JP2002084797A - 風力発電装置 - Google Patents

風力発電装置

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Abstract

(57)【要約】 【課題】 風力の大幅な変化に対応し常に高能率で発電
を行なわせる。 【解決手段】 風車1により駆動される誘導発電機2と
直流電源12に接続された直流バス4との間に双方向コ
ンバータ3を介在させ、回転エンコーダ26で検出され
た発電機2の回転速度よりも同期速度が低くなる交流周
波数を演算部33において算出し、この算出された周波
数に従って双方向コンバータ3の変換周波数を制御す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は風力発電装置にかか
り、商用電源が存在しない場所においても安定に動作す
る風力発電装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来は、例えば図2に示すように、風車
41で駆動される誘導発電機42の出力を交流−直流コ
ンバータ43で直流に変換し、これを直流−交流インバ
ータ44で商用周波数の交流に戻し、ディーゼル発電機
45などの補助電源の出力と綜合して、需要家の負荷4
6に供給していた。ここで風車41は風速の変化により
回転速度が変化するので、風車の翼のピッチを変更した
り、発電機の極数を変更したり、発電機に供給する交流
電流の周波数を変更するなどして、常に発電作用が営ま
れるように調節する必要があった。
【0003】また、図3に示す従来の装置は、風車51
で駆動される交流発電機52の出力をディーゼル発電機
53の出力と共に負荷54に供給する一方で、発電出力
を交流−直流コンバータ55を経て蓄電池56に充電
し、かつ蓄電池56から取出したエネルギーを直流−交
流コンバータ57を経て負荷54に供給できるように構
成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】図2に示す装置では風
速が0または微風のときは負荷46に電力を供給できな
いので、ディーゼル発電機45または商用電源から電力
を供給することになる。そして風が強いときは、風車の
翼のピッチを変更してエネルギーを逃すため、風のエネ
ルギーを十分利用できなかった。
【0005】図3に示す装置は、発電機52とディーゼ
ル発電機53の出力の合計が負荷54の消費電力に較べ
て余裕があれば、交流−直流コンバータ55を動作させ
て蓄電池56を充電し、更に発電機52の出力が大きい
場合には、ディーゼル発電機53の出力を落とすことに
よってその燃料を節約することができる。そして風速が
0または微風の場合には、直流−交流コンバータ57で
動作させて、風力発電機52及びディーゼル発電機53
の出力に加えて蓄電池56のエネルギーも利用すること
ができる。しかし、風力が急激に増大した場合、風車の
翼のピッチの変更や発電機の極数の変更では、余剰電力
を迅速に放出できない問題がある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明は、風力によって
駆動される誘導発電機と、直流電源に接続されている直
流バスと、上記誘導発電機と上記直流バスとの間に介在
し外部制御により変換周波数が制御される双方向コンバ
ータと、上記直流バスと発電機負荷との間に介在して直
流電力を商用周波数に変換するインバータと、上記双方
向コンバータの変換周波数を制御する制御手段とからな
る。
【0007】そして、上記制御手段は上記双方向コンバ
ータの変換周波数を次のような態様で制御する。回転誘
導電機には電源周波数と極数とで決まる同期速度があ
り、その回転速度が同期速度より遅い場合は電動機とし
て動作し、その回転速度が同期速度より速い場合に発電
機として動作する。従って風力による誘導発電機の回転
速度が常に同期速度より速くなるように電源周波数を制
御すれば、常に安定した発電状態を得ることができるの
で、上記双方向コンバータの変換周波数をこのように制
御する。そして、この双方向コンバータは、誘導発電機
側から見れば交流電源として動作し、直流バス側から見
れば直流電源として動作することになる。
【0008】上記直流電源として、蓄電池と、この蓄電
を制御信号によって高周波で断続的に上記直流バスに放
電させる放電回路を使用することが望ましい。上記制御
信号は、誘導発電機の出力の存在を検出し、少なくとも
この出力検出信号が存在する間は上記制御信号が上記放
