JP2002071813A - Pet装置 - Google Patents
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- G21K1/02—Arrangements for handling particles or ionising radiation, e.g. focusing or moderating using diaphragms, collimators
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Abstract
画像を得ることができるPET装置を提供する。 【解決手段】 検出部10の内側に設けられた回転セプ
タ20は、隣接する検出器リングRの間の位置に互いに
平行に配された9枚のシールド板S1〜S9を含み、コリ
メート作用を奏し、スライス面に略平行に飛来した光子
対のみを、その後方にある光子検出器Dに入射させる。
各シールド板Sは、リング状ではなく、各検出器リング
Rを構成するN個の光子検出器Dのうち一部のものの測
定視野1側に設けられている。回転セプタ20は、中心
軸を中心に回転自在である。各シールド板Sには、棒状
の陽電子放出線源3を挿入して支持し得る棒状線源挿入
孔20aおよび20bが設けられている。
Description
標識された極微量物質の挙動を画像化することができる
PET装置に関するものである。
y)装置は、陽電子放出線源が投与された生体(被検
体)内における電子・陽電子の対消滅に伴って発生し互
い逆方向に飛行するエネルギ511keVの光子(ガン
マ線)の対を検出することにより、その被検体内の極微
量物質の挙動を画像化することができる装置である。P
ET装置は、被検体が置かれる測定視野の周囲に配列さ
れた多数の小型の光子検出器を有する検出部を備えてお
り、電子・陽電子の対消滅に伴って発生する光子対を同
時計数法で検出して蓄積し(この測定を以下「放射測
定」と言う)、この放射測定で蓄積された多数の同時計
数情報すなわち投影データ(以下「放射データ」と言
う)に基づいて、測定視野における光子対の発生頻度の
空間分布を表す画像を再構成する。PET装置は核医学
分野等で重要な役割を果たしており、これを用いて例え
ば生体機能や脳の高次機能の研究を行うことができる。
eVの光子の吸収を補正するために、以下のようにして
放射データの吸収補正を行う。すなわち、測定視野に置
かれた被検体の周囲に校正用の陽電子放出線源(例えば
68Ge-68Ga)を回転させて、光子対を同時計数法で
検出して蓄積し(この測定を以下「透過測定」と言
う)、この透過測定で蓄積された多数の同時計数情報す
なわち投影データ(以下「透過データ」と言う)を獲得
する。そして、この透過データに基づいて放射データの
吸収補正を行う。
ばらつきを補正するために、以下のようにして各光子検
出器の感度補正を行う。すなわち、測定視野に被検体を
置くこと無く校正用の陽電子放出線源を回転させて、光
子対を同時計数法で検出して蓄積し(この測定を以下
「ブランク測定」と言う)、このブランク測定で蓄積さ
れた多数の同時計数情報すなわち投影データ(以下「ブ
ランクデータ」と言う)を獲得する。そして、このブラ
ンクデータに基づいて各光子検出器の感度補正係数を算
定してメモリに記憶させておき、この感度補正係数を用
いて放射測定や透過測定の投影データの感度補正を行
う。なお、このブランク測定は各光子検出器の感度の安
定性に応じて適当な期間毎(たとえば1週間毎)に行わ
れる。
置および3次元PET装置に大別される。また、2次元
PET装置および3次元PET装置の何れとしても利用
することが可能なセプタ撤去型PET装置が現在では広
く利用されている。図9は、セプタ撤去型PET装置の
検出部10およびスライスセプタ20の構成を説明する
図である。同図(a)は、中心軸に平行な方向に検出部
10を見たときの図を示し、同図(b)は、中心軸を含
む面で検出部10を切断したときの断面図を示す。
中心軸方向に積層された検出器リングR1〜R8を有して
いる。各検出器リングRは、中心軸に垂直なスライス面
上にリング状に配された複数の光子検出器D1〜DNを有
している。各光子検出器Dは、例えばBGO(Bi4G
e3O12)等のシンチレータと光電子増倍管とを組み合
わせたシンチレーション検出器であり、中心軸を含む測
定視野1から飛来して到達した光子を検出する。また、
この検出部10の内側にはスライスセプタ20が備えら
れている。このスライスセプタ20は、隣接する検出器
リングRの間の位置に配された9枚のリング状のシール
ド板S1〜S9からなり、中心軸方向に移動可能である。
さらに、スライスセプタ20が退避する空間を有するセ
プタ撤去部30が設けられている。
されているときには、セプタ撤去型PET装置の検出部
10は、スライスセプタ20のコリメート作用により、
中心軸との角度が略90度の方向(すなわち、スライス
面に略平行な方向)から飛来した光子対のみを同時計数
することができる。すなわち、検出部10により得られ
蓄積された同時計数情報すなわち2次元投影データは、
同一の検出器リングまたは隣接する(若しくは極めて近
い)検出器リングに含まれる1対の光子検出器によるも
のに限られる。したがって、この場合には、測定視野1
外の位置で発生した光子対が散乱された散乱線を効率よ
く除外することができ、また、2次元投影データ(放射
データ)の吸収補正や感度補正を容易に行うことができ
る。
退避空間へスライスセプタ20が撤去されているときに
は、セプタ撤去型PET装置の検出部10は、あらゆる
方向から飛来した光子対を同時計数することができる。
