JP2002082356A - 液晶表示素子 - Google Patents

液晶表示素子

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JP2002082356A
JP2002082356A JP2000252228A JP2000252228A JP2002082356A JP 2002082356 A JP2002082356 A JP 2002082356A JP 2000252228 A JP2000252228 A JP 2000252228A JP 2000252228 A JP2000252228 A JP 2000252228A JP 2002082356 A JP2002082356 A JP 2002082356A
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refractive index
crystal display
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film
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JP2000252228A
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English (en)
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Nobuyuki Kobayashi
信幸 小林
Shoji Kotani
昌二 小谷
Satoshi Hisamitsu
聡史 久光
Mitsuyo Matsumoto
光代 松本
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 一対の基板間にコレステリック相を示す液晶
を含む液晶層が挟持された液晶表示素子であって、コン
トラストを向上させることができる液晶表示素子を提供
する。 【解決手段】 一対の基板1、2間にコレステリック相
を示す液晶6を含む液晶層10が挟持された液晶表示素
子であり、液晶6は少なくとも1種類の液晶性トラン化
合物及び少なくとも1種類の液晶性エステル化合物を含
有しているコレステリック相を示す液晶であり、基板
1、2のうち少なくとも素子観察側Pからの光を透過す
る基板の液晶6に臨む側には透明導電膜11、12及び
透明導電膜11、12上の電気的に絶縁性のある少なく
とも一層の膜9(絶縁膜7、配向膜8)が形成されてお
り、液晶6の屈折率ne及びnoがそれぞれ1.49〜
1.70であり、絶縁性のある膜9の屈折率が、透明導
電膜11、12の屈折率より小さく、且つ、1.45〜
1.70である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は液晶表示素子に関す
る。
【0002】
【従来の技術】近年、ネマティック液晶にカイラル材料
を添加することにより、室温においてコレステリック相
を示すようにしたカイラルネマティック液晶などのコレ
ステリック相を示す液晶を用いた液晶表示素子が種々研
究されている。
【0003】かかる液晶表示素子は、通常一対の基板間
にコレステリック相を示す液晶を含む液晶層が挟持され
ており、例えば、コレステリック相を示す液晶の選択反
射を利用した反射型の液晶表示素子として用いられる。
この反射型の液晶表示素子では高低の電圧印加により液
晶を着色状態と消色状態に切り替えて表示を行う。
【0004】また、コレステリック相を示す液晶を含む
液晶層を少なくとも2層含む液晶表示素子を採用する場
合、2色以上のカラー表示を行える。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これま
でのコレステリック相を示す液晶を使用した反射型の液
晶表示素子においては、画像表示において、着色状態と
消色状態とで十分なコントラストを得難いというのが実
状である。
【0006】そこで本発明は、一対の基板間にコレステ
リック相を示す液晶を含む液晶層が挟持された液晶表示
素子であって、コントラストを向上させることができる
液晶表示素子を提供することを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は前記課題を解
決するため研究を重ねたところ、次のことを見出した。
【0008】すなわち、一対の基板間にコレステリック
相を示す液晶を含む液晶層が挟持された液晶表示素子に
おいては、前記一対の基板のうちの少なくとも素子観察
側からの光を透過する基板の前記液晶に臨む側に透明導
電膜及び該透明導電膜上の電気的に絶縁性のある膜を設
ける場合、前記絶縁性のある膜の屈折率が、前記液晶の
屈折率と同等かそれよりも大きく、且つ、前記透明導電
膜の屈折率よりも小さい状態が、画像表示においてコン
トラストを向上させる上で理想的な状態である。
【0009】このことから本発明者はさらに研究を重ね
たところ、前記絶縁性のある膜の屈折率を、液晶材料の
屈折率とできるだけマッチングさせ(換言すれば略近い
値にし)、且つ、液晶材料の組成を最適化することで、
具体的にいうと、前記コレステリック相を示す液晶とし
て、弾性定数比K33/K11(K33はベンド弾性定
数、K11はスプレイ弾性定数)が小さい液晶性エステ
ル化合物及び液晶性トラン化合物を少なくとも1種類ず
つ含有する液晶を採用し、且つ、該液晶の屈折率ne及
びnoをそれぞれ1.49〜1.70とし、前記絶縁性
のある膜の屈折率を、前記透明導電膜の屈折率より小さ
く、且つ、1.45〜1.70とすることで、絶縁性の
ある膜及び液晶を光が通過するにあたり、絶縁性のある
膜―液晶間で余分な散乱光の発生を抑制でき、画像表示
においてそれだけコントラストを向上させることができ
る。
【0010】なお、前記液晶の屈折率neは異常光線
(extraordinary ray )に対する屈折率であり、前記液
晶の屈折率noは常光線(ordinary ray)に対する屈折
率である。
【0011】本発明はかかる知見に基づくものであり、
前記課題を解決するため、一対の基板間にコレステリッ
ク相を示す液晶を含む液晶層が挟持された液晶表示素子
であり、前記液晶は少なくとも1種類の液晶性トラン化
合物及び少なくとも1種類の液晶性エステル化合物を含
有しているコレステリック相を示す液晶であり、前記一
対の基板のうち少なくとも素子観察側からの光を透過す
る基板の前記液晶に臨む側には透明導電膜及び該透明導
電膜上の電気的に絶縁性のある少なくとも一層の膜が形
成されており、前記液晶の屈折率ne及びnoがそれぞ
れ1.49〜1.70であり、前記絶縁性のある膜の屈
折率が、前記透明導電膜の屈折率より小さく、且つ、
1.45〜1.70であることを特徴とする液晶表示素
子を提供する。
【0012】本発明にいう液晶の屈折率ne及びno
は、それぞれ異常光線(extraordinary ray )に対する
屈折率及び常光線(ordinary ray)に対する屈折率であ
る。
【0013】本発明に係る液晶表示素子は、コレステリ
ック相を示す液晶の選択反射を利用した反射型の液晶表
示素子として用いることができる。
【0014】本発明の液晶表示素子では、反射型の液晶
表示素子として用いる場合、高低の電圧印加により液晶
を着色状態と消色状態に切り替えて表示を行う。
【0015】本発明に係る液晶表示素子によると、前記
液晶は少なくとも1種類の液晶性トラン化合物及び少な
くとも1種類の液晶性エステル化合物を含有しており、
該液晶の屈折率ne及びnoはそれぞれ1.49〜1.