電回路へ送られ、これにより直流バスに供給された蓄電
池の放電電流は上記双方向コンバータにおいて交流に変
換され、誘導発電機に励磁用交流電流として供給され
る。
【0009】上記蓄電池充放電回路の好ましい例は、制
御信号により高周波でオンオフする半導体スイッチに、
リアクトルと蓄電池の直列回路を並列に接続した回路で
ある。この回路は、スイッチオン時に蓄電池の電流をリ
アクトルを経由して放電させ、次のスイッチオフ時にリ
アクトルの蓄積エネルギーと蓄電池のエネルギーを直列
にして直流バスに供給する。また、この回路は上記半導
体スイッチと180°の位相差でオンオフする半導体ス
イッチよりなる充電回路を併設することにより、異なる
制御態様の充電及び放電を事実上同時に行なわせること
ができる。
【0010】また、上述の装置には、高周波の制御信号
によってオンオフするチョッパー回路と抵抗負荷との直
列回路よりなる過負荷放電回路を設けることが望まし
い。この過負荷放電回路は、誘導発電機の出力が急激に
増大した場合でも、遅滞なく余剰電力を抵抗負荷に吸収
させて、発電回路への悪影響を防ぐことができる。
【0011】
【発明の実施の形態】図1において、風車1によって駆
動される誘導発電機2の出力は、双方向コンバータ3に
おいて整流されて直流バス4に直流電力として供給さ
れ、インバータ5において50Hzまたは60Hzの商
用周波数の交流に変換され、ディーゼル交流発電機6の
出力と綜合されて需要家の負荷7に供給される。そし
て、直流バス4には、チョッパー8及び抵抗負荷9の直
列回路で構成された過負荷放電回路10と蓄電池11を
含む蓄電池充放電回路12とが接続されている。
【0012】双方向コンバータ3はバイポーラトランジ
スタ、絶縁ゲートバイポーラトランジスタ、FETなど
の半導体スイッチング素子13、14、15、16がブ
リッジ接続され、かつ各スイッチング素子にはそれぞれ
フライホイールダイオード17、18、19、20が並
列に接続されている。また蓄電池充放電回路12は、直
列に接続された上述のようなスイッチング素子21及び
22と、これらにそれぞれ並列に接続されたフライホイ
ールダイオード23及び24を有し、その中間点にはリ
アクトル25を介して蓄電池11が接続されている。
【0013】誘導発電機2の回転速度はエンコーダ26
によって検出され、その出力電圧及び出力電流は変成器
27及び変流器28によって検出される。インバータ5
の交流出力電圧は変成器29によって検出され、負荷7
の消費電流及びディーゼル発電機6の出力電流はそれぞ
れ変流器30及び31によって検出される。これらの検
出信号は制御装置32の演算部33に送られ、ここで双
方向コンバータ3のスイッチング素子13〜16、イン
バータ5、チョッパー8、蓄電池充放電回路12のスイ
ッチング素子21及び22などの制御態様が演算され
る。そして、この演算結果に基づいてドライバー部34
は各被制御部分に制御信号を送りこむ。
【0014】ここで、装置の各部は次のように動作す
る。誘導発電機2は、電源周波数及び極数によって決ま
る同期速度よりも回転速度が遅いときは電動機として動
作し、同期速度よりも回転速度が速いときは発電機とし
て動作する。従って双方向コンバータ3は、ドライバー
部34からの制御信号に基づいて、直流バス4の直流を
上述の発電機として動作する周波数の交流に変換して誘
導発電機2に供給する一方で発電された交流を直流に変
換して直流バス4に供給する。
【0015】蓄電池充放電回路12では、誘導発電機2
の発電中はその励磁電流を維持するためにスイッチング
素子22が制御装置32からの制御信号によって絶えず
高周波でオンオフし、オン動作の都度蓄電池11の電流
をリアクトル25を通して放電させ、オフ動作時にリア
クトル25の蓄積エネルギーを蓄電池11のエネルギー
に重畳し、ダイオード23を経て直流バス4に送りこ
む。そして誘導発電機2の発電量に余裕があるときは、
制御装置32はスイッチング素子21をスイッチング素
子22と180°異なる位相でオンオフさせ、そのオン
動作時に直流バス4の電流をリアクトル25で平滑化し
て蓄電池11に充電させる。また、蓄電池11の充電電
流及び放電電流を、変成器29及び変流器30より得ら
れたデータに基づいて、制御部32で適切に制御して、
直流バス4及び負荷7の電圧を一定に維持する。
【0016】過負荷放電回路10のチョッパー8は、誘
導発電機2の発電量が過大な場合に、制御装置32から
の制御信号によって高周波でオンオフし、オン動作中に
直流バス4の電流を抵抗負荷9を通して放電させて、回