すなわち、検出部10により得られ蓄積される同時計数
情報すなわち3次元投影データは、任意の検出器リング
に含まれる1対の光子検出器によるものが可能である。
したがって、この場合には、測定視野1内にスライスセ
プタ20が配置されているときと比較して5倍〜10倍
程度に高い感度で光子対を同時計数することができる。
的に応じて、測定視野1内にスライスセプタ20を配置
して2次元の投影データを獲得し、或いは、測定視野1
からスライスセプタ20を撤去して3次元の投影データ
を獲得する。例えば、測定視野1内にスライスセプタ2
0を配置するとともに、測定視野1内に被検体2を置
き、被検体2の周囲に校正用の陽電子放出線源3を回転
させて、透過測定を行って2次元の透過データを獲得す
る。また、測定視野1からスライスセプタ20を撤去す
るとともに、校正用の陽電子放出線源3を取り除いて、
陽電子放出線源を含む放射性薬剤が投与された被検体2
を測定視野1内に置き、3次元放射測定を行って3次元
の放射データを獲得する。なお、測定視野1内にスライ
スセプタ20を配置したまま2次元放射測定を行って2
次元の放射データを獲得してもよい。そして、透過デー
タに基づいて放射データの吸収補正を行って画像再構成
を行う。
ムスケジュールを説明する図である。この図には3通り
のタイムスケジュールが示されている。図10(a)に
示すタイムスケジュールでは透過測定の後に放射測定を
行う。先ず、測定視野1内にスライスセプタ20を挿入
した状態で被検体2を測定視野1内に置き、校正用の陽
電子放出線源3を被検体2とセプタ20との間に中心軸
に平行に配置し、中心軸を中心にして陽電子放出線源3
を回転させて透過測定を行って2次元の透過データを獲
得する。次に、陽電子放出線源3を撤去して、被検体2
に放射性薬剤を投与し、この放射性薬剤が被検体2の目
標臓器へ集積するのに必要な時間だけ待機した後に、放
射測定を行って放射データを獲得する。この放射測定で
は、測定視野1からスライスセプタ20を撤去して3次
元の放射データを獲得してもよいし、測定視野1内にス
ライスセプタ20を配置して2次元の放射データを獲得
してもよい。
2次元の透過データから直ちに放射データの吸収補正を
行って、2次元画像再構成を行うことができる。一方、
3次元の放射データを獲得した場合には、以下のように
して吸収補正を行う。すなわち、2次元の透過データに
基づいてX線CTの原理によりスライス毎に2次元画像
再構成を行ってスライス毎の吸収係数画像を計算し、こ
のスライス毎の吸収係数画像の積み重ねとして3次元の
吸収係数画像を作成する。次に、この3次元の吸収係数
画像に基づいて、種々の3次元的投影方向についての吸
収透過率を計算し、この得られた吸収透過率に基づいて
放射データの吸収補正を行って、3次元画像再構成を行
う。
スケジュールでは、透過測定と放射測定とが互いに独立
に行われるので、最も確実に測定を行うことが可能であ
る。しかし、測定視野1内のベッドに被検体2を拘束す
る時間が最も長く、したがって、被検体2の負担が大き
く、検査のスループットが最も低い。また、透過測定お
よび放射測定それぞれの期間において被検体2の位置が
互いにずれ易く、これに因りアーチファクト(偽像)が
生じ易い。
は放射測定の後に透過測定を行う(この測定を以下「投
与後透過測定」と言う)。この投与後透過測定における
測定視野1内のベッドに被検体2を拘束する時間は、図
10(a)に示したタイムスケジュールと比較すると短
い。しかし、投与後透過測定では、例えば 18F(半減
期110分)のように放射性薬剤の半減期が比較的長い
場合には、透過測定により得られる透過データには、校
正用の陽電子放出線源3に由来するデータだけでなく、
被検体2に投与された放射性薬剤に由来するデータも含
まれることから、透過データを補正する必要がある。
ールでは放射測定と透過測定とを同時に行う(この測定
を以下「放射・透過同時測定」と言う)。この放射・透
過同時測定における測定視野1内のベッドに被検体2を
拘束する時間は、投与後透過測定と比較すると更に短
い。検査のスループットは最も高い。また、被検体2の
位置ずれに因るアーチファクトが生じ難い。したがっ
て、被検体2の負担が大きく軽減される。しかし、放射
・透過同時測定では、投与後放射測定の場合と同様に、
被検体2に投与された放射性薬剤に由来するデータが透
過データに含まれるだけでなく、さらに放射データにも
校正用の陽電子放出線源3に由来するデータが含まれる
から、これらの影響を補正する必要がある。
のように被検体2内に放射性薬剤が存在する状態で透過
測定を行う場合に、透過データおよび放射データを互い
に区別して獲得するには、以下に説明するサイノグラム
ウィンドウ法が用いられる。図11は、サイノグラムウ
ィンドウ法を説明する図である。同図(a)は、測定視
野1内にスライスセプタ20を配置して2次元の放射・
透過同時測定を行って得られる投影データを示し、同図
(b)は、この投影データのサイノグラムを示す。な
お、投影データは、同図(a)に示すように、各投影方
向(投影角度θの各値)について、この投影方向に直交
するt軸上における同時計数情報分布を表すものであ
る。また、サイノグラムは、同図(b)に示すように、
投影角度θの値の順に投影データを配列したものであ
り、t−θ平面上における同時計数情報分布を表すもの
である。
タは、図11(b)に示すようにサイノグラム上におい
て正弦曲線の形で現われ、その正弦曲線が陽電子放出線
源3の回転に従ってθ方向に移動する。陽電子放出線源
3に由来するデータが現れるサイノグラム上の正弦曲線
の位置は、陽電子放出線源3の角度位置を検出すること
