JP2002072379A - 放射線画像情報読取装置 - Google Patents

放射線画像情報読取装置

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JP2002072379A
JP2002072379A JP2000254075A JP2000254075A JP2002072379A JP 2002072379 A JP2002072379 A JP 2002072379A JP 2000254075 A JP2000254075 A JP 2000254075A JP 2000254075 A JP2000254075 A JP 2000254075A JP 2002072379 A JP2002072379 A JP 2002072379A
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Katsumi Shimada
克己 島田
Masaru Noguchi
勝 野口
Hiromi Ishikawa
弘美 石川
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Fuji Photo Film Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線画像情報読取装置において、輝尽発光
光の集光効率を高めると共に、装置の小型化を実現す
る。 【解決手段】 複数の集光レンズ15を、ラインセンサ
20を構成する複数の光電変換素子21に夫々対向して
配設して、蓄積性蛍光体シート50から発せられる輝尽
発光光Mをラインセンサ20を構成する複数の光電変換
素子21へ集光するための集光光学系16を構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線情報読取装置
に関し、より詳細には蓄積性蛍光体シートに蓄積された
放射線画像情報をラインセンサにより読み取る放射線画
像情報読取装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】放射線を照射すると、この放射線エネル
ギーの一部が蓄積され、その後、可視光や、レーザ光な
どの励起光を照射すると、蓄積された放射線エネルギー
に応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍光体(輝尽性蛍光体)
を利用して、支持体上に蓄積性蛍光体を積層してなるシ
ート状の蓄積性蛍光体シートに人体などの被写体の放射
線画像情報を一且蓄積記録したものに、レーザ光などの
励起光を画素ごとに偏向走査して各画素から順次輝尽発
光光を生じさせ、この輝尽発光光を光電読取手段により
光電的に順次読み取って画像信号を得、一方この画像信
号を読み取った後の蓄積性蛍光体シートに消去光を照射
して、このシートに残留する放射線エネルギーを放出さ
せる放射線画像記録再生システム(Computed Radiogra
phy=CR)が広く実用に供されている。
【0003】これらのシステムにより得られた画像信号
には観察読影に適した階調処理や周波数処理などの画像
処理が施され、これらの処理が施された後の画像信号は
診断用可視像(最終画像)としてフィルムに記録され、
または高精細なCRTに表示されて医師などによる診断
に供される。一方、上記蓄積性蛍光体シートに消去光を
照射し、残留エネルギーを放出させると、そのシートは
再度放射線画像情報の蓄積記録が可能となり、繰り返し
使用可能とされる。
【0004】ここで、上述した放射線画像記録再生シス
テムに用いられる放射線画像情報読取装置においては、
励起光源として、シートに対して線状に励起光を照射す
るライン光源を使用し、光電読取手段としては、ライン
光源により励起光が照射されたシートの線状の部分の長
さ方向(以下、主走査方向とする)に沿って多数の光電
変換素子が配列されたラインセンサを使用するととも
に、上記ライン光源および前記ラインセンサと上記蛍光
体シートの一方を他方に対して相対的に、上記線状の部
分の長さ方向に略直交する方向(以下、副走査方向とす
る)に移動する走査手段を備えた構成が提案されている
(特開昭60−111568号、特開昭60−2363
54号、特開平1−101540号など)。
【0005】これらのシステムは、ライン光源とライン
センサを用いて、線状励起と線状読取りを実現している
ため、輝尽発光光の読取時間の短縮や、装置のコンパク
ト化およびコストの低減などを図ることができる。
【0006】また、本願出願人による特願2000−1
00738に記載されているように、輝尽発光光の広が
りを考慮し、輝尽発光光の集光効率を高めるために、長
軸方向(主走査方向)およびこれに直交する短軸方向
に、夫々複数の光電変換素子を配列したラインセンサを
用いた放射線画像情報読取装置も提案されている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかし、これらのシス
テムにおいては、輝尽発光光の集光レンズ、すなわち、
蓄積性蛍光体シートから発された輝尽発光光をラインセ
ンサの受光面に集光するための光学系は、1組のレンズ
で全走査領域に亘り良好な結像性能を実現するために
は、集光レンズと蓄積性蛍光体シートの距離を大きく取
る必要があり、結果として装置全体が大型化し、また集
光効率も低くなるという問題が生じてしまう。
【0008】本発明は、上記事情を鑑みなされたもので
あり、輝尽発光光の集光効率を高めると共に、装置の小
型化を図る放射線画像情報読取装置を提供することを目
的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明による第1の放射
線画像情報読取装置は、放射線画像情報が蓄積された蓄
