JP2002083981A - 太陽電池セルおよびその製造方法 - Google Patents

太陽電池セルおよびその製造方法

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JP2002083981A JP2000271420A JP2000271420A JP2002083981A JP 2002083981 A JP2002083981 A JP 2002083981A JP 2000271420 A JP2000271420 A JP 2000271420A JP 2000271420 A JP2000271420 A JP 2000271420A JP 2002083981 A JP2002083981 A JP 2002083981A
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silicon single
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boron
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Fumitaka Kume
史高 久米
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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Shin Etsu Chemical Co Ltd
Shin Etsu Handotai Co Ltd
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    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy
    • Y02E10/547Monocrystalline silicon PV cells

Abstract

(57)【要約】 【課題】 汎用性のあるシリコン単結晶基板を用いるこ
とができる太陽電池セルと、その製造方法とを提供す
る。 【解決手段】 半導体デバイス用に製造された汎用性の
あるボロンドープシリコン単結晶を、太陽電池用に転用
する。具体的には、CZ法によりボロンを添加したシリ
コン単結晶を引き上げ、該シリコン単結晶を加工したシ
リコン単結晶基板41に第一主表面側からガリウムを拡
散してガリウム添加領域49を形成し、そのガリウム添
加領域49にp−n接合部48を形成して太陽電池セル
となす。シリコン単結晶基板41中に、ボロンととも
に、該ボロンに比べ酸素と深いエネルギー準位を形成し
づらいガリウムが添加される形となり、少数キャリアの
ライフタイムの低下を抑制しながら、結晶の抵抗率を低
くすることができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、太陽電池用セルと
その製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】太陽電池は、光エネルギーを電力に変換
する半導体素子であり、p−n接合形、pin形、ショ
ットキー形などがあるが、p−n接合形が最も広く用い
られている。太陽電池をその基板材料をもとに分類する
と、大きく分けて、シリコン結晶系太陽電池、アモルフ
ァス(非晶質)シリコン系太陽電池、化合物半導体系太
陽電池の3種類が挙げられる。シリコン結晶系太陽電池
は、更に、単結晶系太陽電池と多結晶系太陽電池に分類
される。
【0003】前記3種類の太陽電池のうち最もエネルギ
ー変換効率が高いものは、化合物半導体系太陽電池であ
り、その変換効率は25%近くに達する。ここで、エネ
ルギー変換効率とは、入力となる太陽輻射光のエネルギ
ーと、太陽電池の端子から出てくる電気出力エネルギー
の比をパーセントで表したものである。すなわち、エネ
ルギー変換効率は次式で表わすことができる: [エネルギー変換効率]=[太陽電池からの電気出力]
/[太陽電池に入った太陽エネルギー]×100
(%)。
