JP2002076839A - 平衡型弾性表面波フィルタ - Google Patents
平衡型弾性表面波フィルタInfo
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Abstract
(57)【要約】
【課題】 平衡型ラダーＳＡＷフィルタの平衡度を改善
する手段を得る。 【解決手段】 圧電基板上に弾性表面波共振子を複数個
配置すると共に、梯子状に縦続接続した平衡型ラダー弾
性表面波フィルタであって、弾性表面波共振子、リード
電極及びパッド電極からなる電極パターンの中心を通る
線に対して線対称と、前記中心に対して点対称に前記電
極パターンを配する。
する手段を得る。 【解決手段】 圧電基板上に弾性表面波共振子を複数個
配置すると共に、梯子状に縦続接続した平衡型ラダー弾
性表面波フィルタであって、弾性表面波共振子、リード
電極及びパッド電極からなる電極パターンの中心を通る
線に対して線対称と、前記中心に対して点対称に前記電
極パターンを配する。
Description
【０００１】
【発明の属する技術分野】本発明は平衡型弾性表面波フ
ィルタに関し、特にラダー型弾性表面波フィルタ（以
下、ラダー型ＳＡＷフィルタと称す）の耐ノイズ性能を
改善した平衡型弾性表面波フィルタに関する。
ィルタに関し、特にラダー型弾性表面波フィルタ（以
下、ラダー型ＳＡＷフィルタと称す）の耐ノイズ性能を
改善した平衡型弾性表面波フィルタに関する。
【０００２】
【従来の技術】近年、弾性表面波フィルタは通信分野で
広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を
有することから特に携帯電話機等に多く用いられてい
る。最近のセルラー方式携帯電話機のＲＦ部には低損失
で広帯域のＳＡＷフィルタを必要とすると共に、送受信
波を分離する必要から減衰傾度の急峻なフィルタが要求
され、この条件を満たすＳＡＷフィルタとしてはラダー
型ＳＡＷフィルタが適している。図７（ａ）は携帯電話
機のＲＦ部に用いられているラダー型ＳＡＷフィルタの
一例であって、入力端子から順にＳＡＷ共振子２１、２
２、２３、・・を並列、直列、並列、・・と梯子状に接
続して、共振子型ＳＡＷフィルタ構成している。周知の
ように、ＳＡＷ共振子２１（２２、２３・・）は、例え
ば圧電基板（図示しない）の主面上に表面波の伝搬方向
に沿ってＩＤＴ電極２６とその両側にグレーティング反
射器（以下、反射器と称す）２７ａ、２７ｂを配置し
て、構成したものである。ここで、ＩＤＴ電極２６は互
いに間挿し合う複数の電極指を有する一対のくし形電極
より構成され、それぞれのくし形電極からリード電極を
導出し、一端子対ＳＡＷ共振子としている。
広く利用され、高性能、小型、量産性等の優れた特徴を
有することから特に携帯電話機等に多く用いられてい
る。最近のセルラー方式携帯電話機のＲＦ部には低損失
で広帯域のＳＡＷフィルタを必要とすると共に、送受信
波を分離する必要から減衰傾度の急峻なフィルタが要求
され、この条件を満たすＳＡＷフィルタとしてはラダー
型ＳＡＷフィルタが適している。図７（ａ）は携帯電話
機のＲＦ部に用いられているラダー型ＳＡＷフィルタの
一例であって、入力端子から順にＳＡＷ共振子２１、２
２、２３、・・を並列、直列、並列、・・と梯子状に接
続して、共振子型ＳＡＷフィルタ構成している。周知の
ように、ＳＡＷ共振子２１（２２、２３・・）は、例え
ば圧電基板（図示しない）の主面上に表面波の伝搬方向
に沿ってＩＤＴ電極２６とその両側にグレーティング反
射器（以下、反射器と称す）２７ａ、２７ｂを配置し