路を保護する。
【0017】なお、ディーゼル発電機6の発電量を、制
御装置32の制御信号により誘導発電機2の発電量に応
じて減少させ、或いは停止させて、燃料を節減すること
もできる。
【0018】上述の発電装置の風力ごとの動作は次の通
りである。無風または微風のとき:制御装置32は双方
向コンバータ3へ制御信号を送らず、従って発電しな
い。蓄電池充放電回路12のスイッチング素子22は制
御装置32からの制御信号によって高周波でオンオフ
し、蓄電池11のエネルギーは直流バス4及びインバー
タ5を経由して需要家の負荷7へ送られる。蓄電池11
の充電及び過負荷放電回路10による放電は行なわれな
い。
【0019】弱風のとき:無風時と同様に、スイッチン
グ素子22の動作により蓄電池11から直流バス4に直
流電力が供給されている。誘導発電機2は低速で回転
し、制御装置32は低い周波数の制御信号を双方向コン
バータ3へ送り、直流バス4の直流電力を誘導発電機2
の発電動作に適した低い周波数の交流に変換して、これ
を誘導発電機2に供給する。そして発電された交流電力
は、双方向コンバータ3において直流に変換して直流バ
ス4に送りこむ。蓄電池11から直流バス4への放電量
は、発電量に応じて減少するようにスイッチング素子2
2は制御装置32によって制御される。このときも、蓄
電池11の充電及び過負荷放電回路10による放電は行
なわれない。
【0020】適正な風のとき:誘導発電機2は適正な速
度で回転し、双方向コンバータ3は直流を発電に適した
周波数の交流に変換して誘導発電機2へ供給する一方
で、発電された交流を直流に変換して直流バス4に送り
こむ。このときも蓄電池11から直流電力が引出される
が、同時にスイッチング素子21が作動して充電も行な
われる。従って、誘導発電機2の発電電力は、専らイン
バータ5を経由して負荷7へ送られる。過負荷放電回路
10はこのときも作動しない。
【0021】風力が大きいとき:このときも風力が適正
なときと同様な動作が営ませるが、変成器27及び変流
器28によって検出される発電電力が、変成器29及び
変流器30によって検出される負荷7の消費電力を上廻
るので、制御装置32はスイッチング素子21を充電量
が増加する方向に制御し、過剰な電力は蓄電池11に充
電される。過負荷放電回路10はこのときも作動しな
い。
【0022】風力が過大なとき:上述の風力が大きいと
きと同様に、蓄電池11の充電と放電とが行なわれる
が、蓄電池11の充電だけでは過剰電力を処理すること
ができないので、制御装置32からの制御信号によって
チョッパー8が高周波でオンオフし、過剰な電力を抵抗
負荷9を通して放電させる。
【0023】なお、ディーゼル発電機6は負荷7に安定
した電力を供給するために設けたものであるが、風力で
駆動される誘導発電機2の出力が増大するにつれ、制御
装置32が生ずる制御信号によって、ディーゼル機関に
供給される燃料油を絞るなどして、その燃料油の消費量
を減少させることも可能である。
【0024】上記実施の形態では、誘導発電機2の交流
出力を検出するために、これと双方向コンバータ3との
間に変成器27及び変流器28を設けているが、誘導発
電機2の出力は直流バス4を流れる直流の電圧及び電流
によっても検出することができ、この場合は交流用の変
成器27及び変流器28は不要になる。
【0025】
【発明の効果】以上の実施例から明らかなように、本発
明の風力発電装置は商用交流電源が存在しない地域にお
いても実施することができ、誘導発電機の励磁交流電源
として常に現在の回転速度から見て最適の周波数の交流
を供給しているために発電量の大きさに関係なく高い発
電効率を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施例の回路図である。
【図2】従来の風力発電装置の一例の概要を示すブロッ
ク図である。
【図3】従来の風力発電装置の他の例の概要を示すブロ
ック図である。
【符号の説明】
1 風車 2 誘導発電機 3 双方向コンバータ 4 直流バス 5 インバータ 6 ディーゼル発電機 7 需要者側の負荷 8 チョッパー 9 抵抗負荷 10 過負荷放電回路 11 蓄電池 12 蓄電池充放電回路 13〜16 スイッチング素子 17〜20 フライホイールダイオード 21、22 スイッチング素子 23、24 フライホイールダイオード 25 リアクトル 26 回転エンコーダ 27 変成器 28 変流器 29 変成器 30 変流器 32 制御装置 33 演算部 34 ドライバー部