70であり、前記絶縁性のある膜の屈折率は、前記透明
導電膜の屈折率より小さく、且つ、1.45〜1.70
であるので、透明導電膜、絶縁性のある膜及び液晶を光
が通過するにあたり、散乱光の発生を抑制でき、特に絶
縁性のある膜及び液晶を光が通過するにあたり、絶縁性
のある膜―液晶間で散乱光の発生を抑制でき、それだけ
コントラストを向上させることができる。
【0016】前記液晶における液晶性トラン化合物及び
液晶性エルテル化合物の含有率としては、両者あわせて
例えば30重量(wt)%〜50重量(wt)%程度が
好ましい。
【0017】素子観察側からの光を透過する基板とは反
対側の基板(その外面に光吸収層を設けることがある基
板)上の導電膜、さらにはその上に設けることがある少
なくとも一層の電気的に絶縁性を有する膜についても前
記と同条件の透明導電膜及び絶縁膜を有する膜とするこ
とが好ましい。
【0018】前記透明導電膜としては、液晶を駆動して
画像を表示させるための透明電極膜を例示でき、その材
料としてはITO(Indium Tin Oxide)を例示できる。
いずれにしても前記透明導電膜の屈折率としては、1.
70〜2.2程度を例示できる。
【0019】前記絶縁性のある膜としては、例えば電極
間の短絡を防止したり、ガスバリア層として液晶の信頼
性を向上させる機能を有する絶縁膜や液晶分子の配向を
制御するための配向膜を挙げることができる。前記透明
導電膜上に前記絶縁性のある膜が少なくとも1層設けら
れている状態としては、透明電極上に絶縁膜が設けられ
ている状態や透明電極上に絶縁膜が、さらにその上に配
向膜が設けられている状態を例示できる。
【0020】前記絶縁性のある膜の屈折率は1.45〜
1.70であるが、より好ましい範囲としては1.50
〜1.65程度を例示できる。
【0021】前記絶縁性のある膜は、有機ケイ素化合物
とシリカ粒子を含有していてもよい。この場合、例え
ば、有機ケイ素化合物を主成分とし、シリカ粒子の量を
調整することで、該絶縁性のある膜の屈折率を容易に調
整することができる。また有機チタン化合物やチタニア
粒子を含有していてもよい。
【0022】いずれにしても、前記コレステリック相を
示す液晶として、例えばネマティック液晶化合物に不斉
炭素を有する化合物を全体量の10wt%〜50wt%
程度添加したものを採用できる。
【0023】本発明に係る液晶表示素子は、これを少な
くとも2層積層して積層型液晶表示素子とすることもで
きる。この場合、少なくとも2層の液晶表示素子とし
て、互いに異なる色表示を行う液晶表示素子を用いるこ
とで、2色以上のカラー表示を行うことができる。な
お、青色表示を行う液晶表示素子、緑色表示を行う液晶
表示素子、赤色表示を行う液晶表示素子の少なくとも三
つの液晶表示素子を採用するとフルカラー表示を行うこ
とができる。
【0024】いずれにしても、かかる積層型液晶表示素
子においては、隣り合う液晶表示素子において、その両
者間の基板を共通にしてもよい。
【0025】また、積層型液晶表示素子においては、素
子観察側とは反対側端に位置する基板以外の基板が前記
の「素子観察側からの光を透過する基板」となる。これ
ら基板について透明導電膜及び電気的に絶縁性を有する
膜を形成するときには、それらは前記の条件を満足する
ものとする。反対側端の基板についても同様の透明導電
膜及び電気的に絶縁性を有する膜を設けてもよい。
【0026】いずれにしても、前記一対の基板は少なく
とも高分子フィルムからなっていてもよい。
【0027】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て図面を参照して説明する。
【0028】図1は本発明に係る液晶表示素子の1例の
概略断面図である。また、図2は本発明に係る液晶表示
素子の他の例であり、青色表示を行う液晶層、緑色表示
を行う液晶層、赤色表示を行う液晶層の3層の液晶層を
含む積層型液晶表示素子の概略断面図である。なお、図
1及び図2の液晶表示素子において、基本的に同じ構
成、作用を有する箇所については同じ参照符号を付して
ある。
【0029】図1に示す液晶表示素子は、一対の基板
1、2間にコレステリック相を示す液晶6を含む液晶層
10が挟持されいる。また、図2に示す液晶表示素子
は、一対の基板1、2間に、コレステリック相を示す液
晶6bを含む青色表示を行う液晶層10b、コレステリ
ック相を示す液晶6gを含む緑色表示を行う液晶層10
g、コレステリック相を示す液晶6rを含む赤色表示を
行う液晶層10rがそれぞれ挟持されいる。
【0030】液晶6、6b、6g、6rは、いずれも少
なくとも1種類の液晶性トラン化合物及び少なくとも1
種類の液晶性エステル化合物を含有している。液晶6、
6b、6g、6rにおける液晶性トラン化合物及び液晶
性エルテル化合物の含有率は、ここではいずれも30w
t%〜50wt%である。また、液晶6、6b、6g、
6rの屈折率ne及びnoは、いずれもそれぞれ1.4
9〜1.70である。なお、液晶の屈折率ne及びno
は、それぞれ異常光線に対する屈折率及び常光線に対す
る屈折率である。
【0031】基板1、2を含め、本発明の液晶表示素子
に用いることができる一対の基板は、少なくとも一方が
透光性を有していることが必要である。また、光を入射
させる側とは反対側の基板の外面(裏面)には、必要に
応じて、可視光吸収層が設けられる。ここでは基板1、
2はいずれも透光性を有しており、図1の例では基板2
の裏面(外面)に、図2の例では液晶層10rを挟持し
ている外側の基板2の裏面(外面)に黒色の光吸収層3
が設けられている。
【0032】透光性を有する基板としては、ガラス基板
を例示できる。このガラス基板以外に、高分子樹脂から
なる基板、例えば、ポリカーボネート、ポリエーテルス
ルホン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアリレート
等のフレキシブルな樹脂基板等も使用可能である。
【0033】一対の基板1、2のうち少なくとも素子観