により知ることができる。そこで、陽電子放出線源3に
由来するデータが現れるサイノグラム上の正弦曲線を含
む所定幅の領域をサイノグラムウィンドウとし、このサ
イノグラムウィンドウ内のデータを透過データとすると
ともに、このサイノグラムウィンドウ外のデータを放射
データとして、透過データおよび放射データそれぞれを
互いに別個に収集する。
射データの一部も含まれるが、サイノグラムウィンドウ
の近傍の放射データより推定したものを透過データから
差し引くことで、透過データを補正することができる。
また、散乱に因って透過データの一部が放射データに含
まれるが、透過データに所定の係数を乗じたものを放射
データから差し引くことで、放射データを補正すること
ができる。
の放射・透過同時測定を行う場合、以下のような問題点
があった。すなわち、校正用の陽電子放出線源3の近く
にある光子検出器には、被検体2に投与された放射性薬
剤に由来する光子の入射頻度より高い頻度で、陽電子放
出線源3に由来する光子が入射する。したがって、光子
検出器における光子検出の時間分解能の限界に応じて、
被検体2に投与される放射性薬剤および校正用の陽電子
放出線源3それぞれの放射能強度が制限され、これに因
り測定に長時間を要する。
態で3次元の透過測定を行う場合には、上記の問題が更
に深刻であるだけでなく、透過データに多量の散乱同時
計数が混入することから正確な吸収補正を行うことがで
きない。したがって、3次元の透過測定を行うことは事
実上不可能である。また、スライスセプタを有しない3
次元PET装置では、137Csのコリメートした点状線
源を被検体の周囲に螺旋軌道に沿って走査して、ヘリカ
ルX線CTの原理で透過データを得る方法が実用化され
ているが、サイノグラムウィンドウ法を利用することが
できないので放射・透過同時測定を行うことができな
い。
imultaneous Transmission and Emission Scans in Pos
itron Emission Tomography", IEEE Trans. Nucl. Sc
i., Vol.36, No.1, pp.1011-1016 (1989)」に、PET
装置を用いた放射・透過同時測定について記載されてい
る。このPET装置は、リング状のスライスセプタとは
別に点状線源を挟んだサブコリメータを設け、このサブ
コリメータで挟んだ点状線源を回転させながら放射・透
過同時測定を行うものである。しかし、この文献に記載
されたPET装置でも、上記の問題点を解決することが
できない。
は、ターボファン型のコリメータを有するエミッション
CT装置が開示されている。この装置では、コリメータ
が設けられていないシールド部に貫通孔が設けられ、こ
の貫通孔に感度補正用放射線源が挿入される。しかし、
この公報に開示された発明は、感度補正の為の線源の取
り付け方法および収納方法に関するものであって、本願
発明の目的とは異なる。また、この公報に開示された発
明は、ガンマ線放出核種を用いるSPECT(single p
hoton emission computed tomography)装置であって、
陽電子放出線源を用いて光子対を同時計数する本願発明
のPET装置とは異なる。
れたものであり、短時間に測定することができ高精度の
再構成画像を得ることができるPET装置を提供するこ
とを目的とする。
は、(1) 中心軸を含む測定視野から飛来してきた光子を
各々検出する複数の光子検出器が中心軸に垂直なスライ
ス面上に配された検出器リングを複数含み、これら複数
の検出器リングが中心軸に平行な方向に積層された検出
部と、(2) 複数組の検出器リングそれぞれを構成する複
数の光子検出器のうち一部のものの測定視野の側に、中
心軸を中心に回転自在に配され、飛来してきた光子のう
ちスライス面に略平行なもののみをコリメートして通過
させる複数のシールド板を含む回転セプタと、(3) 校正
用の陽電子放出線源を、この陽電子放出線源から放出さ
れた陽電子により発生した光子が回転セプタによりスラ
イス面に平行な全ての方向に亘ってコリメートされる位
置に、着脱自在に支持する線源支持手段と、(4) 検出部
に含まれる光子検出器のうち1対の光子検出器が光子対
を同時計数したときに、その1対の光子検出器のうち少
なくとも一方の測定視野の側に回転セプタが存在してい
るか否かを判定する回転セプタ位置判定手段と、(5) 1
対の光子検出器のうち少なくとも一方の測定視野の側に
回転セプタが存在していると回転セプタ位置判定手段に
より判定されたときに、1対の光子検出器による光子対
の同時計数情報を蓄積する2次元投影データ蓄積手段
と、(6)1対の光子検出器のうち何れの測定視野の側に
も回転セプタが存在していないと回転セプタ位置判定手
段により判定されたときに、1対の光子検出器による光
子対の同時計数情報を蓄積する3次元投影データ蓄積手
段と、(7) 2次元投影データ蓄積手段により同時計数情
報が蓄積されて生成された2次元投影データ、および、
3次元投影データ蓄積手段により同時計数情報が蓄積さ
れて生成された3次元投影データに基づいて、測定視野
における光子対の発生頻度の空間分布を表す画像を再構
成する画像再構成手段と、を備えることを特徴とする。
来した光子対が検出部の1対の光子検出器により同時計
数されると、その1対の光子検出器のうち少なくとも一
方の測定空間の側に回転セプタが存在しているか否かが
回転セプタ位置判定手段により判定される。この判定
は、例えば、回転位置検出センサにより検出された回転
セプタの回転位置に基づいて行われる。もし、回転セプ
タ位置判定手段により少なくとも一方の測定空間の側に
回転セプタが存在していると判定されたときには、その
