JP3448057B2 - ロータリー内燃機関エンジン - Google Patents

ロータリー内燃機関エンジン

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JP3448057B2 JP50665795A JP50665795A JP3448057B2 JP 3448057 B2 JP3448057 B2 JP 3448057B2 JP 50665795 A JP50665795 A JP 50665795A JP 50665795 A JP50665795 A JP 50665795A JP 3448057 B2 JP3448057 B2 JP 3448057B2
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Description

【発明の詳細な説明】 発明の属する技術分野 本発明は、ロータリー内燃機関エンジンに関する。
発明の背景 1983年12月20日に付与された、「内燃機関ロータリー
エンジン(INTERNAL COMBUSTION ROTARY ENGINE)」と
いう名称の、ARREGUI等による米国特許第4,421,073号に
おいて、4人の発明者の1人は本発明の出願人であり、
また、その明細書には、ピストンチャンバの外側開端部
を密封する固定ケーシングの内部に回転自在に取り付け
られたエンジンブロックが記載されている。
1987年2月24日に付与された、4人の発明者を同じく
する「ラジアルピストンポンプ(RADIAL PISTON PUM
P)」に関する米国特許第4,645,428号明細書には、その
動作原理は本発明に基づくエンジンに似ているが、内部
燃焼エンジンには適さないデバイスが記載されている。
発明の目的 本発明の目的は、米国特許第4,645,428号明細書に記
載のラジアルポンプに似た動作原理に基づくロータリー
内燃機関エンジンを提供することである。
本発明の他の目的は、特に、2サイクルエンジンとし
て動作させるのに適するエンジンを提供することであ
る。
本発明の他の目的は、従来のピストン型内燃機関エン
ジンと比較して低いアイドリング回転速度を有すること
を特徴とするエンジンを提供することである。
本発明の他の目的は、最大燃焼ストローク時に、結合
ロッドによってクランクシャフトに最大トルクが加えら
れることを特徴とするエンジンを提供することである。
本発明の他の目的は、吸気ガス及び排気ガスに掛かる
遠心力を利用して、エンジンの吸・排気特性を改善する
ことである。
本発明の他の目的は、各ピストン内部に吸気バルブを
設けて、中央エンジンブロックチャンバに導入された可
燃性ガスを、ピストン内に導入することである。
本発明の他の目的は、エンジンの空気冷却のために、
エンジンブロックの回転を利用することを特徴とするエ
ンジンを提供することである。
本発明の他の目的は、回転式のエンジンブロックによ
って分離型のフライホイールが不要となることを特徴と
するエンジンを提供することである。
本発明の他の目的は、概ね同形の、その動作サイクル
の位相が異なるエンジンとの連結して用いることが可能
であることを特徴とするエンジンを提供することであ
る。
本発明の他の目的は、燃焼ストロークが多少進行する
間、点火がとぎれなく持続されることにより、改善され
たエンジンの始動特性を有することを特徴とするエンジ
ンを提供することである。
本発明の他の目的は、点火進角または点火遅角のため
の機構が不要であることを特徴とするエンジンを提供す
ることである。
本発明の他の目的は、排気ガスを、ピストンチャンバ
の軸に対して垂直方向に、かつエンジンブロックの回転
と反対方向に放出することにより、エンジンブロックの
回転を補助することを特徴とするエンジンを提供するこ
とである。
本発明の他の目的は、始動が容易で、馬力を高めるス
ーパーチャージャーシステムを備えることが可能なエン
ジンを提供することである。
発明の要約 本発明のロータリー内燃機関エンジンは、支持体と、
支持体上に回転自在に取り付けられ、中央チャンバを画
定しており、前記中央チャンバから放射方向に延出し、
その放射方向の内側端部において前記中央チャンバと連
通している少なくとも1つのピストンチャンバを画定し
