JP2002082235A - スラント型短周期グレーティング - Google Patents

スラント型短周期グレーティング

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JP2002082235A
JP2002082235A JP2001180283A JP2001180283A JP2002082235A JP 2002082235 A JP2002082235 A JP 2002082235A JP 2001180283 A JP2001180283 A JP 2001180283A JP 2001180283 A JP2001180283 A JP 2001180283A JP 2002082235 A JP2002082235 A JP 2002082235A
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Akira Sakamoto
明 坂元
Masaaki Sudo
正明 須藤
Reiko Kojima
玲子 小島
Tomosada Inada
具貞 稲田
Satoshi Okude
聡 奥出
Kenji Nishide
研二 西出
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Fujikura Ltd
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Fujikura Ltd
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  • Optical Fibers, Optical Fiber Cores, And Optical Fiber Bundles (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 透過光の波長スペクトルにおいて、狭い帯域
に損失ピークが得られるスラント型短周期グレーティン
グを提供する。 【解決手段】 コア1が、光の照射によって石英ガラス
の屈折率を変化させる光感受性のドーパントを添加した
石英ガラスからなり、クラッド2の少なくとも前記コア
に隣接する層が、光感受性のドーパントを添加した石英
ガラスからなる光感受層である光ファイバに光を照射
し、所定のグレーティング周期で所定のスラント角度を
もって変化させてグレーティング部4を形成したスラン
ト型短周期グレーティングを形成するにあたって、前記
コア1の外径を5μm以上とし、該コア1の前記クラッ
ド2の光感受層に対する相対光感受率が、所定の式を満
足する様に設計する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、光通信分野などに
おいて、光フィルタなどとして用いられるスラント型短
周期グレーティングに関する。
【0002】
【従来の技術】ファイバ型の光フィルタの一例として光
ファイバグレーティングがある。光ファイバグレーティ
ングには、長周期グレーティング(LPG)と短周期グ
レーティング(SPG)がある。光ファイバグレーティ
ングは、従来は、コアに、その長さ方向に所定のグレー
ティング周期で屈折率の変化を形成したものである。な
お、グレーティング周期とは、この屈折率変化の周期の
ことである。LPGのグレーティング周期は数百μm程
度である。LPGにおいては、屈折率の変化を形成した
グレーティング部において、入射光のうち、所定の波長
域の光が入射光と同方向に進行する前進クラッドモード
と結合し、この波長域の光が損失した透過光が得られ
る。これに対してSPGはグレーティング周期が、光の
波長の半分〜1/3程度のものである。つまり、動作波
長が1.55μm付近であれば、例えばその1/3程度
の値が設定される。その結果、光ファイバのコアを伝搬
する導波モードのうち、所定の波長域の光が反射して反
射モードと結合し、この光が損失した透過光が得られ
る。
【0003】LPGにおいては、信号波形の劣化の原因
となる微小リップルが存在しないという利点がある。微
小リップルとは、波長を横軸、透過率を縦軸にとった透
過光の波長スペクトルにおける微小な変動のことであ
る。そのため、LPGは波長スペクトルにおいては滑ら
かな特性が得られる。また、反射光が殆ど存在しないこ
とも利点のひとつである。しかしながら、透過特性の調
整が困難で任意の透過特性を得難いという欠点がある。
【0004】SPGにおいては、グレーティング周期や
グレーティング部の屈折率変化量などの他、グレーティ
ング周期を長さ方向にそって徐々に拡大、あるいは縮小
させて変化させるチャープトグレーティングを適用する
ことによって、損失光の波長帯域を広くしたり、損失光
の強度を調整することができ、比較的自由に任意の透過
特性を実現することができる。しかしながら、SPGに
おいては、反射光の作用によって多重反射が生じ、その
結果、透過光の波長スペクトルにおいて、微小リップル
を生じ、滑らかな波長スペクトル特性が得られないとい
う問題がある。また、反射光が大きいという問題もあ
る。そこで、最近では、SPGの設計の自由度を生か
し、さらに微小リップルが生じにくいスラント型SPG
の開発が進められている。
【0005】図24はスラント型SPGの一例を示した
側断面図である。以下、このスラント型SPGの製造方
法にそって説明する。図中符号1はコアであって、この
コア1の外周上に、このコア1よりも低い屈折率を備え
たクラッド2が設けられて光ファイバが構成されてい
る。コア1とクラッド2は石英系ガラスからなり、コア
1には、特定波長の光を照射することによって石英ガラ
スの屈折率を上昇させる光感受性のドーパントが添加さ
れている。光感受性のドーパントとしては、通常ゲルマ
ニウムが用いられる。ゲルマニウムを添加した石英ガラ
スに240nm付近の紫外光を照射すると、屈折率が上
昇する。したがって、位相マスクなどを介することによ
り、光ファイバの一側面より、コア1の長さ方向にそっ
て所定のグレーティング周期で光を照射すると、光が照
射された部分のコア1の屈折率が上昇し、複数の高屈折
率部3、3…が所定グレーティング周期で配列されたグ
レーティング部4が得られる。
【0006】高屈折率部3、3…はコア1を横切るよう
に、かつコア1の中心軸Bに直交せず、斜めに形成され
ている。そして、複数の高屈折率部3、3…がコア1の
長さ方向にそって相互に平行に配列されている。高屈折
率部3に直交する線Aの方向をグレーティング方向とい
う。あるいはグレーティング部の格子ベクトル方向とい
う。そして、このグレーティング方向Aとコア1の中心
軸Bとの角度θをスラント角度といい、このθによって
高屈折率部3の傾きの大きさを表す。なお、通常のSP
Gは、グレーティング方向がコア1の中心軸と一致して
おり、θはゼロである。
【0007】その結果、入射方向と同じ方向にコア1を
進行する導波モードがグレーティング部4において反射
された光は、クラッド2に放出され、入射光と逆行する
後進クラッドモードと結合する。すなわち、コア1を逆
行する反射モードと結合しないため、多重反射が生じに
くくなる。そして、波長スペクトルにおいて得られる微
小リップルの強度を小さくすることができる。
【0008】図25(a)、図25(b)、図26
(a)、図26(b)は、スラント角度を変化させた場
合の波長スペクトルを示したものである。なお、導波モ
ードは複数の後進クラッドモードと結合するため、波長
スペクトルにおいては複数の損失ピークが近接して並列
している。スラント角度を0度、2.9度、4度、5.
8度と増加すると、導波モードの反射モードへの結合
は、4度において最小となり、さらにこのスラント角度
が5.8度に増加すると、前記結合が再び増加する。す
なわち、スラント角度の増加に伴って、反射モードへの
結合が増加、減少を繰り返す周期的な特性を奏する。こ
の反射モードへの結合が最初に極小値となる角度を反射
抑制角と呼ぶことにする(この例においては図26
(a)に示した様に4度)。スラント型SPGにおいて
は、スラント角度を反射抑制角付近に設定すると、微小
リップルの影響を小さくすることができる。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】しかし、コアと、その
外周上に設けられ、このコアよりも低い屈折率を備えた
クラッドとを有し、コアがゲルマニウム添加石英ガラス
からなり、クラッドが純粋石英ガラスからなる一般的な
シングルモード光ファイバを用いたスラント型SPGに
おいては、スラント角度を反射抑制角付近に設定する
と、導波モードがクラッドモードに結合する帯域が広く
なり、急峻な波長スペクトルが得られないという欠点が
ある。図27は、この様な一般的なシングルモード光フ
ァイバのコアに、一定のグレーティング周期で、スラン
ト短周期型のグレーティング部を、スラント角度が反射
抑制角付近になる様に形成したスラント型SPGの透過
光の波長スペクトルの一例を示したものである。損失帯
域(損失ピークの帯域)は20nm以上に及んでいる。
またスラント型SPGにおいては、透過光の波長スペク
トルにおいて得られる損失ピークが大きい波長帯域をメ
インバンド、メインバンドの短波長側にあらわれる小さ
い波長帯域をサイドバンド、という様に、分けることが
