JP2002076833A - 弾性表面波装置 - Google Patents

弾性表面波装置

Info

Publication number
JP2002076833A
JP2002076833A JP2000264455A JP2000264455A JP2002076833A JP 2002076833 A JP2002076833 A JP 2002076833A JP 2000264455 A JP2000264455 A JP 2000264455A JP 2000264455 A JP2000264455 A JP 2000264455A JP 2002076833 A JP2002076833 A JP 2002076833A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
package
acoustic wave
surface acoustic
electrode
electrodes
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2000264455A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshifumi Yamagata
佳史 山形
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kyocera Corp
Original Assignee
Kyocera Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Kyocera Corp filed Critical Kyocera Corp
Priority to JP2000264455A priority Critical patent/JP2002076833A/ja
Publication of JP2002076833A publication Critical patent/JP2002076833A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Surface Acoustic Wave Elements And Circuit Networks Thereof (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 良好な減衰特性を有するフィルタを実現する
ことが可能な優れた弾性表面波装置提供すること。 【解決手段】 圧電基板上に複数のIDT電極を接続し
た梯子型回路を形成してなるフィルタ素子の複数個をパ
ッケージ内に収容するとともに、各フィルタ素子の接地
電極のそれぞれをパッケージの複数箇所に形成した接地
電極に接続した弾性表面波装置であって、パッケージの
複数箇所に形成した接地電極どうしをインダクタンス素
子を介して接続した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、携帯電話等の移動
体通信機器に用いられる弾性表面波フィルタ等の弾性表
面波装置に関し、特に、複数のフィルタ素子を1つのパ
ッケージ内に収容して成る弾性表面波装置に関する。
【0002】
【従来技術とその課題】電波を利用する電子機器のフィ
ルタ,遅延線,発振器等の電子部品として多くの弾性表
面波装置が用いられている。特に小型・軽量でかつフィ
ルタとしての急峻遮断性能が高い弾性表面波フィルタ
は、移動体通信分野において、携帯端末装置のRF段及
びIF段のフィルタとして多用されるようになって来て
おり、低損失でかつ通過帯域外の遮断特性が優れた、高
い減衰特性と広い帯域幅を有する弾性表面波フィルタが
要求されている。
【0003】今までに、弾性表面波フィルタとしては、
電極構成の観点から、梯子型,トランスバーサル型,縦
モード結合共振器型等種々のものが実用化されている
が、これらの中でも梯子型弾性表面波フィルタは、低損
失でかつ良好な通過帯域近傍の遮断特性を有し、高周波
化による電極微細化に伴う耐電力面での信頼性も高く、
非常に有望視されている。
【0004】また最近では、携帯電話のマルチメディア
化及びデュアルバンド化等の高機能化が著しいが、これ
らに伴う携帯電話の大型・重量化はできるだけ避けるの
が望ましいため、搭載される部品には小型・軽量化がま
すます要求されている。例えば、携帯電話の主要部品で
