JP2002079302A - タンデム式冷間圧延設備および金属帯の冷間圧延方法 - Google Patents

タンデム式冷間圧延設備および金属帯の冷間圧延方法

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JP2002079302A
JP2002079302A JP2000267386A JP2000267386A JP2002079302A JP 2002079302 A JP2002079302 A JP 2002079302A JP 2000267386 A JP2000267386 A JP 2000267386A JP 2000267386 A JP2000267386 A JP 2000267386A JP 2002079302 A JP2002079302 A JP 2002079302A
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Japan
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roll
work roll
cold rolling
stand
rolling
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JP2000267386A
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English (en)
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Tetsuya Nakano
哲弥 中野
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Nippon Steel Nisshin Co Ltd
Original Assignee
Nisshin Steel Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 冷間圧延の生産性および金属帯の表面品質を
向上する。 【解決手段】 研磨済および皮膜研磨済の第1WCワー
クロールと、研磨済および皮膜研磨済第2WCワークロ
ールとを準備し(a1)、タンデム式連続冷間圧延機3
の第1および第4スタンド8,11に研磨済第1および
第2WCワークロールをそれぞれ装着し(a2)、ステ
ンレス鋼帯の連続冷間圧延を行い(a3)、先行材の板
幅よりも後行材の板幅が大きいか否かを判断し(a
4)、後行材の板幅が先行材の板幅以下のとき連続冷間
圧延をそのまま継続し、後行材の板幅が先行材の板幅よ
りも大きいとき第1および第4スタンドに皮膜研磨済み
第1および第2WCワークロールを装着し(a5)、タ
ンデム冷間圧延を行う(a6)。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ステンレス鋼帯な
どの硬質な金属帯を好適に冷間圧延することが可能なタ
ンデム式冷間圧延設備およびその設備を用いた冷間圧延
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来から、硬質な金属帯、たとえばステ
ンレス鋼帯はレバース式冷間圧延機およびタンデム式冷
間圧延機を用いて冷間圧延される。レバース式冷間圧延
機は、圧延方向が逆転可能な冷間圧延機であり、たとえ
ば単一スタンドのセンジミアミルによって実現される。
センジミアミルのスタンドには、一対の小径ワークロー
ルと、ワークロールを支持する18本の支持ロールとが
備えられる。センジミアミルは、圧延方向を交互に逆方
向に切換えてステンレス鋼帯を希望する板厚になるよう
に冷間圧延する。
【0003】タンデム式冷間圧延機は、たとえばセンジ
ミアミルのスタンドを複数基タンデムに配置した冷間圧
延機であり、ステンレス鋼帯を希望する板厚になるよう
に一方向に順次冷間圧延する。
【0004】これらの冷間圧延機のスタンドには、ダイ
ス鋼またはハイス鋼から成るワークロールが備えられて
いる。ダイス鋼またはハイス鋼から成るワークロールは
交換周期が短く、頻繁に交換される。たとえばタンデム
式冷間圧延機の最終スタンドでは、ワークロールがステ
ンレス鋼帯を1コイル冷間圧延する毎に交換され、その
他のスタンドではワークロールがステンレス鋼帯を3〜
5コイル冷間圧延する毎に交換される。またレバース式
冷間圧延機では、さらに頻繁にワークロールの交換が行
われる。これは、冷間圧延によってこれらのワークロー
ルにロール疵が発生し、このロール疵がステンレス鋼帯
に転写して表面欠陥を発生させる恐れがあるからであ
る。さらにこのロール疵はワークロールとステンレス鋼
帯のエッジ部とが接触する部分に特に発生しやすく、こ
の部分にロール疵が発生するとステンレス鋼帯にエッジ
クラックが発生しやすくなる。
【0005】このように、従来のレバース式およびタン
デム式冷間圧延機ではワークロールの交換が頻繁に行わ
れるので、ワークロールの交換に要する時間が長くな
り、冷間圧延機の生産性が低下するという問題がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】前述のような問題を解
決し、ワークロールにおけるロール疵の発生を防止する
ためにはワークロールの材質を改善する必要がある。特
開平8−155508号公報には、分散材を含むNi,
Crまたはそれらの合金めっき層をロール胴部表面に有
し、ロールの板材エッジ通板部のめっき層中に高硬度分
散材、たとえばSiCを均一に分散させた圧延用ロール
が開示されている。
【0007】この先行技術の圧延ロールには、次のよう
な問題がある。すなわちこの圧延ロールは高硬度分散材
の密度を高くするほどロール磨耗を抑制することができ
るけれども、高硬度分散材の密度が過大になると分散材
の密着性が低下し、分散材の脱落によるロール磨耗量が
増大するという問題がある。したがって、ステンレス鋼
帯のような硬質な金属帯を冷間圧延する場合、この圧延
ロールでは充分にロール磨耗を抑制することができな
い。また高硬度分散材の存在しない部分にロール疵が発
生しやすいという問題がある。
【0008】このように、従来のレバース式またはタン
デム式冷間圧延機には、ワークロールにロール疵が発生
しやすいなどの課題が残されているので、これらの圧延
機を用いて行われる冷間圧延は、ロール疵の発生防止を
考慮して行われる。すなわち、たとえば1パス当りの冷
間圧下率を高圧下率に設定して冷間圧延を行うと、ロー
ル疵が発生しやすいので、1パス当りの冷間圧下率を抑
制した状態で冷間圧延が行われる。したがって、パス回
数が多くなり、生産性が低下するという問題がある。
【0009】本発明の目的は、生産性が良好で、かつエ
ッジクラックなどの金属帯の欠陥の発生を防止すること
が可能なタンデム式冷間圧延設備を提供することであ
る。また本発明の他の目的は、生産性および表面品質が
良好な金属帯の冷間圧延方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明は、一対のワーク
ロールおよび複数の支持ロールを備えるスタンドを複数
基直列に配置し、金属帯を一方向に順次冷間圧延するタ
ンデム式冷間圧延機と、予め定めるスタンドの近傍に設
けられ、ワークロールの表面に付着している膜状物質を
研磨して除去する膜状物質研磨装置とを含み、前記予め
定めるスタンドには、少なくとも表層部が超硬質物質か