積性蛍光体シートの一部に励起光を線状に照射するライ
ン光源と、前記蓄積性蛍光体シートの線状に照射された
部分またはこの照射された部分に対応する蓄積性蛍光体
シートの裏面側部分から発光された輝尽発光光を集光す
る集光レンズと、前記集光レンズに集光された前記輝尽
発光光を受光して光電変換を行う、前記照射された部分
の長さ方向に複数の光電変換素子が配設されたラインセ
ンサと、前記励起光を照射するライン光源および前記ラ
インセンサと、前記蛍光体シートの一方を他方に対して
相対的に、前記長さ方向と異なる方向に移動させる走査
手段と、前記走査手段により移動された各位置ごとにお
ける前記各々の光電素子の出力を前記移動に応じて順次
読み取る読取手段とを備えてなる放射線画像情報読取装
置であって、前記集光レンズが、前記長さ方向に、前記
複数の光電変換素子に夫々対向して配設されていること
を特徴とするものである。
【0010】すなわち、本発明の第1の実施形態による
放射線画像情報読取装置において、前記輝尽発光光を前
記ラインセンサに集光するための集光レンズは、前記ラ
インセンサに配列された複数の前記光電変換素子と1対
1の関係にあり、lつの前記集光レンズが、1つの前記
光電変換素子に対応して配設されている。
【0011】また、前記ライン光源から出射された励起
光のシート上における光線幅は10〜1000μmとす
るのが適切である。
【0012】また、ラインセンサを構成する多数の光電
変換素子の各々の受光面の大きさは、10〜1000μ
mとするのが適切であり、特に50〜200μmとする
のが好ましく、ラインセンサの長さ方向における光電変
換素子の配列数は1000以上であることが望ましく、
さらにラインセンサの長さはシートの一辺よりも長くま
たは同等であることが望ましい。また、これら多数の光
電変換素子は、その長軸方向について1直線状に並ぶ配
列に限るものではなく、ジグザグに並ぶ配列であっても
よい。
【0013】なお、転送レートによる影響が生じる程に
光電変換素子の数を増大させた構成においては、各光電
変換素子に対応するメモリ素子を設けて、各光電変換素
子に蓄積した電荷を一且各メモリ素子に記憶させ、次の
電荷蓄積期間中に、各メモリ素子から電荷を読み出すこ
とで、電荷の転送時間の増大による電荷蓄積時間の短縮
化を回避することができる。
【0014】本発明の第2の放射線画像情報読取装置
は、放射線画像情報が蓄積された蓄積性蛍光体シートの
一部に励起光を線状に照射するライン光源と、前記蓄積
性蛍光体シートの線状に照射された部分またはこの照射
された部分に対応する蓄積性蛍光体シートの裏面側部分
から発光された輝尽発光光を集光する集光レンズと、前
記集光レンズに集光された前記輝尽発光光を受光して光
電変換を行う、前記照射された部分の長さ方向およびこ
れと直交する方向に夫々複数の光電変換素子が配設され
たラインセンサと、前記励起光を照射するライン光源お
よび前記ラインセンサと、前記蛍光体シートの一方を他
方に対して相対的に、前記長さ方向と異なる方向に移動
させる走査手段と、前記走査手段により移動された各位
置ごとにおける前記各々の光電素子の出力を前記移動に
応じて順次読み取り、前記走査手段により移動された各
位置ごとにおける前記各光電変換素子の出力を、前記シ
ートの部位を対応させて演算処理を行う演算手段を有す
る読取手段とを備えてなる放射線画像情報読取装置であ
って、前記集光レンズが、前記長さ方向およびこれと直
交する方向に複数、前記複数の光電変換素子に夫々対向
して配設されていることを特徴とするものである。
【0015】すなわち、本発明の第2の放射線画像情報
読取装置において、該装置に使用されるラインセンサに
配列された複数の前記光電変換素子に対応して、前記ラ
インセンサに集光するための集光レンズは、前記光電変
換素子と1対1の関係にあり、前記長さ方向方向だけで
はなく、前記長さ方向と直交する方向においても、1つ
の前記集光レンズが、lつの前記光電変換素子に対応し
て配設されている。
【0016】また、ラインセンサを構成する多数の光電
変換素子の各々の受光面の大きさは、励起光により照射
されたシートから発せられる輝尽発光光の該ラインセン
サにおける光線幅より小さく設定されており、この光線
の長さ方向(長軸方向)および光線幅方向(短軸方向)
に夫々複数の光電変換素子が配列されて、ラインセンサ
全体として、光線長さと略同等またはこれよりも長く設
定され、かつ光線幅と略同等の幅に設定されている。な
お、これらの複数の光電変換素子は、長軸方向および短
軸方向にいずれの方向においても1直線状に並ぶマトリ
ックス状の配列であるものに限るものではなく、長軸方
向には1直線状に並ぶが短軸方向はジグザグ状に並ぶ配
列や、短軸方向には1直線状に並ぶが長軸方向はジグザ
グ状に並ぶ配列や、両軸方向共にジグザグ状に並ぶ配列
により配設されたものであってもよい。
【0017】また、演算処理としては、具体的には単純
加算処理、重み付け加算処理またはその他種々の加算処
理を適用することができる。したがって、単純加算処理
や重み付け加算処理を行うものについては、演算手段と
して加算手段を適用すればよい。
【0018】本発明の第1および第2の放射線画像情報
読取装置において、ライン光源としては、蛍光灯、冷陰
極蛍光灯、LEDアレイ等を適用することができる。ま
たライン光源は、上述した蛍光灯等のように光源自体が
ライン状であるものだけではなく、出射された励起光が
ライン状とされるものであってもよく、ブロードェリア
レーザなども含まれる。ライン光源から出射される励起
光は、連続的に出射されるものであってもよいし、出射
と停止を繰り返すパルス状に出射されるパルス光であっ
てもよいが、ノイズ低減の観点から、高出力のパルス光
であることが望ましい。
【0019】また、ライン光源およびラインセンサを蓄