できる場合がある。そして、メインバンドの損失ピーク
の長波長側の部分に不要なゴーストモードのピークが存
在する場合や、メインバンドの損失ピークに並列する様
に現れるノイズとなるサイドバンドの透過損失が大きく
なる場合がある。ゴーストピークが存在したり、サイド
バンドの透過損失が大きくなったりすると、実質的には
充分に損失帯域を狭くすることができず、急峻な波長ス
ペクトルは得られない場合がある。また、同じ露光量、
つまり同じ屈折率変化を与えても、透過損失のメインバ
ンドの面積(以下、「透過損失面積」という場合があ
る。)が小さい場合は、同じフィルタ特性を得るのに長
く露光しなければならないため、製造上不利となる。
【0010】この様にスラント型SPGにおいては、急
峻な波長スペクトル、ゴーストモードのピークの低減、
サイドバンドの透過損失の低減、透過損失面積の拡大な
どの種々の課題があり、所望の特性を得ることが困難な
場合があり、光学特性の設計の自由度は、未だ充分では
なかった。特に狭い損失帯域を得ることは困難な場合が
あった。スラント型SPGは、例えばエルビウム(E
r)添加光ファイバ増幅器の波長−利得特性を等化する
ために用いられる。スラント型SPGは、前記Er添加
光ファイバ増幅器の利得−波長特性の光学特性に対応す
る様に、種々の設計ができるものが好ましい。そして、
このときゴーストモードやサイドバンドの大きさが問題
とならないものが好ましい。
【0011】本発明は前記事情に鑑みてなされたもの
で、自由に光学特性を設計することができるスラント型
SPGを提供することを課題とする。具体的には、透過
光の波長スペクトルにおいて、狭い損失帯域を備えたス
ラント型SPGを提供することを課題とする。さらに同
じ屈折率変化で、より透過損失面積の大きいスラント型
SPGを提供することを課題とする。さらに、ゴースト
モードのピークを低減したスラント型SPGを提供する
ことを課題とする。さらに、サイドバンドの透過損失の
低減を図ることができるスラント型SPGを提供するこ
とを課題とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】前記課題を解決するため
に、本発明においては以下の様な解決手段を提案する。
第1の発明は、コアと該コアの外周上に設けられたクラ
ッドを有し、該コアが、光の照射によって石英ガラスの
屈折率を変化させる光感受性のドーパントを添加した石
英ガラスからなり、該クラッドが、1層または2層以上
からなり、少なくとも前記コアに隣接する層が、光の照
射によって石英ガラスの屈折率を変化させる光感受性の
ドーパントを添加した石英ガラスからなる光感受層であ
る光ファイバに光を照射し、前記コアと前記クラッドの
光感受層の屈折率を、当該光ファイバの長さ方向にそっ
て所定のグレーティング周期で所定のスラント角度をも
って変化させてグレーティング部を形成したスラント型
短周期グレーティングであって、前記コアの外径が5μ
m以上であり、該コアに隣接する前記クラッドの光感受
層に対する、当該コアの相対光感受率が、以下の式
(1)
【数5】 (式中、aはコアの外径(単位:μm)、Vは正規化周
波数、Pは、該コアに隣接する前記クラッドの光感受層
に対する、当該コアの相対光感受率)を満足し、かつ前
記スラント角度が導波モードの反射モードへの結合によ
る損失が極小値になる角度に設定されていることを特徴
とするスラント型短周期グレーティングである。第2の
発明は、前記第1の発明のスラント型短周期グレーティ
ングにおいて、前記コアの外径が7μm以上であること
を特徴とするスラント型短周期グレーティングである。
第3の発明は、前記第1または第2の発明のスラント型
短周期グレーティングにおいて、前記コアの相対光感受
率が0.1〜0.4であることを特徴とするスラント型
短周期グレーティングである。第4の発明は、前記第1
〜3のいずれかの発明のスラント型短周期グレーティン
グにおいて、前記クラッドの光感受層の外径が、前記コ
アの外径の4倍以上であることを特徴とするスラント型
短周期グレーティングである。第5の発明は、前記第1
〜4の発明のいずれかのスラント型短周期グレーティン
グにおいて、前記コアの外径が12μm以下であること
を特徴とするスラント型短周期グレーティングである。
第6の発明は、前記第1〜5のいずれかの発明のスラン
ト型短周期グレーティングにおいて、前記コア−前記ク
ラッドの比屈折率差が0.5%以下であることを特徴と
するスラント型短周期グレーティングである。第7の発
明は、前記第1〜6のいずれかの発明のスラント型短周
期グレーティングにおいて、前記コアにアルミニウムま
たはリンが添加されていることを特徴とするスラント型
短周期グレーティングである。第8の発明は、コアと該
コアの外周上に設けられたクラッドを有し、該クラッド
が、1層または2層以上からなり、少なくともそのうち
の1層が、光の照射によって石英ガラスの屈折率を変化
させる光感受性のドーパントを添加した石英ガラスから
なる光感受層である光ファイバに光を照射し、該光感受
層の屈折率を、当該光ファイバの長さ方向にそって所定
のグレーティング周期で所定のスラント角度をもって変
化させてグレーティング部を形成したスラント型短周期
グレーティングであって、前記クラッド中の最も光感受
性の高い光感受層に対する、前記コアの相対光感受率
が、以下の式(2)
【数6】 (式中、aはコアの外径(単位:μm)、Vは正規化周
波数、Pは、前記クラッド中の最も光感受性の高い光感
受層に対する、前記コアの相対光感受率)を満たすこと
を特徴とするスラント型短周期グレーティングである。
第9の発明は、コアと該コアの外周上に設けられたクラ
ッドを有し、該クラッドが、1層または2層以上からな
り、少なくともそのうちの1層が、光の照射によって石
英ガラスの屈折率を変化させる光感受性のドーパントを
添加した石英ガラスからなる光感受層である光ファイバ
に光を照射し、該光感受層の屈折率を、当該光ファイバ
の長さ方向にそって所定のグレーティング周期で所定の
スラント角度をもって変化させてグレーティング部を形
成したスラント型短周期グレーティングであって、前記
クラッド中の最も光感受性の高い光感受層に対する、前
記コアの相対光感受率が、以下の式(3)
【数7】 (式中、aはコアの外径(単位:μm)、Vは正規化周
波数、Pは、前記クラッド中の最も光感受性の高い光感
受層に対する、前記コアの相対光感受率)を満たすこと
を特徴とするスラント型短周期グレーティングである。
第10の発明は、コアと該コアの外周上に設けられたク
ラッドを有し、該クラッドが、1層または2層以上から
なり、少なくともそのうちの1層が、光の照射によって
石英ガラスの屈折率を変化させる光感受性のドーパント
を添加した石英ガラスからなる光感受層である光ファイ
バに光を照射し、該光感受層の屈折率を、当該光ファイ
バの長さ方向にそって所定のグレーティング周期で所定
のスラント角度をもって変化させてグレーティング部を
形成したスラント型短周期グレーティングであって、前
記光感受層に対する前記コアの相対光感受率が、以下の
式(4)
【数8】 (式中、aはコアの外径(単位:μm)、Vは正規化周
波数、Pは、前記クラッド中の最も光感受性の高い光感
受層に対する、前記コアの相対光感受率)を満たすこと
を特徴とするスラント型短周期グレーティングである。
第11の発明は、前記第8〜10のいずれかの発明のス
ラント型短周期グレーティングにおいて、導波モードの
反射モードへの結合による損失が極小値になるスラント
角度が設定されていることを特徴とするスラント型短周
期グレーティングである。第12の発明は、前記第8〜
11のいずれかの発明のスラント型短周期グレーティン
グにおいて、前記光感受層に対する前記コアの相対光感
受率が0.2以上であることを特徴とするスラント型短
周期グレーティングである。第13の発明は、前記第8
〜12のいずれかの発明のスラント型短周期グレーティ
ングにおいて、前記グレーティング周期がチャープトピ
ッチであり、該グレーティング周期ののチャープ率が2
0nm/cm以下であることを特徴とするスラント型短
周期グレーティングである。第14の発明は、前記第1
〜13のいずれかの発明のスラント型短周期グレーティ
ングにおいて、波長1550nm、かつ直径60mmの
巻き径の条件下における、前記光ファイバの曲げ損失
が、1dB/m以下であることを特徴とするスラント型
短周期グレーティングである。第15の発明は、前記第
1〜14のいずれかの発明のスラント型短周期グレーテ
ィングにおいて、波長1550nm、かつ直径40mm
の巻き径の条件下における、前記光ファイバの曲げ損失
が、0.1dB/m以下であることを特徴とするスラント
型短周期グレーティングである。第16の発明は、前記
第1〜15のいずれかの発明のスラント型短周期グレー
ティングにおいて、当該スラント型短周期グレーティン
グの動作波長における前記光ファイバの導波モードのモ
ードフィールド径が15μm以下であることを特徴とす
るスラント型短周期グレーティングである。第17の発
明は、第1〜16のいずれかの発明のスラント型短周期
グレーティングにおいて、前記光感受層の外径が、当該
スラント型短周期グレーティングの動作波長における前
記光ファイバの導波モードのモードフィールド径の1.