て、構成したものである。ここで、ＩＤＴ電極２６は互
いに間挿し合う複数の電極指を有する一対のくし形電極
より構成され、それぞれのくし形電極からリード電極を
導出し、一端子対ＳＡＷ共振子としている。
【０００３】最近の携帯電話機のように、デジタル回路
とアナログ回路とを非常に小さな空間に収容する必要か
ら、他の回路からのノイズを極力低減する必要がある。
このため、ＲＦ回路、ＩＦ回路等を平衡型化してノイズ
を低減する手段が採用されるようになり、ＲＦ及びＩＦ
回路等に用いられるデバイスにも平衡型化が要求されて
いた。しかし、図７（ａ）に示したような従来のラダー
型ＳＡＷフィルタは、入出力のそれぞれ一方の端子を接
地して、入出力とも不平衡型のラダー型ＳＡＷフィルタ
であった。そこで、ラダー型ＳＡＷフィルタを平衡型化
すべく提案された回路が図８に示す平衡型のラダー型Ｓ
ＡＷフィルタ（以下、平衡型ラダーＳＡＷフィルタと称
す）であり、図７に示す不平衡型のラダー型ＳＡＷフィ
ルタを、２個接地側にて接続した回路構成である。しか
し、この種の平衡型ラダーＳＡＷフィルタでは、使用さ
れるＳＡＷ共振子の数が多くなり、ＳＡＷフィルタの形
状が大きくなり過ぎるという問題があった。
とアナログ回路とを非常に小さな空間に収容する必要か
ら、他の回路からのノイズを極力低減する必要がある。
このため、ＲＦ回路、ＩＦ回路等を平衡型化してノイズ
を低減する手段が採用されるようになり、ＲＦ及びＩＦ
回路等に用いられるデバイスにも平衡型化が要求されて
いた。しかし、図７（ａ）に示したような従来のラダー
型ＳＡＷフィルタは、入出力のそれぞれ一方の端子を接
地して、入出力とも不平衡型のラダー型ＳＡＷフィルタ
であった。そこで、ラダー型ＳＡＷフィルタを平衡型化
すべく提案された回路が図８に示す平衡型のラダー型Ｓ
ＡＷフィルタ（以下、平衡型ラダーＳＡＷフィルタと称
す）であり、図７に示す不平衡型のラダー型ＳＡＷフィ
ルタを、２個接地側にて接続した回路構成である。しか
し、この種の平衡型ラダーＳＡＷフィルタでは、使用さ
れるＳＡＷ共振子の数が多くなり、ＳＡＷフィルタの形
状が大きくなり過ぎるという問題があった。
【０００４】そこで、図８の平衡型ラダーＳＡＷフィル
タを小型化すべく提案されたものが、特開２０００−２
２４９３号公報に開示された平衡型ラダーＳＡＷフィル
タであり、図９に示すように構成されている。即ち、平
衡型ラダーＳＡＷフィルタは、第１の入出力端子ＩＮ
１、ＯＵＴ１及び第２の入出力端子ＩＮ２、ＯＵＴ２
と、端子ＩＮ１、ＯＵＴ１の間に直列に接続されたＳＡ
Ｗ共振子４２ａ，４３ａと、端子ＩＮ２、ＯＵＴ２の間
に直列に接続されたＳＡＷ共振子４２ｂ，４３ｂと、こ
れら直列に配されたＳＡＷ共振子群の間に配された並列
接続のＳＡＷ共振子４４、４５、４６とから構成されて
いる。このような構成とすることにより、入力端子ＩＮ
１、ＩＮ２と出力端子ＯＵＴ１、ＯＵＴ２とが共に平衡
型となる。
タを小型化すべく提案されたものが、特開２０００−２
２４９３号公報に開示された平衡型ラダーＳＡＷフィル
タであり、図９に示すように構成されている。即ち、平
衡型ラダーＳＡＷフィルタは、第１の入出力端子ＩＮ
１、ＯＵＴ１及び第２の入出力端子ＩＮ２、ＯＵＴ２
と、端子ＩＮ１、ＯＵＴ１の間に直列に接続されたＳＡ
Ｗ共振子４２ａ，４３ａと、端子ＩＮ２、ＯＵＴ２の間
に直列に接続されたＳＡＷ共振子４２ｂ，４３ｂと、こ
れら直列に配されたＳＡＷ共振子群の間に配された並列
接続のＳＡＷ共振子４４、４５、４６とから構成されて
いる。このような構成とすることにより、入力端子ＩＮ