【0004】しかし、化合物半導体系太陽電池は、その
材料となる化合物半導体を作ることが非常に難しく、太
陽電池基板の製造コスト面で一般に普及するには問題が
あり、その用途は限られたものとなっている。他方、化
合物半導体系太陽電池の次に変換効率の高い太陽電池と
しては、シリコン単結晶系太陽電池が続き、その発電効
率は20%前後と化合物半導体太陽電池に近い変換効率
を持つ上、太陽電池用シリコン単結晶基板も比較的容易
に製造できることから、一般に普及している太陽電池の
主力となっている。
【0005】図10は、従来のシリコン単結晶系の太陽
電池セルの一例を示す断面図であり、例えば以下のよう
な方法により製造できる。まず、チョクラルスキー法
(Czochralski法、以下、単にCZ法と記載する)ある
いは浮遊帯域溶融法(Floatingzone法、以下、単にFZ
法と記載する)により製造されたシリコン単結晶棒をス
ライスし、ついで表面を薬液で化学エッチングしてシリ
コン単結晶基板41(以下、単に基板41と記載する)
とする。そして、該基板41の主表面側に不純物の拡散
層42を形成することによりp−n接合部48を形成す
る。そして、酸化膜43、電極44,45を付け、さら
に必要に応じて反射防止膜47を付けることにより太陽
電池セルとされる。
【0006】上記の太陽電池セルにおいては、図2に示
すように、光照射により、禁制帯幅以上のエネルギーを
有するフォトンを吸収すると、p型領域及びn型領域で
は光励起により電子と正孔とが少数キャリアとして生成
し、それぞれ接合部に向けて拡散する。接合部には、電
気二重層の形成により内部電界(いわゆる「作りつけら
れた(build-in)電界」)が生じており、少数キャリア
として拡散してきた電子と正孔とはこの内部電界によ
り、電子はn型領域に、正孔はp型領域にそれぞれ引き
込まれて分離され、多数キャリアとなる。その結果、p
型領域とn型領域とはそれぞれ正と負とに帯電して、各
部に設けた電極(図10:44,45)間に太陽電池の
起電力ΔEが生ずる。
【0007】ここで、基板41としては、p型とn型の
いずれでも良い。しかし、p型の少数キャリアである電
子のライフタイムは、n型の少数キャリアである正孔の
ライフタイムよりも長いので、通常p型が用いられる。
少数キャリアのライフタイムは、その値が10μ秒以上
でなければ太陽電池用の基板として利用することができ
ない。また、エネルギー変換効率の高い太陽電池を得る
ためには、少数キャリアのライフタイムが200μ秒以
上であることが好ましいとされる。そして、基板41の
抵抗率が高い場合、太陽電池セルの内部抵抗により電力
が消費されるので、エネルギー変換効率が低下する。そ
こで、基板41の抵抗率を低くすると、該基板41がp
型の場合に少数キャリアのライフタイムが低下する傾向
があり、エネルギー変換効率はやはり低下する。
【0008】ところで、通常のp型基板は、ボロン
(B)をドーパントとして加えCZ法により引上げられ
たシリコン単結晶(以下、ボロンドープCZ結晶とい
う)から製造されるが、CZ法によるシリコン単結晶中
には高濃度の酸素が存在する。そして、酸素とボロンが
同時に存在することで、太陽電池セルの基板41中には
酸素とボロンに起因する深いエネルギー準位(Deep lev
elまたはtrap levelともいう)が形成され、この深いエ
ネルギー準位に少数キャリアが捕獲されるために、図4
に示すように、基板41の抵抗率が低下するに従って少
数キャリアライフタイムが低下する傾向が表れる(白丸
のプロット点;特願平11−264549号)。
【0009】言い換えると、酸素とボロンが同時に存在
する場合は少数キャリアのライフタイムが低下し、酸素
またはボロンの何れか一方のみではライフタイムの低下
が起こらない。そこで、特願平11−264549号の
発明者等は、ボロンの代りにガリウム(Ga)をドーパ
ントとして添加したp型シリコン単結晶をCZ法により
引上げ、該p型シリコン単結晶を用いた太陽電池では、
基板抵抗率の低い領域においても、酸素濃度の低いFZ
法(図4:白三角のプロット点)あるいはMCZ法(磁
