JP2002070562A - ロータリーバルブ式2サイクルエンジン並びにこれに用いるピストン - Google Patents

ロータリーバルブ式2サイクルエンジン並びにこれに用いるピストン

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JP2002070562A JP2000262756A JP2000262756A JP2002070562A JP 2002070562 A JP2002070562 A JP 2002070562A JP 2000262756 A JP2000262756 A JP 2000262756A JP 2000262756 A JP2000262756 A JP 2000262756A JP 2002070562 A JP2002070562 A JP 2002070562A
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    • F02B61/00Adaptations of engines for driving vehicles or for driving propellers; Combinations of engines with gearing
    • FMECHANICAL ENGINEERING; LIGHTING; HEATING; WEAPONS; BLASTING
    • F02COMBUSTION ENGINES; HOT-GAS OR COMBUSTION-PRODUCT ENGINE PLANTS
    • F02FCYLINDERS, PISTONS OR CASINGS, FOR COMBUSTION ENGINES; ARRANGEMENTS OF SEALINGS IN COMBUSTION ENGINES
    • F02F1/00Cylinders; Cylinder heads 
    • F02F1/18Other cylinders
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  • Control Of Throttle Valves Provided In The Intake System Or In The Exhaust System (AREA)
  • Cylinder Crankcases Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は、ロータリーバルブの取り付けはク
ランク軸に直付けすることを前提とし、その駆動ロスを
生じさせないような形態としながらもロータリーバルブ
と対向する側に排気孔をレイアウトできるようにするこ
とによって混合気並びに燃焼ガスの流れは直線状となる
ようにし、もって出力向上を図り得るようなロータリー
バルブ式2サイクルエンジン並びにこれに用いるピスト
ンの開発を課題とした。 【解決手段】 課題解決の手段は、ロータリーバルブ式
2サイクルエンジンにおいて、クランクケース1への混
合気の吸入タイミングの規制はロータリーバルブ36に
よりなされるとともに、且つこのロータリーバルブ36
はクランク軸3の主軸30に直嵌めされた状態でクラン
クケース1の側面に設けられて成り、一方、前記排気を
行うための排気孔26は前記ロータリーバルブ36に対
しクランク軸3の軸方向にほぼ対向した位置に開口して
いるものであることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明はロータリーバルブ式
の2サイクルガソリンエンジンに関するものであって、
その混合燃料の吸気から燃焼ガスの排気までの流れをよ
り合理的にした改良に係るものである。
【0002】
【発明の背景】2サイクルエンジンは構造が簡単で且つ
高出力が得られるため、例えばレーシングカートやレー
シングモーターサイクル用の小型のエンジンとして広く
用いられている。この2サイクルエンジンは、密閉され
得るクランク室を形成するクランクケースと、このクラ
ンクケースに取り付けられ燃焼空間をシリンダヘッドと
ともに形成するシリンダと、前記クランク室内に回転自
在に設けられるクランク軸と、このクランク軸にコンロ
ッドを介して連接され、前記シリンダ内を往復するピス
トンとを具えるものであって、前記ピストンの往復動並
びにそれに伴うクランク軸の回転により、負圧状態とな
るクランクケース内に混合気を吸入するとともに、ここ
で一次圧縮した混合気を掃気孔を経てシリンダ内に送
り、シリンダ内で二次圧縮し、この圧縮された混合気に