ら成る超硬ワークロールが設けられることを特徴とする
タンデム式冷間圧延設備である。
【0011】本発明に従えば、予め定めるスタンドには
超硬ワークロールが設けられるので、超硬ワークロール
の硬質化効果によってロール疵の発生を防止することが
できる。これによって、超硬ワークロールのロール交換
回数を低減することができるので、タンデム式冷間圧延
機の休止時間を短縮することが可能となり、生産性を向
上することができる。また膜状物質研磨装置が予め定め
るスタンドの近傍に設けられるので、冷間圧延中超硬ワ
ークロールの表面に生成する酸化物などの膜状物質を下
地の超硬質物質の研磨量を微少に止めて簡単、かつ容易
に研磨することができる。これによって、超硬ワークロ
ールをスタンドの近傍で、短時間で研磨することができ
るので、超硬質物質と膜状物質とを同時に研磨する場合
に比べて研磨負荷を軽減することができる。また超硬質
物質の研磨量を微少に止めることができるので、ワーク
ロールの原単位を向上することができる。
【0012】また本発明は、請求項1記載のタンデム式
冷間圧延設備を用いて金属帯を冷間圧延する方法であっ
て、前記予め定めるスタンドは、複数基のスタンドのう
ち圧延方向の最上流に配置される初段スタンドであり、
予め定める表面粗さを有し、少なくとも表層部が超硬質
物質から成る超硬ワークロールを準備し、前記初段スタ
ンドに前記準備した超硬ワークロールを装着して冷間圧
延を行うことを特徴とする金属帯の冷間圧延方法であ
る。
【0013】本発明に従えば、複数基のスタンドのうち
圧延方向の最上流に配置されている初段スタンドに超硬
ワークロールを装着して冷間圧延が行われるので、超硬
ワークロールの硬質化効果によって初段スタンドの冷間
圧下率を高圧下率に設定して冷間圧延することが可能と
なる。これによって、後続スタンドの負荷を低減するこ
とができるので、後続スタンドにおけるワークロールの
冷間圧下率を低減することが可能となり、ロール疵の発
生を抑制することができる。したがって、金属帯の表面
品質を向上させることができる。
【0014】また本発明は、請求項1記載のタンデム式
冷間圧延設備を用いて金属帯を冷間圧延する方法であっ
て、前記予め定めるスタンドは、複数基のスタンドのう
ち圧延方向の最下流に配置される最終スタンドであり、
予め定める表面粗さを有し、少なくとも表層部が超硬質
物質から成る超硬ワークロールを準備し、前記最終スタ
ンドに前記準備した超硬ワークロールを装着して冷間圧
延を行うことを特徴とする金属帯の冷間圧延方法であ
る。
【0015】本発明に従えば、複数基のスタンドのうち
圧延方向の最下流に配置されている最終スタンドに超硬
ワークロールを装着して冷間圧延が行われるので、ワー
クロールの硬質化効果によって最終スタンドのワークロ
ールのロール疵の発生を防止することができる。これに
よって、最終スタンドにおけるロール疵に起因する金属
帯のエッジクラックの発生およびロール疵の転写による
金属帯の表面疵の発生を防止することができるので、金
属帯の表面品質を向上させることができる。
【0016】また本発明は、請求項1記載のタンデム式
冷間圧延設備を用いて金属帯を冷間圧延する方法であっ
て、前記予め定めるスタンドは、複数基のスタンドのう
ち圧延方向の最上流および最下流に配置される初段およ
び最終スタンドであり、予め定める表面粗さを有し、少
なくとも表層部が超硬質物質から成る第1超硬ワークロ
ールと、第1超硬ワークロールよりも小さい予め定める
表面粗さを有し、少なくとも表層部が超硬質物質から成
る第2超硬ワークロールとを準備し、前記初段および最
終スタンドに前記準備した第1および第2超硬ワークロ
ールをそれぞれ装着して冷間圧延を行うことを特徴とす
る金属帯の冷間圧延方法である。
【0017】本発明に従えば、複数基のスタンドのうち
圧延方向の最上流および最下流に配置されている初段お
よび最終スタンドに第1および第2超硬ワークロールを
それぞれ装着して冷間圧延が行われるので、初段スタン
ドの冷間圧下率を高圧下率に設定して圧延することがで
きる。これによって、後続スタンドの負荷を軽減するこ
とができるので、後続スタンドにおけるワークロールの
ロール疵の発生を抑制することができる。また最終スタ
ンドでは前記負荷低減効果にワークロールの硬質化効果
が加わるので、両者の相乗効果によって第2超硬ワーク
ロールのロール疵の発生をさらに確実に防止することが
できる。したがって、ロール疵に起因する金属帯のエッ
ジクラックの発生およびロール疵の転写による金属帯の
表面疵の発生を防止することが可能となり、金属帯の表
面品質をさらに向上させることができる。
【0018】また本発明は、少なくとも表層部が超硬質
物質から成る超硬ワークロールの表面に付着している膜
状物質を除去し、先行して圧延される金属帯の板幅より
も後続して圧延される金属帯の板幅が大きいとき、スタ
ンドに装着されている少なくとも表層部が超硬質物質か
ら成る超硬ワークロールを前記膜状物質を除去した超硬
ワークロールに交換して冷間圧延を行うことを特徴とす
る。
【0019】本発明に従えば、冷間圧延される金属帯の
板幅が狭幅から広幅に変わるとき、膜状物質の付着した
超硬ワークロールが膜状物質を除去した超硬ワークロー
ルに交換されるので、幅方向の厚みが不均一な膜状物質
の転写による金属帯の表面性状不良の発生を防止するこ
とができる。
【0020】また本発明は、一対のワークロールおよび
複数の支持ロールを備える単一のスタンドを有し、圧延
方向を交互に逆方向に切換えて金属帯を冷間圧延するレ
バース式冷間圧延機を準備し、さらに、少なくとも表層
部が超硬質物質から成り、複数の予め定める表面粗さを
有する超硬ワークロールを準備し、前記超硬ワークロー
ルの表面に付着している膜状物質を除去した超硬ワーク
ロールを準備し、冷間圧延の全パスを超硬ワークロール
を用いて行い、初回パスを含む予め定めるパス回数の冷
間圧延を最も表面粗さの大きい超硬ワークロールを用い
て行い、最終パスを含む予め定めるパス回数の冷間圧延
を最も表面粗さの小さい超硬ワークロールを用いて行
い、先行して圧延される金属帯の板幅よりも後続して圧
延される金属帯の板幅が大きいとき、膜状物質を除去し
た超硬ワークロールを用いて冷間圧延を行うことを特徴
とする金属帯の冷間圧延方法である。
【0021】本発明に従えば、レバース式冷間圧延機の
スタンドに超硬ワークロールを装着して冷間圧延の全パ
スが行われるので、1パス当りの冷間圧下率を従来のワ
ークロールを用いるときよりも高圧下率に設定すること
ができる。これによって、圧延パス回数を低減すること
が可能になり、生産性を向上することができる。また、
超硬ワークロールは磨耗しにくく、金属帯のエッジと接
触してもロール疵が発生しないので、ロール疵に起因す
る金属帯のエッジクラックの発生およびロール疵の転写
による金属帯の表面疵の発生を防止することができる。
また、金属帯の板幅が狭幅から広幅に変化するとき膜状
物質を除去した超硬ワークロールが用いられるので、幅
方向の厚みが不均一な膜状物質の転写による表面性状不
良の発生を防止することが可能となり、表面品質の向上
を図ることができる。
【0022】
【発明の実施の形態】図1は、本発明にかかわるタンデ
ム式冷間圧延設備1の構成を簡略化して示す平面図であ
る。タンデム式冷間圧延設備1は、タンデム式連続冷間
圧延機3と、4基の第1〜第4ロール交換装置4a〜4
dと、2基の第1および第2膜状物質研磨装置5a,5
bと、2基の第1および第2ロール研磨装置6a,6b