察側Pからの光を透過する基板は、液晶に臨む側に透明
導電膜(ここでは透明電極)を有している。
【0034】すなわち、図1の例では基板1、2の液晶
6に臨む側に透明電極11、12を有している。なお、
図1の素子では少なくとも電極11が透光性を有してい
ればよく、電極12は必ずしも透光性を有していなくて
もよい。
【0035】また、図2の例では基板1、2の液晶6
b、6g、6rに臨む側に透明電極11、12を有して
いる。なお、少なくとも液晶層10b、液晶層10gに
おける両電極11、12及び液晶層10rにおける一方
の基板1の電極11が透光性を有していればよく、液晶
層10rにおける他方の電極12は必ずしも透光性を有
していなくてもよい。
【0036】透明電極11、12は、ここではITOか
らなっており、その屈折率は、ここでは1.80であ
る。
【0037】図1及び図2に示す液晶表示素子において
は、透明基板1、2の表面にそれぞれ間隔おいて平行に
並んだ複数の帯状の透明電極11、12が形成されてお
り、両基板1、2は、透明電極11、12の向きが互い
に直角方向となるように対向させてあり、透明電極1
1、12が重なり合う領域が表示画素となる。
【0038】透明電極11、12上には電気的に絶縁性
のある膜9が少なくとも1層、ここでは透明電極11、
12上に絶縁膜7がそれぞれ設けられており、該絶縁膜
7上に配向膜8がそれぞれ設けられている。
【0039】絶縁膜は、ここでは有機ケイ素とシリカ粒
子を含有している。また、配向膜を構成する材料として
は、例えば、ポリイミドなど通常配向膜材料として用い
られるものが使用可能である。絶縁性のある膜9(ここ
では絶縁膜7、配向膜8)の屈折率は、透明電極11、
12の屈折率より小さく、且つ、1.45〜1.70で
ある。
【0040】図1及び図2に示す液晶表示素子を含め、
本発明の液晶表示素子には液晶が漏れないように素子の
周囲をシールするシール材を設けることができる。図示
例の基板1、2間には、表示領域外である基板1、2の
周縁部に液晶6、6r、6g、6bを封じ込めるための
シール材Sが設けられている。
【0041】シール材としては、例えば、エポキシ樹
脂、アクリル樹脂等の熱硬化型或いは光硬化型接着剤が
使用可能である。
【0042】図1及び図2に示す液晶表示素子を含め、
本発明の液晶表示素子は、一対の基板間に、該基板間の
ギャップを均一に保持するためのスペーサが設けられて
いてもよい。図1及び図2に示す液晶表示素子は、基板
1、2間にスペーサ5を配置してある。このスペーサと
しては、樹脂製又は無機酸化物製の球体を例示できる。
【0043】図1及び図2に示す液晶表示素子を含め、
本発明の液晶表示素子は、強い自己保形性を付与するた
めに、一対の基板間が複数の樹脂構造物で支持されてい
てもよい。本例の液晶表示素子には、図1及び図2に示
すように基板1、2間の表示領域内に柱状構造物4が設
けられている。
【0044】図3は樹脂構造物4の配置状態例を示す図
である。図3に示すように、表示領域内の樹脂構造物4
は、例えば、格子配列などの所定の配置規則に基づい
て、一定の間隔をおいて配列された、円柱状、断面四角
柱状、断面楕円柱状などのドット状のものとすることが
できる。
【0045】図1の液晶表示素子では、所定の電圧印加
によって液晶6の各画素領域において着色状態と消色状
態(黒色表示状態)とに切り替えて表示を行う。
【0046】また、図2の液晶表示素子では、所定の電
圧印加によって液晶6r、6g、6bの各画素領域にお
いて着色状態と消色状態とに切り替えて表示を行う。な
お、図2の液晶表示素子において、液晶6r、6g、6
bをいずれも着色状態にすると白色表示となり、いずれ
も消色状態にすると黒色表示となる。
【0047】以上説明した液晶表示素子によると、液晶
6、6r、6g、6bは少なくとも1種類の液晶性トラ
ン化合物及び少なくとも1種類の液晶性エステル化合物
を含有しており、該液晶の屈折率ne及びnoはいずれ
もそれぞれ1.49〜1.70であり、絶縁性のある膜
9(ここでは絶縁膜7、配向膜8)の屈折率は、透明電
極11、12の屈折率(ここでは1.80)より小さ
く、且つ、1.45〜1.70であるので、絶縁性のあ
る膜9及び液晶6、6r、6g、6bを光が通過するに
あたり、絶縁性のある膜―液晶間で余分な散乱光の発生
を抑制でき、それだけコントラストを向上させることが
できる。
【0048】次に本発明に係る液晶表示素子の性能評価
実験を行ったので、比較実験とともに以下に説明する。
【0049】以下の各実験例において、液晶の屈折率n
e及びnoは、それぞれ異常光線に対する屈折率及び常
光線に対する屈折率である。また、コントラストの測定
はY値(視感反射率)を測定することで行った。Y値の
測定は、白色光源を有する分光測色計CM−3700d
(ミノルタ社製)を用いて行った。
【0050】なお、コントラストは(高反射率状態での
Y値/低反射率状態でのY値)で与えられる。以下に説
明する各実験例における液晶表示素子においては、液晶
表示素子を着色状態としたときに高反射率状態となり、
消色状態としたときに低反射率状態となる。 (実験例1)液晶性エステル化合物を25wt%液晶性
トラン化合物を20wt%含有する液晶混合物Aにカイ
ラル材料S−811(メルク社製)を22wt%添加し
液晶組成物A1を調製した。液晶A1の屈折率はne=
1.50、no=1.65であった。液晶組成物A1は
560nm付近の波長の光を選択反射するように調製さ
れている。
【0051】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられたポリカーボネート(PC)から
なるフィルム基板を用意し、該PCフィルム基板上に設
けられた屈折率1.70の透明電極上に、厚み1 000
Åで屈折率1.48であり有機ケイ素化合物とシリカ粒
子を含有する絶縁性薄膜aを形成し、その上に7.0μ
m径のスペーサ(積水ファインケミカル社製)を散布し
た。
【0052】また、もう一方に基板として、屈折率1.