点火プラグにより着火し、これを燃焼させてピストンの
押し下げを行い、クランク軸の回転エネルギーとして出
力を取り出す構成をとる。
【0003】この吸気にあたって吸気タイミングをクラ
ンク軸の回転と共動するロータリーバルブで規制するロ
ータリーバルブタイプの2サイクルエンジンがある。こ
のものは図6に示すようにキャブレタ5からの燃料たる
ガソリンと空気との混合気(この状態の混合気の流れを
流れ矢印A1で示す)はクランク軸3′と平行にクラン
クケース1′内に吸入され(流れ矢印A2参照)、ここ
で一次圧縮を受け、更に掃気孔25′を経て(流れ矢印
A3参照)燃焼室24′内に至り(流れ矢印A4参
照)、更にそこで二次圧縮を受けた後、点火プラグによ
り着火されて燃焼し、ピストン4′を押し下げながらク
ランク軸3′に回転エネルギーを与えた後、エキゾース
トパイプ6′からクランク軸3′と直交する向きに排出
される(流れ矢印A5参照)。
【0004】このように従来型は図4(b)に示すよう
にクランク室側方から混合気の吸気がなされるが、一方
その後、燃焼ガスは通常のレイアウトでは吸入方向と直
交する方向、すなわちクランクの回転方向に排出される
ように、言わば90°向きを変えたような流れとなって
いるのである。このため例えば吸入方向と更にそれに対
向した方向に直線状に排気が流れるようにすることが、
より円滑な流れを得ることが予想され、より高出力のエ
ンジンが得られるであろうことが期待されるものである
が、現状では実用化されておらず、技術開発の余地を残
したままとなっている。
【0005】もちろんこのような着想に基づいた従来手
法としては、例えばクランク軸に混合気の回転規制する
ロータリーバルブを直付けせずに、クランク軸からコッ
グドベルトまたはベベルギアを介して直交方向ロータリ
ーバルブを設けるようにし、結果的に排気孔と対向する
側にロータリーバルブを配置する試みがなされていた。
しかしながらより厳格に高性能化を追求するとなると、
このようなロータリーバルブ周辺の複雑な駆動系統はそ
れだけでもパワーロスを引き起こすものであり、混合気
の流れを合理化することによるパワーアップの効果もロ
ータリーバルブを駆動するためのパワーロスに食われて
しまい、所期の目的は達し得なかった。
【0006】
【開発を試みた技術的課題】本発明はこのような背景を
考慮してなされたものであって、ロータリーバルブの取
り付けはクランク軸に直付けすることを前提とし、その
駆動ロスを生じさせないような形態としながらもロータ
リーバルブと対向する側に排気孔をレイアウトできるよ
うにすることによって混合気並びに燃焼ガスの流れは直
線状となるようにし、もって出力向上を図り得るような
ロータリーバルブ式2サイクルエンジン並びにこれに用
いるピストンの開発を試みたものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】すなわち請求項1記載の
ロータリーバルブ式2サイクルエンジンは、密閉され得
るクランク室を形成するクランクケースと、このクラン
クケースに取り付けられ燃焼空間をシリンダヘッドとと
もに形成するシリンダと、前記クランク室内に回転自在
に設けられるクランク軸と、このクランク軸にコンロッ
ドを介して連接され前記シリンダ内を往復するピストン
とを具え、前記ピストンの往復動並びにそれに伴うクラ
ンク軸の回転により、負圧状態となるクランクケース内
に混合気を吸入するとともに、ここで一次圧縮した混合
気を掃気孔を経てシリンダ内に送りシリンダ内で二次圧
縮し、この圧縮された混合気に点火プラグにより着火
し、これを燃焼させてピストンの押し下げを行い、クラ
ンク軸の回転エネルギーとして出力を取り出す2サイク
ルエンジンにおいて、前記クランクケースへの混合気の
吸入タイミングの規制はロータリーバルブによりなされ
るとともに、且つこのロータリーバルブはクランク軸の
主軸に直嵌めされた状態でクランクケース側面に設けら
れて成り、一方、前記排気を行うための排気孔は前記ロ
ータリーバルブに対しクランク軸の軸方向にほぼ対向し
た位置に開口しているものであることを特徴として成る
ものである。上記請求項1記載の発明によれば、吸気か
ら排気への混合気並びに燃焼ガスの流れ方向が一直線状
に設定できるものであり、より円滑な混合気、燃焼ガス
の流れが得られ、エンジンの高出力化が達成し得る。
【0008】また請求項2記載のロータリーバルブ式2
サイクルエンジンは、前記請求項1記載の要件に加え、
前記ピストンは、コンロッドとの連接部であるピストン
ピン孔の一方の側において排気孔と対向し、且つその部