１、ＩＮ２と出力端子ＯＵＴ１、ＯＵＴ２とが共に平衡
型となる。
【０００５】
【発明が解決しようとする課題】携帯電話機のＲＦ回路
に用いるべく上記の図９に示すような平衡型ラダーＳＡ
Ｗフィルタを試作し、ノイズを測定してみると、従来の
不平衡型のラダー型ＳＡＷフィルタに比べて低減される
ことが確認された。しかしながら、開発中の次世代携帯
電話機に要求される通話品質を依然として満たすことが
できないという問題があった。本発明は上記問題を解決
するためになされたものであって、耐ノイズ性に優れた
平衡型のラダー型ＳＡＷフィルタを提供することを目的
とする。
に用いるべく上記の図９に示すような平衡型ラダーＳＡ
Ｗフィルタを試作し、ノイズを測定してみると、従来の
不平衡型のラダー型ＳＡＷフィルタに比べて低減される
ことが確認された。しかしながら、開発中の次世代携帯
電話機に要求される通話品質を依然として満たすことが
できないという問題があった。本発明は上記問題を解決
するためになされたものであって、耐ノイズ性に優れた
平衡型のラダー型ＳＡＷフィルタを提供することを目的
とする。
【０００６】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明に係る平衡型弾性表面波フィルタの請求項１記
載の発明は、圧電基板の主面上に複数の弾性表面波共振
子を梯子状に配置してなる平衡型平衡型弾性表面波フィ
ルタに於いて、並列腕が奇数である場合は中央の並列腕
を構成する弾性表面波共振子の中心を基準点として、並
列腕が偶数である場合は中央の２つの並列腕を構成する
弾性表面波共振子の中心を結ぶ直線の中点を基準点とし
て、その他の弾性表面波共振子が点対称の位置に配置さ
れていることを特徴とする平衡型弾性表面波フィルタで
ある。請求項２記載の発明は、前記弾性表面波共振子間
を接続するリード電極及びパッド電極が、前記基準点に
対して点対称の位置に配置されていることを特徴とする
請求項１に記載の平衡型弾性表面波フィルタである。請
求項３記載の発明は、並列腕を構成するすべての弾性表
面波共波振子をそれぞれの中心が一本の直線上に位置す
るように配置し、その他の弾性表面波共波振子とパッド
電極が前記直線に対して線対称の位置に配置されている
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の平衡型弾性表
面波フィルタである。
に本発明に係る平衡型弾性表面波フィルタの請求項１記
載の発明は、圧電基板の主面上に複数の弾性表面波共振
子を梯子状に配置してなる平衡型平衡型弾性表面波フィ
ルタに於いて、並列腕が奇数である場合は中央の並列腕
を構成する弾性表面波共振子の中心を基準点として、並
列腕が偶数である場合は中央の２つの並列腕を構成する
弾性表面波共振子の中心を結ぶ直線の中点を基準点とし
て、その他の弾性表面波共振子が点対称の位置に配置さ
れていることを特徴とする平衡型弾性表面波フィルタで
ある。請求項２記載の発明は、前記弾性表面波共振子間
を接続するリード電極及びパッド電極が、前記基準点に
対して点対称の位置に配置されていることを特徴とする
請求項１に記載の平衡型弾性表面波フィルタである。請
求項３記載の発明は、並列腕を構成するすべての弾性表
面波共波振子をそれぞれの中心が一本の直線上に位置す
るように配置し、その他の弾性表面波共波振子とパッド
電極が前記直線に対して線対称の位置に配置されている
ことを特徴とする請求項１又は２に記載の平衡型弾性表
面波フィルタである。
【０００７】
【発明の実施の形態】以下本発明を図面に示した実施の