ているエンジンブロックと、前記ピストンチャンバの外
側末端において前記ピストンチャンバを密封しているピ
ストンチャンバヘッドと、前記エンジンブロックと平
行、かつエンジンブロックの回転軸から放射方向にオフ
セットする形で、エンジンブロック上に回転自在に取り
付けられたクランクシャフトと、エンジンブロックとク
ランクシャフトとを結合し、両者を同じ方向に等速度で
回転するようにする駆動歯車列と、各ピストンチャンバ
内を往復自在となるように設けられたピストンと、前記
ピストンに回転自在に結合された結合ロッドとを有し、
前記クランクシャフトは、前記中央チャンバ内に延在
し、前記結合ロッドと前記クランクシャフトとは前記ク
ランクシャフトの結合点において結合されており、前記
結合点は前記クランクシャフトの軸から放射方向に隔て
られており、かつピストンチャンバの長手方向の軸に対
して、エンジンブロックの回転方向に進角される。
クランクシャフトは出力シャフトであり、またこのよ
うな出力シャフトは、支持体内のベアリングに枢支され
たエンジンブロックの回転軸と同軸となるように、中央
チャンバの一方の側においてエンジンブロックに直接固
定される。
一般に、エンジンはいくつかのピストンチャンバを有
するが、これらのピストンチャンバは同じクランクシャ
フトに連結された各ピストンの結合ロッドと共通の平面
上において、等角度の間隔をおいて設けられる。
好ましくは、このエンジンは燃焼ガス吸気手段を備え
ており、この燃焼ガス吸気手段は中央チャンバに直接連
通し、かつ中央チャンバと爆発チャンバとの間の通路手
段とを連通している。好ましくは、通路手段は、ピスト
ンを通して設けられているオリフィスを有し、オリフィ
スは、燃焼ガスが中央チャンバから爆発チャンバへのみ
流れるようにするチェックバルブと寸法が合わせられて
いる。好ましくは、ピストンチャンバの外部にエンジン
ブロックを通して延在している第2通路手段も設けら
れ、この第2通路手段は爆発チャンバと中央チャンバと
を連通するようにしている。今述べた通路手段とピスト
ンオリフィスとはエンジンの吸・排気特性を改善してい
る。
エンジン点火手段は、コレクタと、支持体に固定され
ており、コレクタの経路に沿って延在している高電圧電
流を与えられるエミッタとを有し、燃焼ストロークの少
なくとも一部分において、エミッタ及びコレクタ間の連
続的な電気的接続を与えて、エンジンの始動特性を更に
改善している。
好ましくは、エンジンは空冷式のものである。ピスト
ンチャンバは外部フィンを備えており、熱を回転するエ
ンジンブロックから空気中へと放散させている。
好ましくは、排気ガスバルブがシリンダヘッド上に設
けられ、排気ガスバルブは各シリンダヘッドに固定され
た排気ガス放出ノズルを備えている。排気ガスバルブは
ピストンチャンバの長手方向の軸に対して実質的に垂直
に設けられ、エンジンブロックが回転する方向と反対の
向きに延在しており、これによってエンジンブロックの
回転を補助する排気ガス噴流を生成する。
図面の簡単な説明 第1図は、本発明のエンジンの部分的な側立面図であ
る。
第2図は、第1図の線2−2で切った部分的な断面図
である。
第3図は、第2図の線3−3で切った長手方向の断面
図である。
第4図は、第3図の領域4を拡大した断面図である。
第5図は、第4図の線5−5で切った断面図である。
第6図及び第6A図〜第6E図が包括的に示すのは、前記
エンジンブロックの回転が概ね完了する間のエンジンブ
ロックのシリンダの1つの挙動であって、その2ストロ
ークの動作サイクルのさまざまな段階におけるピストン
の状態も示されている。
第7図は、シリンダチャンバの1つの平断面図であっ
て、上側端部から見たピストンの1つ、及びその上に取
り付けられたチェックバルブが示されている。
第8図は、第7図の先8−8で切った断面図である。
第9図は、第7図の線9−9で切った別の断面図であ
る。
第10図及び第10A図は、第9図の領域10におけるチェ
ックバルブを示した図であって、それが閉ポジションに
あるときと開ポジションにあるときがそれぞれ示されて
いる。
第11図及び第12図は、第3図の線11−11及び線12−12
で切った断面図がそれぞれ示されている。
第13図は、本発明のエンジン及びその可燃性ガス供給