5倍以上であることを特徴とするスラント型短周期グレ
ーティングである。第18の発明は、前記第1〜17の
いずれかの発明のスラント型短周期グレーティングにお
いて、前記光感受層の外径が60μm以下であることを
特徴とするスラント型短周期グレーティングである。第
19の発明は、前記第1〜18のいずれかの発明のスラ
ント型短周期グレーティングにおいて、前記グレーティ
ング部の長さが1〜100mmであることを特徴とする
スラント型短周期グレーティングである。第20の発明
は、前記第1〜19のいずれかの発明のスラント型短周
期グレーティングと、光増幅器とを備えた光増幅器モジ
ュールであって、当該スラント型短周期グレーティング
によって該光増幅器の利得等化を行うものであることを
特徴とする光増幅器モジュールである。第21の発明
は、前記第20の発明の光増幅器モジュールにおいて、
前記光増幅器がエルビウム添加光ファイバ増幅器である
ことを特徴とする光増幅器モジュールである。第22の
発明は、前記第20または21の発明の光増幅器モジュ
ールを用いたことを特徴とする光通信システムである。
第23の発明は、前記第1〜19のいずれかひとつの発
明の条件を満足するように、スラント型短周期グレーテ
ィングを設計し、製造することを特徴とするスラント型
短周期グレーティングの製造方法である。
【0013】
【発明の実施の形態】1.第1の実施形態例 本発明者らは、まず、狭い損失帯域を得ること、を目的
として検討を行った。以下、本発明の検討の経過を追っ
て、本発明について詳細に説明する。第1の実施形態例
においては、実質的にグレーティング周期が一定のスラ
ント型SPGに適用可能な条件であって、「狭い損失帯
域」と、「サイドバンドの損失ピークの抑制」、の効果
が得られる。上述の様に、スラント型SPGにおいて
は、透過光の波長スペクトルにおいて得られる損失ピー
クが大きい波長帯域をメインバンド、メインバンドの短
波長側に現れる小さい波長帯域をサイドバンド、という
様に、分けることができる場合がある。
【0014】図28は、メインバンドとサイドバンドが
存在する波長スペクトルの一例を示したものである。長
波長側がメインバンド、短波長側がサイドバンドであ
る。光フィルタにおいては、上述の様にサイドバンドの
透過損失がノイズとなる場合がある。また、光フィルタ
としては、メインバンドとサイドバンドの透過損失の差
が小さい程、設計の自由度が高くなり、好ましい。した
がって、「サイドバンドの損失ピークの抑制」が求めら
れる。
【0015】図1は、コアの外径a、正規化周波数V、
クラッドにおいて、コアに隣接する光感受層に対するコ
アの相対光感受率Pの3つのパラメータの設計条件を示
したものである。図1に示したように、クラッドはコア
に隣接する第1層Cと、その外周上の第2層Dとから構
成されている。第1層Cは光感受性のドーパントを添加
した石英ガラスからなる光感受層である。この例におい
て、第1層Cの半径は、コア半径a/2の5倍である。
また、クラッドの半径は62.5μmである。この設計
条件で、上記3つのパラメータが、メインバンドの帯
域、およびサイドバンド損失のメインバンド損失に対す
る比率にどのように影響するかについて説明する。
【0016】グラフ中において、光ファイバの屈折率プ
ロファイルは実線で囲まれている。屈折率プロファイル
においては、コアの屈折率が最も高く、クラッドの第1
層Cと、第2層Dの屈折率は等しく設定されている。な
お、第1層Cと第2層Dの屈折率は必ずしも一致してい
る必要はなく、第1層Cの屈折率の方が高い場合、逆に
第2層Dの屈折率の方が高い場合も考えられる。光感受
性のプロファイルは、縦軸に示した相対光感受率を基準
に表されており、一点鎖線で囲まれている。このプロフ
ァイルにおいては、第1層Cに光感受性のドーパントが
最も多量に添加されている。相対光感受率は、最も多量
に光感受性のドーパントが添加されている光感受層(こ
の例においては第1層C)における光感受性のドーパン
ト濃度を1としたときの、他の層(コア、あるいはクラ
ッドを構成する他の層;この例においてはコアと、第2
層D)における光感受性のドーパントの添加量の割合で
ある。なお、コア内において、光感受性のドーパントの
濃度が一定である必要はない。コア内において光感受性
のドーパント濃度が異なる場合は、コア全域で平均化し
たドーパント濃度から、相対光感受率を算出する。図1
からわかる様に、この例においてはコアには少量の光感
光性のドーパントが添加され、第2層Dには光感光性の
ドーパントは添加されていない。
【0017】従来の例においては、コアにのみ光感受性
のドーパントを添加した例を示したが、この実施形態例
においては、主にクラッドの第1層Cに光感受性のドー
パントが添加され、さらにコアにも少量の光感受性のド
ーパントが添加されている。コアには、相対光感受率を
調整するためにゲルマニウムが添加され、屈折率を調整
するためにリン、アルミニウムなどが添加されている。
リン、アルミニウムは光感受性がなく、かつ屈折率を上
昇させる作用を有するドーパントである。クラッドの第
1層Cには、光感受性を調整するため、ゲルマニウムが
添加され、必要に応じてホウ素、フッ素などが添加さ
れ、屈折率が調整されている。第2層Dは、純粋石英ガ
ラス、または屈折率を調整するため、ホウ素、フッ素な
どを添加した石英ガラスから形成されている。
【0018】なお、この例において検討したコアの外径
は、7、8、10μmの3種である。正規化周波数Vは
コアの外径とコア−クラッドの比屈折率差によって、以
下の式
【0019】
【数9】
【0020】によって定まる。式中、λは動作波長、a
はコアの外径(単位:μm)、ncladはクラッドの屈折
率、ncoreはコアの屈折率、Δはコア−クラッドの比屈
折率差である。正規化周波数Vは1.7〜2.3の範囲
で変化させている。また、コアの相対光感受率は0〜
0.4の範囲で変化させている。なお、本実施形態例に
おいて、スラント型SPGの動作波長は1500〜16
00nmである。
【0021】そして、まず、コアの外径、正規化周波
数、コアの相対光感受率の値を設定した上で、スラント
角度を0度から徐々に大きくしていったときに、導波モ
ードの、反射モード(後進LP01モード)への結合に
よる損失が極小値(通常は0〜0.01dB程度)とな
る最初の角度(反射抑制角)にスラント角度を設定して
いる。したがって、本実施例において、反射モードへの
結合は殆どない。スラント角度は他の条件によっても異
なるが実質的には1.5〜8度、好ましくは1.5〜6
度ある。ついで、この条件で、導波モードのLP0Xモ
ード群への結合と、導波モードのLP1Xモード群への
結合について、実効屈折率と結合係数の計算を行った。
LP0Xモード群とLP1Xモード群はメインバンドお
よびサイドバンドを構成するクラッドモード群である。
さらに、この実効屈折率と結合係数を、動作波長155
0nm、一定のグレーティング周期でスラント型SPG
を作製したときの結合波長(導波モードがクラッドモー
ドと結合する波長)と透過損失に、モード結合理論を用
い、それぞれの結合によって生じる透過損失の和をとる
ことにより、変換した。
【0022】 図2は計算結果の例を示したグラフであ
る。●はLP0Xモード(LP01、LP02…)と導
波モードが結合する波長(結合波長)とそのときの透過
損失をプロットしたものである。○はLP1Xモード
(LP11、LP12、…)(Xは整数)と、導波モー
ドが結合する波長(結合波長)と、そのときの透過損失
をプロットしたものである。なお、メインバンドの損失
帯域(メインバンド帯域)は、メインバンドの最長波長
側に現れるLP11モードの結合波長から、損失が最小
になる最初のLP1Xモードの結合波長までの幅であ
る。図3(a)〜図5(b)は、コアの外径a、正規化
周波数V、コアの相対光感受率Pを変化させて、同様に
反射モードへの結合が最小になるスラント角度(反射抑
制角)を求め、計算を行い、各条件についてメインバン
ド帯域と、サイドバンド/メインバンド損失を求めた結
果を示したものである。
【0023】図3(a)、図3(b)は、それぞれ、コ
アの外径7μmのときのコアの相対光感受率とメインバ
ンド帯域との関係と、コアの相対光感受率とサイドバン
ド/メインバンド損失比との関係を示したグラフであ
る。結果は正規化周波数ごとにまとめられている。
【0024】図4(a)、図4(b)は、コアの外径8
μmの場合の同様のグラフである。図5(a)、図5
(b)は、コアの外径10μmの場合の同様のグラフで
ある。なお、メインバンド損失はメインバンドの透過損
失のピークトップの値、サイドバンド損失は、サイドバ
ンドの透過損失のピークトップの値である。これらのグ
ラフより、メインバンド帯域はコアの相対光感受率が大
きくなると大きくなることがわかる。すなわち、コアの
相対光感受率が大きいとコアの屈折率変化量が大きくな
るため、反射モードへの結合が生じやすくなる。したが
って、これを防ぐためにスラント角度を大きくする必要
が生じる。そして、メインバンド帯域はスラント角度が
大きくなると大きくなる傾向があるため、結果としてメ
インバンド帯域が大きくなる。
【0025】メインバンド帯域は、コアの外径と正規化
周波数にも比較的大きく依存している。メインバンド帯
域は、コアの外径が大きくなると狭くなり、正規化周波
数Vが小さくなると狭くなる傾向がある。すなわち、コ
アの外径が大きくなるとファイバ断面において光が広が
る傾向があり、また、同じコアの外径であれば、正規化
周波数が小さいと、コア−クラッド比屈折率差が小さく
なって、同様に光が広がる傾向にある。スラント型SP
Gにおいては、ファイバ断面方向にも周期構造が存在す
るが、断面方向における位相整合条件が光の広がりによ
って厳しくなる。その結果、スラント角度が小さくても
反射モードへの結合が小さくなり、メインバンドを狭く
することができる。
【0026】また、コアの相対光感受率が大きくなる
と、サイドバンド/メインバンド損失比が小さくなる。
理由は以下の通りである。図6にサイドバンドを構成す
るクラッドモードの電界強度を示したものである。ま
た、導波モードの電界強度もあわせて示されている。コ
アとクラッドの境界付近のクラッド側において、導波モ
ードは比較的強い正の電界強度をもち、サイドバンド内
のクラッドモードは負の電界強度をもち、逆向きであ
る。したがって、結合係数が負の値である。一方コア側
