JP2002080943A - 溶接部の耐二次加工脆性および高温疲労特性に優れたフェライト系ステンレス鋼 - Google Patents
溶接部の耐二次加工脆性および高温疲労特性に優れたフェライト系ステンレス鋼Info
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Abstract
の両特性を兼ね備えたフェライト系ステンレス鋼を提供
する。 【解決手段】 フェライト系ステンレス鋼において、C
o,VおよびBをそれぞれ Co:0.01〜0.3 mass%、 V:0.01〜0.3 mass%および B:0.0002〜0.0050mass% の範囲で複合含有させる。
Description
接した鋼板を成形加工して使用する用途に供して好適
な、溶接部の耐二次加工脆性および高温疲労特性に優れ
たフェライト系ステンレス鋼に関するものである。
加工(一次加工)したのち、 さらにそれを拡管する(二
次加工)場合のように、2回以上の成形加工を特定箇所
に施すことをいう。 フェライト系ステンレス鋼は、この
ような二次加工を施した際に、脆化割れを生じる場合が
良く見受けられる。また、 高温疲労とは、600 ℃以上の
高温での繰り返し曲げによって材料が疲労破壊する現象
である。溶接部で二次加工と高温疲労を受ける例とし
て、例えば自動車の排ガス系部品がある。その中でも加
工が厳しく、かつエンジンからの排ガスで 600℃以上の
高温に加熱された状態で激しい振動を受けるエキゾース
ト・ マニホールド(図1参照)はその最たるものであ
り、本発明は例えばこのような部材に用いて好適なもの
である。
れた溶接管を、例えば自動車のエキゾースト・マニホー
ルドに使用した場合、二次加工を受けて脆化した溶接部
で割れが生じたり、あるいは溶接部が高温での強度不足
のため使用中に疲労割れを起こすという問題があった。
このように、母材よりも溶接部で割れが生じ易い理由
は、 溶接時の入熱による溶接部の結晶粒の粗大化によっ
て、 溶接部の靱性および強度が低下することが主な原因
である。
11−172369号公報には、溶接部の高温疲労特性に優れた
Cr含有フェライト鋼として、Al2O3 介在物を低減した成
分系が提案されている。しかしながら、この鋼種の、溶
接部割れのもう一つの原因である二次加工脆化に対する
性能は十分とはいえず、高温疲労特性は良好であって
も、二次加工脆化によって割れを起こす場合があった。
また、Al2O3 介在物を低減するには、製鋼工程でSiやMn
を脱酸剤としなければならず、脱酸剤として広く使われ
ているAlを使用することができないという、製造上の制
約もあった。
化物のサイズおよび量を制御することによって、耐二次
加工脆性を改善したフェライト系ステンレス鋼が提案さ
れている。しかしながら、Pを添加すると溶接部の靱性
劣化が避けられない。これは、溶接時の入熱により、 溶
接部の結晶粒界にPが偏析したためと考えられる。ま
た、溶接部の高温疲労特性は、りん化物の制御によって
は向上せず、従って高温疲労割れを防止することはでき
なかった。
および高温疲労特性を改善することについては、これま
で種々の提案がなされているが、両特性を兼ね備えたフ
ェライト系ステンレス鋼については現在までのところ見
出されておらず、その開発が望まれていた。
に有利に応えるもので、鋼成分の適正化を図ることによ
って、 溶接部の耐二次加工脆性および高温疲労特性の両
者を併せて改善したフェライト系ステンレス鋼を提案す
ることを目的とする。
の目的を達成すべく、 フェライト系ステンレス鋼の溶接
部の耐二次加工脆性および高温疲労特性に及ぼす各種添
加元素の影響について綿密な検討を行った。その結果、