ある弾性表面波フィルタにおいては、弾性表面波フィル
タの重量に占める大部分がセラミックパッケージであ
る。このため、1つのパッケージに複数のフィルタを搭
載し、小型化と軽量化を実現しようとする取り組みが始
まっている。
【0005】ところで、各フィルタには入出力電極とグ
ランド電極(接地電極)があり、これら電極をパッケー
ジ内の端子に割当てる必要があるが、少なくとも入出力
電極の一方は共通化できないため、残るグランド端子を
共通化することで端子数の不足を補っている。
【0006】しかしながら、従来、グランド端子を共通
化しようとすると、フィルタの中心周波数より低周波側
の減衰量が劣化してしまうという問題があった。以下、
その問題について詳細に説明する。
【0007】図9に従来の弾性表面フィルタの構造を示
す。図9(a),(b),(c)はそれぞれ、その上視
図(平面図)、Z−Z’断面図、下視図(底面図)であ
る。パッケージ3内に、梯子型回路を形成した2つの弾
性表面波チップ2a,2bが、シリコーン樹脂もしくは
銀ペースト等の接着材30でパッケージ3の底面に固着
搭載され、弾性表面波チップの電極とパッケージの電極
とがボンディングワイヤ5で導通接続されている。実際
には、シールリング4の上に金属リッドを溶着して密閉
封止するが、便宜上、図9(a),(b)において金属
リッドを省略してある。
【0008】パッケージ3は3つのセラミックシート3
a,3b,3cから形成されており、3aは弾性表面波
チップを実装する層、3bはボンディングワイヤを接続
する電極を設けた層、そして3cはボンディングワイヤ
のループ高さに見合った空間を確保するための層であ
る。
【0009】図10にこれら層に形成された電極を示
す。図10(a)はセラミックシート3b上面の電極パ
ターンを、図10(b)はセラミックシート3a上面の
電極パターンを上からみた様子を示し、図10(c)は
セラミックシート3a下面の様子を示す底面図である。
【0010】弾性表面波チップ2aの入力端子を接続す
る電極6は、6b,6c,6dのシート上電極と、これ
らを相互に接続するキャスタレーション電極6a,6e
とからなる。キャスタレーション電極6aはセラミック
シート3bの側面に、キャスタレーション電極6eはセ
ラミックシート3aの側面に形成されている。弾性表面
波チップ2aの出力端子を接続する電極7は、同様に7
a〜7eからなる。弾性表面波チップ2bについても同
様に、入力端子を接続する電極8は8a〜8eからな
り、出力電極を接続する電極9は9a〜9eからなる。
【0011】また、弾性表面波チップ2a及び2bのグ
ランド電極はそれぞれ2つに分離されており、グランド
電極10及び11にボンディングワイヤで接続されてい
る。グランド電極10はシート上電極10b,10cと
キャスタレーション電極10a,10eからなる。グラ
ンド電極11についても同様に、11a,11b,11
c,11eで構成されている。(すなわち、シート上電
極11b,11cとキャスタレーション電極11a,1
1eからなる。)グランド電極10と11は両チップに
おいて共用化されており、電極数が不足するのを補って
いる。キャスタレーション電極10aはセラミックシー
ト3bの側面に、キャスタレーション電極10eはセラ
ミックシート3aの側面に形成されている。また、グラ
ンド電極10と11はセラミックシート3a上のベタ電
極31を介して接続されている。
【0012】この弾性表面波フィルタの等価回路は図1
3のようになる。図中15,16は弾性表面波チップ2
a,2bをそれぞれ表し、5個の共振子を梯子型に構成
したフィルタである。17a,17b,18a,18b
はボンディングワイヤ及び電極のインダクタンスを、1
9a,19b,20a,20bは弾性表面波チップの接
地端子からパッケージグランド電極までのボンディング
ワイヤのインダクタンス、21a,21b,22a,2
2bはパッケージ電極のインダクタンスを表している。
24a,24b,25a,25bはそれぞれ、図9のパ
ッケージ電極6,7,8,9に相当する端子を表してい
る。
【0013】弾性表面波チップ2a,2bのグランド電
極は2つに分割されており(図13に示したようにB,
B’点のことである)、BとB’点を接続することによ
り生じる減衰特性の劣化を防止している。これは、B及
びB’点はパッケージ電極のインダクタンス21a,2
1b及び22a,22bの存在により真のグランドとな
