JP2002078479A - 亜硝酸分解微生物とこの微生物による亜硝酸の除去方法 - Google Patents

亜硝酸分解微生物とこの微生物による亜硝酸の除去方法

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JP2002078479A
JP2002078479A JP2000267617A JP2000267617A JP2002078479A JP 2002078479 A JP2002078479 A JP 2002078479A JP 2000267617 A JP2000267617 A JP 2000267617A JP 2000267617 A JP2000267617 A JP 2000267617A JP 2002078479 A JP2002078479 A JP 2002078479A
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nitrous acid
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Tadaatsu Nakahara
忠篤 中原
Toshiaki Kanbe
敏明 神戸
Nobuhiko Nomura
暢彦 野村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 亜硝酸の硝酸への酸化と、亜硝酸から亜酸化
窒素への還元を短時間で同時に行うことのできる新規微
生物と、この微生物を用いた亜硝酸の除去方法を提供す
る。 【解決手段】 ブルクホリデリア(Burkholderia)に属
し、亜硝酸を硝酸へと酸化し、かつ好気条件下で亜硝酸
を亜酸化窒素に還元する能力を有する亜硝酸分解微生物
と、この微生物を亜硝酸汚染水に添加し、好気条件下で
亜硝酸の脱窒を行うことを特徴とする亜硝酸の除去方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この出願の発明は、亜硝酸分
解微生物と、この微生物を用いた亜硝酸の除去方法に関
するものである。さらに詳しくは、上水中に含まれる亜
硝酸態窒素等を短時間で効率よく分解除去する能力を有
する新規微生物と、この微生物を用いた亜硝酸除去方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、上水(飲料水、用水、雨水、並び
に揚水した地下水および海水等)の汚染が社会問題化し
てきており、とりわけ亜硝酸態窒素による飲料水の汚染
が懸念されている。すなわち、亜硝酸態窒素を高濃度に
含有する飲料水を摂取した場合には、亜硝酸態窒素が乳
幼児の発育障害を引き起こしたり、強力な発ガン物質で
あるニトロソアミンの前駆体として振る舞うなど、身体
に重篤な影響を与えることが判明しているからである。
しかしながら、飲料水をはじめとする上水の亜硝酸態窒
素による汚染は、農園芸において施肥された窒素肥料の
流亡が主因であるため、例えば窒化物の使用制限等の抜
本的な汚染発生源対策の実施は困難である。従って、亜
硝酸態窒素による飲料水等の上水汚染の防止は、取水後
に含有亜硝酸態窒素を除去して行う必要がある。
【0003】微生物の脱窒の原理を利用した上水用の硝
酸態・亜硝酸態窒素除去方法が開発されつつある。この
方法では、亜硝酸還元酵素、硝酸還元酵素、一酸化窒素
還元酵素、亜酸化窒素還元酵素等の一連の脱窒系酵素を
産生する各種の微生物が用いられ、これらの酵素の働き
により処理水中の硝酸態・亜硝酸態窒素は全て分子状窒
素として大気中に還元される。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、これら
の微生物を用いた従来の方法の場合には、先ず、亜硝酸
を好気的に独立栄養性亜硝酸酸化細菌によって硝酸へと
酸化させ、次いで嫌気的条件下で脱窒菌により亜酸化窒
素へと還元することによって脱窒を行っていた。このた
め、好気槽と嫌気槽を用いた2段階処理が必要であり、
しかも亜硝酸酸化のために独立栄養性亜硝酸酸化細菌を
用いていることで、酸化反応の終了までに長い時間を要
するといった大きな欠点を有していた。
【0005】この出願の発明は、以上のとおりの事情に
鑑みてなされたものであり、従来技術の問題点を解決す
るものとして、好気的な条件下で、亜硝酸の硝酸への酸
化と、亜硝酸から亜酸化窒素への還元を短時間で同時に
行うことのできる新規微生物と、この微生物を用いた亜