微量のCo,VおよびBを複合添加することによって、溶
接部の耐二次加工脆性および高温疲労特性が同時に顕著
に向上することが新たに見出された。
及ぼす、 Co,VおよびBの影響について調べた結果を整
理して示す。同図に示したとおり、Co,VおよびBの3
元素を複合添加した場合には、いずれか2元素しか添加
しなかった場合と比較して、脆性遷移温度が低下してお
り、より低温で使用しても脆化割れが起こらないことを
示している。特に、これらの元素の含有量が、次式 0.1 ≦〔Co〕+ 0.5×〔V〕+ 100×〔B〕≦ 0.5 ここで、〔M〕はM元素の含有量(質量百分率)の範囲
を満足する場合には、一層低い脆性遷移温度が得られて
いる。
よびBとの関係についても調査したところ、これに対し
てもCo,V,Bの複合添加は効果があることが判明し
た。図3に、溶接部の高温疲労特性(107 疲労限:107
回曲げを繰り返しても疲労割れが生じない最高曲げ応
力)に及ぼす、 Co,VおよびBの影響について調べた結
果を整理して示す。同図に示したとおり、Co,Vおよび
Bの3元素を複合添加した場合には、いずれか2元素し
か添加しなかった場合と比較して、107 疲労限が向上
し、より高い繰り返し曲げ応力に耐えられることを示し
ている。特に、これらの元素の含有量が、次式0.1 ≦
〔Co〕+ 0.5×〔V〕+ 100×〔B〕≦ 0.5の範囲を満
足する場合には、より高い 107疲労限を得ることができ
た。本発明は、上記の知見に立脚するものである。
である。 1.質量百分率で、C:0.02%以下、Si:0.2 〜1.0
%、Mn:1.5 %以下、P:0.04%以下、S:0.01%以下、C
r:11.0〜20.0%、Ni:1.0 %以下、Mo:1.0 〜2.0 %、A
l:1.0 %以下、Nb:0.2 〜0.8 %、N:0.02%以下、C
o:0.01〜0.3 %、V:0.01〜0.3 %およびB:0.0002〜
0.0050%を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組
成になることを特徴とする、溶接部の耐二次加工脆性お
よび高温疲労特性に優れたフェライト系ステンレス鋼。
が、次式 0.1 ≦〔Co〕+ 0.5×〔V〕+ 100×〔B〕≦ 0.5 ここで、〔M〕はM元素の含有量(質量百分率)の範囲
を満足することを特徴とする、フェライト系ステンレス
鋼。
で、さらに Ti:0.5 %以下、 Zr:0.5 %以下および Ta:0.5 %以下 のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成に
なることを特徴とする、フェライト系ステンレス鋼。
百分率で、さらに Cu:2.0 %以下 を含有する組成になることを特徴とする、フェライト系
ステンレス鋼。
百分率で、さらに W:1.0 %以下および Mg:0.1 %以下 のうちから選んだ1種または2種を含有する組成になる
ことを特徴とする、フェライト系ステンレス鋼。
百分率で、さらに Ca:0.005 %以下 を含有する組成になることを特徴とする、フェライト系
ステンレス鋼。
ンレス鋼(以下、単に本発明鋼という) について具体的
に説明する。まず、本発明鋼の成分組成を上記の範囲に
限定した理由について説明する。なお、成分に関する
「%」表示は特に断らない限り質量百分率(mass%)を
意味する。 C:0.02%以下 本発明鋼において、Cは、適量であれば粒界を強化し、
溶接部の耐二次加工脆性を向上させる作用があるが、含
有量が増大し炭化物となって粒界に析出するようになる
と耐二次加工脆性に悪影響を及ぼす。特に含有量が0.02
%を超えると、その悪影響が顕著となるので、C量は0.