70の透明電極が設けられたPCフィルム基板を用意
し、該PCフィルム基板上に設けられた屈折率1.70
の透明電極上にも同様に絶縁性薄膜aを形成した後、そ
の上に配向膜を形成した。
【0053】続いて、一方の基板上の周縁部にシール材
XN21S(三井化学社製)をスクリーン印刷して所定
高さの壁を形成した。
【0054】その後該一方の基板上にシール材の高さと
シール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液晶
組成物A1を塗布し、両基板を電極形成面が対向するよ
うに重ね合わせ、この基板対の両側から加圧しながら加
熱した。加圧および加熱は、例えば、図4に示す貼り合
わせ装置を用いて平板(図中91)上に一方の基板(図
中1)を載せ、これにもう一方の基板(図中2)を重
ね、端部から加熱・加圧ローラ(図中92)により加熱
・加圧しながら、ローラ92と平板91との間に相対的
に通過させることにより行なうことができる。なお、図
4においてS及び5はそれぞれシール壁及びスペーサで
ある。こうして両基板を貼り合わせ、150℃で1時間
加熱し、液晶セル(液晶表示素子)を作製した。このよ
うに液晶組成物A1は厚さ7μmのセルに充填した。
【0055】この液晶表示素子の光を入射させる側とは
反対側の基板の外面(裏面)には黒色の光吸収膜を設け
た。
【0056】本液晶表示素子を着色状態と消色状態にす
るために所定電圧(着色時90V、5ms、消色時60
V、5ms)で駆動したところ、コントラスト比は7:
1(着色状態/消色状態)であった。これは絶縁膜の屈
折率が液晶材料の屈折率にほぼ近いため、絶縁膜―液晶
間で余分な散乱光が発生せず、また液晶材料には弾性定
数比K33/K11(K33はベンド弾性定数、K11
はスプレイ弾性定数、以下同じ)が小さい液晶性エステ
ル化合物と液晶性トラン化合物を少なくとも含有するこ
とによって得られた結果であり、特に黒色表示特性が優
れたコントラスト比の高い液晶表示素子となった。 (実験例2)液晶性エステル化合物を25wt%液晶性
トラン化合物を15wt%含有する液晶混合物Bにカイ
ラル材料S−811(メルク社製)をそれぞれ27wt
%、22wt%、18wt%添加し、液晶組成物B1、
B2、B3をそれぞれ調製した。液晶B1の屈折率はn
e=1.52、no=1.65であり、以下液晶B2は
ne/no=1.52/1.63、液晶B3はne/n
o=1.52/1.62であった。液晶組成物B1は4
90nm付近の、液晶組成物B2は560nm付近の、
液晶組成物B3は690nm付近の波長の光を選択反射
するように調製されている。
【0057】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられた三つのポリカーボネート(P
C)からなるフィルム基板を用意し、該各PCフィルム
基板上に設けられた屈折率1.70の透明電極上に、厚
み1 000Åで屈折率1.53であり有機ケイ素化合物
とシリカ粒子を含有する絶縁性薄膜bをそれぞれ形成し
た後、その上に5.0μm、7.0μm、9.0μm径
のスペーサ(積水ファインケミカル社製)をそれぞれ散
布した。
【0058】また、もう一方に基板として、屈折率1.
70の透明電極が設けられた三つのPCフィルム基板を
用意し、該各PCフィルム基板上に設けられた屈折率
1.70の透明電極上にも同様に、絶縁性薄膜bをそれ
ぞれ形成した。
【0059】続いて、一方の各基板上の周縁部にシール
材XN21S(三井化学社製)をスクリーン印刷して所
定高さの壁をそれぞれ形成した。
【0060】その後該一方の各基板上にシール材の高さ
とシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液
晶組成物B1、B2、B3をそれぞれ塗布し、実験例1
と同様にして貼り合わせ装置を用いてそれぞれ2枚の基
板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セルb
1、b2、b3を作製した。このように液晶組成物B
1、B2、B3はそれぞれ厚さ5μm、7μm、9μm
のセルに充填した。
【0061】その後三つの液晶セルをb1、b2、b3
の順に重ね合わせ、これを液晶表示素子とした。この液
晶表示素子の裏面(液晶セルb3の外面(裏面))には
黒色の光吸収膜を設けた。
【0062】それぞれの液晶セルを着色状態と消色状態
にするため、所定電圧(着色時90V、5ms、消色時
60V、5ms)でそれぞれ駆動したところ、コントラ
スト比は5:1(白色表示状態/黒色表示状態)であっ
た。これは絶縁膜の屈折率が液晶材料の屈折率にほぼ近
いため、絶縁膜―液晶間で余分な散乱光が発生せず、ま
た、液晶材料には弾性定数比K33/K11が小さい液
晶性エステル化合物と液晶性トラン化合物を少なくとも
含有することによって得られた結果であり、特に黒色表
示特性が優れたコントラスト比の高い液晶表示素子とな
った。 (実験例3)液晶性エステル化合物を25wt%液晶性
トラン化合物を15wt%含有する液晶混合物Bにカイ
ラル材料S−811(メルク社製)をそれぞれ27wt
%、22wt%、18wt%添加し、液晶組成物B1、
B2、B3をそれぞれ調製した。液晶B1の屈折率はn
e=1.52、no=1.65であり、以下液晶B2は
ne/no=1.52/1.63、液晶B3はne/n
o=1.52/1.62であった。液晶組成物B1は4
90nm付近の、液晶組成物B2は560nm付近の、
液晶組成物B3は690nm付近の波長の光を選択反射
するように調製されている。
【0063】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられた三つのポリカーボネート(P
C)からなるフィルム基板を用意し、該各PCフィルム
基板上に設けられた屈折率1.70の透明電極上に、厚
み1 000Åで屈折率1.66であり有機ケイ素化合物
とシリカ粒子を含有する絶縁性薄膜cをそれぞれ形成し
た後、その上に5.0μm、7.0μm、9.0μm径
のスペーサ(積水ファインケミカル社製)をそれぞれ散
布した。
【0064】また、もう一方に基板として、屈折率1.