では、導波モードとクラッドモードが同じ正の電界強度
を持ち、向きが同じであって、これらふたつのモードの
オーバーラップはコア側では正の値をもつ。したがっ
て、コアにグレーティングが形成されると、コア側とク
ラッド側でオーバーラップが相殺され、結合係数が小さ
くなる。
【0027】また、サイドバンド/メインバンド損失比
は、コアの外径と正規化周波数にはそれほど大きく依存
しておらず、どの条件においても、コアの相対光感受率
が0.2付近になるとサイドバンド/メインバンド損失
比が大きく減少する傾向がある。
【0028】これらの前提をふまえた上で、実用可能で
あり、かつ本発明の目的を達成できるスラント型SPG
の条件を、メインバンド帯域は10nm以下、サイドバ
ンド/メインバンド損失比を0.2以下とする。このよ
うな特性を備えたものは従来、得られていなかったこと
は言うまでもない。この様な特性を備えることにより、
光フィルタを作成する際の設計の自由度が高くなる、と
いう効果が得られ、エルビウム(Er)添加光ファイバ
増幅器(略称:EDFA)の利得を平坦化(等化)する
利得等化器(略称:GEQ)に適用した場合には、利得
等化残さが小さくできる、という効果が得られる。そし
て、コアの外径、コアの相対光感受率、正規化周波数の
関係から、この範囲を満足する範囲を求めると、図7に
示した範囲となる。なお、この例の計算では7μm以上
の範囲を求めているが、実質的にはコアの外径が5μm
以上であり、かつ上記の式(1)を満足する範囲であ
る。
【0029】図8は、このような条件で作製したスラン
ト型SPGの一例の透過光の波長スペクトルを示したも
のである。メインバンド帯域が8.5nmと狭く、サイ
ドバンド/メインバンド損失比が0.18と小さく、好
ましい特性が得られていることがわかる。
【0030】なお、このスラント型SPGにおいては、
石英ガラスのゲルマニウムとアルミニウムを添加したガ
ラスからコアを形成し、クラッドの第1層Cをゲルマニ
ウムとフッ素を添加した石英ガラスから形成し、第2層
Dをフッ素を添加した石英ガラスから形成している。コ
アの相対光感受率は0.18、正規化周波数は2.3で
ある。また、コアの外径10μm、コア−クラッドの比
屈折率差0.3%、クラッドの光感受層の外径40μ
m、クラッド径125μm、モードフィールド径12μ
m、ブラッグ波長1550nm、グレーティング周期5
36nm、グレーティング長(グレーティング部の長
さ)10mm、スラント角度3度、直径60mmの巻き
径の曲げ損失は0.02dBである。
【0031】本実施形態例のスラント型SPGは、コア
の外径が5μm以上、好ましくは7μm以上で、前記の
式(1)を満足することが条件となるが、さらに、以下
の条件を満足すると好ましい。すなわち、コアの相対光
感受率は0.1〜0.4であると好ましい。この範囲外
であると、条件によっては所望の特性が得られない場合
がある。また、クラッドの光感受率層の外径は透過損失
を充分に得られる様にするという点から、コアの外径a
の4倍以上であることが好ましい。また、コアの外径は
12μm以下であると好ましい。12μmをこえると曲
げ損失が大きくなり不都合である。また、条件によって
は所望の特性が得られない場合がある。
【0032】さらに、図7に示した範囲において、コア
−クラッドの比屈折率差は0.5%以下である。実質的
には0.2〜0.4%であると好ましい。0.5%をこ
えると、条件によっては所望の特性が得られない場合が
ある。また、グレーティングを形成する光ファイバの曲
げ損失は、動作波長(好ましくは波長1550nm)に
おいて、直径60mmの巻き径で1dB/m以下である
と好ましい。さらに好ましくは、波長1550nm、か
つ直径40mmの巻き径の条件下の曲げ損失が0.1d
B/m以下(さらに好ましくは0.01dB/m以下)
である。曲げ損失が大きくなると、モジュールに収納す
る場合のハンドリング性などが低下するため不都合であ
る。
【0033】また、スラント型SPGに用いる光ファイ
バの動作波長(本実施形態例において、1500〜16
00nm、好ましくは1550nm)における導波モー
ドのモードフィールド径は15μm以下であると好まし
い。15μmをこえると光の閉じこめが弱く高損失であ
り、実用に適しない場合がある。また、他のファイバと
の接続の際に接続損失が大きくなるおそれがある。な
お、曲げ損失とモードフィールド径は、コアの外径に大
きく影響され、コアの外径が大きくなれば曲げ損失が大
きくなる。また、モードフィールド径も大きくなる。そ
のため、コアの外径は上述の様に例えば12μm以下が
好ましい。
【0034】本実施形態例のスラント型SPGにおいて
は、グレーティング周期は動作波長の1/3〜半分程度
であって、所望の特性によって設定されるが、狭いメイ
ンバンド帯域を得るためにはグレーティング周期を一定
周期とすると好ましい。また、一定周期の場合はグレー
ティング長を短くとすると好ましい。グレーティング長
が長いと、各クラッドモードへ結合しているスペクトル
が細くなり、リップルが大きくなる傾向がある。特に限
定するものではないが、好ましくはグレーティング長は
1〜100mm以下、さらに好ましくは5mm以下とさ
れる。1mm未満では、短かすぎて必要な透過損失が得
られないおそれがある。100mmをこえると、グレー
ティング部の形成が困難になるばかりでなく、デバイス
が大きくなり、モジュールなどに収納する際に不都合を
生じるおそれがある。なお、グレーティング長は、フィ
ルタ帯域、透過損失などの光学特性に影響するため、所
望の特性を考慮して適宜調整すると好ましい。
【0035】また、クラッドの光感受層の外径は、この
スラント型SPGの動作波長(本実施形態例においては
1500〜1600nm、好ましくは1550nm)の
導波モードのモードフィールド径の1.5倍以上である
と好ましい。なお、上限値は特に限定しないが、実質的
には8倍以下とされる。1.5倍未満では、導波モード
が伝搬する領域に光感受層のグレーティング部が形成さ
れないため、充分な損失ピークが得られない場合があ
る。また、この条件を満足した上で、クラッドの光感受
層の外径は60μm以下であると好ましい。光感受層は
グレーティング形成時に照射される特定波長の光を吸収
する傾向があるため、光感受層の外径が大きすぎると、
光ファイバの側面から光を照射した場合に、光の照射面
と反対側に位置する光感受層の部分に必要充分な光が照
射されない。その結果、屈折率を充分に上昇させること
ができず、屈折率の変化が不均一となる場合がある。
【0036】また、クラッドは光感受層を備えていれ
ば、1層であっても2層以上の多層構造でもよいが、製
造性の観点からは、2層以上の多層構造とすると好まし
い。さらに、光感光性のドーパント、屈折率を調整する
ためのドーパントの添加量などの条件については設計条
件にしたがって適宜変更可能である。また、本実施形態
例において、スラント型SPGに用いる光ファイバは、
VAD法、MCVD法、PCVD法などの公知の方法に
よって製造することができ、グレーティング部は、光源
としてエキシマレーザなどを用いて公知の方法によって
製造することができる。このように、本実施形態例のス
ラント型SPGは、透過光の波長スペクトルにおいて、
メインバンドの帯域が狭く、かつサイドバンド損失が小
さいため、狭い帯域に損失ピークが得られる。なお、上
述した手順に従ってスラント型SPGを設計して製造す
れば、所望の特性を備えたスラント型SPGを確実に製
造することができる。
【0037】2.第2の実施形態例 第1の実施形態例はグレーティング周期が一定周期のも
のに適用すると好ましく、グレーティング周期が変化す
るチャープトピッチに適用しても必ずしも充分な効果を
得ることができない場合がある。設計条件の自由度を拡
大するためには、例えば狭い損失帯域を設定した上で、
さらにチャープトピッチを適用して微調整することがで
きると好ましい。第2の実施形態例は、グレーティング
周期が一定周期の場合でも、チャープトピッチの場合で
も区別なく適用できるものである。
【0038】2−1.狭い損失帯域を得るための条件:
まず、メインバンド帯域を狭くすることができる条件を
検討した。上述の様にメインバンド帯域が狭く、サイド
バンド損失が比較的小さければ、損失帯域を狭くするこ
とができる。本実施形態例においても、図1に示した構
造の光ファイバを用いて種々の条件のスラント型SPG
を製造し、その特性を比較した。なお、本実施例のスラ
ント型SPGのグレーティング周期は動作波長などの条
件にもよるが、例えば動作波長の1/3〜半分程度とさ
れる。またチャープトピッチにする場合は、チャープ率
は0よりも大きければよく、例えばチャープ率20nm
/cm以下、好ましくは0.2〜10nm/cmとす
る。チャープ率は光ファイバの長さ方向において、変化
させるグレーティング周期の割合を示したものである。
特にチャープ率が20nm/cmの場合は、グレーティ
ング長約7mmで、C−Band、Er添加光ファイバ
増幅器の利得を等化するための利得等化のために通常必
要な帯域である40nmを、充分にカバーできる。な
お、チャープトピッチは光ファイバの長さ方向にそっ
て、グレーティング周期を徐々に拡大したり縮小する様
に変化させたものである。例えば、グレーティング長
と、グレーティング部の長さ方向の中心のグレーティン
グ周期などの基準になるグレーティング周期と、チャー
プ率と、グレーティング周期を徐々に拡大、あるいは縮
小しているかがわかっていれば、グレーティング部の高
屈折率部の配列状態を特定することができる。
【0039】本実施形態例においては、図1に示した設
計条件において、検討に用いた第1層Cの外径の半径は
15μm、クラッドの半径は62.5μmである。ま
た、コア、第1層C、第2層Dはいずれも石英系ガラス
から構成し、コアと第1層Cにはゲルマニウムを添加
し、各層に、必要に応じて他のドーパントを共添加する
点は前記第1の実施形態例と同様である。なお、第1の
実施形態例においては、コアに光感受性のドーパントを
添加することが必須であるが、第2の実施形態例におい
ては、後述する様に前記式(2)に係る条件を満足すれ
ば、コアに光感受性のドーパントが添加されていなくて
もよい場合がある。また、第1の実施形態例において
は、クラッドの光感受層がコアに隣接する必要があった
が、第2の実施形態例においては、必ずしもコアに隣接
する必要はなく、図1に示したグラフにおいて、例えば