1対の光子検出器による光子対の同時計数情報は2次元
投影データ蓄積手段により蓄積される。逆に、回転セプ
タ位置判定手段により何れも測定空間の側に回転セプタ
が存在していないと判定されたときには、1対の光子検
出器による光子対の同時計数情報は3次元投影データ蓄
積手段により蓄積される。そして、画像再構成手段によ
り、2次元投影データ蓄積手段により同時計数情報が蓄
積されて生成された2次元投影データ、および、3次元
投影データ蓄積手段により同時計数情報が蓄積されて生
成された3次元投影データに基づいて、測定空間におけ
る光子対の発生頻度の空間分布を表す画像が再構成され
る。
は、放射性薬剤が投与された被検体を測定視野内に置く
とともに、校正用の陽電子放出線源を回転セプタの所定
位置に線源支持手段により支持して、測定を行う。この
測定に際しては、校正用の陽電子放出線源とともに回転
セプタを回転させるとともに、回転セプタ位置判定手段
により回転セプタの回転位置を検出する。そして、この
検出結果に基づいて、検出部の1対の光子検出器により
検出された同時計数情報が2次元のものであるか3次元
のものであるかを判定し、また、サイノグラムウィンド
ウ法に基づく分離を行って、2次元放射データと透過デ
ータとを2次元投影データ蓄積部にそれぞれ別個のメモ
リに蓄積していき、また、3次元放射データを3次元投
影データ蓄積部に蓄積していく。測定が終了すると、透
過データに基づいて放射データの吸収補正を行い、この
補正された放射データに基づいて3次元画像を再構成す
る。このように、2次元透過データおよび3次元放射デ
ータは1回の測定で同時に得られる。
持手段により支持された陽電子放出線源から放出された
陽電子により発生した光子を遮蔽する遮蔽板が回転セプ
タの側面に設けられていることを特徴とする。この場合
には、回転セプタの周方向の一部を通過することに起因
して生ずる不完全にコリメートされた光子を遮蔽するこ
とによって、2次元投影データと3次元投影データを明
確に区別することができる。また、校正用の陽電子放出
線源を用いた透過測定及びブランク測定の際に、回転セ
プタの近傍の(回転セプタの後方に位置しない)光子検
出器への光子の入射を防止し、これらの光子検出器の計
数率の異常な上昇を避けることができる。
野内への回転セプタの配置および測定視野からの回転セ
プタの撤去を行う回転セプタ撤去手段を更に備えること
を特徴とする。この場合には、例えば賦活試験の場合の
ように厳密な吸収補正や散乱補正を必要としない場合、
全ての光子検出器を利用して測定視野内に置かれた被検
体に投与された放射性薬剤に由来する光子を検出して、
3次元の放射データを3次元投影データ蓄積部に蓄積す
ることによって、より高感度の3次元放射測定が可能で
ある。
の実施の形態を詳細に説明する。なお、図面の説明にお
いて同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明を
省略する。
ET装置の第1の実施形態について説明する。図1は、
第1の実施形態に係るPET装置の検出部10および回
転セプタ20の構成を説明する図であり、同図(a)
は、中心軸に平行な方向に検出部10を見たときの図を
示し、同図(b)は、中心軸を含む面で検出部10を切
断したときの断面図を示す。図2は、第1の実施形態に
係るPET装置の回転セプタ20の構成をより詳細に説
明する図であり、同図(a)は斜視図を示し、同図
(b)は断面図を示す。
ルド板12との間に積層された検出器リングR1〜R8を
有している。各検出器リングRは、中心軸に垂直なスラ
イス面上にリング状に配されたN個の光子検出器D1〜
DNを有している。各光子検出器Dは、例えばBGO
(Bi4Ge3O12)等のシンチレータと光電子増倍管と
を組み合わせたシンチレーション検出器であり、中心軸
を含む測定視野1から飛来してきて到達した光子を検出
する。
側には回転セプタ20が備えられている。回転セプタ2
0は、隣接する検出器リングRの間の位置に互いに平行
に配された9枚のシールド板S1〜S9を含む。シールド
板S1〜S9それぞれは、電子・陽電子の対消滅に伴って
発生し互い逆方向に飛行する光子対すなわちエネルギ5
11keVのガンマ線を吸収する材料(例えば、タング
ステン、鉛)からなる。回転セプタ20は、コリメート
作用を奏し、スライス面に略平行に飛来した光子対のみ
を、その後方にある光子検出器Dに入射させる。
ではなく、各検出器リングRを構成するN個の光子検出
器D1〜DNのうち一部のもの(図1では7個の光子検出
器)の測定視野1側に設けられている。回転セプタ20
は、中心軸を中心に回転自在であって、一定速度の連続
回転、ステップ回転または往復回転を行う。回転セプタ
20の回転位置は、回転位置検出センサにより検出さ
れ、或いは、その回転を制御するセプタ回転駆動部によ
り把握される。
は、棒状の陽電子放出線源3を挿入して支持し得る線源
支持手段として棒状線源挿入孔20aおよび20bが設
けられている。すなわち、回転セプタ20の各シールド
板Sに設けられた棒状線源挿入孔20aおよび20bそ
れぞれは、校正用の陽電子放出線源3を、中心軸に平行
な直線上であって、この陽電子放出線源3から放出され
た陽電子により発生した光子が回転セプタ20によりス
ライス面に平行な全ての方向に亘ってコリメートされる
位置に、着脱自在に支持する。
て複数の棒状線源挿入孔が設けられている。これは、校
正用の陽電子放出線源3の半減期(例えば 68Ge-68G
aでは半減期271日)を考慮して、複数の陽電子放出
線源を用いることで、最も減衰した陽電子放出線源から
順次に更新することにより、線源維持費を低減する為で
ある。