硝酸の除去方法を提供することを課題としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】この出願は、前記の課題
を解決するものとして、以下の(1)から(3)の発明を提供
する。 (1) ブルクホリデリア(Burkholderia)に属し、亜硝
酸を硝酸へと酸化し、かつ好気条件下で亜硝酸を亜酸化
窒素に還元する能力を有する亜硝酸分解微生物。 (2) ブルクホリデリア(Burkholderia)に属する微生
物が、ブルクホリデリアセパシア(Burkholderia cepac
ia)NH-17(FERM P−18007)である前記
(1)の亜硝酸分解微生物。 (3) 前記(1)または(3)の微生物を亜硝酸汚染水に添加
し、好気条件下で亜硝酸の脱窒を行うことを特徴とする
亜硝酸の除去方法。
【0007】以下、この出願の発明について、実施形態
を詳しく説明する。
【0008】
【発明の実施の形態】この発明の亜硝酸分解微生物は、
ブルクホリデリア(Burkholderia)に属し、亜硝酸を硝
酸へと酸化し、かつ好気条件下(溶存酸素濃度6ppm以
下)で亜硝酸を亜酸化窒素に還元する能力を有する微生
物である。このような微生物は自然界からその亜硝酸分
解能を指標として単離することができるが、この出願で
は、土壌より分離したブルクホリデリア セパシア(Bu
rkholderia cepacia)NH-17を好ましい菌株として提
供する。このNH-17は平成12年8月31日付けで工
業技術院生命工学工業技術研究所に特許微生物として寄
託されている(受託番号:FERM P−1800
7)。このNH-17株の菌学的性質は以下のとおりであ
る。
【0009】・培養温度:30℃ ・細胞形態:桿菌(0.5×1.0〜1.5μm) ・グラム染色:− ・運動性:+ ・コロニー形態:円形 根足あり 低凸型 光沢 水溶性緑色色素産生 ・カタラーゼ:+ ・オキシダーゼ:+ ・O/F試験:− ・硝酸塩還元:+ ・インドール産生:− ・ブドウ糖酸性化:− ・アルギニンジヒドロラーゼ:− ・ウレアーゼ:− ・エスクリン加水分解:− ・ゼラチン加水分解:+ ・β−ガラクトシダーゼ:− ・基質資化能 ブドウ糖:+ L−アラビノース:+ D−マンノース:+ D−マンニトール:+ N−アセチル−D−グルコサミン:+ マルトース:+ グルコン酸カリウム:+ n−カプリン酸:+ アジピン酸:+ dl−リンゴ酸:+ クエン酸ナトリウム:+ 酢酸フェニル:+ このような菌学的性質を有する微生物は、通常の細菌用
培地で培養増殖することができるが、特に亜硝酸栄養培
地(pH7.8)で培養することが好ましい。この亜硝酸栄
養培地は、炭素源、窒素源、無機塩類、ビタミン、その
他の栄養因子を適宜含有するものであれば、天然培地で
も合成培地でもよい。そのような栄養培地の具体的な組
成(1,000ml当たり)を例示すれば、以下のとおりであ
る。
【0010】NaNO2:0.34g グルコース:10g ペプトン:10g MgSO4-7H2O:0.1g K2HPO4:2g Yeast extract:1g このような栄養培地で増殖させた微生物は、そのまま直
接に、または継代培養した後に、酸素耐性亜硝酸還元酵
素生成のための培養に供する。酵素生成期における培養
条件は、亜硝酸または硝酸を加える以外は増殖期におけ
る条件と同一とすることができる。この培養期間は、目
的酵素が微生物体内に十分に蓄積するまで行う。通常は
1日間程度である。培養微生物は、培養終了後に慣用の
手段を用いて培地から分離して採取し、亜硝酸の除去反
応に用いることができる。
【0011】また、この発明の微生物は凍結法(−80℃
にて凍結。保護剤として30%グリセリン使用液使用)に
より保管することができる。凍結した微生物は常温に戻
して培養または反応に用いることができる。
【0012】以下、実施例を示してこの出願の発明につ
いてさらに詳細かつ具体的に説明するが、この出願の発
明は以下の例に限定されるものではない。
【0013】
【実施例】実施例1 1リットル容の培養槽に0.1リットルの水を入れ、この
水中に0.34 gの亜硝酸を溶解した(濃度0.34 mg/m
l)。次いで、この亜硝酸水溶液にNH-17株(菌数1×1
05cell)を入れ、開放型培養(綿栓使用)により亜硝酸
と硝酸の濃度を常法により測定した。
【0014】結果は図1および図2に示したとおりであ
る。図1の上段は菌の増殖曲線、下段は亜硝酸(NO2 -
白四角)と硝酸(NO3 -:黒丸)の変化を示した結果であ
る。また図2上段は菌の増殖曲線、中段は酸素(O2)の