第2層Dを光感受層とすることもできるし、クラッドを
3層以上から形成し、その中間層を光感受層とすること
もできる。
【0040】本実施形態例においては、 コアの外径a、 正規化周波数V、 クラッドの光感受層に対するコアの相対光感受率P という3つのパラメータの、光学特性への影響について
検討した。以下、検討の経緯にそって説明する。なお、
第2の実施形態例において、コアの相対光感受率Pは、
前記クラッド中の最も光感受性の高い光感受層に対す
る、前記コアの相対光感受率である。すなわち、第2の
実施形態例において、クラッドには光感受層を2層以上
設けることができる。コアの相対光感受率は、前記光感
受層のうち、最も光感受性の高い(光感受性のドーパン
トの添加濃度が高い)光感受層に対する相対的な割合で
表す。
【0041】また、検討した各数値範囲は以下の通りで
ある。 コアの外径a:4〜10μm 正規化周波数V:1.7〜2.3 クラッドの光感受層に対するコアの相対光感受率P:
0〜0.3 なお、本実施形態例において、スラント型SPGの動作
波長は1550nmとした。また、すべての計算条件に
おいて、図24に示したグレーティング部4の高屈折率
部3の屈折率変化量は0.001、グレーティング長
(グレーティング部4の長さ)は1mmである。
【0042】まず、コアの外径a、正規化周波数
V、クラッドの光感受層に対するコアの相対光感受率
P、の3つの値の組み合わせを設定し、この設定条件毎
に、スラント角度θを0度から徐々に大きくしていき、
反射モード(後進LP01モード)への結合による透過
損失が極小値(通常は0〜0.01dB程度)となる最
初の角度(反射抑制角)をスラント角度θとした。スラ
ント角度θは他の条件によっても異なるが実質的には
1.5〜8度、好ましくは1.5〜6度である。
【0043】ついで、このコアの外径a、正規化周
波数V、クラッドの光感受層に対するコアの相対光感
受率P、の3つの値の組み合わせとスラント角度を反射
抑制角に決定したスラント型SPGについて、導波モー
ドのLP0Xモード群およびLP1Xモード群への結合
について、実効屈折率と結合定数の計算を行った。上述
の様に、LP0Xモード群およびLP1Xモード群への
結合は、メインバンドとサイドバンドを構成するクラッ
ドモード群への結合である。図9はこの計算結果の例を
示したグラフである。図中の●はLP0Xモード(LP
01、LP02…)、○はLP1Xモード(LP11、
LP12、…)(Xは整数)である。なお、メインバン
ドの損失帯域(メインバンド帯域)は、メインバンドの
最長波長側に現れるLP11モードと、損失が最小にな
る最初のLP1Xモードに対応する結合波長との間とす
る。また、それよりも短波側に結合が生じる帯域をサイ
ドバンドの損失帯域(サイドバンド帯域)とする。
【0044】さらに、この実効屈折率と結合定数を、グ
レーティング周期を徐々に拡大した形態であって、中心
のグレーティング周期が530nmで、チャープ率が
0.35nm/mmの条件のスラント型SPGの透過損失
を作成した場合の結合波長と透過損失に、各モードでの
透過損失を伝搬行列を用いて求め、その透過損失和を計
算することにより、変換する。そして、図10に示した
様な波長−透過損失の関係を示したグラフを求める。そ
して、このグラフから、メインバンド帯域を求める。
【0045】この計算を、コアの外径a、正規化周
波数V、クラッドの光感受層に対するコアの相対光感
受率P、の3つの値の組み合わせを変化させた各スラン
ト型SPGについて行い、メインバンド帯域(nm)を
それぞれ求める。図11(a)、図11(b)、図12
(a)、図12(b)は、正規化周波数Vごとに、相対
光感受率Pとメインバンド帯域との関係を示したグラフ
である。各グラフには、コアの外径aの値毎にグラフが
まとめられている。
【0046】これらのグラフより、チャープトピッチの
スラント型SPGにおいては、メインバンド帯域はコア
の相対光感受率が大きくなると大きくなり、また、その
傾向はコアの半径が小さいほど顕著になることがわか
る。コアの相対光感受率が大きいと、グレーティング部
を形成したときにコアの屈折率変化量が大きくなる。そ
のため、反射モードへの結合が生じやすくなる。そし
て、この反射モードへの結合を防ぐために、スラント角
度θを大きくする必要が生じる。一方、メインバンド帯
域はスラント角度θが大きくなると大きくなる傾向があ
るため、結果としてメインバンド帯域が大きくなる。
【0047】また、これらのグラフより、メインバンド
帯域は、コアの外径と正規化周波数にも依存しているこ
とが確認できる。すなわち、コアの外径が大きくなると
メインバンドは狭くなり、正規化周波数が小さくなると
狭くなる傾向がある。つまり、コアの外径が大きくなる
とファイバ断面において光が広がる傾向があり、また、
同じコアの半径であれば、正規化周波数が小さいと、コ
ア−クラッド比屈折率差が小さくなって、同様に光が広
がる傾向がある。スラント型SPGにおいては、ファイ
バ断面方向にも周期構造が存在するが、断面方向におけ
る位相整合条件が光の広がりによって厳しくなる。その
結果、スラント角度θが小さくても反射モードへの結合
が小さくなり、メインバンド帯域を狭くすることができ
る。
【0048】したがって、図11(a)〜図12(b)
に示したグラフより、メインバンド帯域を狭くするには
コアの相対光感受率を小さくし、コアの外径を大きく
し、正規化周波数を小さくすれば良いことが明らかであ
る。ここで、実用可能であり、かつ本発明の目的を達成
できるスラント型SPGのメインバンド帯域を10nm
以下とする。そして、このメインバンド帯域10nm以
下の条件を満足するコアの外径a、正規化周波数
V、クラッドの光感受層に対するコアの相対光感受率
Pの関係は、前記式(2)にて表される。
【0049】この関係を満たす様にコアの外径、正規化
周波数、コアの相対光感受率を設定すれば、グレーティ
ング周期が一定であると、チャープトピッチであるとに
係わらず、メインバンド帯域の狭い透過特性をもつスラ
ント型SPGが得られる。なお、前記式(2)中、相対
光感受率Pの数値範囲が0以下または虚数になる場合、
相対光感受率Pはゼロとし、コアには光感受性のドーパ
ントを添加しない構成とする。前記式(2)を満足する
ことにより、光フィルタを作成する際の設計自由度が高
くなる、という効果が得られる。また、Er添加光ファ
イバ光増幅器の利得を等化する利得等化器に適用した場
合には、利得等化残さが小さくできる、という効果が得
られる。
【0050】2−2.透過損失(メインバンドの面積)
を大きくするため条件:また、光フィルタとしては、損
失帯域を狭くするだけではなく、用途などに応じて、さ
らに好ましくは「透過損失(メインバンドの面積)を大
きくすること」、が必要とされる。効率よく特定波長の
光をフィルタリングするためには、導波モードからクラ
ッドモードに結合する光のパワーを大きくしなければな
らないからである。グレーティング部の屈折率変化量を
大きくすればこの結合する光のパワーは大きくなる。し
かし、屈折率変化量の増加には限界がある。例えば屈折
率変化量は1.0×10-2以下、実質的には5.0×1
-4〜5.0×10-3である。そこで、小さい屈折率変
化量によってもクラッドモードに結合する光のパワーが
充分に大きくなる特性、が求められる。なお、ここで、
小さい屈折率変化量とは、例えば3×10-3以下、好ま
しくは5.0×10-4〜2.0×10-3である。
【0051】そこで、図10にメインバンドの損失ピー
クの積分値が大きくなる条件について検討した。積分値
は図10に示したグラフ中の斜線部の面積である。すな
わち、上述の2−1において説明した様に、図10に示
した様な波長−透過損失の関係を示したグラフを求め、
これらのグラフのメインバンドの損失ピークの積分値を
求める。
【0052】この計算を、スラント角度を反射抑制角と
し、コアの外径a、正規化周波数V、クラッドの
光感受層に対するコアの相対光感受率P、の3つの値の
組み合わせを変化させた各スラント型SPGについて行
い、メインバンドの損失ピークの面積の積分値を、数値
計算により、それぞれ求めた。なお、積分値の単位はd
B・nmである。ただし、ここで使用している積分値は
絶対的な値ではなく、パラメータを変化させたときの透
過損失面積の大きさを比較するための相対的な値であ
る。この計算例においては 正規化周波数V=1.9、 コアの外径a=8μm、 コアの相対光感受率P=0 のときの積分値を12.08と定め、基準としている。
【0053】図13(a)、図13(b)、図14
(a)、図14(b)は、正規化周波数Vごとに、相対
光感受率Pとメインバンドの透過損失面積の積分値との
関係を示したグラフである。各グラフにおいては、コア
の外径aの値毎にまとめられている。
【0054】これらのグラフより、積分値は相対光感受
率が大きい方が大きくなる傾向にある。これは、コアの
相対光感受率が大きくなると、クラッドモードへの結合
効率が大きくなるためである。また、積分値は正規化周
波数にも依存し、正規化周波数が小さい方が大きくな
る。これは、正規化周波数が小さいと、導波モードが、
光感受率の大きいクラッドの光感受層に、より多くしみ
出しやすくなるためである。なお、積分値は、同じ正規
化周波数であればコアの外径にはほとんど影響を受けな
いことも確認できる。したがって、積分値を大きくする
には、コアの相対光感受率を大きくして、正規化周波数
を小さくすればよいことが明らかである。
【0055】ここで、実用可能であり、かつ透過損失が
大きい光学特性を得るという目的を達成できることを考
慮し、スラント型SPGの積分値を15以上とする。こ
の条件を満足することにより、同一屈折率変化で大きな
損失を達成できるため、同じ損失の光フィルタを作成す
る場合は、短時間の露光時間で作成でき、同じ時間をか
けて光を照射して屈折率の変化を生じさせれば、より大
きい透過損失を備えた光フィルタを作成できる、という
効果が得られる。また、例えばEr添加光ファイバ増幅
器の利得を等化する利得等化器に適用した場合には、露
光時間の短縮による量産効果が得られる。なお、積分値
は大きい程好ましいため、上限値は特に限定しない。こ
の条件を満足するには、コアの相対光感受率が、前記式
(3)を満足すると好ましい。なお、前記式(3)中、
相対光感受率Pの数値範囲が0以下または虚数になる場