大きさ及び形状は、棒状線源挿入孔20aまたは20b
により支持された校正用の陽電子放出線源3を用いて行
う透過測定において得られる透過データが測定視野1を
充分にカバーするように設計される(図1(a)中の点
線を参照)。回転セプタ20の後方にある光子検出器D
の個数をnとすると、n/Nの値は、1/2以下が好適
であり、1/10〜1/6程度が特に好適である。
21および22が設けられている。これら遮蔽板21お
よび22は、回転セプタ20の周方向の両側面に設けら
れていて、線源支持手段(棒状線源挿入孔20aまたは
20b)により支持された陽電子放出線源3から放出さ
れた陽電子により発生した光子を遮蔽して、この光子が
回転セプタ20の後方にある光子検出器D以外の光子検
出器Dに入射するのを防止する。これら遮蔽板21およ
び22も、エネルギ511keVのガンマ線を吸収する
材料(例えば、タングステン、鉛)からなる。
の検出部10および回転セプタ20の具体的寸法の1例
は下記のとおりである。例えば、各検出器リングRの内
径は900mmであり、各検出器リングRの軸方向ピッ
チは5mmであり、検出器リングRの数は48であり、
測定視野1の軸方向長さが240mmである。このと
き、回転セプタ20の各シールド板Sは、材質がタング
ステンであり、厚さが1mmであり、奥行きが120m
mであり、棒状線源挿入孔20aおよび20bの位置が
前縁より30mm〜40mm程度であるのが好適であ
る。また、遮蔽板21および22は、材質が鉛であり、
厚さが4mm〜6mmであるのが好適である。以上のよ
うな寸法の検出部10および回転セプタ20を用いた場
合、測定視野1内に被検体2を置かない状態で、軸方向
視野の中央であって陽電子放出線源3に近い光子検出器
Dにおいてシングル計数率が最高となり、放射測定に寄
与する光子検出器D(すなわち、回転セプタ20の後方
にある光子検出器D以外の光子検出器D)におけるシン
グル計数率は上記最高計数率の30%以下に抑えられ
る。
置の検出部10における同時計数を説明する図である。
図3(a)は、中心軸に平行な方向に検出部10を見た
ときの図を示す。
における断面図を示す。破線A-A'は、中心軸および回
転セプタ20を通過するものである。図3(b)には、
線源支持手段(棒状線源挿入孔20aまたは20b)に
より支持された陽電子放出線源3に由来する光子対の同
時計数ラインが示されている。陽電子放出線源3に由来
する光子対は、回転セプタ20によりコリメートされる
ので、同一の検出器リングRまたは隣接する(若しくは
極めて近い)検出器リングRに含まれる1対の光子検出
器により検出される。すなわち、この場合には、測定視
野1内に被検体2が置かれている状態では2次元の透過
データが得られ、測定視野1内に被検体2が置かれてい
ない状態では2次元のブランクデータが得られる。
における断面図を示す。破線B-B'は、中心軸を通過す
るが回転セプタ20を通過しないものである。図3
(c)には、測定視野1内に置かれている被検体2に投
与された放射性薬剤に由来する光子対の同時計数ライン
が示されている。被検体2に投与された放射性薬剤に由
来する光子対は、回転セプタ20によりコリメートされ
ることなく、任意の検出器リングRに含まれる1対の光
子検出器により検出される。すなわち、この場合には、
3次元の放射データが得られる。
の全体構成を概念的に説明するブロック図である。セプ
タ回転駆動部40は、中心軸を中心にして回転セプタ2
0を回転駆動させるものであり、回転位置検出センサ5
0は、回転セプタ20の回転位置を検出するものであ
る。測定視野1に被検体2をおいて行う1回の測定の期
間中、回転セプタ20はセプタ回転駆動部40により駆
動されて回転しており、また、回転セプタ20の回転位
置は回転位置検出センサ50により常に把握されてい
る。そして、1対の光子検出器が光子対を同時計数した
ときに、その1対の光子検出器のうち少なくとも一方が
回転セプタ20の後方に位置するか否かが判定される。
この判定は、回転位置検出センサ50により検出された
回転セプタ20の回転位置に基づいてなされる。
の後方に位置すると判定されれば、その1対の光子検出
器が検出した同時計数情報は2次元同時計数情報である
と判断され、その2次元同時計数情報は2次元投影デー
タ蓄積部61に蓄積される。一方、そうでなければ、そ
の1対の光子検出器が検出した同時計数情報は3次元同
時計数情報であると判断され、その3次元同時計数情報
は3次元投影データ蓄積部62に蓄積される。このよう
にして、2次元同時計数情報および3次元同時計数情報
それぞれは互いに別個に蓄積されて、2次元投影データ
(透過データまたはブランクデータ)および3次元投影
データ(放射データ)が作成される。データ処理部70
は、これらの2次元投影データおよび3次元投影データ
に基づいて、感度補正、散乱補正及び吸収補正された3
次元放射データを作成し、被検体2内における光子対の
発生頻度の空間分布を示す3次元画像を再構成する。画
像表示部80は、データ処理部70により再構成された
画像を表示する。
過測定では、上記の2次元投影データには放射データと
透過データとが混在して蓄積されるが、以下に説明する
サイノグラムウィンドウ法により分離して、これらをそ
れぞれ別のメモリに収集される。図5は、第1の実施形
態に係るPET装置におけるサイノグラムウィンドウ法
を説明する図である。同図(a)は、中心軸に直角なス
ライス面における投影データを示し、同図(b)は、こ
の投影データのサイノグラムを示す。なお、同図(b)
には、2次元投影データおよび3次元投影データそれぞ
れのサイノグラムが互いに重ねられて表示されている