位においてはピストンヘッドからピストンスカートまで
の範囲を排気孔閉鎖用の円筒弧面部としたことを特徴と
して成るものである。上記請求項2記載の発明によれ
ば、新規なピストン形状とすることにより排気バルブの
開閉タイミングを正確に設定でき、且つ排気のクランク
室側へのリークが完全に防止し得るものである。
【0009】更にまた請求項3記載のロータリーバルブ
式2サイクルエンジンに用いるピストンは、ピストンボ
ディーにおけるピストンピンの挿入方向の一方の側にお
ける面をピストンヘッドからピストンスカートまでの範
囲を排気閉鎖用円筒弧面部としていることを特徴として
成るものである。
【0010】更にまた請求項4記載のロータリーバルブ
式2サイクルエンジンに用いるピストンは、請求項3記
載の要件に加え、前記ピストンボディーに嵌め込まれる
ピストンピンは、円筒弧面部側の端面は閉鎖状としてい
ることを特徴として成るものである。
【0011】上記請求項3及び4の発明によれば、より
効率的なロータリーバルブ式2サイクルエンジンにおけ
る最適なピストンが得られるものである。
【0012】
【発明の実施の形態】以下本発明を図示の実施の形態に
基づいて具体的に説明する。符号Eは本発明に係るエン
ジンであって、ロータリーバルブ式2サイクルエンジン
である。このエンジンEは、例えば図1に示すようなレ
ーシングカートC等に搭載して使用することが好まし
い。このエンジンEは大別すると、クランクケース1
と、このものに取り付けられるシリンダ2と、このクラ
ンクケース1内に収容されるクランク軸3と、このクラ
ンク軸3に連接され、前記シリンダ2内を往復動するピ
ストン4と、混合燃料を供給するためのキャブレタ5
と、燃焼ガスを排出するエキゾーストパイプ6とを主要
な部材として構成する。
【0013】まずクランクケース1について説明する
と、このものは適宜軽合金等の鋳造構造により形成さ
れ、例えば組み立て、あるいはメンテナンスを考慮して
ほぼ中心から二分割できるような構成をとる。このクラ
ンクケース1の内部には、前記クランク軸3を受け入れ
るためのクランク室10がほぼ密閉されるような状態で
形成されるとともに、クランク室10には、その側壁部
に軸受部11が形成される。この軸受部11において前
記クランク軸3を回転自在に円滑に支持するための適宜
のベヤリングあるいは密閉状態に保つためのオイルシー
ル等を嵌め込んで構成しているものである。なおこれら
の詳細については、常法に従うものであり詳細な説明は
省略する。
【0014】更にクランクケース1の一方の軸受部11
の外部には、偏平な円形空間であるロータリーバルブ収
容部12が構成されるものであり、そのために前記クラ
ンクケース1とは別部材の円盤状のバルブカバー13が
組み付けられている。そしてこのバルブカバー13から
クランクケース1の上部に向かって吸気孔14が形成さ
れる。更にクランクケース1はその上方から見て第一掃
気リセス15a、第二掃気リセス15b、第三掃気リセ
ス15cの三ヵ所に掃気リセス15が形成されるもので
あり、このうち第一掃気リセス15aは前記吸気孔14
とクランク室10側において連通したような形状をと
る。更にクランクケース1は、その上端面からシリンダ
2等を組み付けるためのスタッドボルト16を四本立ち
上げ形成している。なおこのクランクケース1は適宜の
放熱効果を期待して冷却フィン17を具える。
【0015】次にこのクランクケースに取り付けられる
シリンダ2について説明する。このものはシリンダブロ
ック21を主要部材とするものであり、更にその上方に
は一例として別体のシリンダヘッド22を有する。もち
ろんシリンダヘッド22と一体であってもよいが、メン
テナンスや圧縮比の設定等の自由度から別体構造の方が
はるかに好ましい。シリンダヘッド22は一例としてそ
の頂部に点火プラグ23が取り付けられるとともに、そ
の下面内側には凹陥状の燃焼室24が形成されている。
なお燃焼室24は一例としてシリンダ2とともに形成さ
れるものであり、シリンダヘッド22における前記燃焼
室24は実質的な燃焼空間の上蓋部に相当するものであ
るが、技術的な慣習に従いこのものの凹陥部を燃焼室2
4という。
【0016】一方シリンダブロック21には掃気孔25
が設けられるものであって、その下端はクランクケース
1における掃気リセス15に対応して、それぞれ第一掃
気孔25a、第二掃気孔25b、第三掃気孔25cを有
する。これらは前記掃気リセス15と同様、第一掃気孔
25aを中心として断面方向から見るとY字状に開口し