とを含んで構成される。タンデム式冷間圧延機3は、直
列に配置した4基のスタンドを有し、金属帯であるステ
ンレス鋼帯を一方向に順次連続冷間圧延する。このタン
デム式冷間圧延機3には、圧延方向7の上流側から第1
〜第4スタンド8,9,10,11がこの順序に配置さ
れている。第1〜第4ロール交換装置4a〜4d(総称
するときはロール交換装置4と呼ぶ)は、第1〜第4ス
タンド8,9,10,11に対応してそれぞれ設けら
れ、圧延後のロールを研磨後のロールと交換する。第1
〜第4ロール交換装置4a〜4dは、圧延方向7に対し
て垂直な方向に移動可能であり、第1〜第4スタンド8
〜11に近接したロール交換位置と、第1〜第4スタン
ド8〜11から離間した待機位置との間を移動する。図
1には、ロール交換装置4が待機位置で待機している状
態を示している。
【0023】第1および第2膜状物質研磨装置5a,5
b(総称するときは膜状物質研磨装置5と呼ぶ)は、第
1および第4スタンド8,11の近傍に、さらに詳しく
は待機位置の第1および第4ロール交換装置4a,4d
に隣接してそれぞれ設けられ、圧延後のロール表面に付
着している膜状物質を研磨して除去する。第1および第
2ロール研磨装置6a,6b(総称するときはロール研
磨装置6と呼ぶ)は、ロール交換装置4から離れた位置
に設けられ、圧延後のロール表面のロール疵を研磨して
除去するとともに、局部的に偏磨耗したロール表面を平
滑化する。
【0024】待機位置の第1ロール交換装置4aと第2
ロール交換装置4bとの間には、第1使用済みロールラ
ック13が設けられ、第2ロール交換装置4bと第3ロ
ール交換装置4cとの間には未使用ロールラック14が
設けられ、第3ロール交換装置4cと第4ロール交換装
置4dとの間には、第2使用済みロールラック15が設
けられる。第1および第2使用済みロールラック13,
15には圧延後のロールが載置され、未使用ロールラッ
ク14には、研磨後のロールが載置される。タンデム式
冷間圧延機のスタンド基数、ロール交換装置の基数およ
びロール研磨装置の基数は上記の基数に限定されるもの
ではなく、他の基数でもよい。
【0025】図2は、図1に示すタンデム式連続冷間圧
延機3の構成を簡略化して示す系統図である。第1〜第
4スタンド8〜11には、ステンレス鋼帯17に当接す
るワークロール18と、ワークロール18を支持する2
本の第1中間ロール19と、2本の第1中間ロール19
を支持する3本の第2中間ロール20と、3本の第2中
間ロール20を支持する4本の分割補強ロール21とが
それぞれ設けられる。このロール配列は、ステンレス鋼
帯17を挟んで上下対称に配設される。第1〜第4スタ
ンド8〜11のロール配列は、いずれも全く同一であ
る。このようなロール配列を有する圧延機は、センジミ
アミルと呼ばれる。第1〜第4スタンド8〜11に設け
られるワークロールの直径は、100mm以下であり、
他の形式の冷間圧延機に比べて小さい。ワークロールの
材質については後述する。
【0026】第1ペイオフリール23から払い出された
先行材のステンレス鋼帯17は、デフレクタロール2
4、溶接機25およびルーパ26を通過して入側張力ス
タンド28に到達し、上下一対のロールによって挟持さ
れる。ルーパ26は、ステンレス鋼帯17を貯蔵し、先
行材と後行材との溶接時間を確保する。入側張力スタン
ド28は、冷間圧延時第1スタンド8よりも圧延方向上
流側のステンレス鋼帯17に後方張力を付与する。入側
張力スタンド28を通過したステンレス鋼帯17は、第
1〜第4スタンド8〜11において順次冷間圧延され、
出側張力スタンド29で上下一対のロールによって挟持
される。出側張力スタンド29は、第4スタンド11を
通過したステンレス鋼帯17に前方張力を付与する。出
側張力スタンド29を通過したステンレス鋼帯17は、
剪断機30、デフレクタロール31を通過してテンショ
ンリール33によって巻き取られる。先行材の冷間圧延
が進行して先行材の尾端部が溶接機25に到達すると、
先行材の尾端部はその位置で停止し、第2ペイオフリー
ル34から払い出された後行材の先端部と突き合わされ
て溶接される。このように先行材と後行材とを入側で溶
接することによって連続冷間圧延を実現することができ
る。
【0027】第1〜第4スタンド8〜11に装着される
ワークロールは、ダイス鋼から成るワークロール、ハイ
ス鋼から成るワークロールおよび少なくとも表層部が超
硬質物質が成る超硬ワークロールのうちから選ばれる。
ダイス鋼は、JISG4404に指定される冷間金型用
合金工具鋼SKD11であり、ハイス鋼はJISG44
03に規定された高速度工具鋼SKH57である。少な
くとも表層部が超硬質物質から成る超硬ワークロール
は、たとえばタングステンカーバイト粉末と結合剤であ
るコバルト粉末とをワークロールの形状に圧縮成型し、
さらにその後熱処理して粉末同士を焼結することによっ
て製造される。以後、この超硬ワークロールをWCロー
ルと呼ぶ。また少なくとも表層部が超硬質物質から成る
超硬ワークロールは、タングステンカーバイトをロール
の表面に溶射することによって製造してもよい。表1に
ダイス鋼ロール、ハイス鋼ロールおよびWCロールの硬
さ、ヤング率および圧縮強さをそれぞれ示す。
【0028】
【表1】
【0029】表1からWCロールは、硬さ、ヤング率お
よび圧縮強さのいずれの特性についてもダイス鋼ロール
およびハイス鋼ロールよりも高強度であることが判る。
このように、WCロールは硬さが硬いので、冷間圧延中
におけるロール疵の発生を防止することができる。また
硬さが硬いので、耐磨耗性も優れており、連続圧延中に
ワークロールに発生する板エッジ部による偏磨耗を防止
することができる。またヤング率および圧縮強さが高い
ので、ステンレス鋼帯のような硬質材料を高圧下率で冷
間圧延することができる。
【0030】WCワークロールは、前記第1〜第4スタ
ンド8〜11のうちの予め定めるスタンドに設けられ
る。WCワークロールが設けられる予め定めるスタンド
は、たとえば第1スタンド8および第4スタンド11の
うちの少なくともいずれか一方である。すなわち、WC
ワークロールは初段スタンドである第1スタンド8のみ
に設けられる場合と、最終スタンドである第4スタンド
11のみに設けられる場合と、第1スタンド8および第
4スタンド11の両方に設けられる場合とがある。この
理由については後述する。またダイス鋼ロールは、第1
〜第3スタンド8,9,10に設けられる場合と、第2
および第3スタンド9,10に設けられる場合とがあ
る。このうち、前者のダイス鋼ロールが第1スタンド8
に設けられるのは、WCワークロールが第4スタンド1
1のみに設けられる場合である。またハイス鋼ロール
は、WCワークロールが第1スタンド8のみに設けられ
る場合に第4スタンド11に設けられる。
【0031】図3は、図1に示す第1ロール交換装置4
aの構成を簡略化して示す平面図である。第1ロール交
換装置4aは、ロール交換台車35と、ロール移送台3
6とを備える。ロール交換台車35は、ロール移送台3
6と、第1および第2ロール置台37,38とを乗載し
て、前記待機位置とロール交換位置との間を移動する。
第1および第2ロール置台37,38は、圧延後のワー
クロール18aおよび研磨後のワークロール18bをそ
れぞれ載置する。ロール移送台36は、移送ロール39
を備え、ワークロール18を移送ロール39上に乗載し
て圧延方向7に対して垂直方向に移動させる。ロール交
換は、ロール交換台車35をロール交換位置に移動し、