っていないため、24a−A−B−B’−A’−24b
という信号経路ができるためである。
【0014】しかしながら、この場合もB点−B’点間
の電気的分離は不充分であり、先に図10(b)におい
て示したように、セラミックシート3b上の電極31に
より接続されている。また、C点とC’点は真のグラン
ドではないため、新たにA−B−C−C’−B’−A’
という信号経路が存在している。
【0015】図12は、上記弾性表面波フィルタの伝送
特性を示しており、図12(a),(b)はそれぞれ、
弾性表面波チップ2a,2bの伝送特性を示す。ここ
で、通過帯域が26a,26b、減衰域が27a,27
bであり、両フィルタとも図中の減衰域27a,27b
の要求減衰量−35dB以上を得ることができていな
い。
【0016】逆に、この減衰特性を劣化させる信号経路
を発生させないようにした改善させた従来の弾性表面波
フィルタの構造図を図11に示す。この場合、ベタ電極
31は31aと31bの2つに分断されており、この等
価回路は図15のようになる。しかしながら、この場合
には弾性表面波フィルタ2aと2bが干渉し、図14に
示す伝送特性となり、やはり要求される減衰量が確保す
ることはできていない。すなわち、今度はA−B−D−
E−E’−D’−B’−A’という信号経路が新たに発
生する。これもパッケージ電極のインダクタンス21,
22が存在して、B及びB’点、D及びD’点が真のグ
ランドでないためである。
【0017】そこで本発明は、上記諸問題を解消するこ
とができ、良好な減衰特性を有するフィルタを実現する
ことが可能な優れた弾性表面波装置提供することを目的
とする。
【0018】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の弾性表面波装置は、圧電基板上に複数のI
DT電極を接続した梯子型回路を形成してなるフィルタ
素子の複数個をパッケージ内に収容するとともに、各フ
ィルタ素子の接地電極のそれぞれを前記パッケージの複
数箇所に形成した接地電極に接続した弾性表面波装置で
あって、前記パッケージの複数箇所に形成した接地電極
どうしをインダクタンス素子を介して接続したことを特
徴とする。
【0019】また、圧電基板上に複数のIDT電極を接
続した梯子型回路を複数領域に備えたフィルタ素子をパ
ッケージ内に収容するとともに、各梯子型回路の接地電
極のそれぞれを前記パッケージの複数箇所に形成した接
地電極に接続した弾性表面波装置であって、前記パッケ
ージの複数箇所に形成した接地電極どうしをインダクタ
ンス素子を介して接続したことを特徴とする。
【0020】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施形態を模式的
に図示した図面に基づいて詳細に説明する。
【0021】図1は本発明の弾性表面波フィルタ1の構
造を表す図である。図1(a),(b),(c)はそれ
ぞれ上視図(平面図)、H−H’断面図、下視図(底面
図)である。なお、既に説明した構成要素と同一構成要
素については、その一部について符号及び説明を省略す
る。
【0022】図1に示すように、本発明の従来と異なる
点は、接地電極であるグランド電極10と11の間にイ
ンダクタンス素子14を形成したことである。図2にそ
の電極構造を示す。図2(a),(b),(c)はそれ
ぞれ、セラミックシート3b上面の電極パターン、セラ
ミックシート3a上面の電極パターン、セラミックシー
ト3a下面の電極パターンである。
【0023】このように、インダクタンス素子14をグ
ランド電極10,11間に挿入することにより、複数の
フィルタ素子の減衰特性を図7(a),(b)のように
改善することが可能となった。これは、インダクタンス
素子を挿入することにより、グランド電極10,11を
開放と短絡の中間の状態にすることができるためであ
る。
【0024】すなわち、図3に示す概略等価回路図を用
いて説明すると、一方のフィルタ素子の2つの信号経路
A―B−C−C’−B’―A’とA−B−D−E―E’
―D’―B’―A’とを通る信号を、インダクタ素子2
3で調整することにより、減衰特性を良好なものにする
ことができる。このことは、他方のフィルタ素子につい
ても同様の信号経路であるので、電気特性を良好にでき
る。
【0025】また、圧電基板上にIDT電極の複数を直
列および並列に接続した複数の梯子型回路を構成してな
る弾性表面波チップ(フィルタ素子)を1つのパッケー
