JP2002075744A - 薄形モールドトランスおよびその製造方法 - Google Patents

薄形モールドトランスおよびその製造方法

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浩二 中嶋
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勝規 大村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種電子機器に使用されるスイッチング電源
用の薄形トランスに関するものであり、生産性の良い、
高品質のコイル多積層タイプの薄形モールドトランスお
よびその製造方法を提供することを目的とする。 【解決手段】 1次、2次巻線を絶縁物13を介し複数
個積層して多積層コイルを形成し、この多積層コイルを
絶縁樹脂15でモールドしたモールドコイル16におい
て、端子台部16aと中筒部16bとを連結部16cで
つなぎ、モールドコイル16の上下から、磁心17を組
み込んだ構成としたので中筒部16bへの樹脂の流動路
が形成されることとなり、中筒部16bへ樹脂が流れ易
くなり、成型性が向上した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子機器、主とし
て通信装置などに使用される薄形電源に搭載されるスイ
ッチング電源用の薄形モールドトランスおよびその製造
方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、情報通信インフラ網が大きく、進
展する中で消費電力の増大が社会的問題となってきてい
る。特に通信装置は小形化と消費電力の低減要請とに応
えるため、給電方式は集中給電から分散給電へと推移し
ており、現在ではこれらの電源部には小形・薄形のオン
ボード電源が多く使用されている。一方、LSIの高速
化に伴う大電流化と消費電力削減のための低電圧化が急
速に進展しており、これらLSIを駆動するオンボード
電源も低電圧化/大電流化対応が求められている。これ
らの市場ニーズに対応するために薄形オンボード電源は
スイッチング周波数をより高い周波数で駆動することを
基軸に開発が進められている。また、さらなる小形化手
段として電源部全体或いはトランス、チョークコイルな
どの発熱部品を樹脂で封止して放熱性向上による小形化
の研究も進められている。こうした中で特に電源部の主
要構成部品であるトランスにおいては高周波駆動に適し
た低損失、低ノイズでかつ小形で安価な面実装タイプの
薄形トランスとして巻線を利用した積層タイプのコイル
を使用した薄形モールドトランスが提案されている。
【0003】巻線を使用した従来の薄形モールドトラン
スとしては実開平4−105523号公報に示すような
コイルベースにスパイラルコイルを積層してモールドし
た構成のもの、最近では特開平11−307356号公
報に示すようなフープ端子上でスパイラルコイルと銅箔
を積層接続してモールドする構成としたものなどがあ
る。
【0004】これら、従来技術を参考にして1次、2次
巻線を複数個以上に分割して多積層とした場合に考えら
れる従来例を図8〜図10に示す。
【0005】以下、従来例として図8〜図10を用いて
説明する。
【0006】図8は従来の薄形モールドトランスの分解
斜視図、図9は従来の薄形モールドトランスの完成斜視
図、図10は従来の薄形モールドトランスのコイル積層
断面図である。図8〜図10において1は1次主巻線、
1aは1次補助巻線、2は2次主巻線、2aは2次補助
巻線、3は絶縁紙、4は端子、4aは接続部、5は絶縁
樹脂、6はモールドコイル、6aは端子台部、6bは中
筒部、7は磁心を示している。
【0007】図10において巻線をスパイラル状に巻回
したコイルを1次主巻線1として2個、1次補助巻線1
aとして1個、2次補助巻線2aとして1個、合計4個
の巻線コイルを予め準備しておく。さらに薄板状の導体
を打抜き、或いはエッチングなどにより、製作した非巻
線タイプのコイルを2次主巻線2として3個準備してお
く。次に積層治具などを利用してこれらの事前に準備し
た1次、2次合わせて7個の巻線を各々の巻線間に絶縁
紙3を挿入しながら、2次主巻線2、1次主巻線1、2
次主巻線2、1次主巻線1、2次主巻線2、2次補助巻
線2a、1次補助巻線1aの順で積層する。その後、積
層治具に位置合わせをしてセットした端子4に各々の巻