合、相対光感受率はゼロとし、コアには光感受性のドー
パントを添加しない構成とする。
【0056】また、前記式(2)、前記式(3)の両方
を満たすとメインバンド帯域を狭くすることができ、か
つ透過損失を大きくすることができ、好ましい。図15
(a)は前記式(2)、前記式(3)の両方を満足しな
い以下の条件で作成したスラント型SPGの波長スペク
トルを示したものである。 相対光感受率P=0.2 正規化周波数V=2.3 コアの外径a=5μm 図15(b)は前記式(2)、式(3)の両方を満足す
る以下の条件で作成したスラント型SPGの波長スペク
トルを示したものである。 相対光感受率P=0.1 正規化周波数V=1.7 コアの外径a=5μm
【0057】図15(a)に示した波長スペクトルにお
いては、メインバンドとサイドバンドの差はなく、損失
ピーク全体が広帯域の略ひとつのピークを形成してい
る。このピークの帯域は29nm、メインバンドの積分
値は13程度であり、小さい。これに対して図15
(b)に示した波長スペクトルにおいては、サイドバン
ドに対してメインバンドが充分に大きい。また、メイン
バンド帯域は6.5nmと充分に狭く、メインバンドの
損失ピークの積分値は19であり、充分に大きい。
【0058】2−3.ゴーストモードのピークを抑制す
るための条件:また、スラント型SPGは、用途などに
応じて、さらに好ましくは「ゴーストモードのピークの
抑制」、が必要とされる。図16はゴーストモードのピ
ークが存在する透過光の波長スペクトルの一例を示した
ものである。ゴーストモードとは、導波モードと結合す
るクラッドモードのうち、長波側において、特に大きく
導波モードと結合するクラッドモードのことである。図
16に示した様に、このゴーストモードのピークが存在
すると、長波側が滑らかなフィルタ特性が得られない。
【0059】ゴーストモードのピークは、導波モードと
低次のクラッドモードであるLP11モードとの結合の
割合が、導波モードと他のモードとの結合に対して大き
すぎる場合に発生する。図17(a)、図17(b)、
図18(a)、図18(b)は、上述の2−1、2−2
で示した例と同様にして、図1に示した設計条件で、反
射抑制角を設定したチャープトピッチのスラント型SP
Gにおいて、LP11モードへの結合定数の、他のモー
ドへの結合定数のうち、一番大きい結合定数に対する比
(結合定数比)を、正規化周波数との関係でグラフ化し
たものである。それぞれの図において、コアの外径aは
一定である。また、各グラフはコアの相対光感受率P毎
にまとめられている。なお、結合定数比が小さい方がゴ
ーストモードのピークが発生にくくなる。
【0060】これらのグラフより、結合定数比は正規化
周波数に大きく依存し、正規化周波数が大きいほど結合
定数比が小さくなり、ゴーストモードのピークが発生し
やすくなる。 これは、正規化周波数が大きくなると、
LP11モードの電界分布がコア付近で強くなり、LP
11モードの電界分布と導波モードの電界分布との重な
りが大きくなるためである。図19(a)はコアの外径
aが8μm、正規化周波数が1.7の場合、図19
(b)はコアの外径aが8μm、正規化周波数が2.3
の場合のLP11モードと導波モードの電界分布を示し
たグラフである。
【0061】ここで、ゴーストモードのピークが殆ど問
題とならない範囲として、結合定数比を0.2以下と規
定する。この条件を満足することにより、長波長側もな
めらかな特性の光フィルタが得られる。また、Er添加
光ファイバ増幅器の利得を等化する利得等化器に適用し
た場合はフィルタ帯域がより細く、長波長側もなめらか
なフィルタ特性が得られる。
【0062】この条件を満足するには、コアの相対光感
受率が、前記式(4)を満足すると好ましい。なお、前
記式(4)中、相対光感受率Pの数値範囲が0以下また
は虚数になる場合、相対光感受率はゼロとし、コアには
光感受性のドーパントを添加しない構成とする。
【0063】図20(a)は、前記式(4)を満たさな
い、以下に示した条件でスラント型SPGを形成した場
合の波長スペクトルの一例を示したものである。 正規化周波数V=2.3、 コアの外径a=7μm、 コアの相対光感受率P=0.15
【0064】図20(b)は、前記式(4)を満足す
る、以下に示した条件でスラント型SPGを形成した場
合の波長スペクトルの一例を示したものである。 正規化周波数V=1.7、 コアの外径a=7μm、 コアの相対光感受率P=0.1 これらのグラフを比較すると、前記式(4)を満たすこ
とにより、ゴーストモードのピークが低減することが明
らかである。
【0065】なお、第2の実施形態例において、これら
2−1〜2−3に示した3つの条件は、1つ以上満たし
ていればよく、好ましくは2つ満足し、最も好ましくは
3つの条件を全て満足することが望ましい。
【0066】2−4.サイドバンドの損失ピークを抑制
するための条件:上述の第1の実施形態例において説明
した様に、光フィルタとしては、メインバンドとサイド
バンドの透過損失の差が小さい程、設計の自由度が高く
なり、好ましい。したがって、「サイドバンドの損失ピ
ークの抑制」が求められる。ここで、第1の実施形態例
は、グレーティング周期が一定の場合に適用できる条件
であるが、本実施形態例においては、グレーティング周
期が一定であると、チャープトピッチであるとに限ら
ず、適用することができる。
【0067】図21(a)、図21(b)、図22
(a)、図22(b)は、上述の2−1〜2−3と同様
に、反射抑制角を設定したチャープトピッチのスラント
型SPGにおいて、メインバンドに対するサイドバンド
の、dB表示した透過損失比(サイドバンド/メインバ
ンド損失比)と、コアの外径aとの関係を示したグラフ
である。それぞれの図において、正規化周波数Vは一定
である。また、各グラフはコアの相対光感受率P毎にま
とめられている。
【0068】これらのグラフより、サイドバンド/メイ
ンバンド損失比は正規化周波数やコアの外径にはほとん
ど依存せず、コアの相対光感受率にのみ影響を受けるこ
とがわかる。また、第1の実施形態例について、図6に
示したグラフを用いて説明した様に、サイドバンド/メ
インバンド損失比を小さくするには、コアの相対光感受
率が大きい方が好ましい。サイドバンド/メインバンド
損失を0.1以下とするためには、コアの相対光感受率
を0.2以上に設定することが必要とされる。この様な
特性を備えることにより、より広帯域なフィルタ特性の
設計自由度が高くなるという効果が得られる。また、E
r添加光ファイバ増幅器の利得を等化する利得等化器に
適用した場合には、広帯域において、利得等化の残さが
小さくなるという効果が得られる。
【0069】図23(a)は、以下に示した条件でスラ
ント型SPGを形成した場合の波長スペクトルの一例を
示したものである。 正規化周波数V=1.7、 コアの外径a=7μm、 コアの相対光感受率P=0.00 図23(b)は、以下に示した条件でスラント型SPG
を形成した場合の波長スペクトルの一例を示したもので
ある。 正規化周波数V=1.7、 コアの外径a=7μm、 コアの相対光感受率P=0.25 これらのグラフより、コアの相対光感受率Pを0.2以
上にすると、サイドバンドを抑制できることが明らかで
ある。なお、この条件は、前記式(2)〜(4)のう
ち、少なくとも1つを満足した上で、満足すべきもので
ある。
【0070】2−5.その他の光学特性について:ま
た、本実施形態例において、スラント型SPGに使用す
る光ファイバの曲げ損失は、波長1550nmにおい
て、直径60mmの巻き径で1dB/m以下であると好
ましい。さらには、直径40mmの巻き径で0.1dB
/m以下(さらに好ましくは0.01dB/m以下)で
あると好ましい。曲げ損失が大きくなると、モジュール
に収納する場合のハンドリング性などが低下するため不
都合である。また、光ファイバの動作波長(例えば15
00〜1600nm、好ましくは1550nm)におけ
るモードフィールド径は15μm以下であると好まし
い。15μmをこえると光の閉じこめが弱くなり、損失
が大きくなるため、実用に適しない場合がある。また、
他のファイバとの接続の際に接続損失が大きくなるおそ
れがある。なお、曲げ損失とモードフィールド径は、コ
アの外径aに大きく影響され、コアの外径aが大きくな
れば曲げ損失が大きくなる。また、モードフィールド径
も大きくなる。そのため、コアの外径aは例えば12μ
m以下にすることが好ましい。
【0071】また、クラッドの光感受層の外径は、この
スラント型SPGの動作波長(例えば1500〜160
0nm、好ましくは1550nm)における導波モード
のモードフィールド径の1.5倍以上であると好まし
い。なお、上限値は特に限定しないが、実質的には8倍
以下とされる。1.5倍未満では、導波モードが伝搬す
る領域に光感受層のグレーティング部が形成されないた
め、導波モードの充分な透過損失が得られない場合があ
る。また、この条件を満足した上で、クラッドの光感受
層の外径は60μm以下であると好ましい。光感受層は
グレーティング形成時に照射される特定波長の光を吸収
する傾向があるため、光感受層の外径が大きすぎると、
光ファイバの側面から光を照射した場合に、光の照射面
と反対側に位置する光感受層の部分に充分などに光が照
射されず、屈折率を充分に上昇させることができず、屈
折率の変化が不均一となる場合がある。
【0072】グレーティング長は1〜100mmである
と望ましい。1mm未満では、短すぎて必要な透過損失
が得られないおそれがあり、得られない。100mmを
こえると、グレーティング部の形成が困難になるばかり
でなく、デバイスが大きくなり、モジュールなどに収納
する際に不都合を生じるおそれがある。なお、グレーテ
ィング長は、帯域損失などの光学特性に影響するため、
所望の特性を考慮して適宜調整すると好ましい。
【0073】また、クラッドは光感受層を備えていれ
ば、1層であっても2層以上の多層構造でもよいが、製
造性の観点からは、2層以上の多層構造とすると好まし
い。さらに、光感光性のドーパント、屈折率を調整する
ためのドーパントの添加量などの条件については設計条
件にしたがって適宜変更可能である。また、本実施形態
例において、スラント型SPGに用いる光ファイバは、
VAD法、MCVD法、PCVD法などの公知の方法に
よって製造することができ、グレーティン部は、光源と
してエキシマレーザなどを用いて公知の方法によって製
