JP2002084745A - スイッチング電源装置の同期整流回路 - Google Patents

スイッチング電源装置の同期整流回路

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JP2002084745A JP2000270587A JP2000270587A JP2002084745A JP 2002084745 A JP2002084745 A JP 2002084745A JP 2000270587 A JP2000270587 A JP 2000270587A JP 2000270587 A JP2000270587 A JP 2000270587A JP 2002084745 A JP2002084745 A JP 2002084745A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 整流スイッチング素子の効率を向上する。ま
た、電源装置の低出力電圧化に対応できるようにする。 【解決手段】 整流スイッチング素子6に電流が流れ始
めると、整流スイッチング素子6がインピーダンスの低
い補助巻線21に誘起された電圧により急激に立ち上が
る。したがって、整流スイッチング素子6は電流の流れ
が最大値に近い時点で素早くオンし、整流スイッチング
素子6のオン抵抗を小さくできる。また、補助巻線21に
誘起した電圧を、そのまま整流スイッチング素子6の駆
動信号として供給しており、出力電圧に左右されない。
よって、電源装置の低出力電圧化に対応できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はスイッチング電源装
置に関わり、特に整流素子として整流スイッチング素子
を用いて主スイッチング素子との同期整流を行なうスイ
ッチング電源装置の同期整流回路に関する。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】一般に、この種のスイ
ッチング電源装置においては、トランスの2次巻線に誘
起した電圧を整流する整流回路に整流ダイオードを使用
すると、この整流ダイオードの順方向電圧による損失が
大きいため、例えば電界効果トランジスタ(MOS型F
ET)のような整流スイッチング素子を代わりに用いた
同期整流回路が知られている。
【0003】例えば特開平7-115766号公報に
は、フライバック型のスイッチング電源装置において、
主スイッチング素子をオフするのに伴ない、MOS型F
ETからなる整流スイッチング素子のボディダイオード
を通してカレントトランスに電流が流れると、カレント
トランスの2次巻線に接続した抵抗によってこの電流に
見合う電圧が発生し、この電圧と基準電圧とを比較する
比較器の出力がH(ハイ)レベルになって、駆動回路を
通して整流スイッチング素子がオンする。その後、トラ
ンスに蓄えられたエネルギーが出力側に移動し、整流ス
イッチング素子を流れる電流がゼロになると、比較器の
出力がL(ロー)レベルになって、整流スイッチング素
子をオフさせる同期整流回路が開示されている。そして
この場合は、整流スイッチング素子に電流が流れなくな
ったときに、整流スイッチング素子をオフさせる制御信
号を与えることにより、トランスの補助巻線電圧を反転
させて、主スイッチング素子のオン信号を送出するよう
にしている。
【0004】また、特許第2976180号公報にも、
整流スイッチング素子を流れる電流をカレントトランス
で検出して、この整流スイッチング素子をオン,オフさ
せる同期整流回路が開示されている。具体的には、ダイ
オードと整流スイッチング素子であるMOS型FETと
の並列回路にカレントトランスの1次巻線を直列に接続
し、カレントトランスの2次巻線に抵抗を並列に接続
し、この抵抗とMOS型FETのゲートとの間にカレン
トトランスの出力インピーダンスを下げるバッファアン
プを接続して構成され、フライバックコンバータを構成
するトランスの励磁エネルギーが電気エネルギーとして
放出し終わると、カレントトランスの出力信号の極性を
反転させ、整流スイッチング素子をオフにする。これに
より、出力電流が小さくなって不連続期間が生じたとき
の逆電流の発生を防止して、効率の向上を図るようにし
ている。
【0005】このように、上記同期整流回路において
は、主スイッチング素子に同期して整流スイッチング素
子を単にオンさせるだけでなく、整流スイッチング素子
を流れる逆電流を阻止するために、強制的にオフさせる