形態に基づいて詳細に説明する。図１（ａ）は本発明に
係る平衡型ラダーＳＡＷフィルタの構成を示す電極パタ
ーン、図１（ｂ）はその電気的等価回路であり、等価回
路の構成自体は図９のものと全く同じである。
形態に基づいて詳細に説明する。図１（ａ）は本発明に
係る平衡型ラダーＳＡＷフィルタの構成を示す電極パタ
ーン、図１（ｂ）はその電気的等価回路であり、等価回
路の構成自体は図９のものと全く同じである。
【０００８】図１（ａ）に基づいて詳細に説明すると、
圧電基板１の図中左側の両端に電極パッドＰ１、Ｐ２を
配設すると共に、該電極パッドＰ１、Ｐ２間にＳＡＷ共
振子２ａ、３ａを圧電基板１の図中左側周辺に沿って配
置し、それらの間及びＳＡＷ共振子２ａ、３ａとパッド
電極Ｐ１、Ｐ２とをそれぞれリード電極にて接続する。
そして、図中圧電基板１に右側両端に電極パッドＰ３、
Ｐ４を設けると共に、該電極パッドＰ３、Ｐ４間にＳＡ
Ｗ共振子２ｂ、３ｂを図中圧電基板１の右側周辺に沿っ
て配置し、それらの間及びＳＡＷ共振子２ｂ、３ｂとパ
ッド電極Ｐ３、Ｐ４とをそれぞれリード電極にて接続す
る。さらに、図中圧電基板１中央部に上部から下部に向
かってＳＡＷ共振子４、５、６を配置すると共に、ＳＡ
Ｗ共振子４、６の一方のくし形電極からそれぞれリード
電極を延在してパッド電極Ｐ１、Ｐ２と接続し、他方の
くし形電極からそれぞれリード電極を延在し、パッド電
極Ｐ３、Ｐ４と接続する。そして、圧電基板１の中央に
配置したＳＡＷ共振子５の一方のくし形電極からリード
電極を延在し、ＳＡＷ共振子２ａ、３ａを結ぶリード電
極と接続すると共に、他方のくし形電極からリード電極
を延在し、ＳＡＷ共振子２ｂ、３ｂを結ぶリード電極と
接続する。パッド電極Ｐ１、Ｐ３と入力端子ＩＮ１、Ｉ
Ｎ２とをそれぞれボンディングワイヤで接続すると共
に、パッド電極Ｐ２、Ｐ４と出力端子ＯＵＴ１、ＯＵＴ
２とをそれぞれボンディングワイヤで接続して、平衡型
ラダーＳＡＷフィルタを構成する。
圧電基板１の図中左側の両端に電極パッドＰ１、Ｐ２を
配設すると共に、該電極パッドＰ１、Ｐ２間にＳＡＷ共
振子２ａ、３ａを圧電基板１の図中左側周辺に沿って配
置し、それらの間及びＳＡＷ共振子２ａ、３ａとパッド
電極Ｐ１、Ｐ２とをそれぞれリード電極にて接続する。
そして、図中圧電基板１に右側両端に電極パッドＰ３、
Ｐ４を設けると共に、該電極パッドＰ３、Ｐ４間にＳＡ
Ｗ共振子２ｂ、３ｂを図中圧電基板１の右側周辺に沿っ
て配置し、それらの間及びＳＡＷ共振子２ｂ、３ｂとパ
ッド電極Ｐ３、Ｐ４とをそれぞれリード電極にて接続す
る。さらに、図中圧電基板１中央部に上部から下部に向
かってＳＡＷ共振子４、５、６を配置すると共に、ＳＡ
Ｗ共振子４、６の一方のくし形電極からそれぞれリード
電極を延在してパッド電極Ｐ１、Ｐ２と接続し、他方の
くし形電極からそれぞれリード電極を延在し、パッド電
極Ｐ３、Ｐ４と接続する。そして、圧電基板１の中央に
配置したＳＡＷ共振子５の一方のくし形電極からリード
電極を延在し、ＳＡＷ共振子２ａ、３ａを結ぶリード電
極と接続すると共に、他方のくし形電極からリード電極
を延在し、ＳＡＷ共振子２ｂ、３ｂを結ぶリード電極と
接続する。パッド電極Ｐ１、Ｐ３と入力端子ＩＮ１、Ｉ
Ｎ２とをそれぞれボンディングワイヤで接続すると共
に、パッド電極Ｐ２、Ｐ４と出力端子ＯＵＴ１、ＯＵＴ
２とをそれぞれボンディングワイヤで接続して、平衡型
ラダーＳＡＷフィルタを構成する。
【０００９】本発明の特徴は、中央の並列腕を構成する
ＳＡＷ共振子の中心（図１の例ではＳＡＷ共振子５のＩ
ＤＴ電極の中心）を基準点として、ＳＡＷ共振子パター