界下引き下げ法:Magnetic Field Applied CZ 法:)に
よるもの(図4:白四角のプロット点)と同様に、結晶
中に高い濃度の酸素が存在しても少数キャリアのライフ
タイムが安定であることを確認した(図4:黒丸のプロ
ット点)。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、ガリウ
ムをドーパントとして添加したp型シリコン単結晶は、
太陽電池用以外にその用途が殆ど無いため、汎用性に乏
しい。本発明の課題は、汎用性のあるシリコン単結晶基
板を用いることができる太陽電池セルと、その製造方法
とを提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段及び作用・効果】上記の課
題を解決するために、本発明の太陽電池セルは、太陽電
池セルを構成するシリコン単結晶基板中に、ボロンとガ
リウムが添加されていることを特徴とする。
【0012】p型シリコン単結晶の抵抗率が高い場合、
太陽電池セルの内部抵抗により電力が消費されるのでエ
ネルギー変換効率が低下する。そこで従来は、シリコン
単結晶中のボロン濃度を高くして抵抗率を低くしてい
た。ところが、ボロンドープCZ結晶には、製造工程上
の要因により不可避的に酸素が混入するためボロンと酸
素とが共存する形となり、すでに説明した理由により、
結晶の抵抗率が低下するに従って少数キャリアのライフ
タイムが低くなり、エネルギー変換効率が損なわれる問
題があった。しかしながら、本発明の太陽電池セルにお
いては、太陽電池セルを構成するシリコン単結晶基板中
に、ボロンとともに、該ボロンに比べ酸素と深いエネル
ギー準位を形成しづらいガリウムを添加しているので、
少数キャリアのライフタイムの低下を抑制しながら、結
晶の抵抗率を低くすることができる。
【0013】また、上記本発明の太陽電池セルを構成す
るシリコン単結晶基板は、半導体デバイス用に製造され
た汎用性のあるボロンドープシリコン単結晶を、太陽電
池用に転用して製造することができる。具体的には、本
発明の太陽電池セルの製造方法は、CZ法によりボロン
を添加したシリコン単結晶を引上げる工程と、該シリコ
ン単結晶を加工したシリコン単結晶基板中に、ガリウム
を拡散する工程とを有することを特徴とする。
【0014】半導体デバイス用のシリコン単結晶は、多
くがCZ法により製造されているが、CZシリコン単結
晶は酸素濃度が比較的高く、ボロンをドープしたp型シ
リコン単結晶の場合、少数キャリアライフタイムの低下
が著しいため、太陽電池用としては不向きであるとみな
されていた。しかしながら、本発明によると、半導体デ
バイス用に大量に製造されるCZシリコン単結晶基板
を、ガリウム拡散により、高性能太陽電池用の基板とし
て問題なく流用することが可能となる。
【0015】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、図
面を用いて説明する。図5は、半導体デバイスの製造工
程の一例を示す流れ図である。また、図8は、シリコン
単結晶棒から、半導体デバイス用の基板(あるいは後述
の太陽電池用の基板)を製造するための主要工程を模式
的に説明する図である。まず、CZ法にてシリコン単結
晶棒を製造する(D1)。図7は、CZ法によるシリコ
ン単結晶棒の育成装置の一例を示す概略図である。該単
結晶育成装置100は、育成炉1を備えており、育成炉
1の内部には、シリコン融液10を保持するための内側
が石英製で外側が黒鉛からなるルツボ7と、前記ルツボ
内のシリコンを加熱溶融するためのヒータ6と、ヒータ
6からの輻射熱が育成炉1の内壁に直接当たらないよう
に保護するための断熱材5から構成されている。シリコ
ン単結晶8の育成を行なう場合は、まず、ワイヤ9の先
端の種ホルダ13に種結晶を取り付け、他方、ルツボ7
に入れた多結晶原料をヒータ6により加熱溶融する。原
料の溶融が完了したら、ワイヤ9を静かに巻き出して種
結晶先端をシリコン融液10に着液させ、回転させなが
ら静かにワイヤ9を巻き取ることによって、種結晶の先
端に単結晶を育成させる。なお、シリコン融液10には