造することができる。
【0074】なお、正規化周波数Vと理論カットオフ波
長λcは以下の式(5)で表すことができる。
【数10】 式中、λcは理論カットオフ波長、Vcは2.4048
256の定数、λは動作波長であって、本実施形態例に
おいては、例えば1500〜1600nm、好ましくは
1550nmである。したがって、正規化周波数Vの値
などを前記式(5)に代入してλcの値を求めることに
より、正規化周波数Vにかえて、λcを用いて本発明の
条件を説明することもできる。なお、実際のスラント型
SPGのカットオフ波長は、理論λcではなく、実行カ
ットオフ波長を用いて評価される場合が多く、実行カッ
トオフ波長はJISC 6825の8.2.3で定めら
れており、理論カットオフ波長よりも短い値となる。
【0075】なお、上述した手順に従い、前記式(2)
〜(4)の少なくともひとつの条件(好ましくは2つ以
上、最も好ましくは3つ)を満足する様にスラント型S
PGを設計し、スラント型SPGを製造すれば、所望の
特性を備えたスラント型SPGを確実に得ることができ
る。
【0076】3.スラント型SPGの用途について:第
1乃至第2の実施形態例のスラント型SPGは、スラン
ト型であるため、反射光が小さいという利点がある。ま
た、条件の選択によっては、狭帯域で滑らかなスペクト
ル特性が得られる。また上述の条件を組み合わせること
により、種々の光学特性をもつものを設計することがで
きる。そのため光増幅器の利得の波長依存性を等価化す
る利得等化器に適用し、当該光増幅器と利得等化器を備
えた光増幅器モジュールを構成すると好ましい。光増幅
器としては、波長1550nm付近の光信号の増幅に適
しているめEr添加光ファイバを用いたEr添加光ファ
イバ増幅器が好適に用いられる。
【0077】なお、従来、かかる利得等化器には長周期
グレーティングやエタロンなどが用いられている。例え
ば長周期グレーティングは、異なる波長域にて光を損失
する特性を備えたものを、複数、直列に接続して利得等
化器とされる。そして、Er添加光ファイバ増幅器とこ
の様な利得等化器とが組み合わされて、光ファイバ増幅
器モジュールが構成される。
【0078】なお、ひとつの長周期グレーティングで得
られる損失ピークは略三角形の釣り鐘型である。そのた
め、利得等化器の波長スペクトルにおいては、細い略三
角形のピークが複数並んだ形状の損失ピークが得られ
る。したがって、光ファイバ増幅器モジュールを透過し
た光の波長スペクトルにおいては、複数の損失ピークの
間に、利得を平坦化することができなかったいわゆる利
得残さが存在する。一方、この様な光ファイバ増幅器モ
ジュールを複数、多段に、直列に接続した長距離伝送用
の光通システムがある。なお、光通信システムは、その
一方の端部には光信号を発信する送信部、他方の端部に
は光信号を受信する受信部が設けられたものである。光
増幅器モジュールは、これら送信部と受信部をつなぐ光
伝送路中に挿入される。このシステムを構成する個々の
光ファイバ増幅器モジュールを透過することによって生
じる利得残さは、それぞれ同じ波長帯域に存在してい
る。したがって、複数の光ファイバ増幅器モジュールを
透過することにより、利得残さが蓄積し、伝送特性に影
響する。そこで、従来は、光ファイバ増幅器モジュール
10〜20個毎に、集中等化器を挿入して、蓄積した利
得残さを除去していた。そのため、コストの点で問題と
なっていた。しかし、本発明のスラント型SPGは、L
PGを用いる場合と比べて任意の透過損失が得られる。
そのため、例えばEr添加光ファイバ増幅器と、本発明
のスラント型SPGとを組み合わせて光ファイバ増幅器
モジュールを構成すれば、Er添加光ファイバ増幅器の
利得をより精度よく等化して、利得残さを減少させるこ
とができる。その結果、集中利得等化器の数を大幅に低
減して、光通信システムの低コスト化を図ることができ
る。
【0079】なお、利得の等化が必要とされるEr添加
光ファイバ増幅器の波長帯域は10nm〜45nmであ
る。また、グレーティング周期が一定のスラント型SP
Gの損失ピークが得られる帯域は、例えば5nm〜10
nmである。これをEr添加光ファイバ増幅器の利得等
化帯域10〜45nmの範囲に拡げるためには、チャー
プトピッチとし、微調整すると好ましい。チャープ率は
0よりも大きければよく、利得等化帯域とグレーティン
グ長の関係で、20nm/cm以下が好ましい。また、
フィルタ形状(損失ピークの形状)の制御性の点から実
質的には0.2nm/cm以上であると好ましい。この
様な光増幅器モジュールは、種々の光通信システムに適
用することができる。例えば分散シフト光ファイバなど
を用いて長距離、波長多重伝送などを行いにおいて、伝
送路の途中にかかる光増幅器モジュールを挿入し、光信
号を増幅しながら光通信を行う光通信システムなどに適
用することができる。
【0080】
【発明の効果】以上説明したように、本発明において
は、透過光の波長スペクトルにおいて、狭い損失帯域を
備えたスラント型SPG、ゴーストモードのピークを低
減したスラント型SPG、サイドバンドの透過損失の低
減を図ることができるスラント型SPGを提供すること
ができる。したがって、自由に光学特性を設計すること
ができるため、Er添加光ファイバ増幅器などの種々の
光デバイスの光学特性の調整に用いることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 光ファイバの屈折率プロファイルと相対光感
受率プロファイルの設計条件を示したグラフである。
【図2】 第1の実施形態例の結合波長と透過損失の計
算結果例を示したグラフである。
【図3】 図3(a)、図3(b)は、第1の実施形態
例に係るコアの相対光感受率とメインバンド帯域との関
係と、コアの相対光感受率とサイドバンド/メインバン
ド損失比との関係を示したグラフである。
【図4】 図4(a)、図4(b)は、第1の実施形態
例に係るコアの相対光感受率とメインバンド帯域との関
係と、コアの相対光感受率とサイドバンド/メインバン
ド損失比との関係を示したグラフである。
【図5】 図5(a)、図5(b)は、第1の実施形態
例に係るコアの相対光感受率とメインバンド帯域との関
係と、コアの相対光感受率とサイドバンド/メインバン
ド損失比との関係を示したグラフである。
【図6】 サイドバンドを構成するクラッドモードの電
界強度を示したグラフである。
【図7】 第1の実施形態例のスラント型SPGの特性
を満足する3つのパラメータの範囲を示したグラフであ
る。
【図8】 第1の実施形態例のスラント型SPGの透過
光の波長スペクトルの一例を示したグラフである。
【図9】 第2の実施形態例のスラント型SPGにおい
て、実行屈折率と結合定数の関係を計算した結果を示し
たグラフである。
【図10】 第2の実施形態例における波長−透過損失
特性の関係の一例を示したグラフである。
【図11】 図11(a)、図11(b)は第2の実施
形態例において、コアの相対光感受率−メインバンド帯
域の関係の一例を示したグラフである。
【図12】 図12(a)、図12(b)は第2の実施
形態例において、コアの相対光感受率−メインバンド帯
域の関係の一例を示したグラフである。
【図13】 図13(a)、図13(b)は第2の実施
形態例において、コアの相対光感受率−メインバンド帯
域の関係の一例を示したグラフである。
【図14】 図14(a)、図14(b)は第2の実施
形態例において、コアの相対光感受率−積分値の関係の
一例を示したグラフである。
【図15】 図15(a)、図15(b)は第2の実施
形態例において、コアの波長−透過損失の関係の一例を
示したグラフである。
【図16】 ゴーストモードのピークが存在するスラン
ト型SPGの波長スペクトルの例を示したグラである。
【図17】 図17(a)、図17(b)は第2の実施
形態例において、正規化周波数−結合定数比の関係の一
例を示したグラフである。
【図18】 図18(a)、図18(b)は第2の実施
形態例において、正規化周波数−結合定数比の関係の一
例を示したグラフである。
【図19】 図19(a)、図19(a)は、LP11
モードと導波モードの電界分布を示したグラフである。
【図20】 図20(a)、図20(b)は、第2の実
施形態例において、ゴーストモードのピークが存する例
と存在しない例を示したグラフである。
【図21】 図21(a)、図21(b)は、第2の実
施形態例において、コアの外径−サイドバンド/メイン
バンド損失比を示したグラフである。
【図22】 図22(a)、図22(b)は、第2の実
施形態例において、コアの外径−サイドバンド/メイン
バンド損失比を示したグラフである。
【図23】 図23(a)、図23(b)は、第2の実
施形態例において、サイドバンドが大きい場合の例と小
さい場合の例を示したグラフである。
【図24】 スラント型SPGの構成の一例を示したが
説明図である。
【図25】 図25(a)、図25(b)は、スラント
角度を変化させたときのスラント型SPGの波長スペク
トルの一例を示したグラフである。
【図26】 図26(a)、図26(b)は、スラント
角度を変化させたときのスラント型SPGの波長スペク
トルの一例を示したグラフである。
【図27】 従来のスラント型SPGの波長スペクトル
の一例を示したグラフである。
【図28】 サイドバンドとメインバンドが存在するス
ラント型SPGの波長スペクトルの一例を示したグラフ
である。
【符号の説明】
1…コア、2…クラッド、3…高屈折率部、4…グレー
ティング部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 小島 玲子 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 稲田 具貞 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 奥出 聡 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 (72)発明者 西出 研二 千葉県佐倉市六崎1440番地 株式会社フジ クラ佐倉事業所内 Fターム(参考) 2H050 AB07 AB08 AC82 AC84

Claims (23)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コアと該コアの外周上に設けられたクラ