ように構成している。
【0006】しかし、上記従来技術の各回路では、カレ
ントトランスを流れる電流を監視して整流スイッチング
素子をオンさせるため、立ち上りが遅く整流スイッチン
グ素子の効率向上を果たせない。また、上記特許第29
76180号公報では、カレントトランスに電流が流れ
ると、バッファアンプを構成する一方のトランジスタを
経由して、出力電圧がMOS型FETのゲートに供給さ
れるようになっているが、近年は出力電圧がDC2Vや
3.3Vなどの低電圧化の要求が高まっているので、こ
うした低出力電圧の下で整流スイッチング素子を駆動す
ることができない。
【0007】そこで本発明は上記問題点に鑑み、整流ス
イッチング素子の効率を向上するとともに、電源装置の
低出力電圧化に対応できる同期整流回路を提供すること
をその目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1におけ
るスイッチング電源装置の同期整流回路は、トランスの
2次巻線に接続され、整流素子として整流スイッチング
素子を用いたスイッチング電源装置の同期整流回路にお
いて、前記整流スイッチング素子を流れる電流を検出す
るカレントトランスと、前記トランスに巻回される補助
巻線と、前記補助巻線に発生した電圧を前記整流スイッ
チング素子にオン信号として供給する整流スイッチング
素子駆動回路と、前記カレントトランスの2次巻線に発
生した検出信号により、前記整流スイッチング素子を流
れる電流が逆向きになる前に前記整流スイッチング素子
をオフさせる整流スイッチング素子停止回路とを備えて
構成される。
【0009】整流スイッチング素子に電流が流れ始める
と、整流スイッチング素子がインピーダンスの高いカレ
ントトランスではなく、インピーダンスの低い補助巻線
に誘起された電圧により急激に立ち上がるので、整流ス
イッチング素子は電流の流れが最大値に近い時点で素早
くオンする。したがって、従来のカレントトランスによ
る駆動に比べて、整流スイッチング素子のオン抵抗を小
さくすることができ、整流スイッチング素子ひいては電
源装置の効率を向上できる。また、補助巻線に誘起した
電圧を、そのまま整流スイッチング素子の駆動信号とし
て供給しているので、出力電圧に左右されることなく、
補助巻線のターン数を適宜変えるだけで、整流スイッチ
ング素子をオンさせるに十分な電圧を供給することがで
き、電源装置の低出力電圧化に対応できる。しかも、整
流スイッチング素子を流れる電流が逆向きになる前に、
整流スイッチング素子はオフするので、逆電流の発生を
確実に阻止できる。
【0010】本発明の請求項2におけるスイッチング電
源装置の同期整流回路は、前記整流スイッチング素子駆
動回路が、前記補助巻線と前記整流スイッチング素子と
の間にエミッタ・ホロワを接続して構成されるものであ
る。
【0011】この場合、エミッタ・ホロワが補助巻線と
整流スイッチング素子とのインピーダンスを整合する回
路として作用するので、従来技術に比べ整流スイッチン
グ素子がより高速に立ち上がり、効率がさらに向上す
る。
【0012】本発明の請求項3におけるスイッチング電
源装置の同期整流回路は、前記整流スイッチング素子駆
動回路が、前記補助巻線と前記整流スイッチング素子と
の間にサイリスタ回路を接続して構成されるものであ
る。
【0013】この場合、補助巻線に電圧が誘起して、こ
の電圧を整流スイッチング素子のゲートに駆動電圧とし
て一旦供給すると、整流スイッチング素子のゲート電位
はそのまま保持され、略矩形波形になる。したがって、
整流スイッチング素子がオンした後も、整流スイッチン
グ素子のオン抵抗が小さいままになり、一層効率の向上
を図ることができる。
【0014】本発明の請求項4におけるスイッチング電
源装置の同期整流回路は、前記整流スイッチング素子停
止回路が、前記カレントトランスの2次巻線間に微分回
路を接続して構成されるものである。
【0015】この場合、カレントトランスの2次巻線に
発生する電流の立上がりと立ち下がりで、微分回路から
正負のトリガ信号が発生する。したがって、負のトリガ
信号が発生したときに、整流スイッチング素子をオフさ
せるようにすることで、整流スイッチング素子のオン・
オフ動作の一層の安定化を図ることができる。
【0016】
【発明の実施形態】以下、本発明におけるスイッチング
電源装置の各実施例を添付図面を参照して説明する。図
1および図2は本発明の第1実施例を示し、回路図をあ