第1スタンド8内から圧延後のワークロール18aを移
送ロール39上に引き出し、移送ロール39上を移動さ
せた後、引き出したワークロール18aを第1ロール置
台37上に載置し、第2ロール置台38上に載置されて
いる研磨後のワークロール18bを移送ロール39上に
乗載し、移送ロール39上を移動させて第1スタンド8
内に装着することによって行われる。第2〜第4ロール
交換装置4b〜4dの構成は、第1ロール交換装置4a
の構成と同一である。
【0032】図4は図1に示す第1膜状物質研磨装置5
aの構成を簡略化して示す平面図であり、図5は図4の
切断面線V−Vから見た断面図である。第1膜状物質研
磨装置5aは、フィルム研磨機43とロール回転機44
とを含み、膜状物質の付着したワークロール18を回転
しながら研磨して膜状物質を除去する。膜状物質は、冷
間圧延中ワークロール18の表面に生成する非常に厚み
の薄い物質であり、ステンレス鋼帯17および圧延油に
由来する。膜状物質はたとえばクロムの酸化物から成
り、黒色を呈する。
【0033】ロール回転機44は、チャック45と、チ
ャック45を回転駆動するモータ46とを備える。膜状
物質の付着したワークロール18の一端部は、チャック
45によって着脱自在に把持され、前記ワークロール1
8の他端部は、尖った先端部を有する固定軸47によっ
て回転自在に支持される。固定軸47は摺動ブラケット
48に固定され、摺動ブラケット48は前記ワークロー
ル18の軸線に沿って摺動可能に架台49に取付けられ
る。膜状物質の付着したワークロール18は、一端部を
チャック45に把持され、かつ他端部を固定軸47によ
って支持された状態でモータ46によって回転駆動され
る。
【0034】フィルム研磨機43は、研磨フィルム50
を備える。研磨フィルム50の片面には、ダイヤモンド
砥粒が固着している。研磨フィルム50は払い出しリー
ル51から払い出され、支持ロール53に巻き掛けられ
て巻き取りリール54に巻き取られる。支持ロール53
は、膜状物質が付着したワークロール18と対向配置さ
れているので、研磨フィルム50はワークロール18と
支持ロール53との間に挟まれる。したがって、研磨フ
ィルム50のダイヤモンド砥粒固着面は、回転駆動され
ているワークロール18の表面と接触し、膜状物質を研
磨して除去する。払い出しリール51、支持ロール50
および巻き取りリール54は、移動台55に乗載されて
おり、移動台55は、軌条56に乗載されている。軌条
56は、前記架台49上に前記ワークロール18の軸線
と平行に敷設されている。したがって、移動台55は、
ワークロールの軸線に沿って移動可能である。移動台5
5を前記ワークロール18の軸線に沿って移動させなが
ら研磨フィルム50を駆動すれば、膜状物質を研磨して
除去することができる。第2膜状物質研磨装置5bの構
成は、第1膜状物質研磨装置5aの構成と全く同一であ
る。
【0035】再び図1〜図3を参照して、タンデム式連
続冷間圧延機3は入側の溶接機25で先行のステンレス
鋼帯17の尾端部と後行のステンレス鋼帯17の先端部
とを溶接して連続的に冷間圧延する。タンデム式連続冷
間圧延機3の第1〜第4スタンド8〜11に設けられて
いる各ワークロール18は、圧延長さが予め定める長さ
にそれぞれ到達する毎にロール交換装置4によって引き
出され、研磨後のワークロール18bと交換される。交
換された圧延後のWCワークロール18aについては、
第1および第2膜状物質研磨装置5a,5bにおいて膜
状物質のみが研磨して除去される。膜状物質が除去され
たWCワークロールは、第1および第4ロール交換装置
4a,4dの第2ロール置台38上に載置される。
【0036】交換された圧延後のダイス鋼およびハイス
鋼ワークロールについては、第1および第2使用済みロ
ールラック13,15に載置された後、第1および第2
ロール研磨装置6a,6bに搬送され、ロール疵および
偏磨耗部が研磨して除去される。ロール疵および偏磨耗
部が除去されたダイス鋼およびハイス鋼ワークロール
は、未使用ロールラック14に載置されて保管される。
以後、膜状物質のみが除去されたワークロールを皮膜研
磨済みワークロールと呼び、ロール疵および偏磨耗部が
除去されたワークロールを研磨済みワークロールと呼
ぶ。
【0037】このように、第1および第4スタンド8,
11の少なくとも一方には、WCワークロールが設けら
れるので、WCワークロールの硬質化効果によってロー
ル疵の発生を防止することができる。これによって、W
Cワークロールのロール交換回数を低減することができ
るので、タンデム式連続冷間圧延機3の休止時間を短縮
することが可能となり、タンデム式連続冷間圧延機3の
生産性を向上することができる。また膜状物質研磨装置
5がWCワークロールを装着したスタンドの近傍に設け
られるので、ロール疵の発生していないもしくは疲労層
を有していないWCワークロールに対しては、膜状物質
のみを簡単、かつ容易に研磨して除去することができ
る。これによって、WCワークロールをスタンドの近傍
で、短時間で研磨することができるので研磨性が悪いW
Cワークロール本体と膜状物質とを同時に研磨する場合
に比べて、研磨時間を短縮することができる。したがっ
て、ロール研磨装置6の研磨負荷を軽減することができ
る。また、WCワークロールの研磨量が微少に止まるの
で、WCワークロールの原単位を向上することができ
る。
【0038】図6は、本発明の実施の一形態であるステ
ンレス鋼帯の冷間圧延方法を示すフローチャートであ
る。本実施の形態の冷間圧延方法は、図1に示すタンデ
ム式冷間圧延設備において好適に適用される。ステップ
a1では、予め定める表面粗さを有する研磨済および皮
膜研磨済第1WCワークロールと、第1WCワークロー
ルよりも小さい予め定める表面粗さを有する研磨済およ
び皮膜研磨済第2WCワークロールとが準備される。研
磨済第1および第2WCワークロールの表面粗さは、ロ
ール研磨装置6においてダイヤモンド砥石を用いて第1
および第2WCワークロールを研磨することによって調
整される。皮膜研磨済み第1および第2WCワークロー
ルの表面粗さは、研磨済み第1および第2WCワークロ
ールの表面粗さを損なわないように膜状物質のみを研磨
することによって調整される。
【0039】超硬ロールであるWCロールの研磨性は、
表面粗さが小さくなるにつれて低下する。研磨済および
皮膜研磨済第1WCワークロールの表面粗さは、ステン
レス鋼帯の噛み込み性を向上することが可能であり、か
つ研磨性の低下を回避することができるような比較的大
きい表面粗さに設定される。研磨済および皮膜研磨済第
2WCワークロールの表面粗さは、前記第1WCワーク
ロールの表面粗さよりも小さく、かつステンレス鋼帯の
表面粗さの目標値に対応して、したがって圧延後のステ
ンレス鋼帯の表面粗さが目標値に合致するように設定さ
れる。前記第1WCワークロールの表面粗さは、たとえ
ば中心線平均粗さRaで1.5〜2.0μmであり、前
記第2WCワークロールの表面粗さは、たとえば中心線
平均粗さRaで0.2〜0.3μmである。
【0040】皮膜研磨済第1および第2WCワークロー
ルは、圧延後の第1および第2WCワークロールを第1
および第2膜状物質研磨装置5a,5bに取付け、表面
に付着している膜状物質を研磨して除去することによっ
て準備される。膜状物質の研磨は、後述する1サイクル
前の冷間圧延中などにおいて行われる。研磨済および皮
膜研磨済第1WCワークロールと、研磨済および皮膜研