積性蛍光体シートに対して相対的に移動させる方向(こ
れらの長さ方向とは異なる方向)とは、これらの長さ方
向に略直交する方向、すなわち短軸方向であることが望
ましいが、この方向に限るものではなく、例えば、シー
トの略全面に亘って均一に励起光を照射することができ
る範囲内で、ライン光源およびラインセンサの長さ方向
に略直交する方向から外れた斜め方向に移動させるもの
であってもよいし、例えばジグザグ状に移動方向を変化
させて移動させるものであってもよい。
【0020】なお、ライン光源とラインセンサとは、シ
ートの同一面側に配置される構成であってもよいし、互
いに反対の面側に別個に配置される構成であってもよ
い。ただし、別個に配置される構成を採用する場合は、
シートの、励起光が入射した面とは反対の面側に輝尽発
光光が透過するように、シートの支持体等を、輝尽発光
光透過性のものとすることが必要である。
【0021】ラインセンサとしては、アモルファスシリ
コンセンサ、CCDセンサ、バックイルミネータ付きの
CCD、MOSイメージセンサなどを適用することがで
きる。
【0022】装置の小型化を図るため、前記集光レンズ
は、結像倍率が1以下であることが好ましい。
【0023】また、本発明の第lおよび第2の放射線画
像情報読取装置において、前記集光レンズは、縦方向と
横方向との結像倍率が異なるアナモルフィック光学系で
あることが好ましい。
【0024】また、安定性および設置のやすさの視点か
ら、本発明の第1および第2の放射線画像情報読取装置
において、各々の前記集光レンズがプラスチックであ
り、前記複数の集光レンズが、一体成形されていること
が好ましい。
【0025】さらに、励起光カットフィルタを無くし、
装置をよりコンパクト化するため、前記集光レンズは、
前記輝尽発光光を透過し、前記励起光をカットする色フ
ィルタにより構成されることが好ましい。
【0026】また、半導体微細加工技術の革新によっ
て、多画素化、感度の向上、ノイズの軽減、イメージサ
イズの小型化などの性能の向上が著しいため、本発明の
第1および第2の放射線画像情報読取装置において、ラ
インセンサを構成する各光電変換素子はCCDであるこ
とが好ましい。
【0027】
【発明の効果】本発明の第1の放射線画像情報読取装置
は、蓄積性蛍光体シートに蓄積された放射線画像情報
を、主走査方向に光電変換素子が複数に配列されたライ
ンセンサを用いて読み取る際に、蓄積性蛍光体シートか
ら発せられる輝尽発光光をラインセンサに集光する集光
レンズとして、1つの前記光電変換素子に対して、1つ
の集光レンズを対向して設置する構成であって、輝尽発
光光の発光領域を主走査方向において分割し、分割後の
各発光領域からの輝尽発光光を各々の集光レンズを用い
て集光するので、1組の集光レンズの集光範囲が小さい
ため、集光効率を高めると共に、装置の小型化を図るこ
とができる。
【0028】本発明の第2の放射線画像情報読取装置
は、本発明の第1の放射線画像情報読取装置におけるラ
インセンサに代えて、縦横方向ともに複数の光電変換素
子が配列されたラインセンサを用いると共に、輝尽発光
光を集光するための複数の集光レンズを、これらの複数
の夫々の光電変換素子に対向して配設して集光を行うの
で、ラインセンサを構成する多数の光電変換素子の各々
の受光面の大きさが、励起光により照射されたシートか
ら発せられる輝尽発光光の該ラインセンサにおける光線
幅より小さい場合においても、集光効率を高めると共
に、装置の小型化を図ることができる。
【0029】本発明の放射線画像情報読取装置におい
て、ラインセンサの夫々の光電変換素子に対向して設け
られた各々の集光レンズは、結像倍率が1以下であれ
ば、ラインセンサのサイズを小さくすることができるた
め、装置全体の小型化を図ることができる。
【0030】また、本発明の放射線画像情報読取装置に
おいて、輝尽発光光を集光する各集光レンズとして、ア
ナモルフィック光学系を適用すれば、集光効率を下げる
こと無く、ラインセンサの縦横方向の受光範囲の大きさ
を所望に応じて調整することができる。
【0031】また、これらの複数の集光レンズを一体成
形すれば、設置をし易くすると共に、安定した動作を図
ることができる。
【0032】さらに、これらの複数の集光レンズを、輝
尽発光光を透過し、励起光をカットする色フィルタを用
いて構成すれば、蓄積性蛍光体シートとラインセンサの
間に、励起光カットフィルターを設ける必要が無くなる
ため、装置をより小型化することができる。
【0033】なお、本発明の放射線画像情報読取装置に
おいて、ラインセンサに設けられた複数の光電変換素子
として、CCDを適用すれば、多画素化、感度の向上、
ノイズの軽減、イメージサイズの小型化などの性能の向
上を図ることができる。
【0034】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明に
よる放射線画像情報読取装置の実施形態について説明す
る。
【0035】図1は本発明の第1の実施形態による放射
線画像情報読取装置Aを示す斜視図、図2は図1に示し
た放射線画像情報読取装置AのI一I線断面を示す断面
図、図3は放射線画像情報読取装置Aのラインセンサ2
0および輝尽発光光をラインセンサ20に集光する集光
光学系16の詳細を示す図である。
【0036】図示の放射線画像情報読取装置Aは、放射
線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート(以
下、シートという) 50を載置して矢印Y方向に搬送
する走査ベルト40、線幅略100μmの線状の2次励
起光(以下、単に励起光という)Lをシート50表面に
対して略45度の角度で発するBLD11、BLD11
から出射された線状の励起光Lを集光するコリメータレ