ジに搭載した弾性表面波フィルタにおいて、各梯子型回
路の少なくとも2つに分離して形成されたグランド電極
が、パッケージ内の少なくとも2つに分離して形成され
たグランド電極と接続手段を介して各々接続された場合
で、複数の梯子型回路で共有されたパッケージ内のグラ
ンド電極間にインダクタンス素子を形成しても良い。こ
れによれば、2以上のチップを載置したパッケージサイ
ズに比べ、チップ載置の精度マージンが小さくできるこ
とにより、パッケージサイズを小さくすることができ
る。
【0026】また、チップとパッケージの接続手段がボ
ンディングワイヤーであることにより、その長さを調整
することで電気特性を調整することが可能となり、良好
なフィルタ特性を提供することができる。
【0027】また、その接続手段がバンプであっても良
く、その場合、バンプの形成数により電気特性を調整す
ることが可能となり、良好なフィルタ特性を提供するこ
とができる。
【0028】また、前記インダクタンス素子は、一般的
なチップインダクダ等を用いても良いが、パッケージ内
の電極パターンであることにより、なおいっそうパッケ
ージサイズを小さくすることができ、かつ、良好なフィ
ルタ特性を提供することができる。
【0029】また、SAW装置用の圧電基板として、3
6°±3°YカットX伝搬タンタル酸リチウム単結晶、
42°±3°YカットX伝搬タンタル酸リチウム単結
晶、64°±3°YカットX伝搬ニオブ酸リチウム単結
晶、41°±3°YカットX伝搬リチウム単結晶、45
°±3°XカットZ伝搬四ホウ酸リチウム単結晶は電気
機械結合係数が大きく、かつ、周波数温度係数が小さい
ため圧電基板として好ましい。圧電基板の厚みは0.1
mm〜0.5mm程度がよく、0.1mm未満では圧電
基板がもろくなり、0.5mm超では材料コストと部品
寸法が大きくなり、使用できない。
【0030】また、IDT電極および反射器は、Alも
しくはAl合金(Al−Cu系、Al−Ti系)からな
り、蒸着法、スパッタ法、またはCVD法などの薄膜形
成法により形成する。電極厚みは0.1μm〜0.5μ
m程度とすることがSAW装置としての特性を得るうえ
で好適である。
【0031】さらに、本発明に係るSAW装置の電極お
よび圧電基板上のSAW伝搬部にSi、SiO2、Si
Nx、Al2O3を保護膜として形成して、導電性異物
による通電防止や耐電力向上を行ってもかまわない。
【0032】なお、本発明は上記の実施形態に限定され
るものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々
の変更は何ら差し支えない。
【0033】
【実施例】本発明に係る梯子型弾性表面波フィルタを具
体的に試作した実施例について説明する。まず、圧電基
板上に複数のIDT電極を接続した梯子型回路を形成し
てなるフィルタ素子の複数個をパッケージ内に収容し、
各フィルタ素子の接地電極をパッケージの複数箇所に形
成した接地電極に接続した弾性表面波装置において、パ
ッケージの複数箇所に形成した接地電極どうしをインダ
クタンス素子を介して接続した弾性表面波フィルタにつ
いて説明する。
【0034】42°YカットLiTaO3単結晶の圧電
基板上に、Al(98wt%)−Cu(2wt%)によ
る微細電極パターンを形成した。パターン作製には、縮
小投影露光機(ステッパー)、およびRIE(Reac
tive Ion Etching)装置によりフォト
リソグラフィを行なった。
【0035】基板材料をアセトン・IPA等によって超
音波洗浄し、有機成分を落とした。次に、クリーンオー
ブンによって充分に基板乾燥を行なった後、電極の成膜
を行なった。電極成膜には、スパッタリング装置を使用
し、Al−Cuの材料を成膜した。電極膜厚は約0.2
μmとした。
【0036】次に、レジストを約0.5μm厚みにスピ
ンコートし、縮小投影露光装置(ステッパー)により、
所望のパターニングを行なった。ステッパーにはパター
ニングの原版となるレチクルが必要であるが、これは、
ステッパー自身の光学系にて像を1/5に縮小投影する
ため、実際のパターンの5倍サイズでかまわない。この
ため、逆に従来のコンタクトアライナーに比べると、5
倍の解像度が得られる。
【0037】次に、現像装置にて不要部分のレジストを
アルカリ現像液で溶解させ、所望パターンを表出した
後、RIE装置により、Al−Cu電極のエッチングを
行ない、パターンニングを終了した。