線の引出し線を配線し、半田付け、溶接などの方法によ
り、接続部4aの部分で接続して積層コイルを完成させ
る。こうして完成した積層コイルの接続部4aを覆うよ
うに絶縁樹脂5で封止してモールドコイル6を完成させ
る。次に図8に示すようにモールドコイル6の上下か
ら、磁心7を組み込み、図9に示すように薄形モールド
トランスとして完成させる。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、従来例
を示す図8〜図10の構成においてモールドコイル6は
端子4の接続部4aを覆う部分、つまり端子台部6aの
部分のみ絶縁樹脂5の肉厚を厚く設定しており、他の部
分は磁心7と組み合せるため、極力薄く設定している。
【0009】このことにより、モールドコイルの中筒部
6bの部分への絶縁樹脂5の流れる路がなくなる。つま
り、中筒部6bへの流動性が悪いので熱可塑性樹脂を使
用した成型サイクルの短い射出成型(インジェクション
モールド)など、生産性の良い工法では成型不良が発生
する。したがってこの従来例を示す図8〜図10の構成
で生産する場合、絶縁樹脂5としてはエポキシ樹脂など
流動性の良い材料に限定され、さらに工法としても成型
サイクルの長いトランスファーモールド、注型などの工
法に限定され、量産を考慮した場合、生産性が悪いとい
う大きな課題を有するものであった。
【0010】また、端子台部6aの部分しか樹脂厚みを
確保していないのでモールドコイル6自体の強度が弱
い。このため、取扱いによってはモールドコイル表面の
クラックが発生し、品質面でも大きな課題を有している
ものであった。
【0011】本発明は、上記課題を解決し、生産性の良
い、高品質のコイル多積層タイプの薄形モールドトラン
スおよびその製造方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に本発明は1次、2次巻線を絶縁物を介して複数個積層
して形成した多積層コイル全体を絶縁樹脂でモールドし
たモールドコイルにおいて、このモールドコイルの上下
から、磁心を組み込み、モールドコイル両側の端子台部
と中筒部をつなぐ連結部を設けたことを特徴としたもの
である。
【0013】また、1次、2次巻線を絶縁物を介して複
数個積層して多積層コイルを形成する第1の工程とこの
多積層コイル全体を熱可塑性の絶縁樹脂で射出成型して
なる第2の工程とモールドコイルの上下から、磁心を組
み込む第3の工程を有する製造方法としたものである。
【0014】上記構成によって中筒部への樹脂の流動路
が形成されることとなり、中筒部へ樹脂が流れ易くなる
ため、成型性が向上する。したがって熱可塑性樹脂を使
用した成型サイクルの短い射出成型(インジェクション
モールド)など、生産性の良い工法を採用できることと
なる。また、この流動路が形成されることによって樹脂
の肉厚も確保できた部分が中筒部まで増えることとな
り、モールドコイルの強度もアップする。
【0015】さらに製造方法としても射出成型としたの
で成型時間が短縮でき、生産性が向上する。また、積層
コイルの外形形状が安定するため、後工程での磁心の組
み込みも容易となる。
【0016】この結果、生産性の良い、高品質のコイル
多積層タイプの薄形モールドトランスおよびその製造方
法を提供することが可能となるのである。
【0017】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の発明は
1次、2次巻線を絶縁物を介して複数個積層して形成し
た多積層コイル全体を絶縁樹脂でモールドしたモールド
コイルにおいて、このモールドコイルの上下から、磁心
を組み込み、モールドコイル両側の端子台部と中筒部を
つなぐ連結部を設けたことを特徴としたものであり、中
筒部への樹脂の流動路が形成され、中筒部へ樹脂が流れ
易くなるため、成型性が向上する。したがって熱可塑性
樹脂を使用した成型サイクルの短い射出成型(インジェ
クションモールド)など、生産性の良い工法を採用でき
ることとなる。また、この流動路が形成されることによ
って樹脂の肉厚も確保できた部分が中筒部まで増えるこ
ととなり、モールドコイルの強度もアップする。
【0018】本発明の請求項2に記載の発明は請求項1
の構成に加えてモールドコイル連結部以外のコイル上下
面の樹脂肉厚を薄肉化するとともにこの連結部に対応し
た磁心の背面部に切欠け部を設けたものであり、連結部
を避けて磁心と組み合せることができるので薄形化が可