ンズおよび一方向にのみビームを拡げるトーリックレン
ズの組合せからなり、シート50表面に線状の励起光L
を照射する光学系12、シート50の表面に対して略4
5度だけ傾斜しかつ励起光Lの進光方向に略直交する光
軸を有し、励起光Lの照射によりシート50から発せら
れた輝尽発光光Mを後述するラインセンサ20を構成す
る各光電変換素子21の受光面に集光させる集光光学系
16、集光光学系16を構成する各々の集光レンズ15
に入射する輝尽発光光Mに混在する励起光Lをカットす
る励起光カットフィルタ17、励起光カットフィルタ1
7を透過した輝尽発光光Mを受光して光電変換する多数
の光電変換素子21が配列されたラインセンサ20、お
よびラインセンサ20を構成する各光電変換素子21か
ら出力された信号Sを読み取って、画像処理装置に出力
する画像情報読取手段30とを備えた構成である。
【0037】ラインセンサ20は詳しくは、図4に示す
ように、光電変換素子21が矢印X方向に沿って多数
(例えばn個。n≧1000)配列される構成となって
いる。光電変換素子21としては具体的には、アモルフ
ァスシリコンセンサ、CCDまたはMOSイメージセン
サなどを適用することができる。
【0038】また、同図に示すように、集光光学系16
の各集光レンズ15は、各光電変換素子21と1対1に
対向して設けられ、夫々の光電変換素子21の受光面に
おいて、シート50上の輝尽発光光Mの発光域を1対1
の大きさで結像する像面とする作用をなす。
【0039】また、コリメータレンズとトーリックレン
ズからなる光学系12は、BLD11からの励起光Lを
シート50上に所望の照射域に拡大する。
【0040】次に本実施形態の放射線画像情報読取装置
Aの作用について説明する。
【0041】まず、走査ベルト40が矢印Y方向に移動
することにより、この走査ベルト40上に載置された、
放射線画像情報が蓄積記録されたシート50を矢印Y方
向に搬送する。この時のシート50の搬送速度はベルト
40の移動速度に等しく、べルト40の移動速度は読取
手段30に入力される。
【0042】一方、BLD11が、線幅略100μmの
線状の励起光Lを、シート50表面に対して略45度の
角度だけ傾けた方向に出射し、この励起光Lは、その光
路上に設けられたコリメータレンズおよびトーリックレ
ンズからなる光学系12により平行ビームとされ、シー
ト50表面に対して略45度の角度でシート50に入射
する。この時、励起光Lは、シート50表面上を、矢印
X方向に沿って延びる線状(線幅d略100μm)の
領域を照射する。
【0043】シート50に入射した線状の励起光Lは、
その照射域(線幅d略100μm)および照射域の近
傍部分から、蓄積記録されている放射線画像情報に応じ
た強度の輝尽発光光Mが発光される。その輝尽発光光M
は、集光光学系16に入射し、集光光学系16の各集光
レンズ15により、夫々対応した各光電変換素子21の
受光面に集光される。なお、集光光学系16により集光
された輝尽発光光Mが、ラインセンサ20に入射する前
に、励起光カットフィルタ17を透過し、混在する励起
光Lがカットされる。
【0044】一方、ラインセンサ20は、各光電変換素
子21により受光された輝尽発光光Mを光電変換して、
光電変換して得られた各信号Sを画像情報が読取手段3
0により外部の画像処理装置等に出力されて、診断画像
の再生に供される。
【0045】また、本実施形態においては説明を簡単化
するために、シート50とラインセンサ20の間の光学
系16を1:1結像系に設定したが、光学系16の各集
光レンズ15と、ラインセンサ20を構成する夫々の光
電変換素子21と1対1に対向して設ければ、すなわち
1つの集光レンズ15が、矢印X方向に延びる主走査領
域のn分の1 (n:光電変換素子21、集光レンズの
個数)の範囲から発せられる輝尽発光光Mを1つの光電
変換素子21に集光するようにしていれば、拡大縮小光
学系を利用しても勿論よい。ただし、装置のコンパクト
化の視点からは、集光光学系16、すなわち集光光学系
16の各集光レンズ15が、結像倍率が1以下のもので
あることが好ましい。
【0046】このようにして、本発明の第1の実施形態
による放射線画像情報読取装置Aは、集光系16とし
て、各集光レンズ15の集光領域が矢印X方向に延びる
主走査領域のn分のlと小さいため、集光効率を高める
ことができる。また、各集光レンズ15の集光領域が小
さいため、集光光学系16とシート50との距離を短く
することができ、装置の小型化を図ることが可能とな
る。
【0047】図4は本発明の第2の実施形態による放射
線画像情報読取装置Bを示す斜視図、図5は図4に示し
た放射線画像情報読取装置BのI−I線断面を示す断面
図、図6は放射線画像情報読取装置Bのラインセンサ2
0'および輝尽発光光をラインセンサ20'に集光する集
光光学系16'の詳細を示す図である。
【0048】図示の放射線画像情報読取装置Bは、放射
線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光体シート(以
下、シートという) 50を載置して矢印Y方向に搬送
する走査ベルト40、線幅略100μmの線状の2次励
起光(以下、単に励起光という)Lをシート50表面に
対して略45度の角度で発するBLD11、BLD11
から出射された線状の励起光Lを集光するコリメータレ
ンズおよび一方向にのみビ一ムを拡げるトーリックレン
ズの組合せからなり、シート50表面に線状の励起光L
を照射する光学系12、シート50の表面に対して略4
5度だけ傾斜しかつ励起光Lの進光方向に略直交する光
軸を有し、励起光Lの照射によりシート50から発せら
れた輝尽発光光Mを後述するラインセンサ20'を構成
する各光電変換素子21の受光面に集光させる集光光学
系16'、集光光学系16'を構成する各々の集光レンズ