システムの模式図である。
第14図は、電気的点火回路及びエンジン始動手段の模
式図である。
第15図は、共通の出力シャフトを駆動するべく結合さ
れた、本発明の2つの同型のエンジンの部分的な前立面
図である。
全ての図面において、同じ要素には同じ符号が付され
ている。
発明の好適実施例の説明 第1図、第2図及び第3図を参照すると、エンジンブ
ロック2が、エンジンブロック回転軸6の周りで回転で
きるように、支持体4上に取り付けられているのが示さ
れている。エンジンブロック2は中央チャンバ8を画定
しており、中央チャンバはコア3及びいくつかの(例え
ば4つの)放射方向に配置されたピストンチャンバ10か
ら形成されている。ピストンチャンバ10はシリンダ11に
よって形成され、その放射方向の内側末端において中央
チャンバ8と連通し、その放射方向の外側末端において
シリンダヘッド12によって密閉されている。エンジンブ
ロック2の円筒形コア3は、コアカバー3a及び3bによっ
て密閉されている。ボルト11bは、シリンダヘッド12及
びシリンダ11をコア3に固定している。カバー3aは、ボ
ルト27によってコア3に固定されている(第12図参
照)。コアカバー3bは、ボルト11aによってコア3に固
定されている(第11図参照)。動力出力シャフト16は、
エンジンブロック2のコアカバー3aと一体として形成さ
れており、中央チャンバ8の一方の側へ延出し、エンジ
ンブロックの回転軸6と同軸となるように設けられてい
る。出力シャフト16は、リングアセンブリ21、22に挟ま
れたスラフトベアリング18に嵌合されており、ストラッ
プ24によって支持体4の上に固定されている。シール部
材20はベアリング18用の潤滑油が漏れないようにシール
している。環状ギア26は、エンジンブロック2のコアカ
バー3の出力シャフト16と同じ側に固定されており、前
記出力シャフトの一部を間隔をおいて外囲し、かつそれ
と同軸となるように設けられている。
始動モータ28は支持体4に固定され、そのスプロケッ
ト30はギア26と係合している。始動モータ28には適当な
ベンディックスシステム(Bendix system)が備えら
れ、エンジンブロックを回転することによってエンジン
を始動させる役目を果たす。図示した例においては、4
つのピストンチャンバ10が設けられており、それらは全
て、同一平面上で90゜の間隔をおいて、正確に回転軸6
の放射方向に延在する形で設けられている。
各シリンダヘッド12には、従来の構造の排気バルブ32
が取り付けられており、排気バルブは、閉ポジションに
ばね付勢されている。各排気バルブ32は、シリンダヘッ
ド12上の点38に回動自在に取り付けられたロッカーアー
ム36によって、ばね34の付勢に対抗して開かれる。この
ときロッカーアーム36は、環状ギア26のハブを貫通して
延在し、そこでガイドされている長さ調節可能式プッシ
ャーロッド40、及びシリンダヘッドイヤー13によって動
かされる。プッシャーロッド40にはカムフォロワローラ
42が取り付けられており、カムフォロワローラ42は、リ
ングアセンブリ21、22、及び23の一部である21に形成さ
れたカム44上に載せられている(第12図も参照)。図面
には、ボルト27によってエンジンブロックコア3に固定
された環状ギア26も示されている。
エンジンブロックは、動力出力シャフト16の反対側に
おいて、円筒形支持部48を外囲するニードルベアリング
46に枢支されており、円筒形支持部48には外向きの環状
フランジ50が設けられ、ボルト52によって支持体4に固
定されている。
シール部材54及び54aはニードルベアリング46の両側
に取り付けられている。
点火手段は点火プラグ56を有し、点火プラグは各シリ
ンダヘッド12上に取り付けられ、ピン形状のコレクタ58
に電気的に接続されている。各4つのピン形状のコレク
タ58は、電気的に絶縁性の材料によって作られ、回転軸
6と同軸のブラケット62によって支持されており、エン
ジンブロックコア3を間隔をおいて外囲しているリング
60に設けれられている。4つのコレクタピン58は、導電
リング部66の溝64に載るようにされている。導電リング
部は、絶縁ガスケット68を挟んで支持部48のフランジ50