ン、リード電極パターン及びパッド電極パターンを点対
称に配置したことである。更に、この例のように並列腕
のＳＡＷ共振子４、５、６の格中心を結ぶ直線Ｃ１に対
してＳＡＷ共振子２ａ、３ａ及びパッド電極Ｐ１、Ｐ２
がそれぞれ２ｂ、３ｂ及びＰ３、Ｐ４と線対称の位置に
配置されている。この様にＳＡＷ共振子パターン、リー
ド電極パターン及びパッド電極パターンを線対称あるい
は点対称に配することにより、第１の入出力端子ＩＮ
１、ＯＵＴ１間に接続されるＳＡＷ共振子パターン、リ
ード電極パターン及びパッド電極等が高周波にて呈する
リアクタンス値と、第２の入出力端子ＩＮ２、ＯＵＴ２
間に接続されるＳＡＷ共振子パターン、リード電極パタ
ーン及びパッド電極等が高周波にて呈するリアクタンス
値とがほぼ等しくなり、平衡度が改善され、耐ノイズ性
能が向上することが確認できた。
ＳＡＷ共振子の中心（図１の例ではＳＡＷ共振子５のＩ
ＤＴ電極の中心）を基準点として、ＳＡＷ共振子パター
ン、リード電極パターン及びパッド電極パターンを点対
称に配置したことである。更に、この例のように並列腕
のＳＡＷ共振子４、５、６の格中心を結ぶ直線Ｃ１に対
してＳＡＷ共振子２ａ、３ａ及びパッド電極Ｐ１、Ｐ２
がそれぞれ２ｂ、３ｂ及びＰ３、Ｐ４と線対称の位置に
配置されている。この様にＳＡＷ共振子パターン、リー
ド電極パターン及びパッド電極パターンを線対称あるい
は点対称に配することにより、第１の入出力端子ＩＮ
１、ＯＵＴ１間に接続されるＳＡＷ共振子パターン、リ
ード電極パターン及びパッド電極等が高周波にて呈する
リアクタンス値と、第２の入出力端子ＩＮ２、ＯＵＴ２
間に接続されるＳＡＷ共振子パターン、リード電極パタ
ーン及びパッド電極等が高周波にて呈するリアクタンス
値とがほぼ等しくなり、平衡度が改善され、耐ノイズ性
能が向上することが確認できた。
【００１０】図２は米国AMPS用（中心周波数836.5MHz）
の平衡型ラダーＳＡＷフィルタのフィルタ特性で、図１
の電極パターンを用い、圧電基板１に42゜Y-X LiTaO3、
直列腕ＳＡＷ共振子２ａ、３ａ、２ｂ、３ｂのＩＤＴ電
極対数を75対、交差幅を19.5λ（λはＳＡＷ共振子のＩ
ＤＴ電極周期）、反射器の片側本数105本、並列腕ＳＡ
Ｗ共振子４、６のＩＤＴ電極対数を100対、交差幅を17.
7λ、反射器の片側本数80本、並列腕ＳＡＷ共振子５の
ＩＤＴ電極対数を120対、交差幅を29.8λ、反射器の片
側本数60本、電極はアルミニウム合金を用い、電極膜厚
は9.4%λとした場合のフィルタ特性である。図２から明
らかなように図中Ｐで示す通過域の規格である25MHz(3d
B)、減衰域の規格30dB（869MHz〜894MHz）を満たしてい
る。図３は平衡型フィルタの平衡度の測定値であり、図
１０に示すように入力ＩＮ１、ＩＮ２に差動電圧を印加
したときに、出力ＯＵＴ１、ＯＵＴ２より得られる出力
特性の差、即ち振幅特定の差及び位相特性の差を表示し
たもので、実線は振幅特性の差α、破線は位相特性の差
βを表示している。この図から振幅特性差αは通過域内
の最大で0.457dB、位相特性差βは177.5度と、理想値で
ある０dB、180度に極めて近い数値となることが確認で
きた。
の平衡型ラダーＳＡＷフィルタのフィルタ特性で、図１
の電極パターンを用い、圧電基板１に42゜Y-X LiTaO3、
直列腕ＳＡＷ共振子２ａ、３ａ、２ｂ、３ｂのＩＤＴ電
極対数を75対、交差幅を19.5λ（λはＳＡＷ共振子のＩ
ＤＴ電極周期）、反射器の片側本数105本、並列腕ＳＡ
Ｗ共振子４、６のＩＤＴ電極対数を100対、交差幅を17.