70の透明電極が設けられた三つのPCフィルム基板を
用意し、該各PCフィルム基板上に設けられた屈折率
1.70の透明電極上にも同様に、絶縁性薄膜cをそれ
ぞれ形成した。
【0065】続いて、一方の各基板上の周縁部にシール
材XN21S(三井化学社製)をスクリーン印刷して所
定高さの壁をそれぞれ形成した。
【0066】その後該一方の各基板上にシール材の高さ
とシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液
晶組成物B1、B2、B3をそれぞれ塗布し、実験例1
と同様にして貼り合わせ装置を用いてそれぞれ2枚の基
板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セルb
1、b2、b3を作製した。このように液晶組成物B
1、B2、B3はそれぞれ厚さ5μm、7μm、9μm
のセルに充填した。
【0067】その後三つの液晶セルをb1、b2、b3
の順に重ね合わせ、これを液晶表示素子とした。この液
晶表示素子の裏面(液晶セルb3の外面(裏面))には
黒色の光吸収膜を設けた。
【0068】それぞれの液晶セルを着色状態と消色状態
にするため、所定電圧(着色時90V、5ms、消色時
60V、5ms)でそれぞれ駆動したところ、コントラ
スト比は5:1(白色状態/黒色状態)であった。これ
は絶縁膜の屈折率が液晶材料の屈折率にほぼ近いため、
絶縁膜―液晶間で余分な散乱光が発生せず、また、液晶
材料には弾性定数比K33/K11が小さい液晶性エス
テル化合物と液晶性トラン化合物を少なくとも含有する
ことによって得られた結果であり、特に黒表示特性が優
れたコントラスト比の高い液晶表示素子となった。 (実験例4)液晶性エステル化合物を25wt%液晶性
トラン化合物を15wt%含有する液晶混合物Bにカイ
ラル材料S−811(メルク社製)をそれぞれ27wt
%、22wt%、18wt%添加し、液晶組成物B1、
B2、B3をそれぞれ調製した。液晶B1の屈折率はn
e=1.52、no=1.65であり、以下液晶B2は
ne/no=1.52/1.63、液晶B3はne/n
o=1.52/1.62であった。液晶組成物B1は4
90nm付近の、液晶組成物B2は560nm付近の、
液晶組成物B3は690nm付近の波長の光を選択反射
するように調製されている。
【0069】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられた三つのポリカーボネート(P
C)からなるフィルム基板を用意し、該各PCフィルム
基板上に設けられた屈折率1.70の透明電極上に、厚
み1 000Åで屈折率1.60であり有機ケイ素化合物
とシリカ粒子を含有する絶縁性薄膜dをそれぞれ形成し
た後、その上に5.0μm、7.0μm、9.0μm径
のスペーサ(積水ファインケミカル社製)をそれぞれ散
布した。
【0070】また、もう一方に基板として、屈折率1.
70の透明電極が設けられた三つのPCフィルム基板を
用意し、該各PCフィルム基板上に設けられた屈折率
1.70の透明電極上にも同様に、絶縁性薄膜dをそれ
ぞれ形成した。
【0071】続いて、一方の各基板上の周縁部にシール
材XN21S(三井化学社製)をスクリーン印刷して所
定高さの壁をそれぞれ形成した。
【0072】その後該一方の各基板上にシール材の高さ
とシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液
晶組成物B1、B2、B3をそれぞれ塗布し、実験例1
と同様にして貼り合わせ装置を用いてそれぞれ2枚の基
板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セルb
1、b2、b3を作製した。このように液晶組成物B
1、B2、B3はそれぞれ厚さ5μm、7μm、9μm
のセルに充填した。
【0073】その後三つの液晶セルをb1、b2、b3
の順に重ね合わせ、これを液晶表示素子とした。この液
晶表示素子の裏面(液晶セルb3の外面(裏面))には
黒色の光吸収膜を設けた。
【0074】それぞれの液晶セルを着色状態と消色状態
にするため、所定電圧(着色時90V、5ms、消色時
60V、5ms)でそれぞれ駆動したところ、コントラ
スト比は6:1(白色状態/黒色状態)であった。これ
は絶縁膜の屈折率が液晶材料の屈折率にほぼ近いため、
絶縁膜―液晶間で余分な散乱光が発生せず、また、液晶
材料には弾性定数比K33/K11が小さい液晶性エス
テル化合物と液晶性トラン化合物を少なくとも含有する
ことによって得られた結果であり、特に黒表示特性が優
れたコントラスト比の高い液晶表示素子となった。 (実験例5)液晶性エステル化合物を25wt%液晶性
トラン化合物を15wt%含有する液晶混合物Bにカイ
ラル材料S−811(メルク社製)をそれぞれ27wt
%、22wt%、18wt%添加し、液晶組成物B1、
B2、B3をそれぞれ調製した。液晶B1の屈折率はn
e=1.52、no=1.65であり、以下液晶B2は
ne/no=1.52/1.63、液晶B3はne/n
o=1.52/1.62であった。液晶組成物B1は4
90nm付近の、液晶組成物B2は560nm付近の、
液晶組成物B3は690nm付近の波長の光を選択反射
するように調製されている。
【0075】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられた三つのポリカーボネート(P
C)からなるフィルム基板を用意し、該各PCフィルム
基板上に設けられた屈折率1.70の透明電極上に、厚
み1 000Åで屈折率1.60であり有機ケイ素化合物
とシリカ粒子を含有する絶縁性薄膜dをそれぞれ形成し
た後、その上に厚み800Åで屈折率1.56である配
向膜gをそれぞれ形成し、さらにその上に5.0μm、
7.0μm、9.0μm径のスペーサ(積水ファインケ
ミカル社製)をそれぞれ散布した。
【0076】また、もう一方に基板として、屈折率1.