上に支持されている。また、導電リング部66は、エンジ
ンの回転方向に角度にして2、3度分延在している。こ
のような形状にすることによって、エンジンブロックが
2、3度回転する間、点火プラグを連続的に点火された
状態にすることができる。
カムシャフト14は、支持部48の孔を通して、ボールベ
アリング72及び予め潤滑されたブッシング74によって枢
支される形で、前記支持部48の中に取り付けられる。ま
た、ブッシング74は中央チャンバ8の近くに配置され
る。
駆動歯車列は、カムシャフト54とエンジンブロック2
とを同じ方向に等速度で回転させるために設けられる。
この駆動歯車列には、クランクシャフト14の外側末端に
固定され、スプロケット78と係合するメインギア76が含
まれる。スプロケット78は、補助シャフト80に固定され
ている。補助シャフト80は、支持部48の中のベアリング
82によって枢支され、ギア78と同じ直径の第2スプロケ
ットギア84がその上に取り付けられている。第2スプロ
ケットギア84は、エンジンブロック2のコア3に取り付
けられた環状ギア86と係合しており、メインギア76と同
じ直径を有する。
必要ならば、回転計90がクランクシャフト14の外側末
端に連結される。このとき、回転計90はカバー94に固定
されたブラケット92によって支持される。カバー94は支
持部48に取り外し自在な形で取り付けられ、内部の空間
95を密閉してメインギア76及びスプロケットギア78をケ
ーシングする。これらのギア用の潤滑油は空間95の中
に、また、ギア84及び86をケーシングする空間の中にも
蓄えられており、シール部材54によってシールされてい
る。
クランクシャフト14の内側末端には、中央チャンバ8
の内部にあるホイール96が形成されており、シャフトは
スタッド98によって延長されている。スタッド98上に
は、ホイール96と同じ直径のディスク100が固定され、
ホイールから間隔をおいた形でリストボルト102によっ
てそこに取り付けられている。
ピストン104は、各ピストンチャンバ10の内部におい
て往復自在な形で設けられており、結合ロッド106によ
ってホイール96のクランクアセンブリに結合されてい
る。即ち、結合ロッド106はリストボルト102によってデ
ィスク100に回動自在に結合されているのである。4つ
のリストボルトは結合ロッド106のクランクシャフト14
への結合点を形成し、これらの結合点はシャフト14の軸
から等しく放射方向に間隔をおいて配置されており、ま
たこの結合点は、第2図の矢印108によって示されるよ
うに、ピストンチャンバ10の長手方向の軸110に関し
て、エンジンブロックの回転方向に進角される。第2図
に明示されているように、各結合点とクランクシャフト
14の軸とを相互に接続する直線は各ピストンチャンバ10
の長手方向の軸110に対して概ね直角である。エンジン
ブロックが完全に1回転する間この関係は概ねそのまま
維持されるので、シリンダの何れかに点火されるとき、
カムシャフトには最大トルクがかかり、これは燃焼スト
ローク全体に亘って実質的に維持される。
第1図及び第3図に示すように、可燃性ガス吸気部
は、支持部48から延出している横向きチューブ112を有
し、横向きチューブ112は、支持部48の中に形成されて
いる長手方向の孔114と連通し、中央チャンバ8の内部
において開かれている。更にこのチャンバは、2組の通
路を通して4つのピストンチャンバ10と連通しており、
前記2組の通路の内の第1の放射方向の通路の組116
は、各ピストンチャンバ10の外部においてピストンチャ
ンバを取り囲む形で形成され、内側の端部において中央
チャンバ8と連通しており、ピストンチャンバの円筒形
壁のポート118において同様に開かれている。
中央チャンバから爆発チャンバへ至る第2の通路の組
は、ピストン自体の中を貫通して設けられている。第7
図〜第10A図に示されているように、各ピストンの頂部
には2つのオリフィス120が形成されており、それぞれ
チェックバルブ122によって密封されている。チェック
バルブ122によって、可燃性ガスの流れが1方向に、即
ち中央チャンバから爆発チャンバへと定められる。爆発
チャンバはシリンダヘッド12、及びピストンの上のピス
トンチャンバの隣接する部分によって形成されている。