らわした図1において、1は直流入力電圧を供給する直
流電源、2は1次側と2次側とを絶縁するトランスであ
り、直流電源1の両端間にトランス2の1次巻線3と例
えばMOS型FETからなる主スイッチング素子4との
直列回路が接続される。また、トランス2の2次巻線5
には、同期整流回路を構成する整流素子として、例えば
MOS型FETからなる整流スイッチング素子6が接続
される。そして、この整流スイッチング素子6と平滑コ
ンデンサ7とにより、トランス2の2次側の整流平滑回
路を構成している。なお、8は整流スイッチング素子6
に内蔵するボディダイオード、+Vo,−Voは、平滑
コンデンサ7の両端間に接続した出力端子である。
【0017】本実施例は、いわゆるフライバック式DC
/DCコンバータの回路構成を有し、主スイッチング素
子4がオンすると、直流電源1からの入力電圧がトラン
ス2の1次巻線に印加され、トランス2にエネルギーが
蓄積される。一方、主スイッチング素子4がオフする
と、トランス2に蓄えられたエネルギーが、整流スイッ
チング素子6またはボディダイオード8を通して、平滑
コンデンサ7や出力端子+Vo,−Vo間に接続する負
荷(図示せず)に送り出されるようになっている。
【0018】11は、整流スイッチング素子6またはボデ
ィダイオード8を流れる電流を検出する電流検出器とし
てのカレントトランスである。カレントトランス11は、
その1次巻線12をトランス2の2次巻線5と整流スイッ
チング素子6との間に挿入接続し、2次巻線13の両端間
に抵抗14が接続される。そして、抵抗14の一端はコンデ
ンサ15と抵抗16とを並列接続して構成されるスピードア
ップ回路17の一端が接続され、抵抗14の他端はカレント
トランス11の1次巻線12から整流スイッチング素子6に
至るラインに接続される。これらのカレントトランス1
1,抵抗14およびスピードアップ回路17は、カレントト
ランス11の2次巻線13に発生した検出信号により整流ス
イッチング素子6をオフさせる整流スイッチング素子停
止回路18を構成している。
【0019】前記トランス2は、1次巻線3および2次
巻線5の他に、独立した補助巻線21を備えており、この
補助巻線21に発生した電圧を前記整流スイッチング素子
6にオン信号として供給する整流スイッチング素子駆動
回路22が、補助巻線21から整流スイッチング素子6のゲ
ートに至る間に設けられる。整流スイッチング素子駆動
回路22は、補助巻線21の一端(非ドット側端子)に抵抗
23とダイオード24との直列回路を接続し、ダイオード24
のカソードに、抵抗25,26とNPN型のトランジスタ27
とからなるインピーダンス変換回路としてのエミッタ・
ホロワを接続し、トランジスタ27のエミッタを整流スイ
ッチング素子6のゲートに接続している。また、一端を
トランジスタ27のベースに接続した抵抗26の他端は、別
のPNP型のトランジスタ28のエミッタが接続され、こ
のトランジスタ28のエミッタと整流スイッチング素子6
のゲートとの間に、放電用のダイオード29が接続される
とともに、トランジスタ28のエミッタ・ベース間に抵抗
30が接続される。そして、トランジスタ28のベースが前
記スピードアップ回路17の他端に接続され、トランジス
タ28のコレクタと、前記補助巻線21の他端(ドット側端
子)が、カレントトランス11の1次巻線12から整流スイ
ッチング素子6に至るラインに接続される。
【0020】上記構成につき、その作用を図2の波形図
を参照しながら説明する。なお、この図2において、最
上段の波形(a)は主スイッチング素子4のゲート・ソ
ース間電圧であり、以下、波形(b)はカレントトラン
ス11の1次巻線12から整流スイッチング素子6に至るラ
インを基準として、トランジスタ27のコレクタに発生す
る電圧であり、波形(c)は抵抗14の両端間電圧であ
り、波形(d)は整流用スイッチング素子6のゲート・
ソース間電圧であり、波形(e)はカレントトランス11
の1次巻線12から整流スイッチング素子6に至るライン
を基準として、トランジスタ28のエミッタに発生する電
圧を示している。
【0021】図2に示すように、主スイッチング素子4
のゲート・ソース間に所定の電圧が印加され、主スイッ
チング素子4がオンすると、トランス2の1次巻線3に
入力電圧が印加され、2次巻線5および補助巻線21のド
ット側端子に正極性の電圧が誘起される。しかし、この
場合はダイオード24がオフするので、整流スイッチング
素子6はオフになる。また、ダイオード8もオフしてい