変化、下段は亜硝酸(NO2 -:白四角)と亜酸化二窒素
(N2O:黒丸)濃度の経時的変化である。この図1およ
び図2から明らかなように、NH-17株の増殖に伴っ
て、亜硝酸の減少とともに硝酸および亜酸化二窒素が生
成されることが確認された。 実施例2 500 ml容三角フラスコに亜硝酸栄養培地を30 ml入れ、
NH−17株を入れて閉鎖型培養(ブチルゴム栓)を行
い、亜硝酸、硝酸、亜酸化二窒素、酸素および菌の増殖
の程度を測定した。
【0015】結果は図3に示したとおりである。図3上
段は菌の増殖曲線と酸素(O2)変化であり、下段は亜硝
酸(NO2 -:白四角)、硝酸(NO3 -:黒三角)および亜酸
化二窒素(N2O:黒丸)の濃度の経時的変化である。こ
の図3から明らかなように、NH−17株は、増殖の中
期から硝酸を生成し、亜硝酸が急激に減少する。生成さ
れた硝酸は次第に減少していく。その時、好気的条件下
(O2濃度は2 ppm)ではあるが、亜酸化二窒素を放出す
る。このように、NH−17株を加えることにより、好
気的条件下で硝化と脱窒を同時に行うことが可能である
ことが確認された。 実施例3 NH−17株を亜硝酸栄養培地(100 ml)で培養後、集
菌し、リン酸バッファーで洗浄して休止菌体とした後、
基質として亜硝酸5 mMを入れ、亜酸化二窒素および酸素
濃度を測定した。
【0016】結果は図4に示したとおりにである。この
図4から明らかなように、NH−17株は休止菌体にお
いても好気条件で亜酸化二窒素(N2O)を放出した。こ
のことは、NH−17株が酵素レベルにおいても亜硝酸
の脱窒を行うことが可能であることが確認された。
【0017】
【発明の効果】以上詳しく説明したとおり、この出願の
発明によって、好気条件下で高濃度の亜硝酸を効率良く
分解除去することが可能となり、汚水処理の効率化、高
速化、およびコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】上段はNH−17株の増殖曲線、下段は亜硝酸
(NO2 -:白四角)と硝酸(NO3 -:黒丸)の濃度変化を示
したグラフである。
【図2】上段はNH−17株の増殖曲線、中段は酸素
(O2)の変化、下段は亜硝酸(NO 2 -:白四角)と亜酸化
二窒素(N2O:黒丸)濃度の経時的変化を示したグラフ
である。
【図3】上段はNH−17株の増殖曲線と酸素(O2)変
化であり、下段は亜硝酸(NO2 -:白四角)、硝酸(N
O3 -:黒三角)および亜酸化二窒素(N2O:黒丸)の濃度
の経時的変化を示したグラフである。
【図4】亜酸化二窒素(N2O)および酸素(O2)濃度の
経時的変化を示したグラフである。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ブルクホリデリア(Burkholderia)に属
    し、亜硝酸を硝酸へと酸化し、かつ好気条件下で亜硝酸
    を亜酸化窒素に還元する能力を有する亜硝酸分解微生
    物。
  2. 【請求項2】 ブルクホリデリア(Burkholderia)に属
    する微生物が、ブルクホリデリア セパシア(Burkhold
    eria cepacia)NH-17(FERM P−18007)で
    ある請求項1の亜硝酸分解微生物。
  3. 【請求項3】 請求項1または2の微生物を亜硝酸汚染
    水に添加し、好気条件下で亜硝酸の脱窒を行うことを特
    徴とする亜硝酸の除去方法。
JP2000267617A 2000-09-04 2000-09-04 亜硝酸分解微生物とこの微生物による亜硝酸の除去方法 Pending JP2002078479A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010214310A (ja) * 2009-03-17 2010-09-30 Prima Meat Packers Ltd 油脂分解能を有する微生物及びそれを用いた油脂含有排水の処理方法
WO2012004026A3 (de) * 2010-07-07 2012-04-19 Robert Bosch Gmbh Verfahren zur gewinnung von distickstoffmonooxid (n2o)
WO2014112640A1 (ja) * 2013-01-21 2014-07-24 昭和電工株式会社 含窒素水処理システムおよび含窒素水処理方法

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