ている。そして前記第一掃気孔25aに対向する側のシ
リンダ2の上下方向中間位置に排気孔26が形成され、
その先端に前記エキゾーストパイプ6が取り付けられ
る。なお符号27はシリンダブロック21及びシリンダ
ヘッド22に形成される冷却フィンである。
【0017】次に前記クランクケース1に設けられるク
ランク軸3について説明する。このエンジンEは2サイ
クル単気筒エンジンであり、クランク軸3はその主軸3
0に対し一対のクランクウェブ31が取り付けられ、一
対のクランクウェブ31を連結するようにクランクピン
32が設けられている。そしてこのクランクピン32は
コンロッド33におけるコンロッド大端部34と適宜の
ベヤリングを介して回転自在に連接しているものであ
る。そしてコンロッド33はその上方(もちろんエンジ
ンを水平配置あるいは倒立配置する等の場合には必ずし
も上方、下方の表現は適切ではないものの、便宜上シリ
ンダヘッド22側を上方と言う)にピストン4を連接す
る。
【0018】更に前記クランク軸3は、その主軸におけ
る一方の側である出力軸30a側を利用してロータリー
バルブ36を取り付けるものである。具体的にはロータ
リーバルブ36の回転方向への取り付け状態は規制状態
とするとともに、スラスト方向へは若干のフリーな動き
が確保できるようにすることが好ましい。このためロー
タリーバルブ36は、例えばクランク軸3の主軸30に
おける出力軸30aに直接あるいは間接的に形成した六
角ナットやスプラインに噛み合わせたような状態に取り
付ける。なおロータリーバルブ36は、クランクケース
1への混合気の吸入タイミングを規制するものであり、
ほぼ円盤状の部材の一部に吸入用切欠部36aを形成し
ているものである。なおクランク軸3の出力軸30aの
反対側の端部はマグネット駆動端30bとするものであ
り、前記点火プラグ23への給電用の交流発電等を行う
点火系の諸部材を駆動するものである。
【0019】次にピストン4について説明する。ピスト
ン4は、例えば軽合金等を鍛造、切削仕上げ等によって
構成したピストンボディー40に対しピストンピン41
を介して前記コンロッド小端部35に回動自在に取り付
けられるものであり、ピストンピン41は、前記クラン
ク軸3の軸方向と共通した方向に向かって開口する一対
のピストンピン孔42に対して嵌め込まれている。なお
ピストンピン41はその抜け出しを防止するため、サー
クリップ43により保持されるものであり、このサーク
リップ43はピストンピン孔42の外側に形成したクリ
ップ溝42aに収めるように取り付けられている。更に
ピストンボディー40はシリンダ2に嵌め込まれた状態
において、前記シリンダ2の掃気孔25ないしはクラン
クケース1における掃気リセス15に対応した位置に掃
気導入切欠45を設けるとともにロータリーバルブ36
と反対側のピストンピン孔42周辺におけるピストンボ
ディー40は、排気閉鎖用円筒弧面部46を形成する。
なおこのピストンピン41は中空パイプ状の部材であ
り、一方の吸気側の端部が開放端41aとされ、他方の
排気側の端部が閉鎖端41bとされる。
【0020】本発明のエンジンEは以上述べたような基
本的な構成を有するものであり、以下このものの動きを
説明しながらこのものの作動態様を説明する。まず適宜
の起動動作、すなわちレーシングカートC等の場合に
は、いわゆる押しがけであったり、あるいは適宜外部の
回転駆動手段であるスタータ等を用いてクランク軸3の
回転を行う。これによってクランク軸3の回転に伴いク
ランクが回転し、更にシリンダ2内でのピストンの往復
動がなされる。このような起動動作によりまずクランク
室10はほぼ気密状態の下、ピストン4が上昇するとそ
れに伴いクランク室10の容積が見かけ上大きくなって
負圧状態となる。このような負圧状態の下、適宜のタイ
ミングでクランク軸3に直結されたロータリーバルブが
回転してゆくと、その吸入用切欠部36aがクランクケ
ース1における吸気孔14と合致してクランク室10内
とキャブレタ5とが連通状態となりキャブレタ5から空
気と燃料との混合気をクランク室10内に吸入してゆ
く。そしてこの混合気の吸入はピストン4の上死点近く
まで継続されてゆく。
【0021】更にその後、適宜のタイミングでロータリ
ーバルブ36の吸入用切欠部36aが吸気孔14の位置
を通過した後は、ロータリーバルブ36におけるバルブ
閉鎖部36bが吸気孔14を遮断するような状態とな
る。そしてその後ピストン4がクランク軸3の回転に伴
い下降してゆくと、クランク室10内では混合気が一次
圧縮されてゆき、その一次圧縮された混合気はピストン