るので、トランス2の2次巻線5ひいてはカレントトラ
ンス11の1次巻線12にも電流は流れず、トランジスタ27
はオフし、トランジスタ28はオンする。結局、トランス
2の1次巻線3には励磁電流だけが流れ、この励磁電流
に見合うエネルギーがトランス2に蓄積されると共に、
出力端子+Vo,−Voに接続する負荷には、平滑コン
デンサ7からエネルギーが出力電流として供給される。
【0022】その後、主スイッチング素子4のゲート・
ソース間電圧がゼロになって、主スイッチング素子4が
オフすると、トランス2の1次巻線3への入力電圧の印
加が遮断されるので、今度は2次巻線5および補助巻線
21の非ドット側端子に正極性の電圧が誘起される。する
と、ダイオード28がオンして、トランス2の2次巻線5
からカレントトランス11の1次巻線12およびボディダイ
オード8を経由して、平滑コンデンサ7や負荷にエネル
ギー(出力電流)が供給される。また、補助巻線21側に
接続されたダイオード24もオンするので、補助巻線21か
ら抵抗23およびダイオード24を通じて電流が流れる。
【0023】カレントトランス11の2次巻線13は補助巻
線21に比べてターン数が多く、線材の断面積も小さいの
で、補助巻線21よりもインピーダンスが高い。そのた
め、インピーダンスの低い補助巻線21は電圧が急峻に立
ち上がって、ダイオード24がオンし、トランジスタ27の
ベース電位が上昇して、このトランジスタ27が素早くオ
ンする。これにより、補助巻線21に誘起した電圧は、整
流スイッチング素子6の駆動信号として、この整流スイ
ッチング素子6のゲートに素早く供給される。一方、抵
抗14に発生する電圧は、トランジスタ28のベースのイン
ピーダンスが低い関係で、補助巻線21の電圧よりも緩や
かに立ち上がるので、トランジスタ28のベース電位は徐
々に上昇し、やがてトランジスタ28はターンオフする。
【0024】トランス2の2次巻線5から発生する出力
電流は、主スイッチング素子4のターンオフ直後に最大
値に達し、その後この2次巻線n2のインダクタンスに
依存して傾斜降下する。本実施例では、前記整流スイッ
チング素子駆動回路22により、主スイッチング素子4の
ターンオフ直後になるべく近づくように、補助巻線21に
誘起した電圧を整流スイッチング素子6に駆動信号とし
て素早く供給することで、整流スイッチング素子6のオ
ン抵抗を小さくして、効率を向上させることが可能にな
る。また、整流スイッチング素子6を通じて平滑コンデ
ンサ7や負荷に出力電流を流すことにより、同期整流に
よる損失の低減が図られる。
【0025】その後、カレントトランス11の2次巻線13
に発生する電流波形すなわち抵抗14の両端間に発生する
電圧波形は傾斜降下し、トランジスタ28のベース電位が
低下する。そして、抵抗14の両端間に発生する電圧があ
るレベルにまで低下すると、スイッチ手段としてのトラ
ンジスタ28がオンする。そして、抵抗25,26の接続点
(トランジスタ27のベース)の電位が急に低下して、ト
ランジスタ27がカットオフし、整流スイッチング素子6
への駆動信号の供給が遮断される。このとき、整流スイ
ッチング素子6のゲートに蓄積した電荷は、ダイオード
29,トランジスタ28およびダイオード8を介して出力側
に速やかに放電される。このように、整流スイッチング
素子6への駆動信号を遮断するタイミングは、カレント
トランス11の2次巻線13に発生する検出信号が傾斜下降
するのを利用して、この検出信号のレベルで決定され
る。
【0026】このように本実施例では、トランス2の2
次巻線5に接続され、整流素子として整流スイッチング
素子6を用いたスイッチング電源装置の同期整流回路に
おいて、整流スイッチング素子6を流れる電流を検出す
るカレントトランス11と、トランス2に巻回される補助
巻線21と、補助巻線21に発生した電圧を整流スイッチン
グ素子6にオン信号として供給する整流スイッチング素
子駆動回路22と、カレントトランス11の2次巻線13に発
生した検出信号により、整流スイッチング素子6を流れ
る電流が逆向きになる前に整流スイッチング素子6をオ
フさせる整流スイッチング素子停止回路18とを備えて構
成される。
【0027】この場合、整流スイッチング素子6(ボデ
ィダイオード9)に電流が流れ始めると、整流スイッチ
ング素子6がインピーダンスの高いカレントトランス11
の2次巻線13ではなく、インピーダンスの低い補助巻線
21に誘起された電圧により急激に立ち上がるので、整流