02%以下に限定した。特に、耐二次加工脆性の向上の観
点から好適な含有量は 0.003%<C≦0.01%の範囲であ
る。
特性を向上させる有用元素である。この効果を得るため
には、少なくとも 0.2%の含有が必要であるが、 1.0%
を超えると鋼を脆化させ溶接部の耐二次加工脆性を劣化
させるので、Si量は 0.2〜1.0 の範囲に限定した。溶接
部の耐二次加工脆性の向上の観点からは0.6%以下とす
ることが望ましい。
用する材料に含有させると有効な元素である。 しかしな
がら、過剰に含有されると鋼の靱性だけでなく、溶接部
の耐二次加工脆性を劣化させることから 1.5%以下に限
定した。溶接部の耐二次加工脆性の向上の観点からは
0.5%以下とすることが望ましい。また、耐酸化性を改
善させる観点からは、その含有量は 0.1%以上とするこ
とが好ましい。
を低減させる。 従ってできる限り低い方が溶接部の耐二
次加工脆性および高温疲労特性の面で有効である。しか
しながら、あまりに低くすることは製鋼のコストの上昇
を招くため0.04%を上限とした。
上するが、製鋼時の脱S処理にかかる経済的制約から、
S量は0.01%以下とした。
元素であり、十分な高温強度、 耐酸化性および耐食性を
得るためには少なくとも11.0%の含有が必要である。一
方、Crは、鋼の靱性を劣化させ、 特に20.0%を超えて含
有させると靱性の劣化が著しく、 溶接部の耐二次加工脆
性をも劣化させるので、Cr量は11.0〜20.0%の範囲に限
定した。特に、溶接部の高温疲労特性向上の観点からは
14.0%以上、一方溶接部の耐二次加工脆性向上の観点か
らは16.0%以下とすることが好適である。
で 1.0%以下の範囲で含有させる。というのは、1.0 %
を超えて含有させると鋼が硬質化し、 溶接部の耐二次加
工脆性および高温疲労特性に悪影響を及ぼすからであ
る。 なお、耐食性向上の観点からは、Ni含有量は 0.1%
以上とすることが好ましい。
り、十分な高温強度および耐食性を得るためには少なく
とも 1.0%の含有が必要である。一方 2.0%を超えて含
有されると靱性が劣化し、 また溶接部の耐二次加工脆性
も劣化するので、Mo量は 1.0〜2.0 %の範囲に限定し
た。なお、溶接部の高温疲労特性向上の観点からは 1.5
%以上含有させることが好ましい。
の添加は介在物の生成により耐二次加工脆性の劣化を招
くので、1.0 %以下に限定した。耐二次加工脆性向上の
観点からは 0.1%以下とすることが好ましい。
強度を得るためには少なくとも 0.2%の含有が必要であ
る。一方 0.8%を超えて含有されると靱性が劣化し、ま
た溶接部の耐二次加工脆性も劣化するので、Nbは 0.2〜
0.8 %の範囲に限定した。特に、溶接部の高温疲労特性
向上の観点からは 0.4%超え、一方耐二次加工脆性向上
の観点からは 0.6%以下とすることが好ましい。
上させる働きがあるが、窒化物となって粒界に析出する
と耐二次加工脆性に悪影響を及ぼすようになる。特に0.
02%を超えるとその悪影響が顕著となるので、N量は0.
02%以下に限定した。溶接部の耐二次加工脆性の向上の
観点からは0.01%以下とすることが望ましい。
B:0.0002〜0.0050% Co,VおよびBは、複合添加することによって、溶接部
の耐二次加工脆性のみならず、高温疲労特性を顕著に向
上させる。 その効果は、 Co,Vについてはそれぞれ0.01
%以上、 Bについては0.0002%以上で発揮される。 特に
優れた効果を得るためには、Co:0.02%以上、V:0.05
%以上、 B:0.0005%以上で含有させることが好まし
い。 一方、Coが 0.3%超え、 Vが 0.3%超え、 Bが0.00
50%を超えて含有させても、 その効果は飽和に達し、 コ
ストの上昇を招くだけであるので、Co,V, Bはそれぞ
れ上記の範囲で含有させるものとした。
および高温疲労特性の改善に有効に寄与する機構につい
ては、まだ明確に解明されたわけではないが、次のとお
りと考えられる。Coは、溶接時の入熱によって粗大化し
た粒の粒内の靱性を高め、そこでの割れを防止している
ものと推定される。またBは、入熱時に粒界に偏析して
粒界を強化し、粒界割れを防止しているものと推定され
る。さらにVは、入熱時に炭化物を作ることによって、
粒界の移動を抑制し結晶粒の粗大化を抑えるのと同時
に、Cを固定し、Bが炭化物となって析出し、Bの粒界