7λ、反射器の片側本数80本、並列腕ＳＡＷ共振子５の
ＩＤＴ電極対数を120対、交差幅を29.8λ、反射器の片
側本数60本、電極はアルミニウム合金を用い、電極膜厚
は9.4%λとした場合のフィルタ特性である。図２から明
らかなように図中Ｐで示す通過域の規格である25MHz(3d
B)、減衰域の規格30dB（869MHz〜894MHz）を満たしてい
る。図３は平衡型フィルタの平衡度の測定値であり、図
１０に示すように入力ＩＮ１、ＩＮ２に差動電圧を印加
したときに、出力ＯＵＴ１、ＯＵＴ２より得られる出力
特性の差、即ち振幅特定の差及び位相特性の差を表示し
たもので、実線は振幅特性の差α、破線は位相特性の差
βを表示している。この図から振幅特性差αは通過域内
の最大で0.457dB、位相特性差βは177.5度と、理想値で
ある０dB、180度に極めて近い数値となることが確認で
きた。
【００１１】次に、平衡度と電極パターンの対称性との
関係を調べるために、図４に示すように並列腕のＳＡＷ
共振子４の電極パターン位置をＳＡＷの伝搬方向に沿っ
てＩＤＴ電極の長さの半分だけ、図１のものより図中左
側へ移動した場合の平衡度を測定し、振幅特性差α（実
線）と位相特性差β（破線）を図示したものが図５であ
る。図５から明らかなように振幅特性差αは1.014ｄ
Ｂ、位相特性差βは174.9゜と図１の例と比べて劣化し
ていることが判明した。このように、ＳＡＷ共振子４の
電極パターンは図１の場合と同一であるが、図４におい
てはＳＡＷ共振子４の位置がずれたこと及び引き出され
るリード電極Ｌ１が図１に示したリード電極より短く、
逆にリード電極Ｌ２が長くなって点対称あるいは線対称
の関係が成立しなくなった結果、平衡度が劣化したもの
と考えられる。
関係を調べるために、図４に示すように並列腕のＳＡＷ
共振子４の電極パターン位置をＳＡＷの伝搬方向に沿っ
てＩＤＴ電極の長さの半分だけ、図１のものより図中左
側へ移動した場合の平衡度を測定し、振幅特性差α（実
線）と位相特性差β（破線）を図示したものが図５であ
る。図５から明らかなように振幅特性差αは1.014ｄ
Ｂ、位相特性差βは174.9゜と図１の例と比べて劣化し
ていることが判明した。このように、ＳＡＷ共振子４の
電極パターンは図１の場合と同一であるが、図４におい
てはＳＡＷ共振子４の位置がずれたこと及び引き出され
るリード電極Ｌ１が図１に示したリード電極より短く、
逆にリード電極Ｌ２が長くなって点対称あるいは線対称
の関係が成立しなくなった結果、平衡度が劣化したもの
と考えられる。
【００１２】図６は本発明に係る平衡型ラダーＳＡＷフ
ィルタの第２の実施例の構成を示す電極パターン図であ
って、平衡型ラダーＳＡＷフィルタは、第１の入出力端
子ＩＮ１、ＯＵＴ１との間に直列に接続されたＳＡＷ共
振子２ａ、３ａと、第２の入出力端子ＩＮ２、ＯＵＴ２
との間に直列に接続されたＳＡＷ共振子２ｂ、３ｂと、
入力ＩＮ１、ＩＮ２間に並列接続されたＳＡＷ共振子４
と、前記ＳＡＷ共振子２ａ、３ａ間と前記ＳＡＷ共振子
２ｂ、３ｂ間との間に並列接続されたＳＡＷ共振子５
と、出力ＯＵＴ１、ＯＵＴ２間に並列接続されたＳＡＷ
共振子６とから構成されている。
ィルタの第２の実施例の構成を示す電極パターン図であ
って、平衡型ラダーＳＡＷフィルタは、第１の入出力端
子ＩＮ１、ＯＵＴ１との間に直列に接続されたＳＡＷ共
振子２ａ、３ａと、第２の入出力端子ＩＮ２、ＯＵＴ２
との間に直列に接続されたＳＡＷ共振子２ｂ、３ｂと、
入力ＩＮ１、ＩＮ２間に並列接続されたＳＡＷ共振子４
と、前記ＳＡＷ共振子２ａ、３ａ間と前記ＳＡＷ共振子
２ｂ、３ｂ間との間に並列接続されたＳＡＷ共振子５
と、出力ＯＵＴ１、ＯＵＴ２間に並列接続されたＳＡＷ
共振子６とから構成されている。
【００１３】平衡型ラダーＳＡＷフィルタの平衡度を良
好に保ちつつ、形状をできるだけ小さくするために、Ｓ
ＡＷ共振子パターンとリード電極パターンとからなる電
極パターンは、ＳＡＷ共振子２ａ、５、３ｂの電極パタ
ーンの一部が他のＳＡＷ共振子２ｂ、３ａ、４、６のＳ
ＡＷの伝搬方向と直交する方向に交差した状態（入れ子
状態）に配置している。そのため電極パターンの中心
（図６の例ではＳＡＷ共振子５の中心）に対して点対称
にＳＡＷ共振子パターンとリード電極パターンとを配置
し、かつ入出力端子ＩＮ１、ＩＮ２、ＯＵＴ１、ＯＵＴ