【0038】この後、上記電極の所定領域上に保護膜を
作製した。すなわち、SiO2をスパッタリング装置に
て成膜し、その後、フォトリソグラフィによってレジス
トのパターニングを行ない、RIE装置等でワイヤボン
ディング用窓開け部のエッチングを行ない、保護膜パタ
ーンを完成した。
【0039】次に、基板をダイシング線に沿ってダイシ
ング加工を施し、チップごとに分割した。そして、各チ
ップをダイボンド装置にてピックアップし、シリコーン
樹脂を主成分とする樹脂を用いパッケージ内に接着し
た。この後、約160℃の温度において乾燥・硬化させ
た。パッケージは3mm角の積層構造のものを用いた。
【0040】次に、30μmφAuワイヤをパッケージ
の電極部とチップ上のAl電極パッド上にボールボンデ
ィングした後、リッドをパッケージにかぶせ、封止機に
て溶接封止して完成した。なお、チップ上のグランド電
極は各々分離して配線し、Auボールボンディングにて
パッケージ上のグランド電極にボンディングした。
【0041】梯子型弾性表面波チップを構成する弾性表
面波共振子は、くし状電極の対数(本数の1/2)が4
0〜120対、交差幅が10〜30λ(λは弾性表面波
の波長)で、弾性表面波の波長λは直列と並列で違えて
あるが概略2μmとした。ここで、反射電極本数は直列
共振子、並列共振子とも20本である。構成の概要は図
1〜3に示す通りであり、図3に示すように、両弾性表
面波チップは直列共振子が3個、並列共振子が2個で構
成される2.5段T型とした。
【0042】また、図2に示すパッケージ電極とした。
ここで、インダクタンス素子14をグランド電極10,
11間に形成した。このインダクタンス素子はパッケー
ジ電極と同じタングステン電極で形成しており、電極幅
は0.03mm、厚み13μm、長さ2.5mmで、イ
ンダクタンス値は2.8nHであった。このインダクタ
ンス素子の電極幅を1.24mmとした場合は、インダ
クタンス値は0.5nHであった。
【0043】図7,8は、本発明を用いて弾性表面波フ
ィルタを作製した場合の特性図であって、それぞれ図
(a)はフィルタ1、図(b)はフィルタ2の特性を示
している。図7はインダクタンス値0.5nHの場合の
伝送特性例であり、図8はインダクタンス値2.8nH
の場合の伝送特性例である。この場合の測定器にはネッ
トワークアナライザ(アジレントテクノロジー社製 8
753D)を用いS21の測定をした。フィルタ特性測
定には専用のテストフィクスチャを用いた。
【0044】かくして、本発明の弾性表面波フィルタで
は、グランド電極間にインダクタンス素子を挿入したの
で、良好な減衰特性を実現することができた。
【0045】図4に本発明に係る弾性表面波フィルタの
他の実施例を示す。すなわち、圧電基板上に複数のID
T電極を接続した梯子型回路を複数領域に備えたフィル
タ素子をパッケージ内に収容し、各梯子型回路の接地電
極を前記パッケージの複数箇所に形成した接地電極に接
続し、パッケージの複数箇所に形成した接地電極どうし
をインダクタンス素子を介して接続した。
【0046】この例では2つの弾性表面波チップを1つ
のチップで構成したものである。この場合の電極幅は
0.03mm、厚み15μm、長さは1.8mmで作製
した。さらに、図5に示すように、パッケージのグラン
ド電極12,13を追加し、合計4つのグランド電極と
した。インダクタンス素子は14a〜dの4つの部分に
分かれており、図6に示す等価回路の23a〜dのイン
ダクタンスに相当する。
【0047】図6(a)に示す等価回路は図3の実施例
と異なるが、図6(b)に抜き出したインダクタンスの
部分に△−Y変換すれば、図6(d)のようになり、素
子値は異なるものの同じ回路で表すことができる。すな
わち、グランド電極10,11間にインダクタンス素子
を挿入した形になる。
【0048】かくして、この実施例においても上記実施
例と同様な作用効果を奏することができた。
【0049】なお、本実施形態では、チップとパッケー
ジの接続手段がボンディングワイヤーとし、その長さを
調整することで電気特性を調整可能とした例を示した
が、その接続手段はバンプでも良く、その場合、バンプ
の形成数により電気特性を調整可能となり、良好なフィ
ルタ特性を提供することができる。
【0050】また、インダクタンス素子は、一般的なチ
ップインダクタ等を用いても良いが、パッケージ内の電
極パターンであることにより、なおいっそうパッケージ