70の透明電極が設けられた三つのPCフィルム基板を
用意し、該各PCフィルム基板上に設けられた屈折率
1.70の透明電極上にも同様に、絶縁性薄膜dをそれ
ぞれ形成した後、その上に配向膜gをそれぞれ形成し
た。
【0077】続いて、一方の各基板上の周縁部にシール
材XN21S(三井化学社製)をスクリーン印刷して所
定高さの壁をそれぞれ形成した。
【0078】その後該一方の各基板上にシール材の高さ
とシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液
晶組成物B1、B2、B3をそれぞれ塗布し、実験例1
と同様にして貼り合わせ装置を用いてそれぞれ2枚の基
板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セルb
1、b2、b3を作製した。このように液晶組成物B
1、B2、B3はそれぞれ厚さ5μm、7μm、9μm
のセルに充填した。
【0079】その後三つの液晶セルをb1、b2、b3
の順に重ね合わせ、これを液晶表示素子とした。この液
晶表示素子の裏面(液晶セルb3の外面(裏面))には
黒色の光吸収膜を設けた。
【0080】それぞれの液晶セルを着色状態と消色状態
にするため、所定電圧(着色時90V、5ms、消色時
60V、5ms)でそれぞれ駆動したところ、コントラ
スト比は7:1(白色状態/黒色状態)であった。これ
は絶縁膜の屈折率が液晶材料の屈折率にほぼ近いため、
絶縁膜―液晶間で余分な散乱光が発生せず、また、液晶
材料には弾性定数比K33/K11が小さい液晶性エス
テル化合物と液晶性トラン化合物を少なくとも含有する
ことによって得られた結果であり、特に黒表示特性が優
れたコントラスト比の高い液晶表示素子となった。 (実験例6)液晶性エステル化合物を25wt%液晶性
トラン化合物を15wt%含有する液晶混合物Bにカイ
ラル材料S−811(メルク社製)をそれぞれ27wt
%、22wt%、18wt%添加し、液晶組成物B1、
B2、B3をそれぞれ調製した。液晶B1の屈折率はn
e=1.52、no=1.65であり、以下液晶B2は
ne/no=1.52/1.63、液晶B3はne/n
o=1.52/1.62であった。液晶組成物B1は4
90nm付近の、液晶組成物B2は560nm付近の、
液晶組成物B3は690nm付近の波長の光を選択反射
するように調製されている。
【0081】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられた三つのガラス基板を用意し、該
各ガラス基板上に設けられた屈折率1.70の透明電極
上に、厚み1 000Åで屈折率1.60であり有機ケイ
素化合物とシリカ粒子を含有する絶縁性薄膜dをそれぞ
れ形成した後、その上に厚み800Åで屈折率1.56
である配向膜gをそれぞれ形成し、さらにその上に5.
0μm、7.0μm、9.0μm径のスペーサ(積水フ
ァインケミカル社製)をそれぞれ散布した。
【0082】また、もう一方に基板として、屈折率1.
70の透明電極が設けられた三つのガラス基板を用意
し、該各ガラス基板上に設けられた屈折率1.70の透
明電極上にも同様に、絶縁性薄膜dをそれぞれ形成した
後、その上に配向膜gをそれぞれ形成した。
【0083】続いて、一方の各基板上の周縁部にシール
材XN21S(三井化学社製)を液晶の注入口のみ開け
た形状でスクリーン印刷して所定高さの壁をそれぞれ形
成した。
【0084】その後、各2枚の基板をそれぞれ重ね合わ
せた後180℃で1時間焼成し、液晶組成物B1、B
2、B3を真空注入法でそれぞれ注入した。それから液
晶の注入口を紫外線硬化型接着剤であるフォトレックA-
704-60(積水ファインケミカル社製)でそれぞれ封止
し、液晶がセル外へ流出しないようにし、液晶セルb
1、b2、b3を作製した。このように液晶組成物B
1、B2、B3はそれぞれ厚さ5μm、7μm、9μm
のセルに充填した。
【0085】その後三つの液晶セルをb1、b2、b3
の順に重ね合わせ、これを液晶表示素子とした。この液
晶表示素子の裏面(液晶セルb3の外面(裏面))には
黒色の光吸収膜を設けた。
【0086】それぞれの液晶セルを着色状態と消色状態
にするため、所定電圧(着色時90V、5ms、消色時
60V、5ms)でそれぞれ駆動したところ、コントラ
スト比は8:1(白色状態/黒色状態)であった。これ
は絶縁膜の屈折率が液晶材料の屈折率にほぼ近いため、
絶縁膜―液晶間で余分な散乱光が発生せず、また、液晶
材料には弾性定数比K33/K11が小さい液晶性エス
テル化合物と液晶性トラン化合物を少なくとも含有する
ことによって得られた結果であり、特に黒表示特性が優
れたコントラスト比の高い液晶表示素子となった。 (比較実験例1)液晶性シアノビフェニル化合物を30
wt%含有する液晶混合物Cに、カイラル材料S−81
1(メルク社製)を28wt%添加し液晶組成物C2を
調製した。液晶C2の屈折率はne=1.51、no=
1.64であった。液晶組成物C2は560nm付近の
波長の光を選択反射するように調製されている。
【0087】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられたポリカーボネート(PC)から
なるフィルム基板を用意し、該PCフィルム基板上に設
けられた屈折率1.70の透明電極上に、厚み1 000
Åで屈折率1.40である絶縁性薄膜eを形成し、その
上に7.0μm径のスペーサ(積水ファインケミカル社
製)を散布した。
【0088】また、もう一方に基板として、屈折率1.