２とボンディングワイヤで結ぶボンディング点Ｓ１、Ｓ
２、Ｓ３及びＳ４についても点対称に配置したものであ
る。このように線対称の要件は満足できないものの電極
パターンの中心に対して点対称に配置することにより、
平衡度は改善され、耐ノイズ性能が向上することが確認
された。
好に保ちつつ、形状をできるだけ小さくするために、Ｓ
ＡＷ共振子パターンとリード電極パターンとからなる電
極パターンは、ＳＡＷ共振子２ａ、５、３ｂの電極パタ
ーンの一部が他のＳＡＷ共振子２ｂ、３ａ、４、６のＳ
ＡＷの伝搬方向と直交する方向に交差した状態（入れ子
状態）に配置している。そのため電極パターンの中心
（図６の例ではＳＡＷ共振子５の中心）に対して点対称
にＳＡＷ共振子パターンとリード電極パターンとを配置
し、かつ入出力端子ＩＮ１、ＩＮ２、ＯＵＴ１、ＯＵＴ
２とボンディングワイヤで結ぶボンディング点Ｓ１、Ｓ
２、Ｓ３及びＳ４についても点対称に配置したものであ
る。このように線対称の要件は満足できないものの電極
パターンの中心に対して点対称に配置することにより、
平衡度は改善され、耐ノイズ性能が向上することが確認
された。
【００１４】以上の説明では圧電基板に42゜Y-X LiTaO3
を用いた例を示したが、他の切断角度にも適用できるこ
と、また他の圧電基板、例えばタンタル酸リチウム、四
硼酸リチウム、ランガサイト等に適用できることは説明
するまでもない。また、例示した平衡型ラダーＳＡＷフ
ィルタは並列腕が奇数のものであったが、並列腕が偶数
の場合は中央の２つの並列腕を構成するＳＡＷ共振子の
中心を結ぶ直線の中点を点対称の基準点とすればよい。
なお、パッケージの入出力端子と基板のパッド電極を接
続するボンディングワイヤの長さも第１の入出力間、第
２の入出力間で長さを等しくすることが平衡度を改善す
る上で望ましい構造と言えよう。
を用いた例を示したが、他の切断角度にも適用できるこ
と、また他の圧電基板、例えばタンタル酸リチウム、四
硼酸リチウム、ランガサイト等に適用できることは説明
するまでもない。また、例示した平衡型ラダーＳＡＷフ
ィルタは並列腕が奇数のものであったが、並列腕が偶数
の場合は中央の２つの並列腕を構成するＳＡＷ共振子の
中心を結ぶ直線の中点を点対称の基準点とすればよい。
なお、パッケージの入出力端子と基板のパッド電極を接
続するボンディングワイヤの長さも第１の入出力間、第
２の入出力間で長さを等しくすることが平衡度を改善す
る上で望ましい構造と言えよう。
【００１５】
【発明の効果】本発明は、以上説明したように構成した
ので、平衡型ラダーＳＡＷフィルタの平衡度を改善し、
耐ノイズ性を向上する上で極めて優れた効果を表す。
ので、平衡型ラダーＳＡＷフィルタの平衡度を改善し、
耐ノイズ性を向上する上で極めて優れた効果を表す。
【図１】（ａ）は本発明に係る平衡型ラダーＳＡＷフィ
ルタの構成を示す平面図、（ｂ）はその電気的等価回路
図である。
ルタの構成を示す平面図、（ｂ）はその電気的等価回路
図である。
【図２】本発明に係る平衡型ラダーＳＡＷフィルタのフ
ィルタ特性を示す図である。
ィルタ特性を示す図である。
【図３】平衡度を示す振幅特性の差と位相特性の差を示
す図である。
す図である。
【図４】平衡型ラダーＳＡＷフィルタの平衡度を比較す
るため、１個のＳＡＷ共振子の位置をＩＤＴ電極の半分
だけ移動させた平衡型ラダーＳＡＷフィルタの電極パタ
ーン図である。
るため、１個のＳＡＷ共振子の位置をＩＤＴ電極の半分
だけ移動させた平衡型ラダーＳＡＷフィルタの電極パタ
ーン図である。
【図５】図４の電極パターンを有する平衡型ラダーＳＡ
Ｗフィルタの平衡度を示す振幅特性の差と、位相特性の
差を示す図である。
Ｗフィルタの平衡度を示す振幅特性の差と、位相特性の
差を示す図である。
【図６】本発明の第２の実施例を示す平衡型ラダーＳＡ
Ｗフィルタの平面図である。
Ｗフィルタの平面図である。
【図７】（ａ）は従来の不平衡型ラダーＳＡＷフィルタ
の構成を示す電気的等価回路図、（ｂ）はＳＡＷ共振子
の構成を示す電極パターン図である。
の構成を示す電気的等価回路図、（ｂ）はＳＡＷ共振子
の構成を示す電極パターン図である。
【図８】従来の平衡型ラダーＳＡＷフィルタの構成を示
す図である。
す図である。
【図９】従来の平衡型ラダーＳＡＷフィルタの構成を示
す図である。
す図である。
【図１０】平衡度を測定するための測定回路である。