15に入射する輝尽発光光Mに混在する励起光Lをカッ
トする励起光カットフィルタ17、励起光カットフィル
タ17を透過した輝尽発光光Mを受光して光電変換する
多数の光電変換素子21が配列されたラインセンサ2
0'、およびラインセンサ20'を構成する各光電変換素
子21から出力された信号Sを読み取って、シート50
の部位を対応させて加算処理する加算手段31を有し、
この加算処理された画像信号を出力する画像情報読取手
段30'を備えた構成である。
【0049】ラインセンサ20'は詳しくは、図6に示
すように、矢印X方向に沿って多数(例えばn個、n≧
1000)の光電変換素子21が配列されるとともに、
この矢印X方向に延びた光電変換素子21の列が、シー
ト50の搬送方向(矢印方向)に複数列(ここで例とし
て3列)連設されて構成されている。光電変換素子21
としては具体的には、アモルファスシリコンセンサ、C
CDまたはMOSイメージセンサなどを適用することが
できる。ラインセンサ20'を構成するこれら多数の光
電変換素子21はそれぞれ、縦100μm ×横100
μm程度の大きさの受光面を有している。
【0050】また、同図に示すように、集光光学系1
6'の各集光レンズ15は、各光電変換素子21と1対
1に対向して設けられ、夫々の光電変換素子21の受光
面において、シート50上の輝尽発光光Mの発光域を1
対1の大きさで結像する像面とする作用をなす。より具
体的には、該放射線画像情報読取装置Bにおいて、集光
光学系16'としては、光電変換素子21の配列に対応
して、1つの光電変換素子21に対向して、1つの集光
レンズが設けられており、本例においては、矢印X方向
にn個、矢印Y方向に3列が設けられた構成となる。
【0051】また、コリメータレンズとトーリックレン
ズからなる光学系12は、BLD11からの励起光Lを
シート50上に所望の照射域に拡大する。
【0052】次に本実施形態の放射線画像情報読取装置
Bの作用について説明する。
【0053】まず、走査ベルト40が矢印Y方向に移動
することにより、この走査ベルト40上に載置された、
放射線画像情報が蓄積記録されたシート50を矢印Y方
向に搬送する。このときのシート50の搬送速度はベル
ト40の移動速度に等しく、ベルト40の移動速度は加
算手段31に入力される。
【0054】一方、BLD11が、線幅略100μmの
線状の励起光Lを、シート50表面に対して略45度の
角度だけ傾けた方向に出射し、この励起光Lは、その光
路上に設けられたコリメータレンズおよびトーリックレ
ンズからなる光学系12により平行ビームとされ、シー
ト50表面に対して略45度の角度でシート50に入射
する。この時、励起光Lは、シート50表面上を、矢印
X方向に沿って延びる線状(線幅d略100μm)の
領域を照射する。
【0055】シート50に入射した線状の励起光Lは、
その集光域(線幅d略100μm)の蓄積性蛍光体を
励起するとともに集光域からシート50内部に入射して
集光域の近傍部分に拡散し、集光域の近傍部分の蓄積性
蛍光体も励起する。この結果、シート50の集光域およ
びその近傍から、蓄積記録されている放射線画像情報に
応じた強度の輝尽発光光Mが発光される。そのため、図
14に示すように、輝尽発光光Mの矢印Y方向における
線幅dが、励起光Lの線幅dよりも大きく、輝尽発
光光Mの広がりが避けられない。
【0056】この輝尽発光光Mは、集光光学系16'に
入射し、集光光学系16'の各集光レンズ15により、
夫々対応した各光電変換素子21の受光面に集光され
る。なお、集光光学系16'により集光された輝尽発光
光Mが、ラインセンサ20'に入射する前に、励起光カ
ットフィルタ17を透過し、混在する励起光Lがカット
される。
【0057】ラインセンサ20'は、各光電変換素子2
1により受光された輝尽発光光Mを光電変換して、光電
変換して得られた各信号Qは加算手段31に入力され
る。
【0058】加算手段31は、走査ベルト40の移動速
度に基づいて、シート50の各部位に対応して設けられ
たメモリ領域に、対応する各光電変換素子21からの信
号Qを累積して記憶させる。
【0059】この作用の詳細については、図7、 8、
9、 10を用いて説明する。
【0060】まず、図7に示すように、シート50の搬
送方向(矢印Y方向)先端部S1に励起光Lが集光され
た状態においては、励起光Lの広がりによりシート50
の先端部S1だけでなく、前述したようにその近傍領域
S2からも同図の発光分布曲線に示すような輝尽発光光
Mが発光する。シート50の前述先端部位S1から生じ
た輝尽発光光Mの光量はQ2であり、この光量Q2の輝
尽発光光Mは、集光レンズ列16'Bの各レンズ15
(図6参照)により集光され、光電変換素子列20'B
の各光電変換素子に入射する。また、励起光Lの広がり
により、シート50のS1の近傍領域S2からも光量Q
3の輝尽発光光Mが生じ、この輝尽発光光Mは、集光レ
ンズ列16'Cの各集光レンズ15により集光され、ラ
インセンサ20'の光電変換素子列20'Cの光電変換素
子21に入射する。
【0061】光電変換素子21(20'B列)は受光し
た光量Q2の輝尽発光光Mを電荷Q'2に光電変換し
て、これを加算手段31に転送する。加算手段31は光
電変換素子21(20'B列)から転送された電荷Q'2
を、走査ベルト40の走査速度に基づいて、シート50
の先端部S1に対応するメモリに記憶させる(図10参
照)。
【0062】同様に、光電変換素子21(20'C列)
は受光した光量Q3の輝尽発光光Mを電荷Q'3に光電
変換して、これを加算手段31に転送し、加算手段31
は転送された電荷Q'3を、シート50の部位S2に対
応するメモリに記億させる。
【0063】次いでシート50が搬送されて、図8に示
すように、シート50の部位S2に励起光Lが集光され