能となる。
【0019】本発明の請求項3に記載の発明は請求項2
の構成に加えて多積層コイルの最上層、最下層の少なく
ともどちらか一方のコイルに高耐熱性の絶縁フィルムを
挿入したものであり、フィルムの部分はモールドコイル
の薄肉部分がさらに極薄にできるため、超薄形のトラン
スが実現できる。
【0020】本発明の請求項4に記載の発明は請求項3
の構成に加えてモールド絶縁樹脂となじみ性のよいフィ
ルムとしたものであり、モールド樹脂とフィルムの界面
の剥離がなくなるので界面の絶縁性能が安定する。
【0021】本発明の請求項5に記載の発明は請求項2
の構成に加えて多積層コイルの最上層、最下層の少なく
ともどちらか一方のコイルに絶縁樹脂コーティングを形
成したものであり、絶縁フィルムなど、特別な別材料を
使用しないでモールドコイルの薄肉部分の絶縁が確保で
きることとなり、部品点数が削減できる。
【0022】本発明の請求項6に記載の発明は請求項1
〜5のいずれか一つに記載の構成に加えて連結部に第1
のコイル押え凹部を設けたものであり、モールド成型
時、積層コイルの上下をこの凹部で押さえることができ
るので成型時の絶縁樹脂の射出圧力で積層コイルが動く
こともなくなり、コイルの積層厚みも安定するため、性
能面のばらつきが非常に少なくなる。
【0023】本発明の請求項7に記載の発明は請求項1
〜6のいずれか一つに記載の構成に加えてモールドコイ
ル連結部以外のコイル上下面の樹脂肉厚を薄肉化した部
分に第2のコイル押え凹部を設けたものであり、連結部
以外でも積層コイルの上下面の押え部を確保しながら、
樹脂の流動路を確保できるため、成型性はさらに向上す
ることとなり、成型不良などが激減できるものであり、
生産性向上に対して多大な効果が生まれるものである。
【0024】本発明の請求項8に記載の発明は請求項1
〜7のいずれか一つに記載の構成に加えて熱可塑性の絶
縁樹脂材料でモールドしたものであり、樹脂の再生利用
ができるため、材料費が低減できる。
【0025】本発明の請求項9に記載の発明は請求項1
〜8のいずれか一つに記載の構成に加えて熱可塑性の絶
縁樹脂材料を芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶ポリ
マーとしてやれば、高耐熱性の樹脂であるため、面実装
リフロー対応が可能となる。
【0026】本発明の請求項10に記載の発明は1次、
2次巻線を絶縁物を介して複数個積層して多積層コイル
を形成する第1の工程とこの多積層コイル全体を熱可塑
性の絶縁樹脂で射出成型してなる第2の工程とモールド
コイルの上下から、磁心を組み込む第3の工程を有する
製造方法としたものであり、射出成型としたので成型時
間が短縮でき、生産性が向上する。また、積層コイルの
外形形状が安定するため、後工程での磁心の組み込みも
容易となる。
【0027】本発明の請求項11に記載の発明は請求項
10の構成に加えて多積層コイルを形成する第1の工程
において最上層、最下層の少なくともどちらか一方のコ
イルに絶縁フィルムを貼り付ける工程を設けた製造方法
としたものであり、簡単な治具を利用して薄膜絶縁が施
せるため、設備費などが節減でき、小ロットの工程編成
が容易となる。
【0028】本発明の請求項12に記載の発明は請求項
10の構成に加えて多積層コイルを形成する第1の工程
において最上層、最下層の少なくともどちらか一方のコ
イルに絶縁コーティングを形成する工程を設けた製造方
法としたものであり、コイル面に絶縁コートするため、
絶縁フィルムを貼り付ける方法に比べて貼付け位置ずれ
による絶縁不良などの心配がなくなる。設備化に向いた
薄膜絶縁手段として大ロットの工程編成が容易となる。
【0029】以下、本発明の実施の形態について図面を
用いて具体的に説明する。
【0030】(実施の形態1)本発明の第1の実施の形
態について図1〜図3を用いて説明する。
【0031】図1は、本発明の第1の実施の形態を示す
薄形モールドトランスのコイル積層断面図、図2は本発
明の第1の実施の形態を示す薄形モールドトランスの分
解斜視図、図3は本発明の第1の実施の形態を示す薄形
モールドトランスの完成斜視図である。図1〜図3にお
いて11は1次主巻線、11aは1次補助巻線、12は
2次主巻線、12aは2次補助巻線、13は絶縁紙、1
4は端子、14aは接続部、15は絶縁樹脂、16はモ
ールドコイル、16aは端子台部、16bは中筒部、1
6cは連結部、17は磁心、17aは磁心背面部、17