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H02J 3/32 H02J 3/32 5H590 3/46 3/46 E H02M 7/12 H02M 7/12 A 7/48 7/48 R Fターム(参考) 3H078 AA02 AA26 BB04 BB11 CC22 CC32 CC73 5G066 HA30 HB05 JA05 JB03 5H006 AA00 BB01 CA01 CA02 CA07 CB01 CB08 DA03 DC02 DC03 DC05 FA01 5H007 AA00 BB01 BB06 CA01 CA02 CB02 CB05 CC12 DA03 DA04 DB02 DB03 DC02 DC03 DC05 FA01 5H420 BB11 BB15 CC04 DD02 EA11 EA12 EA45 EB40 FF03 FF04 FF06 LL02 5H590 AA02 AB01 AB04 CA14 CC09 CC22 CD01 CD03 CD10 CE05 DD41 EB02 FA08 FB03 FC12 FC14 FC23 HA02 HA04 HA06 HA27 HB02 HB03 HB04 HB20

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 風力によって駆動される誘導発電機と、
    直流電源に接続されている直流バスと、上記誘導発電機
    と上記直流バスとの間に介在し外部制御により変換周波
    数が制御される双方向コンバータと、上記直流バスと発
    電機負荷との間に介在して直流電力を商用周波数の交流
    に変換するインバータと、上記誘導発電機の回転速度に
    基づいてそれよりも同期速度が低くなる周波数への変換
    が行なわれるように上記双方向コンバータを制御する手
    段とからなる風力発電装置。
  2. 【請求項2】 上記直流電源は、蓄電池と、この蓄電池
    を制御信号により高周波で継続的に上記直流バスへ放電
    させる放電回路とを有し、上記放電回路に上記誘導発電
    機の発電動作中上記制御信号を供給する手段が設けられ
    ていることを特徴とする請求項1記載の風力発電装置。
  3. 【請求項3】 上記直流電源は、蓄電池と、この蓄電池
    に第1の制御信号に基づいて高周波で断続的に上記直流
    バスから充電する充電回路と、上記蓄電池から第2の制
    御信号に基づいて高周波で断続的に上記直流バスに放電
    させる放電回路とを有し、上記充電回路には上記誘導発
    電機の発電出力と上記インバータに接続された発電機負
    荷の消費電力とを比較して発電出力に余裕がある場合に
    第1の制御信号を供給する手段が結合され、上記放電回
    路には上記誘導発電機の発電動作中第2の制御信号を供
    給する手段が結合されていることを特徴とする請求項1
    記載の風力発電装置。
  4. 【請求項4】 上記直流電源は、上記直流バスに順方向
    に接続された第1の半導体スイッチング素子と、これに
    順方向で直列に接続された第2の半導体スイッチング素
    子と、各スイッチング素子にそれぞれ逆方向で並列に接
    続されたダイオードと、第2のスイッチング素子に並列
    に接続されたリアクトル及び蓄電池の直列回路とよりな
    り、第1のスイッチング素子には上記誘導発電機の発電
    出力と上記インバータに接続された発電機負荷の消費電
    力とを比較して発電出力に余裕がある場合に当該スイッ
    チング素子を高周波でオンオフ制御する制御信号の供給
    手段が結合され、第2のスイッチング素子には、上記誘
    導発電機の発電動作中当該スイッチング素子を高周波で
    オンオフ制御する制御信号の供給手段が結合されている
    ことを特徴とする請求項1記載の風力発電装置。
  5. 【請求項5】 上記直流バスにはチョッパー及び抵抗負
    荷の直列回路よりなる過負荷放電回路が接続され、上記
    チョッパーは上記誘導発電機の発電出力と上記インバー
    タに接続された発電機負荷の消費電力とを比較して、発
    電機出力が著しく過大な場合に当該チョッパーを高周波
    でオンオフ制御する制御信号の供給手段に結合されてい
    ることを特徴とする請求項1記載の風力発電装置。
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