ドーパントとしてボロンが添加されており、育成される
シリコン単結晶棒はボロン添加によりp型に導電型が調
整される。また、この製造工程から明らかな通り、ボロ
ンは得られるシリコン単結晶(ひいては、これをスライ
シングして得られる基板)の全体に均一に分布すること
となる。
【0016】なお、ルツボ7は育成している結晶と反対
方向に回転させているが、シリコン単結晶中に導入され
る酸素量を所望の値とするために、ルツボ7の回転を適
宜調整して、ルツボ7の内側にある石英ルツボからの酸
素の溶出速度を制御している。また、育成中の結晶直径
を一定に保つために融液面を常に一定位置に保持する必
要があるので、結晶が引上げられたことにより融液面が
下がった分だけルツボ7を非図示のルツボ移動機構によ
り押し上げ、融液面を常に一定に保つようにしている。
なお、大直径あるいは長尺の単結晶棒を育成する場合
は、磁場発生装置2によってシリコン融液10に磁場を
印加するMCZ法により、ルツボ7内での融液の対流を
抑制することが有効である。
【0017】こうして得られた単結晶インゴットは、一
定の抵抗率範囲のブロックに切断され(図5:D2)、
図8(a)に示すように、内周刃切断等により例えば厚
さ500μm程度に薄くスライシングされる(図5:D
3)。スライシング後のシリコン単結晶基板(以下、単
に基板ともいう)は、図8(b)に示すように、遊離砥
粒を用いて両面がラッピングされる(図5:D4)。次
に、図8(c)に示すように、これをエッチング液に浸
漬することにより、両面が化学エッチング処理される
(図5:D5)。この化学エッチング工程は、図5のD
2〜D4の機械加工工程においてシリコン単結晶基板の
表面に生じたダメージ層を除去するために行われる。こ
のダメージ層の化学エッチングによる除去は、例えば弗
酸と硝酸と酢酸からなる混酸水溶液による酸エッチング
により行われる。
【0018】化学エッチング工程(図5:D5)が終了
すれば、基板表面をさらに平坦化するための鏡面研磨
(図5:D6)が実施される。図8(d)に示すよう
に、鏡面研磨では、例えば、回転研磨ブロックにワック
ス等で化学エッチング終了後のシリコン単結晶基板を貼
り付け、研磨クロスを接着した回転研磨定盤上に、所定
の圧力にて押し付ける。そして、研磨クロスに、例えば
SiOを主成分としたアルカリ性コロイダルシリカ等
の研磨液を供給しながら定盤を回転させ、研磨を行な
う。この研磨は、コロイダルシリカ等を砥粒とした機械
的研磨と、アルカリ液による化学エッチングとの複合作
用による、いわゆる機械的化学的研磨である。鏡面研磨
されたシリコン単結晶基板は、半導体デバイス製造用の
以降の製造工程(図5:D7)に回される。
【0019】上記半導体デバイス製造用のボロンドープ
CZ結晶には、設計に合わせて抵抗率が数Ω・cm〜数
十Ω・cmになるよう、その全体にボロンが添加されて
いるが、前述したように、比較的高濃度の酸素がボロン
と共存する形で含有されている。このうち、少数キャリ
アのライフタイムが十分に長いもの(例えば200μ秒
以上のもの)は、太陽電池用に転用することができる。
図4によると、少数キャリアのライフタイムは、ボロン
ドープCZシリコン単結晶の抵抗率が約3Ω・cm以上
のときに200μ秒以上となる。
【0020】図6は、半導体デバイス製造用のボロンド
ープCZ結晶を太陽電池に転用する、本発明に係る太陽
電池セルの製造工程の一例を示す流れ図である。太陽電
池用への転用は、図5の半導体デバイス製造工程におけ
るシリコン単結晶棒(ボロンドープCZ結晶:D1)育
成、ブロック切断(D2)、スライシング(D3)、ラ
ッピング(D4)及び化学エッチング(D5)のいずれ
かの工程から、図6の太陽電池セルの製造工程における
対応するS1〜S5のいずれかの工程に移行する形にて
行なわれる。化学エッチング処理(S5)までの工程が
施されたシリコン単結晶基板は、p−n接合を形成する
前に、該p−n接合形成領域の抵抗率が0.1Ω・cm
以上5Ω・cm以下の範囲内、例えば1Ω・cmになる
ように、太陽電池セルの受光面となる第一主表面側から
ガリウムを拡散する(S7)。
【0021】図1は、本発明の方法により得られる太陽