磨済第2WCワークロールとは、未使用ロールラック1
4に載置される。
【0041】ステップa2では、研磨済第1および第2
WCワークロールが第1および第4スタンド8,11に
装着される。第1スタンド8に表面粗さが大きい研磨済
第1WCワークロールが装着されるので、その噛み込み
性向上効果と硬質化効果とによって第1スタンド8にお
ける冷間圧下率を第2〜第4スタンド9〜11における
冷間圧下率よりも高く設定することができる。またWC
ロールの硬質化効果によって、研磨済第1および第2W
Cワークロールのロール疵の発生を防止することができ
る。第2および第4スタンド9,11には、ダイス鋼ロ
ールが装着される。
【0042】ステップa3では、冷間圧延が行われる。
冷間圧延は入側で先行材と後行材とが接合され、連続し
て行われる。冷間圧延中、第2および第3スタンド9,
10では、5〜6コイル毎にダイス鋼ワークロールの交
換が行われる。冷間圧延は、後行材の板幅が先行材の板
幅よりも狭いか等しくなるように、換言すればステンレ
ス鋼帯の板幅が広幅から狭幅に移行するように1サイク
ルの板幅スケジュールを設定して行われる。したがっ
て、先行材の圧延中にワークロールに膜状物質が付着し
ても、後行材は膜状物質の厚みが均一なワークロール領
域で冷間圧延される。これに対して、1サイクルの板幅
サイクルが終了して、再度ステンレス鋼帯の板幅が狭幅
から広幅に変更されると、膜状物質の厚みが板幅方向で
不均一なワークロール領域において後行材の冷間圧延が
行われるので、ステンレス鋼帯の表面に不均一な膜状物
質の転写による表面光沢のむらなど、表面性状不良が発
生する。
【0043】ステップa4では、後行材の板幅が先行材
の板幅よりも大きいか否かが判断される。前述のよう
に、冷間圧延の板幅スケジュールは広幅材から狭幅材に
移行するように設定され、1サイクルの板幅サイクルが
終了すると再度広幅材に戻り、以後同様の板幅サイクル
が繰返される。したがって、ステップa4の判断は、換
言すれば1サイクルの板幅サイクルが終了したか否かが
判断される。この判断が否定であれば、後行材の板幅の
方が先行材の板幅よりも小さいので、前述のように膜状
物質の厚みが幅方向で均一なワークロール領域で冷間圧
延が行われると判断され、再度ステップa3に戻り、冷
間圧延が続行される。この判断が肯定であれば、後行材
の板幅が先行材の板幅よりも大きいので、前述のように
不均一な膜状物質の転写による表面性状不良が発生する
と判断され、ステップa5に進む。
【0044】ステップa5では、膜状物質を除去した皮
膜研磨済第1および第2WCワークロールが第1および
第4スタンドにそれぞれ装着される。すなわち、膜状物
質の付着した圧延後の第1および第2WCワークロール
が皮膜研磨済第1および第2WCワークロールと交換さ
れる。また第2および第3スタンド9,10に装着され
ている圧延後のダイス鋼ワークロールも研磨済ダイス鋼
ワークロールに交換される。ダイス鋼ワークロールに付
着している膜状物質は、ロール研磨によってロール疵お
よび偏磨耗部とともに研磨されて除去される。ステップ
a5の終了後、再度ステップa3に戻り、冷間圧延が行
われる。これによって、ステンレス鋼帯の表面における
不均一な膜状物質の転写による表面性状不良の発生を防
止することができる。このようなステップa3〜ステッ
プa5を巡る処理は、前記第1および第2WCワークロ
ールにロール疵および偏磨耗が発生または疲労層が生成
するまで繰返して行われる。前記第1および第2WCワ
ークロールにロール疵および偏磨耗が発生または疲労層
が生成すると、一連のタンデム連続冷間圧延が終了し、
新たな一連のタンデム連続冷間圧延が開始される。
【0045】このように、初段スタンドである第1スタ
ンド8に前記第1WCワークロールが装着されるので、
第1スタンド8の冷間圧下率が高圧下率に設定され、後
続の第2〜第4スタンド9〜11の負荷、すなわち圧延
荷重を低減することができる。これによって、第2〜第
4スタンド9〜11に装着されているワークロールのロ
ール疵の発生を抑制することができるので、ステンレス
鋼帯の表面品質を向上させることができる。また最終ス
タンドである第4スタンド11に前記第2WCワークロ
ールが装着されるので、第4スタンド11では前記負荷
低減効果にWCロールの硬質化効果が加わるので、両者
の相乗効果によって第2WCワークロールのロール疵の
発生をさらに確実に防止することができる。したがっ
て、ステンレス鋼帯の表面性状に最も大きな影響を与え
る最終スタンドにおいてロール疵に起因するステンレス
鋼帯のエッジクラックの発生およびロール疵の転写によ
る表面疵の発生を防止することが可能となり、ステンレ
ス鋼帯の表面品質をさらに向上させることができる。
【0046】また第1および第4スタンド8,11に耐
磨耗性に優れ、かつロール疵の発生しにくい、したがっ
てロール寿命の長い前記第1および第2WCワークロー
ルが装着されるので、第1および第4スタンド8,11
におけるロール交換回数を大幅に低減することができ
る。したがって、タンデム式冷間圧延設備1の生産性を
向上することが可能となる。また前記第1WCワークロ
ールの表面粗さが研磨性が低下しないような粗さに設定
されているので、研磨負荷を軽減することができる。ま
た第2WCワークロールの表面粗さが、第1WCワーク
ロールの表面粗さよりも小さく、かつ圧延されるステン
レス鋼帯の表面粗さが目標値と合致するように設定され
ているので、ステンレス鋼帯の表面品質を充分な水準に
作り込むことができる。またステンレス鋼帯の板幅が狭
幅から広幅に変化するとき、膜状物質を除去した皮膜研
磨済第1および第2WCワークロールが第1および第4
スタンド8,11に装着されるので、幅方向の厚みが不
均一な膜状物質の転写によるステンレス鋼帯の表面性状
不良の発生を防止することができる。
【0047】図7は、本発明の実施の他の形態であるス
テンレス鋼帯の冷間圧延方法を示すフローチャートであ
る。本実施の形態の冷間圧延方法は、図1に示すタンデ
ム式冷間設備1において好適に適用される。ステップb
1では、前記研磨済および皮膜研磨済第1WCワークロ
ールが準備される。ステップb2では、準備された研磨
済第1WCワークロールが第1スタンド8に装着され
る。また第2および第3スタンド9,10には、ダイス
鋼ワークロールが装着され、第4スタンド11にはハイ
ス鋼ワークロールが装着される。ステップb3〜b5で
は、前記ステップa3〜a5と同様の処理が行われる。
すなわち、連続冷間圧延が行われ、ステンレス鋼帯の板
幅が狭幅から広幅に変更されるとき、第1スタンド8の
圧延後の第1WCワークロールが膜状物質を除去した皮
膜研磨済第1WCワークロールに交換される。これによ
って、本実施の形態では、前記図6に示す実施の形態に
おける前述した効果のうち第1WCワークロールが第1
スタンド8に装着されることに伴う効果を同様に奏する
ことができる。
【0048】図8は、本発明の実施のさらに他の形態で
あるステンレス鋼帯の冷間圧延方法を示すフローチャー
トである。本実施の形態の冷間圧延方法は、図1に示す
タンデム式冷間圧延設備1において好適に適用される。
ステップc1では、前記研磨済および皮膜研磨済第2W
Cワークロールが準備される。ステップc2では、準備
された研磨済第2WCワークロールが第4スタンド11
に装着される。また第1〜第3スタンドには、ダイス鋼
ワークロールが装着される。ステップc3〜c5では、
前記ステップa3〜a5と同様の処理が行われる。すな