た状態においては、前述と同様の作用により、シート5
0の部位S2を中心としてその近傍部位S1およびS3
からも輝尽発光光Mが生じ、部位S1からの光量Q4の
輝尽発光光は集光レンズ列16'Aの各集光レンズ15
により光電変換素子21(20'A列)に、部位S2か
らの光量Q5の輝尽発光光は、集光レンズ列16'Bの
各集光レンズ15により光電変換素子21(20'B
列)に、部位S3から光量Q6の輝尽発光光は集光レン
ズ列16'Cの各集光レンズ15により光電変換素子2
1(20'C列)に夫々集光される。
【0064】各光電変換素子21(20'A列),21
(20'B列),21(20'C列)は受光した輝尽発光
光Mをそれぞれ電荷Q'4,Q'5、Q'6に変換してそ
れぞれ加算手段31に転送する。
【0065】加算手段31は各光電変換素子21(2
0'A列),21(20'B列),21(20'C列)か
らそれぞれ転送された電荷Q'4,Q'5、Q'6を、走
査ベルト40の走査速度に基づいて、シート50の部位
S1,S2,S3に対応するメモリに加算して記憶させ
る。
【0066】以下、シート50が搬送されて図9に示す
ようにシート50の部位S3に励起光Lが集光された状
態において各光電変換素子21(20'A列),21
(20'B列),21(20'C列)からそれぞれ転送さ
れた電荷Q'7,Q'8、Q'9も同様な作用により、シ
ート50の部位S2、S3、S4に対応するメモリに加
算して記憶される。
【0067】以上と同様の作用を、シート50の搬送位
置ごとに繰り返すことにより、加算手段31の、シート
50の各部位に対応するメモリには、図10に示すよう
に、シート50の搬送位置ごとに受光した輝尽発光光M
の総和が記憶される。
【0068】そして、このメモリに記憶された信号が画
像情報読取手段30'から、外部の画像処理装置等に出
力されて、診断画像の再生に供される。
【0069】このように本実施形態の放射線画像情報読
取装置Bは、第1の実施形態による放射線画像情報読取
装置Aにおけるラインセンサ20に代えて、縦横方向と
もに複数の光電変換素子21が配列されたラインセンサ
20'を用いると共に、輝尽発光光Mを集光するための
複数の集光レンズ15を、これらの複数の夫々の光電変
換素子21に対向して配設して集光を行うので、ライン
センサを構成する多数の光電変換素子の各々の受光面の
大きさが、励起光Lにより照射されたシート50から発
せられる輝尽発光光Mの該ラインセンサ20'における
光線幅dより小さい場合においても、集光効率を高め
ると共に、装置の小型化を図ることができる。
【0070】なお、本発明の放射線画像情報読取装置は
上述した2つの実施形態に限るものではなく、光源、光
源とシートとの間の光学系、ラインセンサ、または加算
手段として、公知の種々の構成を採用することができ
る。また、画像情報読取手段から出力された信号に対し
て種々の信号処理を施す画像処理装置をさらに備えた構
成や、励起が完了したシートになお残存する放射線エネ
ルギを適切に放出せしめる消去手段をさらに備えた構成
を採用することもできる。
【0071】例えば、放射線画像情報読取装置Aにおけ
るラインセンサ20および集光光学系16として、光電
変換素子21および集光レンズ15が夫々ラインセンサ
20の長さ方向(長軸方向)に沿って1直線状に並ぶ配
列となっているが、各集光レンズ15が夫々の光電変換
素子21に対向して設けられれば、図12(a)または
12(b)のようにジグザグに並ぶ配列であってもよ
い。
【0072】また、放射線画像情報読取装置Bにおける
ラインセンサ20'および集光光学系16'としては、図
6に示すように、光電変換素子21および集光レンズ1
5が夫々ラインセンサ20'の長軸方向および長軸方向
に直交する方向(短軸方向)のいずれの方向についても
l直線状に並ぶマトリックス状に並ぶ配列となっている
が、各集光レンズ15が夫々の光電変換素子21に対向
して設けられれば、図13(a)に示すように、長軸方
向(矢印X方向)には1直線状に並ぶが短軸方向(矢印
Y方向)はジグザグ状に並ぶ配列や、図13(b)に示
すように、短軸方向には1直線状に並ぶが長軸方向はジ
グザグ状に並ぶ配列であってもよい。
【0073】また、上記放射線画像情報読取装置AとB
は、励起光の光源とラインセンサとをいずれもシートの
同一面側に配して、励起光が入射したシート面から出射
する輝尽発光光を受光するようにした反射光集光型の構
成を採用したが、本発明の放射線画像情報読取装置はこ
のような構成のものに限るものではなく、支持体が輝尽
発光光透過性の材料により形成された蓄積性蛍光体シー
トを用いることによって、図11に示すように、励起光
の光源とラインセンサとを互いにシートの異なる面側に
配して、励起光が入射したシート面の反対側の面から出
射する輝尽発光光を受光するようにした透過光集光型の
構成を採用することもできる。
【0074】すなわち図示の放射線画像情報読取装置
は、蓄積性蛍光体シート50の前端部および後端部(当
該前端部および後端部には放射線画像が記録されていな
いか、または記録されていても関心領域ではないもので
ある)を支持して矢印Y方向にシートを搬送する搬送ベ
ルト40'、線状の励起光Lをシート50表面に対して
略直交する方向に発するBLD11、BLD11から出
射された線状の励起光Lを集光するコリメータレンズお
よび一方向にのみビームを拡げるトーリックレンズの組
合せからなり、シート50表面に線状の励起光Lを照射
する光学系12、シート50の表面に略直交する光軸を
有し、励起光Lの照射によりシート50の裏面(励起光
Lの入射面に対して反対側の面)から発せられた輝尽発
光光M'を後述するラインセンサ20(20')を構成す
る各光電変換素子21の受光面に集光させる集光光学系