電池セルの一例を模式的に示す断面図である。すなわ
ち、上記S7の工程により、ガリウムは基板41の第一
主表面側における表面近傍に添加される。ガリウムの具
体的な添加方法としては、例えば金属ガリウムもしくは
ガリウムハロゲン化物を拡散源物質とする気相拡散法を
採用することができる。例えば拡散炉内に拡散源物質を
入れた容器と基板とを配置し、炉内を減圧しつつ加熱す
ることにより拡散源物質を蒸発させ、該拡散源物質に含
まれるガリウム原子を基板の第一主表面側から拡散させ
る。なお、ガリウムハロゲン化物(例えば塩化ガリウ
ム)は金属ガリウムと比較して沸点が低く気相形成しや
すいので、高濃度にガリウムを拡散させたい場合、ある
いは拡散時間の短縮を図りたい場合に有利である。ガリ
ウムは、また、(RO)Ga、RGa(OH)、RG
a(OH)などのGa化合物(ただし、Rはハロゲン
族原子、アルキル基及びアリール基の少なくともいずれ
か)を用いた塗布拡散法により拡散することもできる。
【0022】上記のような方法により、ボロンに比べ、
酸素と深いエネルギー準位を形成しづらいガリウムを少
数キャリアが移動するp−n接合領域にまで拡散するこ
とにより、少数キャリアのライフタイムの低下を抑制し
ながら、結晶の表面近傍の抵抗率を低くすることができ
る。なお、少数キャリアはp−n接合部を境にp型領域
とn型領域の両方向に拡散するので、図1に示すよう
に、ガリウム添加領域49は、基板41の第一主表面か
らp−n接合部48よりも深い領域まで形成されている
ことが好ましい。
【0023】図6に示すガリウム拡散(S7)後、図1
に示すように第一主表面側にn型ドーパントの拡散層4
2を形成することにより、p−n接合部48を形成する
(図6:S8)。基板41の主表面からp−n接合48
までの深さは、通常0.5μm程度である。なお、n型
ドーパントの拡散層42は、ガリウムを拡散したp型シ
リコン単結晶基板の主表面から、例えば燐(P)を拡散
することにより形成する。
【0024】p−n接合部48が形成された基板41
は、さらに、酸化膜43を第一主表面に形成した後に、
第一主表面及び第二主表面に電極44,45を付け(図
6:S9)、さらに、光の反射による光エネルギーの損
失を減らすために、第一主表面側に反射防止膜47を付
けることにより(図6:S10)、太陽電池セルとな
る。
【0025】なお、図1の第一主表面(受光面)側の電
極44は、p−n接合部48への光の入射効率を高める
ために、例えば図3に示すようにフィンガー電極とさ
れ、さらに、内部抵抗低減のため適当な間隔で太いバス
バー電極が設けられる。他方、第二主表面側の電極45
は該第二主表面の略全面を覆うものとされる(図3:裏
面電極)。一方、図1の反射防止膜47は、シリコンと
屈折率の異なる透明材料にて構成される。
【0026】受光面が平坦である場合は、反射防止膜4
7を形成しても多かれ少なかれ反射が生じてしまうが、
化学エッチング工程(図6:S5)の後に、図9に示す
ように、外面が(111)面の多数のピラミッド状突起
からなるテクスチャ構造を第一主表面に形成することに
より、反射をさらに抑制することができる(図6:S
6)。このようなテクスチャ構造は、シリコン単結晶の
(100)面を、ヒドラジン水溶液や水酸化ナトリウム
などのエッチング液を用いて異方性エッチングすること
により形成することができる。また、セルの軽量化のた
め基板の厚さを薄くする場合は、第二主表面側の電極4
5での少数キャリアの再結合・消滅を防止するために、
図1に示すように、該第二主表面側に基板41と同一導
電型であってより高濃度の裏面高濃度層46を形成する
ことができる。
【0027】なお、半導体デバイス製造用のシリコン単
結晶を太陽電池用に流用する場合、半導体デバイス用シ
リコン単結晶基板の製造において規格外とされたシリコ
ン単結晶を用いることができる。特に、フォトリソグラ
フィー技術により1個のシリコン単結晶中に膨大な素子
を作りこむ集積回路デバイス用のシリコン単結晶基板
は、電気的特性のほか、平坦度や表面粗さなどにも厳し
い規格が定められており、規格外となるものが多く発生