各チェックバルブ122は、ボルト124によってピストンの
頂部に固定された、板ばねの形で設けられる。この板ば
ねは、圧力差があるとき、即ちピストン内の圧力が爆発
チャンバの圧力より高いときオリフィス120を開くよう
に作用する。
必要ならば、圧力差に反応する他のタイプのチェック
バルブで、燃焼中にピストンチャンバ内で生成される圧
力に適切に抵抗するものも用いられ得るということは明
らかである。
第8図には、従来の形のピストンリング126及び、ピ
ストンと結合ロッドとを結合するリストピン128が示さ
れており、結合ボルト102が、結合ロッドと、ホイール9
6とディスク100とによって形成されたクランクアセンブ
リとを回動自在に結合している構成が示されている。
再び第2図を参照すると、各シリンダヘッド12が、排
気バルブ32の下流に伸びる排気通路130を形成している
のが示されている。排気通路130は、排気ノズル132と連
通している。排気ノズル132は、その末端部において完
全に開かれており、かつピストンチャンバの長手方向の
軸に対して直角となるようにシリンダヘッドに固定さ
れ、図の矢印108で示されているエンジンブロックの回
転方向と反対の向きに伸びている。
エンジンは空冷式であり、シリンダヘッドには冷却フ
ィン134が設けられ、各ピストンチャンバには冷却フィ
ン136が設けられている。
駆動歯車列を示す第4図及び第5図を再び参照する
と、補助シャフト80のエンジンブロック回転軸6及びク
ランクシャフト14に対する配置が、スプロケット78及び
84がメインギア76及び環状ギア86と、一端から見たとき
後者の2つのギア76及び78の外周部が交差する点におい
て係合し合うように定められていることが示されてい
る。
第13図に示すのはガソリンと潤滑油の適当な混合物を
含む従来通りの燃料溜め137と上述の2ストロークエン
ジンであるエンジンとを含む燃料回路の模式図である。
燃料の混合物は従来通りの気化器138に供給され、空気
と燃料の混合物は好ましくはポンプ若しくはブロア140
によって加圧される。ブロア140は、一定の圧力の下、
横向き供給チューブ112及び孔114を通して、中央チャン
バ8の中に燃料混合物を供給するスーパーチャージャー
の役割を果たす。
第14図は、以下に記述するような従来通りの部品を含
む、電気系統の模式図である。即ち、バッテリ142は接
地部分144及び電位が正のワイヤ146を有し、発電器143
及び電圧レギュレータ145によって再充電され、エンジ
ン始動モータ28、電流計148、ライティングシステム15
0、及び必要ならば、点火スイッチ152を通して電流レギ
ュレータ154、誘導コイル156に電流を供給する。誘導コ
イル156は、配電ボックス158を通して絶縁リング部66a
の導電エミッタストリップ160に高電圧を供給し、ま
た、ピストンが上死点にあるとき、エンジンブロックが
2、3度回転する間、点火プラグの何れか1つ56とコレ
クタピン58との電気的接続を維持するものである。
エンジンは以下のように動作する。即ち、このエンジ
ンは2ストロークエンジンであり、ピストンが個々のエ
ンジンの爆発に対して2ストローク分の動きを起こす
が、それは放射方向に外向きのストロークと、放射方向
に内向きのストロークである。第6図及び第6A図〜第6E
図を参照すると、エンジンブロック2が、連続的にその
角度位置を変化させていく様子が、ピストンチャンバの
内部においてエンジンブロックの角度位置に対応する長
手方向の位置をとっているピストンチャンバの1つとと
もに示されている。このような形となるのは、エンジン
ブロックの回転軸6に対してカムシャフト14の位置がオ
フセットされているためである。第6図において、ピス
トンは上死点にあり、排気バルブは閉じており、かつ吸
気ポート、板ばねチェックバルブ122も閉じられてお
り、可燃性ガスはピストン上で完全に圧縮されている。
次に点火が行われてガスが燃焼し、第6B図に示すように
概ね4分の1回転以上エンジンブロックが回転する間に
作動ストロークに入る。排気バルブ32は(第12図に見ら
れるように)カム44の作用によって開き、排気ガスが排
気ノズル132を通して排気され、噴流となることにより