70の透明電極が設けられたPCフィルム基板を用意
し、該PCフィルム基板上に設けられた屈折率1.70
の透明電極上にも同様に、絶縁性薄膜eを形成した。
【0089】この後は実験例1と同様の方法で行った。
【0090】本液晶表示素子を着色状態と消色状態にす
るために所定電圧(着色時90V、5ms、消色時60
V、5ms)で駆動したところ、コントラスト比は2.
5:1(着色状態/消色状態)であった。これは絶縁膜
の屈折率が液晶材料の屈折率よりかなり小さいため、絶
縁膜−液晶間で余分な散乱光が発生し、また液晶材料に
は弾性定数比K33/K11が大きい液晶性シアノビフ
ェニル化合物を含有することで、黒表示特性が低下した
ことに起因するものと考えられる。 (比較実験例2)液晶性シアノビフェニル化合物を30
wt%含有する液晶混合物Cにカイラル材料S−811
(メルク社製)をそれぞれ30wt%、28wt%、2
4wt%添加し、液晶組成物C1、C2、C3をそれぞ
れ調製した。液晶C1の屈折率はne=1.51、no
=1.65であり、以下液晶C2はne/no=1.5
1/1.64、液晶C3はne/no=1.51/1.
62であった。液晶組成物C1は490nm付近の、液
晶組成物C2は560nm付近の、液晶組成物C3は6
90nm付近の波長の光を選択反射するように調製され
ている。
【0091】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられた三つのポリカーボネート(P
C)からなるフィルム基板を用意し、該各PCフィルム
基板上に設けられた屈折率1.70の透明電極上に、厚
み1 000Åで屈折率1.43である絶縁性薄膜hをそ
れぞれ形成した後、その上に5.0μm、7.0μm、
9.0μm径のスペーサ(積水ファインケミカル社製)
をそれぞれ散布した。
【0092】また、もう一方に基板として、屈折率1.
70の透明電極が設けられた三つのPCフィルム基板を
用意し、該各PCフィルム基板上に設けられた屈折率
1.70の透明電極上にも同様に、絶縁性薄膜hをそれ
ぞれ形成した。
【0093】続いて、一方の各基板上の周縁部にシール
材XN21S(三井化学社製)をスクリーン印刷して所
定高さの壁をそれぞれ形成した。
【0094】その後該一方の各基板上にシール材の高さ
とシール材に囲まれた部分の面積から計算された量の液
晶組成物C1、C2、C3をそれぞれ塗布し、実験例1
と同様にして貼り合わせ装置を用いてそれぞれ2枚の基
板を貼り合わせ、150℃で1時間加熱し、液晶セルc
1、c2、c3を作製した。このように液晶組成物C
1、C2、C3はそれぞれ厚さ5μm、7μm、9μm
のセルに充填した。
【0095】その後三つの液晶セルをc1、c2、c3
の順に重ね合わせ、これを液晶表示素子とした。この液
晶表示素子の裏面(液晶セルc3の外面(裏面))には
黒色の光吸収膜を設けた。
【0096】それぞれの液晶セルを着色状態と消色状態
にするため、所定電圧(着色時90V、5ms、消色時
60V、5ms)でそれぞれ駆動したところ、コントラ
スト比は2:1(白色状態/黒色状態)であった。これ
は絶縁膜の屈折率が液晶材料の屈折率よりかなり小さい
ため、絶縁膜―液晶間で余分な散乱光が発生し、また、
液晶材料には弾性定数比K33/K11が大きい液晶性
シアノビフェニル化合物を含有することで、黒表示特性
が低下したことに起因するものと考えられる。(比較実
験例3)液晶性シアノビフェニル化合物を30wt%含
有する液晶混合物Cにカイラル材料S−811(メルク
社製)をそれぞれ30wt%、28wt%、24wt%
添加し、液晶組成物C1、C2、C3をそれぞれ調製し
た。液晶C1の屈折率はne=1.51、no=1.6
5であり、以下液晶C2はne/no=1.51/1.
64、液晶C3はne/no=1.51/1.62であ
った。液晶組成物C1は490nm付近の、液晶組成物
C2は560nm付近の、液晶組成物C3は690nm
付近の波長の光を選択反射するように調製されている。
【0097】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられた三つのポリカーボネート(P
C)からなるフィルム基板を用意し、該各PCフィルム
基板上に設けられた屈折率1.70の透明電極上に、厚
み1 000Åで屈折率1.76である絶縁性薄膜fをそ
れぞれ形成した後、その上に5.0μm、7.0μm、
9.0μm径のスペーサ(積水ファインケミカル社製)
をそれぞれ散布した。
【0098】以下比較実験例2と同様の方法で行った。
【0099】それぞれの液晶セルを着色状態と消色状態
にするため、所定電圧(着色時90V、5ms、消色時
60V、5ms)でそれぞれ駆動したところ、コントラ
スト比は2.4:1(白色状態/黒色状態)であった。
これは絶縁膜の屈折率が液晶材料の屈折率よりかなり大
きいため、透明電極―絶縁膜間で余分な散乱光が発生
し、また、液晶材料には弾性定数比K33/K11が大
きい液晶性シアノビフェニル化合物を含有することで、
黒表示特性が低下したことに起因するものと考えられ
る。 (比較実験例4)液晶性シアノビフェニル化合物を30
wt%含有する液晶混合物Cに、カイラル材料S−81
1(メルク社製)を28wt%添加し液晶組成物C2を
調製した。液晶C2の屈折率はne=1.51、no=
1.64であった。液晶組成物C2は560nm付近の
波長の光を選択反射するように調製されている。
【0100】次に、一方の基板として、屈折率1.70
の透明電極が設けられたポリカーボネート(PC)から
なるフィルム基板を用意し、該PCフィルム基板上に設
けられた屈折率1.70の透明電極上に、厚み1 000
Åで屈折率1.60である絶縁性薄膜dを形成し、その
上に7.0μm径のスペーサ(積水ファインケミカル社
製)を散布した。
【0101】また、もう一方に基板として、屈折率1.