する。このような半導体デバイスの製造時に発生してい
た規格外のシリコン単結晶は廃棄されることが多かっ
た。しかしながら、これら規格外のシリコン単結晶は、
もとより高純度で再精製の必要がなく、単結晶化までの
工程も終了している上、酸素含有率や抵抗率、あるいは
フラットネスや表面粗さなどの値に関しても、あくまで
半導体デバイス用としては不向きなのであって、太陽電
池製造には多くの場合そのまま、あるいは若干の工程追
加により十分活用できる。そこで、このような規格外と
されたシリコン単結晶を、太陽電池用シリコン単結晶基
板の製造に流用することで、少なくとも単結晶化に至る
までの工程において半導体デバイス製造工程にて生じた
付加価値を、太陽電池製造に引き継ぐことが可能とな
り、大幅なコスト削減を実現できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係るシリコン単結晶系太陽電池の断面
構造の一例を示す模式図。
【図2】p−n接合を利用した太陽電池の原理説明図。
【図3】シリコン単結晶系太陽電池の受光面側における
電極形成形態の一例を模式的に示す斜視図。
【図4】ボロンドープCZ結晶を用いた基板の抵抗率と
少数キャリアライフタイムとの関係を示すグラフ。
【図5】半導体デバイスの製造工程の一例を示す流れ
図。
【図6】本発明に係る太陽電池セルの製造工程の一例を
示す流れ図。
【図7】CZ法にてシリコン単結晶棒を育成する装置の
一例を概念的に示す図。
【図8】シリコン単結晶棒から、半導体デバイス用ある
いは太陽電池用の基板を製造するための主要工程を模式
的に説明する図。
【図9】テクスチャ構造の概念図。
【図10】従来のシリコン単結晶系太陽電池の断面構造
の一例を示す模式図。
【符号の説明】
1 育成炉 8 シリコン単結晶 10 シリコン融液 41 シリコン単結晶基板 48 p−n接合部 49 ガリウム添加領域 100 単結晶育成装置

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 太陽電池セルを構成するシリコン単結晶
    基板中に、ボロンとガリウムが添加されていることを特
    徴とする太陽電池セル。
  2. 【請求項2】 前記ボロンはシリコン単結晶基板の全体
    に添加され、前記ガリウムはシリコン単結晶基板の表面
    近傍に添加されていることを特徴とする請求項1記載の
    太陽電池セル。
  3. 【請求項3】 前記シリコン単結晶基板の第一主表面側
    にp−n接合部が形成され、前記ガリウムの添加領域
    は、シリコン単結晶基板の第一主表面から前記p−n接
    合部よりも深い領域まで形成されていることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の太陽電池セル。
  4. 【請求項4】 CZ法によりボロンを添加したシリコン
    単結晶を引上げる工程と、 該シリコン単結晶を加工したシリコン単結晶基板中に、
    ガリウムを拡散する工程とを有することを特徴とする太
    陽電池セルの製造方法。
  5. 【請求項5】 前記シリコン単結晶の少数キャリアライ
    フタイムは、200μ秒以上であることを特徴とする請
    求項4記載の太陽電池セルの製造方法。
  6. 【請求項6】 前記ガリウムを拡散する工程の後に、前
    記シリコン単結晶基板の第一主表面側からn型不純物を
    拡散してp−n接合部を形成する工程をさらに有し、 前記ガリウムの拡散領域は、シリコン単結晶基板の第一
    主表面からp−n接合部よりも深い領域まで形成するこ
    とを特徴とする請求項4又は5記載の太陽電池セルの製
    造方法。
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Cited By (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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