    ッドを有し、 該コアが、光の照射によって石英ガラスの屈折率を変化
    させる光感受性のドーパントを添加した石英ガラスから
    なり、 該クラッドが、1層または2層以上からなり、少なくと
    も前記コアに隣接する層が、光の照射によって石英ガラ
    スの屈折率を変化させる光感受性のドーパントを添加し
    た石英ガラスからなる光感受層である光ファイバに光を
    照射し、 前記コアと前記クラッドの光感受層の屈折率を、当該光
    ファイバの長さ方向にそって所定のグレーティング周期
    で所定のスラント角度をもって変化させてグレーティン
    グ部を形成したスラント型短周期グレーティングであっ
    て、 前記コアの外径が5μm以上であり、 該コアに隣接する前記クラッドの光感受層に対する、当
    該コアの相対光感受率が、以下の式(1) 【数1】 (式中、aはコアの外径(単位:μm)、Vは正規化周
    波数、Pは、該コアに隣接する前記クラッドの光感受層
    に対する、当該コアの相対光感受率)を満足し、 かつ前記スラント角度が導波モードの反射モードへの結
    合による損失が極小値になる角度に設定されていること
    を特徴とするスラント型短周期グレーティング。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載のスラント型短周期グレ
    ーティングにおいて、前記コアの外径が7μm以上であ
    ることを特徴とするスラント型短周期グレーティング。
  3. 【請求項3】 請求項1または2に記載のスラント型短
    周期グレーティングにおいて、前記コアの相対光感受率
    が0.1〜0.4であることを特徴とするスラント型短
    周期グレーティング。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか一項に記載のス
    ラント型短周期グレーティングにおいて、前記クラッド
    の光感受層の外径が、前記コアの外径の4倍以上である
    ことを特徴とするスラント型短周期グレーティング。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか一項に記載のス
    ラント型短周期グレーティングにおいて、前記コアの外
    径が12μm以下であることを特徴とするスラント型短
    周期グレーティング。
  6. 【請求項6】 請求項1〜5のいずれか一項に記載のス
    ラント型短周期グレーティングにおいて、前記コア−前
    記クラッドの比屈折率差が0.5%以下であることを特
    徴とするスラント型短周期グレーティング。
  7. 【請求項7】 請求項1〜6のいずれか一項に記載のス
    ラント型短周期グレーティングにおいて、前記コアにア
    ルミニウムまたはリンが添加されていることを特徴とす
    るスラント型短周期グレーティング。
  8. 【請求項8】 コアと該コアの外周上に設けられたクラ
    ッドを有し、 該クラッドが、1層または2層以上からなり、少なくと
    もそのうちの1層が、光の照射によって石英ガラスの屈
    折率を変化させる光感受性のドーパントを添加した石英
    ガラスからなる光感受層である光ファイバに光を照射
    し、 該光感受層の屈折率を、当該光ファイバの長さ方向にそ
    って所定のグレーティング周期で所定のスラント角度を
    もって変化させてグレーティング部を形成したスラント
    型短周期グレーティングであって、 前記クラッド中の最も光感受性の高い光感受層に対す
    る、前記コアの相対光感受率が、以下の式(2) 【数2】 (式中、aはコアの外径(単位:μm)、Vは正規化周
    波数、Pは、前記クラッド中の最も光感受性の高い光感
    受層に対する、前記コアの相対光感受率)を満たすこと
    を特徴とするスラント型短周期グレーティング。
  9. 【請求項9】 コアと該コアの外周上に設けられたクラ
    ッドを有し、 該クラッドが、1層または2層以上からなり、少なくと
    もそのうちの1層が、光の照射によって石英ガラスの屈
    折率を変化させる光感受性のドーパントを添加した石英
    ガラスからなる光感受層である光ファイバに光を照射
    し、 該光感受層の屈折率を、当該光ファイバの長さ方向にそ
    って所定のグレーティング周期で所定のスラント角度を
    もって変化させてグレーティング部を形成したスラント
    型短周期グレーティングであって、 前記クラッド中の最も光感受性の高い光感受層に対す
    る、前記コアの相対光感受率が、以下の式(3) 【数3】 (式中、aはコアの外径(単位:μm)、Vは正規化周
    波数、Pは、前記クラッド中の最も光感受性の高い光感
    受層に対する、前記コアの相対光感受率)を満たすこと
    を特徴とするスラント型短周期グレーティング。
  10. 【請求項10】 コアと該コアの外周上に設けられたク
    ラッドを有し、 該クラッドが、1層または2層以上からなり、少なくと
    もそのうちの1層が、光の照射によって石英ガラスの屈
    折率を変化させる光感受性のドーパントを添加した石英
    ガラスからなる光感受層である光ファイバに光を照射
    し、 該光感受層の屈折率を、当該光ファイバの長さ方向にそ
    って所定のグレーティング周期で所定のスラント角度を
    もって変化させてグレーティング部を形成したスラント
    型短周期グレーティングであって、 前記光感受層に対する前記コアの相対光感受率が、以下
    の式(4) 【数4】 (式中、aはコアの外径(単位:μm)、Vは正規化周
    波数、Pは、前記クラッド中の最も光感受性の高い光感
    受層に対する、前記コアの相対光感受率)を満たすこと
    を特徴とするスラント型短周期グレーティング。
  11. 【請求項11】 請求項8〜10のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングにおいて、導波モー
    ドの反射モードへの結合による損失が極小値になるスラ
    ント角度が設定されていることを特徴とするスラント型
    短周期グレーティング。
  12. 【請求項12】 請求項8〜11のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングにおいて、前記光感
    受層に対する前記コアの相対光感受率が0.2以上であ
    ることを特徴とするスラント型短周期グレーティング。
  13. 【請求項13】 請求項8〜12のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングにおいて、 前記グレーティング周期がチャープトピッチであり、該
    グレーティング周期ののチャープ率が20nm/cm以
    下であることを特徴とするスラント型短周期グレーティ
    ング。
  14. 【請求項14】 請求項1〜13のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングにおいて、 波長1550nm、かつ直径60mmの巻き径の条件下
    における、前記光ファイバの曲げ損失が、1dB/m以
    下であることを特徴とするスラント型短周期グレーティ
    ング。
  15. 【請求項15】 請求項1〜14のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングにおいて、 波長1550nm、かつ直径40mmの巻き径の条件下
    における、前記光ファイバの曲げ損失が、0.1dB/m
    以下であることを特徴とするスラント型短周期グレーテ
    ィング。
  16. 【請求項16】 請求項1〜15のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングにおいて、当該スラ
    ント型短周期グレーティングの動作波長における前記光
    ファイバの導波モードのモードフィールド径が15μm
    以下であることを特徴とするスラント型短周期グレーテ
    ィング。
  17. 【請求項17】 請求項1〜16のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングにおいて、前記光感
    受層の外径が、当該スラント型短周期グレーティングの
    動作波長における前記光ファイバの導波モードのモード
    フィールド径の1.5倍以上であることを特徴とするス
    ラント型短周期グレーティング。
  18. 【請求項18】 請求項1〜17のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングにおいて、前記光感
    受層の外径が60μm以下であることを特徴とするスラ
    ント型短周期グレーティング。
  19. 【請求項19】 請求項1〜18のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングにおいて、前記グレ
    ーティング部の長さが1〜100mmであることを特徴
    とするスラント型短周期グレーティング。
  20. 【請求項20】 請求項1〜19のいずれか一項に記載
    のスラント型短周期グレーティングと、光増幅器とを備
    えた光増幅器モジュールであって、 当該スラント型短周期グレーティングによって該光増幅
    器の利得等化を行うものであることを特徴とする光増幅
    器モジュール。
  21. 【請求項21】 請求項20に記載の光増幅器モジュー
    ルにおいて、前記光増幅器がエルビウム添加光ファイバ
    増幅器であることを特徴とする光増幅器モジュール。
  22. 【請求項22】 請求項20または21に記載の光増幅
    器モジュールを用いたことを特徴とする光通信システ
    ム。
  23. 【請求項23】 請求項1〜19のいずれか一項に記載
    の条件を満足するように、スラント型短周期グレーティ
    ングを設計し、製造することを特徴とするスラント型短
    周期グレーティングの製造方法。
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