エンジンブロックの回転を補助する。以下に述べるよう
に、爆発によって発生した圧力がブロア140によって生
成された中央チャンバ8内の圧力と同等の圧力を有する
場合に、板ばねチェックバルブ122が開いて新しい可燃
性ガスが導入され、それが排気ガスを押し流す役目を果
たす。このような排気ガスを押し流す作用の効率は、エ
ンジンブロックの回転による遠心力がガスに掛かること
によって増加する。
排気バルブは閉じられるが、バルブ122は開ポジショ
ンのままであり、ピストンは放射方向内向きのストロー
クを続行する。即ち、吸気ポート118は、第6C図に示す
ように密閉されておらず、追加的な新しい可燃性ガスが
爆発チャンバに導入される。このガスは、ピストンの圧
縮ストロークの間に圧縮されるが、このとき初めてポー
ト118は閉じられ、第6図に示すように、ガスは、点火
のために完全に圧縮される。
燃焼ストローク全体に亘ってクランクシャフトに最大
トルクがかかっており、また、ピストンのストロークの
最大値は、エンジンブロックの回転軸6とクランクシャ
フト14の軸との間のオフセットの距離と、結合点102と
クランクシャフト14の軸との間の距離との和に実質的に
等しいということに気付かれたい。
本発明に基づく試作品での実験によれば、試作品のア
イドリング速度は、従来のピストンエンジンのアイドリ
ング速度の約半分の値を示した。これは上述の本発明の
エンジンの特徴により、最も高い蓋然性をもって導かれ
る結果である。このエンジンは、動的なバランスを十分
に取れば、従来のエンジンと比較して振動が少なくな
る。たとえエンジンブロックの回転を利用して、エンジ
ンを空気で冷却する場合でも、新しい可燃性ガスの流れ
がピストン自体の中を通ってもいるために、冷却効率も
高くなる。
ピストン内部の吸気バルブにおいても、遠心力が同時
に作用することにより、エンジンの吸・排気特性が改善
されている。遠心力はエンジンブロックの回転によって
導入される可燃性ガスと排気ガスの双方に掛かる。
更に、アイドリング速度が低いために、動作全体の経
済性が改善され、エンジンの磨耗も少なくなる。
また、ディーゼルエンジンに対しても本発明の基本的
な原理を適用することは論理的に可能である。
例示した実施例においては、出力トルクを動力出力シ
ャフト16を通して得ているが、クランクシャフト14の外
側末端を適切に変形し、この外側末端における回転計を
除去することによって、クランクシャフト14から直接出
力トルクを得ることも可能であることは明らかである。
このような実施例では、ギア76及び78、補助シャフト8
0、スプロケット84、及び環状ギア86から形成される駆
動歯車列を通してトルクを伝達する必要が無くなる。こ
の場合、駆動歯車列はクランクシャフトと同期させてエ
ンジンブロックを回転させるだけの役目を果たすことに
なる。
実施例では4シリンダエンジンを示したが、シリンダ
の数を増やしたり、若しくは減らすことも可能であるこ
とは明らかである。
第15図には、本発明に基づく2つのエンジンが互いに
対向する形で配置されており、ここでは、各エンジンブ
ロック2が共通の支持体4aの上に載置されており、各出
力シャフト16は同軸となるように配置され、スプロケッ
ト162で相互に接続されている。スプロケット162は、支
持体4の上に取り付けられた共通出力シャフト168のス
プロケット166を、駆動チェーン164を通して回転駆動さ
せている。各エンジンのクランクシャフトと動力シャフ
トとの間のオフセットの方位角は異なっており、例え
ば、図においてリング部66aを含む各点火電流エミッタ
アセンブリ170の角度のずれによって示されているよう
に、一方のエンジンと他方のエンジンとが角度にして45
゜ずらされて点火される形となる。
第13図の模式図を参照すると、このエンジンにおいて
は、さまざまな導入ポート及び排気バルブの開閉のタイ
ミングに基づき、エンジンブロックの導入チューブ112
とブロア140との間の導入回路において、チェックバル
ブを設けることが必要となる。このチェックバルブは導
入されたガスがブロアに向かって戻ることを防止するた
めのものである。
全ての結合ロッドが同一平面上にあるために、エンジ
ンの長さは短くなる。
点火システムは、エンジンブロックが角度にして2、