bは磁心背面切欠け部を示している。
【0032】図1において基本的な構成は従来例を示す
図10と同じであり、従来例と大きく異なる点はモール
ドコイル16の両側の端子台部16aと中筒部16bを
つなぐ連結部16cを設けた点であるが、以下、図1〜
図3を利用して順次説明する。
【0033】図1において巻線をスパイラル状に巻回し
たコイルを1次主巻線11として2個、1次補助巻線1
1aとして1個、2次補助巻線12aとして1個、合計
4個の巻線コイルを予め準備しておく。さらに薄板状の
導体を打抜き、或いはエッチングなどにより、製作した
非巻線タイプのコイルを2次主巻線12として3個準備
しておく。次に積層治具などを利用してこれらの事前に
準備した1次、2次合わせて7個の巻線を各々の巻線間
に絶縁紙13を挿入しながら、2次主巻線12、1次主
巻線11、2次主巻線12、1次主巻線11、2次主巻
線12、2次補助巻線12a、1次補助巻線11aの順
で積層する。その後、積層治具に位置合わせをしてセッ
トした端子14に各々の巻線の引出し線を配線し、半田
付け、溶接などの方法により、接続部14aの部分で接
続して積層コイルを完成させる。こうして完成した積層
コイルの接続部14aを覆うように絶縁樹脂15で封止
してモールドコイル16を完成させる。この時、モール
ドコイル16の外観形状としては端子台部16aと中筒
部16bを連結部16cでつなぐように工夫して絶縁樹
脂15の流動路を形成している。次に図2に示すように
モールドコイル16の上下から、磁心17を組み込み、
図3に示すように薄形モールドトランスとして完成させ
る。この際、モールドコイル16の上下面は図2に示す
ように連結部16c以外は絶縁樹脂15の肉厚は薄くす
るとともに磁心17の背面部17aには切欠け部17b
を設けている。
【0034】以上、本発明の実施の形態1を示す図1〜
図3の構成によれば、1次、2次巻線を絶縁物を介して
複数個積層して形成した多積層コイル全体を絶縁樹脂1
5でモールドしたモールドコイル16においてこのモー
ルドコイル両側の端子台部16aと中筒部16bをつな
ぐ連結部16cを設けたので中筒部16bへの絶縁樹脂
15の流動路が形成され、中筒部16bへ樹脂が流れ易
くなり、成型性が向上する。したがって熱可塑性樹脂を
使用した成型サイクルの短い射出成型(インジェクショ
ンモールド)など、生産性の良い工法を採用できること
となる。また、この流動路が形成されることによって絶
縁樹脂15の肉厚も確保できた部分が中筒部16bまで
増えることとなり、モールドコイル16全体の強度もア
ップする。
【0035】また、モールドコイル連結部16c以外の
コイル上下面の絶縁樹脂15の肉厚を薄肉化するととも
にこの連結部16cに対応した磁心17の背面部17a
に切欠け部17bを設けたので連結部16cを避けて磁
心17と組み合せることができるので薄形化が可能とな
る。
【0036】また、本発明の実施の形態1を示す図1に
おいて絶縁紙13を各巻線間に挿入しているが、この多
積層コイルの最上層、最下層に挿入する絶縁紙13を高
耐熱性の絶縁フィルムとしてやることによってモールド
コイル16上下の薄肉部分は絶縁フィルム13がむき出
しになっても絶縁が確保できることとなり、モールドコ
イル16の薄肉部分がさらに極薄にできるため、超薄形
のトランスが実現できることとなる。なお、絶縁フィル
ム13は多積層コイルの少なくともどちらか一方に挿入
してやってもその効果が得られることはいうまでもな
い。
【0037】さらにこの絶縁フィルム13を絶縁樹脂1
5となじみ性のよいフィルムとしてやれば、絶縁樹脂1
5とフィルムの界面の剥離がなくなるので界面の絶縁性
能が安定する。
【0038】また、多積層コイルの最上層、最下層の少
なくともどちらか一方のコイルに絶縁樹脂でコーティン
グを形成してやることによって絶縁フィルム13など、
特別な別材料を使用しないでモールドコイル16の薄肉
部分の絶縁が確保できることとなり、部品点数が削減で
きる。
【0039】これら本発明の実施の形態1を示す図1〜
図3の製造方法として1次、2次巻線を絶縁物を介して
複数個積層して多積層コイルを形成する第1の工程とこ
の多積層コイル全体を熱可塑性の絶縁樹脂15で射出成
型してなる第2の工程とモールドコイル16の上下か
ら、磁心17を組み込む第3の工程を有する製造方法と
したものであるが、第2の工程においては射出成型とし
たので成型時間が短縮でき、生産性が向上する。また、