4の更に降下に伴ってピストン4の頂部がシリンダ2に
おける掃気孔25をより下がった段階で一気に掃気リセ
ス15からシリンダ2における掃気孔25を経てシリン
ダ2の燃焼室24側に流入してゆく。もちろんすでに起
動しているエンジンであれば、その掃気によって前行程
で燃焼した燃焼ガスをシリンダ2の燃焼室24から排気
孔26から押し出すように掃気するのである。
【0022】このようにして掃気孔25からの新規な混
合気は更にクランク軸3の回転に伴う再度のピストン4
の上昇に従い燃焼室24内で二次圧縮され、この圧縮さ
れたタイミングで点火プラグ23からの火花着火を受け
て着火し、燃焼、膨張する。因みに2サイクルエンジン
であるからこの圧縮行程のときにすでにクランク室10
内では新規の混合気の取り入れがされている。このよう
にした後、前記着火された混合気の燃焼エネルギーはピ
ストン4を押し下げる力となって、このエネルギーがク
ランク軸3の回転エネルギーとして出力される。そして
このとき吸気孔14と排気孔26とはクランク軸3方向
に沿って対向的に形成されているから、混合気の吸気か
ら排気に至る流れ方向が平面的に見ると図4(a)、図
1(b)に示すように直線状に確保され、結果的に円滑
な燃焼ガスの流れを作り出しているのである。因みに内
径50mm×行程50mmの総排気量100ccのエン
ジンにおいて、従来型に比較してレーシングカート用エ
ンジンとしては、低中速域にあたる8000v.p.
m.〜10000v.p.m.の間で出力向上が認めら
れた。なおこの際排気行程においては排気がピストンピ
ン41に接触し得るものであるが、排気孔26側のピス
トンピン41は閉鎖端41bとなっているからピストン
ピン41内への排気の流れ込みはなく、それに伴う悪影
響等は全く生じない。
【0023】
【他の実施の形態】本発明は以上述べたような形態を基
本的な実施の形態とするものであるが、次のような改変
が可能である。すなわちピストン4及びピストンピン4
1の構造において、先に述べた実施の形態はピストンピ
ン孔42は吸入側、排気側の左右ともにほぼ同一の構造
をとる一方、排気側に位置する部分とはピストンピン4
1の一端を閉鎖させることにより排気の流れ込みを防止
していたものであるが、この目的を達成するためには必
ずしもこの構成に限定されない。すなわち図5に示す実
施の形態は、ピストンピン孔42自体の一方を閉鎖状態
とすべく排気孔26側に閉鎖部42bを設けるようにし
て、結果的に排気閉鎖用円筒弧面部46を更に円滑に構
成することが可能である。因みにこのように構成したと
きには、ピストンピン41のメンテナンス等における抜
き取りが行いにくくなることから、例えば図5に示すよ
うにピストンピン41には少なくとも吸入側の端部にメ
ネジ41c等を設けておき、このものに抜き取り用のボ
ルト等を具えたピン抜き工具7をあてがい、そのボルト
を直引きするかあるいは更に締込片等により引き抜き方
向に寄せ込むような操作ができるようにしたピン抜き工
具7を用いてメンテナンスを行うものである。
【0024】
【発明の効果】本発明は以上述べたような具体的な内容
を有するものであり、次のような効果を奏する。まず請
求項1記載の発明によれば、吸気から排気への流れ方向
が一直線上に設定できるものであり、より円滑な混合気
並びに燃焼ガスの流れが得られ、エンジンEの高出力化
が達成し得る。
【0025】また請求項2記載の発明によれば、新規な
ピストン形状とすることにより排気バルブの開閉タイミ
ングを正確に設定でき、且つ排気のクランク室10側へ
のリークが完全に防止し得るものである。
【0026】更にまた請求項3記載の発明によれば、よ
り効率的なロータリーバルブ式2サイクルエンジンEに
おける最適なピストン4が得られるものである。
【0027】更にまた請求項4記載の発明によれば、ピ
ストンピン41からの排気のリークが防止され、排気熱
によるコンロッド33等への悪影響が防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明たるロータリーバルブ式2サイクルエン
ジンの一部透視斜視図であり、併せその使用状態を示す
ものである。
【図2】同上縦断正面図である。
【図3】ピストンの斜視図並びに縦断側面図である。
【図4】掃気孔の配設状態を骨格的に示す水平断面図で
あり、吸入から排気に至る混合気と燃焼ガスの流れを従
来型と比較して示すものである。
【図5】ピストンの他の実施の形態を示す縦断側面図で
あり、併せピストンピンの引き抜き工具を示すものであ
る。
【図6】従来のロータリーバルブ式2サイクルエンジン