3度回転する間、点火プラグへの点火を行い、これが、
エンジンの始動に対するフールプルーフとなる。また、
ピストンの下死点に関して点火進角または点火遅角ため
のシステムを設ける必要が無くなる。
第15図のように2つのエンジンを用いることによっ
て、各エンジンブロックの回転45゜毎に1回の爆発が起
こることになる。燃料システム及び点火システムは両エ
ンジンに共通となりうるが、この場合、それぞれのブロ
ック66aの位置の独立した調節が必要となる。
本発明のエンジンを取り付けた乗り物では、それが止
まっている場合でも、アイドリング速度、及びエンジン
の冷却に関する高い効率を維持できる。
フロントページの続き (56)参考文献 米国特許4249487(US,A) 米国特許3517651(US,A) 仏国特許出願公開771579(FR,A 1) 仏国特許出願公開442447(FR,A 1) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F02B 57/08

Claims (16)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】支持体4と、 エンジンブロック回転軸6を中心に回転するように前記
    支持体上に取り付けられたエンジンブロック2とを有
    し、 前記エンジンブロック2が、中央チャンバ8と、前記中
    央チャンバから外向きに延出し、その内側末端において
    前記中央チャンバと連通している少なくとも1つのラジ
    アルピストンチャンバ10とを画定することを特徴とし、 前記ピストンチャンバ10の放射方向外側末端を密封し、
    前記ピストンチャンバと共に爆発チャンバを画定するピ
    ストンチャンバヘッド12と、 前記エンジンブロック回転軸と平行、かつ放射方向へオ
    フセットするように、前記エンジンブロック2に回転自
    在に取り付けられたクランクシャフト14と、 前記エンジンブロック2と前記クランクシャフト14とを
    結合し、両者が同じ方向に等速度で回転するようにする
    駆動歯車列76、78、84、86と、 前記ピストンチャンバ10内を往復自在となるように設け
    られたピストン104と、 前記ピストン104に結合され、かつ前記クランクシャフ
    ト14の結合点102に結合された結合ロッド106とを有し、 前記クランクシャフト14の結合点102が、前記クランク
    シャフト14の回転軸から放射方向に間隔をおいて、前記
    ピストンチャンバ10の長手方向の軸に対して、前記エン
    ジンブロック2の回転方向に進角されていることを特徴
    とするロータリー内燃機関エンジン。
  2. 【請求項2】前記クランクシャフト14が、動力出力シャ
    フトであることを特徴とする請求項1に記載のエンジ
    ン。
  3. 【請求項3】前記エンジンブロックの、前記中央チャン
    バ8の一方の側に固定され、エンジンブロック回転軸6
    と同軸となるように前記支持体においてベアリングによ
    って枢支された動力出力シャフト16を更に有することを
    特徴とする請求項1に記載のエンジン。
  4. 【請求項4】前記クランクシャフト14が、第2の動力出
    力シャフトを形成することを特徴とする請求項3に記載
    のエンジン。
  5. 【請求項5】前記中央チャンバ8と連通する可燃性ガス
    吸気手段112、114と、 前記中央チャンバ8と前記爆発チャンバとを連通せしめ
    る第1通路手段116とを更に有することを特徴とする請
    求項1に記載のエンジン。
  6. 【請求項6】前記第1通路手段116が、前記エンジンブ
    ロック2を貫通し、かつ前記ピストンチャンバ10の外側
    に至るまで延在することを特徴とする請求項5に記載の
    エンジン。
  7. 【請求項7】前記ピストン104を通して延在する第2通
    路手段120と、 前記可燃性ガスが、前記ピストン104を通して前記中央
    チャンバから前記爆発チャンバへのみ一方向に流れるよ
    うにする、前記ピストン104に取り付けられたチェック
    バルブ手段122とを更に有することを特徴とする請求項