サイズを小さくすることができ、かつ、良好なフィルタ
特性を提供することができる。
【0051】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
複数の梯子型回路で共有されたパッケージ内のグランド
電極間にインダクタンス素子を形成したので、中心周波
数より低周波側の減衰特性が劣化することなく、複数の
フィルタを1つのパッケージに搭載した弾性表面波フィ
ルタを実現した。
【0052】また、複数の梯子型回路で共有されたパッ
ケージ内のグランド電極間にインダクタンス素子を形成
したので、2以上のチップ(フィルタ素子)を載置した
パッケージサイズに比べ、チップ載置の精度マージンが
小さくできることにより、パッケージサイズを小さく
し、例えば携帯電話等の機器のサイズ縮小に大いに貢献
できる。
【0053】また、チップとパッケージの接続手段がボ
ンディングワイヤーであることにより、その長さを調整
することで電気特性を調整可能となり、良好なフィルタ
特性を提供することができる。
【0054】また、その接続手段がバンプとしても良
く、その場合、バンプの形成数により電気特性を調整可
能となり、良好なフィルタ特性を提供することができ
る。
【0055】また、インダクタンス素子は、一般的なチ
ップインダクタ等を用いても良いが、パッケージ内の電
極パターンであることにより、なおいっそうパッケージ
サイズを小さくすることができ、かつ、良好なフィルタ
特性を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る弾性表面波フィルタを説明する図
であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は
(a)のH−H’線断面図である。
【図2】本発明に係る弾性表面波フィルタのパッケージ
側電極の構造を説明する図であり、(a),(b)はそ
れぞれ平面透視図、(c)は底面図である。
【図3】本発明に係る弾性表面波フィルタの等価回路を
示す回路図である。
【図4】本発明に係る他の弾性表面波フィルタを説明す
る図であり、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)
は(a)のI−I’線断面図である。
【図5】本発明に係る他の弾性表面波フィルタのパッケ
ージ側電極の構造を説明する図であり、(a),(b)
はそれぞれ平面透視図、(c)は底面図である。
【図6】(a)は本発明に係る他の弾性表面波フィルタ
の等価回路を示す図であり、(b)〜(d)は、インダ
クタンス素子を付加した部分の等価回路図である。
【図7】(a),(b)はそれぞれ本発明に係る弾性表
面波フィルタの伝送特性を示す図である。
【図8】(a),(b)はそれぞれ本発明に係る他の弾
性表面波フィルタの伝送特性を示す図である。
【図9】従来の弾性表面波フィルタを説明する図であ
り、(a)は平面図、(b)は底面図、(c)は(a)
のZ−Z’線断面図である。
【図10】従来の弾性表面波フィルタのパッケージ側電
極構造を示す図であり、(a),(b)はそれぞれ平面
透視図、(c)は底面図である。
【図11】従来の弾性表面波フィルタのパッケージ側電
極構造を示す図であり、(a),(b)はそれぞれ平面
透視図、(c)は底面図である。
【図12】(a),(b)はそれぞれ従来の弾性表面波
フィルタの伝送特性を示す図である。
【図13】従来の弾性表面波フィルタの等価回路を示す
図である。
【図14】(a),(b)はそれぞれ従来の弾性表面波
フィルタの伝送特性を示す図である。
【図15】従来の弾性表面波フィルタの等価回路を示す
図である。
【符号の説明】
1:弾性表面波フィルタ 2:弾性表面波チップ 3:パッケージ 4:シールリング 5:ボンディングワイヤ 6,24a:フィルタ1入力電極 7,24b:フィルタ1出力電極 8,25a:フィルタ2入力電極 9,25b:フィルタ2出力電極 10〜13:グランド電極 14:インダクタンス素子 15:フィルタ1 16:フィルタ2 17,18:ボンディングワイヤ及び電極のインダクタ
ンス 19,20:ボンディングワイヤのインダクタンス 21,22,23:電極のインダクタンス 26a,26b:通過帯域 27a,27b:減衰域

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 圧電基板上に複数のIDT電極を接続し