積層コイルの外形形状が安定するため、第3の工程、つ
まり、後工程での磁心17の組み込みも容易となる。
【0040】また、多積層コイルを形成する第1の工程
において最上層、最下層の少なくともどちらか一方のコ
イルに絶縁フィルムを貼り付ける工程を設けた製造方法
としてやることによって簡単な治具を利用して薄膜絶縁
が施せるため、設備費などが節減でき、小ロットの工程
編成が容易となる。
【0041】さらに多積層コイルを形成する第1の工程
において最上層、最下層の少なくともどちらか一方のコ
イルに絶縁コーティングを形成する工程を設けた製造方
法としてやれば、コイル面に絶縁コートするため、絶縁
フィルム13を貼り付ける方法に比べて貼付け位置ずれ
による絶縁不良などの心配がなくなる。設備化に向いた
薄膜絶縁手段として大ロットの工程編成が容易となる。
【0042】(実施の形態2)次に本発明の第2の実施
の形態について図4、図5を用いて説明する。図4は、
本発明の第2の実施の形態を示す薄形モールドトランス
のコイル積層断面図、図5は本発明の第2の実施の形態
を示すモールドコイルの外観斜視図である。図4、図5
において16dは第1のコイル押え凹部を示している。
【0043】基本的な構成は本発明の第1の実施の形態
を示す図1〜図3と同一である。大きく異なる点はモー
ルドコイル16の連結部16cにコイル押え用の凹部1
6dを設けた点であり、モールド成型時、積層コイルの
上下をこの凹部16dで押さえることができるので成型
時の絶縁樹脂15の射出圧力で積層コイルが動くことも
なくなり、コイルの積層厚みも安定するため、性能面の
ばらつきが非常に少なくなる。
【0044】(実施の形態3)次に本発明の第3の実施
の形態について図6、図7を用いて説明する。図6は本
発明の第3の実施の形態を示す薄形モールドトランスの
コイル積層断面図、図7は本発明の第3の実施の形態を
示すモールドコイルの外観斜視図である。図6、図7に
おいて16eは第2のコイル押え凹部を示している。
【0045】基本的な構成は本発明の第2の実施の形態
を示す図4、図5と同一である。大きく異なる点はモー
ルドコイル連結部16c以外のコイル上下面の樹脂肉厚
を薄肉化した部分に第2のコイル押え凹部16eを設け
た点であり、連結部16c以外でも積層コイルの上下面
の押え部を確保しながら、絶縁樹脂15の流動路を確保
できるため、成型性はさらに向上することとなり、成型
不良などが激減できるものであり、生産性向上に対して
多大な効果が生まれるものである。
【0046】また、絶縁樹脂15として熱可塑性の絶縁
樹脂材料でモールドしているが、熱可塑性の樹脂は再生
利用ができるため、材料費が低減できる。
【0047】さらに熱可塑性の絶縁樹脂材料として液晶
ポリマー(LCP:芳香族ポリエステル樹脂)としてや
れば、高耐熱性の樹脂であるため、面実装リフロー対応
が可能となる。
【0048】なお、これら、樹脂材料の選定に関して生
まれる効果は本発明の実施の形態を示す図1〜図7の全
てに共通であることはいうまでもない。
【0049】
【発明の効果】以上のように本発明によれば、中筒部へ
の絶縁樹脂の流動路が形成され、中筒部へ樹脂が流れ易
くなり、成型性が向上する。したがって熱可塑性樹脂を
使用した成型サイクルの短い射出成型(インジェクショ
ンモールド)など、生産性の良い工法を採用できること
となる。また、この流動路が形成されることによって絶
縁樹脂の肉厚も確保できた部分が中筒部まで増えること
となり、モールドコイル全体の強度もアップする。
【0050】さらに製造方法としても射出成型としたの
で成型時間が短縮でき、生産性が向上する。また、積層
コイルの外形形状が安定するため、第3の工程、つま
り、後工程での磁心の組み込みも容易となる。
【0051】このことにより、生産性の良い、高品質の
コイル多積層タイプの薄形モールドトランスおよびその
製造方法を提供するという目的を達成できるのである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態を示す薄形モールド
トランスのコイル積層断面図
【図2】本発明の第1の実施の形態を示す薄形モールド
トランスの分解斜視図
【図3】本発明の第1の実施の形態を示す薄形モールド
トランスの完成斜視図
【図4】本発明の第2の実施の形態を示す薄形モールド
トランスのコイル積層断面図
【図5】本発明の第2の実施の形態を示すモールドコイ
ルの外観斜視図