    6に記載のエンジン。
  8. 【請求項8】前記チェックバルブ手段122が、前記ピス
    トン104の両端の圧力差によって駆動されることを特徴
    とする請求項7に記載のエンジン。
  9. 【請求項9】前記シリンダヘッド12上に取り付けられた
    点火手段56を更に有することを特徴とする請求項5に記
    載のエンジン。
  10. 【請求項10】前記シリンダヘッド12上に取り付けられ
    た排気ガスバルブ手段32を更に有することを特徴とする
    請求項9に記載のエンジン。
  11. 【請求項11】前記ピストンチャンバ10の長手方向の軸
    に対して実質的に垂直に、かつ前記エンジンブロック2
    の回転方向とは反対の向きに延在するように前記シリン
    ダヘッド12上に固定された排気ガス放出ノズル132を更
    に有することを特徴とする請求項10に記載のエンジン。
  12. 【請求項12】前記吸気手段112、114に、可燃性ガスポ
    ンプ手段140を更に有することを特徴とする請求項1に
    記載のエンジン。
  13. 【請求項13】2ストロークエンジンであって、 追加的なラジアルピストンチャンバ10と 各ピストンチャンバ10におけるピストン104と、 各ピストンチャンバ10における結合ロッド106とを更に
    有し、 前記追加的ピストンチャンバが、第1の前記ピストンチ
    ャンバを起点として互いに一定の角度をなすように設け
    られることを特徴とし、 各前記結合ロッド106が結合する各前記クランクシャフ
    ト14の結合点102が、前記クランクシャフト14の回転軸
    から放射方向に等しく一定の間隔をおき、隣接する各結
    合点が互いに等しく一定の角度をなすようにされること
    を特徴とする請求項11に記載のエンジン。
  14. 【請求項14】前記ピストンチャンバ10を囲む前記エン
    ジンブロック2から延出するフィン手段134、136を更に
    有することを特徴とする請求項13に記載のエンジン。
  15. 【請求項15】各爆発チャンバ用の点火手段を更に有
    し、 各前記点火手段が、 前記支持体4に固定され、エンジンブロックの回転方向
    に延在するエミッタ160と、 前記エミッタ160に高電圧を連続的に供給する手段156
    と、 各前記シリンダヘッド12上に取り付けられ、前記爆発チ
    ャンバ内に露出された点火プラグ56と、 各前記点火プラグ56に電気的に接続され、前記シリンダ
    ヘッド12に固定されたコレクタ58とを有することを特徴
    とし、 前記エミッタ160及び前記コレクタ58の組が、前記エン
    ジンブロックの回転方向に延びており、それによって、
    前記エンジンブロックが数度回転する間、前記エミッタ
    160及び前記コレクタ58の組が電気的に相互に接続され
    ている状態が保持されることを特徴とする請求項13に記
    載のエンジン。
  16. 【請求項16】動力出力シャフト16を有する追加的な1
    つのエンジンを更に有し、 2つのエンジンが前記支持体4a上に取り付けられ、 それぞれ他のエンジンの方に延びた各エンジンの2つの
    出力シャフトと、 前記2つの出力シャフト26を相互に連結するスプロケッ
    トギア162と、 前記エンジンブロック2の回転伝達経路の外部の、前記
    支持体4a上に回転自在に取り付けられた共通出力シャフ
    ト168と、 前記第1及び第2スプロケットギアと係合する駆動チェ
    ーン164とを有し、 各前記エンジンが、少なくとも4つのピストンチャンバ
    10を有し、 前記エンジンの一方における前記エンジンブロック2の
    回転軸6に対するクランクシャフト14のオフセットが、
    前記エンジンの他方における前記エンジンブロック2の
    回転軸6に対するクランクシャフト14のオフセットに対
    して、エンジンブロックの回転軸に対する傾斜角が大き
    くなるように進められていることを特徴とする請求項15
    に記載のエンジン。
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