強化の効果が消失することを防止しているものと考えら
れる。
果を生むもので、Co,V,Bのどれか一つでも欠けると
その効果は得られない。このように、 Co,V,Bの複合
添加効果は、溶接部の耐二次加工脆性において顕著にそ
の効果が見られるもので、溶接を含まない加工部の耐二
次加工脆性としては見られなかったものである。 また、
溶接部の高温疲労特性に対するCo, V,Bの複合添加効
果についても、 上記の粒内、粒界の強化が寄与している
ものと考えられる。
記の範囲を満足する範囲で複合添加すると、 耐二次加工
脆性および高温疲労特性の一層の向上を図ることができ
るので、これらの元素は、上記の範囲を満足する範囲で
含有させることがより好適である。
たが、本発明では、その他にも以下に述べる元素を適宜
含有させることができる。 Ti:0.5 %以下、 Zr:0.5 %以下、Ta:0.5 %以下 Ti,ZrおよびTaはそれぞれ、溶接時の入熱の際に炭化物
として析出し、その析出強化効果によって高温疲労特性
の向上に寄与する有用元素である。しかしながら、いず
れも、含有量が 0.5%を超えると効果が飽和するだけで
なく、 鋼板の表面性状が著しく劣化するので、それぞれ
0.5%以下で含有させるものとした。なお、高温疲労特
性向上の観点からは、Ti,Zr,Taはそれぞれ0.05%以上
含有させることが好ましい。
る。しかしながら、 含有量が 2.0%を超えると鋼の加工
性が劣化するため、2.0 %を上限として含有させるもの
とした。 なお、耐食性および靱性を向上させる観点から
は、0.1 %以上含有させることが好ましい。
素である。しかしながら、 W, Mgがそれぞれ 1.0%,
0.1%を超えて含有されると靱性が劣化し、 また溶接部
の耐二次加工脆性も劣化するので、それぞれ上記の範囲
で含有させるものとした。なお、W, Mgを含有させる場
合には、それぞれ0.05%以上、0.001 %以上とすること
が好ましい。
まりを防止する効果があり、必要に応じて添加する。し
かしながら、含有量が 0.005%を超えると効果が飽和す
るばかりでなく、 Caを含む介在物が孔食の起点となり、
耐食性を劣化させるので、Caは 0.005%以下で含有させ
るものとした。なお、Caを含有させる場合には、0.0005
%以上とすることが好ましい。
的不純物からなる。ここに、Feおよび不可避的不純物か
らなるとは、Fe以外に、混入成分として、例えばアルカ
リ金属やアルカリ土類金属、希土類元素、遷移金属など
が不可避的に微量含有される場合もあることを意味す
る。なお、これらの元素が微量含有されたとしても、本
発明の効果は何ら妨げられるものではない。
る。本発明鋼を製造する方法は、 特に限定されず、 フェ
ライト系ステンレス鋼の製造に一般的に採用されている
製造法をそのまま適用することができる。 例えば、製鋼
は、上記した好適成分組成範囲の溶鋼を、 転炉あるいは
電気炉等で溶製し、VOD(Vacuum Oxygen Decarburiza
tion)によって2次精錬を行う方法が好適である。溶製し
た溶鋼は、公知の鋳造方法に従って鋼素材とすることが
できるが、生産性および品質の観点から連続鋳造法を適
用するのが好ましい。連続鋳造して得られた鋼素材は、 1
000〜1250℃に加熱され、熱間圧延により所望の板厚の
熱延板とされる。 この熱延板は、 必要に応じて好ましく
は 900〜1100℃の温度で連続焼鈍を施したのち、酸洗、
冷間圧延を施して冷延板とされる。 冷延板は、 好ましく
は 900〜1100℃の連続焼鈍後、 酸洗を施して、 冷延焼鈍
板とされ、 製品となる。
等により脱スケールを行ったものを製品として使用に供
することも可能である。なお、溶接方法は、 TIG、M
IG、MAG等のアーク溶接、 電縫管の製造で使用され
る高周波抵抗溶接や高周波誘導溶接およびレーザー溶接
など、 通常の溶接方法が全て適用可能である。
を、真空溶解炉で溶製し、 通常の熱間圧延により厚さ:
4mmの熱延板としたのち、1000℃,60秒の焼鈍を施し
た。ついで、酸洗により表面のスケールを除去した後、
冷間圧延により厚さ:1.5 mmの冷延板とした。 ついで10
00℃, 60秒の仕上げ焼鈍後、酸洗で脱スケールして、厚
さ:1.5 mmの冷延焼鈍酸洗板とし、供試材とした。これ
らの供試材に突き合わせTIG溶接を行ったのち、二次
加工脆化試験および高温疲労試験に供した。TIG溶接
