもので
あって、図5(b)の正面図に示す切断面26が形成されて
いる。
【0013】図3の組立図(a)、(b)に示すように、加
工された鞘22の平坦面29に接着剤を塗布して超音波振動
子20に貼り付ける。
【0014】導液芯材1は、その上部を鞘22に挿し込ん
で超音波振動子20で振動させられるものであり、導液芯
材1の上端面は、鞘22の切断面26と一致した平面11を形
成するように斜めに切断されている。
【0015】次に、鞘22を図5に示す形状とした理由を
説明する。超音波振動子20の振幅は?μm程度であるか
ら、超音波振動子20の振動面と導液芯材1との間の振動
伝達媒体に?μm以上の隙間が存在すると、導液芯材1
に超音波振動が伝達されなくなる。特に、鞘22の内面と
導液芯材1との間に?μm以上の隙間が存在すると超音
波振動が伝達されないが、このように隙間がないような
寸法精度で鞘22および導液芯材1を加工して挿通するこ
とは極めて困難である。
【0016】そこで、図3に示すように、鞘22に導液芯
材1を挿通したとき、鞘22の大きい貫通孔23と導液芯材
1との間に隙間が存在しても、導液芯材1の先端部が鞘
22の切断面26において、導液芯材1が段部25の角部27に
よって押し出されて曲げられるので、大きい貫通孔23の
開口部28と角部27との間に、導液芯材1の先端部が振動
伝達を妨げる隙間なく保持されるのである。
【0017】導液芯材1の中間部は、蛇腹3の下端のフ
ランジ31にあけた穴に液密に嵌着して支持され、蛇腹3
の上端のフランジ32にあけた導液芯材1の外径より大き
い穴35に導液芯材1を振動自在に挿通して、上端のフラ
ンジ32の外周面を容器4の首部42の上端部に液密に固定
することにより、導液芯材1の振動を妨げることなく、
導液芯材1を容器4に液密に支持することができる。
【0018】このように、蛇腹3を介して、導液芯材1
を容器4に液密に支持すると、容器4内の液体が減少し
たときに、容器4内が外気より負圧になって毛細管現象
では液体を吸い上げることができなくなったり、また、
温度変化により容器内外の圧力が異なって導液芯材1の
上端より液体が漏出することがあるので、蛇腹3の下端
のフランジ31および上端のフランジ32の各外周部に、ス
リットまたは小穴よりなるリーク穴33、34をあけて、上
端フランジ32のリーク穴33、容器4の首部42の内壁と蛇
腹3との隙間、下端のフランジ31のリーク穴34を介して
容器4の内外を連通させる。
【0019】そして、図2および図6に示すように、容
器4の首部42は、ラッパ状に開いた下開口部82および導
液芯材1を通す上開口部81を有する容器保持部材8によ
って保持される。この容器保持部材8と加振モジュール
2との位置関係を正確に設定しておくことにより、容器
4の首部42を容器保持部材8に挿入することにより、導
液芯材1を鞘22に位置決めしながら容易に挿通すること
ができるので、容器4内の液体がなくなった場合には簡
単に交換することができる。
【0020】次に、このように構成された超音波噴霧装
置の動作について説明する。
【0021】噴霧すべき液体が満たされた容器4内に挿
入されている導液芯材1の下端より、保液部材5を介し
て液体が毛細管現象によって吸い上げられて導液芯材1
の上端部表面11まで到達する。
【0022】駆動回路6を動作させて超音波振動子20を
振動させると、導液芯材1の頂部が水平方向に振動させ
られる。導液芯材1の上端部には軸心に対して傾斜した
表面11が形成されているので、上端部表面の液体は振動
により振り飛ばされて、微粒子状態になってケース7の
開口部71より霧散し、やがて気化して空気中に拡散する
のである。
【0023】なお、駆動回路6の出力を調整して超音波
振動子20の振幅を変化させることにより、液体の噴霧量
を調整することができる。
【0024】また、駆動回路6を連続的に動作させて超
音波振動子20を振動させ続けると、必要量以上の液体を
霧化させて好ましくない場合には、駆動回路6を間欠的
の動作させて、動作期間と休止期間との比を適当に調整
することにより、単位時間当たり所望量の液体を霧化さ
せることができる。
【0025】また、ケース7に電動ファンを設けて、開
口部71より空気を流出させると、噴霧量を一層増大させ
ることができる。
【0026】
【発明の効果】以上の実施の形態に基づく説明から明ら
かなように、この発明の超音波噴霧装置は、毛細管現象
を利用して導液芯材1の下端部より供給された液体を、
超音波振動する上端部の傾斜した表面から振り飛ばして
霧散させるように構成されているので、噴霧効率が優
れ、噴霧性能が安定しており、単位時間当たりの噴霧量
の調整を容易に行なうことができる。また、構造が簡単
であり安価に製造することができる。さらに、導液芯材
1は、蛇腹3を介して容器4に液密に固定されているの
で、転倒させても液体が漏れ出すことはない。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の超音波噴霧装置の実施の形態を示す
断面図、
【図2】この発明の装置の実施の形態を一部を截断して
示した斜視図、
【図3】この発明の装置における加振モジュールの組立
図、
【図4】この発明の装置で使用する導液芯材の断面図、
【図5】加振モジュールにおける鞘の縦断面図(a)、正
面図(b)、平面図(c)、
【図6】この発明の装置の要部を示す斜視図である。で
ある。
【符号の説明】
1 導液芯材 2 加振モジュール 3 蛇腹 4 容器 5 保液部材 6 駆動回路 7 ケース 8 容器保持部材 11 傾斜した表面 20 超音波振動子 21 保持部材 22 鞘 23 内径が大きい貫通孔 24 内径が小さい貫通孔 25 段部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 豊見 孝義 静岡県駿東郡小山町須走下原3−4 株式 会社東海内 (72)発明者 河野 國敏 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 2B121 CA02 CA16 CA51 CA60 CB02 CB12 CC02 CC13 DA59 EA01 FA05 FA15 4C002 AA01 DD03 DD08 EE02 4D074 AA05 BB03 BB06 DD09 DD14 DD70

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】噴霧すべき液体を入れる容器と、 下端部より上記液体が供給され、上端部に軸心に対して
    傾斜した表面が形成された毛細管現象を利用した導液芯
    材と、 水平方向に振動する圧電超音波振動子と、 該圧電超音波振動子の振動面に貼り付けられて、上記導
    液芯材の先端部を挿通して保持する鞘とを具備し、 上記鞘は、段部を介して内径が大きい貫通孔および内径
    が小さい貫通孔を有し、上記段部の部位で斜めに切断し
    たものであることを特徴とする超音波噴霧装置。
  2. 【請求項2】導液芯材が毛細管現象により液体を上昇さ
    せる耐薬品性の合成樹脂成形物であることを特徴とする
    請求項1に記載の超音波噴霧装置。
  3. 【請求項3】導液芯材を蛇腹下端のフランジにあけた穴
    により液密に支持し、蛇腹上端のフランジの穴に導液芯
    材を振動自在に挿通するとともに、蛇腹上端のフランジ
    の外周面を容器に液密に固定しことを特徴とする請求項
    1に記載の超音波噴霧装置。
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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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