70の透明電極が設けられたPCフィルム基板を用意
し、該PCフィルム基板上に設けられた屈折率1.70
の透明電極上にも同様に、絶縁性薄膜dを形成した。
【0102】この後は実験例1と同様の方法で行った。
【0103】本液晶表示素子を着色状態と消色状態にす
るために所定電圧(着色時90V、5ms、消色時60
V、5ms)で駆動したところ、コントラスト比は3:
1(着色状態/消色状態)であった。これは液晶組成物
自体にディスクリネーション(構造欠陥)ラインが多く
発生し、それによる屈折率のミスマッチングのため内部
散乱が大きくなってしまうために、黒品位が低下したこ
とに起因するものと考えられる。
【0104】実験結果を以下にまとめて示す。
【0105】
【表1】
【0106】このように、実験例1〜6の液晶表示素子
ではコントラスト比が5:1〜8:1であり、いずれも
コントラストが高かった。これに対し、絶縁膜の屈折率
と液晶の屈折率とがマッチングせず、液晶の組成が最適
でない比較実験例1〜3の液晶表示素子ではコントラス
ト比が2:1〜2.5:1であり、絶縁膜の屈折率と液
晶の屈折率とがマッチングするが、液晶の組成が最適で
ない比較実験例4の液晶表示素子ではコントラスト比が
3:1であり、いずれもコントラストが低かった。
【0107】
【発明の効果】以上説明したように本発明によると、コ
レステリック相を示す液晶を用いた液晶表示素子であっ
て、コントラストを向上させることができる液晶表示素
子を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る液晶表示素子の1例の概略断面図
である。
【図2】本発明に係る液晶表示素子の他の例であり、青
色表示を行う液晶層、緑色表示を行う液晶層、赤色表示
を行う液晶層の3層の液晶層を含む液晶表示素子の概略
断面図である。
【図3】本発明に係る液晶表示素子に設けられる樹脂構
造物の配置状態の一例を示す図である。
【図4】本発明に係る液晶表示素子を製造するために一
対の基板を貼り合わすための貼り合わせ装置の一例を示
す図である。
【符号の説明】
1、2 一対の基板 3 光吸収層 4 柱状構造物 5 スペーサ 6、6b、6g、6r 液晶 7 絶縁膜 8 配向膜 9 電気的に絶縁性のある膜(絶縁膜7、配向膜8) 10、10b、10g、10r 液晶層 11、12 透明導電膜(透明電極) 91 平板 92 加熱・加圧ローラ P 素子観察側 S シール材
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G02F 1/1347 G02F 1/1347 (72)発明者 久光 聡史 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 松本 光代 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 Fターム(参考) 2H088 FA29 GA03 HA01 HA03 HA04 HA14 KA05 MA02 2H089 HA32 LA09 QA16 SA02 TA04 TA05 TA13 2H090 HA03 HB02X HB07X JB03 LA02 LA03

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】一対の基板間にコレステリック相を示す液
    晶を含む液晶層が挟持された液晶表示素子であり、 前記液晶は少なくとも1種類の液晶性トラン化合物及び
    少なくとも1種類の液晶性エステル化合物を含有してい
    るコレステリック相を示す液晶であり、前記一対の基板
    のうち少なくとも素子観察側からの光を透過する基板の
    前記液晶に臨む側には透明導電膜及び該透明導電膜上の
    電気的に絶縁性のある少なくとも一層の膜が形成されて
    おり、前記液晶の屈折率ne及びnoがそれぞれ1.4
    9〜1.70であり、前記絶縁性のある膜の屈折率が、
    前記透明導電膜の屈折率より小さく、且つ、1.45〜
    1.70であることを特徴とする液晶表示素子。
  2. 【請求項2】前記一対の基板のそれぞれが前記液晶に臨
    む側に前記透明導電膜及び該透明導電膜上に形成された
    少なくとも一層の前記電気的に絶縁性を有する膜を備え
    ている請求項1記載の液晶表示素子。
  3. 【請求項3】前記絶縁性のある膜が有機ケイ素化合物と
    シリカ粒子を含有している請求項1又は2記載の液晶表
    示素子。
  4. 【請求項4】前記絶縁性のある膜の屈折率が1.50〜
    1.65である請求項1、2又は3記載の液晶表示素
    子。
  5. 【請求項5】前記コレステリック相を示す液晶がネマテ
    ィック液晶化合物に不斉炭素を有する化合物を10重量
    %〜50重量%添加したものである請求項1から4のい
    ずれかに記載の液晶表示素子。
  6. 【請求項6】前記コレステリック相を示す液晶における
    液晶性トラン化合物及び液晶性エルテル化合物の含有率
    が30重量%〜50重量%である請求項1から5のいず
    れかに記載の液晶表示素子。
  7. 【請求項7】前記一対の基板が少なくとも高分子フィル
    ムからなる請求項1から6のいずれかに記載の液晶表示
    素子。
  8. 【請求項8】請求項1から7のいずれかに記載の液晶表
    示素子を少なくとも二層有する積層型液晶表示素子。
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KR20180000448U (ko) 2016-08-05 2018-02-14 김여일 악취 차단장치가 장착된 하수구 배수트랩

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KR20180000448U (ko) 2016-08-05 2018-02-14 김여일 악취 차단장치가 장착된 하수구 배수트랩

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