わち、連続冷間圧延が行われ、ステンレス鋼帯の板幅が
狭幅から広幅に変更されるとき、第4スタンド11の圧
延後の第2WCワークロールが膜状物質を除去した皮膜
研磨済第2WCワークロールに交換される。これによっ
て、本実施の形態では、前記図6に示す実施の形態にお
ける前述した効果のうち第2WCワークロールが第4ス
タンド11に装着されることに伴う効果を同様に奏する
ことができる。
【0049】図9は、本発明にかかわるレバース式冷間
圧延設備58の構成を簡略化して示す平面図である。レ
バース式冷間圧延設備58は、レバース式冷間圧延機5
9と、ロール交換装置60と、膜状物質研磨装置61
と、ロール研磨装置63とを含んで構成される。レバー
ス式冷間圧延機59は、1基の圧延スタンド64を備え
る。ロール交換装置60および膜状物質研磨装置61
は、圧延スタンド64の近傍に設けられ、ロール研磨装
置63は、ロール交換装置60から離れた位置に設けら
れる。ロール交換装置60、膜状物質研磨装置61およ
びロール研磨装置63は、前記ロール交換装置4、膜状
物質研磨装置5およびロール交換装置6と同一の構成お
よび機能を有する。ロール交換装置60と膜状物質研磨
装置61との間には、使用済みロールラック66が設け
られ、ロール交換装置60に関して使用済みロールラッ
ク66とは反対側には、未使用ロールラック67が設け
られる。使用済みロールラック66には、圧延後のロー
ル18aが載置され、未使用ロールラック67には研磨
後のロール18bが載置される。
【0050】図10は、図9に示すレバース式冷間圧延
機59の構成を簡略化して示す系統図である。圧延スタ
ンド64は、図2に示す第1〜第4スタンド8〜11と
同一のロール配列を有する。したがって、各ロールには
同一の参照符号を付し、説明は省略する。このようなロ
ール配列を有する圧延機は、センジミアミルと呼ばれ
る。供給リール69から払い出されたステンレス鋼帯1
7は、デフレクタロール70,71、圧延スタンド6
4、デフレクタロール72を経て左巻取りリール73ま
でスレッディングされる。スレッディング終了後、ステ
ンレス鋼帯17は先端部を左巻取りリール73にグリッ
プされ、初回パスの圧下設定後、左巻取りリール73に
巻取られて初回パスの冷間圧延が開始される。初回パス
の冷間圧延は、ステンレス鋼帯17の尾端部が供給リー
ル69から離れ、デフレクタロール70を経て右巻取り
リール74近辺に到達するまで継続される。初回パスの
冷間圧延終了後、ステンレス鋼帯17は尾端部を右巻取
りリール74にグリップされ、2パス目の圧下設定後、
右巻取りリール74に巻取られて2パス目の冷間圧延が
初回パスとは逆方向に開始される。このように、レバー
ス式冷間圧延機59においては、圧延方向を交互に逆方
向に切換えて冷間圧延が行われる。
【0051】圧延スタンド64には、WCワークロール
が装着され、ダイス鋼ワークロールおよびハイス鋼ワー
クロールは装着されない。WCワークロールは、複数
(本実施の形態では3)の予め定める表面粗さを有す
る。すなわち、最も大きい表面粗さを有する前記第1W
Cワークロールと、最も小さい表面粗さを有する前記第
2WCワークロールと、両者の中間の表面粗さを有する
第3WCワークロールとが準備される。第3WCワーク
ロールの表面粗さは、たとえば中心線平均粗さRaで、
0.5〜1.3μmである。
【0052】再び図9を参照して、圧延スタンド64の
WCワークロールは、圧延長さまたは圧延コイル数が予
め定める値に到達する毎にロール交換装置60によって
引き出され、研磨後のWCワークロール18bと交換さ
れる。交換された圧延後のWCワークロール18aは、
使用済ロールラック66に載置された後、ロール疵およ
び偏磨耗が発生または疲労層が生成していないWCワー
クロールについては膜状物質研磨装置61に搬送され、
膜状物質のみが研磨して除去される。ロール疵および偏
磨耗が発生または疲労層が生成しているWCワークロー
ルについてはロール研磨装置63に搬送され、WCワー
クロールの表面が平滑で、かつロール疵が存在しない状
態または疲労層が除去された状態になるように研磨され
る。膜状物質が除去されたWCワークロールおよびロー
ル疵と偏磨耗部と疲労層とが除去されたWCワークロー
ルは、未使用ロールラック67に載置される。
【0053】図11は、本発明の実施のさらに他の形態
であるステンレス鋼帯の冷間圧延方法を示すフローチャ
ートである。本実施の形態の冷間圧延方法は、図9に示
すレバース式冷間圧延設備58において好適に適用され
る。ステップs1では、研磨済および皮膜研磨済第1〜
第3WCワークロールが準備される。皮膜研磨済第1〜
第3WCワークロールの準備は、後述する1サイクル前
の板幅サイクルで用いた第1〜第3WCワークロールを
膜状物質研磨装置61に取付け、第1〜第3WCワーク
ロールの表面に付着している前記不均一な膜状物質を研
磨して除去することによって行われる。
【0054】ステップs2では、研磨済第1〜第3WC
ワークロールが圧延スタンド64に装着されるべきWC
ワークロールとして選択される。ステップs3では、選
択された研磨済第1WCワークロールが圧延スタンド6
4に装着され、ステップs4では初回パスを含む予め定
めるパス回数の冷間圧延が第1WCワークロールを用い
て行われる。第1WCワークロールは、前述のように最
も大きいロール粗さを有するので、その噛み込み性向上
効果と硬質化効果とによって、初回パスを含む予め定め
るパス回数の冷間圧延の圧下率を第2および第3WCワ
ークロールを用いるよりも、かつダイス鋼およびハイス
鋼ワークロールを用いるよりも高圧下率に設定すること
ができる。
【0055】ステップs5では、第1WCワークロール
が圧延スタンド64から引き出され、選択された前記第
3WCワークロールが圧延スタンド64に装着される。
ステップs6では、第3WCワークロールを用いて予め
定めるパス回数の冷間圧延が中間パスとして行われる。
第3WCワークロールは、第1WCワークロールと第2
WCワークロールとの中間のロール粗さを有するので、
ステンレス鋼帯の表面粗さを第1WCワークロールで圧
延するよりも小さくすることができる。これによって、
最終パスにおけるステンレス鋼帯の表面粗さの調整が容
易になる。
【0056】ステップs7では、第3WCワークロール
が圧延スタンド64から引き出され、選択された前記第
2WCワークロールが圧延スタンド64に装着される。
ステップs8では、最終パスを含む予め定めるパス回数
の冷間圧延が第2WCワークロールを用いて行われる。
第2WCワークロールの表面粗さは、前述のようにステ
ンレス鋼帯の表面粗さの目標値に対応して設定されるの
で、最終パス後のステンレス鋼帯の表面粗さを目標値に
容易に合致させることができる。圧延スタンド64から
引き出された第1〜第3WCワークロールは、膜状物質
が付着した状態で使用済みロールラック66に載置され
る。
【0057】前記ステップs3〜s8の一連の処理によ
って1コイルのステンレス鋼帯の冷間圧延が終了し、次
コイルの冷間圧延に移行する。冷間圧延の板幅スケジュ
ールは、前述のように広幅材から狭幅材に移行するよう
に設定され、1サイクルの板幅サイクルが終了すると再
度広幅材に戻り、同様の板幅サイクルが繰返される。1
サイクルの板幅サイクルが終了したワークロールには、
前述のように幅方向に不均一な厚み分布を有する膜状物
質が付着する。
【0058】ステップs9では、先行コイルの板幅より