が、実際には、回転位置検出センサ50により検出され
た回転セプタ20の回転位置に基づいて、2次元投影デ
ータは2次元投影データ蓄積部61に収集され、3次元
投影データは3次元投影データ蓄積部62に収集され
る。
タは、図5(b)に示すようにサイノグラム上において
正弦曲線の形で現われ、その正弦曲線が回転セプタ20
および陽電子放出線源3の回転に従ってθ方向に移動す
る。陽電子放出線源3に由来するデータが現れるサイノ
グラム上の正弦曲線の位置は、回転位置検出センサ50
により検出された回転セプタ20の回転位置に基づいて
知ることができる。そこで、陽電子放出線源3に由来す
るデータが現れるサイノグラム上の正弦曲線を含む所定
幅の領域をサイノグラムウィンドウとし、このサイノグ
ラムウィンドウ内のデータを2次元透過データとすると
ともに、このサイノグラムウィンドウ外のデータを2次
元放射データとして、両者を互いに別個に収集する。サ
イノグラムウィンドウ内のデータ(2次元透過データ)
には被検体2に投与された放射性薬剤に由来するデータ
が混入するが、サイノグラムウィンドウの近傍の2次元
透過データより推定したものを2次元透過データから差
し引くことで補正することができる。回転セプタ20の
コリメート作用により、被検体2に投与された放射性薬
剤に由来するデータの2次元投影データへの寄与は、3
次元投影データへの寄与と比べて著しく小さいため、上
記の補正の量は従来の2次元PET装置の場合に比較し
てはるかに少なく、正確な透過データを得ることができ
る。
るデータ(本来2次元透過データとなるべきもの)の一
部が散乱に因ってサイノグラムウィンドウ外の2次元放
射データに含まれるが、2次元透過データに所定の係数
を乗じたものを2次元放射データから差し引くことで補
正することができる。校正用の陽電子放出線源3に由来
するデータの3次元放射データへの混入は極めて少なく
無視してもよい。
放射・透過同時測定(図10(c)参照)は以下のよう
に行われる。被検体2に放射性薬剤を投与し、この放射
性薬剤が被検体2の目標臓器へ集積するのに必要な時間
だけ待機した後に、この被検体2を測定視野1内に置く
とともに、校正用の陽電子放出線源3を回転セプタ20
の棒状線源挿入孔20aまたは20bに挿入して、測定
を行う。この測定に際しては、セプタ回転駆動部40に
より回転セプタ20を回転させるとともに、回転位置検
出センサ50により回転セプタ20の回転位置を検出す
る。そして、この検出結果に基づいて、検出部10の1
対の光子検出器により検出された同時計数情報が2次元
のものであるか3次元のものであるかを判定し、また、
上記のサイノグラムウィンドウ法に基づく分離を行っ
て、2次元透過データを2次元投影データ蓄積部61に
蓄積していき、また、3次元放射データを3次元投影デ
ータ蓄積部62に蓄積していく。測定が終了すると、デ
ータ処理部70により、透過データに基づいて放射デー
タの吸収補正を行い、この補正された放射データに基づ
いて3次元画像を再構成して、画像表示部80により、
この再構成された画像を表示する。
投与後透過測定(図10(b)参照)は以下のように行
われる。被検体2に放射性薬剤を投与し、この放射性薬
剤が被検体2の目標臓器へ集積するのに必要な時間だけ
待機した後に、この被検体2を測定視野1内に置いて、
放射測定を行う。この放射測定に際しては、セプタ回転
駆動部40により回転セプタ20を回転させるととも
に、回転位置検出センサ50により回転セプタ20の回
転位置を検出する。そして、この検出結果に基づいて、
検出部10の1対の光子検出器により検出された同時計
数情報が2次元のものであるか3次元のものであるかを
判定して、2次元放射データを2次元投影データ蓄積部
61に蓄積していき、また、3次元放射データを3次元
投影データ蓄積部62に蓄積していく。
3を回転セプタ20の棒状線源挿入孔20aまたは20
bに挿入して、透過測定を行う。この透過測定の際に
は、セプタ回転駆動部40により回転セプタ20を回転
させるとともに、回転位置検出センサ50により回転セ
プタ20の回転位置を検出する。そして、この検出結果
に基づいて、検出部10の1対の光子検出器により検出
された同時計数情報が2次元のものであるか3次元のも
のであるかを判定し、また、上記のサイノグラムウィン
ドウ法に基づく分離を行って、2次元透過データを2次
元投影データ蓄積部61に蓄積していく。測定が終了す
ると、データ処理部70により、前記の放射測定で得ら
れた2次元放射データおよび3次元放射データに基づい
て散乱補正を行い、さらに上記の透過データに基づいて
放射データの吸収補正を行い、この補正された放射デー
タに基づいて3次元画像を再構成して、画像表示部80
により、この再構成された画像を表示する。この投与後
透過測定法では、散乱同時計数の影響の少ない2次元放
射データを利用して散乱補正を行うことによって、前記
の放射・透過同時測定法と比較して定量性が高いPET
画像を得ることができる。
用いたブランク測定は以下のように行われる。被検体2
を測定視野1内に置くことなく、校正用の陽電子放出線
源3を回転セプタ20の棒状線源挿入孔20aまたは2
0bに挿入して、ブランク測定を行う。このブランク測
定に際しては、セプタ回転駆動部40により回転セプタ
20を回転させるとともに、回転位置検出センサ50に
より回転セプタ20の回転位置を検出する。そして、こ
の検出結果に基づいて、検出部10の1対の光子検出器
により検出された同時計数情報のうち2次元のもののみ
を選択して、その2次元投影データ(ブランクデータ)
を2次元投影データ蓄積部61に蓄積していく。ブラン
ク測定が終了すると、データ処理部70により、ブラン