スイッチング素子6は電流の流れが最大値に近い時点で
素早くオンする。したがって、従来のカレントトランス
による駆動に比べて、整流スイッチング素子6のオン抵
抗を小さくすることができ、整流スイッチング素子6ひ
いては電源装置の効率を向上できる。また、補助巻線21
に誘起した電圧を、そのまま整流スイッチング素子6の
駆動信号として供給しているので、出力電圧に左右され
ることなく、補助巻線21のターン数を適宜変えるだけ
で、整流スイッチング素子6をオンさせるに十分な電圧
を供給することができ、電源装置の低出力電圧化に対応
できる。しかも、整流スイッチング素子6を流れる電流
が逆向きになる前の所定レベルで、整流スイッチング素
子6はオフするので、逆電流の発生を確実に阻止でき
る。
【0028】また本実施例における整流スイッチング素
子駆動回路22は、補助巻線21と整流スイッチング素子6
との間に、抵抗25,26とトランジスタ27とによるエミッ
タ・ホロワを接続して構成される。この場合、エミッタ
・ホロワが補助巻線21と整流スイッチング素子6とのイ
ンピーダンスを整合する回路として作用するので、従来
技術に比べ整流スイッチング素子6がより高速に立ち上
がり、効率がさらに向上する。
【0029】図3は本発明の第2実施例を示し、上記実
施例と同一部分に同一符号を用いて説明すると、この実
施例では整流スイッチング素子駆動回路22と整流スイッ
チング素子停止回路18との間に、両回路を分離するダイ
オード31を挿入接続して構成される。なお、その他の構
成は第1実施例と共通している。
【0030】カレントトランス11の2次巻線12に電流が
発生した直後は、抵抗14の両端間に発生した電圧はダイ
オード31により遮断されてスイッチング素子駆動回路22
に影響を与えることがなく、トランジスタ27がオンする
一方で、トランジスタ28がオフし、補助巻線21に誘起さ
れた電圧が整流スイッチング素子6のゲートに駆動信号
として供給される。その後、カレントトランス11の2次
巻線12に発生する電流波形が傾斜下降すると、抵抗14の
両端間の電圧が同じように傾斜降下してダイオード31が
オンする。これにより、トランジスタ27がオフすると共
に、トランジスタ28がオンし、整流スイッチング素子6
のゲートにチャージされている電荷がダイオード19,ト
ランジスタ28を通して放電し、整流スイッチング素子6
はオフする。このように本実施例では、整流スイッチン
グ素子6をオンさせるときに、整流スイッチング素子停
止回路18から外部への信号の送り出しを遮断するダイオ
ード31を設けるだけで、整流スイッチング素子6のオ
ン,オフ動作の一層の安定化を簡単に図ることができ
る。
【0031】図4および図5は本発明の第3実施例を示
し、上記実施例と同一部分に同一符号を用いて説明す
る。図4の回路図において、この実施例では整流スイッ
チング素子駆動回路40として、PNP型のトランジスタ
41のコレクタを、抵抗43を介してNPN型のトランジス
タ42のベースに接続すると共に、このトランジスタ41の
ベースをコレクタに直接接続したいわゆるサイリスタ
(SCR)回路44を、前記第1および第2実施例のエミ
ッタ・ホロワ回路に代えて接続した点が注目される。そ
して、トランジスタ41のベース・エミッタ間には抵抗45
が接続され、この抵抗とトランジスタ41のエミッタとの
接続点が、前記ダイオード24のカソードに接続され、ト
ランジスタ41のコレクタとトランジスタ42のエミッタ
が、前記整流スイッチング素子6のゲートに接続され、
トランジスタ42のエミッタ・ベース間に、前記放電用の
ダイオード29が接続される。さらに、トランジスタ42の
ベースがトランジスタ28のエミッタに接続され、このト
ランジスタ28のエミッタとダイオード24のカソードとの
間に、抵抗46とコンデンサ47の並列回路が接続される。
その他の構成は、図3に示す第2実施例と同じである。
【0032】第1実施例や第2実施例におけるエミッタ
・ホロワを用いた回路では、図5の一点鎖線で示すよう
に、抵抗14の両端間電圧が下がるのに伴なって、トラン
ジスタ27のベース電位が低下し、整流スイッチング素子
6のゲート・ソース間電圧も傾斜下降するが、本実施例
のサイリスタ回路44は、補助巻線21に電圧が誘起して、
この電圧を整流スイッチング素子6のゲートに駆動電圧
として一旦供給すると、整流スイッチング素子6のゲー
ト電位はそのまま保持され、図5の実線のように略矩形
波形になる。したがって、整流スイッチング素子6のオ