16(16')、各光電変換素子21に入射する輝尽発
光光M'に混在する励起光Lをカットする励起光カット
フィルタ17、励起光カットフィルタ17を透過した輝
尽発光光M'を受光して光電変換する多数の光電変換素
子21が配列されたラインセンサ20(20')、およ
びラインセンサ20(20')を構成する各光電変換素
子21から出力された信号を出力する画像情報読取手段
30とを備えた構成である。ラインセンサおよび集光光
学系として、図6に示すようなX、Y方向共に夫々複数
の光電変換素子21、集光レンズが並ぶ配列の場合(ラ
インセンサ20'、集光光学系16')、画像情報読取手
段30が、各光電変換素子21から出力された信号をシ
ート50の部位を対応させて加算処理する加算手段31
を有する。
【0075】集光光学系16(16')は、各光電変素
子21に対向して設けられた複数の集光レンズ15から
なり、光電変換素子21の受光面において、シート50
裏面上の輝尽発光光M'の該当する発光域を1対1の大
きさで結像する像面とする作用をなす。また、コリメー
タレンズとトーリックレンズからなる光学系12は、B
LD11からの励起光Lをシート50上に所望の照射域
に拡大する。
【0076】図示の構成の放射線画像情報読取装置の作
用としては、励起光Lの照射によりシート50の裏面
(励起光Lの入射面に対して反対側の面)から発せられ
た輝尽発光光M'を受光する点以外は、前述の放射線画
像情報読取装置AとBとが同様であるため、ここで説明
を省略する。
【0077】このような構成の放射線画像情報読取装置
でも、ラインセンサの各々の光電変換素子に対して、夫
々集光レンズを対向して設けて、輝尽発光光を集光する
ことによって、集光効率を高めると共に、装置の小型化
を図ることができる。
【0078】また、上述の各実施形態において、説明の
便宜のために、各集光レンズ15の結像倍率を1と設定
しているが、各集光レンズ15の結像倍率を1よりも小
さくすれば、ラインセンサの必要な受光面積が小さくな
るため、ラインセンサ、ひいては放射線画像情報読取装
置全体を小型化することができる。
【0079】さらに、集光レンズ15として、縦横の結
像倍率が異なるアナモルフィック光学系を用いれば、ラ
インセンサの縦横(長軸、短軸)方向の必要な受光範囲
の大きさを所望に応じて調整することができる。
【0080】また、各々の集光レンズ15として、プラ
スチックのレンズを適用し、これらのレンズを一体成形
して集光光学系16または16'を構成すれば、設置を
し易くすると共に、安定した動作も図ることができる。
【0081】前述の各実施形態の放射線画像情報読取装
置において、輝尽発光光に混入した励起光をカットする
ために、励起光カットフィルタ17を用いているが、集
光レンズ15そのものを、輝尽発光光透過し、励起光を
カットする色フィルタを用いて作成すれば、独自に励起
光カットフィルターを設ける必要が無くなるため、装置
をより小型化することができる。
【0082】また、特願平11−372978号に提案
されたように、放射線画像形成の検出量子効率、すなわ
ち放射線吸収率、輝尽発光効率および輝尽発光光の取出
し効率などを高めるため、従来の輝尽性蛍光体における
放射線吸収機能とエネルギー蓄積機能を分離して、放射
線吸収の優れた蛍光体と輝尽発光の応答性の優れた蛍光
体を夫々放射線吸収と放射線画像情報蓄積に使い分け
し、放射線吸収の優れた蛍光体(放射線吸収用蛍光体)
を用いて、放射線を吸収して、紫外乃至可視領域に発光
させ、この発光光を前述の輝尽発光の応答性の優れた蛍
光体(蓄積専用蛍光体)を用いて吸収してそのエネルギ
ーを蓄積し、可視乃至赤外領域の光で励起して該エネル
ギーを輝尽発光光として放出させ、この輝尽発光光を光
電読取手段により光電的に順次読み取って画像信号を得
るシステムにも、本発明の実施形態を応用することがで
きる、すなわち、上述した本発明の各実施形態の放射線
画像情報読取装置に使用されるシートとして、特願平1
1−372978号に提案された蓄積専用蛍光体を含有
するものであってもよい。
【0083】前述の蓄積専用蛍光体シート以外に、上述
した放射線画像情報読取装置に使用されるシートとし
て、同一の被写体についての、放射線エネルギ吸収特性
が互いに異なる2つの画像情報を蓄積記録してなり、各
画像情報に応じた2つの輝尽発光光をその表裏面から各
別に発光し得る、放射線エネルギーサブトラクション用
の蓄積性蛍光体シートを使用すると共に、ラインセンサ
を前記シートの両面側に夫々各別に配設し、更にシート
の両面から読み取られた画像情報を、シートの表裏面の
画素を対応させてサブトラクション処理する読取手段を
備えた装置とすることもできるが、この場合において
も、本発明による放射線画像情報読取装置を応用するこ
とができる。
【0084】また、放射線エネルギーサブトラクション
用の蓄積性蛍光体シートとしても、例えばシートの厚さ
方向に延びる励起光反射性隔壁部材により多数の微小房
に細分区画された構造を有するシート等の、いわゆる異
方化されたシートを用いることもできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態による放射線画像情報
読取装置Aを示す概略図
【図2】図1に示した放射線画像情報読取装置AのI−
I線断面を示す断面図
【図3】図1および図2に示した放射線画像情報読取装
置Aにおけるラインセンサおよび集光光学系の詳細を示
す図
【図4】本発明の第2の実施形態による放射線画像情報
読取装置Bを示す概略図
【図5】図4に示した放射線画像情報読取装置BのI−
I線断面を示す断面図
【図6】図4および図5に示した放射線画像情報読取装
置Bにおけるラインセンサおよび集光光学系の詳細を示
す図
【図7】本発明の第2の実施形態による放射線画像情報
読取装置Bの作用を説明するための図