クデータに基づいて各光子検出器の感度補正係数を算出
してメモリに記憶し、各光子検出器の感度補正に使用す
る。
射・透過同時測定または投与後透過測定の場合、回転セ
プタ20の後方にある光子検出器Dに入射する光子の大
部分は、校正用の陽電子放出線源3に由来するものであ
り、一方、これ以外の光子検出器Dに入射する光子の大
部分は、被検体2に投与された放射性薬剤に由来するも
のである。したがって、各光子検出器Dの最大許容シン
グル計数率の範囲内において、陽電子放出線源3および
被検体2に投与する放射性薬剤それぞれの放射能を互い
に略独立に最適な値に選ぶことができる。その結果、放
射データおよび透過データそれぞれの統計精度を従来よ
り大きく向上することができる。そして、測定時間を短
縮することができ、被検体2の拘束時間を短くすること
ができる。また、放射・透過同時測定の実用化により、
被検体2の位置ずれに因るアーチファクトの発生を抑制
することができる。
置によれば、高感度の3次元放射測定と高精度の2次元
透過測定とを同時に行うことができ、短時間に測定する
ことができてスループットが改善され、また、高精度の
再構成画像を得ることができる。被検体2の拘束時間が
大幅に短縮されることにより、身体が不自由な高齢者や
障害者にもPET診断が容易となる。
射・透過同時測定を行う場合と比較すると、本実施形態
に係るPET装置を用いて放射・透過同時測定を行う場
合には、放射測定の検出感度が高い。また、放射データ
と透過データとの間の相互のデータ混入(クロストー
ク)が少ないので、高い精度で透過データが得られる。
さらに、校正用の陽電子放出線源3に由来する光子は、
回転セプタ20により被検体2に対してもコリメートさ
れるので、被検体2の放射線被爆量が大幅に低減され
る。
ET装置の第2の実施形態について説明する。図6は、
第2の実施形態に係るPET装置の検出部10および回
転セプタ20の構成を説明する図であり、同図(a)
は、中心軸に平行な方向に検出部10を見たときの図を
示し、同図(b)は、中心軸を含む面で検出部10を切
断したときの断面図を示す。
の実施形態に係るPET装置は、回転セプタ20が退避
する空間を有するセプタ撤去部30が設けられ、また、
測定視野1内への回転セプタ20の配置およびセプタ撤
去部30への回転セプタ20の撤去を行う回転セプタ撤
去手段が設けられている点で異なっている。
第1の実施形態に係るものの作用および効果に加えて、
以下のような作用および効果を奏することができる。す
なわち、透過測定とは別に放射測定を行う場合(図10
(a),(b)参照)に、測定視野1内で回転セプタ2
0を回転させた状態だけでなく、セプタ撤去部30へ回
転セプタ20を撤去した状態でも、測定視野1内に置か
れた被検体2に投与された放射性薬剤に由来する光子を
検出して、3次元の放射データを3次元投影データ蓄積
部63に蓄積することができる。セプタ撤去部30へ回
転セプタ20を撤去した状態で放射測定を行うことで、
より高感度の3次元放射測定が可能である。
ET装置の第3の実施形態について説明する。図7は、
第3の実施形態に係るPET装置の検出部10および回
転セプタ20の構成を説明する図であり、同図(a)
は、中心軸に平行な方向に検出部10を見たときの図を
示し、同図(b)は、中心軸を含む面で検出部10を切
断したときの断面図を示す。
の実施形態に係るPET装置は、検出部10のシールド
板11とシールド板12との間に粗いスライスコリメー
タ13〜15が設けられ、シールド板11とスライスコ
リメータ13との間に検出器リングR11〜R18および回
転セプタ201が設けられ、スライスコリメータ13と
スライスコリメータ14との間に検出器リングR21〜R
28および回転セプタ202が設けられ、スライスコリメ
ータ14とスライスコリメータ15との間に検出器リン
グR31〜R38および回転セプタ203が設けられ、ま
た、スライスコリメータ15とシールド板12との間に
検出器リングR41〜R48および回転セプタ204が設け
られている点で異なる。検出器リングR11〜R18、R21
〜R28、R3 1〜R38およびR31〜R48それぞれは、第1
の実施形態における。検出リングRと同様のものであ
る。また、回転セプタ201〜204それぞれは、第1の
実施形態における回転セプタ20と同様のものである。
第1の実施形態に係るものの作用および効果に加えて、
以下のような作用および効果を奏することができる。す
なわち、複数の検出器リングR毎に粗いスライスコリメ
ータ13,14または15が設けられていることによ
り、スライス面に対して大きい角度の方向から入射する
光子を遮蔽することによって、散乱同時計数の影響を軽
減することができるともに、光子検出器Dの計数率を低
減して数え落としに因る計数損失を軽減することができ
る。
かれた被検体2に対して相対的に検出部10および回転
セプタ201〜204を一体として中心軸に平行な方向に
移動させるのが好適である。このようにすることで、被
検体2の体軸方向について均一な感度で光子対を検出す
ることができ、また、再構成画像における定量性を均一
にすることができる。
されるものではなく、種々の変形が可能である。例え
ば、回転セプタ20において校正用の陽電子放出線源3
を支持する線源支持手段は、既に図2で説明したように
回転セプタ20の各シールド板Sに設けた棒状線源挿入
孔20aおよび20bであってもよいが、他の態様のも
のであってもよい。図8は、回転セプタおよび校正用の
陽電子放出線源の変形例を説明する図である。
第1部材201と第2部材202とに軸203を中心に
して2分割可能であって、第1部材201と第2部材2