ン抵抗が小さいままになり、一層効率の向上を図ること
ができる。なお、サイリスタ回路44の構成素子は、実施
例中のものに限られない。
【0033】図6および図7は本発明の第4実施例を示
し、上記実施例と同一部分に同一符号を用いて説明す
る。図6の回路図において、この実施例では前記整流ス
イッチング素子停止回路13における抵抗14に代わって、
カレントトランス11の2次巻線13に発生した検出信号を
微分するコンデンサ51と抵抗52からなる微分回路53を、
カレントトランス11の2次巻線13間に接続して構成され
る。なお、その他の構成は前記第3実施例と同じであ
る。
【0034】第1〜第3実施例では、抵抗14の両端間電
圧が図7の破線で示すような波形になるが、本実施例で
は図7の実線で示す波形のように、カレントトランス11
の2次巻線13に発生する電流の立上がりと立ち下がり
で、抵抗52の両端間に正負のトリガ信号が発生する。し
たがって、負のトリガ信号が発生したときに、整流スイ
ッチング素子6をオフさせるように構成すれば、整流ス
イッチング素子6のオン・オフ動作の一層の安定化を図
ることができる。なお、微分回路53の構成素子は、第4
実施例のものに限られない。
【0035】図8は本発明の第5実施例を示し、上記実
施例と同一部分に同一符号を用いて説明する。この第5
実施例は、フォワード式DC/DCコンバータからなる
スイッチング電源装置に適用した場合を示している。具
体的には、トランス2の2次巻線5に接続される整流回
路の整流素子として、従来のフライホイールダイオード
に代えて前記整流スイッチング素子6を接続するととも
に、第1実施例と同じ整流スイッチング素子駆動回路22
と整流スイッチング素子停止回路18を設けたものであ
る。勿論、これに代えて第2〜第4実施例における回路
構成を備えてもよい。
【0036】トランス1の1次巻線2と2次巻線5はフ
ライバック式の場合と異なり加極性に接続されている。
また、トランス2の2次巻線5の他端(非ドット側端
子)には、整流スイッチング素子6と共に同期整流回路
を構成する別の整流スイッチング素子52が接続される。
なお、53は整流スイッチング素子52のボディダイオード
である。整流スイッチング素子6の両端間には、チョー
クコイル54と前記平滑コンデンサ7の直列回路が接続さ
れ、平滑コンデンサ7の両端間に出力端子+Vo,−V
oが接続される。
【0037】本実施例では、主スイッチング素子4がオ
ンになり、トランス2の1次巻線3に入力電圧が印加さ
れると、トランス2の2次巻線5のドット側端子に発生
した正極性の電圧により、整流スイッチング素子52がオ
ンし、トランス2の2次巻線5からチョークコイル54を
介して平滑コンデンサ7および出力端子+Vo,−Vo
に接続される負荷(図示せず)にエネルギーが送り出さ
れる。一方、主スイッチング素子4がオフすると、補助
巻線21に誘起された電圧が整流スイッチング素子6のゲ
ートにオン信号として供給され、整流スイッチング素子
6がオンし、チョークコイル54に蓄えられたエネルギー
が平滑コンデンサ7および負荷に供給され、カレントト
ランス11の1次巻線12および整流スイッチング素子6を
通じて電流が流れる。その後、カレントトランス11の2
次巻線13の検出電流が次第に低下すると、整流スイッチ
ング素子停止回路18によって整流スイッチング素子6は
オフする。この場合も第1実施例と同様に、補助巻線21
からの電圧により整流スイッチング素子6を素早く立ち
上げて、効率の向上を図ることができるとともに、電源
装置の低出力電圧化に対応できる。また、整流スイッチ
ング素子6,53による同期整流により、従来のダイオー
ド整流よりも損失の低減を図ることができる。しかも、
整流スイッチング素子6を流れる電流が逆向きになる前
に、整流スイッチング素子6はオフするので、逆電流の
発生を確実に阻止できる。
【0038】そして第1〜第4の各実施例をフライホイ
ールダイオードに適用することにより、主スイッチング
素子4がオンのとき整流スイッチング素子53がオンし、
主スイッチング素子4がオフのとき整流スイッチング素
子6がオンする安定したフォワードコンバータ動作が可
能になる。
【0039】特にこの第5実施例では、フォワード式の
DC/DCコンバータについて説明したが、フライホイ
ールダイオードの存在するあらゆるスイッチング電源装
置に適用することが可能である。
【0040】なお、本発明は上記実施例に限定されるも
のではなく、本発明の要旨の範囲において種々の変形実