も後行コイルの板幅が大きいか否かが判断される。この
判断が否定であれば、1サイクルの板幅サイクルが終了
していないと判断され、ステップs10に移る。ステッ
プs10では、膜状物質が付着した状態の第1〜第3W
Cワークロールが圧延スタンド64に装着されるべきW
Cワークロールとして選択され、再度ステップs3に戻
る。ステップs3では、膜状物質が付着した状態の第1
WCワークロールが圧延スタンド64に装着され、ステ
ップs4では、次コイルの冷間圧延が同様にして行われ
る。
【0059】ステップs9における判断が肯定であれ
ば、1サイクルの板幅サイクルが終了したと判断されて
ステップs11に進む。ステップs11では、膜状物質
を除去した状態の皮膜研磨済第1〜第3WCワークロー
ルが圧延スタンド64に装着されるべきWCワークロー
ルとして選択され、再度ステップs3に戻る。ステップ
s3では、皮膜研磨済第1WCワークロールが圧延スタ
ンドに装着され、ステップs4では、新たな板幅サイク
ルで冷間圧延が同様に行われる。
【0060】これによって、ステンレス鋼帯の表面にお
ける不均一な膜状物質の転写による表面性状不良の発生
を防止することができる。このようなステップs3〜s
11を巡る処理は、第1〜第3WCワークロールにロー
ル疵および偏磨耗が発生または疲労層が生成するまで繰
返して行われる。第1〜第3WCワークロールにロール
疵および偏磨耗が発生または疲労層が生成すると、一連
のレバース冷間圧延が終了し、新たな一連のレバース冷
間圧延が同様に開始される。
【0061】このように本実施の形態では、レバース式
冷間圧延機の圧延スタンドに第1〜第3WCワークロー
ルを装着して冷間圧延の全パスが行われるので、1パス
当りの冷間圧下率を従来のワークロールを用いるときよ
りも高圧下率に設定することができる。これによって、
圧延パス回数を低減することが可能になり、生産性を向
上することができる。また第1〜第3WCワークロール
は磨耗しにくく、ステンレス鋼帯のエッジと接触しても
ロール疵が発生しないので、ロール疵に起因するステン
レス鋼帯のエッジクラックの発生およびロール疵の転写
によるステンレス鋼帯の表面疵の発生を防止することが
できる。またステンレス鋼帯の板幅が狭幅から広幅に変
化するとき、膜状物質を除去した第1〜第3WCワーク
ロールが用いられるので、幅方向の厚みが不均一な膜状
物質の転写による表面性状不良の発生を防止することが
可能となり、表面品質の向上を図ることができる。
【0062】また初回パスを含む予め定めるパス回数の
冷間圧延が最も表面粗さの大きい第1WCワークロール
を用いて行われるので、ステンレス鋼帯の噛み込み性を
向上させることが可能となり、冷間圧下率をさらに高圧
下率に設定することができる。また、複数の予め定める
表面粗さを有する第1〜第3WCワークロールが準備さ
れ、その中に研磨性が良好な表面粗さの大きい第1WC
ワークロールが存在するので、WCワークロールの表面
粗さが全て小さい場合に比べて、WCワークロール全体
の研磨負荷を低減することができる。また、最終パスを
含む予め定めるパス回数の冷間圧延が最も表面粗さの小
さい予め定める表面粗さを有する第2WCワークロール
を用いて行われるので、ステンレス鋼帯の表面粗さを容
易に目標粗さになるように造り込むことができる。
【0063】以上述べたように図1に示すタンデム式冷
間圧延機3では、第1および第4スタンド8,11に第
1および第2WCワークロールを装着するように構成さ
れているけれども、このような構成に限定されるもので
はなく、WCワークロールを全スタンドに装着するよう
に構成してもよい。また図1に示すタンデム式冷間圧延
機3は、入側に溶接機を有する連続圧延機であるけれど
も、このような構成に限定されるものではなく、コイル
毎に圧延を行うタンデム式冷間圧延機であってもよい。
【0064】(実施例) (1)実施例1および比較例1 図1に示すタンデム式冷間圧延設備1を用いてステンレ
ス鋼帯のタンデム連続冷間圧延を行い、冷間圧延条件が
本発明の要件を満たす実施例1と本発明の要件を外れる
比較例1とについてワークロールにロール疵が発生する
までのコイル数および1日当りのロール交換回数を求め
て比較した。冷間圧延に供したステンレス鋼帯の鋼種
は、SUS304であり、冷間圧延前の板厚は1.50
mmであり、仕上げ板厚は0.47mmであり、板幅は
1032mmであった。実施例1では、第1および第4
スタンド8,11に第1および第2WCワークロールを
装着し、第1スタンド8の冷間圧下率を圧延可能な最大
圧下率に設定した。比較例1では、WCワークロールを
用いないで、第1スタンド8の冷間圧下率を圧延可能な
最大圧下率に設定した。実施例1および比較例1のワー
クロールの種類および各スタンドにおける冷間圧下率を
表2に示す。
【0065】
【表2】
【0066】その結果、第1スタンド8に装着されたワ
ークロールにおけるロール疵が発生するまでのコイル数
は、実施例1では50コイルであり、比較例1では5コ
イルであった。また各スタンド1日当りの平均ロール交
換回数は、実施例1では0.67回/日であり、比較例
1では22回/日であった。このように本発明の要件を
満たす実施例1は、比較例2に比べてロール交換回数を
低減することができるので、タンデム式連続冷間圧延機
の休止時間を低減することが可能となり、タンデム式冷
間圧延設備の生産性を向上することができる。
【0067】(2)実施例2および比較例2 図9に示すレバース式冷間圧延設備を用いてステンレス
鋼帯のレバース冷間圧延を行い、ワークロール条件が本
発明の要件を満たす実施例2と本発明の要件を外れる比
較例2とについてパス回数および圧延荷重を測定して比
較した。冷間圧延に供したステンレス鋼帯の鋼種および
寸法は、実施例1および比較例1と同一である。実施例
2では、全パスともWCワークロールを用いて冷間圧延
を行い、比較例2はWCワークロールを用いないで冷間
圧延を行った。実施例2および比較例2のワークロール
の種類、パス毎の冷間圧下率および圧延荷重を表3に示
す。
【0068】
【表3】
【0069】表3から、実施例2では5パスで目標板厚
まで冷間圧延することができるのに対して、比較例2で
は7パス必要であることが判る。また、実施例2の冷間
圧下率は比較例2に比べて各パスとも高圧下率が付与さ
れていることが判る。このように、実施例2は、全パス
ともWCワークロールを用いて冷間圧延を行っているの
で、比較例2に比べて冷間圧下率および圧延荷重を高く
することができ、圧延パス回数を低減することができ
る。したがって、レバース式冷間圧延設備の生産性を向
上することが可能となる。
【0070】
【発明の効果】以上のように請求項1記載の本発明によ
れば、タンデム式冷間圧延機の予め定めるスタンドには
超硬ワークロールが設けられるので、ロール疵の発生を
防止することができる。これによって、超硬ワークロー
ルのロール交換回数を低減することができるので、タン
デム式冷間圧延機の生産性を向上することができる。ま
た膜状物質研磨装置が設けられるので、超硬ワークロー
ルの膜状物質のみを研磨して除去することができる。し
たがって、研磨負荷を軽減することができる。
【0071】また請求項2記載の本発明によれば、複数
基のスタンドのうち初段スタンドに超硬ワークロールを
装着して冷間圧延が行われるので、ワークロールの硬質
化効果によって初段スタンドの冷間圧下率を高圧下率に
設定して冷間圧延することが可能となる。これによっ
て、後続スタンドの負荷を低減することができるので、