は、電流:240 A、電圧:12V、溶接速度:10 mm/s 、
シールドガス:100%Arの条件で行った。
す。 すなわち、溶接ビードが円の中心を通るように打ち
抜いた49.5mmφの円板を、 33.0mmφの円筒ポンチで深絞
り加工(絞り比:1.5)し、 ついでその円筒カップを側面
溶接部が上を向くように置き、その真上800mm の高さか
ら重さ3kgの錘を落として衝突させ、 溶接部の割れの有
無を観察した。 この落重試験を、 円筒カップの温度を−
60〜+50℃の範囲(10℃刻み)で変化させて行い、 割れ
が生じなくなる温度(二次加工脆化遷移温度)を調べ
た。
溶接ビードを中心とした試験片を用い、 JIS Z 2275に準
拠して 800℃での繰り返し曲げ(両振り)試験により、
107疲労限(107 回曲げを繰り返しても疲労割れしない
最高曲げ応力)を測定した。ここで、曲げ応力σは、試
験片に曲げ変形を加えた時に、最大応力を生じる断面
(図5におけるTIG溶接ビード部の断面)についての
曲げモーメントM(Nm)を測定し、その値を断面係数で
除した値である。上記の試験結果を表4,5に示す。
本発明鋼はいずれも、 溶接部の耐二次加工脆性および高
温疲労特性の両者とも優れている。これに対し、 No.37
〜56の比較鋼はいずれも、耐二次加工脆性または高温疲
労特性の何れかが本発明鋼に比べて劣っている。
二次加工脆性および高温疲労特性の両者を兼ね備えたフ
ェライト系ステンレス鋼を安定して得ることができ、そ
の結果、溶接管あるいは溶接した鋼板を成形加工して使
用する場合に、使用中における割れの発生を効果的に防
止することができる。従って、本発明鋼は、例えば複雑
な曲げ加工を施した溶接管が高温で使用される自動車排
ガス系部品、特にエキゾースト・マニホールド等の用途
に供して好適であるが、本発明鋼は、溶接後、加工なし
あるいは一次加工のみの段階で使用しても、溶接部は良
好な靱性および高温疲労特性を示すので、そのような用
途にも有利に適用することができる。
ある。
o,VおよびBの影響を示したグラフである。
びBの影響を示したグラフである。
ある。
た図である。
Claims (6)
- 【請求項1】 質量百分率で、 C:0.02%以下、 Si:0.2 〜1.0 %、 Mn:1.5 %以下、 P:0.04%以下、 S:0.01%以下、 Cr:11.0〜20.0%、 Ni:1.0 %以下、 Mo:1.0 〜2.0 %、 Al:1.0 %以下、 Nb:0.2 〜0.8 %、 N:0.02%以下、 Co:0.01〜0.3 %、 V:0.01〜0.3 %および B:0.0002〜0.0050% を含有し、残部はFeおよび不可避的不純物の組成になる
ことを特徴とする、溶接部の耐二次加工脆性および高温
疲労特性に優れたフェライト系ステンレス鋼。 - 【請求項2】 請求項1において、Co, VおよびB量
が、次式 0.1 ≦〔Co〕+ 0.5×〔V〕+ 100×〔B〕≦ 0.5 ここで、〔M〕はM元素の含有量(質量百分率)の範囲
を満足することを特徴とする、フェライト系ステンレス
鋼。 - 【請求項3】 請求項1または2において、質量百分率
で、さらに Ti:0.5 %以下、 Zr:0.5 %以下および Ta:0.5 %以下 のうちから選んだ1種または2種以上を含有する組成に
なることを特徴とする、フェライト系ステンレス鋼。 - 【請求項4】 請求項1〜3のいずれかにおいて、質量
百分率で、さらに Cu:2.0 %以下 を含有する組成になることを特徴とする、フェライト系
ステンレス鋼。 - 【請求項5】 請求項1〜4のいずれかにおいて、質量
百分率で、さらに W:1.0 %以下および Mg:0.1 %以下 のうちから選んだ1種または2種を含有する組成になる
ことを特徴とする、フェライト系ステンレス鋼。 - 【請求項6】 請求項1〜5のいずれかにおいて、質量
百分率で、さらに Ca:0.005 %以下 を含有する組成になることを特徴とする、フェライト系
ステンレス鋼。
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JP2001182786A JP4608818B2 (ja) | 2000-07-04 | 2001-06-18 | 溶接部の耐二次加工脆性および高温疲労特性に優れたフェライト系ステンレス鋼 |
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