１・・圧電基板 ２ａ、２ｂ、３ａ、３ｂ、４、４、５、６、・・ＳＡＷ
共振子 Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４・・パッド電極 Ｃ１、Ｃ２・・電極パターンの中心線 Ｐ・・通過域 Ｑ・・減衰域 α・・２出力の振幅特性の差 β・・２出力の位相特性の差 Ｌ１、Ｌ２・・リード電極 Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４・・ボンディングスポット
共振子 Ｐ１、Ｐ２、Ｐ３、Ｐ４・・パッド電極 Ｃ１、Ｃ２・・電極パターンの中心線 Ｐ・・通過域 Ｑ・・減衰域 α・・２出力の振幅特性の差 β・・２出力の位相特性の差 Ｌ１、Ｌ２・・リード電極 Ｓ１、Ｓ２、Ｓ３、Ｓ４・・ボンディングスポット
Claims (3)
- 【請求項１】 圧電基板の主面上に複数の弾性表面波共
振子を梯子状に配置してなる平衡型平衡型弾性表面波フ
ィルタに於いて、 並列腕が奇数である場合は中央の並列腕を構成する弾性
表面波共振子の中心を基準点として、並列腕が偶数であ
る場合は中央の２つの並列腕を構成する弾性表面波共振
子の中心を結ぶ直線の中点を基準点として、その他の弾
性表面波共振子が点対称の位置に配置されていることを
特徴とする平衡型弾性表面波フィルタ。 - 【請求項２】 前記弾性表面波共振子間を接続するリー
ド電極及びパッド電極が、前記基準点に対して点対称の
位置に配置されていることを特徴とする請求項１に記載
の平衡型弾性表面波フィルタ。 - 【請求項３】 並列腕を構成するすべての弾性表面波共
波振子をそれぞれの中心が一本の直線上に位置するよう
に配置し、その他の弾性表面波共波振子とパッド電極が
前記直線に対して線対称の位置に配置されていることを
特徴とする請求項１又は２に記載の平衡型弾性表面波フ
ィルタ。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000264907A JP2002076839A (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | 平衡型弾性表面波フィルタ |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP2000264907A JP2002076839A (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | 平衡型弾性表面波フィルタ |
Publications (1)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2002076839A true JP2002076839A (ja) | 2002-03-15 |
Family
ID=18752250
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP2000264907A Pending JP2002076839A (ja) | 2000-09-01 | 2000-09-01 | 平衡型弾性表面波フィルタ |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP2002076839A (ja) |
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2019065861A1 (ja) * | 2017-09-29 | 2020-10-22 | 株式会社村田製作所 | マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路及び通信装置 |
-
2000
- 2000-09-01 JP JP2000264907A patent/JP2002076839A/ja active Pending
Cited By (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JPWO2019065861A1 (ja) * | 2017-09-29 | 2020-10-22 | 株式会社村田製作所 | マルチプレクサ、高周波フロントエンド回路及び通信装置 |
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