【図8】本発明の第2の実施形態による放射線画像情報
読取装置Bの作用を説明するための図
【図9】本発明の第2の実施形態による放射線画像情報
読取装置Bの作用を説明するための図
【図10】蛍光体シートの各部位に対応した、加算手段
のメモリを示す概念図
【図11】本発明の放射線画像情報読取装置の他の実施
形態を示す図
【図12】本発明の第1の実施形態におけるラインセン
サを構成する光電変換素子および集光光学系を構成する
集光レンズの他の配列状態を示す図
【図13】本発明の第2の実施形態におけるラインセン
サを構成する光電変換素子および集光光学系を構成する
集光レンズの他の配列状態を示す図
【図14】輝尽発光光の広がりを示す概略図
【符号の説明】
11 ブロードエリアレーザ(BLD) 12 コリメータレンズとトーリックレンズからなる
光学系 15 集光レンズ 16,16' 集光光学系 17 励起光カットフイルタ 20,20' ラインセンサ 21 光電変換素子 30,30' 画像情報読取手段 31 加算手段 40,40' 走査ベルト 50 蓄積性蛍光体シート L 励起光 M,M' 輝尽発光光 S1,S2,... シートの部位 Q1,Q2,... 輝尽発光光の光量 Q'1,Q'2,... 電荷 d 励起光光線幅 d 光電変換素子受光面における輝尽発光光の光線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 石川 弘美 神奈川県足柄上郡開成町宮台798番地 富 士写真フイルム株式会社内 Fターム(参考) 2H013 AC05 5B047 AA17 AB02 BA01 BB02 BC05 BC11 5C072 AA01 BA01 CA02 DA03 DA09 DA17 DA21 EA05 EA06 EA08 VA01

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放射線画像情報が蓄積された蓄積性蛍光
    体シートの一部に励起光を線状に照射するライン光源
    と、前記蓄積性蛍光体シートの線状に照射された部分ま
    たはこの照射された部分に対応する蓄積性蛍光体シート
    の裏面側部分から発光された輝尽発光光を集光する集光
    レンズと、前記集光レンズに集光された前記輝尽発光光
    を受光して光電変換を行う、前記照射された部分の長さ
    方向に複数の光電変換素子が配設されたラインセンサ
    と、前記励起光を照射するライン光源および前記ライン
    センサと、前記蛍光体シートの一方を他方に対して相対
    的に、前記長さ方向と異なる方向に移動させる走査手段
    と、前記走査手段により移動された各位置ごとにおける
    前記各々の光電素子の出力を前記移動に応じて順次読み
    取る読取手段とを備えてなる放射線画像情報読取装置で
    あって、 前記集光レンズが、前記長さ方向に、前記複数の光電変
    換素子に夫々対向して配設されていることを特徴とする
    放射線画像情報読取装置。
  2. 【請求項2】 放射線画像情報が蓄積された蓄積性蛍光
    体シートの一部に励起光を線状に照射するライン光源
    と、前記蓄積性蛍光体シートの線状に照射された部分ま
    たはこの照射された部分に対応する蓄積性蛍光体シート
    の裏面側部分から発光された輝尽発光光を集光する集光
    レンズと、前記集光レンズに集光された前記輝尽発光光
    を受光して光電変換を行う、前記照射された部分の長さ
    方向およびこれと直交する方向に夫々複数の光電変換素
    子が配設されたラインセンサと、前記励起光を照射する
    ライン光源および前記ラインセンサと、前記蛍光体シー
    トの一方を他方に対して相対的に、前記長さ方向と異な
    る方向に移動させる走査手段と、前記走査手段により移
    動された各位置ごとにおける前記各々の光電素子の出力
    を前記移動に応じて順次読み取り、前記走査手段により
    移動された各位置ごとにおける前記各光電変換素子の出
    力を、前記シートの部位を対応させて演算処理を行う演
    算手段を有する読取手段とを備えてなる放射線画像情報
    読取装置であって、 前記集光レンズが、前記長さ方向およびこれと直交する
    方向に複数、前記複数の光電変換素子に夫々対向して配
    設されていることを特徴とする放射線画像情報読取装
    置。
  3. 【請求項3】 前記集光レンズの結像倍率が1以下であ
    ることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像
    情報読取装置。
  4. 【請求項4】 前記集光レンズが、アナモルフィック光
    学系であることを特徴とする請求項1から3のいずれか
    1項記載の放射線画像情報読取装置。
  5. 【請求項5】 各々の前記集光レンズがプラスチック製
    であり、前記複数の集光レンズが、一体成形されている
    ことを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の
    放射線画像情報読取装置。
  6. 【請求項6】 前記集光レンズが、前記輝尽発光光を透
    過し、前記励起光をカットする色フィルタにより構成さ
    れることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記
    載の放射線画像情報読取装置。
  7. 【請求項7】 前記光電変換素子がCCDであることを
    特徴とする請求項1から6のいずれか1項記載の放射線
    画像情報読取装置。
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