後続スタンドにおける冷間圧下率を低減することが可能
となりワークロールのロール疵の発生を抑制することが
できる。したがって、金属帯の表面品質を向上させるこ
とができる。
【0072】また請求項3記載の本発明によれば、複数
基のスタンドのうち最終スタンドに超硬ワークロールを
装着して冷間圧延が行われるので、ワークロールの硬質
化効果によって最終スタンドのワークロールのロール疵
の発生を防止することができる。これによって、最終ス
タンドにおけるロール疵に起因する金属帯のエッジクラ
ックの発生およびロール疵の転写による金属帯の表面疵
の発生を防止することができるので、金属帯の表面品質
を向上させることができる。
【0073】また請求項4記載の本発明によれば、複数
基のスタンドの初段および最終スタンドに第1および第
2超硬ワークロールをそれぞれ装着して冷間圧延が行わ
れるので、金属帯の表面品質をさらに向上させることが
できる。
【0074】また請求項5記載の本発明によれば、冷間
圧延される金属帯の板幅が狭幅から広幅に変わるとき、
膜状物質の付着した超硬ワークロールが膜状物質を除去
した超硬ワークロールに交換されるので、幅方向の厚み
が不均一な膜状物質の転写による金属帯の表面性状不良
の発生を防止することができる。
【0075】また請求項6記載の本発明によれば、レバ
ース式冷間圧延機のスタンドに超硬ワークロールを装着
して冷間圧延の全パスが行われるので、1パス当りの冷
間圧下率を従来のワークロールを用いるときよりも高圧
下率に設定することができる。これによって、圧延パス
回数を低減することが可能になり、生産性を向上するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかわるタンデム式冷間圧延設備1の
構成を簡略化して示す平面図である。
【図2】図1に示すタンデム式連続冷間圧延機3の構成
を簡略化して示す系統図である。
【図3】図1に示す第1ロール交換装置4aの構成を簡
略化して示す平面図である。
【図4】図1に示す第1膜状物質研磨装置5aの構成を
簡略化して示す平面図である。
【図5】図4の切断面線V−Vから見た断面図である。
【図6】本発明の実施の一形態であるステンレス鋼帯の
冷間圧延方法を示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施の他の形態であるステンレス鋼帯
の冷間圧延方法を示すフローチャートである。
【図8】本発明の実施のさらに他の形態であるステンレ
ス鋼帯の冷間圧延方法を示すフローチャートである。
【図9】本発明にかかわるレバース式冷間圧延設備58
の構成を簡略化して示す平面図である。
【図10】図9に示すレバース式冷間圧延機59の構成
を簡略化して示す系統図である。
【図11】本発明の実施のさらに他の形態であるステン
レス鋼帯の冷間圧延方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 タンデム式冷間圧延設備 3 タンデム式連続冷間圧延機 4,60 ロール交換装置 5,61 膜状物質研磨装置 6,63 ロール研磨装置 8 第1スタンド 9 第2スタンド 10 第3スタンド 11 第4スタンド 43 フィルム研磨機 44 ロール回転機 50 研磨フィルム 58 レバース式冷間圧延設備 59 レバース式冷間圧延機 64 圧延スタンド

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一対のワークロールおよび複数の支持ロ
    ールを備えるスタンドを複数基直列に配置し、金属帯を
    一方向に順次冷間圧延するタンデム式冷間圧延機と、 予め定めるスタンドの近傍に設けられ、ワークロールの
    表面に付着している膜状物質を研磨して除去する膜状物
    質研磨装置とを含み、 前記予め定めるスタンドには、少なくとも表層部が超硬
    質物質から成る超硬ワークロールが設けられることを特
    徴とするタンデム式冷間圧延設備。
  2. 【請求項2】 請求項1記載のタンデム式冷間圧延設備
    を用いて金属帯を冷間圧延する方法であって、 前記予め定めるスタンドは、複数基のスタンドのうち圧
    延方向の最上流に配置される初段スタンドであり、 予め定める表面粗さを有し、少なくとも表層部が超硬質
    物質から成る超硬ワークロールを準備し、前記初段スタ
    ンドに前記準備した超硬ワークロールを装着して冷間圧
    延を行うことを特徴とする金属帯の冷間圧延方法。
  3. 【請求項3】 請求項1記載のタンデム式冷間圧延設備
    を用いて金属帯を冷間圧延する方法であって、 前記予め定めるスタンドは、複数基のスタンドのうち圧
    延方向の最下流に配置される最終スタンドであり、 予め定める表面粗さを有し、少なくとも表層部が超硬質
    物質から成る超硬ワークロールを準備し、前記最終スタ
    ンドに前記準備した超硬ワークロールを装着して冷間圧
    延を行うことを特徴とする金属帯の冷間圧延方法。
  4. 【請求項4】 請求項1記載のタンデム式冷間圧延設備
    を用いて金属帯を冷間圧延する方法であって、 前記予め定めるスタンドは、複数基のスタンドのうち圧
    延方向の最上流および最下流に配置される初段および最
    終スタンドであり、 予め定める表面粗さを有し、少なくとも表層部が超硬質
    物質から成る第1超硬ワークロールと、第1超硬ワーク
    ロールよりも小さい予め定める表面粗さを有し、少なく
    とも表層部が超硬質物質から成る第2超硬ワークロール
    とを準備し、前記初段および最終スタンドに前記準備し
    た第1および第2超硬ワークロールをそれぞれ装着して
    冷間圧延を行うことを特徴とする金属帯の冷間圧延方
    法。
  5. 【請求項5】 少なくとも表層部が超硬質物質から成る
    超硬ワークロールの表面に付着している膜状物質を除去
    し、 先行して圧延される金属帯の板幅よりも後続して圧延さ
    れる金属帯の板幅が大きいとき、スタンドに装着されて
    いる少なくとも表層部が超硬質物質から成る超硬ワーク
    ロールを前記膜状物質を除去した超硬ワークロールに交
    換して冷間圧延を行うことを特徴とする請求項2〜4の
    いずれかに記載の金属帯の冷間圧延方法。
  6. 【請求項6】 一対のワークロールおよび複数の支持ロ
    ールを備える単一のスタンドを有し、圧延方向を交互に
    逆方向に切換えて金属帯を冷間圧延するレバース式冷間
    圧延機を準備し、さらに、 少なくとも表層部が超硬質物質から成り、複数の予め定
    める表面粗さを有する超硬ワークロールを準備し、 前記超硬ワークロールの表面に付着している膜状物質を
    除去した超硬ワークロールを準備し、 冷間圧延の全パスを超硬ワークロールを用いて行い、 初回パスを含む予め定めるパス回数の冷間圧延を最も表
    面粗さの大きい超硬ワークロールを用いて行い、 最終パスを含む予め定めるパス回数の冷間圧延を最も表
    面粗さの小さい超硬ワークロールを用いて行い、 先行して圧延される金属帯の板幅よりも後続して圧延さ
    れる金属帯の板幅が大きいとき、膜状物質を除去した超
    硬ワークロールを用いて冷間圧延を行うことを特徴とす
    る金属帯の冷間圧延方法。
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