における混合気と燃焼ガスの流れを示す斜視図である。
【符号の説明】
1 クランクケース 2 シリンダ 3 クランク軸 4 ピストン 5 キャブレタ 6 エキゾーストパイプ 7 ピン抜き工具 10 クランク室 11 軸受部 12 ロータリーバルブ収容部 13 バルブカバー 14 吸気孔 15 掃気リセス 15a 第一掃気リセス 15b 第二掃気リセス 15c 第三掃気リセス 16 スタッドボルト 17 冷却フィン 21 シリンダブロック 22 シリンダヘッド 23 点火プラグ 24 燃焼室 25 掃気孔 25a 第一掃気孔 25b 第二掃気孔 25c 第三掃気孔 26 排気孔 27 冷却フィン 30 主軸 30a 出力軸 30b マグネット駆動端 31 クランクウェブ 32 クランクピン 33 コンロッド 34 コンロッド大端部 35 コンロッド小端部 36 ロータリーバルブ 36a 吸入用切欠部 36b バルブ閉鎖部 40 ピストンボディー 41 ピストンピン 41a 開放端 41b 閉鎖端 41c メネジ 42 ピストンピン孔 42a クリップ溝 42b 閉鎖部 43 サークリップ 45 掃気導入切欠 46 排気閉鎖用円筒弧面部 C レーシングカート E エンジン

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 密閉され得るクランク室を形成するクラ
    ンクケースと、このクランクケースに取り付けられ燃焼
    空間をシリンダヘッドとともに形成するシリンダと、前
    記クランク室内に回転自在に設けられるクランク軸と、
    このクランク軸にコンロッドを介して連接され前記シリ
    ンダ内を往復するピストンとを具え、前記ピストンの往
    復動並びにそれに伴うクランク軸の回転により、負圧状
    態となるクランクケース内に混合気を吸入するととも
    に、ここで一次圧縮した混合気を掃気孔を経てシリンダ
    内に送りシリンダ内で二次圧縮し、この圧縮された混合
    気に点火プラグにより着火し、これを燃焼させてピスト
    ンの押し下げを行い、クランク軸の回転エネルギーとし
    て出力を取り出す2サイクルエンジンにおいて、前記ク
    ランクケースへの混合気の吸入タイミングの規制はロー
    タリーバルブによりなされるとともに、且つこのロータ
    リーバルブはクランク軸の主軸に直嵌めされた状態でク
    ランクケース側面に設けられて成り、一方、前記排気を
    行うための排気孔は前記ロータリーバルブに対しクラン
    ク軸の軸方向にほぼ対向した位置に開口しているもので
    あることを特徴とするロータリーバルブ式2サイクルエ
    ンジン。
  2. 【請求項2】 前記ピストンは、コンロッドとの連接部
    であるピストンピン孔の一方の側において排気孔と対向
    し、且つその部位においてはピストンヘッドからピスト
    ンスカートまでの範囲を排気孔閉鎖用の円筒弧面部とし
    たことを特徴とする請求項1記載のロータリーバルブ式
    2サイクルエンジン。
  3. 【請求項3】 ピストンボディーにおけるピストンピン
    の挿入方向の一方の側における面をピストンヘッドから
    ピストンスカートまでの範囲を排気閉鎖用円筒弧面部と
    していることを特徴とするロータリーバルブ式2サイク
    ルエンジンに用いるピストン。
  4. 【請求項4】 前記ピストンボディーに嵌め込まれるピ
    ストンピンは、円筒弧面部側の端面は閉鎖状としている
    ことを特徴とする請求項3記載のロータリーバルブ式2
    サイクルエンジンに用いるピストン。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007187157A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Andreas Stihl Ag & Co Kg 作業機
CN114439609A (zh) * 2021-12-30 2022-05-06 中国人民解放军总参谋部第六十研究所 一种可实现分时点火的多缸二冲程发动机

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JP2007187157A (ja) * 2006-01-12 2007-07-26 Andreas Stihl Ag & Co Kg 作業機
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