施が可能であり、整流素子としてスイッチ素子を用いて
同期整流を行なう種々のタイプのスイッチング電源装置
に適用できる。また、ボディダーオード8の代わりに、
外付けのダイオードを接続してもよい。
【0041】
【発明の効果】本発明の請求項1におけるスイッチング
電源装置の同期整流回路によれば、整流スイッチング素
子の効率を向上するとともに、電源装置の低出力電圧化
に対応できる同期整流回路を提供できる。さらに、整流
スイッチング素子を流れる逆電流を確実に阻止できる。
【0042】本発明の請求項2におけるスイッチング電
源装置の同期整流回路によれば、整流スイッチング素子
がより高速に立ち上がり、効率がさらに向上する。
【0043】本発明の請求項3におけるスイッチング電
源装置の同期整流回路によれば、整流スイッチング素子
のオン抵抗が小さいままになり、一層効率の向上を図る
ことができる。
【0044】本発明の請求項4におけるスイッチング電
源装置の同期整流回路によれば、整流スイッチング素子
のオン・オフ動作の一層の安定化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施例を示す回路図である。
【図2】本発明の第1実施例を示す各部の波形図であ
る。
【図3】本発明の第2実施例を示す回路図である。
【図4】本発明の第3実施例を示す回路図である。
【図5】本発明の第3実施例を示す要部の波形図であ
る。
【図6】本発明の第4実施例を示す回路図である。
【図7】本発明の第4実施例を示す要部の波形図であ
る。
【図8】本発明の第5実施例を示す回路図である。
【符号の説明】
2 トランス 6 整流スイッチング素子 11 カレントトランス 21 補助巻線 27 トランジスタ(エミッタ・ホロワ) 18 整流スイッチング素子停止回路 22 整流スイッチング素子駆動回路 44 サイリスタ回路 27 トランジスタ(エミッタ・ホロワ) 53 微分回路
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 5H006 CA02 CA12 CB03 CB07 CC02 CC08 DB03 5H730 AA14 AS01 BB23 BB43 BB51 DD04 EE02 EE07 EE08 EE10 EE13 EE19 EE39 FD51 FG07 FG15 VV03

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 トランスの2次巻線に接続され、整流素
    子として整流スイッチング素子を用いたスイッチング電
    源装置の同期整流回路において、前記整流スイッチング
    素子を流れる電流を検出するカレントトランスと、前記
    トランスに巻回される補助巻線と、前記補助巻線に発生
    した電圧を前記整流スイッチング素子にオン信号として
    供給する整流スイッチング素子駆動回路と、前記カレン
    トトランスの2次巻線に発生した検出信号により、前記
    整流スイッチング素子を流れる電流が逆向きになる前に
    前記整流スイッチング素子をオフさせる整流スイッチン
    グ素子停止回路とを備えたことを特徴とするスイッチン
    グ電源装置の同期整流回路。
  2. 【請求項2】 前記整流スイッチング素子駆動回路は、
    前記補助巻線と前記整流スイッチング素子との間にエミ
    ッタ・ホロワを接続して構成されることを特徴とする請
    求項1記載のスイッチング電源装置の同期整流回路。
  3. 【請求項3】 前記整流スイッチング素子駆動回路は、
    前記補助巻線と前記整流スイッチング素子との間にサイ
    リスタ回路を接続して構成されることを特徴とする請求
    項1記載のスイッチング電源装置の同期整流回路。
  4. 【請求項4】 前記整流スイッチング素子停止回路は、
    前記カレントトランスの2次巻線間に微分回路を接続し
    て構成されることを特徴とする請求項1〜3のいずれか
    一つに記載のスイッチング電源装置の同期整流回路。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2015122946A (ja) * 2013-12-20 2015-07-02 エフォア オーユーイー 同期整流器及びそれを制御する方法

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