02とが合わさったときに、棒状線源挿入孔20aおよ
び20bが形成されるようになっている。すなわち、こ
の回転セプタ20Aは、第1部材201と第2部材20
2とにより棒状線源挿入孔20aまたは20bの位置に
挟むことで校正用の陽電子放出線源3を支持することが
できる。
各シールド板Sにおいて、陽電子放出線源3を支持する
位置から縁に到るまで溝20cが形成されている。この
回転セプタ20Bは、各シールド板Sの縁から溝20c
に沿って陽電子放出線源3を差し込むことで、校正用の
陽電子放出線源3を支持することができる。なお、溝2
0cが曲線状に設けられていることで、陽電子放出線源
3から放出された陽電子により発生した光子が回転セプ
タ20Bによりスライス面に平行な全ての方向に亘って
コリメートされるようになっている。
支持具23により支持された点線源31〜37がシールド
板Sの間に挿入されたものである。支持具23は、ガン
マ線吸収が少ない材料からなるのが好適である。
それぞれ用いられる校正用の陽電子放出線源3は、図8
(d)に示したような長手方向に一様な線源であっても
よいし、図8(e)に示したようなシールド板Sのピッ
チと等しいピッチで線源が配置された数珠状のものであ
ってもよい。
係るPET装置によれば、高感度の3次元放射測定と高
精度の2次元透過測定とを同時に行うことができ、短時
間に測定することができてスループットが改善され、ま
た、高精度の再構成画像を得ることができる。
子放出線源から放出された陽電子により発生した光子を
遮蔽する遮蔽板が回転セプタの側面に設けられている場
合には、不完全にコリメートされた光子を除去すること
ができるとともに、放射・透過同時測定を行う場合に、
回転セプタの近傍の(回転セプタの後方に位置しない)
光子検出器を校正用の陽電子放出線源から遮蔽すること
によって放射能の高い校正用の陽電子放出線源を使用す
ることができ、統計精度の高い放射・透過同時測定が可
能となる。
よび測定視野からの回転セプタの撤去を行う回転セプタ
撤去手段を更に備える場合には、例えば、透過測定とは
別に放射測定を行う場合に、回転セプタ撤去手段により
回転セプタを撤去した状態で放射測定を行って、3次元
の放射データを3次元投影データ蓄積部に蓄積すること
ができ、これにより、より高感度の3次元放射測定が可
能である。
び回転セプタの構成を説明する図である。
の構成をより詳細に説明する図である。
おける同時計数を説明する図である。
概念的に説明するブロック図である。
ノグラムウィンドウ法を説明する図である。
び回転セプタの構成を説明する図である。
び回転セプタの構成を説明する図である。
形例を説明する図である。
スセプタの構成を説明する図である。
ルを説明する図である。
る。
源、10…検出部、11,12…シールド板、20…セ
プタ、20a,20b…棒状線源挿入孔、21,22…
遮蔽板、30…セプタ撤去部、40…セプタ回転駆動
部、50…回転位置検出センサ、61…2次元投影デー
タ蓄積部、62…3次元投影データ蓄積部、70…デー
タ処理部、80…画像表示部、D…光子検出器、R…検
出器リング、S…シールド板。
Claims (3)
- 【請求項1】 中心軸を含む測定視野から飛来してきた
光子を各々検出する複数の光子検出器が前記中心軸に垂
直なスライス面上に配された検出器リングを複数含み、
これら複数の検出器リングが前記中心軸に平行な方向に
積層された検出部と、 前記複数組の検出器リングそれぞれを構成する前記複数
の光子検出器のうち一部のものの前記測定視野の側に、
前記中心軸を中心に回転自在に配され、飛来してきた光
子のうち前記スライス面に略平行なもののみをコリメー
トして通過させる複数のシールド板を含む回転セプタ
と、 校正用の陽電子放出線源を、この陽電子放出線源から放
出された陽電子により発生した光子が前記回転セプタに
より前記スライス面に平行な全ての方向に亘ってコリメ
ートされる位置に、着脱自在に支持する線源支持手段
と、 前記検出部に含まれる光子検出器のうち1対の光子検出
器が光子対を同時計数したときに、その1対の光子検出
器のうち少なくとも一方の前記測定視野の側に前記回転
セプタが存在しているか否かを判定する回転セプタ位置
判定手段と、 前記1対の光子検出器のうち少なくとも一方の前記測定
視野の側に前記回転セプタが存在していると前記回転セ
プタ位置判定手段により判定されたときに、前記1対の
光子検出器による光子対の同時計数情報を蓄積する2次
元投影データ蓄積手段と、 前記1対の光子検出器のうち何れの前記測定視野の側に
も前記回転セプタが存在していないと前記回転セプタ位
置判定手段により判定されたときに、前記1対の光子検
出器による光子対の同時計数情報を蓄積する3次元投影
データ蓄積手段と、 前記2次元投影データ蓄積手段により同時計数情報が蓄
積されて生成された2次元投影データ、および、前記3
次元投影データ蓄積手段により同時計数情報が蓄積され
て生成された3次元投影データに基づいて、前記測定視
野における光子対の発生頻度の空間分布を表す画像を再
構成する画像再構成手段と、 を備えることを特徴とするPET装置。 - 【請求項2】 前記線源支持手段により支持された陽電
子放出線源から放出された陽電子により発生した光子を
遮蔽する遮蔽板が前記回転セプタの側面に設けられてい
ることを特徴とする請求項1記載のPET装置。 - 【請求項3】 前記測定視野内への前記回転セプタの配
置および前記測定視野からの前記回転セプタの撤去を行
う回転セプタ撤去手段を更に備えることを特徴とする請
求項1記載のPET装置。
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