【図6】本発明の第3の実施の形態を示す薄形モールド
トランスのコイル積層断面図
【図7】本発明の第3の実施の形態を示すモールドコイ
ルの外観斜視図
【図8】従来の薄形モールドトランスの分解斜視図
【図9】従来の薄形モールドトランスの完成斜視図
【図10】従来の薄形モールドトランスのコイル積層断
面図
【符号の説明】
1 1次主巻線 1a 1次補助巻線 2 2次主巻線 2a 2次補助巻線 3 絶縁紙 4 端子 4a 接続部 5 絶縁樹脂 6 モールドコイル 6a 端子台部 6b 中筒部 7 磁心 11 1次主巻線 11a 1次補助巻線 12 2次主巻線 12a 2次補助巻線 13 絶縁紙 14 端子 14a 接続部 15 絶縁樹脂 16 モールドコイル 16a 端子台部 16b 中筒部 16c 連結部 16d 第1のコイル押え凹部 16e 第2のコイル押え凹部 17 磁心 17a 磁心背面部 17b 磁心背面切欠け部
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) H01F 41/00 H01F 31/00 M H (72)発明者 大村 勝規 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内 Fターム(参考) 5E044 AC02 AD06 BB01 CA02 CA06 CB03 5E070 AA11 AB10 BA08 CA13 DA12 EB01

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 1次、2次巻線を絶縁物を介して複数個
    積層して形成した多積層コイル全体を絶縁樹脂でモール
    ドしたモールドコイルにおいて、このモールドコイルの
    上下から、磁心を組み込み、モールドコイル両側の端子
    台部と中筒部をつなぐ連結部を設けたことを特徴とした
    薄形モールドトランス。
  2. 【請求項2】 モールドコイル連結部以外のコイル上下
    面の樹脂肉厚を薄肉化するとともにこの連結部に対応し
    た磁心の背面部に切欠け部を設けた請求項1記載の薄形
    モールドトランス。
  3. 【請求項3】 多積層コイルの最上層、最下層の少なく
    ともどちらか一方のコイルに高耐熱性の絶縁フィルムを
    挿入した請求項2記載の薄形モールドトランス。
  4. 【請求項4】 モールド絶縁樹脂となじみ性のよいフィ
    ルムとした請求項3記載の薄形モールドトランス。
  5. 【請求項5】 多積層コイルの最上層、最下層の少なく
    ともどちらか一方のコイルに絶縁樹脂コーティングを形
    成した請求項2記載の薄形モールドトランス。
  6. 【請求項6】 連結部に第1のコイル押え凹部を設けた
    請求項1〜5のいずれか一つに記載の薄形モールドトラ
    ンス。
  7. 【請求項7】 モールドコイル連結部以外のコイル上下
    面の樹脂肉厚を薄肉化した部分に第2のコイル押え凹部
    を設けた請求項1〜6のいずれか一つに記載の薄形モー
    ルドトランス。
  8. 【請求項8】 熱可塑性の絶縁樹脂材料でモールドした
    請求項1〜7のいずれか一つに記載の薄形モールドトラ
    ンス。
  9. 【請求項9】 熱可塑性の絶縁樹脂材料を芳香族ポリエ
    ステル樹脂からなる液晶ポリマーとした請求項1〜8の
    いずれか一つに記載の薄形モールドトランス。
  10. 【請求項10】 1次、2次巻線を絶縁物を介して複数
    個積層して多積層コイルを形成する第1の工程とこの多
    積層コイル全体を熱可塑性の絶縁樹脂で射出成型してな
    る第2の工程とモールドコイルの上下から、磁心を組み
    込む第3の工程を有する薄形モールドトランスの製造方
    法。
  11. 【請求項11】 多積層コイルを形成する第1の工程に
    おいて最上層、最下層の少なくともどちらか一方のコイ
    ルに絶縁フィルムを貼り付ける工程を設けた請求項10
    記載の薄形モールドトランスの製造方法。
  12. 【請求項12】 多積層コイルを形成する第1の工程に
    おいて最上層、最下層の少なくともどちらか一方のコイ
    ルに絶縁コーティングを形成する工程を設けた請求項1
    0記載の薄形モールドトランスの製造方法。
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