    た梯子型回路を形成してなるフィルタ素子の複数個をパ
    ッケージ内に収容するとともに、各フィルタ素子の接地
    電極を前記パッケージの複数箇所に形成した接地電極に
    接続した弾性表面波装置であって、前記パッケージの複
    数箇所に形成した接地電極どうしをインダクタンス素子
    を介して接続したことを特徴とする弾性表面波装置。
  2. 【請求項2】 圧電基板上に複数のIDT電極を接続し
    た梯子型回路を複数領域に備えたフィルタ素子をパッケ
    ージ内に収容するとともに、各梯子型回路の接地電極を
    前記パッケージの複数箇所に形成した接地電極に接続し
    た弾性表面波装置であって、前記パッケージの複数箇所
    に形成した接地電極どうしをインダクタンス素子を介し
    て接続したことを特徴とする弾性表面波装置。
JP2000264455A 2000-08-31 2000-08-31 弾性表面波装置 Pending JP2002076833A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000264455A JP2002076833A (ja) 2000-08-31 2000-08-31 弾性表面波装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2000264455A JP2002076833A (ja) 2000-08-31 2000-08-31 弾性表面波装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2002076833A true JP2002076833A (ja) 2002-03-15

Family

ID=18751871

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2000264455A Pending JP2002076833A (ja) 2000-08-31 2000-08-31 弾性表面波装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2002076833A (ja)

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7733197B2 (en) Duplexer and communications equipment
US7453333B2 (en) Surface acoustic wave apparatus and communications equipment
JP5079813B2 (ja) 電子部品
US7518470B2 (en) Surface acoustic wave element, surface acoustic wave device and communication device including the same
JP5110611B2 (ja) 弾性表面波装置及び通信装置
JP5010256B2 (ja) 弾性表面波装置及びこれを備えた通信装置
JP2000196400A (ja) 弾性表面波装置の実装構造
JP5038452B2 (ja) 弾性表面波装置および通信装置
JP2004153580A (ja) 弾性表面波装置
JP3792409B2 (ja) 弾性表面波フィルタ
JP4377525B2 (ja) 弾性表面波フィルタ
JP4841311B2 (ja) 基板実装型弾性表面波装置及びその製造方法並びに通信装置
JP4601415B2 (ja) 弾性表面波装置および通信装置
JP2000223989A (ja) 弾性表面波装置
JP3814438B2 (ja) 弾性表面波装置
JP2002076833A (ja) 弾性表面波装置
JP2000312126A (ja) 弾性表面波装置
JP2005079694A (ja) 分波器
JP4502779B2 (ja) 弾性表面波素子および通信装置
JP2002176335A (ja) 弾性表面波装置
JP4601411B2 (ja) 弾性表面波装置および通信装置
JP3683737B2 (ja) 弾性表面波装置
JP5144396B2 (ja) 弾性表面波装置及び通信装置
JP2007110542A (ja) 弾性表面波フィルタおよびそれを備えた通信装置
JP2001345666A (ja) 弾性表面波装置